JPH0123260Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 (イ) 産業上の利用分野 本考案は、枝打機におけるチエンソーの逃げ防
止構造に関する。

(ロ) 従来の技術 第１図、第２図に示すように、木の幹１を周囲
から抱囲する主枠体２と副枠体３にそれぞれ適当
数の駆動輪４…と遊動輪５…を装着し、駆動輪４
…をエンジン１０の動力伝達により駆動して幹１
を登る一方、上方へ起立して装備した幹１との間
隙を調整する位置決め体８…を取付けたチエンソ
ーバー７によつて案内されるチエンソー６を幹に
対して螺旋状に回動させ、途中の枝９…を切断す
る自昇型の枝打機が従来から知られている。

(ハ) 考案が解決しようとする課題 ところで、この種の枝打機で枝９…を切断する
際、第３図に示すように、機体は幹１の外周に沿
つて螺旋状に回転イしているのに対し、チエンソ
ー６は接線方向ロに進行しようとすることから、
チエンソー６がこれを案内しているチエンソーバ
ー７から幹１とは反対側（外方）傾倒して逃げ、
枝９…は幹１に沿つて低く切断されないばかり
か、切断を強要されたチエンソーバーはねじれ、
幹１へ食い込みエンストを起す原因ともなつてい
た。また、一度荒切り切断した後の残枝を切断す
る際にはその荒切り切断面上にチエンソー６が逃
げて乗り上げ、仕上げ切断ができない上、エンス
トを原因ともなつていた。

そこで、本考案は、従来のものが有していた上
記問題点の解消を目的として実施したものであ
る。

(ニ) 課題を解決するための手段 すなわち、本考案は、駆動輪と遊動輪とで幹を
抱持し、駆動輪を駆動して幹の周囲を螺旋状に登
り、その登り過程にあつて、上方へ起立して装備
したチエンソーにより枝を切断する自昇型の枝打
機において、前記チエンソーのドライブプレート
をチエンソーバーの外周に装設したガイド溝に陥
入させて掛張し、チエンソーバーの幹側内側面に
は、幹とチエンソーとの隙間を調整する位置決め
体を設置するとともに、チエンソーバーの外側面
には、ソープレートの外側幅内で、且つ、ジヨイ
ントプレートの直外側に位置する逃げ防止プレー
トを装設したことを特徴とするものである。

(ホ) 作用及び考案の効果 本考案が適用された枝打機にあつては、チエン
ソーと幹との間隙が位置決め体で適正に保たれる
状態のもとで、ドライブプレートのガイド溝への
嵌入と、チエンソーバー外側の逃げ防止プレート
による逃げ防止作用とによつてチエンソーが的確
にガイドされながら作動するので、チエンソーが
外方に傾倒して逃げるようなことがなくなり、幹
の外周に沿つて低く、且つ、無理なく円滑に切断
できる上、チエンソーの脱線や偏摩耗がなくなる
のである。

しかして、逃げ防止プレートが、ソープレート
の外側幅内でジヨイントプレートの直外側に位置
するように設けられ、チエンソーで切断される枝
の切込口外側の切断枝部に干渉することがなくて
チエンソーとともにスムーズに切込口に入り、切
断時チエンソーのジヨイント部を保護し、切粉を
スムーズに外方へ導くことができるとともに、ジ
ヨイントプレートと逃げ防止プレートとの隙間が
極小となり、このためチエンソーに注油した潤滑
油を良好に保持できて潤滑効果が向上する。

(ヘ) 実施例 次に実施例について図面を参照して説明する。

第４図は、本考案に係る枝打機におけるチエン
ソー逃げ防止構造の実施例を示す正面図、第５図
は第４図のＡ−Ａ線における断面図である。

図示のチエンソー逃げ防止構造は、無端状のチ
エンソー６を、エンジン１０動力が伝達されるス
プロケツト１１と、ミツシヨンケース１２等へ上
方起立状に適宜装着されるチエンソーバー７に巻
回張設してなるものにおいて、チエンソーバー７
の外側面（幹１の反対側々面）に枝打時のチエン
ソー６の外方への逃げを防止する逃げ防止プレー
ト１３を取り付けて構成されるものである。

