JP3213550B2 - チェーンドライブ用ガイドのプレートベース - Google Patents

チェーンドライブ用ガイドのプレートベース

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JP3213550B2
JP3213550B2 JP24473996A JP24473996A JP3213550B2 JP 3213550 B2 JP3213550 B2 JP 3213550B2 JP 24473996 A JP24473996 A JP 24473996A JP 24473996 A JP24473996 A JP 24473996A JP 3213550 B2 JP3213550 B2 JP 3213550B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、チェーンドライブ
用ガイドのプレートベースに関する。
【０００２】
【従来の技術】従来、エンジンのクランクシャフトの回
転をカムシャフトに伝達するために用いられているチェ
ーンドライブは、図６に示すように、クランクシャフト
１１に固定された駆動スプロケット１２とカムシャフト
１３，１４にそれぞれ固定された従動スプロケット１
５，１６との間にチェーン１７が掛け渡されている。そ
して、駆動スプロケット１２と従動スプロケット１５と
の間のチェーン１７の外周に沿って、エンジン側に固定
された支軸１８回りに揺動自在に支持されて、テンショ
ナ１９でチェーン１７側に付勢されているテンショナレ
バー２０が配置され、前記テンショナレバー２０のシュ
ー２１がチェーン１７を側方から押圧してその弛みと走
行中の振れを防止している。
【０００３】また、駆動スプロケット１２と従動スプロ
ケット１６との間のチェーン１７の外周に沿って、チェ
ーン１７の走行中の振れを防止するためのチェーンガイ
ド２２が配置されている。
【０００４】前記チェーンガイド２２は、チェーン１７
と摺接するシュー２３と前記シュー２３が取り付けられ
ているプレートベース２４から構成されており、プレー
トベース２４は、その長手方向の２カ所に設けられてい
る取付座２５，２６によってエンジン側の取付面に固定
されている。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】前述したチェーンガイ
ドのプレートベースを製造する工程においては、金属板
素材からのプレートベース外形輪郭打抜後にこれらの２
つの取付座を折り曲げ加工しているが、図６のように、
プレートベースの長手方向に対して２つの取付座を互い
に反対側へ折り曲げている場合、一方の取付座の折曲部
の両側縁ではプレートベース外形輪郭打抜加工時に生じ
たせん断面側が折り曲げ方向外側となるが、他方の取付
座の折曲部の両側縁ではプレートベース外形輪郭打抜加
工時に生じた破断面側が折り曲げ方向外側となるため、
破断面に含まれている微少なクラックが原因となって、
取付座の折り曲げ加工の際に、折り曲げ方向外側にクラ
ックを生じることがあった。
【０００６】また、チェーンガイドをエンジン内部の狭
いスペースに組み込むために、図７に示すように、取付
座２５（２６）の底面からプレートベース２４のシュー
支持部２４Ａの底縁２４Ｂまでの高さｈを低くすると、
取付座２５，２６を折り曲げ加工する際に折り曲げ方向
内側の逃げが無くなり、折曲部にクラックの発生や精度
低下を生じる問題があった。
【０００７】一方、前記逃げを確保するために、図８に
示すように取付座２５’（２６’）の幅方向両端縁から
プレートベース２４’のシュー支持部２４’Ａ側へスリ
ット状の逃げ部Ｇを切欠形成した後、曲げ加工を行って
この問題を回避したものが提案されているが、シュー支
持部２４’側に入り込んでいる逃げ部Ｇに応力集中が生
じ易く、プレートベース２４’の強度が低下し、実用上
問題があった。
【０００８】そこで、本発明の目的は、前述したような
従来技術の問題を解決し、プレートベース長手方向に対
してお互いに反対側に折り曲げられた二つの取付座を有
するプレートベースにおいて、金属板素材からのプレー
トベース外形輪郭打抜加工時に生じた破断面側が折り曲
げ方向外側となる折曲部の両側縁に折り曲げ加工時にク
