JP3218393U - 包装袋 - Google Patents
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Abstract
【課題】略直方体状の箱を簡単に包装することができる、包装袋を提供する。
【解決手段】包装袋10は、プラスチックフィルムからなる袋本体12を備えている。袋本体12の前面部14の下部34の一方側縁34aおよび他方側縁34bは、左面部18および右面部20に対して熱溶着されている。袋本体12の後面部16の下部36の一方側縁36aおよび他方側縁36bは、左面部18および右面部20に対して熱溶着されている。また、前面部14における第1横折り線N1を挟んで対応する一対の第1部分42,42が、互いに重ね合わされて第1留め手段44で留められており、後面部16における第2横折り線N2を挟んで対応する一対の第2部分48,48が、互いに重ね合わされて第2留め手段50で留められている。
【選択図】図2
【解決手段】包装袋10は、プラスチックフィルムからなる袋本体12を備えている。袋本体12の前面部14の下部34の一方側縁34aおよび他方側縁34bは、左面部18および右面部20に対して熱溶着されている。袋本体12の後面部16の下部36の一方側縁36aおよび他方側縁36bは、左面部18および右面部20に対して熱溶着されている。また、前面部14における第1横折り線N1を挟んで対応する一対の第1部分42,42が、互いに重ね合わされて第1留め手段44で留められており、後面部16における第2横折り線N2を挟んで対応する一対の第2部分48,48が、互いに重ね合わされて第2留め手段50で留められている。
【選択図】図2
Description
本考案は、果物や菓子などを収容した略直方体状の箱を包装するためのプラスチックフィルムからなる包装袋に関する。
従来から、プラスチックフィルムからなる様々な種類の包装袋がある。下記特許文献1に記載された包装袋は、上方に向けて開かれた平面視で四角形の収容空間を構成する前面部、後面部、左面部および右面部を有する袋本体を備えている。互いに対向する左面部および右面部のそれぞれには、それらを内側に折り込むための上下方向に延びる縦折り線が設けられている。互いに対向する前面部および後面部のそれぞれの下端縁は、内側に折り込まれた左面部および右面部のそれぞれの下端縁を挟んで互いに熱溶着されている。この包装袋では、プラスチックフィルムに対して、シール工程、不要部分を取り除く工程および裁断分離工程などを施すことによって、簡単かつ安価に製造することができる。
しかしながら、上記特許文献1に記載された包装袋では、前面部と後面部とが重ね合わされた状態で製造されるため、略直方体状の箱を包装するときには、収容空間の形状を整えながら左面部および右面部を広げなければならず、包装作業が面倒であった。
本考案は上記問題に対処するためになされたものであり、略直方体状の箱を簡単に包装することができる、包装袋を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本考案に係る包装袋の特徴は、プラスチックフィルムからなり、上方に向けて開かれた平面視で四角形の収容空間を構成する前面部、後面部、左面部および右面部を有する袋本体を備え、互いに対向する前記左面部および前記右面部のそれぞれには、それらを内側に折り込むための上下方向に延びる縦折り線が設けられており、互いに対向する前記前面部および前記後面部のそれぞれの下端縁は、内側に折り込まれた前記左面部および前記右面部のそれぞれの下端縁を挟んで互いに熱溶着されている、包装袋において、前記前面部の下部は、その幅方向に延びる第1横折り線で前記後面部側に折られており、前記後面部の下部は、その幅方向に延びる第2横折り線で前記前面部側に折られており、前記前面部の下部の一方側縁および他方側縁は、前記左面部および前記右面部に対してそれらの幅方向に延びる溶着線において線状に熱溶着されており、前記後面部の下部の一方側縁および他方側縁は、前記左面部および前記右面部に対してそれらの幅方向に延びる溶着線において線状に熱溶着されていることにある。
