JP3217992B2 - 印字キャリッジ装置およびプリンタ装置 - Google Patents

印字キャリッジ装置およびプリンタ装置

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JP3217992B2
JP3217992B2 JP19282997A JP19282997A JP3217992B2 JP 3217992 B2 JP3217992 B2 JP 3217992B2 JP 19282997 A JP19282997 A JP 19282997A JP 19282997 A JP19282997 A JP 19282997A JP 3217992 B2 JP3217992 B2 JP 3217992B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数の印字ヘッド
が単一のキャリッジに搭載された印字キャリッジ装置お
よびプリンタ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】複数の印字ワイヤを有する印字ヘッドを
搭載したインパクト方式のワイヤドットプリンタにおい
て、印字スピードを上げるためには、キャリッジの移動
速度を上げるとともに、印字ヘッドのワイヤ応答周波数
を高くする必要がある。
【0003】しかし、ワイヤ応答周波数は機械的構造に
よって決まるため一定の限界があり、たとえば吸引式印
字ヘッドのワイヤ応答周波数は2kHz程度が限界値に
なっている。
【0004】別の手法として、複数の印字ヘッドを一定
間隔でキャリッジに並べて、キャリッジの移動とともに
各印字ヘッドの同時印字によって、印字スピードを印字
ヘッドの個数分だけ向上させるマルチヘッド方式があ
る。たとえば印字ヘッドを2つ搭載した場合、キャリッ
ジの移動速度を2倍にして、第1の印字ヘッドが形成し
たドットの間に第2の印字ヘッドがドットを形成するこ
とによって、印字ドット密度を一定に保ちながら印字ス
ピードを2倍に増加させることが可能になる。その結
果、単一の印字ヘッドを搭載したプリンタと比べて、見
かけ上ワイヤ応答周波数が2倍になったことに相当す
る。しかも、マルチヘッド方式は従来の印字ヘッドをそ
のまま利用できるため、高速プリンタを容易に実現でき
る。
【0005】図9は従来の印字キャリッジ装置の一例を
示し、図9(a)は組立状態を示す分解正面図、図9
(b)は正面図、図9(c)は印字ワイヤの配置図、図
9(d)は室温時の平面図、図9(e)は高温時の平面
図である。
【0006】印字ヘッド1は、箱状のヘッドケース2
と、ヘッドケース2の正面側に突出したノーズ3などで
構成される。ヘッドケース2には、複数の印字ワイヤの
根元部と、印字ワイヤの根元部を選択的に変位させ駆動
するための複数のワイヤ駆動部が収納される。ノーズ3
の内部にはガイドプレート4が所定間隔で複数枚取付け
られ、ガイドプレート4には印字ワイヤの数に対応する
複数の貫通孔が穿設されている。ヘッドケース2の正面
から延出した印字ワイヤは、ガイドプレート4の貫通孔
を通過して、印字面において所定の配置になるように案
内される。
【0007】ヘッドケース2の正面には、ノーズ3を挟
んで左右1対の台座2aが形成され、台座2aの底面と
ノーズ3の底面とは同一面で、台座2aには取付用のね
じ8が貫通する取付孔が穿設される。また、ノーズ3の
底面には、印字ヘッド1の位置決めピン3aが形成され
る。
【0008】一方、キャリッジ7はヘッドケース2およ
びノーズ3の下部を逃げるための段差が形成された板状
部材で、台座2aの取付孔の位置に対応したねじ孔7b
と、ノーズ3の位置決めピン3aに略嵌合する位置決め
孔7aとがそれぞれ形成され、その上面に2つの印字ヘ
ッド1が中心間隔Dで取付けられる。キャリッジ7は、
印字ヘッド1の配列方向と平行な方向に往復移動する。
【0009】図9(c)に示すように、ガイドプレート
4の貫通孔には印字ワイヤ9が装着され、たとえば1つ
の印字ヘッド1が24ピンヘッドの場合、印字ワイヤ9
は12ピン×2列で、列同士がピン間隔の半分だけ互い
にシフトした千鳥配置に整列される。2つの印字ヘッド
1が中心間隔Dで1つのキャリッジ7上に固定された場
合、キャリッジ移動方向である行方向に沿って4つの印
字列J1〜J4が形成され、各列J1〜J4が、たとえ
ば24ドット×24ドット等のドットマトリクス形成に
関与する。列J1、J2はドットマトリクスの奇数列を
担当し、列J3、J4はドットマトリクスの偶数列を担
当する。また、列J1、J3はドットマトリクスの奇数
行を担当し、列J2、J4はドットマトリクスの偶数行
を担当する。
【0010】したがって、列J1と列J2および列J3
と列J4とは列方向の相対位置精度が重要となり、列J
1と列J3および列J2と列J4とは行方向の相対位置
精度が重要となる。なお、列J1と列J2との相対位置
および列J3と列J4との相対位置は、ガイドプレート
4の貫通孔を高精度で加工することによって高精度で管
理できる。また、2つの印字ヘッド1を同一の印字クロ
ックで駆動する場合、列J1と列J3および列J2と列
J4との間の各ピッチ間距離D1、D2を記録媒体での
印字ドット間距離の奇数倍に設定する必要がある。
【0011】さらに、列J1、J2と一方の位置決めピ
ン3aとの相対距離D3、および列J3、J4と他方の
位置決めピン3aとの相対距離D4も重要となり、各位
置決めピンとキャリッジ7との間の相対精度も重要とな
る。
【0012】また、印字動作を長時間継続すると、印字
ヘッド1の発熱によって各部材の温度が上昇し、特にキ
ャリッジ1の熱膨張が位置精度に大きな影響を与える。
図9(d)に示すように、室温時にはピッチ間距離D
1、D2を設計どおりの数値に組立てても、図9(e)
に示すように、高温時にはキャリッジ1が行方向に熱膨
張して、印字ヘッド1同士の間隔が増加して、ピッチ間
距離D1、D2が正規の寸法から外れることになる。特
に、キャリッジ1の材質として、軽量で放熱効果が大き
いアルミニウムを使用した場合、熱膨張の影響が大きく
