JP3213143B2 - レーダ装置 - Google Patents

レーダ装置

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JP3213143B2
JP3213143B2 JP27639693A JP27639693A JP3213143B2 JP 3213143 B2 JP3213143 B2 JP 3213143B2 JP 27639693 A JP27639693 A JP 27639693A JP 27639693 A JP27639693 A JP 27639693A JP 3213143 B2 JP3213143 B2 JP 3213143B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、対象物の位置を検出す
るレーダ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、例えば自動車においては、自己車
両の前方や後方に存在する他の車両等の対象物(障害
物)の自己車両に対する相対距離や、さらには方向を含
めた相対位置を自己車両に搭載したレーダ装置を用いて
検出し、これに応じた適正な車間距離の保持、制動等の
自動走行制御や、各種警報等を行うようにしたものが開
発されている。そして、この種のレーダ装置において
は、比較的システム構成を簡略なものとし易く、また、
自己車両に対して近距離に位置する対象物の検出が可能
である等の理由により、一般にFM−CWレーダ装置が
用いられている。
【0003】このFM−CWレーダ装置は、適当な周期
で周波数が増減するように変調せしめた電磁波ビームを
送波すると共に、その電磁波ビームの送波方向に存在す
る対象物からの反射波を該アンテナにより受波し、この
とき、レーダ装置内でその送波信号の一部と受波信号と
をミキシングしてなるビート信号の周波数が受波信号の
伝播遅延に起因して該電磁波ビームの送波方向における
対象物の相対距離に比例することを利用し、該ビート信
号の周波数を検出することにより、電磁波ビームの送波
方向における対象物までの相対距離を検出するものであ
る。
【0004】また、例えば自動車用のFM−CWレーダ
装置においては、一つのアンテナあるいは二つのアンテ
ナから、互いに隣接した異なる2方向に電磁波ビームを
時間差をおいて送波すると共に、両電磁波ビームの送波
方向に存在する他車等の対象物からの反射波を各電磁波
ビーム毎に受波し、それらの受波信号と送波信号とをそ
れぞれミキシングしてなるビート信号の周波数から対象
物の相対距離を検出すると共に、各電磁波ビームに対応
する前記反射波の受波レベル、すなわち、各電磁波ビー
ムの送波方向における対象物の相対距離に対応する周波
数のスペクトルレベルの和と差との比の値から対象物の
自己車両に対する方位を検出し、これにより、対象物の
自己車両に対する2次元的相対位置を検出するようにし
たものも知られている(例えば本願出願人による特開平
5−87914号公報参照)。
【0005】ところで、このようなFM−CWレーダ装
置において、一般に、前記ビート信号には、対象物から
の直接的な反射波の受波信号に対応する周波数成分(こ
れが対象物の相対距離に対応する)以外の周波数成分も
含まれる。また、電磁波ビームの送波方向に相対距離の
相違する複数の対象物が存在する場合には、これらの各
対象物の相対距離に対応する周波数成分が混在すること
となる。例えば電磁波ビームの送波方向に二つの対象物
が存在する場合において、前記ビート信号のスペクトル
分布(周波数分布)は、図3に仮想線で示すように、各
対象物の相対距離D1 ,D2 に対応する周波数f1 ,f
2 においてスペクトルレベルが極大値となるような山な
りの分布となる。
【0006】従って、前記ビート信号の周波数により対
象物の相対距離を検出するに際しては、該ビート信号を
周波数分析して、そのスペクトル分布を求め、該スペク
トル分布からスペクトルレベルが適当なレベル以上の極
大値となるような周波数を検出し、その検出した周波数
により対象物の相対距離を求めることが望ましい。この
ようにビート信号のスペクトル分布を求めれば、対象物
の相対距離に対応する周波数をスペクトル分布から比較
的精度よく検出することができると共に、また、電磁波
ビームの送波方向に複数の対象物が存在する場合であっ
ても、各々の対象物の相対距離を検出することができ
る。
【0007】一方、前記ビート信号の周波数分析は、複
数のバンドパスフィルタや、FFT(高速フーリエ変換
手法)等の演算処理手法を用いて行うことができるが、
いずれの手法においても、周波数方向に連続したスペク
トル分布を得ることはできず、これらの手法の周波数分
解能に対応する単位周波数間隔毎の離散的なスペクトル
分布しか得ることができない。すなわち、前記図3に実
線で示すように、前記ビート信号をFFT等により周波
数分析すると、単位周波数間隔Δf毎に離散的なスペク
トルデータが得られる。そして、このような離散的なス
ペクトルデータを基に、対象物の相対距離に対応する周
波数を検出する場合、単にスペクトルレベルが極大値と
なるようなスペクトルを検出するのが一般的である。し
かるに、対象物の本来の相対距離に対応する周波数が互
いに隣合うスペクルの間にあるような場合には、検出さ
れる周波数は対象物の本来の相対距離に対応する周波数
と相違し、従って、対象物の相対距離の検出精度が低下
してしまう。
【0008】このような不都合を解消するためには、ビ
ート信号の周波数分析における周波数分解能を高めて前
記単位周波数間隔を小さくすればよいが、このように周
波数分解能を高めると、前記ビート信号の必要なサンプ
リングデータ数が増大して、周波数分析のための処理時
間が長くなると共に、スペクトルデータも増大してスペ
クトルレベルが極大値となるようなスペクトルを検出す
るための処理時間も長くなり、従って、対象物の相対距
離を迅速に検出することができなくなってしまう。
【0009】また、対象物の相対距離と共に、その方位
をも検出する場合、従来は、前述したように二つの電磁
波ビームのそれぞれにおいて対象物の相対距離に対応し
て得られるスペクトルレベルの和と差との比により、該
対象物の方位を求めるようにしていたが、この種のもの
では、二つの電磁波ビームの指向性を高めれば、対象物
の相対位置の検出精度をある程度は高めることが可能で
あるものの、このようにすると、対象物の検出範囲が狭
まってしまう。逆に、電磁波ビームの指向性を低下させ
ると、対象物の相対位置の検出精度が大きく低下してし
まう。そして、対象物の移動等によって精度上の影響を
受けやすく、対象物の相対位置を精度よく検出すること
が困難なものであった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明はかかる背景に
鑑み、電磁波ビームの送波信号と対象物からの受波信号
とを混合してなるビート信号のスペクトル分布を求め、
該スペクトル分布から電気はビームの送波方向における
対象物の相対距離を検出する場合に、スペクトル分布の
