JP3214370B2 - 硬貨蓄積装置のガイド構造 - Google Patents

硬貨蓄積装置のガイド構造

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JP3214370B2
JP3214370B2 JP26079696A JP26079696A JP3214370B2 JP 3214370 B2 JP3214370 B2 JP 3214370B2 JP 26079696 A JP26079696 A JP 26079696A JP 26079696 A JP26079696 A JP 26079696A JP 3214370 B2 JP3214370 B2 JP 3214370B2
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俊夫 稲垣
崇之 太田
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株式会社田村電機製作所
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、硬貨蓄積室を案内
部材上で直線状に移動自在にガイドする硬貨蓄積装置の
ガイド構造に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、この種のガイド構造は、硬貨蓄
積室の底部に移動方向に延在する直線状の凸条体を左右
一対突設し、一方、案内部材の上面に硬貨蓄積室の底部
の幅よりもわずかに間隔の広い一対のガイド壁を突設す
るとともに、案内部材の上面に硬貨蓄積室の移動方向と
直交するように断面半円状の溝を複数個並設するように
して凹設し、この溝内のそれぞれに円柱状のころを回転
自在に支持して、これらころで凸条体を支承することに
よって硬貨蓄積室を直線状に移動自在としたものがあっ
た。また、別の構造は、硬貨蓄積室と案内部材との間に
硬貨蓄積室の移動方向に沿って直線的にボールベアリン
グを配設し、このボールベアリングを介して硬貨蓄積室
を移動自在としたものがあった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た第1の例では、硬貨蓄積室の移動中に硬貨蓄積室の凸
条体がころから外れないようにするには、ころを硬貨蓄
積室の移動方向に多数配設する必要があり、このためこ
ろの本数が増加するとともに、振動を加えるところが溝
から外れるといった問題があった。また、第2の例で
は、ボールベアリングを用いるために高価となるととも
に、ボールベアリングの取付けと位置調整が煩雑で、組
立および調整のための時間が余計にかかっていた。
【0004】本発明は上記した従来の問題に鑑みてなさ
れたものであり、その目的とするところは、組立が容易
で、かつ部品点数の削減を図った硬貨蓄積装置のガイド
構造を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に、本発明に係る硬貨蓄積装置のガイド構造は、案内部
材上で硬貨蓄積室を直線状に移動自在に案内する硬貨蓄
積装置のガイド構造であって、前記案内部材の両端に上
方が開口した一対の第1の軸支承部とこの第1の軸支承
部と対向し上方が閉塞された第2の軸支承部とを設け、
これら軸支承部に支持された2本の軸が挿通される軸受
部を前記硬貨蓄積室の両端部に二対設け、前記2本の軸
の一方の端部の周面に溝を形成し、前記案内部材に前記
軸と直交する方向に摺動自在に支持され前記軸の溝に係
合してこれら軸を前記第1の軸支承部とで挟持する係合
部を有するストッパープレートを備え、このストッパー
プレートの係合部と前記軸の溝との係合状態を保持する
ようにストッパープレートの摺動を規制する弾性規制片
を前記案内部材に一体に形成したものである。したがっ
て、2本の軸は弾性規制片によって摺動を規制されたス
トッパープレートによって軸支承部上において軸線方向
と左右、上下の移動を規制される。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図に
基づいて説明する。図1は本発明に係る硬貨蓄積装置を
適用した硬貨処理装置の全体を示す斜視図、図2は同じ
く硬貨の流れを示す概念図、図3は同じく正面側から視
た断面図、図4は同じく可動ラックの初期動作位置の状
態を示す右側面から視た断面図、図5は同じく収納状態
を示す右側面から視た断面図、図6は同じく右側面図、
図7は硬貨収納動作の状態を示し、(a)は図3におけ
るVII-VII 線断面図、(b)は図3における VIII-VIII
線断面図、図8は硬貨返却動作の状態を示し、(a)は
図3におけるVII-VII 線断面図、(b)は図3における
VIII-VIII 線断面図、図9は本発明に係る硬貨蓄積装置
を分解して示す斜視図、図10は可動ラックを分解して
示す斜視図、図11(a)は図10におけるXI(a)矢視
図、同図(b)は図10におけるXI(b)矢視図、同図
(c)は同図(a)におけるXI(c)-XI(c) 線断面図、図
12(a)は可動ラックの初期動作位置の状態を示す硬
貨蓄積装置の正面から視た概略の構成図、(b)は平面
から視た断面図、(c)は右側から視た断面図、図13
は可動ラックの動作状態を示す硬貨蓄積装置の平面から
視た断面図(a)は1枚目を蓄積した状態を示し、
(b)は8枚目を蓄積した状態を示し、(c)は収納す
るための状態を示す、図14(a)は硬貨蓄積装置の可
