JP3214369B2 - サーミスタ状態検出装置 - Google Patents

サーミスタ状態検出装置

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JP3214369B2
JP3214369B2 JP24121296A JP24121296A JP3214369B2 JP 3214369 B2 JP3214369 B2 JP 3214369B2 JP 24121296 A JP24121296 A JP 24121296A JP 24121296 A JP24121296 A JP 24121296A JP 3214369 B2 JP3214369 B2 JP 3214369B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、サーミスタ状態検
出装置に関し、詳しくは、モータのコイル温度を検出す
るサーミスタの状態を検出するサーミスタ状態検出装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】モータは、電気エネルギを機械エネルギ
に変換する装置であるが、モータに電気エネルギを供給
し続けると、モータのコイルに電流が流れることによっ
てコイルが発熱し、コイル温度が次第に上昇する。モー
タを駆動し続けてコイルの温度が上昇したときにコイル
温度が許容範囲を越えると、種々の不都合が生じるおそ
れがある。例えば、コイルが高温になることによって、
コイル自身が損傷を受けてモータの短寿命化が引き起こ
されたり、モータが備える磁石の減磁が引き起こされた
り、磁石の減磁によってモータのトルクが低下してしま
ったりする。そこで従来は、モータのコイル温度を測定
し、モータの温度が所定温度を上回った場合には、モー
タの駆動量を減らすなどして発熱量を抑えてモータの過
熱を防いでいた。このモータのコイル温度の測定には、
一般にサーミスタが用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、モータ
のコイル温度の状態を、サーミスタによる測定結果のみ
によって判断していたのでは、サーミスタに異常が生じ
た場合に、コイルの過熱によって引き起こされる上記し
たような不都合を回避することができない。コイルの過
熱が進み、モータの温度が上昇し過ぎると、上記したよ
うなモータの性能の低下ばかりでなく、モータと接続す
る他の機器にも影響を及ぼしてしまう。そのため、サー
ミスタに異常が生じた場合にもこれを検知し、上記した
不都合を回避する手段を設けることが望まれていた。
【0004】サーミスタの異常を検出する方法として
は、加熱機構を備えた調理器などにおいて、所定時間加
熱を行なった後のサーミスタの検出結果と所定温度とを
比較して、サーミスタの検出結果が所定温度以下である
場合にはサーミスタの異常と判断する等の方法が提案さ
れている(例えば、特開昭64−38528号公報な
ど)。調理器等においては、通常の使用環境で所定量の
加熱を行なった場合に上昇する温度は所定範囲内である
と予測することができるためこのような方法を採用する
ことが可能である。しかしモータは、その用途によって
広い条件で駆動されるものであり、モータのコイルでは
モータの駆動条件に応じて発熱量が変化するため、所定
時間経過後の温度を予測するなどの方法は採用し難い。
そのため、モータのコイル温度を測定するサーミスタの
異常を検出する有効な手段は従来知られていなかった。
【0005】本発明のサーミスタ状態検出装置は、こう
した問題を解決し、モータのコイル温度を測定するサー
ミスタに生じた異常を検出することを目的としてなさ
れ、次の構成を採った。
【0006】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】本
発明のサーミスタ状態検出装置は、モータのコイル温度
を測定するために設けたサーミスタの状態を検出するサ
ーミスタ状態検出装置であって、前記モータの電気角を
検出する角度検出器と、前記モータのコイルに対して計
測用の電圧を印加し、この時に前記コイルに流れる電流
の挙動を検出する電流挙動検出手段と、該電流挙動検出
手段が検出した電流の挙動と、前記角度検出器が検出し
た電気角とから、前記コイルの抵抗値を算出するコイル
抵抗算出手段と、前記コイル抵抗算出手段により算出さ
れた前記コイルの抵抗値を基に、前記コイルの温度を推
定するコイル温度推定手段と、前記コイル温度推定手段
が推定した前記コイルの温度と、前記サーミスタが測定
した前記コイル温度とを比較して、前記サーミスタの状
態を判定するサーミスタ状態判定手段とを備えたことを
要旨とする。
【0007】以上のように構成された本発明のサーミス
タ状態検出装置は、角度検出器がモータの電気角を検出
し、電流検出手段が前期モータのコイルに対して計測用
の電圧を印加してこの時に前記コイルに流れる電流の挙
動を検出する。この電流検出手段が検出した電流の挙動
と、前記角度検出器が検出した電気角とから前記コイル
の抵抗値を算出し、算出された前記コイルの抵抗値を基
に、前記コイルの温度を推定する。この推定した前記コ
イルの温度と、モータのコイル温度を測定するために設
けたサーミスタが測定した前記コイル温度とを比較し