周波数分解能を高めることなく該スペクトル分布から精
度よく対象物の相対距離を検出することができるレーダ
装置を提供することを目的とする。
【0011】また、送波方向を互いに隣接させて相違せ
しめた複数の電磁波ビームを用いて対象物の相対位置を
検出する場合に、該対象物の相対位置を精度よく検出す
ることができるレーダ装置を提供することを目的とす
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の態様は前
記の目的を達成するために、周波数を時間的に変調せし
めた電磁波を送波する送波手段と、該電磁波の送波方向
に存在する対象物からの反射波を受波する受波手段と、
該電磁波の送波信号の一部と該反射波の受波信号とを混
合して該対象物の相対距離に対応する周波数を有するビ
ート信号を生成するビート信号生成手段と、該ビート信
号を周波数分析して該ビート信号の所定の単位周波数間
隔毎のスペクトル分布を得る周波数分析手段と、該スペ
クトル分布からスペクトルレベルが所定のレベル以上の
極大値となる極大スペクトルの周波数を求める極大スペ
クトル検出手段と、該極大スペクトルの周波数の前後に
わたる所定の周波数幅内における前記スペクトル分布の
レベル重心の周波数を求めるレベル重心検出手段と、該
レベル重心の周波数を前記対象物の相対距離に対応する
周波数として該対象物の相対距離を求める距離検出手段
とを備えたことを特徴とする。
【0013】そして、前記レベル重心検出手段は、前記
極大スペクトルの周波数の前後にわたる所定の周波数幅
内における前記スペクトル分布の各スペクトルの周波数
に該スペクトルのレベルを乗算してなる値の総和を求
め、その求めた総和を該周波数幅内の各スペクトルのレ
ベルの総和で割り算することにより前記レベル重心の周
波数を求めることを特徴とする。
【0014】また、本発明の第2の態様は前記の目的を
達成するために、周波数を時間的に変調せしめた電磁波
ビームを互いに隣接する複数の方向に送波する送波手段
と、該電磁波ビームの送波方向に存在する対象物からの
反射波を各電磁波ビーム毎に受波する受波手段と、各電
磁波ビームの送波信号の一部とこれに対応する前記反射
波の受波信号とを混合して各電磁波ビームの送波方向に
おける前記対象物の相対距離に対応する周波数を有する
ビート信号を生成するビート信号生成手段と、各電磁波
ビームに対応する前記ビート信号を周波数分析して該ビ
ート信号のスペクトル分布を得る周波数分析手段と、各
ビート信号のスペクトル分布から前記対象物の各電磁波
ビームの送波方向における相対距離に対応するスペクト
ルの周波数を求める対象物周波数検出手段と、該対象物
周波数から各電磁波ビームの送波方向における前記対象
物の相対距離を求める距離検出手段と、該距離検出手段
により前記対象物の相対距離が求められた各電磁波ビー
ムについて該対象物の相対距離と該電磁波ビームの送波
方向との組に対応する前記対象物周波数のスペクトルレ
ベルの2次元的レベル重心の位置を求め、その求めた2
次元的レベル重心の位置を前記対象物の2次元的相対位
置として得るレベル重心検出手段とを備えたことを特徴
とする。
【0015】そして、前記レベル重心検出手段は、前記
対象物の相対距離が求められた各電磁波ビームについて
該電磁波ビーム毎の前記対象物の相対距離と該電磁波ビ
ームの送波方向とにより定まる位置の2次元的座標成分
に、該位置に対応する前記対象物周波数のスペクトルレ
ベルを乗算してなる値の総和を各座標成分について求
め、その求めた総和を各座標成分について該対象物周波
数のスペクトルレベルの総和で割り算することにより、
前記2次元的レベル重心の位置の座標成分を求めること
を特徴とする。
【0016】
【作用】本発明の第1の態様によれば、前記ビート信号
の単位周波数間隔毎の離散的なスペクトル分布における
前記極大スペクトルは、概ね、前記対象物の実際の相対
距離に対応する周波数の近傍領域に存在するが、該極大
スペクトルの周波数と前記対象物の実際の相対距離に対
応する周波数とが合致するとは限らない。これは、対象
物の実際の相対距離に対応する周波数は、仮に前記ビー
ト信号の周波数方向に連続したスペクトル分布が得られ
たとした場合において、その連続したスペクトル分布の
スペクトルレベルが極大値となるような周波数であるの
に対し、前記極大スペクトルは、ビート信号の単位周波
数間隔毎の離散的なスペクトル分布における極大スペク
トルの周波数であるからである。そして、前記極大スペ
クトルの周波数の前後にわたる前記所定の周波数幅内に
おける前記離散的なスペクトル分布のレベル重心の周波
数は、該周波数幅内において、スペクトルレベルが最大
値(極大値)となるような周波数を該周波数幅内の離散
的な各スペクトルを基に推測したものであり、これは一
般に対象物の実際の相対距離に対応する周波数に、より
近い値となる。従って、前記レベル重心の周波数を対象
物の相対距離に対応する周波数として該相対距離を求め
ることにより、求められる相対距離の精度を向上させる
ことが可能となる。
【0017】尚、前記レベル重心の周波数は、前記所定
の周波数幅内における前記スペクトル分布の各スペクト
ルの周波数に該スペクトルのレベルを乗算してなる値の
総和を求め、その求めた総和を該周波数幅内の各スペク
トルのレベルの総和で割り算することにより求めること
ができる。
【0018】次に、本発明の第2の態様によれば、前記
各電磁波ビームの送波方向における前記対象物の相対距
離に対応して各電磁波ビーム毎に得られる前記対象物周
波数のスペクトルレベルは、各電磁波ビームの対象物か
らの反射波のうち、前記受波手段により直接的に受波さ
れる反射波の受波レベルに相当し、一般に、電磁波ビー
ムの送波方向と対象物の方向とが合致したとき、その方
向における対象物の相対距離に対応する周波数で最大レ
ベルとなる。一方、前記対象物周波数のスペクトルレベ
ルは、該対象物周波数により求まる相対距離とその相対
距離を求めた電磁波ビームの送波方向とにより定まる2
次元的相対位置に対応し、従って、前記対象物周波数が
得られた各電磁波ビームについて、該対象物周波数のス
ペクトルレベルの2次元的レベル重心の位置を求めるこ
とができる。そして、該2次元的レベル重心は、受波手
段により直接的に受波される反射波の受波レベルに相当
するスペクトルレベルが最大となるような2次元的相対
位置を推測するものである。従って、前記2次元的レベ
ル重心の位置を前記対象物の相対位置として求めること
により、該対象物の相対位置を精度よく求めることがで
きる。
【0019】尚、前記2次元的レベル重心の位置は、前
記対象物の相対距離が求められた各電磁波ビームについ
て該電磁波ビーム毎の前記対象物の相対距離と該電磁波
ビームの送波方向とにより定まる位置の2次元的座標成
分に、該位置に対応する前記対象物周波数のスペクトル
レベルを乗算してなる値の総和を各座標成分について求
め、その求めた総和を各座標成分について該対象物周波
数のスペクトルレベルの総和で割り算することにより、
前記2次元的レベル重心の位置の座標成分を求めること
ができる。この場合、2次元座標は直交座標系及び極座
