JP3215207B2 - 画像符号化装置 - Google Patents

画像符号化装置

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JP3215207B2
JP3215207B2 JP2044893A JP2044893A JP3215207B2 JP 3215207 B2 JP3215207 B2 JP 3215207B2 JP 2044893 A JP2044893 A JP 2044893A JP 2044893 A JP2044893 A JP 2044893A JP 3215207 B2 JP3215207 B2 JP 3215207B2
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  • Compression Of Band Width Or Redundancy In Fax (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、画像符号化装置に関す
し、特に、画像を複数の画素からなるブロックに分割し
て符号化する直交変換方式の画像符号化装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、カラー画像等の多値画像を符号化
する画像符号化装置おいては、その符号化方式として直
交変換方式(アダマール変換、DCT(ディスクリート
コサイン変換)等)を採用したものが主流となってい
る。この直交変換方式では、画像を複数の画素からなる
ブロック(例えば、水平8画素、垂直8画素の64画素
からなる四角形のブロック)に分割して符号化する。こ
こで、当然、画像によっては、ブロックサイズで割切れ
ないサイズの画像を扱うこともある。このとき、従来で
は右端または下端ブロックの余った画素に白(データ
0)を詰めて符号化を行っていた。
【0003】具体的には、図11に示すように、画像P
の右端縁PREが最右端ブロックBREの途中に位置する場
合、右端縁PREより右側の余った画素列XRRには白詰め
を行って符号化を行っていた。また、画像の下端縁PBE
が最下端ブロックBBEの途中に位置する場合、下端縁P
BEより下側の余った画素列XBRには同様に白詰めを行っ
て符号化を行っていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の画像符号化装置においては、画像Pの右端縁
REまたは下端縁PBEから余った画素列XRR、XBRを白
詰めする処理を行っていた。この処理は、ブロック内に
不連続性をもたせる(つまり、高調波成分をもたせる)
ことになり、高調波成分を削って圧縮符号化を行うこと
を特徴とする直交変換方式においては、復元性が損われ
るといった問題点があった。
【0005】すなわち、図11の白詰め時のブロックと
の符号・復号化後のブロックとの比較から判るように、
符号・復号化後のブロックの画像部分は白詰め時のそれ
に比べて全体的に白っぽくなり、画像エッジ部分にノイ
ズが発生していることが判る。このように、ブロックで
割り切れないサイズの画像の右端縁、下端縁は復元効率
が悪く、結果として見難い画像が復号化されることにな
っていた。
【0006】そこで、本発明は、画像の最右端または最
下端位置のブロックの余った画素列に画像の最右端また
は最下端画素列を詰込むことによって、ブロック内の連
続性を保ち、復号化時の復元効率を向上させることを課
題としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
上記課題を解決するため、画像を複数の画素からなるブ
ロックに分割して符号化する直交変換方式の画像符号化
装置において、前記画像をブロックに分割する際に、画
像右端縁が最右端ブロックの一対の縦境界線間に位置す
る場合、上記最右端ブロック内の画像最右端の画素列
を、該最右端ブロックの画像右端縁より右側の余った画
素列に埋め込む画素列埋め込み手段を設けたことを特徴
としている。
【0008】請求項2記載の発明は、上記課題を解決す
るため、画像を複数の画素からなるブロックに分割して
符号化する直交変換方式の画像符号化装置において、前
記画像をブロックに分割する際に、画像下端縁が最下端
ブロックの一対の縦境界線間に位置する場合、上記最下
端ブロック内の画像最下端の画素列を、該最下端ブロッ
クの画像下端縁より下側の画素列に埋め込む画素列埋め
込み手段を設けたことを特徴としている。
【0009】請求項3記載の発明は、上記課題を解決す