出てしまう。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】このように従来の印字
キャリッジ装置では、1)印字ヘッドとキャリッジとの
間の取付け精度、2)位置決めピンと印字ワイヤとの相
対精度、3)キャリッジの熱膨張による印字ヘッド同士
の相対精度、などが累積誤差となって印字列J1〜J4
の相対精度に大きな影響を与える。そのため部品精度や
組立精度を厳格に管理する必要があるが、その分部品の
加工コストや組立コストの増加、製造歩留まりの低下を
もたらすことになる。
【0014】本発明の目的は、キャリッジに複数の印字
ヘッドを搭載する場合、印字ワイヤ同士の相対位置を安
定かつ高精度に実現できる印字キャリッジ装置およびプ
リンタ装置を提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は、複数の印字ヘ
ッドが単一のキャリッジに搭載された印字キャリッジ装
置であって、印字ヘッドは、インパクトによって記録媒
体に印字ドットを形成するための複数の印字ワイヤと、
各印字ワイヤを軸方向に選択的に変位させて駆動するた
めの複数のワイヤ駆動手段と、各ワイヤ駆動手段を一体
的に収納するためのヘッドケースと、ヘッドケースに取
付けられ、印字ワイヤを所定配置に配列し案内するため
のワイヤガイド部材とを備え、各印字ヘッドのヘッドケ
ースが共通の部材で一体化され、ヘッドケースとワイヤ
ガイド部材との間に断熱部材が介在していることを特徴
とする印字キャリッジ装置である。本発明に従えば、各
印字ヘッドのヘッドケースを共通の部材で一体化するこ
とによって、印字ヘッドとキャリッジとの間の取付誤差
を解消でき、印字ヘッド同士の相対位置を高精度に維持
できる。また、ヘッドケースをキャリッジに取付ける場
合、位置決めピンなどの位置決め機構をヘッドケースに
1箇所設けるだけで足りる。また、ヘッドケースの体積
が増加することによって、印字ヘッドの放熱効果も向上
する。また、ヘッドケースとワイヤガイド部材との間に
断熱部材を介在させることによって、印字ヘッドの発熱
によってヘッドケースの温度が上昇しても、ワイヤガイ
ド部材への熱伝導が抑制されるため、ワイヤガイド部材
の温度上昇による熱膨張を回避でき、その結果、印字ワ
イヤの相対位置を高精度に維持できる。
【0016】また本発明は、複数の印字ヘッドが単一の
キャリッジに搭載された印字キャリッジ装置であって、
印字ヘッドは、インパクトによって記録媒体に印字ドッ
トを形成するための複数の印字ワイヤと、各印字ワイヤ
を軸方向に選択的に変位させて駆動するための複数のワ
イヤ駆動手段と、各ワイヤ駆動手段を一体的に収納する
ためのヘッドケースと、ヘッドケースに取付けられ、印
字ワイヤを所定配置に配列し案内するためのワイヤガイ
ド部材とを備え、各印字ヘッドのワイヤガイド部材が共
通の部材で一体化され、ヘッドケースとワイヤガイド部
材との間に断熱部材が介在していることを特徴とする印
字キャリッジ装置である。本発明に従えば、各印字ヘッ
ドのワイヤガイド部材を共通の部材で一体化することに
よって、印字ヘッドとワイヤガイド部材との間の取付誤
差を解消でき、一方の印字ヘッドの印字ワイヤと他方の
印字ヘッドの印字ワイヤとの間の相対位置を高精度に維
持できる。また、ワイヤガイド部材を印字ヘッドに取付
ける場合、位置決めピンなどの位置決め機構をワイヤガ
イド部材に1箇所設けるだけで足りる。また、ワイヤガ
イド部材の材質は、ヘッドケースのように印字ヘッドの
放熱を考慮しなくても済むため、低熱伝導率で低熱膨張
率の材質を使用することが可能になる。また、ヘッドケ
ースとワイヤガイド部材との間に断熱部材を介在させる
ことによって、印字ヘッドの発熱によってヘッドケース
の温度が上昇しても、ワイヤガイド部材への熱伝導が抑
制されるため、ワイヤガイド部材の温度上昇による熱膨
張を回避でき、その結果、印字ワイヤの相対位置を高精
度に維持できる。
【0017】また本発明は、複数の印字ヘッドが単一の
キャリッジに搭載された印字キャリッジ装置であって、
印字ヘッドは、インパクトによって記録媒体に印字ドッ
トを形成するための複数の印字ワイヤと、各印字ワイヤ
を軸方向に選択的に変位させて駆動するための複数のワ
イヤ駆動手段と、各ワイヤ駆動手段を一体的に収納する
ためのヘッドケースと、ヘッドケースに取付けられ、印
字ワイヤを所定配置に配列し案内するためのワイヤガイ
ド部材とを備え、各印字ヘッドのワイヤガイド部材は、
印字ワイヤの変位方向に突出した突出部を有し、各突出
部のヘッドケース取付部が共通の部材で一体化されてい
ることを特徴とする印字キャリッジ装置である。
【0018】本発明に従えば、各印字ヘッドのワイヤガ
イド部材は、印字ワイヤの変位方向に突出した突出部を
有し、各突出部のヘッドケース取付部を共通の部材で一
体化することによって、印字ヘッドとワイヤガイド部材
との間の取付誤差を解消でき、一方の印字ヘッドの印字
ワイヤと他方の印字ヘッドの印字ワイヤとの間の相対位
置を高精度に維持できる。また、ワイヤガイド部材を印
字ヘッドに取付ける場合、位置決めピンなどの位置決め
機構をワイヤガイド部材に1箇所設けるだけで足りる。
また、ワイヤガイド部材の材質は、ヘッドケースのよう
に印字ヘッドの放熱を考慮しなくても済むため、低熱伝
導率で低熱膨張率の材質を使用することが可能になる。
【0019】また本発明は、複数の印字ヘッドが単一の
キャリッジに搭載された印字キャリッジ装置であって、
印字ヘッドは、インパクトによって記録媒体に印字ドッ
トを形成するための複数の印字ワイヤと、各印字ワイヤ
を軸方向に選択的に変位させて駆動するための複数のワ
イヤ駆動手段と、各ワイヤ駆動手段を一体的に収納する
ためのヘッドケースと、ヘッドケースに取付けられ、印
字ワイヤを所定配置に配列し案内するためのワイヤガイ
ド部材とを備え、各印字ヘッドのワイヤガイド部材を印
字ワイヤ先端付近で連結するための連結部材が設けられ
ることを特徴とする印字キャリッジ装置である。
【0020】本発明に従えば、各印字ヘッドのワイヤガ
イド部材を連結部材を用いて印字ワイヤ先端付近で連結