この構成では、前面部の下部が、第1横折り線で後面部側に折られ、かつ、後面部の下部が、第2横折り線で前面部側に折られている。また、前面部および後面部のそれぞれの下部の一方側縁および他方側縁が、左面部および右面部に対して、それらの幅方向に延びる溶着線において線状に熱溶着されている。これにより、四角形の平らな底面部を構成することができる。したがって、略直方体状の箱を包装するときには、収容空間の形状を整えながら底面部を四角形にする手間を軽減でき、簡単に包装することができる。なお、この場合、線状は、1つまたは2つ以上の連続的な線状のほか、断続的な線状も含むものである。
本考案に係る包装袋の他の特徴は、前記前面部の下部の一方側縁および他方側縁と前記左面部および前記右面部との前記各熱溶着部分は、前記前面部の下部を前記左面部および前記右面部の各幅方向に沿ってそれぞれ折り畳んだ部分に前記左面部および前記右面部をそれぞれ重ねた3枚の前記プラスチックフィルムが互いに熱溶着されていることにある。
この構成では、前面部の下部を左面部および右面部の各幅方向に沿ってそれぞれ折り畳んだ部分に左面部および右面部をそれぞれ重ねた3枚のプラスチックフィルムが互いに熱溶着されているため、四角形で平らな底面部を簡単に形成することができる。
本考案に係る包装袋の他の特徴は、前記前面部の下部の一方側縁および他方側縁と前記左面部および前記右面部との前記各熱溶着部分は、前記前面部の下部を前記左面部および前記右面部の各幅方向に沿ってそれぞれ折り畳んだ部分に前記左面部および前記右面部を各幅方向に沿ってそれぞれ折り畳んだ部分を重ねた4枚の前記プラスチックフィルムが互いに熱溶着されていることにある。
この構成では、前面部の下部を左面部および右面部の各幅方向に沿ってそれぞれ折り畳んだ部分に左面部および右面部を各幅方向に沿ってそれぞれ折り畳んだ部分を重ねた4枚のプラスチックフィルムが互いに熱溶着されているため、剛性を有した四角形で平らな底面部を簡単に形成することができる。
本考案に係る包装袋の他の特徴は、前記前面部における前記第1横折り線を挟んで対応する一対の第1部分が、互いに重ね合わされて第1留め手段で留められており、前記後面部における前記第2横折り線を挟んで対応する一対の第2部分が、互いに重ね合わされて第2留め手段で留められていることにある。
この構成では、第1留め手段および第2留め手段によって、底面部の四角形の形状を保持することができる。したがって、略直方体状の箱を包装するときには、収容空間の形状を整えながら底面部を四角形にする手間を軽減できる。なお、第1留め手段および第2留め手段としては、熱溶着、ステープラおよび接着剤などを用いることができる。
本考案に係る包装袋の他の特徴は、前記第1留め手段および前記第2留め手段の少なくとも一方は、一対の前記第1部分または一対の前記第2部分を前記第1横折り線または前記第2横折り線に対して直交する方向に延びる線状に熱溶着する線状溶着部を有していることにある。
この構成では、一対の第1部分および/または一対の第2部分を、線状溶着部を用いて第1横折り線および/または前記第2横折り線に対して直交する方向に延びる線状に熱溶着しているので、略直方体状の箱を包装するときには、線状溶着部が妨げになり難い。また、複数の箱を収容空間に並べて収容するときには、線状溶着部を「仕切り」として用いることができる。したがって、包装作業の作業効率を高めることができる。
本考案に係る包装袋の他の特徴は、前記第1留め手段および前記第2留め手段の少なくとも一方は、一対の前記第1部分または一対の前記第2部分を円状に熱溶着する円状溶着部を有していることにある。
この構成では、一対の第1部分および/または一対の第2部分を、円状溶着部を用いて熱溶着することができるので、一対の第1部分および/または一対の第2部分を分離させる方向に外力が作用した場合でも、円状溶着部における応力集中が生じ難く、これらは分離され難い。
本考案に係る包装袋の他の特徴は、前記第1留め手段および前記第2留め手段の少なくとも一方は、一対の前記第1部分または一対の前記第2部分を前記第1横折り線または前記第2横折り線に対して直交する方向に延びる線状に熱溶着する線状溶着部を有しており、前記円状溶着部は、前記線状溶着部における前記第1横折り線または前記第2横折り線に近接する端部とは反対側の端部に設けられていることにある。
この構成では、線状溶着部の上記効果と円状溶着部の上記効果とを同時に奏することができる。つまり、線状溶着部によって、包装の作業効率を高めることができ、円状溶着部によって、一対の第1部分および/または一対の第2部分が分離されることを抑制できる。