て、前記サーミスタの状態を判定する。
【0008】このようなサーミスタ状態検出装置によれ
ば、コイルに計測用の電圧を印加した時にコイルに流れ
る電流の挙動と、モータの電気角とを基に、前記コイル
の温度を推定するため、この推定した温度と、コイル温
度を測定するために設けたサーミスタが測定した温度と
を比較することによって、サーミスタの状態を検出する
ことができる。従って、モータの駆動状況に関わらず、
精度良くコイル温度の推定を行うことができる。
【0009】また、本発明のサーミスタ状態検出装置に
おいて、前記電流挙動検出手段は、前記コイルにおける
相電圧が0になるときに前記計測用の電圧を前記コイル
に印加して、前記コイルに流れる電流の挙動を検出する
構成も好適である。
【0010】このような構成のサーミスタ状態検出装置
では、前記コイルにおける相電圧が0になるときに前記
計測用の電圧を前記コイルに印加するため、コイルに流
れる電流の挙動を測定する際に、モータ駆動用に印加さ
れている電圧の影響を受けることがない。
【0011】
【発明の実施の形態】以上説明した本発明の構成・作用
を一層明らかにするために、以下本発明の実施の形態を
実施例に基づき説明する。図1は本発明の好適な一実施
例であるサーミスタ状態検出装置を含むモータ制御装置
10の概略構成を示すブロック図、図2は制御対象とな
っている三相同期モータ40の概略構成を示す説明図、
図3はこの三相同期モータ40の固定子30と回転子5
0との関係を示す端面図、である。
【0012】まず、図2を用いて、三相同期モータ40
の全体構造について説明する。この三相同期モータ40
は、固定子30と回転子50とこれらを収納するケース
60とからなる。回転子50は、外周に永久磁石51〜
54が貼付されており、その軸中心に設けられた回転軸
55を、ケース60に設けられた軸受61,62により
回転自在に軸支している。
【0013】回転子50は、無方向性電磁鋼板を打ち抜
いて成形したロータ57を複数枚積層したものである。
このロータ57は、図3に示すように、直交する位置に
4箇所の突極71〜74を備える。ロータ57を積層し
た後、回転軸55を圧入し、積層したロータ57を仮止
めする。この電磁鋼板を素材とするロータ57には、そ
の表面に絶縁層と接着層が形成されており、積層後所定
温度に加熱して接着層を溶融・固定している。
【0014】こうして回転子50を形成した後、回転子
50の外周面であって、突極71〜74の中間位置に、
永久磁石51〜54を軸方向に亘って貼付する。この永
久磁石は、厚み方向に磁化されている。回転子50を固
定子30に組み付けた状態では、一組の永久磁石51、
52に着目すると、この永久磁石51、52は、ロータ
57およびステータ20を貫く磁路Mdを形成する(図
3一点鎖線参照)。
【0015】固定子30を構成するステータ20は、ロ
ータ57と同じく無方向性電磁鋼板の薄板を打ち抜くこ
とで形成されており、図3に示すように、計12個のテ
ィース22を備える。ティース22間に形成されたスロ
ット24には、固定子30に回転磁界を発生させる固定
子コイル32が巻回されている。尚、ステータ20の外
周には、固定用のボルト34を通すボルト孔が設けられ
ているが、図3では図示を省略してある。
【0016】固定子30は、板状のステータ20を積層
し互いに押圧した状態として、接着層を加熱・溶融する
ことで一応固定される。この状態で、固定子コイル32
をティース22に巻回して固定子30を完成した後、こ
れをケース60に組み付け、ボルト孔に固定用のボルト
34を通し、これを締め付けて全体を固定する。更に回
転子50をケース60の軸受61,62により回転自在
に組み付けることにより、この三相同期モータ40は完
成する。
【0017】固定子30の固定子コイル32に回転磁界
を発生するよう励磁電流を流すと、図3に示すように、
隣接する突極およびロータ57、ステータ20を貫く磁
路Mqが形成される。尚、上述した永久磁石52により
形成される磁束が回転子50を径方向に貫く軸をd軸と
呼び、固定子30の固定子コイル32により形成される
磁束が回転子50を径方向に貫く軸をq軸と呼ぶ。この
実施例(極数4)では、両軸は電気的には、90度の角
度をなしている。
【0018】また、本実施例の三相同期モータ40に
は、図2に示すようにサーミスタ80が取り付けられて
おり、このサーミスタ80によって固定子コイル32の
温度が測定可能となっている。サーミスタ80は、後述
する温度計測装置140に接続しており、サーミスタ8
0による測定結果はこの温度計測装置140を介して後
述するCPU120に入力される。
【0019】次に、図1に従ってモータ制御装置10の
構成について説明する。モータ制御装置10は、外部か
らのトルク指令を受けて三相同期モータ40の三相
(U,V,W相)のモータ電流を制御するモータ電流制
御回路100、三相同期モータ40のU相電流Iu,V
相電流IvおよびW相電流Iwを検出する電流検出器1
02,104,106、検出したU相電流IuおよびV
相電流Ivに基づいてトルク値を求める電流−トルク換
算器110、同じく検出した電流値をディジタルデータ
に変換する3個のアナログディジタル変換器(ADC)
112,114,116、三相同期モータ40の電気角
