JPH078196Y2 - プリンタ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔概要〕 シャトルプリンタの印字部の構造に関し、 印字ヘッドの構造を合理化して、信頼性の向上及び低コ
スト化を目的とし、 一方の端部にドットピンを有するコイルベース及びコイ
ルベースを複数並列に装着した角形のフロントベースか
らなる印字ヘッドと、複数の印字ヘッドを並列に取付け
る取付枠とを備え、取付枠をシャトルに搭載し、シャト
ルを所定の印字範囲内で往復運動させ、ドットピンでイ
ンクリボンを介してプラテン上の媒体に印字を行うシャ
トルプリンタに於いて、コイルベースは、ドットピンの
先端が直線状に配列してなるドットピン列がフロントベ
ースの側縁に直交するよう、フロントベースに装着され
たものであり、印字ヘッドは、ねじをフロントベースの
中心線上に対向して設けた孔に嵌挿し、取付枠に配設し
たねじ孔に螺着することで、取付枠に取付けられるもの
であり、取付枠は、各印字ヘッドに対応するねじ孔の一
方が、他方のねじ孔に対してシャトルの移動方向に所定
寸法ずれて配設されたものである構成とする。

〔産業上の利用分野〕

本考案は、シャトルプリンタの印字部の構造に関する。

高速印字が行えるラインプリンタとして、ドットピンを
所定の範囲内で往復移動させて印字を行うシャトルプリ
ンタが用いられている。

これらプリンタには、印字品質や印字速度の向上の他
に、低コスト化の要望がある。

〔従来の技術〕

本考案が適用されるシャトルプリンタは、第３図の斜視
図に示す如く、送紙ユニット４と、印字ユニット７と、
インクリボン供給機構８とから構成されている。

送紙ユニット４は、第４図の分解斜視図に示す如く、回
転自在なるプラテンローラ１と、連続帳票２を上方に移
送するトラクタ３とを備えている。

印字ユニット７は、図示の如く複数の印字ヘッド６を固
定した取付枠10を、左右方向に所定の範囲内で往復移動
するシャトル５に搭載して成る。

又、インクリボン給送機構８は、図示省略したインクリ
ボンカセットから送紙ユニット４と印字ユニット７の間
隙にインクリボンを給送するものである。

印字ヘッド６は、第５図の正面斜視図に示す如く、２個
ずつ８個を一組にして３組、計24個のドットピン９を備
え、各ドットピン９の位置は第６図の部分拡大図に示す
如く、印字ヘッド６の取付け方向に対して傾斜を成す左
右方向の斜線（１点鎖線で示す）上に段差を有するよう
に配されていて、左右方向（矢印Ａ−Ｂ方向）にドット
ピン12個分の範囲を往復移動し乍ら印字をすることで24
×24ドットの印字が行えるようになっている。

その構造は、第７図の側面図、及び第８図の要部斜視図
に示す如く、所定の間隙を介し異なる磁極を対向させて
並設した複数個の永久磁石11と、前記の間隙に遊挿さ
れ、永久磁石11が形成する磁界に対し、励磁することで
直角方向に移動するムービングコイル12と、ムービング
コイル12を固定すると共に一端部（第８図に於いて下端
部）に板ばね13を備え、他端部（第８図に於いて上端
部）にはドットピン９を備えたコイルベース14とを主た
る構成部品とし、他にフロントベース15とムービングコ
イル12の放熱の為のヒートシンク16を有している。

コイルベース14は、第８図に示す如く板ばね13を介して
フロントベース15に支持され、板ばね13を支点に回動可
能なっている。

ここでムービングコイル12を励磁すると、コイルベース
14は板ばね15の付勢に抗して回動し、ドットピン９をフ
ロントベース15より突出して印字を行う。

印字は、第４図に示す送紙ユニット４のトラクタ３の回
転で連続帳票２を改行し、インクリボン給送機構８でイ
ンクリボンを所定方向に送行させ、且つシャトル５に依
り上記機能を備えた印字ヘッド６を所定の印字範囲内で
往復移動させて行う。

シャトル５の往復移動は、図示省略したリニヤモータに
依って行われる。

〔考案が解決しようとする課題〕

以上の説明のように印字ヘッドのドットピンは、斜めに
段差を有する如く設けられているが、この為に第８図に
示す如くコイルベースをフロントベースに固定する際に
は、治具を使用し、板ばねのフロントベースに対する個
々に取付け寸法が異なる位置決めを行い、然る後、フロ
ントベースの溝15aに例えばエポキシ系の樹脂17を充填
し硬化させて行っていた。

然し乍ら、充填作業は手間が掛かる上に樹脂の硬化に時
間が掛り、更に樹脂の粘度や温度の管理が難しく、又、
製品完成後も経年変化に注意しなければならず、信頼性
及びコスト面で問題があった。

本考案は、印字ヘッドの構造を合理化して、信頼性の向
上及び低コスト化を目的とするものである。

〔課題を解決するための手段〕

上記の目的を達成するために本考案は、一方の端部にド
ットピン９を有するコイルベース21及びコイルベース21
を複数並列に装着した角形のフロントベース15からなる
印字ヘッド18と、複数の印字ヘッド18を並列に取付ける
取付枠19とを備え、取付枠19をシャトル５に搭載し、シ
ャトル５を所定の印字範囲内で往復運動させ、ドットピ
ン９でインクリボンを介してプラテン上の媒体に印字を
行うシャトルプリンタに於いて、 コイルベース21は、ドットピン９の先端が直線状に配列
してなるドットピン列20がフロントベース15の側縁に直
交するよう、フロントベース15に装着されたものであ
り、 印字ヘッド18は、ねじ27をフロントベース15の中心線上
に対向して設けた孔に嵌挿し、取付枠19に配設したねじ
孔に螺着することで、取付枠19に取付けられるものであ
り、 取付枠19は、各印字ヘッド18に対応するねじ孔の一方
が、他方のねじ孔に対してシャトル５の移動方向に所定
寸法ずれて配設されたものとする。