標系のいずれを用いてもよい。
【0020】
【実施例】本発明の第1の態様の一例を図1乃至図5を
参照して説明する。図1は本実施例のレーダ装置のシス
テム構成図、図2及び図3は図1のレーダ装置の作動を
説明するための線図、図4及び図5は図1のレーダ装置
の作動を説明するためのフローチャートである。
【0021】図1を参照して、本実施例のレーダ装置は
例えば自動車に搭載されたものであり、1は電磁波の送
波信号を生成する発振器、2は発振器1が生成する送波
信号の周波数を時間的に変調・制御する変調制御回路、
3は発振器1からアイソレータ4、方向性結合器5及び
サーキュレータ6を介して付与される送波信号に応じて
該送波信号と同一周波数の電磁波ビームBを所定の方向
に向かって送波し、また送波した電磁波ビームの反射波
を受波するアンテナ、7は方向性結合器5を介して分配
・入力される送波信号の一部とアンテナ3からサーキュ
レータ6を介して入力される受波信号とをミキシングし
て両信号の時間的周波数差に相当する周波数を有するビ
ート信号を生成するミキサー、8はミキサー7により生
成されたビート信号を必要なレベルに増幅するアンプ、
9はアンプ8により増幅されたビート信号をA/D変換
するA/D変換器、10はA/D変換器9によりA/D
変換されたビート信号を、変調制御回路2に連動してタ
イミング信号生成回路11から付与されるタイミング信
号に従って時系列的に記憶保持するメモリ、12はメモ
リ10に記憶保持されたビート信号のデータを演算処理
して電磁波ビームBの送波方向に存在する他の車両等の
対象物の自己車両に対する相対距離を求める信号処理装
置である。
【0022】これらの構成において、発振器1、変調制
御回路2、アイソレータ4、方向性結合器5、サーキュ
レータ6及びアンテナ3は送波手段13を構成し、アン
テナ3及びサーキュレータ6は受波手段14を構成し、
ミキサー7はビート信号生成手段7を構成する。また、
信号処理装置12は、マイクロコンピュータ等を含む電
子回路により構成されたものであり、その機能的構成と
して周波数分析手段15、極大スペクトル検出手段1
6、レベル重心検出手段17及び距離検出手段18を備
えている。
【0023】次に、かかるレーダ装置の作動を、その各
部の詳細な説明と併せて説明する。
【0024】本実施例のレーダ装置において、発振器1
により生成される送波信号は、図2に実線で示すよう
に、その周波数が変調制御回路2により制御される。す
なわち、送波信号の周波数は、周波数fX 及びfY (f
X <fY )の間で周期的に直線的に増減するように、換
言すれば三角波状に変調される。そして、このように周
波数を変調制御された送波信号が、アイソレータ4、方
向性結合器5及びサーキュレータ6を介してアンテナ3
に付与され、これによりアンテナ3から送波信号と同一
周波数を有する電磁波ビームBが送波される。このと
き、電磁波ビームBは指向性を有するものであり、例え
ば車両の前方に向かって送波される。
【0025】電磁波ビームBの送波時において、図1に
示すように、その送波方向に他の車両等の対象物Aが存
在すると、該電磁波ビームBは対象物Aにより反射さ
れ、その反射波がアンテナ3により受波される。そし
て、この反射波の受波信号はサーキュレータ6を介して
ミキサー7に入力される。また、ミキサー7には、発振
器1から出力された送波信号の一部が方向性結合器5を
介して分配・入力されており、該ミキサー7はこれらの
送波信号と受波信号とをミキシングする。
【0026】ここで、図2に破線で示すように、受波信
号の周波数は、送波信号と同様に三角波状に変調された
ものとなるのであるが、自己車両と対象物Aとの間を電
磁波が往復するのに要する時間τの遅れを送波信号に対
して生じる。従って、送波信号と受波信号とを同一時間
軸上で比較すると、両者の周波数の間には、受波信号の
遅れ時間τに応じた時間的周波数差fB を生じる。この
ため、ミキサー7により送波信号と受波信号とをミキシ
ングすると、上記の時間的周波数差fB の周波数を有す
るビート信号が生成される。尚、対象物Aが自己車両に
対して移動している場合には、受波信号の周波数は送波
信号の周波数に対してドップラシフトを生じるのである
が、一般には、該ドップラシフトは前記時間的周波数差
B に較べて小さいので、ここでは説明の便宜上、該ド
ップラシフトを無視する。
【0027】前記ビート信号の周波数fB は、周知のよ
うに、基本的には対象物Aの自己車両に対する相対距離
Dに比例し、該相対距離Dとの間に次式(1)が成り立
つ。
【0028】D=k・fB ……(1) ここで、式(1)の“k”は基本的には電磁波の速度
(光速)と、送波信号の周波数の時間的変化率とにより
定まる比例定数である。
【0029】従って、ビート信号の周波数fB を検出す
ることにより、式(1)により対象物Aの相対距離Dを
検出することができる。これが、本実施例のレーダ装置
が採用するFM−CWレーダ方式の基本原理である。
【0030】但し、一般には、前述のようにミキサー7
により生成されるビート信号には、対象物Aの相対距離
Dに対応する周波数成分以外の周波数成分も含まれ、ま
た、対象物Aが複数存在する場合には、各々の対象物A
の相対距離Dに対応する周波数成分が複合的に含まれ
る。
【0031】例えば、図1に示すように、電磁波ビーム
Bの送波方向に二つの対象物A1 ,A2 が存在する場合
には、ビート信号の周波数分布(スペクトル分布)は、
基本的には図3に仮想線で示すような分布となる。すな
わち、この場合のビート信号のスペクトル分布は、対象
物A1 ,A2 のそれぞれの相対距離D1 ,D2 に対応す
る周波数f1 ,f2 においてスペクトルレベルが極大値
となるような分布となり、また、これらの周波数f1
2 以外の周波数成分のスペクトルが混在するような分
布となる。また、各周波数f1 ,f2 の近傍領域におけ
るスペクトル分布は、概ね、該周波数f1 ,f2 を頂点
としてその両側に対称的にスペクトルレベルが減少して
いくような分布となる。尚、周波数f1 ,f2 における
スペクトルレベルは、各対象物A1 ,A2 で反射された
電磁波のうち、アンテナ3に直接的に受波された電磁波
の受波レベルに相当するものである。尚、以下の説明に
おいては、図1のように電磁波ビームBの送波方向に相
対距離Dの相違する二つの対象物A1 ,A2 が存在する
場合について説明する。
【0032】ミキサー7により生成されたビート信号
は、アンプ8により必要な振幅レベルのビート信号に増
幅され、さらに、A/D変換器9により所定のサンプリ
ングタイム毎にA/D変換された後に、そのデジタル化
されたビート信号の振幅データがメモリ10に時系列的
に記憶保持される。この場合、メモリ10は、タイミン
グ信号生成回路11から付与されるタイミング信号に応
じてビート信号の振幅データを所定の期間内において時
系列的に記憶保持し、例えば送受波の周波数が共に増加
あるいは減少する期間において、ビート信号の振幅デー
タを記憶保持する。
【0033】次いで、メモリ10に記憶保持されたデー