上記目的を達成するため、本考案に係る包装袋の特徴は、プラスチックフィルムからなり、上方に向けて開かれた平面視で四角形の収容空間を構成する前面部、後面部、左面部、右面部および底面部を備え、前記前面部と前記底面部との第1境界線を挟んで対応する一対の第1部分が、互いに重ね合わされて第1留め手段で留められており、前記後面部と前記底面部との第2境界線を挟んで対応する一対の第2部分が、互いに重ね合わされて第2留め手段で留められていることにある。
この構成では、前面部と底面部との第1境界線を挟んで対応する一対の第1部分が、互いに重ね合わされて第1留め手段で留められており、後面部と底面部との第2境界線を挟んで対応する一対の第2部分が、互いに重ね合わされて第2留め手段で留められている。これにより、底面部の形状を保持することができる。したがって、略直方体状の箱を包装するときには、収容空間の形状を整えながら底面部を四角形にする手間を軽減でき、簡単に包装することができる。なお、第1留め手段および第2留め手段としては、熱溶着、ステープラおよび接着剤などを用いることができる。
本考案に係る包装袋の他の特徴は、前記第1留め手段および前記第2留め手段の少なくとも一方は、一対の前記第1部分または一対の前記第2部分を熱溶着する熱溶着部を有していることにある。
この構成では、一対の第1部分および/または一対の第2部分を熱溶着しているので、ステープラや接着剤を用いる場合に比べて、作業効率を高めることができる。
以下、本考案に係る包装袋の実施形態について図面を参照しながら説明する。
(包装袋10の構成)
図1は、第1実施形態に係る包装袋10の構成を示す図であり、(A)は平面図、(B)は斜め上方から見た斜視図である。図2は、包装袋10の構成を示す図であり、(A)は斜め下方から見た斜視図、(B)は第1留め手段44の構成を示す断面図である。図3は、ベースとなる袋本体12の構成を示す図であり、(A)は正面図、(B)は(A)におけるIIIB-IIIB線断面図である。図4は、ベースとなる袋本体12に底面部30を形成する方法を示す図であり、(A)は熱溶着により底面部30を形成する直前の状態を示す斜め下方から見た斜視図、(B)は熱溶着により底面部30を形成した後の状態を示す断面図である。なお、以下の説明で用いる「前・後・左・右・上・下」の各方向は、図中に矢印で示したこれらの方向と一致する。
図1は、第1実施形態に係る包装袋10の構成を示す図であり、(A)は平面図、(B)は斜め上方から見た斜視図である。図2は、包装袋10の構成を示す図であり、(A)は斜め下方から見た斜視図、(B)は第1留め手段44の構成を示す断面図である。図3は、ベースとなる袋本体12の構成を示す図であり、(A)は正面図、(B)は(A)におけるIIIB-IIIB線断面図である。図4は、ベースとなる袋本体12に底面部30を形成する方法を示す図であり、(A)は熱溶着により底面部30を形成する直前の状態を示す斜め下方から見た斜視図、(B)は熱溶着により底面部30を形成した後の状態を示す断面図である。なお、以下の説明で用いる「前・後・左・右・上・下」の各方向は、図中に矢印で示したこれらの方向と一致する。
図1(A)に示すように、包装袋10は、果物や菓子などを収容した略直方体状の箱Xを包装するための袋であり、本実施形態では、2つの箱Xを並べて包装できるように構成されている。図1(A)では、2つの箱Xを仮想線(二点鎖線)で示している。なお、箱Xに収容される「果物」としては、イチゴ、ブドウおよびブルーベリーなどが考えられ、「菓子」としては、ケーキ、クッキー、大福および団子などが考えられるが、これらに限定されるものではない。
図1(A),(B)に示す包装袋10は、図3(A),(B)に示す袋本体12を備えている。図3(A),(B)に示すように、袋本体12は、ポリエチレンフィルムなどの熱溶着が可能な熱可塑性プラスチックフィルムを加工したものであり、上方に向けて開かれた平面視で四角形の収容空間S(図1(A),(B))を構成する前面部14、後面部16、左面部18および右面部20を有している。互いに対向する左面部18および右面部20のそれぞれには、それらを内側に折り込むための上下方向に延びる縦折り線22a,22bが設けられており、これによって、袋本体12の左右方向両側には、マチ24a,24bが構成されている。