ラックを生じる恐れがなく、また、折曲部の精度と強度
を低下させることなく、取付座をコンパクトに製作する
ことができるチェーンドライブ用ガイドのプレートベー
スを提供することである。
【０００９】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、請求項１に記載した発明のチェーンドライブ用ガイ
ドのプレートベースは、チェーンに摺接するシューが取
り付けられるシュー支持部と、前記シュー支持部の底縁
に前記底縁と平行した折曲部を介して側方に連接された
二つの取付座を有するプレートベースにおいて、前記プ
レートベースの長手方向に対してお互いに反対側に折り
曲げられた前記二つの取付座の一方は金属板素材からの
プレートベース外形輪郭打抜加工時に生じたせん断面側
が折り曲げ方向外側となるように折り曲げられており、
前記取付座の他方は金属板素材からのプレートベース外
形輪郭打抜加工時に生じた破断面側が折り曲げ方向外側
となる折曲部の両側縁に、折り曲げ方向外側にせん断面
を生じる２次打抜加工を前記折曲部を形成する折り曲げ
加工前に施したものである。
【００１０】また、請求項２に記載した発明のチェーン
ドライブ用ガイドのプレートベースは、チェーンに摺接
するシューが取り付けられるシュー支持部と、前記シュ
ー支持部の底縁に前記底縁と平行した折曲部を介して側
方に連接された二つの取付座を有するプレートベースに
おいて、前記プレートベースの長手方向に対してお互い
に反対側に折り曲げられた前記二つの取付座の一方は金
属板素材からのプレートベース外形輪郭打抜加工時に生
じたせん断面側が折り曲げ方向外側となるように折り曲
げられており、前記取付座の他方は金属板素材からのプ
レートベース外形輪郭打抜加工時に生じた破断面側が折
り曲げ方向外側となる折曲部の両側縁から内側へ向けて
切り欠いた略半円弧状ないしＵ字状の逃げ部が、折り曲
げ方向外側にせん断面を生じる２次打抜加工によって前
記折曲部を形成する折り曲げ加工前に形成されているも
のである。
【００１１】
【作用】請求項１に記載した発明によれば、プレートベ
ース長手方向に対してお互いに反対側に折り曲げられた
二つの取付座の他方は、金属板素材からのプレートベー
ス外形輪郭打抜加工時に生じた破断面側が折り曲げ方向
外側となる折曲部の両側縁に、折り曲げ方向外側にせん
断面を生じる２次打抜加工を前記折曲部を形成する折り
曲げ加工前に施したことによって、プレートベース外形
輪郭打抜加工時に生じた破断面側が折り曲げ方向外側と
なる折曲部の両側縁は、その折り曲げ方向外側が滑らか
なせん断面となるため、折り曲げ加工時に折り曲げ半径
を小さくしてもクラックの発生がない。
【００１２】また、請求項２に記載した発明によれば、
プレートベース長手方向に対してお互いに反対側に折り
曲げられた二つの取付座の他方は、金属板素材からのプ
レートベース外形輪郭打抜加工時に生じた破断面側が折
り曲げ方向外側となる折曲部の両側縁から内側へ向けて
切り欠いた略半円弧状ないしＵ字状の逃げ部が折り曲げ
方向外側にせん断面を生じる２次打抜加工によって前記
折曲部を形成する折り曲げ加工前に形成されているた
め、前記逃げ部が折り曲げ方向外側にせん断面を生じる
ことになるので、折り曲げ加工時に折り曲げ半径を小さ
くしても折曲部への応力集中によるクラックの発生や精
度の低下がなく、また、逃げ部を形成したことによるプ
レートベースのシュー支持部の強度の低下を生じない。
【００１３】
【実施例】以下、図面に基づいて本発明の実施例を説明
する。図１は本発明の一実施例を示すチェーンドライブ
用ガイドプレートプレートベースの平面図、図２は側面
図である。プレートベース１は、図示していないシュー
が装着されるシュー支持部２と、前記シュー支持部２と
一体に打ち抜き形成されてシュー支持部２の底縁２Ａに
平行した折曲部を介して側方に連接された取付座３，４
とを有している。それぞれの取付座３，４は、エンジン
側に固定するためのボルト孔５，６を有しており、シュ
ー支持部２を挟んで互いに反対向きに折り曲げられてい
る。
【００１４】図３は、図１のＡ−Ａ線位置における矢印
方向から一方の取付座３を見た図であって、折曲部７の
幅方向両側側縁には折り曲げ方向外側にせん断面Ｓが位
置し、内側に破断面Ｂが位置している。前記せん断面Ｓ