〔作用〕

印字ヘッドは、ドットピンの先端を直線状に並べたドッ
トピン列が、フロントベースの側縁に直交するようコイ
ルベースをフロントベースに装着したものであり、取付
枠は、ねじを螺合するねじ孔の一方をシャトルの移動方
向に所定寸法ずらして配設したものであるから、ねじを
用いて印字ヘッドを取付枠に取付けると、印字ヘッドは
取付枠にねじ孔のずれに相当する角度だけ斜めになった
状態で固定される。

したがって、各印字ヘッドのドットピン列は隣接した印
字ヘッドのドットピン列に段差を有する状態で配列す
る。

〔実施例〕

第１図及び第２図は本考案の一実施例である。

全図を通じて同一部分には同一符号を付して示した。

本考案のプリンタに於いては、第１図の取付枠に印字ヘ
ッドを固定した正面図に示す如く、複数のドットピン９
の先端を直線状に並べたドットピン列20を取付け方向に
対して直角方向に備えた印字ヘッド18と、ドットピン列
20が斜めになるように印字ヘッドを固定する取付枠19と
から成るものである。

印字ヘッド18は、第２図（ａ）の側面図、及び同図
（ｂ）に示す同図（ａ）の分解斜視図（12ドット分のみ
表示）、並びに同図（ｃ）のコイルベースの斜視図に示
す如く、総てのコイルベース21の一端部（同図（ｃ）に
於いて下端部）の同位置に貫通孔22を穿設し、同図
（ｂ）に示す如く総てのコイルベース21の貫通孔22にシ
ャフト23を挿通して、ヒートシンク16を備えたリヤベー
ス24の貫通孔25に回動自在に係止する。

斯くの如き構造にすることで、従来技術で行っていた多
くの工数を要し、各種の問題点を有する樹脂の充填作業
が不要となり、組立てが極めて容易になると共に、回動
支点がシャフト23である為にコイルベース21の動作が正
確になり安定する。

このように組立てられた印字ヘッド18のドットピン９の
並び方、即ちドットピン列20は、印字ヘッド18の取付け
方向に対して直角方向になる。

従って、各印字ヘッド18のドットピン列20間に段差を生
じさせる為に、取付枠19に対する印字ヘッド18の取付け
は、第１図に示す如く、対向するねじ孔の一方が他方の
ねじ孔に対してシャトル５の移動方向に所定寸法ずれて
設けられた取付枠19にねじ27で固定することになる。

尚、ドットピン９は、第２図（ｂ）に示す如くドットピ
ン９に巻装された圧縮コイルばねに依ってコイルベース
21方向に付勢されており、コイルベース21の回動でフロ
ントベース15から突出するようになっている。

〔考案の効果〕

本考案をシャトルプリンタに適用することに依り、印字
ヘッドの組立てが容易になり生産性が向上すると共に、
動作精度が向上し、且つ安定する等、経済上及び産業上
に多大の効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案のプリンタに於いて取付枠に印字ヘッド
を固定した正面図、 第２図（ａ）は本考案のプリンタの側面図、 第２図（ｂ）は同図（ａ）分解斜視図、 第２図（ｃ）はコイルベースの斜視図、 第３図は本考案が適用されるシャトルプリンタの斜視
図、 第４図は第３図の分解斜視図、 第５図は従来の印字ヘッドの正面斜視図、 第６図は従来の印字ヘッドのドットピンの配列を示す部
分拡大図、 第７図は従来の印字ヘッドの側面図、 第８図は従来の印字ヘッドの要部斜視図である。 図に於いて、 ６、18は印字ヘッド、９はドットピン、10、19は取付
枠、11は永久磁石、12はムービングコイル、13は板ば
ね、14、21はコイルベース、15はフロントベース、16は
ヒートシンク、17は樹脂、20はドットピン列、22、25は
貫通孔、23はシャフト、24はリヤベース、26は圧縮コイ
ルばね、27はねじである。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】一方の端部にドットピン（９）を有するコ
   イルベース（21）及び前記コイルベース（21）を複数並
   列に装着した角形のフロントベース（15）からなる印字
   ヘッド（18）と、複数の前記印字ヘッド（18）を並列に
   取付ける取付枠（19）とを備え、 前記取付枠（19）をシャトル（５）に搭載し、前記シャ
   トル（５）を所定の印字範囲内で往復運動させ、前記ド
   ットピン（９）でインクリボンを介してプラテン上の媒
   体に印字を行うシャトルプリンタに於いて、 前記コイルベース（21）は、前記ドットピン（９）の先
   端が直線状に配列してなるドットピン列（20）が前記フ
   ロントベース（15）の側縁に直交するよう、前記フロン
   トベース（15）に装着されたものであり、 前記印字ヘッド（18）は、ねじ（27）を前記フロントベ
   ース（15）の中心線上に対向して設けた孔に嵌挿し、前
   記取付枠（19）に配設したねじ孔に螺着することで、前
   記取付枠（19）に取付けられるものであり、 前記取付枠（19）は、各印字ヘッド（18）に対応する前
   記ねじ孔の一方が、他方のねじ孔に対して前記シャトル
   （５）の移動方向に所定寸法ずれて配設されたものであ
   ることを特徴とするプリンタ。