また、図3(A)に示すように、互いに対向する前面部14および後面部16(図3(B))のそれぞれの下端縁14a,16aは、内側に折り込まれた左面部18および右面部20のそれぞれの下端縁18a,20aを挟んで、互いに熱溶着されている。つまり、下端縁14a,16a,18a,20aは、図3(A)中に実線で示した溶着線Mにおいて線状に熱溶着されている。さらに、前面部14および後面部16のそれぞれの上部には、人の手指が引っ掛けられる貫通孔26が形成されている。
上記の袋本体12をベースとして包装袋10を得るために、袋本体12には、以下の加工が施されている。すなわち、図4(A)に示すように、前面部14の下部34は、その幅方向に延びる第1横折り線N1で後面部16側に折られており、後面部16の下部36は、その幅方向に延びる第2横折り線N2で前面部14側に折られている。左面部18の下部38は、第3横折り線N3で右面部20側に2つに折られており、これによって、平面視で三角形となる重なり部18bが構成されている。右面部20の下部40は、第4横折り線N4で左面部18側に2つに折られており、これによって、平面視で三角形となる重なり部20bが構成されている。
図2(A)に示すように、前面部14の下部34の一方側縁34aは、左面部18に対して、その幅方向に延びる溶着線M1において線状に熱溶着されており、前面部14の下部34の他方側縁34bは、右面部20に対して、その幅方向に延びる溶着線M2において線状に熱溶着されている。また、後面部16の下部36の一方側縁36aは、左面部18に対して、その幅方向に延びる溶着線M1において線状に熱溶着されており、後面部16の下部36の他方側縁36bは、右面部20に対して、その幅方向に延びる溶着線M2において線状に熱溶着されている。
本実施形態では、前面部14および後面部16のそれぞれの下部34,36の一方側縁34a,36aが、左面部18の重なり部18bに重ね合わされて、熱可塑性プラスチックフィルムの3層構造が構成されており、これらの各層が溶着線M1において互いに線状に熱溶着(3枚溶着)されている。また、前面部14および後面部16のそれぞれの下部34,36の他方側縁34b,36bが、右面部20の重なり部20bに重ね合わされて、熱可塑性プラスチックフィルムの3層構造が構成されており、これらの各層が溶着線M2において互いに線状に熱溶着(3枚溶着)されている。なお、熱可塑性プラスチックフィルムの3層構造については、図4(B)に示している。
図1(A)に示すように、上記の加工により、袋本体12の下部には、平面視で四角形の底面部30が構成されており、底面部30の左右方向両端部では、左面部18および右面部20のそれぞれの下部38,40が、前面部14および後面部16の下部34,36に対して三角形状で重ね合わされている。袋本体12の上部には、収容空間Sを上方に向けて開くための開口部32が構成されている。
図2(B)に示すように、前面部14の幅方向(左右方向)中央部では、前面部14における第1横折り線N1を挟んで対応する一対の第1部分42,42が、互いに重ね合わされて第1留め手段44で留められている。第1留め手段44は、一対の第1部分42,42を第1横折り線N1に対して直交する方向に延びる線状に熱溶着する線状溶着部44aを有している。本実施形態の第1留め手段44は、前面部14の幅方向(左右方向)中央部に配置されており、収容空間Sを2つの領域に仕切る「仕切り」となっている。なお、本実施形態の線状溶着部44aは、切れ目なく連続する線状に構成されているが、線状溶着部44aは、間欠的に連続する線状(破線状)に構成されてもよい。
一方、図2(A)に示すように、後面部16の幅方向(左右方向)中央部では、後面部16における第2横折り線N2を挟んで対応する一対の第2部分48,48が、互いに重ね合わされて第2留め手段50で留められている。第2留め手段50は、一対の第2部分48,48を第2横折り線N2に対して直交する方向に延びる線状に熱溶着する線状溶着部50aを有している。本実施形態の第2留め手段50は、後面部16の幅方向(左右方向)中央部に配置されており、収容空間Sを2つの領域に仕切る「仕切り」となっている。なお、本実施形態の線状溶着部50aは、切れ目なく連続する線状に構成されているが、線状溶着部50aは、間欠的に連続する線状(破線状)に構成されてもよい。
(包装袋10の使用方法)
