JP3215274B2 - 移動ステージ装置及びその組み立て製造方法 - Google Patents

移動ステージ装置及びその組み立て製造方法

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JP3215274B2
JP3215274B2 JP30026194A JP30026194A JP3215274B2 JP 3215274 B2 JP3215274 B2 JP 3215274B2 JP 30026194 A JP30026194 A JP 30026194A JP 30026194 A JP30026194 A JP 30026194A JP 3215274 B2 JP3215274 B2 JP 3215274B2
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基弘 久慈
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体ウエハ等を載置
してこれを位置合わせのために例えばXY方向へ移動さ
せる移動ステージ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、半導体集積回路の製造工程にあ
っては、ウエハ上に多数形成したICチップを最終的に
チップ毎に切断して樹脂等によりパッケージングする前
に、個々のICチップが適正な電気的特性を有するか否
かをプローブ装置を用いて検査するようになっている。
【0003】プローブ装置によるICチップの検査は、
被検査体である半導体ウエハを、X・Y・Z軸方向へ移
動可能になされると共にZ軸のまわり方向(θ方向)へ
回転可能になされたステージ上に設け、プローブカード
のプローブ針を各ICチップの電極パッドに接触させて
検査用信号を流すことにより行われる。
【0004】そして、1つのICチップの検査が終了す
ると、ステージを次の検査ICまで歩進させ、上述と同
様に検査を行う。これにより、パッケージングする前に
不良チップを拾い出すことができ、また、歩留まりが悪
い場合には前工程にその旨がフィードバックされる。
【0005】ここで従来のプローブ装置及びこれに用い
た移動ステージ装置について説明する。図7は従来のプ
ローブ装置を示す斜視図である。図示するようにプリン
ト基板により形成されたリング状のプローブカード2に
は、ICチップのパッド配列に対応させて多数のプロー
ブ針4が植設されており、この下方には、載置台6の上
面に載置固定された半導体ウエハWが設けられる。
【0006】尚、このプローブカードは図示しないテス
トヘッド側に接続されている。上記載置台6は、ウエハ
をX、Y、Z方向へ移動可能とすると共にθ方向へも回
転可能とする必要から、そのような動作が可能な移動ス
テージ装置6上に設けられる。
【0007】この移動ステージ装置8は、固定デスク1
0上に、合成ゴムのような板状の振動防止材12を介し
て取り付けたステージベース14を有しており、このス
テージベース14の上面には例えばY方向に延びる一対
の凸状のレール取付台16が形成されており、このレー
ル取付台16の上面に沿ってY方向ガイドレール18が
取り付けられている。
【0008】このY方向ガイドレール18間には、Yス
テージ20がY方向へ移動可能に嵌め込まれており、こ
のYステージ20はボールネジを備えたYモータ22に
より移動される。Yステージ20の上面には、Y方向と
直交するX方向へ延びる一対のX方向ガイドレール24
が設けられており、このX方向ガイドレール24間には
Xステージ26がX方向へ移動可能に嵌め込まれてい
る。このXステージ26は、ボールネジ28を備えたX
モータ(図示せず)により移動される。
【0009】このXステージ26の上面には、図示しな
いZ移動機構によりZ方向すなわち上下方向へ移動可能
になされたZステージ30が設けられ、更にこのZステ
ージ30と上記載置台6との接合部には、Zステージ3
0に対して載置台6を回転させるθ移動機構32が設け
られる。従って、各ステージを移動させることにより、
載置台6上のウエハWをX、Y、Z、θ方向へ移動可能
としている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところで、半導体デバ
イスの高集積化、線幅の微細化に伴って、パッド幅及び
パッド間隔も非常に小さくなっており、従って、ウエハ
Wの位置合わせ精度は極めて高くしなければならない。
移動ステージ装置8を構成する各構成要素、特に装置自
体の荷重を支持する固定デスク10やステージベース1
4は位置合わせ精度を上げるために比較的剛性が高くな
されており、歪等が生じ難くなっている。
【0011】更に、各ガイドレール18、24の上面