動ラックの斜視図、(b)はシャッタの斜視図、図15
(a)は可動ラックの平面図、(b)は(a)における
XV(b)-XV(b)線断面図、図16(a)は硬貨の収納前の
状態を示す可動ラックの平面図、(b)は正面図、図1
7(a)は硬貨の収納動作を示す可動ラックの平面図、
(b)は正面図、図18は可動ラックの要部を拡大した
平面図で、(a)はシャッタを開放した状態を示し、
(b)はシャッタを閉じた状態を示す。
【0007】これらの図において、全体を符号1で示す
硬貨処理装置は、全体が合成樹脂で形成された本体ケー
ス2と、この本体ケース2に着脱自在な硬貨蓄積装置3
とで構成されている。本体ケース2には、図4に示すよ
うに、鉛直方向から角度α傾斜して立設した平板状のベ
ース板4と、このベース板4の上部にベース板4の表面
と同じ面位置を形成するように取り付けられた硬貨選別
板5とが備えられている。図3において、6は硬貨選別
板5の上部の一端に形成された硬貨投入口、7は硬貨投
入口6の下方に斜めに傾斜して硬貨選別板5に一体に突
出形成された選別レールである。
【0008】8は平板状のフラッパであって、前記硬貨
選別板5に一体に形成された軸9に上部が揺動自在に支
持され、ねじりコイルばね10によって常時硬貨選別板
5側に付勢され、硬貨選別板5および選別レール7とと
もに、図示を省略した硬貨判別装置が設けられた硬貨選
別軌道11を形成する部材である。硬貨選別軌道11の
終端部のベース板4には逆L字状に開口する窓12が穿
設され、この窓12には、ベース板4の裏面側に上部が
揺動自在に支持された選別レバー13の係止部13aが
硬貨選別軌道11内に臨むように構成されている。この
選別レバー13には、ベース板4の裏面に取り付けられ
たロータリマグネット14のピン14aが係合してお
り、前記硬貨選別軌道11に配設された図示を省略した
硬貨判別装置によって、選別レール7上を転動する硬貨
T が正規硬貨と判別されると、係止部13aが硬貨選
別軌道11から退出し、一方疑似硬貨と判別されると、
硬貨選別軌道11に進出するように、ロータリマグネッ
ト14のピン14aが作動するように構成されている。
【0009】疑似硬貨CH は、選別レバー13の係止部
13aに係止され、選別レール7から下方の硬貨返却通
路18に落下して、ベース板4の下部の一端に形成され
た返却口18bから返却される。正規硬貨CS は窓12
を通過して硬貨選別軌道11の正規硬貨の出口11aか
ら後述する硬貨蓄積室として機能する可動ラック80内
に蓄積される。15は正規硬貨CS が窓12を通過した
ことを確認するためのセンサ、16は正規硬貨CS が可
動ラック80内に蓄積されたことを確認するためのセン
サである。
【0010】硬貨返却通路18の下部には、硬貨返却通
路18と連通された硬貨返却軌道19が、ベース板4に
一体に突設したレール20によって形成されている。こ
れら硬貨返却軌道19と硬貨返却通路18とは、硬貨転
動面が互いに同じ面位置となるようにベース板4の表面
上に形成されており、また前記硬貨選別軌道11はベー
ス板4と表面が同じ面位置となるように取り付けられた
硬貨選別板5上に形成されている。したがって、これら
硬貨選別軌道11、硬貨返却通路18および硬貨返却軌
道19とは、それぞれの硬貨転動面が同じ面位置となる
ように構成されている。硬貨返却通路18と硬貨返却軌
道19とは、カバー19bによって覆われている。
【0011】この硬貨返却軌道19とほぼ同一位置で、
ベース板4の裏面側には硬貨収納兼返却軌道21が、ベ
ース板4に一体に突設したレール22と図7に示すカバ
ー4aとによって形成されている。したがって、この硬
貨収納兼返却軌道21は、前記硬貨選別軌道11、硬貨
返却通路18および硬貨返却軌道19と硬貨転動面方向
にほぼベース板4の厚みだけずれた位置に、硬貨返却通
路18および硬貨返却軌道19と別に設けられている。
これら硬貨返却軌道19と硬貨収納兼返却軌道21との
間を仕切るベース板4は、下端縁4bから下方が切り欠
かれ、硬貨返却軌道19と硬貨収納兼返却軌道21とが
連通した硬貨の合流部18aが形成されている。
【0012】硬貨収納兼返却軌道21のレール22に
は、図7に示すように、正規硬貨 CSよりやや大なる切
欠き21bが形成され、下方に硬貨収納兼返却軌道21
と連通した硬貨収納軌道23が設けられており、この硬
貨収納軌道23の下端には、図示を省略した金庫等に連
通した硬貨収納口23aが設けられている。この硬貨収
納軌道23に対応した硬貨収納兼返却軌道21の裏面側
には、ベース板4の裏面に上部の軸24dを揺動中心と
して揺動自在に支持された硬貨収納・返却レバー24が
設けられている。この硬貨収納・返却レバー24の側部
には返却阻止部24aが、また下端には収納導入開口部
24bと返却導入部24cとが、それぞれ形成されてい
る。
【0013】この硬貨収納・返却レバー24には、ベー
ス板4の裏面側に取り付けられたロータリマグネット2
5のピン25aが係合しており、通常は図8(a)に示
すように返却導入部24cが硬貨収納兼返却軌道21内
に進出して切欠き21bを閉塞し、硬貨収納兼返却軌道
21を転動する正規硬貨CS を前記合流部18aに導き
硬貨返却口18bから返却するように構成されている。
硬貨収納信号がロータリマグネット25に送られると、
図7に示すように返却阻止部24aと収納開口部24b
とが硬貨収納兼返却軌道21内に進出する。したがっ
て、返却阻止部24aによって、硬貨収納兼返却軌道2