タを基に、信号処理装置12により対象物A1 ,A2
それぞれの相対距離D1 ,D2 が求められる。
【0034】すなわち、図4を参照して、信号処理装置
12は、まず、前記周波数分析手段15により、メモリ
10に記憶保持されたビート信号のデータを周波数分析
して、そのスペクトル分布を求める(STEP1)。こ
の場合、周波数分析手段15は、周波数分析の演算処理
手法であるFFT(高速フーリエ変換手法)によりビー
ト信号のスペクトル分布を求める。ここで、この周波数
分析では、図3に実線で示すように、所定の単位周波数
間隔Δf毎の離散的なスペクトルデータが得られる。該
単位周波数間隔Δfは、本実施例の装置の周波数分解能
に相当するものである。
【0035】次いで、信号処理装置12は、前記極大ス
ペクトル検出手段16により、上記スペクトルデータを
基に、スペクトルレベルが所定のレベル(閾値)以上の
極大値となるようなスペクトル(以下、極大スペクトル
という)を検出する(STEP2)。この検出は、例え
ば上記閾値以上のスペクトルレベルを有し、且つその前
後にわたる周波数のスペクトルレベルが増加傾向から減
少傾向に転じるようなスペクトルを検出することにより
行われる。図3のスペクトルデータにおいては、参照符
号SP ,Sq を付した二つのスペクトル(周波数;
P ,fq )が極大スペクトルとして検出されることと
なる。尚、前記閾値は、ビート信号のスペクトルデータ
からノイズ成分等を排除するように設定されている。
【0036】ここで、仮にビート信号の周波数方向に連
続したスペクトル分布が得られたとすると、そのスペク
トル分布は、図3に仮想線で示したように、対象物
1 ,A 2 のそれぞれの相対距離D1 ,D2 に対応する
周波数f1 ,f2 においてスペクトルレベルが極大値と
なるような分布となるのであるが、前記周波数分析手段
15によるビート信号の周波数分析では、単位周波数間
隔Δf毎の離散的なスペクトルデータしか得られない。
このため、このような離散的なスペクトルデータから上
記のように得られる極大スペクトルSP ,Sq の周波数
P ,fq は、図3に示すように対象物A1 ,A2 の実
際の相対距離D1 ,D2 に対応する周波数f 1 ,f2
近い値となるものの、一般には、該周波数f1 ,f2
合致しない。
【0037】従って、極大スペクトルSP ,Sq の周波
数fP ,fq を用いて、前記式(1)により対象物
1 ,A2 の相対距離を求めても、その求めた相対距離
は必ずしも精度の良いものとはならない。
【0038】そこで、信号処理装置12は、前記レベル
重心検出手段17により、各極大スペクトルSP ,Sq
の周波数fP ,fq を中心とする所定の周波数幅ΔfW
(図3参照)内におけるスペクトルデータのレベル重心
の周波数を求め(STEP3)、その求めたレベル重心
の周波数を用いて、前記距離検出手段18により、前記
式(1)に従って対象物A1 ,A2 のそれぞれの相対距
離D1 ,D2 を求める(STEP4)。
【0039】このレベル重心の周波数を求める処理は、
例えば対象物A1 に対応する極大スペクトルSp 側につ
いて次のように行われる。
【0040】すなわち、図3のスペクトルデータにおい
て、例えば前記所定の周波数幅Δf W を、例えば極大ス
ペクトルSP の周波数fP を中心として前記単位周波数
間隔Δfの4倍(ΔfW =4・Δf)に設定した場合、
該周波数幅ΔfW 内には、極大スペクトルSp を含めて
5個のスペクトルSP-2 ,SP-1 ,Sp ,SP+1 ,S
P+2 が存在する。このとき、信号処理装置12のレベル
重心検出手段17は、対象物A1 に対応する極大スペク
トルSp 側のスペクトルデータのレベル重心の周波数f
G (以下、重心周波数fG という)を次式(2)により
求める。
【0041】
【数1】
【0042】ここで、式(2)において、fP-2 ,f
P-1 ,fp ,fP+1 ,fP+2 は、各スペクトルSP-2
P-1 ,Sp ,SP+1 ,SP+2 の周波数、LP-2 ,L
P-1 ,L p ,LP+1 ,LP+2 は各スペクトルSP-2 ,S
P-1 ,Sp ,SP+1 ,SP+2 のスペクトルレベルであ
る。
【0043】かかる演算処理をさらに一般化して説明す
ると、前記所定の周波数幅ΔfW を単位周波数間隔Δf
のN倍(N;所定の偶数)とした場合、該周波数幅Δf
W 内には、極大スペクトルSp を含めて(N+1)個の
スペクトルSP-(N/2) 〜SP+ (N/2) が存在し、このと
き、信号処理装置12のレベル重心検出手段17は、図
5のフローチャートに示す演算処理を行って、重心周波
数fG を求める。
【0044】すなわち、図5を参照して、レベル重心検
出手段17は、極大スペクトルSPを中心とする周波数
幅ΔfW (=N・Δf)内に存在する各スペクトルS
P-(N/2 ) 〜SP+(N/2) について、低周波数側のものから
順次、各スペクトルSP-(N/2)〜SP+(N/2) のスペクト
ルレベルLP-(N/2) 〜LP+(N/2) と周波数fP-(N/2)
P+(N/2) とを乗算してなる値を求めて、これを累積加
算していくと共に、各スペクトルSP-(N/2) 〜S
P+(N/2) のスペクトルレベルLP-(N/2) 〜LP+(N/2)
値を累積加算する(図5のSTEP1からSTEP
5)。そして、最も高周波側の最後のスペクトルS
P+(N/2) について上記の累積加算演算が終了すると、ス
ペクトルレベルLP-(N/2) 〜LP+(N/2) と周波数f
P-(N/2) 〜fP+(N/2) との乗算値の累積加算値FL(s
um)を、スペクトルレベルLP-(N/2) 〜LP+(N/2)
累積加算値L(sum)により割り算することにより、
重心周波数fG を求める(図5のSTEP6)。
【0045】従って、重心周波数fG は次式(3)によ
り与えられる。前記式(2)は式(3)においてN=4
とした場合のものである。
【0046】
【数2】
【0047】レベル重心検出手段17は、かかる演算処
理を、対象物A2 に対応する極大スペクトルSq 側につ
いても行い、これにより、各対象物A1 ,A2 に対応す
る重心周波数fG を求める。
【0048】尚、かかる重心周波数fG を求める演算処
理において、前記周波数幅ΔfW 内に存在するスペクト
ルのうち、スペクトルレベルが前記閾値よりも小さいも
のについては、これを除外して重心周波数fG を求め
る。
【0049】また、前記所定の周波数幅ΔfW は、対象
物Aの大きさや、極大スペクトルの近傍におけるスペク
トル分布の広がり具合等を考慮して定めることが好まし
い。
【0050】このように各対象物A1 ,A2 に対応して
求められた重心周波数fG は、図3に仮想線で示したよ
うな、周波数方向に連続した実際のスペクトル分布にお
ける極大値の周波数f1 ,f2 を推定するものであり、
該スペクトル分布が、各周波数f1 ,f2 の近傍領域に
おいて、該周波数f1 ,f2 を中心として両側に対称的
な分布であれば、重心周波数fG と実際のスペクトル分
布における極大値の周波数f1 ,f2 とは略一致する。