るため、請求項1の構成に加え、前記画像をブロックに
分割して直交変換した後、画像を構成するブロックのう
ちの前記最右端ブロックを除く残りの各ブロックを、所
定の量子化テーブルを用いて量子化し、最右端ブロック
を、上記所定の量子化テーブルに比較して横方向の高調
波成分の量子化ステップサイズが大きい量子化テーブル
を用いて量子化する量子化手段を設けたことを特徴とし
ている。
【0010】請求項4記載の発明は、上記課題を解決す
るため、請求項2の構成に加え、前記画像をブロックに
分割して直交変換した後、画像を構成するブロックのう
ちの前記最下端ブロックを除く残りの各ブロックを、所
定の量子化テーブルを用いて量子化し、最下端ブロック
を、上記所定の量子化テーブルに比較して縦方向の高調
波成分の量子化ステップサイズが大きい量子化テーブル
を用いて量子化する量子化手段を設けたことを特徴して
いる。
【0011】請求項5記載の発明は、上記課題を解決す
るため、請求項3の構成に加え、前記量子化手段が量子
化する際、前記余った画素列の列数に応じて設定された
量子化ステップサイズを有する量子化テーブルが用いら
れることを特徴としている。請求項6記載の発明は、上
記課題を解決するため、請求項4の構成に加え、前記量
子化手段が量子化する際、前記余った画素列の列数に応
じて設定された量子化ステップサイズを有する量子化テ
ーブルが用いられることを特徴としている。
【0012】
【作用】請求項1記載の発明では、画像をブロックに分
割する際に、画像右端縁が最右端ブロックの一対の縦境
界線間に位置する場合、上記最右端ブロック内の画像最
右端の画素列が、該最右端ブロックの画像右端縁より右
側の余った画素列に埋め込まれる。この結果、従来の白
詰め時に生じる画像ノイズや画像の白基調化が防止され
る。
【0013】請求項2記載の発明では、画像をブロック
に分割する際に、画像下端縁が最下端ブロックの一対の
縦境界線間に位置する場合、上記最下端ブロック内の画
像最下端の画素列が、該最下端ブロックの画像下端縁よ
り下側の画素列に埋め込まれる。この結果、従来の白詰
め時に生じる画像ノイズや画像の白基調化が防止され
る。
【0014】請求項3記載の発明では、請求項1の作用
に加え、前記画像がブロックに分割されて直交変換され
た後、画像を構成するブロックのうちの前記最右端ブロ
ックを除く残りの各ブロックが、所定の量子化テーブル
を用いて量子化され、最右端ブロックが、上記所定の量
子化テーブルに比較して横方向の高調波成分の量子化ス
テップサイズが大きい量子化テーブルを用いて量子化さ
れる。この結果、ゼロランレングスの発生が促され、よ
り効率の良い符号化が可能になる。
【0015】請求項4記載の発明では、請求項2の作用
に加え、前記画像がブロックに分割されて直交変換され
た後、画像を構成するブロックのうちの前記最下端ブロ
ックを除く残りの各ブロックが、所定の量子化テーブル
を用いて量子化され、最下端ブロックが、上記所定の量
子化テーブルに比較して縦方向の高調波成分の量子化ス
テップサイズが大きい量子化テーブルを用いて量子化さ
れる。この結果、ゼロランレングスの発生が促され、よ
り効率の良い符号化が可能になる。
【0016】請求項5記載の発明では、請求項3の作用
に加え、量子化する際、前記余った画素列の列数に応じ
て設定された量子化ステップサイズを有する量子化テー
ブルが用いられる。この結果、より一層効率の良い符号
化が可能になる。請求項6記載の発明では、請求項4の
作用に加え、量子化する際、前記余った画素列の列数に
応じて設定された量子化ステップサイズを有する量子化
テーブルが用いられる。この結果、より一層効率の良い
符号化が可能になる。
【0017】
【実施例】以下、本発明を図面に基づいて説明する。図
1は本発明に係る画像符号化装置の一実施例を示す図で
ある。まず、構成を説明する。図1において、画像符号
化装置1は、ブロック分割を用いた画像の高能率符号化
装置であり、ブロック分割回路12、直交変換器13、
量子化器14および可変長符号化部15を備えている。
また、11は画像信号の入力端子、16は高能率符号の
出力端子である。
【0018】近時、カラー画像等の多値画像の圧縮符号
化方式において、DCT(離散コサイン変換)等の直交
変換方式が主流となっている(JPEG:Joint
Photographic Expert Grou
p、MPEG:MovingPicture Codi
ng Experts Group、H.261:CC
ITT勧告)は、本実施例では、このDCTの直交変換