は、取り付け前に予め高い精度で平坦度が出るように研
磨処理されており、特に上部構造体の荷重を集中的に受
けるY方向ガイドレール18のレール取付台16の上面
であるレール取付面16Aも高い平坦性を出すために予
め研磨処理されており、このレール取付面16Aの僅か
な凹凸がその上部構造に与える影響を未然に防止するよ
うになっている。
【0012】そして、このように精度良く研磨処理され
た各部材は、例えば図8に示すように組み立てられる。
まず、固定デスク10上に、上述のように予め精度良く
仕上げ処理したステージベース14を、振動防止材12
を介してボルト等により取り付け固定し、このベース1
4の予め高い平坦度で研磨処理したレール取付面16A
にY方向ガイドレール18を取り付けるようになってい
る。そして、その後、Yステージ20やXステージ26
等の上部構造物を順次組み立てている。
【0013】ところで、この装置全体の大きさは縦横そ
れぞれ500mm〜1000mmもあり、固定デスク1
0はパイプ材や角材により組み立てられて高い剛性を有
するといえども上部構造物を設置した時にその重量でデ
スクの横桁等が僅かに撓んで歪むことは避けることはで
きない。
【0014】このデスク10の歪を防止するために支柱
等を多く設けることも考えられるが、このデスク10内
の空間部には装置の動作に必要な各種の電装品等を収容
する必要から多数の支柱を設けることもできず、また、
支柱等の梁の厚さ等も制限されてしまう。
【0015】また、固定デスク10の上部に設けられる
ステージベース14は、高い剛性を維持するために厚さ
が例えば70mm程度になされているが、それ自体の重
量により僅かな量、例えば数μm程度の撓みが発生する
ことは避けることができない。
【0016】更には、前述のように個々の構成部材の仕
上げ精度を高くしても、これらを最終的にボルト等によ
り組み立てることにより、組み立てによる変形も発生す
る。また、この組み立てによる変形は、固定デスク10
とステージベース14との間に合成ゴム等よりなる振動
防止材12を介設したことにより助長されてしまう。
【0017】このように、個々の構成部材は、誤差数μ
m程度の高い精度で仕上げても、組み立て後においては
上記した誤差原因が相乗して作用し、数100μmもの
大きな誤差となってしまう。
【0018】そのために、高い精度の平坦度で予め仕上
げられたレール取付面16Aには、ステージベース14
の組み付け後においては、上述したように数100μm
程度の大きさの撓みやねじれが発生し、この取付面16
Aに取り付けるガイドレール18も取付面の影響を受け
て同様な変形を受けてしまう。
【0019】この数100μm程度の変形量は、視覚的
に見れば僅かであるが、前述のように高集積化及び微細
化が進んだICチップに対しては大きな変形量となり、
適正な位置合わせができなくなる恐れがあった。
【0020】本発明は、以上のような問題点に着目し、
これを有効に解決すべく創案されたものである。本発明
の目的はガイドレールの平坦度を大幅に改善することの
できる移動ステージ装置及びその組み立て製造方法を提
供することにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】請求項1に規定する第1
の発明は、固定デスク上に、上面にレール取付台を有す
るステージベースを取り付け、前記レール取付台のレー
ル取付面にガイドレールを設け、このガイドレールに走
行移動可能に移動ステージ部を設けるようにした移動ス
テージ装置において、前記レール取付台のレール取付面
は、前記固定デスクと前記ステージベースとを取り付け
固定した後に研磨された、高い平坦性を有するレール取
付面であるように構成したものである。
【0022】請求項5に規定する第2の発明は、固定デ
スク上に、上面にレール取付台を有するステージベース
を取り付け、前記レール取付台のレール取付面にガイド
レールを設け、このガイドレールに走行移動可能に移動
ステージ部を設けるようにした移動ステージ装置の組み
立て製造方法において、前記固定デスクと前記ステージ
ベースとを組み立て固定した後に、前記レール取付台の
レール取付面を研磨してその平坦性を高めるように構成
したものである。
【0023】
【作用】請求項1及び5に規定する第1及び第2の発明
によれば、固定デスクとステージベースとを取り付け固
定し、その後、レール取付台のレール取付面を研磨して
高い平坦性を出すようにしたので、固定デスクやステー
ジベース自体の変形や歪、或いはこれらの組み立てによ
り発生した組み立て変形等によりレール取付面に変形や
歪が生じてもこの変形表面を平坦に精度良く研磨するた
め、ここに取り付けるガイドレールが変形や歪の影響を
受けることがない。従って、このガイドレールに沿って
