JP3214958B2 - 除湿器 - Google Patents

除湿器

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JP3214958B2 JP16542193A JP16542193A JP3214958B2 JP 3214958 B2 JP3214958 B2 JP 3214958B2 JP 16542193 A JP16542193 A JP 16542193A JP 16542193 A JP16542193 A JP 16542193A JP 3214958 B2 JP3214958 B2 JP 3214958B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、潮解性物質を吸湿剤と
して使用した新規な除湿器に関する。詳しくは使用前に
コンパクトに取り扱うことができ、しかも長期保存安定
性に優れた除湿器である。
【0002】
【従来の技術】従来、塩化カルシウム等の潮解性物質を
容器に内蔵した構造の除湿器は、図4に示すように、少
なくとも下部に透水孔Aを有する内容器4に潮解性物質
3を内蔵し、これを外容器1の上部に保持した構造が最
も一般的である。また、外容器に直接潮解性物質を内蔵
させたものも知られている。
【0003】図4において、5で示される物品は、透湿
性且つ非透水性の部材よりなるシートであり、除湿器が
転倒した時、外容器或いは内容器より潮解液が流出する
のを防止するためのものである。
【0004】上記構造の除湿器において、外容器の容積
は、内蔵される潮解性物質の容積と該潮解性物質の吸湿
に伴って生成する潮解液の量を考慮して決定される。
【0005】例えば、図4の構造の除湿器は、潮解性物
質を内蔵するために内容器4によって確保される空間と
は別に、その下方に潮解液を溜めるための空間を別個に
確保し得る容積となるよう外容器1の大きさが決定され
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、かかる
構造を有する従来の除湿器は、使用前の状態で、潮解液
を溜めるための空間を有する大きさの外容器を使用する
必要があり、保存時、輸送時における容量の増大の原因
となっていた。
【0007】また、使用前の保存時において、除湿器
は、その開口部からの水分の浸入を防止するため、該開
口部を防湿シールによって封止し、更に除湿器全体をフ
ィルムで包装して、潮解性物質が保存中に吸湿しないよ
うに構成されている。
【0008】しかし、防湿シール及び包装フィルム等に
よる防湿性能には限界があるため、外容器の容積の増大
に伴う包装面積の増大により、該フィルムを透過する水
分量が多くなり、これによる除湿器の長期保存性の低下
を招くという問題も有していた。
【0009】こうした問題を防止するには、図5に示す
ように、開口部を有する外容器1の胴部の少なくとも一
部に蛇腹状部等の伸縮部を形成することにより、該胴部
を伸縮可能とすることが効果的である。
【0010】即ち、胴部にかかる伸縮部2を形成するこ
とによって、除湿器の使用前においては、図5の(a)
に示すように伸縮部2を縮め除湿器をコンパクトにする
ことができる。また、使用時には、図5の(b)に示す
ように、伸縮部2を伸長させて空間部を広げることによ
って、潮解性物質3より生成する潮解液を該空間部に収
容することができる。
【0011】しかしながら、これらの除湿器は、不慮の
事故により外容器に荷重がかかったとき、外容器に収容
された潮解液が外容器の縮みにより溢れる虞があり、今
一歩満足できるものではなかった。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の除
湿器における問題を解決すべく検討を重ねた。その結
果、潮解性物質を内蔵するための外容器の胴部の少なく
とも一部を伸縮部とし、且つ伸長させた該伸縮部の縮み
を防止するストッパー機構を設けることにより、使用前
の保存時或いは輸送時においては胴部を縮めることによ
って除湿器をコンパクトに扱うことができるため、保存
場所の縮小化、輸送コストの節減等を可能とし、また、
使用時には胴部を伸長させ、ストッパー機構によって縮
みを防止することによって、従来の除湿器と同等の機能
機能を持って使用することができること、更には、使用
前、胴部を縮めることにより除湿器の表面積も減少し、
これを包装するフィルム面からの水分の浸入も効果的に
防止できるため、長期保存性が達成されることを見い出
し、本発明を提案するに至った。
【0013】本発明は、開口部を有し、胴部の少なくと