を検出する角度検出器142、三相同期モータ40の固
定子コイル32に取り付けられたサーミスタ80に接続
して固定子コイル32の温度を検出・表示する温度計測
装置140、固定子コイル32の温度の演算を行なう1
チップマイクロプロセッサ(CPU)120、固定子コ
イル32の温度を演算するためのテーブル等を記憶した
メモリ122から構成されている。
【0020】電流−トルク換算器110により換算され
たトルクは、トルク指令値との差分を取るように加えら
れ、三相同期モータ40の実際のトルクをフィードバッ
ク制御する構成となっている。また、モータ電流制御回
路100には、トルク指令に基づいて決定されたモータ
の各相電流Iu,Iv,Iwが得られるようモータの各
コイル間に印加する電圧を決定する電圧印加部130
が、その出力段に設けられている。CPU120からの
制御出力が、この電圧印加部130に出力されており、
三相同期モータ40の各コイルに印加される電圧を外部
から制御することが可能となっている。また、メモリ1
22には、図1に示したように、二つのテーブルが記憶
されており、一つは測定された電気角からインダクタン
スを求めるテーブル122Aであり、一つはコイル抵抗
値Rからコイル温度を求めるためのテーブル122Bで
ある。
【0021】以上の様に構成されたモータ制御装置10
は、所定の電源装置150から電力の供給を受けて三相
同期モータ40を駆動している。電源装置150を構成
する電池としては、鉛蓄電池やニッケル−水素蓄電池、
あるいはリチウム2次電池等の2次電池や、燃料電池等
のなかから任意に選択することができる。これらの電池
を複数種組み合わせて電源装置150を構成することと
してもよい。この電源装置150は直流電源であり、電
源装置150からの出力電力は、インバータ152によ
って3相交流に変換された後、既述したモータ電流制御
回路100および電圧印加部130の制御を受けて三相
同期モータ40に供給される。
【0022】次に、このような構成の三相同期モータ4
0およびこれを制御するモータ制御装置10において、
固定子コイル32の温度を推定する原理および実際の構
成について詳しく説明する。既述したように、三相同期
モータ40はサーミスタ80を備えており、このサーミ
スタ80によって固定子コイル32の温度を測定してい
る。本実施例のモータ制御装置10では、以下に説明す
る方法によって固定子コイル32の温度を推定し、この
推定した温度と上記サーミスタ80が測定した温度とを
比較することによって、サーミスタ80の状態、ひいて
は異常を検出する。
【0023】図4は、三相同期モータ40の等価回路図
である。図示するように、三相同期モータ40のU相と
VW相間に所定の電圧E1をステップ関数的に加えた場
合、ここに流れる電流Iu(t)は、回路のインダクタ
ンス成分Lにより定まる過渡応答を示す。この過渡応答
の一例を示したのが、図5のグラフである。三相同期モ
ータ40を形成する所定の回路(本実施例ではU−VW
相間)に、所定時間幅で電流計測用の電圧E1を印加す
ると、電流値Iu(t)は、電圧を印加している間に、
インダクタンスLの大きさに応じた値に到達する。な
お、回路のインダクタンスLは、そのときの回転子50
の電気角θの関数となっている。即ち、回転子50が回
転していない状態(静止状態)にあるとすれば、この回
転子50のd軸が電気的にq軸に対してなす角(電気
角)により、回路のインダクタンスLは定まる。
【0024】三相同期モータ40が備える固定子コイル
32の各相を、RL直列回路に近似すると、固定子コイ
ル32の抵抗Rは以下に示す(1)式により算出するこ
とができる。 R=(E1/Iu)−(L/Iu)(dI/dt) …(1)
【0025】ここで、Iuは図4に示す等価回路におい
て流れる電流(以下、U相電流と呼ぶ)を示し、tは時
間を示す。したがって、U−VW相間に電流計測用の電
圧E1を印加したときのU相電流Iuと、インダクタン
スLとを求めることにより、抵抗Rを算出することがで
きることになる。
【0026】本実施例では、U相電圧が0になるとき
に、計測用の電圧E1を印加する構成となっている。U
相電圧が0になるときとは、U相電圧の位相がゼロクロ
スする時をいい、このときパルス電圧E1を印加する
(図6参照)。また、三相同期モータ40の停止中もU
相電圧が0になるときであり、そのままパルス電圧E1
を印加することができる。パルス電圧E1は、100μ
secの期間だけ印加することとした。
【0027】インダクタンスLを求めるには電気角θを
測定する必要があるが、電気角θは、三相同期モータ4
0に取り付けられた既述した角度検出器142によって
計測される。この角度検出器142は、例えば、レゾル
バやエンコーダによって形成されている。また、本実施
例では、予め、様々な電気角でのインダクタンスLを計
測して、これをメモリ122に記憶している。この関係
の一例を図7に示す。この図7では、U相のインダクタ
ンスLuと電気角θとの関係だけを示している。図7に
示すように、測定した電気角θの値から、インダクタン
スLを一義的に求めることができる。メモリ122に格
納されたテーブルである測定された電気角からインダク
タンスを求めるためのテーブル122Aには、このグラ