走行移動する移動ステージの精度の高い位置合わせを行
うことが可能となる。
【0024】特に、固定デスクやステージベースをそれ
ぞれ剛性の高い鋳物より構成することにより、その変形
や歪を一層少なくすることができ、より高精度の位置合
わせを行うことができる。
【0025】また、固定デスクとステージベースとガイ
ドレールをまず強固に取り付け固定し、その後にガイド
レールの摺動面を研磨して高い平坦性を出すようにすれ
ば、固定デスクやステージベース自体の変形や歪、或い
はこれの組み立てにより発生した組み立て変形等により
ガイドレールの摺動面に変形や歪が生じても、この変形
摺動面は平坦に精度良く研磨される。従って、このガイ
ドレールの摺動面に接触しつつ走行移動する移動ステー
ジの精度の高い位置合わせを行うことができる。
【0026】
【実施例】以下に、本発明に係る移動ステージ装置及び
その組み立て製造方法の一実施例を添付図面に基づいて
詳述する。図1はプローブ装置に組み込まれた本発明に
係る移動ステージ装置を示す斜視図、図2はレール取付
台とガイドレールの取り付け状態を示す斜視図、図3は
ガイドレールを示す断面図、図4は固定デスクとステー
ジベースとの取り付け状態を示す側面図、図5は図1に
示す移動ステージ装置の組み立て工程を説明するための
工程図である。尚、従来装置と同一部分については同一
符号を付す。
【0027】まず、本発明の移動ステージ装置34を組
み込んだプローブ装置の全体を説明すると、このプロー
ブ装置はプリント基板により形成されたリング状のプロ
ーブカード2を有しており、このカード2には、ICチ
ップのパッド配列に対応させて配置した多数のプローブ
針4が植設されている。このプローブカードは、起倒自
在になされたテストヘッド(図示せず)に取り付け固定
されている。
【0028】プローブカード2の下方には、円板状の載
置台6が本発明に係る移動ステージ装置34上に取り付
けられており、この載置台6上に被検査体としての半導
体ウエハWが載置保持される。
【0029】この移動ステージ装置34は、縦方向及び
横方向に延びる複数のフレーム枠を箱状に接合して成る
固定デスク36を有しており、この固定デスク36の縦
横の長さは例えば500mm〜1000mm程度の比較
的長い寸法となっている。この固定デスク36は、その
剛性を高くして変形を抑制するために鋳物により一体成
形するのが好ましい。
【0030】この固定デスク36の4つの角部の下面に
は、ここに螺合されて上下方向へ移動可能になされたネ
ジ38とこの下端に取り付けた円板状の座金40よりな
る高さ調整部材42が設けられており、角部の高さ調整
を個別に行うようになっている。また、この座金40の
下面には、例えば合成ゴムの如き弾発性を有する振動防
止材44が貼り付けられており、床面の不要な振動を吸
収するようになっている。この固定デスク36の上面
は、これに取り付けられる上部構造物の変形や歪を抑制
するために、平坦度が高く仕上げられている。
【0031】この固定デスク36の上面には、例えば厚
さが70mm程度のステージベース44が多数のボルト
46により上記固定デスク36に強固に固定されてい
る。このステージベース44の上面には、図4にも示す
ように所定の間隔を隔てて平行に配列された一対の凸状
のレール取付台48が設けられている。このレール取付
台48の上面のレール取付面48Aの一側には、水平位
置規制凸部48Bが設けられており、ガイドレール取付
時にその横方向への位置規制を行うようになっている。
レール取付台48を含むステージベース44は、前述と
同様にその剛性を高くして変形を抑制するために鋳物に
より一体成形するのが好ましい。
【0032】上記レール取付台48のレール取付面48
Aには、予め精度の高い平坦度となるように仕上げられ
たガイドレール、本実施例においては、Y方向ガイドレ
ール18が設けられるが、このガイドレール18はこの
下部のレール取付面48Aの表面形状から大きく影響を
受けることから、レール取付面48Aは平坦度が比較的
高くなるように予め仕上げられている。本発明において
は、後述するように、固定デスク36とステージベース
44とを組み立て固定した後に上記レール取付面48A
の精密研磨加工を行ってその平坦度を高くしている。そ
して、このガイドレール18上に移動ステージ部50が
走行可能に取り付けられる。
【0033】この移動ステージ部50は、Y方向へ移動
するYステージ20と水平面内においてY方向に直交す
るX方向へ移動するXステージ26と、X・Y方向に直
交するZ方向(垂直方向)へ移動するZステージ30と
により主に構成される。
【0034】一対のY方向ガイドレール18には、上記
Yステージ20が跨がるようにして取り付けられ、レー
ル長さ方向へ走行可能になっている。具体的には、図2