することによって、仮に印字ヘッド同士の相対誤差が生
じたとしてもワイヤガイド先端同士の相対位置を高精度
に維持できる。特に印字ヘッドの発熱によってヘッドケ
ースやキャリッジが熱膨張しても、ワイヤガイドの先端
部はあまり温度上昇しないため、連結部材の熱膨張量を
抑制できる。
【0021】また本発明は、複数の印字ヘッドが単一の
キャリッジに搭載された印字キャリッジ装置であって、
印字ヘッドは、インパクトによって記録媒体に印字ドッ
トを形成するための複数の印字ワイヤと、各印字ワイヤ
を軸方向に選択的に変位させて駆動するための複数のワ
イヤ駆動手段と、各ワイヤ駆動手段を一体的に収納する
ためのヘッドケースと、ヘッドケースに取付けられ、印
字ワイヤを所定配置に配列し案内するためのワイヤガイ
ド部材とを備え、ワイヤガイド部材は、印字ワイヤが貫
通する複数の貫通孔が形成されたガイドプレートを有
し、各印字ヘッドのガイドプレートが共通の部材で一体
化されていることを特徴とする印字キャリッジ装置であ
る。
【0022】本発明に従えば、各印字ヘッドのガイドプ
レートを共通の部材で一体化することによって、印字ワ
イヤの相対位置はガイドプレートに形成した貫通孔の加
工精度で管理できるため、仮に印字ヘッド同士の相対誤
差やワイヤガイド部材の取付誤差が生じたとしても、印
字ワイヤの相対位置を高精度に維持できる。特にガイド
プレートの材質として、低熱膨張率の材質、たとえばセ
ラミックスを使用することによって、温度変動による影
響を低減できる。
【0023】また本発明は、ヘッドケースとワイヤガイ
ド部材との間に断熱部材が介在していることを特徴とす
る。
【0024】本発明に従えば、ヘッドケースとワイヤガ
イド部材との間に断熱部材を介在させることによって、
印字ヘッドの発熱によってヘッドケースの温度が上昇し
ても、ワイヤガイド部材への熱伝導が抑制されるため、
ワイヤガイド部材の温度上昇による熱膨張を回避でき、
その結果、印字ワイヤの相対位置を高精度に維持でき
る。
【0025】また本発明は、上記の印字キャリッジ装置
と、印字キャリッジ装置を記録媒体の幅方向に往復移動
するためのキャリッジ駆動手段と、印字キャリッジ装置
に対して対向配置され、記録媒体を搬送するプラテンと
を備えることを特徴とするプリンタ装置である。
【0026】本発明に従えば、複数の印字ヘッドが単一
のキャリッジに搭載された印字キャリッジ装置におい
て、印字ヘッド同士の相対位置、ワイヤガイド部材同士
の相対位置、印字ワイヤ同士の相対位置を高精度で維持
できるため、高品質印字および印字ヘッドの個数分に応
じた高速印字を実現できる。
【0027】
【発明の実施の形態】図1はヘッドケースを一体化した
印字キャリッジ装置の一例を示し、図1(a)は組立状
態を示す分解正面図、図1(b)は正面図、図1(c)
は組立状態を示す分解平面図、図1(d)はノーズの倒
れ状態を示す平面図、図1(e)は室温時の平面図、図
1(f)は高温時の平面図である。図2は、印字ヘッド
10の内部構成を示す部分斜視図である。
【0028】印字ユニット20には、図2に示すような
ワイヤドット方式の印字ヘッド10が複数(本実施形態
では2個)並んで収納される。
【0029】図2において、印字ヘッド10はヘッド本
体11とワイヤガイド部材であるノーズ22などで構成
される。ヘッド本体11には、インパクトによって記録
媒体に印字ドットを形成するための印字ワイヤ14と、
印字ワイヤ14の後端に接続され、細長い扇型状のアー
マチュア12と、アーマチュア12を印字ワイヤ14の
後端側に付勢するためのバネ部材13と、アーマチュア
12を印字ワイヤ14の先端側に吸引するための電磁コ
イル15とを1つの駆動ユニットとして、たとえば24
個の駆動ユニットが円周方向に沿って配置される。ヘッ
ド本体11の外部には、複数の電磁コイル15を選択的
に通電して駆動するための駆動回路16が設けられる。
【0030】ノーズ22の内部は、複数(図2では4
枚)のガイドプレート18が収納される。ガイドプレー
ト18は印字ワイヤ14が貫通する複数の貫通孔が形成
される。ヘッド本体11に近接したガイドプレート18
では、ヘッド本体11での印字ワイヤ11の配置に対応
して、複数の貫通孔が円周上に配置される。記録媒体に
面するガイドプレート18では、複数の貫通孔が所定の
ワイヤ配置、たとえば12ピン×2列の千鳥配置とな
る。途中のガイドプレート18では、両側のガイドプレ
ート18での貫通孔によって案内される印字ワイヤ14
が滑らかに動くようように貫通孔配置が決定される。
【0031】ここで印字ヘッド10の動作を説明する。
電磁コイル15が通電していない状態では、アーマチュ
ア12はバネ部材13によって後方に静止している。印
字信号に応じて駆動回路16が印字命令を受け取ると、
駆動回路16はパルス状の電流を通電し、電磁コイル1
5は磁界を発生して、アーマチュア12を吸引して前方
へ変位させる。これに伴い印字ワイヤ14が軸方向に沿
って先端側に変位して、記録媒体に面するガイドプレー
ト18から変位分だけ突出し、たとえばインクリボンを
介して記録媒体にドット状の打点を形成する。こうして
印字面でのワイヤ配置と駆動回路16とを対応付けて、
所定のタイミングで印字ワイヤ14を駆動することによ
ってドットマトリクス方式の印字が実現する。
【0032】図1に戻って、箱状のヘッドケース21に
は図2に示す印字ヘッド10が2個並んで収納され、ヘ
ッドケース21の正面側には印字ヘッド10に対応して
2つのノーズ22が並んでクランプ部材(不図示)で取
付けられる。
【0033】ヘッドケース21の正面には、ノーズ22
を挟んで左右1対、計4つの台座21aが形成され、台
座21aの底面とノーズ22の突出部の底面とは同一面
で、台座21aには取付用のねじ23が貫通する取付孔
が穿設される。また、右側のノーズ22の突出部の底面
には、ヘッドケース21全体の位置を決める位置決めピ
ン22aが形成される。
【0034】一方、キャリッジ25は、ヘッドケース2
1およびノーズ22の下部を逃げるための段差が形成さ