図1(A),(B)に示す包装袋10を用いて箱Xを包装するときには、底面部30(図1(A))を下にし、収容空間Sを広げるようにして開口部32を上方に向ける。そして、2つの箱Xを開口部32から収容空間Sの内部に挿入し、これらを平らな底面部30の上面に並べて配置する。このとき、図2(A)に示す第1留め手段44および第2留め手段50が、収容空間Sを2つの領域に仕切る「仕切り」となっているので、2つの箱Xのそれぞれを対応する領域に配置し易い。
図1(A),(B)に示す包装袋10を用いて箱Xを包装するときには、底面部30(図1(A))を下にし、収容空間Sを広げるようにして開口部32を上方に向ける。そして、2つの箱Xを開口部32から収容空間Sの内部に挿入し、これらを平らな底面部30の上面に並べて配置する。このとき、図2(A)に示す第1留め手段44および第2留め手段50が、収容空間Sを2つの領域に仕切る「仕切り」となっているので、2つの箱Xのそれぞれを対応する領域に配置し易い。
(包装袋10の効果)
本実施形態によれば、上記構成により以下の各効果を奏することができる。すなわち、図2(A)に示すように、前面部14の下部34が、第1横折り線N1で後面部16側に折られ、かつ、後面部16の下部36が、第2横折り線N2で前面部14側に折られている。また、前面部14および後面部16のそれぞれの下部34,36の一方側縁34a,36aおよび他方側縁34b,36bが、左面部18および右面部20に対して、それらの幅方向に延びる溶着線M1,M2において線状に熱溶着されている。これにより、四角形の平らな底面部30を構成することができる。さらに、前面部14における第1横折り線N1を挟んで対応する一対の第1部分42,42が、互いに重ね合わされて第1留め手段44で留められており、後面部16における第2横折り線N2を挟んで対応する一対の第2部分48,48が、互いに重ね合わされて第2留め手段50で留められている。これにより、底面部30の四角形の形状を保持することができる。したがって、略直方体状の箱Xを包装するときには、収容空間Sの形状を整えながら底面部30を四角形にする手間を軽減でき、簡単に包装することができる。
本実施形態によれば、上記構成により以下の各効果を奏することができる。すなわち、図2(A)に示すように、前面部14の下部34が、第1横折り線N1で後面部16側に折られ、かつ、後面部16の下部36が、第2横折り線N2で前面部14側に折られている。また、前面部14および後面部16のそれぞれの下部34,36の一方側縁34a,36aおよび他方側縁34b,36bが、左面部18および右面部20に対して、それらの幅方向に延びる溶着線M1,M2において線状に熱溶着されている。これにより、四角形の平らな底面部30を構成することができる。さらに、前面部14における第1横折り線N1を挟んで対応する一対の第1部分42,42が、互いに重ね合わされて第1留め手段44で留められており、後面部16における第2横折り線N2を挟んで対応する一対の第2部分48,48が、互いに重ね合わされて第2留め手段50で留められている。これにより、底面部30の四角形の形状を保持することができる。したがって、略直方体状の箱Xを包装するときには、収容空間Sの形状を整えながら底面部30を四角形にする手間を軽減でき、簡単に包装することができる。
図2(A)に示すように、一対の第1部分42,42および一対の第2部分48,48を、線状溶着部44a,50aを用いて第1横折り線N1および第2横折り線N2に対して直交する方向に延びる線状に熱溶着しているので、箱X(図1(A))を包装するときには、線状溶着部44a,50aが妨げになり難い。また、2つの箱Xを収容空間Sに並べて収容するときには、線状溶着部44a,50aを「仕切り」として用いることができる。したがって、包装作業の作業効率を高めることができる。
(変形例)
なお、本発明の実施にあたっては、上記実施形態に限定されず、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。例えば、上記実施形態では、留め手段44,50として線状溶着部44a,50aによる熱溶着を用いているが、熱溶着に代えて、ステープラや接着剤などを用いてもよい。留め手段としてステープラや接着剤を用いる場合には、袋本体12を熱硬化性プラスチックフィルムで形成してもよい。また、2つの留め手段44,50の一方に熱溶着を用いるとともに、他方にステープラまたは接着剤を用いてもよい。さらに、線状溶着部44a,50aに代えて、面状の熱溶着部を用いてもよい。