及び図3(A)に示すように一本のガイドレール18に
2つずつで計4個の断面コ字状の移動体52を跨がらせ
て設けており、この内側とガイドレールの側面である摺
動面18Aとの間でボール54を転動させつつ走行させ
るようになっている。そして、この4つの移動体52を
ステージ本体の下面側に取り付けて、ステージ全体を移
動し得るようになっている。
【0035】この移動体52の形状は図3(A)に示す
構造に限定されず、遊び等がなく精度良く移動できるも
のであればどのようなものでもよく、例えば図3(B)
に示すようにガイドレール18の左右のそれぞれの摺動
面18A、18Aを凸状に形成し、この部分に上下一対
のボール54、54を転動自在に介在させるようにした
構造でもよい。
【0036】また、ステージベース14の上面の縁部に
は、Yモータ22とこれよりY方向ガイドレール18と
平行に延びるボールネジ56よりなるY方向駆動部58
が設けられており、上記ボールネジ56をYステージ2
0に螺合させてこれを回転駆動することによりYステー
ジ20自体をY方向ガイドレール18に案内させつつ移
動するようになっている。
【0037】上記Yステージ20の上面には、X方向に
延びる一対のX方向ガイドレール24、24が平行に設
けられており、このガイドレール24、24間には、上
述した図3で示したと同様の構造の移動体(図示せず)
を有するXステージ26が跨がって移動可能に設けられ
る。
【0038】そして、Yステージ20の上面の縁部に
は、Xモータ60とこれよりX方向ガイドレール24と
平行に延びるボールネジ62よりなるX方向駆動部64
が設けられており、このボールネジ62をXステージ2
6に螺合させてこれを回転駆動することによりXステー
ジ26自体をX方向ガイドレール24に案内させつつ移
動するようになっている。
【0039】更に、このXステージ26の上面には、取
付台66を介してZステージ20が設けられており、こ
のZステージ20は図示しないZ方向駆動部により上下
方向へ昇降可能になされている。また、このZステージ
30とこの上に回転可能に設けられる前記載置台6との
接合部には、Zステージ30に対して上記載置台6を回
転させるθ移動機構32が設けられている。従って、各
ステージ20、26、30及び載置台6を移動させるこ
とにより載置台6上のウエハWをX・Y・Z・θ方向へ
移動可能としている。尚、65はこの装置全体を床上に
移動可能とするキャスタである。
【0040】次に、このように全体が構成される移動ス
テージ装置の組み立て工程を図5も参照しつつ説明す
る。まず、下部構造体である固定デスク36やステージ
ベース44を、それぞれ例えば鋳物により成形してお
き、固定デスク36の上面部及びステージベース44の
レール取付台48のレール取付面48Aを予め比較的精
度良く研磨加工しておき、平坦度を高くしておく。
【0041】次に、上記のように個別に形成した固定デ
スク36とステージベース44を、図5(A)に示すよ
うにステージベース44をデスク上に乗せて、多数のボ
ルト46によりその縁部を締め付け固定し、これらを強
固に一体的に結合する。この場合、固定デスク36やス
テージベース44を予め精度良く加工したとしても、ス
テージベース44の自重や両部材の締め付け時の誤差等
に起因してステージベース44のレール取付台48A
が、図5(B)に示すようにμmのオーダで僅かに変形
したり歪が生じたりすることは避けられない。図5
(B)においては理解を容易にするためにレール取付面
48Aの変形量を誇張して記載している。
【0042】そこで、レール取付面48Aのこの変形量
や歪を取るために、本発明においてはレール取付面48
Aを研磨機(図示せず)の砥石68でもって研磨を行
い、高い平坦度が出るように仕上げ加工を行う。このよ
うに、組み付け時のずれや自重による撓み等によってレ
ール取付面48Aが変形したり、これに歪が生じても、
研磨加工によって高い平坦性を確保することが可能とな
る。
【0043】そして、このレール取付面48A上に、図
5(C)に示すように予め平坦度が高く仕上げられてい
るガイドレール、本実施例の場合にはY方向ガイドレー
ル18を多数のボルト70により締め付け固定する。こ
の場合、上述のようにレール取付面48Aは、平坦度が
高く仕上げられているのでこの上に設けられるY方向ガ
イドレール18にはほとんど変形や歪が発生することが
ない。
【0044】以後は、このレール18にYステージ20
を設け、Yステージ20上にXステージ26を設け、こ
のXステージ26上にZステージ30及び載置台6を載
置し、全体の構成を完成する。
【0045】次に、以上のように構成された本実施例の
動作について説明する。まず、被検査体である半導体ウ
エハWを載置台6上に載置保持させておき、これをX方