フに示す巻線間インダクタンスの実測値と電気角との関
係が記憶されている。
【0028】計測用の電圧E1を印加し、その時の電流
値Iuを測定すると共に、角度検出器142によって検
出した電気角θを基にインダクタンスLを求めると、こ
れらの電流値IuとインダクタンスLとを既述した
(1)式に代入することによって固定子コイル32の抵
抗値(以下、コイル抵抗値と呼ぶ)Rを求めることがで
きる。本実施例では、このようにコイル抵抗値Rを算出
することによって、算出したコイル抵抗値Rの値を基に
コイル温度の推定を行なう。固定子コイル32において
は、コイル温度が上昇するにつれてコイルの抵抗値Rも
上昇するという性質を示し、このコイル温度とコイル抵
抗値Rとの関係は、予め計測することができる。本実施
例で用いた三相同期モータ40におけるコイル温度とコ
イル抵抗値Rとの関係の一例を、図8のグラフに示し
た。このように、コイル抵抗値Rが分かれば、このグラ
フからコイル温度を推定することができる。メモリ12
2には、上記したテーブル122Aの他に、コイル抵抗
値Rからコイル温度を求めるこのグラフを記憶したテー
ブル122Bが格納されている。
【0029】以上、U−VW間に電圧E1を印加してU
相に流れる電流を測定し、この電流値と、角速度から求
めたインダクタンスの値とを基に、コイル抵抗値Rを算
出し、このコイル抵抗値Rからコイル温度Tを推定する
手法の概要について説明した。そこで、次に、本実施例
のCPU120が行なっているサーミスタ状態検出処理
ルーチンについて説明する。図9は、CPU120が実
施するサーミスタ状態検出処理ルーチンを示すフローチ
ャートである。このサーミスタ状態検出処理ルーチン
は、2msecごとに一回ずつタイマ割り込みにて起動
される。
【0030】図9に示した処理が起動されると、CPU
120は、まず、サーミスタ80が測定したコイル温度
の値T1の入力を行う(ステップS100)。次に、角
度検出器142からこのときの電気角θを入力し(ステ
ップS110)、この電気角θの値とモータ電流制御回
路100からの出力信号とを基にU相電圧がゼロクロス
するタイミングを判断し、U相電圧がゼロクロスすると
きに、U−VW相間に計測用の電圧E1をステップ関数
的に加える(ステップS120)。ここで、電圧E1の
印加時間は100μsecとする。このときU相の電流
値はインダクタンスLの値に応じた応答を示し、CPU
120は、計測用電圧の印加の終了のタイミングで、そ
の時点でのU相の電流値Iu1を測定する(ステップS
130)。これらの電流値の測定は、電流検出器102
の出力をADC112にてアナログディジタル変換し、
CPU120内に読み込むことにより行う。
【0031】また、ステップS110で読み込んだ電気
角θの値と、ステップS120で測定したU相電流値I
u1とから、インダクタンスLの算出を行う(ステップ
S140)。インダクタンスLが算出されると、この値
を基に、既述したテーブル122Aを参照してコイル抵
抗Rを求める(ステップS150)。次に、このコイル
抵抗Rの値を基に、既述したテーブル122Bを参照し
てコイル温度T2を推定する(ステップS160)。
【0032】ここで、先にステップS100でサーミス
タ80から入力したコイル温度の測定値T1と、ステッ
プS160で求めたコイル温度の推定値T2との誤差を
求め、予め設定したしきい値xとの比較を行う(ステッ
プS170)。測定値T1と推定値T2との差の絶対値
が上記しきい値よりも小さいとき、すなわち、推定値T
2に対する測定値T1の誤差が上記しきい値よりも小さ
いときには、サーミスタ80は正常に動作していると判
断されて本ルーチンを終了する。このとき三相同期モー
タ40は通常運転を続行する。
【0033】ステップS170において、測定値T1と
推定値T2との差の絶対値が上記しきい値よりも大きい
とき、すなわち、推定値T2に対する測定値T1の誤差
が上記しきい値よりも大きいときには、サーミスタ80
に異常が発生したと判断される。この場合には、次に、
異常時処理ルーチンが実行される(ステップS18
0)。異常時処理ルーチンは、サーミスタ状態検出処理
ルーチンのサブルーチンであって、異常の発生を知らせ
るためのアラームに対して出力したり、モータの出力を
制限する制御を行ってモータが過熱してしまうのを防ぐ
処理を行ったりする。ここで、サーミスタ80が正常に
復活したと判断されれば、サーミスタ状態検出処理ルー
チンに戻って本ルーチンを終了することとしてもよい
し、サーミスタ80が正常に復活しない場合には、サー
ミスタ状態検出処理ルーチンから抜けてサーミスタ故障
時のための処理に移行することとしてもよい。
【0034】なお、以上の説明では、インダクタンスL
を求めるのに、図5に示したようにU−VW相間に所定
時間幅の所定電圧を印加し、電圧を印加している間に到
達した電流値を測定するものとしたが、図10に示すよ
うに、U−VW相間に流れる電流が所定値になるまでの
時間TθからインダクタンスLを求めることも可能であ
る。前者の手法は、処理時間が均一になるという利点を
有する。
【0035】また、上記実施例では、U−VW相間に所
定電圧を印加してU相電流を測定する構成としたが、V
−WU相間に電圧を印加してV相電流を測定したり、W