も一部に伸縮部を形成した外容器に潮解性物質を内蔵し
てなる除湿器において、上記伸縮部を伸長させた際に、
その縮みを防止するストッパー機構を設けてなる除湿器
である。
【0014】以下、本発明の除湿器を、添付の図面に示
した実施例により具体的に説明するが、本発明はこれら
の実施例に何等限定されるものではない。
【0015】
【実施例】図1〜3は、本発明にかかる除湿器の代表的
な態様の概略を示す断面図である。
【0016】本発明の除湿器は、図1、図2に示すよう
に、開口部を有する外容器1の胴部の少なくとも一部に
伸縮部2を形成することにより、該胴部を伸縮可能とし
た除湿器に、上記伸縮部2を伸長させた際に、その縮み
を防止するストッパー機構を設けたものである。
【0017】本発明において、胴部に形成する伸縮部の
構造は、容器容積を縦方向及び/又は横方向に増減可能
な構造であれば特に制限されない。代表的な構造を例示
すれば、図2などに示すように、稜線を介して連続する
面の角度θが可変の蛇腹状の筒体によって構成する態
様、図1に示すように伸縮性部材によりなる筒体によっ
て構成する態様などが挙げられる。
【0018】そのうち、蛇腹状の筒体によって伸縮部2
を形成する態様が縮めた状態、伸長した状態の安定性に
おいて好ましい。
【0019】上記蛇腹状の筒体を構成する材質は、公知
の構造材料が特に制限なく使用できる。例えば、ポリエ
チレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ナイロン等
のプラスチックが非透水性を有するため好適である。
【0020】また、上記外容器1の伸縮部分2以外の部
分の材質も、公知の構造材料が特に制限なく使用され
る。一般には、上記非透水性を有する上記プラスチック
が好適に使用される。
【0021】また、外容器1において、伸縮部分2及び
その他の部分の接続は、一体成形、接着剤による接着、
融着による接着等の公知の手段が一般に採用される。
【0022】本発明において、潮解性物質3は、公知の
除湿剤として使用されているものが特に制限なく使用さ
れる。例えば、塩化カルシウム、塩化マグネシウム等が
好適である。また、潮解性物質は、取扱性、安定性等を
考慮すれば、1〜10mmの大きさに造粒したものが好
適である。
【0023】上記潮解性物質3を外容器1に内蔵させる
態様は、特に限定されるものではないが、外容器1の上
部に、少なくとも下部に、透水孔Aを有する内容器4を
下方に空間部を形成するように設け、該内容器4内に潮
解性物質を内蔵する態様が最も好ましい。
【0024】また、透水孔Aの大きさは、一般に潮解性
物質の径より小さい径となるように決定することが好ま
しく、開孔密度は、10cm2あたり0.1〜7cm2
なるように設けることが好ましい。
【0025】更に、内容器4の材質は、特に制限される
ものではないが、前記プラスチックが好適に使用され
る。また、容器の形態としては、図1、図2に示すよう
にハード容器とする態様の他、網状のソフト容器とする
態様も採用することができる。
【0026】本発明において、外容器1の開口部は、容
器の転倒により、潮解液が漏れるのを防止するため、透
湿性を有し且つ非透水性の遮蔽材5により覆われた構造
とすることが推奨される。かかる遮蔽材5は、従来の除
湿器において同様の目的で使用されている素材よりなる
ものが特に制限なく使用される。例えば、ポリプロピレ
ン、ポリエチレン等のプラスチックに炭酸カルシウム等
の無機充填剤を充填して成形されたシートを一軸または
二軸延伸することにより得られた微多孔性シートが挙げ
られる。そのうち、特に、3000〜5000g/m2
・24時間の透湿度(40℃、90%RH)を有するも
のが好適に使用される。
【0027】上記遮蔽材5の取付は、外容器1に直接取
り付ける態様、各図に示すように、内容器4に取り付け
たものを外容器1に取り付ける態様等、特に制限なく実
施される。
【0028】本発明の除湿器は、外容器1の伸縮部2を
伸長することにより潮解液の収容空間を確保して使用す
るが、該収縮部3がゴム等の伸縮部材によって構成され
ている場合、或いは、不慮の事故により外容器に荷重が
かかったとき、外容器に収容された潮解液が該容器の縮
みにより、溢れるのを防止するため、該除湿器には、か
かる縮みを制御するストッパー機構8が設けるれてい
る。
【0029】上記のストッパー機構8は、かかる機能を
有する態様が全て採用される。例えば、図1に示された
態様は、外容器1の外部にストッパー機構8を設ける態
様であり、伸縮部2を介して外容器の側面に一対の支軸
止め7、7’を各設け、該支軸止め間に支軸6を嵌入さ