1を転動する正規硬貨CS が合流部18aに転動するの
を阻止するとともに、正規硬貨CS を収納開口部24b
および切欠き21bから硬貨収納軌道23に導き、硬貨
収納口23aから図示を省略した金庫等に収納するよう
に構成されている。26は硬貨収納兼返却軌道21に設
けられたセンサであって、硬貨が硬貨蓄積室84から排
出されたことを確認するためのものである。
【0014】図1および図6において、ベース板4の硬
貨選別軌道11の終端に位置する側部には、先端に爪が
形成された一対の対向する弾性係合片27が突設されて
いる。ベース板4の下端に形成された一対の脚部4cの
前記弾性係合片27が形成された側には、断面L字状の
ガイド突起28が突設されている。ベース板4の硬貨選
別軌道11の終端部の下方で、前記硬貨返却軌道19お
よび硬貨収納兼返却軌道21の入口19a,21aの側
方には、正面視略矩形状の切欠き29が設けられてい
る。
【0015】次に、主に図9に基づいて硬貨蓄積装置3
の詳細な構造を説明する。同図において、35は正面お
よび上面が開口し全体が合成樹脂で形成された固定ラッ
クであって、底面板36,両側面板37,37および背
面板38で構成されている。底面板36には、前記ガイ
ド突起28とほぼ同一の断面形状で形成され、前後方向
に延設された嵌合凹部39が凹設されている。背面板3
8の上端縁には、前記弾性係合片27と係合する矩形状
の係合孔40aが穿設された突片40が形成されてい
る。
【0016】41は両側面板37,37の下端および上
部に前後方向に延設され二対のねじ孔が形成されたスタ
ッド、42は両側面板37,37および背面板38の上
下方向のほぼ中央部に凹設された溝である。45は背面
板38に内側に向かって突出形成された基台であって、
モータ軸にエンコーダ46aとウォーム47とが軸着さ
れたモータ46と、ウォーム47に噛合しピニオン49
が一体に形成されたウォームホイール48とが仮止めさ
れているとともに、受光素子50が固定されている。エ
ンコーダ46aには、一対の扇形のチョッパ部が形成さ
れ、エンコーダ46aの前後には発光素子と受光素子
(図示せず)とが配設され、モータ46の回転にともな
いチョッパ部でこれら発光、受光素子間の光を断続的に
遮断、開放することによってエンコーダ46aがモータ
46の回転を計数する。51は上端に発光素子52が取
付られた固定ブロックで、基台45にねじ止めすること
によって、発光素子52が前記受光素子50に対向する
とともに、モータ46が固定され、かつウォームホイー
ル48が回転自在に軸承される。
【0017】54は側面視略L字状に形成された合成樹
脂材からなる上面板であって、上部のほぼ中央に正規硬
貨CS よりもやや大なる外形の細長い矩形状に形成され
た硬貨導入口55が穿設されているとともに、前部のほ
ぼ中央に切欠き56が設けられている。図10におい
て、57は前記溝42に嵌合する略平板状に形成された
合成樹脂からなる中板であって、前後方向の中央に左右
長手方向に延在する細長い矩形状の貫通孔58が穿設さ
れているとともに、前部側のほぼ中央に窓59が穿設さ
れている。
【0018】中板57の窓59に近接した部位には規制
突起57aが突設されており、この規制突起57aは、
前記上面板54の硬貨導入口55と後述する前面板65
の硬貨返却用導出口68に対応した位置に設けられてい
る。また、中板57の左端部には、先端に上方に向かっ
て突起が突設され上下方向に弾性変形自在な弾性係合片
57bが一体に形成されているとともに、左端縁には、
図11(a)に示すように一対のスリット57b,57
bが穿設されている。図11において、中板57の左右
の両側部には、側板60,61が対向するように立設さ
れており、一方の側板60には上方が開口した一対の軸
支承部60a,60aが形成され、他方の側板61に
は、前記軸支承部60a,60aと相対向する位置に上
方が閉塞された軸支承部61a,61aが形成されてい
る。
【0019】62,62は後述する可動ラックを摺動自
在に案内するための一対のガイド軸であって、一端の周
面にリング状の溝62a,62aが形成され、軸支承部
60a,60aと軸支承部61a,61a間に支承され
る。63は前記ガイド軸62,62の軸線方向への遊動
を係止するためのストッパープレートであって、金属か
らなる薄板によって形成され下端に係合突起63b,6
3bが形成されたL字状の一対の脚部63a,63aが
下方に突設されている。また、これら脚部63a,63
a間および先端部の下面には、それぞれ係止部63c,
63dが形成され、後端には係合部63eが折曲げ形成
され、外側面には固定ラック35の側板37に当接する
円錐状の突子63fが突設されている。
【0020】図9において、65は固定ラック35の前
側に取付けられる平板状に形成された前面板であって、
ほぼ中央の上部に前記上面板54の切欠き56と同形状
の突出部66が形成され、この突出部66には、前記硬
貨導入口55と同形状の硬貨導出口67および硬貨返却
用導出口68が並設されている。69は前面板65の裏
面に取り付けられ後述するシャッタ92を駆動するロー
タリマグネットであって、揺動する駆動ピン70を備え
ている。図16において、71は一端が前記ロータリマ
グネット69の駆動ピン70に枢着された第1のリンク
部材であって、他端が前面板65に形成された軸支持部
74に支持されたピン75を回動中心として回動自在に