方式を用いている。
【0019】まず、上記DCTの基本原理を説明する。
DCTは、直交変換と呼ばれる変換の一つで、画像信号
を空間領域から周波数領域に変換する。直交変換による
画像符号化では、通常、原画像をブロック分割回路12
によりN×N画素のブロックに分割し、このブロック単
位で処理が行われる。直交変換器13によって元のブロ
ックの画素数と同じ、N×N個の2次元周波数成分(変
換係数)が得られるが、図2に示すジグザグスキャンの
結果、第1番目の係数がDC成分を表し、続く(N×N
−1)個がAC成分を表すことになる。また、図2に示
すように右にいくほど横方向の高周波成分の係数を表
し、下にいくほど縦方向の高周波成分の係数を表す。N
×N個のDCT係数は、各係数毎の量子化ステップサイ
ズを定めた例えば図4(a)に示すような量子化テーブ
ルを用いて量子化器14により量子化される。さらに、
量子化されたDCT係数は、可変長符号化部15により
可変長符号化される。DCT等の直交変換による符号
は、このように量子化を含むため完全に元の画像に戻ら
ない非可逆符号化方式である。
【0020】8×8ブロックのDCT変換および逆変換
は、それぞれ下記の(1)式および(2)式のように示
される。
【0021】
【数1】
【0022】画像符号化において画像信号を周波数領域
に変換する利点は画像信号の次のような性質によってい
る。すなわち、一般に画像信号は空間的な相関度が非常
に強いため、周波数領域ではその信号電力の大部分は低
周波数部分に集中し、高周波数部分にはゼロに近い信号
が多く現れる。つまり、図2の左上部分に係数の重みが
集中する。そこで周波数領域で各周波数成分をその電力
集中度に応じたビット配分で符号化することにより高能
率な画像信号の符号化が図られる。具体的には、変換係
数の量子化精度を低周波部分で細かく、高周波部分にな
るに従い粗くとり、(図4(a)参照)、量子化の結果
ゼロとなった係数をまとめてゼロランレングスで表した
りすることが行われる。DCT変換は、原画像を周波数
の異なるコサイン波からなる基底画像の線形結合に展開
することに等しい(上記(1)式、(2)式参照)。
【0023】このように、DCT等の直交変換の際に
は、画像をある決められたサイズのブロックに分割する
ことが必須となる。しかし、画像によっては、ブロック
サイズの倍数でない縦横サイズのものを扱わなければな
らない場合がある。この場合、従来においては前述した
ように、右端あるいは下端のブロックの余った画素には
白を埋め込み符号化を行っていたが、本実施例では、以
下のようにして符号化処理をする。
【0024】ここで、図1に示される上記画像符号化装
置1が請求項1、3および5記載の発明に係る画像符号
化装置の実施例である場合について説明する。図1の画
像符号化装置1は、上述のように、画像を複数の画素か
らなるブロックに分割して符号化する直交変換方式の画
像符号化装置である。そして、本実施例では、ブロック
分割回路2が、画素列埋め込み手段を構成し、画像をブ
ロックに分割する際に、画像右端縁が最右端ブロックの
一対の縦境界線間に位置する場合、上記最右端ブロック
内の画像最右端の画素列を、該最右端ブロックの画像右
端縁より右側の余った画素列に埋め込むものである。
【0025】すなわち、図3に示すように、画像Pの左
端からブロックBの幅で分割を行っていくと、右端ブロ
ックBREにおいて、画像を埋め込めない余った画素列X
RRが生じることになる。このような場合に、本実施例で
は、図3の中央部分に示すように、画像Pの右端縁PRE
より画像内側の最右端画素列XREを画像右端縁PREより
右側の余った各画素列XRRにそのままコピーして仮のブ
ロックを生成する。そして、上述のような画素の埋め込
み処理をして、符号化し復号を行う。この結果、ブロッ
ク内の連続性が保たれ、直流成分を保持することがで
き、画像エッジのノイズの抑制、ブロック内基調を保持
することができる。したがって、復元効率を向上させる
ことができる。
【0026】一方、前記量子化器14は、量子化手段を
構成し、画像Pをブロックに分割して直交変換した後、
画像Pを構成するブロックBのうちの前記最右端ブロッ
クBREを除く残りの各ブロックBを、所定の量子化テー
ブルを用いて量子化し、最右端ブロックBREを、上記所
定の量子化テーブルに比較して横方向の高調波成分の量
子化ステップサイズが大きい量子化テーブルを用いて量
子化するものである。
【0027】これら量子化テーブルは、例えば図4
(a)(b)のように示される。図4(a)は最右端ブ