れた板状部材で、台座21aの取付孔の位置に対応した
ねじ孔25bと、ノーズ22の位置決めピン22aに略
嵌合する位置決め孔25aとがそれぞれ形成され、その
上面にヘッドケース21およびノーズ22がねじ23の
締付によって取付けられる。
【0035】図1(c)に示すように、ノーズ22は平
面状の取付部とガイドプレート18を収納した突出部と
を有し、取付部の裏面には位置決めピン22bが形成さ
れている。一方、ヘッドケース21の正面には位置決め
ピン22bに略嵌合する位置決め孔21bが2つ形成さ
れ、左右2つのノーズ22が中心間隔Dで取付けられ
る。
【0036】たとえば1つの印字ヘッド10が24ピン
ヘッドの場合、ガイドプレート18に形設された貫通孔
によって、印字ワイヤ14の先端は12ピン×2列の千
鳥配置に配列される。左方のノーズ22は2つの印字列
J1、J2を有し、右方のノーズ22は2つの印字列J
3、J4を有し、キャリッジ移動方向である行方向に沿
って4つの印字列J1〜J4が形成される。各列J1〜
J4が、たとえば24ドット×24ドット等のドットマ
トリクス形成に関与し、列J1、J2はドットマトリク
スの奇数列を担当し、列J3、J4はドットマトリクス
の偶数列を担当する。また、列J1、J3はドットマト
リクスの奇数行を担当し、列J2、J4はドットマトリ
クスの偶数行を担当する。
【0037】このように本実施形態では、2つの印字ヘ
ッド10を収納するヘッドケース21を共通の部材で一
体化することによって、印字ヘッド10同士の相対位置
を高精度に維持でき、印字ヘッド10とキャリッジ25
との間の取付誤差による影響を回避できる。また、ヘッ
ドケース21とキャリッジ25との間の位置決めは、一
方のノーズ22に形成した1つの位置決めピン22aで
足りるため、部品加工工数が低減できる。また、ヘッド
ケース21の体積が増加することによって、印字ヘッド
10の放熱効果も向上する。
【0038】図3は、本発明に係る印字キャリッジ装置
を用いたプリンタ装置の一例を示す構成図である。2つ
の印字ヘッド10を収納した印字ユニット20が1つの
キャリッジ25に搭載されて印字キャリッジ装置を構成
している。キャリッジ25には、2つのガイド軸71に
沿って摺動自在な1対のリニアガイド70が取付けら
れ、キャリッジ25をキャリッジ移動方向(紙面垂直)
に沿って案内する。またキャリッジ25には、キャリッ
ジ移動方向と平行に張架されたベルト72が取付けら
れ、ベルト72をモータ(不図示)で駆動することによ
ってキャリッジ25の往復移動を行う。
【0039】プラテン73は、印字ユニット20のノー
ズ22の印字面に対向して配置される。プラテン73の
下部には押えローラ74が設けられ、押えローラ74の
搬送上流側には傾斜したスタッカ75が設けられる。押
えローラ74とノーズ22の印字面との間にはプラテン
73の周面に沿ってガイド板76が設けられる。プラテ
ン73の搬送下流側には印字を終えた記録媒体Pを収納
する排紙プレート77が設けられる。
【0040】動作に関して、スタッカ75に多数枚収容
された記録媒体Pは1枚ずつ取出され、プラテン73と
押えローラ74との間に供給されると、プラテン73の
回転によって記録媒体Pがガイド板76に沿って搬送さ
れ、ノーズ22の印字面に臨むようにセットされる。次
にキャリッジ25を移動しながら、ホスト装置から送ら
れた印字データに基づいて印字ヘッド10を駆動して、
印字ワイヤ14のインパクトによるドットマトリクスを
記録媒体Pに形成する。このとき2つの印字ヘッド10
が同時に印字動作を行うことによって、単一の印字ヘッ
ドを搭載したプリンタと比べて印字スピードを約2倍に
向上できる。
【0041】こうして1行分の印字が可能になり、記録
用紙Pのステップ搬送と1行印字とを交互に繰り返すこ
とによって、1頁分の印字が完成する。印字が終了する
と、排紙プレート77に収納され、次の印字を待機す
る。
【0042】ここで、図1に示す構成において、印字列
J1〜J4の相対位置は幾つかの要因によって変動する
ことが想定される。まず、図1(c)に示すように、ノ
ーズ22とヘッドケース21との間の取付け誤差が生ず
ると、印字列J1〜J4の相対位置が変動する。また、
図1(d)に示すように、ノーズ22自体の加工誤差、
特に平面状の取付部に対して突出部が傾斜すると、印字
列J1〜J4の相対位置が変動する。さらに、長時間通
電すると、印字ヘッド10の発熱によって周囲温度が上
昇して、ヘッドケース21やキャリッジ25が熱膨張
し、図1(e)に示す室温時のピッチ間距離D1が図1
(f)に示す高温時のピッチ間距離D3に増加すると、
印字列J1〜J4の相対位置が変動する。なお、本件の
図面で示される熱膨張や変形は、理解容易のために強調
している。
【0043】こうした対策として、次の構成が有効にな
る。図4は本発明の第1実施形態を示し、図4(a)は
組立状態を示す分解正面図、図4(b)は正面図、図4
(c)は組立状態を示す分解平面図、図4(d)はノー
ズの倒れ状態を示す平面図、図4(e)は室温時の平面
図、図4(f)は高温時の平面図である。
【0044】印字ユニット20は箱状のヘッドケース2
1を有し、ヘッドケース21には図2に示すようなワイ
ヤドット方式の印字ヘッド10が複数(本実施形態では
2個)並んで収納される。ヘッドケース21の正面側に
は、印字ヘッド10に対応した2つの突出部が一体的に
形成された単一のノーズ22がクランプ部材(不図示)
で取付けられる。
【0045】ヘッドケース21の正面には、ノーズ22
の突出部を挟んで左右および中央の、計3つの台座21
aが形成され、台座21aの底面とノーズ22の突出部
の底面とは同一面で、台座21aには取付用のねじ23
が貫通する取付孔が穿設される。また、ノーズ22の右
側突出部の底面には、ヘッドケース21全体の位置を決
める位置決めピン22aが形成される。
【0046】一方、キャリッジ25は、ヘッドケース2
1およびノーズ22の下部を逃げるための段差が形成さ
れた板状部材で、台座21aの取付孔の位置に対応した
ねじ孔25bと、ノーズ22の位置決めピン22aに略
