JPS6312701Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、枝打機に装備されているチエンソ
ーにより切断された切断枝を機外へ好適に誘導す
る枝打機の切断枝誘導補助カバーに関するもので
ある。

従来より、駆動輪および遊動輪によつて木の幹
を周囲から抱持し、駆動輪を駆動して幹を登る一
方、上方へ起立して装備したチエンソーを幹に対
して螺旋状に回動させ、途中の枝を切断する自昇
型の枝打機は知られている。

ところが、この種枝打機によるとチエンソーが
むきだしであるため、危険である上、このような
チエンソーにより切断された枝は機の中に落下し
て機器を損傷させる等の不具合があつた。

そこで、この考案は、チエンソーを案内してい
るチエンソーバーに切断枝誘導補助カバーを取付
けることで、前記問題点に対処したものである。

以下、この考案の具体的な実施例を図面を参照
して説明する。

第１図は自昇型枝打機の一部破断正面図、第２
図は同枝打機の平面図であるが、この枝打機は、
木の幹１の外周に駆動輪２…を装着した弓状の主
フレーム３と、同じく遊動輪４…を装着した副フ
レーム５を互いに接近方向に付勢し、かつ回動可
能に連結装置６で連結するとともに、この連結装
置６と反対側においてスプリング７等で両フレー
ム３，５を引張り合うよう構成したものである。

またこの枝打機には、エンジン８が自装され、
この動力はチエンソー駆動用伝達ケース１０内に
おいて適宜変速され、同ケース１０に装着された
上部側駆動輪２，２間に上向して装備されたチエ
ンソー１１に伝達される他、走行用ミツシヨンケ
ース９内において適宜変速され前記駆動輪２…に
も伝達され、幹１に対して螺旋状に登るとともに
チエンソー１１で途中の枝１２を切断するもので
ある。

なお、チエンソー１１を含む両ケース９，１０
等は揺動支点０を中心に揺動自在に構成され、か
つこの揺動支点０は両ケース９，１０等の重心よ
り進行方向前側に設定してあるので、上行の際、
チエンソー１１はその慣性力、伝動反力によつて
幹１側に吸い寄せられ、チエンソー１１を案内し
ているチエンソーバー１３に装設された当て１４
によつて幹１との間の間隔が決められ、切断すべ
き枝１２の突出量を一定に保つのであり、下行の
際は同じく慣性力等によつてチエンソー１１は幹
１から離反するのである。またこの枝打機は一定
距離登ると上下行切換機構１５が働き、上下行切
換レバー１６を自動的に切換え、今度は駆動輪２
…を逆転させ同じく螺旋状に舞い降りるのであ
る。

ところで、この考案に係る切断枝誘導補助カバ
ー１７は、第３，４図に示すように板材を例えば
概略欠円錐形状のように切断枝を誘導する傾斜面
を有する形状に形成されるものがよく、そしてこ
の誘導傾斜面部１８の上端縁には、チエンソー１
１との干渉を回避するための逃げ１９が形成さ
れ、また下端縁には水平状に内方に向けて同一体
にて折曲もしくは別体の板材を固着してなる取付
底部２０が形成され、この取付底部２０が主フレ
ーム３の上部端縁位置より若干高く位置するよう
に、しかもこれと干渉しないように、チエンソー
バー１３基部側に適宜装設されるのである。これ
によりチエンソー１１、前述の両ケース９，１
０、エンジン８等とも一体的に揺動できるように
なるのである。

また前記補助カバー１７の誘導傾斜面部１８下
端縁が弓状の主フレーム３上部端縁位置上までく
るようにしても、あるいは実施例のように主フレ
ーム３上部端縁にこの補助カバー１７の取付底部
２０と干渉しないように平面視弓状の板状固定カ
バー２１を適宜固定して機内に切断枝が落下しな
いように補なつても良い。このように別体の固定
カバー２１を設けた場合には、補助カバー１７の
誘導傾斜面部１８の傾斜面を大きくできる等の利
点がでてくる。

なお、この補助カバー１７のチエンソーバー１
３基部側への装設の仕方は種々の装設手段が考え
られるが、一例を示すと第３図のように前記チエ
ンソー駆動用伝達ケース１０の上面に固定したＬ
字形片２２幹１側端面に平面視コ字形のチエンソ
ーバー固定片２３を固定し、この固定片２３にチ
エンソーバー１３に形成した長穴を利用して締結
具２４および平行移動調節具２５によつてチエン
ソーバー１３を固定支持するとともに、上方へ平
行移動調節可能に装着しこの平行移動調節具２５
に補助カバー１７の取付底部２０を固定してなる
ものが考えられる。

図中２６はチエンソー１１を駆動するスプロケ
ツトで、無端状のチエンソー１１はこのスプロケ
ツト２６とチエンソーバー１３間に巻回掛張され
る。

以上の構成からなるこの考案によると、チエン
ソー１１により切断された切断枝が機の中に落下
することがなくなり機器の保護が確実にできる。
また、この補助カバーには誘導傾斜面部１８が形
成されていることから、初断枝を好適に機外へ誘
導できる。さらにこの補助カバー１７がチエンソ
ーバー１３の基部側に装設され、この近傍のチエ
ンソー１１がカバーされているので安全である等
種々の優れた実用上の諸効果が期待できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は自昇型枝打機の一部破断正面図、第２
図は同枝打機の平面図、第３図はこの考案に係る
枝打機の切断枝誘導補助カバーを同枝打機に実施
した要部側断面図、第４図は同斜視図である。 符号、１……幹、２……駆動輪、４……遊動
輪、１１……チエンソー、１２……枝、１３……
チエンソーバー、１７……切断枝誘導補助カバ
ー、１８……誘導傾斜面部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 駆動輪２…および遊動輪４…によつて木の幹１
   を周囲から抱持し、前記駆動輪２…を駆動して前
   記幹１を登る一方、上方へ起立して装備したチエ
   ンソー１１を前記幹１に対して螺旋状に回動さ
   せ、途中の枝１２を切断する自昇型の枝打機にお
   いて、前記チエンソー１１を案内する、機体に装
   着されているチエンソーバー１３基部側に、切断
   枝を誘導する誘導傾斜面部１８が形成された切断
   枝誘導補助カバー１７を装設してなることを特徴
   とする枝打機の切断枝誘導補助カバー。