ロックBREを除いた残りの各ブロックBを量子化すると
きに用いる標準量子化テーブルTを示し、図4(b)は
最右端ブロックBREの量子化に用いられる量子化テーブ
ルT0 を示しており、各テーブル中の斜線部分がステッ
プサイズの比較的大きな領域を表している。そして、こ
の図4(a)から判るように、最右端ブロックBREを除
いた残りの各ブロックBを量子化するときに用いるテー
ブルT中の各ステップサイズは、テーブルの図中の左上
と右下を結ぶ対角線に対してほぼ対称になるような数値
に設定されている。これに対して、最右端ブロックの量
子化に用いられる量子化テーブルT0 においては、図4
(b)から判るように、図中の左上と右下を結ぶ対角線
より上側の斜線部分領域が下側部分に比較して大きくな
るように、量子化ステップサイズが設定されている。
【0028】通常のブロック、すなわち、余りの画素列
が発生しないブロックは、図2に示すジグザグスキャン
の結果、空間周波数の分布は縦横とも同等となるはずで
あるから、図4(a)に示す標準量子化テーブルTは縦
横ともほぼ同等の量子化ステップ構成となっている。そ
して、本実施例のように、最右端のブロックの余りの画
素列に画像の最右端画素列を埋め込んだ場合、図3に示
すように横方向に平坦な画像になる。このことは、最右
端のブロックにおいて、横方向の高調波成分が少ないこ
とを意味する。したがって、直交変換を行った後に、最
右端ブロックの直交変換係数の量子化を行う際には、図
4(b)に示すような横方向に量子化ステップサイズの
大きな量子化テーブルを用いることにより、ゼロランレ
ングスの発生を促し、可変長符号化部5の可変長符号化
により効率のよい符号化を行うことができる。
【0029】さらに、好ましくは、量子化器14が量子
化する際、前記余った画素列XRRの列数に応じて設定さ
れた量子化ステップサイズの量子化テーブル、例えば図
5(a)(b)および(c)に示す量子化テーブルT
1 、T2 およびT3 を用いるようにする。なお、図5
(a)(b)(c)は、各量子化ステップサイズを表示
せずに、図4(a)(b)で説明した斜線領域と非斜線
領域との区別が判るようにしただけの図である。ここ
で、もし、最右端ブロック内の余った画素列が1〜3列
位であった場合、量子化テーブルT2 よりも量子化テー
ブルT1 を用いた方が、復元効率が上がるので、本実施
例では、図6に示さるフローによって、量子化テーブル
を選択するようにしている。この図6のフロー例では、
8×8画素のブロックの右端の余った画素列数が3以下
であった場合に通常の図5(a)の量子化テーブルT1
を用い、4画素以上6画素以下だった場合には図5
(b)の量子化テーブルT2 を用い、7画素だった場合
に図5(c)の量子化テーブルT3 を用いるようにして
いる。なお、図6中の、Hおよびmodは、それぞれ
H:画像の横サイズ(画素数)、mod:モジュロ(割
った余り)の意味であり、Hmod8は8×8画素ブロ
ックの右端の余った画素列数を表している。また、図中
のS1 〜S6 はフローチャートの各ステップを表してい
る。
【0030】上述のように本実施例では、最右端ブロッ
クの余った画素列に画像最右端の画素列を埋め込むこと
により、従来のような白詰めによるノイズ、基調の低下
を確実に防止することができる。また、最右端ブロック
の直交変換係数が横方向に粗く量子化されるような量子
化テーブルが用いられるようにしているので、ゼロラン
レングスの発生を促し、より効率のよい符号化を行うこ
とができる。
【0031】さらに、最右端ブロックの余った画素列数
に応じて、すなわち、余った画素列数が少なければ通常
の量子化テーブルに、余った画素列数が多ければ多いほ
ど横方向に粗い量子化テーブルを用いるようにしている
ので、より一層効率的な符号化を行うことができる。次
に、図1に示される上記画像符号化装置1が請求項2、
4および6記載の発明に係る画像符号化装置の実施例で
ある場合について説明する。
【0032】図1の画像符号化装置1は、上述のよう
に、画像を複数の画素からなるブロックに分割して符号
化する直交変換方式の画像符号化装置である。そして、
本実施例では、ブロック分割回路2が、画素列埋め込み
手段を構成し、画像をブロックに分割する際に、画像下
端縁が最下端ブロックの一対の縦境界線間に位置する場
合、上記最下端ブロック内の画像最下端の画素列を、該
最下端ブロックの画像下端縁より下側の余った画素列に
埋め込むものである。
【0033】すなわち、図7に示すように、画像Pの上