支持された第2のリンク部材73に作動ピン72を介し
て枢着されている。作動ピン72は第1のリンク部材7
1に軸方向の抜けを規制されて、上端部が第2のリンク
部材73から突出して前記硬貨導出口67の近傍に位置
しており、駆動ピン70を駆動して揺動させることによ
りピン75を揺動中心として揺動する。
【0021】次に、図14に基づいて硬貨蓄積装置3を
構成する可動ラック80の構成を詳細に説明する。可動
ラック80は、上部と前部が開口した箱状に形成され、
9つの仕切板82によって両端の2個の硬貨返却室83
(831,832)と8個の硬貨蓄積室84(841〜
848)とが形成されている。これら硬貨返却室83お
よび硬貨蓄積室84は、同形状に形成され、高さおよび
奥行きがともに正規硬貨CSの外径よりも大きく、かつ
幅が正規硬貨CSの厚みよりも大きく形成されており、
図15(b)に示すように正面視において、前記硬貨選
別板5と同じ傾斜となるように、すなわち鉛直方向から
角度α傾斜して形成されている。
【0022】また、これら硬貨返却室83および硬貨蓄
積室84の上部には、硬貨受入口83a,84aが、前
部には、硬貨排出口83b,84bがそれぞれ設けられ
ている。また、底部83c,84cは図12(c)に示
すように、側面視において断面が硬貨排出口83b,8
4b側を下方にして傾斜するように形成されているとと
もに、図15(b)に示すように、正面視において、断
面が硬貨蓄積室84の傾斜角度αと同じ方向に傾斜する
ように形成されている。
【0023】すなわち、底部84cは、硬貨蓄積室84
の一方の壁面82aに対して角度βの傾斜を有して形成
されており、換言すれば、底部84cは鉛直方向に対し
て角度(α+β)の傾斜をもつように形成されている。
このように底部84cが角度αよりも大きく形成されて
いることにより、硬貨蓄積室84内に導入された正規硬
貨CS は、底部84cによって硬貨蓄積室84の一方の
壁面82aに倒れ込むようにしてその側面が支持され、
下面は底部84cによって点接触の状態で支持される。
底部84cの一方の壁面82a側には傾斜角度の小さい
段部84dが形成されており、この段部84dは合成樹
脂で硬貨蓄積室84を形成するために成形用の金型を離
型する際に、底部84cと壁面82aとによって形成さ
れる隅部に樹脂が残存するのを防止するために設けたも
のである。
【0024】このような硬貨蓄積室84に蓄積された正
規硬貨CS が硬貨蓄積室84においてその面を支持する
一方の壁面82aは、硬貨排出口84bを開閉する後述
するシャッタ92の開閉時における開放端側、すなわち
他方の側面82bと反対方向となるように構成されてい
る。また、正規硬貨CS の下面を底部84cによって点
接触の状態で支持したことにより、正規硬貨CS の下面
と底部84cとの間の摩擦力が低減されるので、硬貨排
出口84bからの排出が円滑となる。
【0025】また、硬貨返却室83および硬貨蓄積室8
4の底部83c,84cを硬貨排出口83b,84b側
に傾斜するように形成したことにより、硬貨返却室83
および硬貨蓄積室84内に導入された正規硬貨CS は、
硬貨の自重によって硬貨排出口83b,84b側に転動
して排出される。硬貨排出口83b,84bの上下端に
は、孔85a,86aが穿設された支承部85,86が
水平に突設されており、上方の支承部85,86にはダ
ボ85b,86bが突設されている。87は硬貨蓄積室
841〜848に対応して8個設けられた(図中1個の
み図示)ねじりコイルばねであって、後述するシャッタ
92が硬貨排出口84bを閉じる方向に付勢するもので
ある。
【0026】次に、図10に基づいて硬貨蓄積室80の
ガイド構造を説明する。88は合成樹脂で側面視略L字
状を呈したガイド板であって、下部にラックが形成さ
れ、上部が直角に折曲げられるようにして取付部88e
が形成されている。このガイド板88には、前記硬貨蓄
積室842〜848および右端の硬貨返却室832に対
応した8個の小径の透孔88aと、左端の硬貨蓄積室8
41に対応した1個の小径の透孔88bと、左端の硬貨
返却室831に対応した1個の小径の透孔88cとから
なる10個の透孔が等間隔おいて一直線上に穿設されて
いる。
【0027】また、2個の小径の透孔88bと88cと
の間には、間隔の狭い2個の透孔88dが穿設されてい
る。ガイド板88は可動ラック80の左右方向の幅と略
同じ長さに形成され、上部が直角に折り曲げられるよう
にして取付部88eが形成されており、取付部88eの
左右の両端部には、ガイド板88の移動方向A−Bに沿
って互いに対向する二対の軸受部89a,89aおよび
軸受部89b,89bが一体に形成されている。このガ
イド板88を同図において矢印C方向に約90°回動さ
せることによって、可動ラック80の底部にねじ88f
で固定される。
【0028】図14において、92は前記硬貨蓄積室8
4の幅および高さとほぼ同じ外形を有する薄肉平板状に
形成された弾性変形可能なシャッタであって、硬貨蓄積
室84に対応して8個備えられている。これらシャッタ
92の上下端には軸支承部93,95が形成されてお
り、これら軸支承部93,95には互いに対向するダボ
94,96が突設され、下方の軸支承部95の下端に
は、係合部97が突設されている。
【0029】次に、このように構成された硬貨蓄積装置
3の組立方法を説明する。まず、可動ラック80の組立
方法を図14に基づいて説明する。同図において、可動
ラック80の8個の硬貨蓄積室84の上下の支承部8