−UV相間に電圧を印加してW相電流を測定することと
してもよい。あるいは、一種類のデータだけによるとそ
のデータが計測不良である場合も考えられるので、複数
種のデータを読み込んで、電流値が計測不良となる場合
に備える構成としてもよい。
【0036】あるいは、上記実施例では、コイル温度の
測定値T1とコイル温度の推定値T2との誤差を、予め
設定したしきい値xと比較することによって、サーミス
タ80が正常か異常かを判断する構成としたが、上記誤
差が次第に大きくなる傾向が認められるときには、サー
ミスタ80に異常が発生しつつあると判断して不都合が
生じてしまうのを回避する構成としても良い。すなわ
ち、上記誤差が次第に大きくなる傾向が認められるとき
には、誤差がしきい値以下であっても、サーミスタ80
が異常になりつつあることを警告するアラームに出力し
たり、モータの出力を制限する制御を行ってモータが過
熱してしまうのを防ぐ処理を行う構成とする。
【0037】以上説明したサーミスタ状態検出装置を備
えるモータ制御装置10は、サーミスタ80によってモ
ータのコイル温度を測定し、コイル温度が上昇しすぎる
ことの無いよう制御する構成に加えて、所定時間ごとに
コイル温度を類推してサーミスタ80の測定値と比較す
ることによってサーミスタ80の状態を監視する構成を
備えている。従って、サーミスタ80に異常が発生して
モータ温度が実際よりも低く認識されてしまった場合に
も、この異常を検出することができ、モータが過熱しす
ぎることによる不都合を防ぐことができる。すなわち、
サーミスタ80に異常が検出されると、モータの出力を
制限することによってコイルでの発熱が抑えられるた
め、高温によってコイルおよびモータが損傷を受けた
り、モータが備えるマグネットが減磁したり、モータに
おけるトルクが低下してしまうのを防ぐことができる。
【0038】また、本実施例では、モータ駆動用の電圧
がゼロクロスするときに計測用の電圧を印加するため、
電圧を印加することによってコイルを流れる電流の大き
さが、駆動電流の影響を受けることがない。従って、測
定した電流値をそのまま用いてインダクタンスLの算出
を行うことができる。ここで、電圧がゼロクロスすると
き以外に計測用電圧を印加するならば、測定する電流値
は駆動電流の影響を受けてしまうため、測定した電流値
を補正してインダクタンスLを求める必要がある。もと
より、駆動電圧が任意の位相をとるときに計測用の電圧
を印加し、測定した電流値は補正する構成としてもかま
わない。
【0039】上記実施例の様にモータ駆動用の電圧がゼ
ロクロスするときに計測用の電圧を印加したり、駆動電
圧が任意の位相をとるときに計測用の電圧を印加して測
定した電流値を補正する構成の他に、駆動電流を一旦零
にしてから計測用の電圧を印加して電流値を計測する構
成とすることも可能であり、上記実施例と同様の効果を
得ることができる。このように駆動電流を一旦零にすれ
ば、測定した電流値を補正する必要もない。しかしなが
ら、駆動電流を一旦零にして計測用の電圧を印加し、計
測が終わると再び元の電圧を印加するという動作を繰り
返すと、異音を発生するという不都合が生じてしまう。
上記実施例のサーミスタ状態検出装置によれば、電流値
の測定に伴うこのような異音の発生を抑えることができ
るという効果をも奏する。
【0040】上述した実施例では、三相同期モータ40
において、レゾルバやエンコーダによって形成される角
度検出器142を備える構成としたが、このようにセン
サを別個に設けて電気角を検出するのではなく、上記サ
ーミスタ状態検出装置と共通の構成によって電気角を検
出することとしてもよい。すなわち、サーミスタ状態検
出装置と角度検出器との間で構成を共有することとして
もよい。以下に、このような構成を第2実施例として示
す。
【0041】図11は、第2実施例のモータ制御装置1
0Aの構成を例示するブロック図である。第2実施例の
サーミスタ状態検出装置を備えるモータ制御装置10A
は、角度検出器142を備えないこと以外は第1実施例
のモータ制御装置10と同様の構成を有するため、構成
に関する詳しい説明は省略し、第1実施例と共通する構
成要素には同じ番号を付す。まず最初に、第2実施例の
構成としての、測定した電流値からコイル温度を推定す
る手法について説明する。
【0042】既述したように、インダクタンスLは電気
角θの関数となっているため、一方が分かれば他方を知
ることができる。第1実施例では、角度検出器142に
よって電気角θを求め、この電気角θの値からインダク
タンスLを決定した。第2実施例では、第1実施例と同
様に電気角θからインダクタンスLを求める動作と交互
に、求めたインダクタンスLから電気角θを算出すると
いう逆の動作も行う。これらの値は、第1実施例と同様
に計測用電圧の印加時の電流値を基にして算出する。
【0043】第2実施例においてはインダクタンスLと
電気角θとの両方が変数となる構成であるため、本実施
例におけるモータ制御装置10Aの始動時には、抵抗値
として所定の値R0を用意する。始動時にはまず、計測
用電圧の印加時における電流値を測定して、この電流値
と所定の抵抗値R0とからインダクタンスLを算出し、
このインダクタンスLを基にして電気角θの値を得る。
CPU120は、この電気角θに従って、各相に駆動用