端からブロックBの幅で分割を行っていくと、下端ブロ
ックBBEにおいて、画像を埋め込めない余った画素列X
BRが生じることになる。このような場合に、本実施例で
は、図7に示すように、画像Pの下端縁PBEより画像内
側の最下端画素列XBEを画像下端縁PBEより下側の余っ
た各画素列XBRにそのままコピーして仮のブロックを生
成する。そして、上述のような画素の埋め込み処理をし
て、符号化し復号を行う。この結果、ブロック内の連続
性が保たれ、直流成分を保持することができ、画像エッ
ジのノイズの抑制、ブロック内基調を保持することがで
きる。したがって、復元効率を向上させることができ
る。
【0034】一方、前記量子化器14は、量子化手段を
構成し、画像Pをブロックに分割して直交変換した後、
画像Pを構成するブロックBのうちの前記最下端ブロッ
クBBEを除く残りの各ブロックBを、所定の量子化テー
ブルを用いて量子化し、最下端ブロックBBEを、所定の
量子化テーブルに比較して縦方向の高調波成分の量子化
ステップサイズが大きい量子化テーブルを用いて量子化
するものである。これら量子化テーブルは、例えば図8
(a)(b)のように示される。図8(a)は最下端ブ
ロックBBEを除いた残りの各ブロックBを量子化すると
きに用いる標準量子化テーブルTを示し、図8(b)は
最下端ブロックBBEの量子化に用いられる量子化テーブ
ルT10を示しており、各テーブル中の斜線部分がステッ
プサイズの比較的大きな領域を表している。そして、こ
の図8(a)から判るように、最下端ブロックBBEを除
いた残りの各ブロックBを量子化するときに用いるテー
ブルT中の各ステップサイズは、テーブルの図中の左上
と右下を結ぶ対角線に対してほぼ対称になるような数値
に設定されている。これに対して、最下端ブロックの量
子化に用いられる量子化テーブルT10においては、図8
(b)から判るように、図中の左上と右下を結ぶ対角線
より下側の斜線部分領域が上側部分に比較して大きくな
るように、量子化ステップサイズが設定されている。
【0035】通常のブロック、すなわち、余りの画素列
が発生しないブロックは、図2に示すジグザグスキャン
の結果、空間周波数の分布は縦横とも同等となるはずで
あるから、図8(a)に示す標準量子化テーブルTは縦
横ともほぼ同等の量子化ステップ構成となっている。そ
して、本実施例のように、最下端のブロックの余りの画
素列に画像の最下端画素列を埋め込んだ場合、図7に示
すように縦方向に平坦な画像になる。このことは、最下
端のブロックにおいて、縦方向の高調波成分が少ないこ
とを意味する。したがって、直交変換を行った後に、最
下端ブロックの直交変換係数の量子化を行う際には、図
8(b)に示すような縦方向に量子化ステップサイズの
大きな量子化テーブルを用いることにより、ゼロランレ
ングスの発生を促し、可変長符号化部5の可変長符号化
により効率のよい符号化を行うことができる。
【0036】さらに、好ましくは、量子化器14が量子
化する際、前記余った画素列XBRの列数に応じて設定さ
れた量子化ステップサイズの量子化テーブル、例えば図
9(a)(b)および(c)に示す量子化テーブル
11、T12およびT13を用いるようにする。なお、図9
(a)(b)(c)は、各量子化ステップサイズを表示
せずに、図8(a)(b)で説明した斜線領域と非斜線
領域との区別が判るようにしただけの図である。ここ
で、もし、最下端ブロック内の余った画素列が1〜3列
位であった場合、量子化テーブルT12よりも量子化テー
ブルT11を用いた方が、復元効率が上がるので、本実施
例では、図10に示さるフローによって、量子化テーブ
ルを選択するようにしている。この図10のフロー例で
は、8×8画素のブロックの下端の余った画素列数が3
以下であった場合に通常の図9(a)の量子化テーブル
11を用い、4画素以上6画素以下だった場合には図1
0(b)の量子化テーブルT12を用い、7画素だった場
合に図10(c)の量子化テーブルT13を用いるように
している。なお、図10中の、Vおよびmodは、それ
ぞれV:画像の縦サイズ(画素数)、mod:モジュロ
(割った余り)の意味であり、Vmod8は8×8画素
ブロックの下端の余った画素列数を表している。また、
図中S11〜S16はフローチャートの各ステップを表して
いる。
【0037】上述のように本実施例では、最下端ブロッ
クの余った画素列に画像最下端の画素列を埋め込むこと
により、従来のような白詰めによるノイズ、基調の低下
を確実に防止することができる。また、最下端ブロック
の直交変換係数が縦方向に粗く量子化されるような量子