5,86の孔85a,86aに8個のシャッタ92のダ
ボ94,96をシャッタ92を弾性変形させながら係入
させ、シャッタ92を支承部85,86に揺動自在に支
持させることにより、シャッタ92によって硬貨蓄積室
84の硬貨排出口84bを開閉自在とする。ねじりコイ
ルばね87を可動ラック80の上方の支承部86のダボ
86bに嵌挿し、一端を仕切板82の前端に係合させ、
他端をシャッタ92の軸支承部93に係合させることに
よって、シャッタ92が硬貨排出口84bを閉じる方向
に付勢される。
【0030】ここで、シャッタ92の開閉方向を図15
(a)に基づいて説明すると、シャッタ92は、前述し
たロータリマグネット69のピン70によってねじりコ
イルばね87に抗して硬貨蓄積室84の他方の壁面82
b側を開放端として矢印D方向、すなわち一方の壁面8
2a側に開くように構成されている。換言すれば、前述
したように、硬貨蓄積室84に導入された正規硬貨CS
の側面を支持する硬貨蓄積室84の一方の壁面82a
と、シャッタ92の開放端側、すなわち他方の壁面82
bとが反対に位置している。このため、硬貨蓄積室84
に導入され、他方の壁面82aにその面が支持された状
態で蓄積された正規硬貨CS は、シャッタ92の開放端
側、すなわち他方の壁面82b側から誤って排出される
のが防止される。したがって、確実な硬貨蓄積がなされ
るとともに、飛び出した硬貨によって装置が動作不良を
起こすといったこともない。
【0031】次に、このように組み立てられた可動ラッ
ク80を固定ラック35に組み付ける方法を図9,1
0,11に基づいて説明する。図10において、支持軸
62,62の溝62a,62a側を中板57の軸支承部
61a,61aを挿通させ、さらに可動ラック80のガ
イド板88の二対の軸受部89a,89aおよび軸受部
89b,89bを挿通させて、中板57の他方の軸支承
部60a,60aに載置し、支持軸62,62の両端を
軸支承部60a,60aおよび軸支承部61a,61a
に掛け渡す。
【0032】しかるのち、図11に示すようにストッパ
ープレート63の脚部63a,63aを中板57のスリ
ット57c,57c内に挿入し、図中矢印E方向に摺動
させて係止部63c,63dを支持軸62,62の溝6
2a,62aに係合させ、溝62a,62aを係止部6
3c,63dと軸支承部60a,60aとで挟持する。
このとき、ストッパープレート63の係合部63b,6
3bがスリット57c,57cの端縁に係合して上方へ
の抜けが規制され、係合部63eが弾性係合片57bに
係合して矢印E方向と反対方向の移動が規制され、スト
ッパープレート63は中板57の側板60に取付けられ
る。
【0033】ストッパープレート63を取り外すときに
は、弾性係合片57bを下方に弾性変形させて、ストッ
パープレート63の係合部63eとの係合を外すことに
よって、矢印E方向と反対方向に摺動させて係合部63
b,63bとスリット57cとの係合を外して行う。し
たがって、支持軸62,62は軸支承部60a,60a
および軸支承部61a,61aに上下、左右および軸線
方向の抜けを規制されて取付けられ、これら支持軸6
2,62上を可動ラック80はA−B方向に摺動自在に
支持される。このように可動ラック80を摺動自在に支
持した中板57を、図9に示すように、固定ラック35
の溝42に係入させて固定ラック35に組み付ける。
【0034】このとき、図11(c)に示すように、ス
トッパープレート63の突子63fが固定ラック35の
側板37の内壁に当接するので、ストッパープレート6
3は、溝57cと係合部63bとの係合およびストッパ
ープレート63の内壁と中板57の側板60との係合に
よって中板57に垂直状態で保持される。このように中
板57を固定ラック35に組み付ける際に、ストッパー
プレート63も併せて中板57に固定することができる
ので、組み付けが容易で、かつねじ類をいっさい必要と
しないので部品点数も削減される。こうして組み付けら
れた可動ラック80のガイド板88は、中板57の貫通
孔58を貫通して、前記ピニオン49に噛合するととも
に、ガイド板88の小孔88a〜88dが発光素子50
と受光素子52との間に位置する。
【0035】このように、可動ラック80を中板57に
支持軸62を介して摺動自在となるように支持するの
に、ねじ類を一切必要とせずストッパープレート63と
中板57と一体に形成した弾性係合片57bの係合によ
って行うようにしたので、組立、取り外しが容易である
とともに、部品点数を大幅に削減することができる。
【0036】最後に、上面板54を固定ラック35の上
部開口に被せ、前面板65の突出部66を上面板54の
切欠き56に嵌合させるとともに、ロータリマグネット
69の駆動ピン72の上端部を中板57の切欠き59か
ら上方に突出させるようにして、前面板65を固定ラッ
ク35の前部開口に覆い、ねじ100をスタッド41に
ねじ込み、上面板54を前面板65と共締めによって固
定ラック35に取り付ける。このようにして組み立てら
れた硬貨蓄積装置3においては、上面板54の硬貨導入
口55と前面板65の硬貨返却用導出口68とが対応す
るように位置するとともに、硬貨導入口55に、硬貨返
却室83および硬貨蓄積室84の硬貨受入口83a,8
4aとが対応するように位置し、硬貨返却用導出口68
および硬貨導出口67に、硬貨返却室83および硬貨蓄
積室84の硬貨排出口83b,84bとがそれぞれ対応
するように位置する。