そして、実際のスペクトル分布は、各周波数f 1 ,f2
の近傍領域において、概ね、該周波数f1 ,f2 を中心
として両側に対称的な分布となると考えられる。
【0051】従って、前述のように各対象物A1 ,A2
に対応して求められた重心周波数f G は、各対象物
1 ,A2 の相対距離D1 ,D2 に対応する実際の周波
数f1 ,f2 と精度よく合致する。例えば、図3のスペ
クトルデータにおいて、対象物A 1 に対応するスペクト
ルSP-2 〜SP+2 の重心周波数fG は、同図に示したよ
うにスペクトルSP ,SP+1 の周波数の間に位置し、極
大スペクトルSP の周波数fP よりも、対象物A1 の実
際の相対距離D1 に対応する周波数f1 に近い値とな
る。
【0052】信号処理装置12は、このように求めた重
心周波数fG を用いて、距離検出手段18により、前記
式(1)に従って各対象物A1 ,A2 の相対距離D1
2を求め、その求めた相対距離D1 ,D2 を図示しな
い自動走行制御装置等に出力する。本実施例のレーダ装
置においては、以上説明した作動が周期的に繰り返され
る。
【0053】このように本実施例のレーダ装置において
は、前記重心周波数fG から各対象物Aの相対距離Dを
求めることにより、ビート信号の周波数分析における周
波数分解能を高めることなく、距離検出の精度を高める
ことができる。また、このことは、逆に、距離検出の要
求精度を従前通りとした場合に、ビート信号の周波数分
解能を従前よりも低くすることができるということを意
味し、このように周波数分解能を低くすれば、距離検出
の処理時間を短くすることができる。
【0054】尚、本実施例においては、重心周波数fG
を式(3)により求めた後に、各対象物Aの相対距離D
を求めるようにしたが、前記周波数幅ΔfW 内における
各スペクトルについて、その周波数に対応する相対距離
を式(1)により求め、その各スペクトルに対応して求
めた相対距離の値を用いて、前記式(3)と同様の演算
により、重心周波数fG に対応する相対距離Dを直接的
に求めるようにしてもよい。この場合には、前記式
(3)における各スペクトルSP-(N/2) 〜SP+(N/2 )
周波数fP-(N/2) 〜fP+(N/2) をそれらの周波数に対応
する相対距離で置き換えれば、重心周波数fG に対応す
る相対距離Dを直接的に求めることができる。
【0055】次に、本発明の第2の態様の一例を図6乃
至図10を参照して説明する。図6は本実施例のレーダ
装置のシステム構成図、図7及び図8は本実施例のレー
ダ装置の作動を説明するためのフローチャート、図9及
び図10は本実施例のエーダ装置の作動を説明するため
の説明図である。尚、以下説明に際して、前述の第1の
態様の実施例と同一構成のものは同一の参照符号を付し
て詳細な説明を省略する。
【0056】図6を参照して、本実施例のレーダ装置
は、例えばこれを搭載した自動車の前方に存在する他の
車両等の対象物Aの自己車両に対する2次元的相対位置
を検出するためのものであり、前述の実施例のものと同
様に発振器1、変調制御回路2、アイソレータ4、方向
性結合器5、サーキュレータ6、ミキサー7、アンプ
8、A/D変換器9、メモリ10及びタイミング信号生
成回路11及びを備えている。これらの構成は前述の実
施例のものと基本的には同一である。
【0057】一方、本実施例のレーダ装置は、電磁波を
送受波するための複数(本実施例では5個)のアンテナ
3a〜3eと、電磁波の送受波を行うアンテナ3a〜3
eを択一的に順次切り換えるために該アンテナ3a〜3
e及びサーキュレータ6の間に介装された切換装置19
と、後述するように各アンテナ3a〜3eに対応して生
成されるビート信号のデータを演算処理する信号処理装
置20とを備えている。ここで、本発明の第2の態様の
構成に対応させると、発振器1、変調制御回路2、アイ
ソレータ4、方向性結合器5、サーキュレータ7、切換
装置19及びアンテナ3a〜3eは送波手段21を構成
するものであり、アンテナ3a〜3e、切換装置19及
びサーキュレータ7は受波手段22を構成するものであ
り、ミキサー7はビート信号生成手段7を構成するもの
である。また、信号処理装置20はマイクロコンピュー
タ等を含む電子回路により構成されたものであり、その
機能的構成として、周波数分析手段23、対象物周波数
検出手段24、距離検出手段25及びレベル重心検出手
段26とを備えている。
【0058】次に、かかるレーダ装置の作動をその各部
の詳細な説明と併せて説明する。
【0059】前述の実施例と同様に発振器1から出力さ
れる周波数変調された送波信号(図2参照)は、アイソ
レータ4、方向性結合器5及びサーキュレータ6を介し
て切換装置19に付与される。
【0060】該切換装置19は、変調制御回路2に連動
してタイミング信号生成回路11から出力されるタイミ
ング信号に応じて、サーキュレータ6と接続するアンテ
ナ3a〜3eを送波信号の変調周期に同期させて順次、
択一的に切り換えるようにしており、これにより、各ア
ンテナ3a〜3eは、送波信号の変調周期に同期した時
間差をおいて順次サーキュレータ6に切換装置19を介
して接続されて、送波信号が付与される。
【0061】そして、各アンテナ3a〜3eは、送波信
号を付与されると、電磁波ビームBa〜Beを送波す
る。このとき、各アンテナ3a〜3eは、互いに近接さ
せて配置されていると共に、互いに隣接した異なる方向
に指向性を有するものであり、例えば、アンテナ3cに
対応する電磁波ビームBcは自己車両の前方正面に向か
って送波され、アンテナ3b,3aに対応する電磁波ビ
ームBb,Baは電磁波ビームBcの右側(図6の上
側)に所定の角度づつずれた方向に送波され、アンテナ
3d,3eに対応する電磁波ビームBd,Beは電磁波
ビームBcの左側(図6の下側)に所定の角度づつすれ
た方向に送波される。各アンテナ3a〜3eは、各電磁
波ビームBa〜Beの送波時において、該電磁波ビーム
Ba〜Beの送波方向に他の車両等の対象物Aが存在す
ると、該対象物Aからの反射波を受波し、その受波信号
が切換装置19及びサーキュレータ6を介してミキサー
7に入力される。そして、該ミキサー7は、前述の実施
例と同様に、各電磁波ビームBa〜Beに対応する受波
信号と送波信号の一部とをミキシングし、これにより、
該電磁波ビームBa〜Beの送波方向に存在する対象物
Aの相対距離に相当する周波数成分を有するビート信号
を生成する。
【0062】該ビート信号は、電磁波ビームBa〜Be
が順次択一的に切り換えられることにより、各電磁波ビ
ームBa〜Be毎に、送波信号の変調周期に同期した時
間差をおいて順次生成される。そして、各電磁波ビーム
Ba〜Beに対応するビート信号の振幅データは、前述
の実施例と同様に、アンプ8及びA/D変換器9を介し
てメモリ10に時系列的に記憶保持される。このとき、
メモリ10は、各電磁波ビームBa〜Beに対応するビ
ート信号のデータを各別に記憶保持する。すなわち、メ
モリ11には、各電磁波ビームBa〜Beに対応する5
個のビート信号のデータが記憶保持される。