化テーブルが用いられるようにしているので、ゼロラン
レングスの発生を促し、より効率のよい符号化を行うこ
とができる。
【0038】さらに、最下端ブロックの余った画素列数
に応じて、すなわち、余った画素列数が少なければ通常
の量子化テーブルに、余った画素列数が多ければ多いほ
ど縦方向に粗い量子化テーブルを用いるようにしている
ので、より一層効率的な符号化を行うことができる。
【0039】
【発明の効果】本発明によれば、画像の最右端または最
下端位置のブロックの余った画素列に画像の最右端また
は最下端画素列を埋込むようにしているので、白詰めを
行っていた従来のものに比較すると、ブロック内の連続
性を保つことができ、復号化時の復元効率を向上させこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る画像符号化装置の一実施例を示す
そのブロック図。
【図2】そのDCT係数とジグザグスキャンの関係を説
明する図。
【図3】請求項1、3および5記載の画像符号化装置の
一実施例を示すその画素列埋め込み動作を説明する図。
【図4】その量子化テーブルを示す図。
【図5】その量子化テーブルのステップサイズパターン
を示す図。
【図6】その量子化テーブル選択フローを示す図。
【図7】請求項2、4および6記載の画像符号化装置の
一実施例を示すその画素列埋め込み動作を説明する図。
【図8】その量子化テーブルを示す図。
【図9】その量子化テーブルのステップサイズパターン
を示す図。
【図10】その量子化テーブル選択フローを示す図。
【図11】従来の画像符号化装置における画素列埋め込
み動作を説明する図。
【符号の説明】
11 入力端子 12 ブロック分割回路 13 直交変換器 14 量子化器 15 可変長符号化部 16 出力端子

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】画像を複数の画素からなるブロックに分割
    して符号化する直交変換方式の画像符号化装置におい
    て、 前記画像をブロックに分割する際に、画像右端縁が最右
    端ブロックの一対の縦境界線間に位置する場合、上記最
    右端ブロック内の画像最右端の画素列を、該最右端ブロ
    ックの画像右端縁より右側の余った画素列に埋め込む画
    素列埋め込み手段を設けたことを特徴とする画像符号化
    装置。
  2. 【請求項2】画像を複数の画素からなるブロックに分割
    して符号化する直交変換方式の画像符号化装置におい
    て、 前記画像をブロックに分割する際に、画像下端縁が最下
    端ブロックの一対の縦境界線間に位置する場合、上記最
    下端ブロック内の画像最下端の画素列を、該最下端ブロ
    ックの画像下端縁より下側の画素列に埋め込む画素列埋
    め込み手段を設けたことを特徴とする画像符号化装置。
  3. 【請求項3】前記画像をブロックに分割して直交変換し
    た後、画像を構成するブロックのうちの前記最右端ブロ
    ックを除く残りの各ブロックを、所定の量子化テーブル
    を用いて量子化し、最右端ブロックを、上記所定の量子
    化テーブルに比較して横方向の高調波成分の量子化ステ
    ップサイズが大きい量子化テーブルを用いて量子化する
    量子化手段を設けたことを特徴とする請求項1記載の画
    像符号化装置。
  4. 【請求項4】前記画像をブロックに分割して直交変換し
    た後、画像を構成するブロックのうちの前記最下端ブロ
    ックを除く残りの各ブロックを、所定の量子化テーブル
    を用いて量子化し、最下端ブロックを、上記所定の量子
    化テーブルに比較して縦方向の高調波成分の量子化ステ
    ップサイズが大きい量子化テーブルを用いて量子化する
    量子化手段を設けたことを特徴とする請求項2記載の画
    像符号化装置。
  5. 【請求項5】前記量子化手段が量子化する際、前記余っ
    た画素列の列数に応じて設定された量子化ステップサイ
    ズを有する量子化テーブルが用いられることを特徴とす
    る請求項3記載の画像符号化装置。
  6. 【請求項6】前記量子化手段が量子化する際、前記余っ
    た画素列の列数に応じて設定された量子化ステップサイ
    ズを有する量子化テーブルが用いられることを特徴とす
    る請求項4記載の画像符号化装置。
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