向へ移動させる場合にはX方向駆動部64のXモータ6
0をパルス制御で駆動することによりXステージ26が
X方向ガイドレール24に案内されつつX方向へ移動す
る。
【0046】ウエハWをY方向へ移動させる場合には、
Y方向駆動部58のYモータ22をパルス制御で駆動す
ることによりYステージ20がY方向ガイドレール18
に案内されつつY方向へ移動する。また、ウエハWをZ
方向へ移動させる場合には、Zステージ30を上下動さ
せることによりウエハを上下動させる。更に、ウエハW
をZ軸のまわりに回転させる場合にはθ移動機構32を
駆動して載置台6をθ回転させる。このようにして、ウ
エハWをX、Y、Z、θの各方向へ任意の位置に移動制
御することができる。
【0047】この場合、自重や組み立て時の誤差、或い
は微小な凹凸の、組み立てによる累積等により変形や歪
の生ずる恐れのあるレール取付台48のレール取付面4
8Aを、前述のように下部構造物の組み立て後に研磨し
て高い平坦性を出してあるので、移動時に精度の高い位
置合わせを行うことが可能となる。従って、プローブカ
ード2のプローブ針4を各チップの電極パッドに正確に
接触させることが可能となる。
【0048】レール取付面48Aの研磨の仕上げの程度
は、ウエハWの要求される位置合わせ精度等に依存する
が、例えばレール取付面の凹凸或いは変形量の誤差が数
μm程度の範囲内に収まるように設定するのが好まし
い。またレール取付面48Aの形状は単なる平面構造な
ので研磨機の砥石68による研磨作業も比較的容易に行
うことができる。
【0049】更に、この装置を設置する床等に僅かな凹
凸が存在したとしても、固定デスク36の4角に設けた
高さ調整部材42を個別に高さ調整することにより、床
面の凹凸等を吸収することができ、装置全体を水平に維
持することができる。
【0050】また、各高さ調整部材42の下面には、例
えば厚さが10mm程度の合成ゴム等よりなる振動防止
材44を設けてあるので、床等を伝わって来る振動をこ
の防止材44により吸収することができ、位置合わせ精
度に悪影響を与えることを防止することができる。
【0051】固定デスク36やステージベース44は、
通常の鋼材により構成してもよいが、これらを鋼材より
も剛性の高い鋳物により構成することにより、全体の変
形や歪を一層抑制することが可能となる。
【0052】尚、固定デスク36とステージベース44
を別体で作るのではなく、これらを鋳物により予め一体
成形することも考えられるが、これらの寸法はともにか
なり大きいため、鋳物による一体成形は大幅なコスト高
となり、現実的ではない。
【0053】前述した発明においては、固定デスク36
とステージベース44とを一体的に組み付け固定した後
に、レール取付台48のレール取付面48Aを研磨加工
して高い平坦度を得るようにしたが、このレール取付面
48Aやこの上に取り付けられることになるガイドレー
ル18の表面を予め精度良く研磨加工したといえども微
視的に見れば依然として表面に凹凸が存在し、組み立て
によりこれらの凹凸が累積されたり、また、ガイドレー
ル18の組み付け誤差等による変形等も非常に僅かでは
あるが発生する恐れがある。そこで、この問題点を解決
するためにガイドレールをレール取付面に取り付け固定
した後に、レールの摺動面を平坦に研磨するように構成
するのが好ましい。
【0054】これを図6に基づいて説明する。すなわ
ち、固定デスク36とステージベース44とを前述のよ
うに一体的に結合した後に、図5(B)に示すようにレ
ール取付面48Aを研磨処理し、その後に、或いはこの
研磨処理を行うことなくガイドレール18を図5(C)
に示すように多数のボルト70により取り付け固定す
る。ここまでの工程は、先に説明した発明と略同じであ
る。この状態では前述したように微視的な凹凸の累積や
組み立て誤差等に起因して、図6に示すようにガイドレ
ール18のボール摺動面72に変形や歪等が発生するこ
とが考えられる。
【0055】そこで、研磨機の砥石68を用いて、この
ガイドレール18の摺動面72を研磨して高い平坦度を
出すようにする。この場合、図3に示すようにガイドレ
ール18の側部表面によりボールと接触する摺動面が存
在すれば、その部分の研磨処理を行う。
【0056】このようにガイドレール18の取り付け後
に、この摺動面72の研磨処理を行って平坦度を高める
ことにより、組み立て等によって生じた誤差を略完全に
吸収することができ、位置合わせ精度を一層高めること
ができる。
【0057】尚、以上の各実施例にあっては、移動ステ
ージ装置を半導体ウエハのプローブ装置に用いた場合に
ついて説明したが、これに限定されず、測定物等の位置
合わせを必要とするどのような装置にも適用し得るのは
勿論である。