及び破断面Ｂは、金属板素材からプレートベース１の外
形輪郭を打ち抜き加工された際に生じたものであって、
取付座３は前記打ち抜き加工に続いて直ちに折曲部７を
折り曲げ加工しても、折り曲げ加工時に引張り応力が作
用する折り曲げ方向外側の表面が平滑なせん断面Ｓとな
っているため、ここからクラックが発生する問題は生じ
ない。
【００１５】一方、図４は、図１のＢ−Ｂ線位置におけ
る矢印方向から他方の取付座４を見た図であって、取付
座４の側縁４Ａには折曲部８の折り曲げ方向外側に破断
面Ｂが形成され、内側にせん断面Ｓが形成されている
が、折曲部８の両側縁を形成している逃げ部９だけは、
前述した取付座３の折曲部７と同様に、折り曲げ方向外
側にせん断面Ｓが形成され、内側に破断面Ｂが形成され
ている。
【００１６】図５は、前記折曲部８を形成する工程を示
したものであって、同図（Ａ）は、金属板素材からプレ
ートベース１の外形輪郭を打ち抜き加工した直後の状態
を示す部分図である。前記打ち抜き加工直後では取付座
４は展開された状態であり、取付座の側縁４Ａに形成さ
れているせん断面Ｓと破断面Ｂは、そのまま折曲部８と
なる位置の幅方向両側縁８Ａにも連続して形成されてい
る。
【００１７】ところで、このまま折曲部８となる位置で
取付座を折り曲げ加工すると、前記折曲部８となる位置
の幅方向両側縁８Ａでは、図４における折り曲げ方向外
側に破断面Ｂが位置することになるため、破断面Ｂに存
在している微細なクラックが大きなクラックに発展する
恐れがある。
【００１８】そこで、図５（Ｂ）のように、折曲部８と
なる位置の幅方向両側縁に取付座４の側縁４Ａとはせん
断面と破断面とが逆向きに形成される２次打抜加工を行
って、略半円弧状ないしＵ字状の一対の逃げ部９を加工
し、その後、図５（Ｃ）のように、シュー支持部２が取
付座４と直角になるように折曲部８を折り曲げ加工によ
って形成する。
【００１９】この際、折曲部８の幅方向両側縁に作用す
る応力が逃げ部９によって分散されてクラックの発生が
防止されるとともに、折曲部８をシュー支持部２の底縁
２Ａに可及的に接近させた位置での折り曲げ加工が容易
になる。なお、前述した実施例では、取付座４の折曲部
８の両側縁にのみ逃げ部９を加工しているが、図３に示
す取付座３の折曲部７の両側縁にも折り曲げ加工時の応
力集中を防止し、且つ、折り曲げ加工を容易にするため
に折曲部８と同様な逃げ部を加工してもよい。
【００２０】また、前記実施例のものと比較して少々性
能は低下するが、金属板素材からプレートベース外形輪
郭打抜加工時に生じた破断面側が折り曲げ方向外側とな
る折曲部の両側縁に、折り曲げ方向外側にせん断面を生
じる２次打抜加工が施されていれば、前述したような形
状の逃げ部を有していなくても折り曲げ加工時のクラッ
クの発生を生じ難くすることができる。これは、例えば
折曲部の両側縁と取付座の外形輪郭を２次打抜加工で同
時に形成するような場合である。
【００２１】
【発明の効果】以上に説明したように、請求項１に記載
の発明によれば、プレートベース長手方向に対してお互
いに反対側に折り曲げられた二つの取付座の他方は、金
属板素材からのプレートベース外形輪郭打抜加工時に生
じた破断面側が折り曲げ方向外側となる折曲部の両側縁
に、折り曲げ方向外側にせん断面を生じる２次打抜加工
を前記折曲部を形成する折り曲げ加工前に施しているこ
とによって、プレートベース外形輪郭打抜加工時に生じ
た破断面側が折り曲げ方向外側となる折曲部の両側縁は
その折り曲げ方向外側が滑らかなせん断面となる。した
がって、折り曲げ加工時に折曲部の両側縁にクラックが
生じることを防止できるので、エンジン内の狭い取付ス
ペース等に対応できるように取付座の折り曲げ方向を自
由に選択することができ、また、前記折曲部の折り曲げ
半径を小さくできるので、プレートベースの取付座をコ
ンパクトに製作することができる。
【００２２】また、請求項２に記載の発明によれば、プ
レートベース長手方向に対してお互いに反対側に折り曲
げられた二つの取付座の他方は、金属板素材からのプレ
ートベース外形輪郭打抜加工時に生じた破断面側が折り
曲げ方向外側となる折曲部の両側縁から内側へ向けて切
り欠いた略半円弧状ないしＵ字状の逃げ部が、折り曲げ