電流を流し、三相同期モータ40を起動すると共に、後
述するサーミスタ状態及び電気角検出処理ルーチンを起
動する。サーミスタ状態及び電気角検出処理ルーチンを
起動すると、先に求めたモータ制御装置10Aの始動時
に求めた電気角θを基にして、所定の相電流(例えばU
相電流)がゼロクロスするタイミングを求めてこのとき
計測用の電圧を印加すると共に、電圧印加時の電気角に
対応するインダクタンスLを求める。電圧印加時の電流
値とインダクタンスLの値とから、第1実施例と同様に
抵抗値Rを介してコイル温度を推定し、サーミスタ80
の異常の有無を判定する。さらに、サーミスタ状態及び
電気角検出処理ルーチンでは、ここで求めた抵抗値Rを
用いて、始動時と同様に電気角の検出を行う。以後はこ
れらの動作を繰り返す。なお、モータ制御装置10Aの
始動時に用いる所定の抵抗値R0は、常温における抵抗
値を予め設定しておいたものである。あるいは、始動時
の温度を入力して、この温度における抵抗値R0を求め
ることとしてもよい。
【0044】ここで、インダクタンスLから電気角θを
求める原理について説明する。既述した第1実施例で
は、電気角θからインダクタンスL(例えばU−VW相
間のインダクタンスLu)を一義的に求めることができ
たが、電気角θを求めるには少なくとも二相のインダク
タンス(例えばLuとLv)が必要である。本実施例で
は、予め、様々な電気角でのインダクタンスLu,Lv
を計測し、これをメモリ122に記憶している。この関
係の一例を、図12に示す。同図において、実線はU−
VW間のインダクタンスと電気角の関係の実測値の一例
を示し、波線はV−WU間のインダクタンスと電気角の
関係の実測値の一例を示している。図11に示すよう
に、第2実施例におけるメモリ122は、第1実施例と
同様のテーブル122A,122Bの他にテーブル12
2C,122Dを備えており、このうちテーブル122
Dには、このグラフに示す巻線間インダクタンスの実測
値と電気角との関係が記憶されている。
【0045】まず、U−VW相間に電圧を印加してその
インダクタンスL2を測定し、次にV−WU相間に電圧
を印加してそのインダクタンスL1を測定する。U−V
W相間のインダクタンスがL2となり、V−WU相間の
インダクタンスがL1となると回転子50の角度(電気
角)は、電気角0〜2πの間でただ一カ所(α1=β1
の電気角)に定まるから、相電流Iu,Ivを測定する
ことにより、回転子50の電気角θを求めることができ
る。なお、以上の説明では、各層間のインダクタンスL
を求めるのに、図5に示したように、各層間に所定時間
幅の所定電圧を印加し、電圧を印加している間に到達し
た電流値Imから、インダクタンスを求めることとした
が、図10に示すように、各層間に流れる電流が所定値
になるまでの時間Tθを測定することとしても良い。
【0046】また、図12に示した実測値では、電気角
とインダクタンスとの関係は0〜πとπ〜2πとで異な
っているが、電気角とインダクタンスとは、本質的には
0〜πとπから2πとで同一の関係を示すものである。
従って、相電流Iu,Ivから各相間のインダクタンス
L2,L1を求めると、両者を満足する解は、2つ求め
られることになる。そこで、本実施例においては、固定
子30と回転子50における磁気的な関係を非対称にす
ることによって、図12に示すように、電気角θとイン
ダクタンスLとの関係の非対称性を実現している。即
ち、本実施例では、永久磁石52,54の磁化された片
面および突極72,74の表面に、磁性体86〜89を
貼付し、固定子30と回転子50との磁気的な関係を非
対称化している。図13は、同期モータの回転子50と
固定子30とを、理解の便を図るために直線的に書き直
した説明図である。図示するように、回転子50の永久
磁石52の下面に磁性体86が、永久磁石54の下面に
磁性体88が、突極72の表面に磁性体87が、突極7
4の表面に磁性体89が、それぞれ設けられている。こ
の場合、磁極を構成する一対の永久磁石51,52に着
目すると、磁性体86,87が存在する場合と存在しな
い場合でその特性は異なるから、電気角と各相に流れる
電流との関係は、磁性体86,89の存在しない180
度(0〜π)と、磁性体86,89の存在する180度
(π〜2π)とで異なったものとなっている。
【0047】また、第1実施例では、所定の相電流がゼ
ロクロスするときに計測用電圧を印加したが、電気角θ
を求めるときには電気角θは任意であって駆動電流が流
れている。従って、計測用電圧を印加したときの電流値
は駆動電流の影響を受けて減衰してしまうため、この電
流値の減衰量を補正する必要がある。このような減衰量
と駆動用電流との関係は、予め計測することができる。
本実施例で用いた三相同期モータ40の場合の一例を、
図14に示した。従って、各相の駆動電流が分かればこ
のグラフから減衰量を知ることができ、求められた減衰
量を各相電流Iu,Iv,Iwに加えれば本来のU相電
流Iu(t),V相電流Iv(t),W相電流Iw
(t)を求めることができる。メモリ122が備える既
述したテーブル122Cには、各相の駆動用電流から減
衰量を求めるこのグラフが記憶されている。
【0048】以上概説した第2実施例のモータ制御装置
10Aの動作について、図15に示したサーミスタ状態