嵌合する位置決め孔25aとがそれぞれ形成され、その
上面にヘッドケース21およびノーズ22がねじ23の
締付によって取付けられる。
【0047】図4(c)に示すように、ノーズ22は平
面状の取付部とガイドプレート18を収納した2つの突
出部とが一体形成され、取付部の裏面には位置決めピン
22bが形成される。ノーズ22の材質として膨張係数
が小さいものが好ましく、たとえばPPS樹脂(線膨張
係数20×10-6/℃)やLCP樹脂などが使用でき
る。
【0048】一方、ヘッドケース21の正面には位置決
めピン22bに略嵌合する位置決め孔21bが1つ形成
される。
【0049】たとえば1つの印字ヘッド10が24ピン
ヘッドの場合、ガイドプレート18に形設された貫通孔
によって、印字ワイヤ14の先端は12ピン×2列の千
鳥配置に配列される。ノーズ22の左側突出部は2つの
印字列J1、J2を有し、右側突出部は2つの印字列J
3、J4を有し、キャリッジ移動方向である行方向に沿
って4つの印字列J1〜J4が形成される。各列J1〜
J4が、たとえば24ドット×24ドット等のドットマ
トリクス形成に関与し、列J1、J2はドットマトリク
スの奇数列を担当し、列J3、J4はドットマトリクス
の偶数列を担当する。また、列J1、J3はドットマト
リクスの奇数行を担当し、列J2、J4はドットマトリ
クスの偶数行を担当する。
【0050】このように本実施形態では、各印字ヘッド
10の印字ワイヤ14を案内するガイドプレート18を
それぞれ収納したノーズ22を共通の部材で一体化する
ことによって、左側の印字ヘッド10の印字ワイヤと右
側の印字ヘッド10の印字ワイヤとの間の相対位置を高
精度に維持でき、印字ヘッド10とノーズ22との間の
取付誤差による影響を回避できる。また、ヘッドケース
21とキャリッジ25との間の位置決めは、一方のノー
ズ22に形成した1つの位置決めピン22aで足りるた
め、部品加工工数を低減できる。
【0051】こうして構成された印字キャリッジ装置
は、図3のプリンタ装置に搭載され、高速で高品質の印
字を実現する。
【0052】ここで、図4に示す第1実施形態におい
て、印字列J1〜J4の相対位置は幾つかの要因によっ
て変動することが想定される。まず、図4(d)に示す
ように、ノーズ22自体の加工誤差、特に平面状の取付
部に対して突出部が傾斜すると、印字列J1〜J4の相
対位置が変動する。なお、突出部の傾斜方向および傾斜
量が左右で同じであれば、印字列J1、J3間のピッチ
間距離D1は一定に維持される。そこで、ノーズ22の
品質管理項目として、ピッチ間距離D1が重要となる。
【0053】また長時間通電すると、印字ヘッド10の
発熱によって周囲温度が上昇して、ヘッドケース21や
キャリッジ25が熱膨張し、図4(e)に示す室温時の
ピッチ間距離D1が図4(f)に示す高温時のピッチ間
距離D3に増加すると、印字列J1〜J4の相対位置が
変動する。
【0054】こうした対策として、次の構成が有効にな
る。図5は本発明の第2実施形態を示し、図5(a)は
組立状態を示す分解正面図、図5(b)は正面図、図5
(c)は組立状態を示す分解平面図、図5(d)は連続
動作時の温度分布図、図5(e)は室温時の平面図、図
5(f)は高温時の平面図である。
【0055】印字ユニット20は箱状のヘッドケース2
1を有し、ヘッドケース21には図2に示すようなワイ
ヤドット方式の印字ヘッド10が複数(本実施形態では
2個)並んで収納される。ヘッドケース21の正面側に
は、印字ヘッド10に対応した2つの突出部が一体的に
形成された単一のノーズ22がクランプ部材(不図示)
で取付けられる。
【0056】ヘッドケース21の正面には、ノーズ22
の突出部を挟んで左右および中央の、計3つの台座21
aが形成され、台座21aの底面とノーズ22の突出部
の底面とは同一面で、台座21aには取付用のねじ23
が貫通する取付孔が穿設される。また、ノーズ22の右
側突出部の底面には、ヘッドケース21全体の位置を決
める位置決めピン22aが形成される。
【0057】一方、キャリッジ25は、ヘッドケース2
1およびノーズ22の下部を逃げるための段差が形成さ
れた板状部材で、台座21aの取付孔の位置に対応した
ねじ孔25bと、ノーズ22の位置決めピン22aに略
嵌合する位置決め孔25aとがそれぞれ形成され、その
上面にヘッドケース21およびノーズ22がねじ23の
締付によって取付けられる。
【0058】図5(c)に示すように、ノーズ22は、
ガイドプレート18を収納した2つの突出部と、各突出
部の前端付近を連結する連結部22cとが一体形成さ
れ、右側突出部の裏面には位置決めピン22bが形成さ
れる。ノーズ22の材質として膨張係数が小さいものが
好ましく、たとえばPPS樹脂(線膨張係数20×10
-6/℃)やLCP樹脂などが使用できる。
【0059】一方、ヘッドケース21の正面には位置決
めピン22bに略嵌合する位置決め孔21bが形成され
る。
【0060】たとえば1つの印字ヘッド10が24ピン
ヘッドの場合、ガイドプレート18に形設された貫通孔
によって、印字ワイヤ14の先端は12ピン×2列の千
鳥配置に配列される。ノーズ22の左側突出部は2つの
印字列J1、J2を有し、右側突出部は2つの印字列J
3、J4を有し、キャリッジ移動方向である行方向に沿
って4つの印字列J1〜J4が形成される。各列J1〜
J4が、たとえば24ドット×24ドット等のドットマ
トリクス形成に関与し、列J1、J2はドットマトリク
スの奇数列を担当し、列J3、J4はドットマトリクス
の偶数列を担当する。また、列J1、J3はドットマト
リクスの奇数行を担当し、列J2、J4はドットマトリ
クスの偶数行を担当する。
【0061】このように本実施形態では、印字ワイヤ1
4を案内するガイドプレート18をそれぞれ収納したノ
ーズ22の突出部において、印字ワイヤの先端付近、す
なわち突出部の前端付近を連結部22cで連結すること
によって、左側の印字ヘッド10の印字ワイヤと右側の
印字ヘッド10の印字ワイヤとの間の相対位置を高精度
に維持している。
【0062】図5(d)は連続動作時の温度分布を示