【0037】また、図16に示すように、ロータリマグ
ネット69の作動ピン72の上端が、シャッタ92の係
合部97に近接して位置する。また、図18に示すよう
に、中板57の規制突起57aに、上板54の硬貨導入
口55に対応する硬貨蓄積室844のシャッタ92の係
合部97が係合し、この硬貨蓄積室844のシャッタ9
2の開き動作を規制する。したがって、硬貨導入口55
から導入された正規硬貨が導入されたときの勢いによっ
てシャッタ92が開き、前面板65の硬貨返却用導出口
68から誤って硬貨返却軌道19に返却されるのが規制
される。
【0038】図1に示すように、このようにして組み立
てた硬貨蓄積室3の嵌合凹部39をベース板4のガイド
突起28に係入させるとともに、突片40の係合孔40
aをベース板4の弾性係合片27に係合させることによ
って、硬貨蓄積室3を本体ケース2の切欠き29に位置
するように本体ケース2に取り付ける。取り付けられた
硬貨蓄積室3の硬貨導入口55が硬貨選別軌道11の正
規硬貨の出口11aに対応するように位置するととも
に、硬貨導出口67が硬貨収納兼返却軌道21の入口2
1aに、硬貨返却用導出口68が硬貨返却軌道19の入
口19aに対応するように位置する。
【0039】次に、このように組み立てられた硬貨処理
装置1の動作を説明する。図3において、硬貨投入口6
から硬貨CT が投入されると、投入された硬貨CT は選
別レール7上を転動し、硬貨選別軌道11内で正規硬貨
か疑似硬貨かの判別がなされ、疑似硬貨と判別される
と、選別レバー13の係止部13aが窓12から硬貨選
別軌道11内に突出したままの状態を保持し、疑似硬貨
H はこの係止部13aに当接して選別レール7から硬
貨返却通路18に落下して硬貨返却口18bから返却さ
れる。
【0040】硬貨選別軌道11で正規硬貨と判別される
と、ロータリマグネット14が動作してピン14aを介
して返却レバー13を作動させて係止部13aを硬貨選
別軌道11から退出させるので、正規硬貨CS は窓12
を通過して硬貨選別軌道11の出口11aから硬貨蓄積
装置3の硬貨導入口55に導かれる。正規硬貨CS がセ
ンサ15を通過すると、ロータリマグネット14が動作
して返却レバー13の係止部13aが硬貨選別軌道11
に進出する。
【0041】硬貨導入口55には、硬貨蓄積装置3の可
動ラック80の初期動作位置として、図12(b)に示
すように、可動ラック80の一方の硬貨返却室831が
対応するように位置している。図示を省略した制御部か
らの起動信号によって硬貨処理装置1が起動すると、モ
ータ46が動作してウォーム47、ウォームホイール4
8、ピニオン49およびガイド板88を介して可動ラッ
ク80が矢印A方向に移動する。このとき、エンコーダ
46aによってモータ46の回転数が計数され、あらか
じめ設定した回数、本実施の形態ではモータ46が10
回転したことをエンコーダ46aで計数すると、可動ラ
ック80が硬貨蓄積室1個分宛だけ移動しており、硬貨
導入口55には、図13(a)に示すように、硬貨蓄積
室841が対応するように位置する。
【0042】可動ラック80が硬貨蓄積室1個分宛だけ
移動すると、発光素子52と受光素子50との間に、硬
貨蓄積室84間の間隔と同じ間隔で穿設されたガイド板
88の透孔88a〜88cのうち透孔88bが位置す
る。硬貨処理装置1の図示を省略した制御部に、上述し
たエンコーダ46aからのモータ46の10回転の情報
が入力されるとともに、発光、受光素子52,50で透
孔88bを検出した情報が制御部に入力されることによ
って制御部はモータ46を停止する。
【0043】1枚目の正規硬貨CS は硬貨蓄積室841
に導入され、導入された正規硬貨CS はシャッタ92に
よって硬貨排出口84bからの排出が規制されて蓄積さ
れる。この正規硬貨CS が硬貨選別軌道11の出口11
aから硬貨蓄積装置3の硬貨導入口55に導かれて硬貨
蓄積室841に導入される際、硬貨選別軌道11と硬貨
蓄積室841とが同じ傾斜αで形成されているので、正
規硬貨CS は硬貨蓄積室841に硬貨詰まりすることが
なく円滑に導入される。このとき、硬貨蓄積室841の
シャッタ92は、係合部97が規制突起57aに係合し
てこの規制突起57aによって開き動作を規制されてい
るので、導入された正規硬貨CS の導入された勢いによ
ってシャッタ92が開いて、誤って硬貨返却用導出口6
8から返却されるのが規制される。
【0044】正規硬貨CS が硬貨蓄積室841に蓄積さ
れると、これをセンサ16が確認し、このセンサ16の
確認によってモータ46が動作して、再び可動ラック8
0が硬貨蓄積室84の1個宛の幅だけA方向に移動し、
硬貨導入口55には、次の硬貨蓄積室842が対応する
ように位置するので、硬貨選別軌道11の出口11aか
ら硬貨導入口55に導入された2枚目の正規硬貨CS
硬貨蓄積室842に蓄積され、3枚目以降8枚目の正規
硬貨CS は順次硬貨蓄積室843から硬貨蓄積室848
に蓄積され、可動ラック80は図13(b)に示すよう
に位置する。各硬貨蓄積室841〜848に蓄積された
正規硬貨CS は、前述したように硬貨蓄積室84の底部
84cの傾斜によってシャッタ92の 開放端側とは反
対の側の一方の壁面82aに支持されている。したがっ
て、硬貨蓄積室84に蓄積された正規硬貨CS は、シャ
ッタ92には開放端側とは反対の側で当接するので、正
規硬貨CS によるシャッタ92にはたらく回動モーメン