及び電気角検出処理ルーチンに即して説明する。このサ
ーミスタ状態及び電気角検出処理ルーチンは、既述した
ように、CPU120によって実行され、モータ制御装
置10Aの始動時に、所定の抵抗値R0を基に求めた電
気角θに従って駆動用電流が三相同期モータ40に流さ
れるときから、16msecごとに一回ずつ起動され
る。
【0049】図15に示した処理が起動されると、CP
U120は、まず図9に示したサーミスタ状態検出処理
ルーチンと同様の処理を実行する(ステップS20
0)。この、サーミスタ状態及び電気角検出処理ルーチ
ンのサブルーチンとして実行されるサーミスタ状態検出
処理ルーチンでは、ステップS110において、最先の
処理で検出された電気角θの値が読み込まれる。すなわ
ち、モータ制御装置10Aの始動時に最初に実行される
ときには、始動時に検出された電気角θの値が読み込ま
れ、その後は、前回実行されたサーミスタ及び電気角検
出処理ルーチンの後半部で検出された電気角θの値が読
み込まれる。また、ステップS120においてU相に電
圧を印加するときには、ステップS110で読み込んだ
電気角θの値とその間のモータ電流制御回路100の出
力状態とを基に、U相電流がゼロクロスするタイミング
を判断して、このとき計測用電圧E1を印加する。
【0050】ステップS170においてサーミスタ80
が異常であると判断されたときには、既述したように、
ステップS180の異常時処理ルーチンに移行して異常
に対応数動作が行われる。サーミスタ80が異常でない
と判断されたときには、ステップS210以下の電気角
を検出する処理に移行する。
【0051】まず、U相における現在の電流値Tu2を
測定し(ステップS210)、次に、U−VW相間に所
定の計測電圧E1をステップ関数的に加える(ステップ
S215)。駆動用の電圧の他に計測用の電圧を加える
ことで、U−VW相間に流れる電流は変化する。そこ
で、計測用電圧の印加の終了のタイミングで、その時点
でのU相の電流値Iu3を測定し(ステップS22
0)、計測用電圧の印加の前後における変化幅ΔIuを
演算する処理を行う(ステップS225)。この後、同
様にV相、W相についても、計測開始時の電流値Iv
2,Iw2の測定(ステップS230,S250)、計
測用電圧の印加(ステップS235,S255)および
その後の電流値Iv3,Iw3の測定(ステップS24
0,S260)を行い、それぞれの変化幅ΔIv,ΔI
wを演算する処理を行う(ステップS245,S26
5)。なお、上述したように少なくとも二相分のインダ
クタンスを求めることができれば電気角は演算できるの
で、例えば、ステップS250〜ステップS265にお
けるW相の計測は省略しても良い。
【0052】これらの変化幅ΔIu,ΔIv,ΔIwに
ついては、上述したように、駆動用の電流が流れている
ときに計測されたものであり、本来の変化幅よりも減衰
している。従って、これを補正すべく、計測開始時の電
流値Iu2,Iv2,Iw2に基づいて、CPU120
はメモリ122におけるテーブル122Cを参照し、そ
れぞれの電流値に応じた減衰量を読み出し、これを各変
化幅ΔIu,ΔIV,ΔIwに加える補正を行うことに
より、駆動用電流の影響を除いた各相電流値Iu,I
v,Iwを求める(ステップS270)。
【0053】その後、CPU120は、減衰量の補正を
行って求めた各相電流値から電気角を求める処理を行う
(ステップS280)。この処理は、原理的には、以下
の手順で行われる。まず、補正された電流値からインダ
クタンスLu,Lv,Lwを演算により、あるいは予め
記憶したテーブルを参照することにより求めるととも
に、メモリ122におけるテーブル122Dを参照し、
三つのインダクタンスLu,Lv,Lwから対応する電
気角θを求める。このとき、テーブル内にデータとして
記憶されている各相のインダクタンスLu0,Lv0,
Lw0と演算にて求められた三つのインダクタンスL
u,Lv,Lwとを比較してそれらの差の合計がもっと
も小さいところの電気角θ0を読み出す。なお、一つの
データが計測不良であることも考えられるので、一つの
データを予備として扱うことも現実的である。例えば、
テーブル内の二つのインダクタンスLu0,Lv0と演
算された二つのインダクタンスLu,Lvとを比較し、
それらの差の合計が所定値以下となれば電気角θを読み
出すものの、所定値以下とならない場合には、テーブル
内の二つのインダクタンスLu0,Lw0と演算された
二つのインダクタンスLu,Lwとを比較するというよ
うに組み合わせを変えるようにしても良い。
【0054】本来であれば、このように各相電流から一
旦インダクタンスを求めてから電気角を求めることにな
るが、インダクタンスは電流値から演算されるのである
から、本実施例では、電流値からインダクタンスを演算
する作業を省き、電流値から電気角を直に参照するテー
ブル122Dをメモリ122に記憶させている。従っ
て、補正された電流値Iu,Iv,Iwとテーブル内の
Iu0,Iv0,Iw0とを比較して電気角を求め(ス
テップS280)、本ルーチンを終了する。
【0055】第2実施例のサーミスタ状態検出装置によ
れば、第1実施例における効果に加えて、電気角θを検
出するために角度検出器142を別途設ける必要が無い