【0058】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の移動ステ
ージ装置及びその組み立て方法によれば次のように優れ
た作用効果を発揮することができる。固定デスクとステ
ージベースとを組み付けて一体的に固定した後にレール
取付台のレール取付面を研磨するようにしたので、自重
による撓みや組み立て時の変形や歪等が生じてもこれを
研磨により修正でき、高い平坦度を出すことかてきる。
従って、位置合わせ精度を大幅に改善することができ
る。固定デスクとステージベースとガイドレールを組み
付けて一体的に固定した後にガイドレールの摺動面を研
磨するようにしたので、ガイドレールの平坦度を一層高
くすることができ、従って、位置合わせ精度を更に改善
することができる。また、固定デスクとステージベース
を鋳物により構成することにより、全体の剛性を高める
ことができるの変形や歪の発生を抑制でき、位置合わせ
精度の向上に寄与することができる。更に、固定デスク
の下端部に振動防止材を設けることにより、床等を伝わ
ってくる振動を吸収することができ、その分、位置合わ
せ精度の向上に寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】プローブ装置に組み込まれた本発明に係る移動
ステージ装置を示す斜視図である。
【図2】レール取付台とガイドレールの取り付け状態を
示す斜視図である。
【図3】ガイドレールを示す断面図である。
【図4】固定デスクとステージベースとの取り付け状態
を示す側面図である。
【図5】図1に示す移動ステージ装置の組み立て工程を
説明するための工程図である。
【図6】本発明の移動ステージ装置の組み立て工程を示
す工程図である。
【図7】プローブ装置に組み込まれた従来の移動ステー
ジ装置を示す斜視図である。
【図8】移動ステージ装置の従来の組み立て工程を説明
するための工程図である。
【符号の説明】
2 プローブカード 4 プローブ針 6 載置台 18 Y方向ガイドレール 18A 摺動面 20 Yステージ 24 X方向ガイドレール 26 Xステージ 30 Zステージ 34 移動ステージ装置 36 固定デスク 42 高さ調整部材 44 ステージベース 48 レール取付台 48A レール取付面 50 移動ステージ部 68 砥石 72 摺動面 W 半導体ウエハ(被検査体)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI H01L 21/66 B23Q 1/02 W (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/68 B23P 19/00 301 B23P 19/00 302 B23Q 1/01 G01R 31/26 H01L 21/66

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固定デスク上に、上面にレール取付台を
    有するステージベースを取り付け、前記レール取付台の
    レール取付面にガイドレールを設け、このガイドレール
    に走行移動可能に移動ステージ部を設けるようにした移
    動ステージ装置において、前記レール取付台のレール取
    付面は、前記固定デスクと前記ステージベースとを取り
    付け固定した後に研磨されていることを特徴とする移動
    ステージ装置。
  2. 【請求項2】 前記移動ステージ部は、一水平方向に移
    動するXステージと、この水平方向と直交する他の水平
    方向に移動するYステージとよりなることを特徴とする
    請求項1記載の移動ステージ装置。
  3. 【請求項3】 前記固定デスクと前記ステージベース
    は、それぞれ鋳物により形成されていることを特徴とす
    る請求項1または2記載の移動ステージ装置。
  4. 【請求項4】 前記固定デスクの下端部には、振動を吸
    収する振動防止材を設けるように構成したことを特徴と
    する請求項1乃至3記載の移動ステージ装置。
  5. 【請求項5】 固定デスク上に、上面にレール取付台を
    有するステージベースを取り付け、前記レール取付台の
    レール取付面にガイドレールを設け、このガイドレール
    に走行移動可能に移動ステージ部を設けるようにした移
    動ステージ装置の組み立て製造方法において、前記固定
    デスクと前記ステージベースとを組み立て固定した後
    に、前記レール取付台のレール取付面を、その平坦性を
    高めるように研磨したことを特徴とする移動ステージ装
    置の組み立て製造方法。
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