し、アルミニウム等で形成されたヘッドケース21は8
0℃を示し、ヘッドケース21に接触するノーズ根元部
も80℃を示している。一方、合成樹脂等から成るノー
ズ22の熱伝導は低いために、連結部22cおよび突出
部との接続部分は38〜40℃を示し、突出部の前端は
23〜25℃を示す。ノーズ根元部での中心間隔はヘッ
ドケース21の熱膨張によって約0.07mm増加する
のに対して、突出部前端の中心間隔は約0.0035m
m程度の熱膨張に抑制される。なお、突出部前端の印字
面は記録媒体に近接している。したがって、ノーズ22
の材質として低熱伝導率のものを使用するとともに、突
出部前端同士を連結部材で連結することによって左右の
印字面の中心間隔を高精度に維持できる。
【0063】さらに、長時間通電すると、ヘッドケース
21やキャリッジ25が熱膨張して、図5(e)の状態
から図5(f)の状態へ変化し、ノーズ根元部同士の中
心間隔が増加するが、ノーズ突出部の前端同士の中心間
隔は連結部22cの存在によってあまり変化しない。し
たがって、印字キャリッジ装置に温度変動が生じても、
突出部前端の印字面同士の中心間隔、すなわち印字列J
1〜J4の相対位置を高精度に維持できることが判る。
【0064】なお、ここでは突出部前端同士を連結する
連結部をノーズ22と一体的に形成する例を示したが、
連結部を別個の部品として形成し、ノーズ22の突出部
に装着する構成も可能である。
【0065】こうして構成された印字キャリッジ装置
は、図3のプリンタ装置に搭載され、高速で高品質の印
字を実現する。
【0066】図6は本発明の第3実施形態を示し、図6
(a)は組立状態を示す分解部分平面図、図6(b)は
組立後の部分平面図である。
【0067】箱状のヘッドケース21には図2に示すよ
うなワイヤドット方式の印字ヘッド10が複数(本実施
形態では2個)並んで収納される。ヘッドケース21の
正面側には、印字ヘッド10に対応した2つの突出部が
一体的に形成された単一のノーズ22が取付けられる。
【0068】ノーズ22は、平面状の取付部と、ガイド
プレート18を収納した2つの突出部と、各突出部の前
端付近を連結する連結部22cとが一体形成され、取付
部の裏面中央には位置決めピン22bが形成される。一
方、ヘッドケース21の正面には位置決めピン22bに
略嵌合する位置決め孔21bが形成される。その他の構
成は図5のものと同様であるので重複説明を省く。
【0069】本実施形態では、ノーズ突出部の根元およ
び前端をそれぞれ連結することによって、温度変動が生
じても突出部の倒れが少なくなるため、ノーズ突出部の
同士の中心間隔を高精度に維持できる。こうして構成さ
れた印字キャリッジ装置は、図3のプリンタ装置に搭載
され、高速で高品質の印字を実現する。
【0070】図7は本発明の第4実施形態を示し、図7
(a)は組立状態を示す分解部分平面図、図7(b)は
組立後の部分平面図である。
【0071】箱状のヘッドケース21には図2に示すよ
うなワイヤドット方式の印字ヘッド10が複数(本実施
形態では2個)並んで収納される。ヘッドケース21の
正面側には、印字ヘッド10に対応した2つの突出部が
一体的に形成された単一のノーズ22が取付けられる。
【0072】ノーズ22は、ガイドプレート18を収納
した2つの突出部と、各突出部の前端付近を連結する連
結部22cとが一体形成され、右側突出部の裏面には位
置決めピン22bが形成される。一方、ヘッドケース2
1の正面には位置決めピン22bに略嵌合する位置決め
孔21bが2つ形成される。ノーズ22とヘッドケース
21との間には、低熱伝導率の材質、たとえばセラミッ
クス等から成る板状の断熱部材30が介在する。その他
の構成は図5のものと同様であるので重複説明を省く。
【0073】本実施形態では、ノーズ22とヘッドケー
ス21との間に断熱部材30が介在することによって、
ヘッドケース21からノーズ22への熱伝達を遮断する
ことができる。したがって、ノーズ22の温度変動に伴
う熱膨張を抑制できるため、ノーズ突出部の同士の中心
間隔を高精度に維持できる。こうして構成された印字キ
ャリッジ装置は、図3のプリンタ装置に搭載され、高速
で高品質の印字を実現する。
【0074】図8は本発明の第5実施形態を示し、図8
(a)は組立状態を示す分解正面図、図8(b)は正面
図、図8(c)は組立状態を示す分解平面図、図8
(d)はノーズの倒れ状態を示す平面図、図8(e)は
室温時の平面図、図8(f)は高温時の平面図である。
【0075】印字ユニット20は箱状のヘッドケース2
1を有し、ヘッドケース21には図2に示すようなワイ
ヤドット方式の印字ヘッド10が複数(本実施形態では
2個)並んで収納される。ヘッドケース21の正面側に
は、印字ヘッド10に対応した2つの突出部が一体的に
形成された単一のノーズ22がクランプ部材(不図示)
で取付けられる。
【0076】ヘッドケース21の正面には、ノーズ22
の突出部を挟んで左右および中央の、計3つの台座21
aが形成され、台座21aの底面とノーズ22の突出部
の底面とは同一面で、台座21aには取付用のねじ23
が貫通する取付孔が穿設される。また、ノーズ22の右
側突出部の底面には、ヘッドケース21全体の位置を決
める位置決めピン22aが形成される。
【0077】一方、キャリッジ25は、ヘッドケース2
1およびノーズ22の下部を逃げるための段差が形成さ
れた板状部材で、台座21aの取付孔の位置に対応した
ねじ孔25bと、ノーズ22の位置決めピン22aに略
嵌合する位置決め孔25aとがそれぞれ形成され、その
上面にヘッドケース21およびノーズ22がねじ23の
締付によって取付けられる。
【0078】図8(c)に示すように、ノーズ22は、
平面状の取付部と、図2に示すガイドプレート18を収
納した2つの突出部とが一体形成され、さらに最前列に
あるガイドプレート18が共通部材として一体的に形成
され、各印字ヘッド10の印字ワイヤを案内して印字列
J1〜J4を形成している。
【0079】ノーズ取付部の裏面中央には位置決めピン
22bが形成される。ノーズ22の材質として膨張係数