方向外側にせん断面を生じる２次打抜加工によって前記
折曲部を形成する折り曲げ加工前に形成されているた
め、前記逃げ部が折り曲げ方向外側にせん断面を生じる
ことになる。したがって、折り曲げ加工時に折り曲げ半
径を小さくしても折曲部の両側縁への応力集中によるク
ラックの発生や精度の低下がないとともに、逃げ部を切
欠形成したことによるプレートベースのシュー支持部の
強度を低下させることもなく、また、折曲部をシュー支
持部底縁に可及的に接近して設けることができるので、
エンジン内の狭い取付スペース等に対応できるように取
付座の曲げ方向を自由に選択することができ、また、前
記折曲部の曲げ半径を小さくできるので、取付座をコン
パクトに製作することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】 本発明のチェーンドライブ用ガイドのプレー
トベースの一実施例を示す平面図である。
【図２】 本発明のチェーンドライブ用ガイドのプレー
トベースの一実施例を示す側面図である。
【図３】 図１のＡ−Ａ線位置における矢印方向から一
方の取付座を見た図である。
【図４】 図１のＢ−Ｂ線位置における矢印方向から他
方の取付座を見た図である。
【図５】 本発明のチェーンドライブ用ガイドのプレー
トベースの製造工程を示す図であって、（Ａ）は、金属
板素材からの外形打抜加工直後の状態、（Ｂ）は、２次
打抜加工直後の状態、（Ｃ）は、折り曲げ加工を完了し
た状態をそれぞれ示す。
【図６】 従来のチェーンガイドが使用されているチェ
ーンドライブの一例を示す平面図である。
【図７】 従来のプレートベースの折曲部の一例を示す
部分側面図である。
【図８】 従来のプレートベースの折曲部の他の例を示
す部分側面図である。
【符号の説明】
１ プレートベース ２ シュー支持部 ２Ａ 底縁 ３，４ 取付座 ４Ａ 側縁 ５，６ ボルト孔 ７，８ 折曲部 ９ 逃げ部 Ｓ せん断面 Ｂ 破断面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名) F16H 7/18 F02B 67/06

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 チェーンに摺接するシューが取り付けら
    れるシュー支持部と、前記シュー支持部の底縁に前記底
    縁と平行した折曲部を介して側方に連接された二つの取
    付座を有するプレートベースにおいて、 前記プレートベースの長手方向に対してお互いに反対側
    に折り曲げられた前記二つの取付座の一方は、金属板素
    材からのプレートベース外形輪郭打抜加工時に生じたせ
    ん断面側が折り曲げ方向外側となるように折り曲げられ
    ており、 前記取付座の他方は、金属板素材からのプレートベース
    外形輪郭打抜加工時に生じた破断面側が折り曲げ方向外
    側となる折曲部の両側縁に、折り曲げ方向外側にせん断
    面を生じる２次打抜加工が前記折曲部を形成する折り曲
    げ加工前に施されていることを特徴とするチェーンドラ
    イブ用ガイドのプレートベース。
  2. 【請求項２】 チェーンに摺接するシューが取り付けら
    れるシュー支持部と、前記シュー支持部の底縁に前記底
    縁と平行した折曲部を介して側方に連接された二つの取
    付座を有するプレートベースにおいて、 前記プレートベースの長手方向に対してお互いに反対側
    に折り曲げられた前記二つの取付座の一方は、金属板素
    材からのプレートベース外形輪郭打抜加工時に生じたせ
    ん断面側が折り曲げ方向外側となるように折り曲げられ
    ており、 前記取付座の他方は、金属板素材からのプレートベース
    外形輪郭打抜加工時に生じた破断面側が折り曲げ方向外
    側となる折曲部の両側縁から内側へ向けて切り欠いた略
    半円弧状ないしＵ字状の逃げ部が、折り曲げ方向外側に
    せん断面を生じる２次打抜加工によって、前記折曲部を
    形成する折り曲げ加工前に形成されていることを特徴と
    するチェーンドライブ用ガイドのプレートベース。
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