トは最小となり、このためシャッタ92の開放端側から
誤って硬貨導出口67に排出されるのが規制される。各
硬貨蓄積室841〜848に蓄積された正規硬貨CS
は、前記硬貨選別軌道11において金種が判別され、図
示を省略した制御部によってその金種が記憶される。
【0045】各硬貨蓄積室841〜848に正規硬貨C
S が蓄積されると、前記ロータリマグネット14が動作
して硬貨返却レバー13が作動し、係止部13aが硬貨
選別軌道11に進出した状態が保持され、以降の正規硬
貨は疑似硬貨と同様に硬貨返却通路18に落下して、硬
貨蓄積装置3には導かれずに、硬貨返却口18bから返
却される。同時に、モータ46が動作して可動ラック8
0がB方向に移動し、固定ラック35の硬貨導出口67
に、中央に位置する硬貨蓄積室844が対応するように
位置し、硬貨収納の準備状態となる。
【0046】前述したように、あらかじめ制御部に各硬
貨蓄積室841〜848に蓄積された正規硬貨の金種が
記憶されているので、前記準備状態から収納硬貨の金種
が選択されて硬貨収納信号が送出されると、その金種の
正規硬貨が蓄積され、硬貨蓄積室844に一番近接した
硬貨蓄積室の蓄積硬貨を収納する。例えば、硬貨蓄積室
843の正規硬貨を収納する時には、可動ラック80を
図13(c)の状態から硬貨蓄積室1個宛B方向に移動
させて、図16に示すように固定ラック35の硬貨導出
口67に硬貨蓄積室843を対応させて位置させる。
【0047】このような状態において、ロータリマグネ
ット69を動作させて駆動ピン70を図16(a)中時
計方向に略90°回動させると、駆動ピン72がピン7
5を回動中心として反時計方向に回動する。回動した駆
動ピン72は、図17に示すように硬貨蓄積室843の
シャッタ92の係合部97に係合して、シャッタ97を
前記ねじりコイルばね87に抗してダボ94を回動中心
として時計方向に回動させ、硬貨蓄積室843の硬貨排
出口84bを開放する。したがって、硬貨蓄積室843
内の正規硬貨CS は、傾斜した底部84cに沿って転動
して、硬貨導出口67から硬貨収納兼返却軌道21に導
かれる。正規硬貨CS がセンサ26を通過すると、可動
ラック80が図18(b)に示すように、B方向に硬貨
蓄積室1個宛移動し、空になった硬貨蓄積室843が固
定ラック35の硬貨導入口55に対応するように移動し
て、次の正規硬貨の収納の準備が行われる。
【0048】前述した硬貨収納信号によって硬貨蓄積室
843のシャッタ92が開放されると同時に、ロータリ
マグネット25が動作して、図7に示すように硬貨収納
・返却レバー24を軸24dを中心として反時計方向に
回動させる。この硬貨収納・返却レバー24の回動によ
って、返却阻止部24aが同図(b)に示すように、硬
貨収納兼返却軌道21を閉塞するとともに、同図(a)
に示すように、収納導入開口部24bが硬貨収納兼返却
軌道21の切欠き21bを開放するので、正規硬貨CS
は硬貨収納軌道23を落下して硬貨収納口23aから図
示を省略した金庫等に収納される。
【0049】一方、通話等が終了して、硬貨蓄積室84
に蓄積されている正規硬貨CS を返却するときには、可
動ラック80をA−B方向に移動させて、正規硬貨CS
が蓄積されている硬貨蓄積室84を、固定ラック35の
硬貨導出口67に順次対応するように位置させる。そし
て、ロータリマグネット69を動作させて硬貨導出口6
7に対応した硬貨蓄積室84のシャッタ92を開放し
て、順次正規硬貨CS を硬貨収納兼返却軌道21に導入
する。
【0050】同時に、ロータリマグネット25を動作さ
せて、硬貨収納・返却レバー24を図8に示すように軸
24dを回動中心として時計方向に回動させ、硬貨収納
兼返却軌道21を閉塞していた返却阻止部24aを退出
させて硬貨収納兼返却軌道21を開放する。また、返却
導入部24cを硬貨収納兼返却軌道21の切欠き21b
に進出させて、正規硬貨CS を硬貨収納兼返却軌道21
に転動させ、合流部18aに導き返却口18bから返却
する。
【0051】蓄積されていた正規硬貨の返却をすべて終
了したことがセンサ26で検出されると、モータ46が
動作して、図12(a)に示すように、可動ラック80
を矢印B方向に移動させ、一方の硬貨返却室831が固
定ラック35の硬貨導入口55に対応するように位置す
る初期動作位置に復帰させる。硬貨返却室831が固定
ラック35の硬貨返却用導出口68にも対応した初期動
作位置に復帰するので、停電等によって硬貨収納・返却
レバー13の係止部13aが硬貨選別軌道11から退出
した状態となって、疑似硬貨が誤って窓12を通過して
も、硬貨返却室831から硬貨返却軌道19に導かれ、
硬貨返却口18bから返却される。
【0052】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、案
内部材の両端に上方が開口した一対の第1の軸支承部と
この第1の軸支承部と対向し上方が閉塞された第2の軸
支承部とを設け、これら軸支承部に支持された2本の軸
が挿通される軸受部を前記硬貨蓄積室の両端部に二対設
け、前記2本の軸の一方の端部の周面に溝を形成し、前
記案内部材に前記軸と直交する方向に摺動自在に支持さ
れ前記軸の溝に係合してこれら軸を前記第1の軸支承部
とで挟持する係合部を有するストッパープレートを備
え、このストッパープレートの係合部と前記軸の溝との
係合状態を保持するようにストッパープレートの摺動を
規制する弾性規制片を前記案内部材に一体に形成したこ