【0063】次いで、このようにメモリ10に記憶保持
された各電磁波ビームBa〜Be毎のビート信号のデー
タを基に、信号処理装置20により図7のフローチャー
トに示すように各対象物Aの自己車両に対する相対位置
が求められる。尚、以下の説明においては、電磁波ビー
ムBa〜Beの送波方向(自己車両の前方)に、これら
の電磁波ビームBa〜Beをまたがるように二つの対象
物A1 ,A2 (図9参照)が存在する場合について説明
する。
【0064】図7を参照して、信号処理装置20は、ま
ず、前記周波数分析手段23により、メモリ10に記憶
保持された各電磁波ビームBa〜Beに対応するビート
信号のデータを周波数分析して、各ビート信号のスペク
トル分布を求める(STEP1)。この場合、周波数分
析手段23は、前述の実施例と同様に、FFT(高速フ
ーリエ変換手法)により各ビート信号のスペクトル分布
を求める。
【0065】次いで、信号処理装置20は、各電磁波ビ
ームBa〜Beに対応するビート信号のスペクトル分布
を基に、前記対象物周波数検出手段24により、各電磁
波ビームBa〜Beの送波方向における各対象物A1
2 の相対距離に対応する周波数を対象物周波数として
求める(STEP2)。ここで、各電磁波ビームBa〜
Beに対応するビート信号のスペクトル分布は、前述の
実施例において説明した図3に示すような分布(離散的
なスペクトルデータ)となり、各電磁波ビームBa〜B
eの送波方向における前記対象物周波数は、例えば各対
象物A1 ,A2に対応する極大スペクトルの周波数(図
3における周波数fP ,fq )を求めることにより得ら
れる。
【0066】次いで、信号処理装置20は、前記距離検
出手段25により、各電磁波ビームBa〜Be毎に各対
象物A1 ,A2 に対応して得られた前記対象物周波数か
ら前記式(1)を用いて各対象物A1 ,A2 の各電磁波
ビームBa〜Beの送波方向における相対距離を求める
(STEP3)。以下、説明に際して、電磁波ビームB
aに対応する各対象物A1 ,A2 の相対距離をD1a,D
2a、電磁波ビームBbに対応する各対象物A1 ,A2
相対距離をD1b,D2b、……、電磁波ビームBeに対応
する各対象物A1 ,A2 の相対距離をD1e,D2eと称す
る。
【0067】ここで、このように、各電磁波ビームBa
〜Beに対応して求められた相対距離D1a,D2a,…
…,D1e,D2eは、各電磁波ビームBa〜Beの送波方
向(これは自己車両に対してあらかじめ定められてい
る)において本実施例のレーダ装置により認識される各
対象物A1 ,A2 の自己車両に対する相対位置を示すも
のとなる。
【0068】すなわち、図9に示すように、自己車両の
位置を原点Oとして各電磁波ビームBa〜Beの送波方
向を示す軸をそれぞれ軸a、軸b、……、軸eとする
と、例えば軸a上において、原点Oから相対距離D1a
2aの点P1a,P2aの位置に各対象物A1 ,A2 が存在
すると認識され、他の軸b〜eについても同様である。
【0069】次いで、信号処理装置20は、各電磁波ビ
ームBa〜Be毎に得られたスペクトル分布を基に、前
記レベル重心検出手段26により、上記のように求めら
れた各相対距離D1a,D2a,……,D1e,D2eに対応す
る周波数のスペクトルレベルを、上記のように該相対距
離D1a,D2a,……,D1e,D2eとこれらに対応する電
磁波ビームBa〜Beの送波方向とにより定まる点
1a,P2a,……,P1e,P2e(図9参照)に対応づ
け、各対象物A1 ,A2 に対応する対象物周波数のスペ
クトルレベルの2次元的レベル重心の位置を各対象物A
1 ,A2 の相対位置として求める(STEP4)。
【0070】ここで、本実施例の場合、各相対距離
1a,D2a,……,D1e,D2eに対応する対象物周波数
のスペクトルレベルは、各電磁波ビームBa〜Be毎に
得られるビート信号のスペクトル分布(離散的なスペク
トルデータ)における極大スペクトルのレベルである。
例えば電磁波ビームBaに対応するスペクトルデータが
図3に示したようなものであるとすると、相対距離D1a
に対応する対象物周波数のスペクトルレベルは極大スペ
クトルSP のスペクトルレベルであり、相対距離D 2a
対応する周波数のスペクトルレベルは極大スペクトルS
q のスペクトルレベルである。
【0071】そして、各対象物A1 ,A2 に対応するス
ペクトルレベルの2次元的レベル重心は、次のように求
められる。
【0072】すなわち、図10を参照して、自己車両の
位置を原点O、前記電磁波ビームBcの送波方向(自己
車両の前方正面方向)の軸cをX軸とするX−Y直交座
標軸を想定し、さらに原点Oを通ってX,Y軸に直交す
る軸Lをスペクトルレベルの大きさを示す軸とし、各相
対距離D1a,D2a,……,D1e,D2eにおける対象物周
波数のスペクトルレベルを前記各点P1a,P2a,……,
1e,P2eに対応づけると、視覚的には、同図に示すよ
うに各対象物A1 ,A2 に対応して2次元的なスペクト
ル分布が得られる。
【0073】そして、各対象物A1 ,A2 に対応する2
次元的レベル重心の位置は、該レベル重心の位置のX−
Y座標成分を各対象物A1 ,A2 に対応して(X1G,Y
1G),(X2G,Y2G)とすると、各点P1a,P2a,…
…,P1e,P2eのX−Y座標成分を(x1a,y1a),
(x2a,y2a),……,(x1e,y1e),(x2e
2e)、各点P1a,P2a,……,P1e,P2eに対応する
スペクトルレベルをL1a,L2a,……,L1e,L2eとし
て、次式(4),(5)により求められる。
【0074】
【数3】
【0075】尚、各点P1a,P2a,……,P1e,P2e
X−Y座標成分は、対応する相対距離D1a,D2a,…
…,D1e,D2eと電磁波ビームBa〜Beの送波角度と
を用いて求められ、例えば各電磁波ビームBa〜Beの
送波方向が角度θづつずれているとすると(図9参
照)、例えば点P1aのX座標成分x1aは、相対距離D1a
と電磁波ビームBaのX軸に対する送波角度2θとを用
いて、x1a=D1a・cos 2θにより求められ、Y座標成
分y1aは、y1a=D1a・sin 2θにより求められる。
【0076】このような、2次元的レベル重心の位置を
求めるに際しては、各相対距離D1a,D2a,……,
1e,D2eを対象物A1 に対応するものと、対象物A2
に対応するものとに分類して行う必要があり、本実施例
では、レベル重心検出手段26は、図8のフローチャー
トに示す処理を行うことにより各対象物A1 ,A2 に対
応する2次元的レベル重心の位置(X−Y座標成分)を
求める。
【0077】すなわち、図8及び図10を参照して、ま
ず、相対距離及び送波方向の各組に対応する各点P1a
2a,……,P1e,P2eの中から相対距離の最も小さい
ものを基準点として抽出する(図8のSTEP1)。
【0078】次いで、抽出された基準点に対応する方向
の左側にある各方向において、該基準点に隣接する点を
全て抽出し(STEP2)、その抽出した全ての点と基
準点とについて、これらの点のX座標成分の値とこれら