なお、本発明の実施にあたっては、上記実施形態に限定されず、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。例えば、上記実施形態では、留め手段44,50として線状溶着部44a,50aによる熱溶着を用いているが、熱溶着に代えて、ステープラや接着剤などを用いてもよい。留め手段としてステープラや接着剤を用いる場合には、袋本体12を熱硬化性プラスチックフィルムで形成してもよい。また、2つの留め手段44,50の一方に熱溶着を用いるとともに、他方にステープラまたは接着剤を用いてもよい。さらに、線状溶着部44a,50aに代えて、面状の熱溶着部を用いてもよい。
図5は、第2実施形態に係る包装袋60の構成を示す斜め下方から見た斜視図である。図2(A)に示す第1実施形態の包装袋10では、前面部14に1つの留め手段44を設けるとともに、後面部16に1つの留め手段50を設けているが、留め手段44,50の数は、適宜変更されてもよい。例えば、図5に示す包装袋60のように、前面部14に2つの留め手段44を設けるとともに、後面部16に2つの留め手段50を設けるようにしてもよい。この場合には、収容空間S(図1(A))を3つの領域に仕切ることができるので、各領域に応じた大きさの3つの箱Xを包装し易い。
図6は、第3実施形態に係る包装袋66の構成を示す図であり、(A)は斜め下方から見た斜視図、(B)は第1留め手段68の構成を示す断面図である。図2(A)に示す第1実施形態の包装袋10では、第1留め手段44および第2留め手段50が、線状溶着部44a,50aを有しているが、図6(A),(B)に示す包装袋66のように、第1留め手段68および第2留め手段70は、円状溶着部68b,70bを有していてもよい。また、図示していないが、第1留め手段68および第2留め手段70の一方が線状溶着部を有し、他方が円状溶着部68b,70bを有していてもよい。なお、本実施形態の円状溶着部68b,70bは、対象部分を円状面で熱溶着するように構成されているが、円状溶着部68b,70bは、対象部分を円状線(円形の環状線)で熱溶着するように構成されてもよい。
第3実施形態の包装袋66によれば、一対の第1部分42,42および/または一対の第2部分48,48を、円状溶着部68b,70bを用いて熱溶着することができるので、一対の第1部分42,42および/または一対の第2部分48,48を分離させる方向に外力が作用した場合でも、円状溶着部68b,70bにおける応力集中が生じ難く、これらは分離され難い。
図7は、第4実施形態に係る包装袋72の構成を示す図であり、(A)は斜め下方から見た斜視図、(B)は第1留め手段74の構成を示す断面図である。図2(A)に示す第1実施形態の包装袋10では、第1留め手段44および第2留め手段50が、線状溶着部44a,50aを有しているが、図7(A),(B)に示す包装袋72のように、第1留め手段74および第2留め手段76は、線状溶着部74a,76aに加えて、円状溶着部74b,76bを有していてもよい。また、図示していないが、第1留め手段74および第2留め手段76の一方が、線状溶着部74a,76aおよび円状溶着部74b,76bの両方を有し、他方が線状溶着部74a,76aおよび円状溶着部74b,76bのいずれか一方だけを有していてもよい。
第4実施形態の包装袋72によれば、線状溶着部74a,76aの効果と円状溶着部74b,76bの効果とを同時に奏することができる。つまり、線状溶着部74a,76aによって、包装の作業効率を高めることができ、円状溶着部74b,76bによって、一対の第1部分42,42および/または一対の第2部分48,48が分離されることを抑制できる。
図8は、第5実施形態に係る包装袋80の構成を示す斜め下方から見た斜視図である。図2(A)に示す第1実施形態の包装袋10では、前面部14および後面部16のそれぞれの下部34,36が横折り線N1,N2で折られることによって、底面部30が構成されているが、底面部30の具体的な構成は適宜変更されてもよい。また、左面部18および右面部20のマチ24a,24bは省略されてもよい。図8に示す包装袋80では、プラスチックフィルムからなる底面部82、前面部84、後面部86、左面部88および右面部90のそれぞれが、袋本体12(図3(A),(B))を用いることなく、一体的に形成されている。そして、前面部84と底面部82との第1境界線L1を挟んで対応する一対の第1部分92,92が、互いに重ね合わされて第1留め手段94で留められており、後面部86と底面部82との第2境界線L2を挟んで対応する一対の第2部分96,96が、互いに重ね合わされて第2留め手段98で留められている。