が小さいものが好ましく、たとえばPPS樹脂(線膨張
係数20×10-6/℃)やLCP樹脂などが使用でき
る。ガイドプレート18の材質として、印字ワイヤとの
摩擦が小さく、耐熱性に優れ、かつ低い熱伝導率で低い
熱膨張係数のものが好ましく、たとえばセラミックスが
使用される。
【0080】一方、ヘッドケース21の正面には位置決
めピン22bに略嵌合する位置決め孔21bが形成され
る。
【0081】たとえば1つの印字ヘッド10が24ピン
ヘッドの場合、ガイドプレート18に形設された貫通孔
によって、印字ワイヤ14の先端は12ピン×2列の千
鳥配置に配列される。ノーズ22の左側突出部は2つの
印字列J1、J2を有し、右側突出部は2つの印字列J
3、J4を有し、キャリッジ移動方向である行方向に沿
って4つの印字列J1〜J4が形成される。各列J1〜
J4が、たとえば24ドット×24ドット等のドットマ
トリクス形成に関与し、列J1、J2はドットマトリク
スの奇数列を担当し、列J3、J4はドットマトリクス
の偶数列を担当する。また、列J1、J3はドットマト
リクスの奇数行を担当し、列J2、J4はドットマトリ
クスの偶数行を担当する。
【0082】このように本実施形態では、印字ワイヤ1
4を案内するガイドプレート18を複数の印字ヘッドに
渡って共通部材で一体的に形成することによって、左側
の印字ヘッド10の印字ワイヤと右側の印字ヘッド10
の印字ワイヤとの間の相対位置を高精度に維持すること
ができる。
【0083】ここで、図4(d)に示すように、ノーズ
22自体の加工誤差が生じて、特に平面状の取付部に対
して突出部が傾斜した場合であっても、一体化されたガ
イドプレート18によって印字列J1、J3間のピッチ
間距離D1を一定に維持できることが判る。
【0084】さらに、長時間通電すると、ヘッドケース
21やキャリッジ25が熱膨張して、図8(e)の状態
から図8(f)の状態へ変化し、ノーズ根元部同士の中
心間隔が増加するが、印字列J1、J2と印字列J3、
J4同士との間の中心間隔はガイドプレート18の存在
によってあまり変化しない。したがって、印字キャリッ
ジ装置に温度変動が生じても、印字列J1〜J4の相対
位置を高精度に維持できることが判る。
【0085】こうして構成された印字キャリッジ装置
は、図3のプリンタ装置に搭載され、高速で高品質の印
字を実現する。以上、印字ワイヤの相対位置の誤差要因
を下記の(表1)で整理する。
【0086】
【表1】
【0087】
【発明の効果】以上詳説したように本発明によれば、各
印字ヘッドのヘッドケースを共通の部材で一体化するこ
とによって、印字ヘッドとキャリッジとの間の取付誤差
を解消でき、印字ヘッド同士の相対位置を高精度に維持
できる。また、ヘッドケースをキャリッジに取付ける場
合、位置決めピンなどの位置決め機構をヘッドケースに
1箇所設けるだけで足りる。また、ヘッドケースの体積
が増加することによって、印字ヘッドの放熱効果も向上
する。また、ヘッドケースとワイヤガイド部材との間に
断熱部材を介在させることによって、印字ヘッドの発熱
によってヘッドケースの温度が上昇しても、ワイヤガイ
ド部材への熱伝導が抑制されるため、ワイヤガイド部材
の温度上昇による熱膨張を回避でき、その結果、印字ワ
イヤの相対位置を高精度に維持できる。また本発明によ
れば、各印字ヘッドのワイヤガイド部材を共通の部材で
一体化することによって、印字ヘッドとワイヤガイド部
材との間の取付誤差を解消でき、一方の印字ヘッドの印
字ワイヤと他方の印字ヘッドの印字ワイヤとの間の相対
位置を高精度に維持できる。また、ヘッドケースとワイ
ヤガイド部材との間に断熱部材を介在させることによっ
て、印字ヘッドの発熱によってヘッドケースの温度が上
昇しても、ワイヤガイド部材への熱伝導が抑制されるた
め、ワイヤガイド部材の温度上昇による熱膨張を回避で
き、その結果、印字ワイヤの相対位置を高精度に維持で
きる。
【0088】また本発明によれば、各印字ヘッドのワイ
ヤガイド部材は、印字ワイヤの変位方向に突出した突出
部を有し、各突出部のヘッドケース取付部を共通の部材
で一体化することによって、印字ヘッドとワイヤガイド
部材との間の取付誤差を解消でき、一方の印字ヘッドの
印字ワイヤと他方の印字ヘッドの印字ワイヤとの間の相
対位置を高精度に維持できる。
【0089】また、各印字ヘッドのワイヤガイド部材を
連結部材を用いて印字ワイヤ先端付近で連結することに
よって、仮に印字ヘッド同士の相対誤差が生じたとして
もワイヤガイド先端同士の相対位置を高精度に維持でき
る。
【0090】また、各印字ヘッドのガイドプレートを共
通の部材で一体化することによって、印字ワイヤの相対
位置はガイドプレートに形成した貫通孔の加工精度で管
理できるため、仮に印字ヘッド同士の相対誤差やワイヤ
ガイド部材の取付誤差が生じたとしても、印字ワイヤの
相対位置を高精度に維持できる。
【0091】また、ヘッドケースとワイヤガイド部材と
の間に断熱部材を介在させることによって、ワイヤガイ
ド部材への熱伝導が抑制されるため、ワイヤガイド部材
の温度上昇による熱膨張を回避でき、その結果、印字ワ
イヤの相対位置を高精度に維持できる。
【0092】さらに、本発明に係る印字キャリッジ装置
を搭載したプリンタ装置は、印字ヘッド同士の相対位
置、ワイヤガイド部材同士の相対位置、印字ワイヤ同士
の相対位置を高精度で維持できるため、高品質印字およ
び印字ヘッドの個数分に応じた高速印字を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ヘッドケースを一体化した印字キャリッジ装置
の一例を示し、図1(a)は組立状態を示す分解正面
図、図1(b)は正面図、図1(c)は組立状態を示す
分解平面図、図1(d)はノーズの倒れ状態を示す平面
図、図1(e)は室温時の平面図、図1(f)は高温時
の平面図である。
【図2】印字ヘッド10の内部構成を示す部分斜視図で
ある。
【図3】本発明に係る印字キャリッジ装置を用いたプリ
ンタ装置の一例を示す構成図である。
【図4】本発明の第1実施形態を示し、図4(a)は組