の点に対応するスペクトルレベルの値との乗算値を累積
加算し、これを累積加算値XL(sum)として求め
る。同様に、STEP2で抽出した全ての点(基準点を
含む)のY座標成分の値とスペクトルレベルの値との乗
算値を累積加算し、これを累積加算値YL(sum)と
して求める。また、STEP2で抽出した全ての点と基
準点とのスペクトルレベルを累積加算し、これを累積加
算値L(sum)として求める(STEP3)。
【0079】この場合、基準点に隣接する点であるかど
うかの判断は、例えばその点の相対距離が基準点の相対
距離に対して所定の数値範囲に収まっているか否かによ
り判断し、該数値範囲は、対象物の大きさ等を考慮して
定める。
【0080】STEP3までの処理において、例えば相
対距離の最小な点が点P1cであるとすると、点P1C,P
1d,P1eについて、上記の累積加算演算が行われること
となる。
【0081】次いで、前記基準点に対応する方向の右側
にある各方向について、該基準点に隣接する点を全て抽
出し(STEP4)、その抽出した全ての点について、
これらの点のX座標成分の値とこれらの点に対応するス
ペクトルレベルの値との乗算値を前記STEP3におい
て求められた累積加算値XL(sum)に累積加算す
る。同様に、STEP4で抽出した全ての点のY座標成
分の値とスペクトルレベルの値との乗算値を前記STE
P3において求められた累積加算値YL(sum)に累
積加算する。また、STEP4で抽出した全ての点のス
ペクトルレベルを前記STEP3において求められた累
積加算値L(sum)に累積加算する(STEP5)。
ここで、基準点に隣接する点であるかどうかの判断は、
前述した通りである。
【0082】以上の演算処理により、最終的に得られる
累積加算値XL(sum)、YL(sum)、L(su
m)は、それぞれ前記式(4)の分子、式(5)の分
子、式(4),(5)の分母の値であり、累積加算値X
L(sum),YL(sum)をそれぞれL(sum)
で割ることにより、一つの対象物A1 に対応する2次元
的レベル重心の位置(X1G,Y1G)が求まる(STEP
6)。
【0083】そして、レベル重心検出手段26は、この
ようにして求めた2次元的レベル重心の位置(X1G,Y
1G)を対象物A1 の相対位置として出力した後(STE
P7)、未だ演算処理を施していない残りの点(本実施
例の場合、点P2a〜P2eが残る)について、STEP1
〜STEP7までの演算処理を行い、対象物A2 に対応
する2次元的レベル重心の位置(X2G,Y2G)を求め、
最終的に全ての点P1a,P2a,……,P1e,P2eについ
ての処理が終了した時点で以上の処理を終了する。
【0084】このようにして求められた2次元的レベル
重心の位置(X1G,Y1G),(X2G,Y2G)は、対象物
1 ,A2 の実際の相対位置と精度よく合致する。
【0085】すなわち、例えば対象物A1 について得ら
れる5個の点P1a〜P1eにそれぞれ対応するスペクトル
レベルは、各点P1a〜P1eに対応する電磁波ビームBa
〜Beの対象物A1 からの反射波(直接波)の受波レベ
ルに相当するものであり、その受波レベルは、対象物A
1 の実際の方向と合致する方向に電磁波ビームを送波し
た場合に最大となると考えられる。
【0086】例えば、図10を参照して、対象物A1
電磁波ビームBcの送波方向(軸c)とほぼ等しい方向
で、電磁波ビームBdの送波方向(軸d)との間の方向
に位置する場合には、対象物A1 について得られる5個
の点P1a〜P1eのスペクトルレベルは、同図に示すよう
に、点P1cのものが最も大きくなり、それに対して方向
がずれるに従ってスペクトルレベルは小さくなってい
く。但し、対象物A1 が位置する方向と電磁波ビームB
cの送波方向とが必ずしも合致するとは限らず、本来、
電磁波ビームBcとBbとの間の方向に電磁波ビームを
送波した時に、その電磁波ビームに対応して得られる点
におけるスペクトルレベルが最大となると考えられる。
【0087】一方、前述のように対象物A1 について得
られるレベル重心の位置(X1G,Y 1G)は、前述の実施
例のものと基本的には同様の原理に従って、各点P1a
1eにおける離散的なスペクトルレベルのデータからス
ペクトルレベルが最大となるような点を推定するもので
ある。
【0088】従って、対象物A1 について得られるレベ
ル重心の位置(X1G,Y1G)は、対象物A1 の実際の位
置と精度よく合致し、対象物A2 についても同様であ
る。
【0089】このように、本実施例のレーダ装置によれ
ば、電磁波ビームBa〜Beの送波領域に存在する各対
象物A1 ,A2 の相対位置を精度よく検出することがで
きる。また、送波方向の相違する多数の電磁波ビームB
a〜Beを使用するので、対象物の検出範囲を広範囲な
ものとすることができる。
【0090】尚、本実施例においては、各電磁波ビーム
Ba〜Beの送波方向における各対象物Aの相対距離を
求めるに際して、各電磁波ビームBa〜Beに対応して
得られるビート信号の離散的なスペクトルデータにおけ
る極大スペクトルを検出し、その極大スペクトルの周波
数により相対距離を求めるようにしたが、前述の実施例
と同様に、重心周波数を求め、その重心周波数により相
対距離を求めるようにしてもよい。この場合、各対象物
の相対位置を求めるに際して必要な重心周波数のスペク
トルレベルを何等かの手法により推定することが好まし
いが、極大スペクトルのスペクトルレベルを重心周波数
のスペクトルレベルとして用いるようにしてもよい。ま
た、対象物の相対距離に対応する周波数近傍におけるス
ペクトル分布を例えば正規分布であると仮定し、前記離
散的なスペクトルデータから重心周波数のスペクトルレ
ベル(これは正規分布の頂点のレベルとなる)を求める
ようにすることも可能である。また、対象物の相対距離
に対応する周波数近傍における一般的なスペクトル分布
をあらかじめ実験等に基づいて設定しておき、その設定
したスペクトル分布とビート信号の離散的なスペクトル
データとを比較・対応させることにより、重心周波数の
スペクトルレベルを推定することも可能である。さら
に、一般に、対象物の相対距離に対応する周波数近傍に
おける離散的なスペクトルデータのスペクトルレベルの
総和は、スペクトル分布の頂点のスペクトルレベルに略
比例するので、前述の第1の態様の実施例で説明したよ
うに極大スペクトルの周波数を中心とする所定の周波数
幅内における各スペクトルのレベルの総和を求め、その
総和の値から重心周波数のスペクトルレベルを求めるこ
とも可能である。
【0091】また、本実施例においては、対象物の相対
位置をX−Y直交座標系を用いて求めるようにしたが、
自己車両の位置を原点とする2次元極座標系を用いて求
めるようにすることも可能である。
【0092】また、以上説明した各実施例においては、
ビート信号の周波数分析を行う際にFFTを用いたが、
例えば多数のバンドパスフィルタを用いて周波数分析を
行うようにすることも可能である。
【0093】さらに、以上説明した各実施例において
は、前記式(1)により対象物の相対距離を求めるよう