この構成では、底面部82、前面部84、後面部86、左面部88および右面部90によって、上方に向けて開かれた平面視で四角形の収容空間Sが構成されており、第1留め手段94および第2留め手段98でその形状が保持されている。したがって、直方体状の箱X(図1(A))を包装するときには、収容空間Sの形状を整える手間を軽減することができる。
なお、図8に示す包装袋80では、第1留め手段94および第2留め手段98が、線状溶着部94a,98aおよび円状溶着部94b,98bの両方を「熱溶着部」として有しているが、これらのいずれか一方を「熱溶着部」として有していてもよい。また、第1留め手段94および第2留め手段98の一方または両方は、ステープラや接着剤であってもよい。第1留め手段94および/または第2留め手段98が線状溶着部94a,98aおよび円状溶着部94b,98bの両方を有する場合には、線状溶着部94a,98aによって、包装の作業効率を高めることができ、円状溶着部98b,98bによって、一対の第1部分92,92および一対の第2部分96,96が分離されることを抑制できる。
図9は、第6実施形態に係る包装袋100の構成を示す斜め下方から見た斜視図である。図2(A),(B)に示す第1実施形態の包装袋10では、前面部14の幅方向(左右方向)中央部に第1留め手段44が設けられており、後面部16の幅方向(左右方向)中央部に第2留め手段50が設けられているが、図9に示す包装袋100のように、第1留め手段44および第2留め手段50は省略されてもよい。
第6実施形態の包装袋100では、前面部14および後面部16のそれぞれの下部34,36の一方側縁34a,36aおよび他方側縁34b,36bが、左面部18および右面部20に対して、それらの幅方向に延びる溶着線M1,M2において線状に熱溶着されている。したがって、第1実施形態の包装袋10と同様に、四角形の平らな底面部30を構成することが可能であり、略直方体状の箱X(図1(A))を包装するときには、収容空間Sの形状を整えながら底面部30を四角形にする手間を軽減でき、簡単に包装することができる。なお、この包装袋100は、第1留め手段44および第2留め手段50が省略されていることから、略直方体状の1つの箱Xを包装する用途に適している。
図10は、ベースとなる袋本体102に底面部104を形成する他の方法を示す図であり、(A)は熱溶着により底面部104を形成する直前の状態を示す斜め下方から見た斜視図、(B)は熱溶着により底面部104を形成した後の状態を示す断面図である。図4(B)に示すように、第1実施形態の袋本体12では、熱可塑性プラスチックフィルムが3層に重ね合わされて、溶着線M1,M2において線状に熱溶着(3枚溶着)されているが、図10(A),(B)に示す袋本体102のように、熱可塑性プラスチックフィルムが4層に重ね合わされて、溶着線M1,M2において線状に熱溶着(4枚溶着)されてもよい。
袋本体102では、前面部14および後面部16のそれぞれの下部34,36の一方側縁34a,36aが、左面部18の重なり部18bに熱溶着されるとともに、左面部18の第3横折り線N3を挟んで対応する一対の部分(図示省略)に熱溶着されている。また、前面部14および後面部16のそれぞれの下部34,36の他方側縁34b,36bが、右面部20の重なり部20bに熱溶着されるとともに、右面部20の第4横折り線N4を挟んで対応する一対の部分106,106(図10(B))に熱溶着されている。
この構成では、左面部18の第3横折り線N3を挟んで対応する一対の部分(図示省略)が互いに熱溶着され、かつ、右面部20の第4横折り線N4を挟んで対応する一対の部分106,106(図10(B))が互いに熱溶着されるので、底面部104の四角形状を保持し易い。
M1,M2…溶着線、N1,N2,N3,N4…横折り線、S…収容空間、10…包装袋、
12…袋本体、14…前面部、16…後面部、18…左面部、20…右面部、
14a,16a,18a,20a…下端縁、22a,22b…縦折り線、30…底面部、
34…(前面部の)下部、34a…一方側縁、34b…他方側縁、