立状態を示す分解正面図、図4(b)は正面図、図4
(c)は組立状態を示す分解平面図、図4(d)はノー
ズの倒れ状態を示す平面図、図4(e)は室温時の平面
図、図4(f)は高温時の平面図である。
【図5】本発明の第2実施形態を示し、図5(a)は組
立状態を示す分解正面図、図5(b)は正面図、図5
(c)は組立状態を示す分解平面図、図5(d)は連続
動作時の温度分布図、図5(e)は室温時の平面図、図
5(f)は高温時の平面図である。
【図6】本発明の第3実施形態を示し、図6(a)は組
立状態を示す分解部分平面図、図6(b)は組立後の部
分平面図である。
【図7】本発明の第4実施形態を示し、図7(a)は組
立状態を示す分解部分平面図、図7(b)は組立後の部
分平面図である。
【図8】本発明の第5実施形態を示し、図8(a)は組
立状態を示す分解正面図、図8(b)は正面図、図8
(c)は組立状態を示す分解平面図、図8(d)はノー
ズの倒れ状態を示す平面図、図8(e)は室温時の平面
図、図8(f)は高温時の平面図である。
【図9】従来の印字キャリッジ装置の一例を示し、図9
(a)は組立状態を示す分解正面図、図9(b)は正面
図、図9(c)は印字ワイヤの配置図、図9(d)は室
温時の平面図、図9(e)は高温時の平面図である。
【符号の説明】
10 印字ヘッド 14 印字ワイヤ 18 ガイドプレート 20 印字ユニット 21 ヘッドケース 21a 台座 21b 位置決め孔 22 ノーズ 22a、22b 位置決めピン 22c 連結部 23 ねじ 25 キャリッジ 25a 位置決め孔

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の印字ヘッドが単一のキャリッジに
    搭載された印字キャリッジ装置であって、 印字ヘッドは、インパクトによって記録媒体に印字ドッ
    トを形成するための複数の印字ワイヤと、 各印字ワイヤを軸方向に選択的に変位させて駆動するた
    めの複数のワイヤ駆動手段と、 各ワイヤ駆動手段を一体的に収納するためのヘッドケー
    スと、 ヘッドケースに取付けられ、印字ワイヤを所定配置に配
    列し案内するためのワイヤガイド部材とを備え、 各印字ヘッドのヘッドケースが共通の部材で一体化さ
    れ、 ヘッドケースとワイヤガイド部材との間に断熱部材が介
    在していることを特徴とする印字キャリッジ装置。
  2. 【請求項2】 複数の印字ヘッドが単一のキャリッジに
    搭載された印字キャリッジ装置であって、 印字ヘッドは、インパクトによって記録媒体に印字ドッ
    トを形成するための複数の印字ワイヤと、 各印字ワイヤを軸方向に選択的に変位させて駆動するた
    めの複数のワイヤ駆動手段と、 各ワイヤ駆動手段を一体的に収納するためのヘッドケー
    スと、 ヘッドケースに取付けられ、印字ワイヤを所定配置に配
    列し案内するためのワイヤガイド部材とを備え、 各印字ヘッドのワイヤガイド部材が共通の部材で一体化
    され、 ヘッドケースとワイヤガイド部材との間に断熱部材が介
    在していることを特徴とする印字キャリッジ装置。
  3. 【請求項3】 複数の印字ヘッドが単一のキャリッジに
    搭載された印字キャリッジ装置であって、 印字ヘッドは、インパクトによって記録媒体に印字ドッ
    トを形成するための複数の印字ワイヤと、 各印字ワイヤを軸方向に選択的に変位させて駆動するた
    めの複数のワイヤ駆動手段と、 各ワイヤ駆動手段を一体的に収納するためのヘッドケー
    スと、 ヘッドケースに取付けられ、印字ワイヤを所定配置に配
    列し案内するためのワイヤガイド部材とを備え、 各印字ヘッドのワイヤガイド部材は、印字ワイヤの変位
    方向に突出した突出部を有し、各突出部のヘッドケース
    取付部が共通の部材で一体化されていることを特徴とす
    る印字キャリッジ装置。
  4. 【請求項4】 複数の印字ヘッドが単一のキャリッジに
    搭載された印字キャリッジ装置であって、 印字ヘッドは、インパクトによって記録媒体に印字ドッ
    トを形成するための複数の印字ワイヤと、 各印字ワイヤを軸方向に選択的に変位させて駆動するた
    めの複数のワイヤ駆動手段と、 各ワイヤ駆動手段を一体的に収納するためのヘッドケー
    スと、 ヘッドケースに取付けられ、印字ワイヤを所定配置に配
    列し案内するためのワイヤガイド部材とを備え、 各印字ヘッドのワイヤガイド部材を印字ワイヤ先端付近
    で連結するための連結部材が設けられることを特徴とす
    る印字キャリッジ装置。
  5. 【請求項5】 複数の印字ヘッドが単一のキャリッジに
    搭載された印字キャリッジ装置であって、 印字ヘッドは、インパクトによって記録媒体に印字ドッ
    トを形成するための複数の印字ワイヤと、 各印字ワイヤを軸方向に選択的に変位させて駆動するた
    めの複数のワイヤ駆動手段と、 各ワイヤ駆動手段を一体的に収納するためのヘッドケー
    スと、 ヘッドケースに取付けられ、印字ワイヤを所定配置に配
    列し案内するためのワイヤガイド部材とを備え、 ワイヤガイド部材は、印字ワイヤが貫通する複数の貫通
    孔が形成されたガイドプレートを有し、 各印字ヘッドのガイドプレートが共通の部材で一体化さ
    れていることを特徴とする印字キャリッジ装置。
  6. 【請求項6】 ヘッドケースとワイヤガイド部材との間
    に断熱部材が介在していることを特徴とする請求項3〜
    5のいずれかに記載の印字キャリッジ装置。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれかに記載の印字キ
    ャリッジ装置と、 印字キャリッジ装置を記録媒体の幅方向に往復移動する
    ためのキャリッジ駆動手段と、 印字キャリッジ装置に対して対向配置され、記録媒体を
    搬送するプラテンとを備えることを特徴とするプリンタ
    装置。
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