とにより、硬貨蓄積室を案内部材上に軸を介して摺動自
在となるように支持するのに、ねじ類を一切必要とせず
ストッパープレートと案内部材に一体に形成した弾性係
合片によって行うようにしたので、組立、取り外しが容
易であるとともに、部品点数が大幅に削減され製造コス
トを低減することができる。
【0053】また、本発明によれば、ストッパープレー
トの側方に、硬貨蓄積室を収納する収納筐体の内壁に当
接する突子を一体的に突設したことにより、案内部材を
収納筐体に組み付ける際に、同時にストッパープレート
を案内部材に固定することができるので、組付けが容易
で、かつねじ類をいっさい必要としないので、部品点数
の削減が図られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る硬貨蓄積装置を適用した硬貨処
理装置の全体を示す斜視図である。
【図2】 本発明に係る硬貨蓄積装置を適用した硬貨処
理装置における硬貨の流れを示す概念図である。
【図3】 本発明に係る硬貨蓄積装置を適用した硬貨処
理装置の正面から視た断面図である。
【図4】 本発明に係る硬貨蓄積装置を適用した硬貨処
理装置における可動ラックの初期動作位置の状態を示す
右側面から視た断面図である。
【図5】 本発明に係る硬貨蓄積装置を適用した硬貨処
理装置における硬貨収納の状態を示す右側面から視た断
面図である。
【図6】 本発明に係る硬貨蓄積装置を適用した硬貨処
理装置の右側面図である。
【図7】 本発明に係る硬貨蓄積装置を適用した硬貨処
理装置における硬貨収納の状態を示したもので、(a)
は図3におけるVII-VII 線断面図、(b)は図3におけ
るVIII-VIII 線断面図である。
【図8】 本発明に係る硬貨蓄積装置を適用した硬貨処
理装置における硬貨返却の状態を示したもので、(a)
は図3におけるVII-VII 線断面図、(b)は図3におけ
るVIII-VIII 線断面図である。
【図9】 本発明に係る硬貨蓄積装置の分解して示す斜
視図である。
【図10】 本発明に係る硬貨蓄積装置の可動ラックを
分解して示す斜視図である。
【図11】(a)は図10におけるXI(a)矢視図、
(b)は図10におけるXI(b)矢視図、(c)は同図
(a)におけるXI(c)-XI(c)線断面図である。
【図12】 (a)は可動ラックの初期動作位置の状態
を示す硬貨蓄積装置の正面から視た概略の構成図、
(b)は平面から視た断面図、(c)は右側から視た断
面図である。
【図13】 本発明に係る硬貨蓄積装置における可動ラ
ックの動作状態を示す平面から視た断面図で、(a)は
1枚目の正規硬貨を蓄積する状態を示し、(b)は8枚
目の正規硬貨を蓄積する状態を示し、(c)は収納する
直前の状態を示す。
【図14】 (a)は本発明に係る硬貨蓄積装置の分解
斜視図、(b)はシャッタの斜視図である。
【図15】 (a)は本発明に係る硬貨蓄積装置の可動
ラックの平面図、(b)は(a)における XV(b)-XV(b)
線断面図である。
【図16】 (a)は本発明に係る硬貨蓄積装置におけ
る硬貨の収納前の状態を示す可動ラックの平面図、
(b)は正面図である。
【図17】 (a)は本発明に係る硬貨蓄積装置におけ
る硬貨の収納動作を示す可動ラックの平面図、(b)は
正面図である。
【図18】 本発明に係る硬貨蓄積装置における可動ラ
ックの要部を拡大した平面図で、(a)はシャッタを開
放した状態を示し、(b)はシャッタを閉じた状態を示
す。
【符号の説明】
1…硬貨処理装置、3…硬貨蓄積装置、11…硬貨選別
軌道、18…硬貨返却通路、19…硬貨返却軌道、21
…硬貨収納兼返却軌道、57…中板、57b…弾性係合
片、57c…スリット、60a,61a…軸支承部、6
2…支持軸、63…ストッパープレート、63b…係合
部、63c,63d…係止部、63e…係合部、80…
可動ラック、83…硬貨返却室、84…硬貨蓄積室、8
3a,84a…硬貨受入口、83b,84b…硬貨排出
口。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 案内部材上で硬貨蓄積室を直線状に移動
    自在に案内する硬貨蓄積装置のガイド構造であって、前
    記案内部材の両端に上方が開口した一対の第1の軸支承
    部とこの第1の軸支承部と対向し上方が閉塞された第2
    の軸支承部とを設け、これら軸支承部に支持された2本
    の軸が挿通される軸受部を前記硬貨蓄積室の両端部にそ
    れぞれ設け、前記2本の軸の一方の端部の周面に溝を形
    成し、前記案内部材に前記軸と直交する方向に摺動自在
    に支持され前記軸の溝に係合してこれら軸を前記第1の
    軸支承部とで挟持する係合部を有するストッパープレー
    トを備え、このストッパープレートの係合部と前記軸の
    溝との係合状態を保持するようにストッパープレートの
    摺動を規制する弾性規制片を前記案内部材に一体に形成
    したことを特徴とする硬貨蓄積装置のガイド構造。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の硬貨蓄積装置のガイド構
    造において、ストッパープレートの側方に、硬貨蓄積室
    を収納する収納筐体の内壁に当接する突子を一体的に突
    設したことを特徴とする硬貨蓄積装置のガイド構造。
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