36…(後面部の)下部、36a…一方側縁、36b…他方側縁、42…第1部分、
44…第1留め手段、48…第2部分、50…第2留め手段。
12…袋本体、14…前面部、16…後面部、18…左面部、20…右面部、
14a,16a,18a,20a…下端縁、22a,22b…縦折り線、30…底面部、
34…(前面部の)下部、34a…一方側縁、34b…他方側縁、
36…(後面部の)下部、36a…一方側縁、36b…他方側縁、42…第1部分、
44…第1留め手段、48…第2部分、50…第2留め手段。
Claims (9)
- プラスチックフィルムからなり、上方に向けて開かれた平面視で四角形の収容空間を構成する前面部、後面部、左面部および右面部を有する袋本体を備え、
互いに対向する前記左面部および前記右面部のそれぞれには、それらを内側に折り込むための上下方向に延びる縦折り線が設けられており、
互いに対向する前記前面部および前記後面部のそれぞれの下端縁は、内側に折り込まれた前記左面部および前記右面部のそれぞれの下端縁を挟んで互いに熱溶着されている、包装袋において、
前記前面部の下部は、その幅方向に延びる第1横折り線で前記後面部側に折られており、
前記後面部の下部は、その幅方向に延びる第2横折り線で前記前面部側に折られており、
前記前面部の下部の一方側縁および他方側縁は、前記左面部および前記右面部に対してそれらの幅方向に延びる溶着線において線状に熱溶着されており、
前記後面部の下部の一方側縁および他方側縁は、前記左面部および前記右面部に対してそれらの幅方向に延びる溶着線において線状に熱溶着されていることを特徴とする、包装袋。 - 前記前面部の下部の一方側縁および他方側縁と前記左面部および前記右面部との前記各熱溶着部分は、前記前面部の下部を前記左面部および前記右面部の各幅方向に沿ってそれぞれ折り畳んだ部分に前記左面部および前記右面部をそれぞれ重ねた3枚の前記プラスチックフィルムが互いに熱溶着されている、請求項1に記載の包装袋。
- 前記前面部の下部の一方側縁および他方側縁と前記左面部および前記右面部との前記各熱溶着部分は、前記前面部の下部を前記左面部および前記右面部の各幅方向に沿ってそれぞれ折り畳んだ部分に前記左面部および前記右面部を各幅方向に沿ってそれぞれ折り畳んだ部分を重ねた4枚の前記プラスチックフィルムが互いに熱溶着されている、請求項1に記載の包装袋。
- 前記前面部における前記第1横折り線を挟んで対応する一対の第1部分が、互いに重ね合わされて第1留め手段で留められており、
前記後面部における前記第2横折り線を挟んで対応する一対の第2部分が、互いに重ね合わされて第2留め手段で留められている、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の包装袋。 - 前記第1留め手段および前記第2留め手段の少なくとも一方は、一対の前記第1部分または一対の前記第2部分を前記第1横折り線または前記第2横折り線に対して直交する方向に延びる線状に熱溶着する線状溶着部を有している、請求項4に記載の包装袋。
- 前記第1留め手段および前記第2留め手段の少なくとも一方は、一対の前記第1部分または一対の前記第2部分を円状に熱溶着する円状溶着部を有している、請求項4に記載の包装袋。
- 前記第1留め手段および前記第2留め手段の少なくとも一方は、一対の前記第1部分または一対の前記第2部分を前記第1横折り線または前記第2横折り線に対して直交する方向に延びる線状に熱溶着する線状溶着部を有しており、
前記円状溶着部は、前記線状溶着部における前記第1横折り線または前記第2横折り線に近接する端部とは反対側の端部に設けられている、請求項6に記載の包装袋。 - プラスチックフィルムからなり、上方に向けて開かれた平面視で四角形の収容空間を構成する前面部、後面部、左面部、右面部および底面部を備え、
前記前面部と前記底面部との第1境界線を挟んで対応する一対の第1部分が、互いに重ね合わされて第1留め手段で留められており、
前記後面部と前記底面部との第2境界線を挟んで対応する一対の第2部分が、互いに重ね合わされて第2留め手段で留められている、包装袋。 - 前記第1留め手段および前記第2留め手段の少なくとも一方は、一対の前記第1部分または一対の前記第2部分を熱溶着する熱溶着部を有している、請求項8に記載の包装袋。
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