そして、この逃げ防止プレート１３は、幹１側
とは反対側のソープレート６ａの外側幅内で、か
つ、ジヨイントプレート６ｃの直外側に位置する
ように、上記チエンソーバー７に設けられる。

チエンソー６は、複数のドライブプレート６ｂ
がジヨイントプレート６ｃ…を介してピン６ｄ…
で無端状に軸着され、これらのピン６ｄ…に適宜
ピツチでソープレート６ａ…内外側交互に係着さ
れている。

チエンソーバー７は、扁平な枝状体を正面視概
略長円状に形成し、その下端に前記スプロケツト
１１を同一平面上に接近配置し得るように一部欠
円部７ａが形成されるとともに、この欠円部７ａ
を除く周側面上中途部に前記チエンソー６のドラ
イブプレート６ｂ…下方へ嵌合して案内する断面
凹状のガイド溝７ｂが連続状に刻設されている。

したがつて、エンジン１０の動力と連動してス
プロケツト１１が回転し、これによつてチエンソ
ー６はガイド溝７ｂに沿つて作動することとな
る。

なお、チエンソーバー７は、２枚板の張り合わ
せ構造としてもよい。

逃げ防止プレート１３は、扁平な板状からなる
正面視概略四角形状のもので、その一辺である端
縁（チエンソーバー７の前方側周側面が緩やかに
彎曲していれば、略々同様に彎曲していることが
好ましい）が枝打ち時の機体進行方向であるチエ
ンソー６前方側つまり切断側のソープレート６ａ
…折曲部近傍位置にくるよう適当数の締付具１４
…でチエンソーバー７外側面に取付けられるもの
である。

これにより、逃げ防止プレート１３はチエンソ
ーバー７から一定幅前方側に突出することにな
り、第５図において、枝９切断時、チエンソー６
のジヨイントプレート６ｃが、この逃げ防止プレ
ート１３に接当するため、チエンソー６の外方へ
の傾倒は防止される。

もつとも、欠円部７ａを除く周側面から一定幅
突出するような形状の逃げ防止プレート１３にし
てもよい。また、チエンソーバー７と逃げ防止プ
レート１３をこのように別体とせず両者を一体に
形成してもよいものである。

一方、チエンソーバー７の内側面（幹１側）
に、幹１とチエンソー６の隙間を調整する椀形
状、扁平状等の位置決め体８…が前記締付具１４
…で、あるいは独自のもので取付けられている。

この場合、締付具１４…が位置決め体８…幹１
側面から突出しないよう滑らかにすることが好ま
しい。なお、位置決め体８が扁平なもので、その
大きさをチエンソーバー７内側面と略々同等な大
きさのものにしても差し支えない。

【図面の簡単な説明】

第１図は自昇型枝打機を示す正面図、第２図は
同平面図、第３図は従来のチエンソーとチエンソ
ーバーの関係を示す要部拡大断面図、第４図は本
考案に係る枝打機におけるチエンソー逃げ防止構
造を示す要部正面図、第５図は第４図のＡ−Ａ線
における断面図である。 １……幹、４……駆動輪、５……遊動輪、６…
…チエンソー、６ａ……ソープレート、６ｂ……
ドライブプレート、６ｃ……ジヨイントプレー
ト、７……チエンソーバー、７ｂ……ガイド溝、
８……位置決め体、９……枝、１３……逃げ防止
プレート。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 駆動輪４…と遊動輪５…とで幹１を抱持し、駆
   動輪４…を駆動して幹１の周囲を螺旋状に登り、
   その登り過程にあつて、上方へ起立して装備した
   チエンソー６により枝９…を切断する自昇型の枝
   打機において、前記チエンソー６のドライブプレ
   ート６ｂ…をチエンソーバー７の外周面に刻設し
   たガイド溝７ｂに陥入させて掛張し、チエンソー
   バー７の幹側内側面には、幹とチエンソーとの隙
   間を調整する位置決め体８を設置するとともに、
   チエンソーバー７の外側面には、ソープレート６
   ａの外側幅内で、且つ、ジヨイントプレート６ｃ
   の直外側に位置する逃げ防止プレート１３を装設
   してあることを特徴とする枝打機におけるチエン
   ソーの逃げ防止構造。