にしたが、送波信号の周波数の設定値に対するずれや、
アンテナの取り付け位置等を考慮して、補正することが
好ましい。そして、このような補正を行う場合、あらか
じめ定めた補正係数を前記式(1)により求まる相対距
離Dに乗算して補正を行うようにしてもよいが、あらか
じめ前記ビート信号の検出し得る各周波数毎に補正を含
めて求めた相対距離をマップデータとして備えておき、
そのマップデータを用いて直接的に対象物の相対距離を
求めるようにしてもよい。このようにすれば、特に、前
述の第2の態様の実施例のように、データ数の多いもの
について、処理時間を大幅に短縮することができる。
【0094】
【発明の効果】上記の説明から明らかなように、本発明
の第1の態様によれば、ビート信号の単位周波数間隔毎
の離散的なスペクトル分布からスペクトルレベルが所定
のレベル以上の極大値となる極大スペクトルの周波数を
求め、さらに、該極大スペクトルの周波数の前後にわた
る所定の周波数幅内における前記スペクトル分布のレベ
ル重心の周波数を求め、その求めたレベル重心の周波数
を対象物の相対距離に対応する周波数として該対象物の
相対距離を求めることにより、ビート信号の周波数分析
における周波数分解能を高めることなく対象物の相対距
離の検出精度を向上させることができる。そして、この
ことは逆に、対象物の相対距離の検出精度を損なうこと
なく、ビート信号の周波数分析における周波数分解能を
低下させることができることを意味し、これにより、対
象物の相対距離の検出のための処理速度を向上させるこ
とができる。
【0095】また、本発明の第2の態様によれば、送波
方向の相違する複数の電磁波ビームを用い、各電磁波ビ
ーム毎に対象物の相対距離に対応して得られる対象物周
波数のスペクトルレベルの2次元的レベル重心の位置を
求め、その求めた2次元的レベル重心の位置を対象物の
相対位置とすることによって、対象物の相対位置を精度
よく求めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の態様のレーダ装置の一例のシス
テム構成図。
【図2】図1のレーダ装置の作動を説明するための線
図。
【図3】図1のレーダ装置の作動を説明するための線
図。
【図4】図1のレーダ装置の作動を説明するためのフロ
ーチャート。
【図5】図1のレーダ装置の作動を説明するためのフロ
ーチャート。
【図6】本発明の第2の態様のレーダ装置の一例のシス
テム構成図。
【図7】図1のレーダ装置の作動を説明するためのフロ
ーチャート。
【図8】図1のレーダ装置の作動を説明するためのフロ
ーチャート。
【図9】図1のレーダ装置の作動を説明するための説明
図。
【図10】図1のレーダ装置の作動を説明するための説
明図。
【符号の説明】
7…ビート信号生成手段、13,21…送波手段、1
4,22…受波手段、15,23…周波数分析手段、1
6…極大スペクトル検出手段、17,26…レベル重心
検出手段、18,25…距離検出手段、24…対象物周
波数検出手段。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01S 7/00 - 7/42 G01S 13/00 - 13/96

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】周波数を時間的に変調せしめた電磁波を送
    波する送波手段と、該電磁波の送波方向に存在する対象
    物からの反射波を受波する受波手段と、該電磁波の送波
    信号の一部と該反射波の受波信号とを混合して該対象物
    の相対距離に対応する周波数を有するビート信号を生成
    するビート信号生成手段と、該ビート信号を周波数分析
    して該ビート信号の所定の単位周波数間隔毎のスペクト
    ル分布を得る周波数分析手段と、該スペクトル分布から
    スペクトルレベルが所定のレベル以上の極大値となる極
    大スペクトルの周波数を求める極大スペクトル検出手段
    と、該極大スペクトルの周波数の前後にわたる所定の周
    波数幅内における前記スペクトル分布のレベル重心の周
    波数を求めるレベル重心検出手段と、該レベル重心の周
    波数を前記対象物の相対距離に対応する周波数として該
    対象物の相対距離を求める距離検出手段とを備えたこと
    を特徴とするレーダ装置。
  2. 【請求項2】前記レベル重心検出手段は、前記極大スペ
    クトルの周波数の前後にわたる所定の周波数幅内におけ
    る前記スペクトル分布の各スペクトルの周波数に該スペ
    クトルのレベルを乗算してなる値の総和を求め、その求
    めた総和を該周波数幅内の各スペクトルのレベルの総和
    で割り算することにより前記レベル重心の周波数を求め
    ることを特徴とする請求項1記載のレーダ装置。
  3. 【請求項3】周波数を時間的に変調せしめた電磁波ビー
    ムを互いに隣接する複数の方向に送波する送波手段と、
    該電磁波ビームの送波方向に存在する対象物からの反射
    波を各電磁波ビーム毎に受波する受波手段と、各電磁波
    ビームの送波信号の一部とこれに対応する前記反射波の
    受波信号とを混合して各電磁波ビームの送波方向におけ
    る前記対象物の相対距離に対応する周波数を有するビー
    ト信号を生成するビート信号生成手段と、各電磁波ビー
    ムに対応する前記ビート信号を周波数分析して該ビート
    信号のスペクトル分布を得る周波数分析手段と、各ビー
    ト信号のスペクトル分布から前記対象物の各電磁波ビー
    ムの送波方向における相対距離に対応するスペクトルの
    周波数を求める対象物周波数検出手段と、該対象物周波
    数から各電磁波ビームの送波方向における前記対象物の
    相対距離を求める距離検出手段と、該距離検出手段によ
    り前記対象物の相対距離が求められた各電磁波ビームに
    ついて該対象物の相対距離と該電磁波ビームの送波方向
    との組に対応する前記対象物周波数のスペクトルレベル
    の2次元的レベル重心の位置を求め、その求めた2次元
    的レベル重心の位置を前記対象物の2次元的相対位置と
    して得るレベル重心検出手段とを備えたことを特徴とす
    るレーダ装置。
  4. 【請求項4】前記レベル重心検出手段は、前記対象物の
    相対距離が求められた各電磁波ビームについて該電磁波
    ビーム毎の前記対象物の相対距離と該電磁波ビームの送
    波方向とにより定まる位置の2次元的座標成分に、該位
    置に対応する前記対象物周波数のスペクトルレベルを乗
    算してなる値の総和を各座標成分について求め、その求
    めた総和を各座標成分について該対象物周波数のスペク
    トルレベルの総和で割り算することにより、前記2次元
    的レベル重心の位置の座標成分を求めることを特徴とす
    る請求項3記載のレーダ装置。
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