という効果を奏する。すなわち、サーミスタ80の状態
を検出するための構成と電気角を検出するための構成と
を共有させ、両方の処理で互いにデータを交換する構成
とすることによって、モータ制御装置10A全体の構成
を簡略化する事ができる。
【0056】また、上記第2実施例では、サーミスタの
状態の検出と電気角の検出とを一緒に行うサーミスタ状
態及び電気角検出処理ルーチンを実行することとした
が、サーミスタの状態の検出と電気角の検出とをそれぞ
れ別々のプログラムによって実行することとしてもよ
い。このような場合には、サーミスタの状態を検出する
プログラムと電気角の検出を行うプログラムとは異なる
間隔で実行してもよく、各プログラムは他方のプログラ
ムが実行した最新のデータを入力する構成とすればよ
い。
【0057】以上本発明の実施例について説明したが、
本発明はこうした実施例に何等限定されるものではな
く、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々なる
様態で実施し得ることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例におけるモータ制御装置1
0の概略構成を示すブロック図である。
【図2】実施例の固定子30を組み込んだ三相同期モー
タ40の構造を示す断面図である。
【図3】実施例で用いた三相同期モータ40の固定子3
0と回転子50との関係を示す端面図である。
【図4】実施例における三相同期モータ40の等価回路
を示す説明図である。
【図5】所定電圧の印加中の電流の挙動からインダクタ
ンスを求める手法を例示する説明図である。
【図6】モータの相電圧と印加する電圧E1との関係を
示す説明図である。
【図7】電気角θと巻線のインダクタンスLとの関係を
示すグラフである。
【図8】モータコイルにおける抵抗−温度特性の1例を
示すグラフである。
【図9】第1実施例におけるサーミスタ状態検出処理ル
ーチンを示すフローチャートである。
【図10】U−VW間に電圧E1を印加した場合のU相
電流Iu(t)の過渡応答を示すグラフである。
【図11】第2実施例におけるモータ制御装置10Aの
概略構成を示すブロック図である。
【図12】巻線のインダクタンスと電気角θとの関係を
示すグラフである。
【図13】三相同期モータ40のロータとステータとの
関係を直線上に展開して示す説明図である。
【図14】第2実施例におけるメモリ122内のテーブ
ル122Cとして記憶した駆動電流と減衰量との関係を
示すグラフである。
【図15】第2実施例におけるサーミスタ状態及び電気
角検出処理ルーチンを示すフローチャートである。
【符号の説明】
10,10A…モータ制御装置 20…ステータ 22…ティース 24…スロット 30…固定子 32…固定子コイル 34…ボルト 40…三相同期モータ 50…回転子 51〜54…永久磁石 55…回転軸 57…ロータ 60…ケース 61,62…軸受 71〜74…突極 80…サーミスタ 86〜89…磁性体 100…モータ電流制御回路 102,104,106…電流検出器 110…トルク換算器 112…ADC 120…CPU 122…メモリ 122A,122B,122C,122D…テーブル 130…電圧印加部 140…温度計測装置 142…角度検出器 150…電源装置 152…インバータ
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−178573(JP,A) 特開 昭63−314127(JP,A) 特開 昭51−53879(JP,A) 特開 平1−152989(JP,A) 実開 平5−28946(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01K 7/00 G01K 7/24 G01K 13/08 H02P 5/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 モータのコイル温度を測定するために設
    けたサーミスタの状態を検出するサーミスタ状態検出装
    置であって、 前記モータの電気角を検出する角度検出器と、 前記モータのコイルに対して計測用の電圧を印加し、こ
    の時に前記コイルに流れる電流の挙動を検出する電流挙
    動検出手段と、 該電流挙動検出手段が検出した電流の挙動と、前記角度
    検出器が検出した電気角とから、前記コイルの抵抗値を
    算出するコイル抵抗算出手段と、 前記コイル抵抗算出手段により算出された前記コイルの
    抵抗値を基に、前記コイルの温度を推定するコイル温度
    推定手段と、 前記コイル温度推定手段が推定した前記コイルの温度
    と、前記サーミスタが測定した前記コイル温度とを比較
    して、前記サーミスタの状態を判定するサーミスタ状態
    判定手段とを備えたサーミスタ状態検出装置。
  2. 【請求項2】 前記電流挙動検出手段は、前記コイルに
    おける相電圧が0になるときに前記計測用の電圧を前記
    コイルに印加して、前記コイルに流れる電流の挙動を検
    出する請求項1記載のサーミスタ状態検出装置。
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