せた態様である。尚、この場合、支軸6の長さは外容器
1の伸長時の長さとなるよう調節される。
【0030】また、図2に示された態様は、外容器1の
内部にストッパー機構8を設ける態様である。この態様
の除湿器では、潮解性物質3は、前記説明した外容器1
の空間部上方に設けられた、少なくとも下部に透水孔A
を有する内容器4に収容されている。ストッパー機構8
は、内容器4の底部に支軸9を回動自在に支持する支持
部10を設け、これに支軸9を取り付けた態様である。
上記支軸9は、外容器1の伸長時、底面に届く必要はな
く、ある程度の空間を保つように調節すればよい。ま
た、該支軸は、折り畳んだ状態で外容器1内に収納され
る長さとすることが好ましい。
【0031】また、本発明において、外容器1は、少な
くとも一部に伸縮部が形成されていればよく、従って全
体を伸縮部とすることも可能であるが、使用時の不慮の
事故により、外容器1に荷重がかかったとき、外容器に
収容された潮解液が該容器の縮みにより、溢れるのを防
止する他の態様として、外容器の一部をまたは内容器を
設ける場合は該内容器を剛体で構成し、該剛体により構
成された空間部を潮解液の緩衝空間とすることが好まし
い。かかる剛体部分は、連続して設けてもよく、伸縮部
分を介して分割して設けてもよい。何れの場合も、該剛
体部分の容積は、内蔵される潮解性物質より生成する潮
解液の容積を実質的に吸収し得る容積となるように決定
することが好ましい。一般には、かかる潮解液の容積の
90〜120%とすることが好ましい。
【0032】また、上記態様において内容器4が剛体に
より構成される場合、不慮の事故により外容器が収縮し
た時に、潮解液がかかる空間部に速やかに吸収されるよ
う該内容器に空気抜きを設けることは好ましい態様であ
る。
【0033】本発明において、遮蔽材5を設ける態様に
おいては、かかる遮蔽材の接触による損傷を防止するた
め、キャップ11を設けることが好ましい。
【0034】また、前記したような外容器の外部にスト
ッパー機構が設けられるような場合においては、内容器
の外周にその開口部で液シールされた可撓性の袋を、外
容器の内部に取り付ける態様は、潮解液の漏洩を一層確
実に防止することができ好ましい。
【0035】
【発明の効果】以上の説明より理解されるように、本発
明の除湿器は、外容器に形成した伸縮部の作用により、
使用前には該伸縮部を縮めてコンパクトに取り扱うこと
ができると共に、包袋面積も減少されるため、防湿を目
的とした包装形態にあっては、優れた長期保存安定性を
発揮することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の除湿器の代表的な一態様の概略を示
す断面図
【図2】 本発明の除湿器の代表的な一態様の概略を示
す断面図
【図3】 本発明の除湿器の代表的な一態様の概略を示
す斜視図
【図4】 従来の除湿器の構造の概略を示す断面図
【図5】 従来の除湿器の構造の概略を示す断面図
【符号の説明】
1 外容器 2 伸縮部 3 潮解性物質 4 内容器 5 遮蔽材 6 支軸 7、7’ 支軸受け 8 ストッパー機構 9 支軸 10 支軸部 11 キャップ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 実開 昭58−156523(JP,U) 実開 昭60−63436(JP,U) 実開 昭61−147127(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01D 53/26 101 B65D 81/26

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】開口部を有し、胴部の少なくとも一部に伸
    縮部を形成した外容器に潮解性物質を内蔵してなる除湿
    器において、上記伸縮部を伸長させた際に、その縮みを
    防止するストッパー機構を設けてなる除湿器。
  2. 【請求項2】ストッパー機構が、伸縮部を介して外容器
    の側面に一対の支軸止めを各設け、該支軸止め間に支軸
    を嵌入させる構造である請求項1記載の除湿器。
  3. 【請求項3】潮解性物質が、外容器の空間部上方に設け
    られた、少なくとも下部に透水孔を有する内容器に収容
    されることにより外容器に内蔵されてなり、且つストッ
    パー機構が、該内容器の底部に支軸を回動自在に支持す
    る支持部を設け、これに支軸を取り付けた構造である請
    求項1記載の除湿器。
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