JP3213070U - 床敷き断熱ボード - Google Patents

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Abstract

【課題】 床面に敷くだけで、断熱効果、緩衝効果、抗菌効果、消臭効果、シックハウス症候群抑制効果と、自然素材の感触が得られる床敷き断熱ボードを提供する。【解決手段】 床敷き断熱ボード1は、天然木の無垢板10と、断熱材20と、接着剤30とから構成されている。板状の断熱材20は、木質系繊維断熱材の一例として、粉砕した杉樹皮を約50%、コーンスターチを接着剤として約50%を加えて、板厚約20mmの板状に形成したものを用い、これを前記無垢板10の寸法に合わせて、四辺の各寸法を無垢板10より各3〜5mm程度小さくなるようにカットし、製品サイズの四角形の板状断熱材20を仕上げる。次に、製品サイズの板状断熱材20の上に、無垢板10を、その周縁の各辺が板状断熱材20の周縁の各辺より数mm程度突出するように重ね合わせ、その間に接着剤を塗布して圧着し、乾燥させて形成する。【選択図】図1

Description

本考案は、住宅や事務所等の床に敷く断熱ボードに関し、特に、緩衝性と快適性を向上させた床敷き断熱ボードに関するものである。
従来、住宅や事務所等、特にマンション等のビルの床は、コンクリートの上に直接又は薄い緩衝材を置いた上に、フローリングやクッションフロアやピータイル接着剤で直貼りしてあるのがほとんどである。しかし、このような床の場合、冬の寒さの中で身体に触れると大変冷たく、身体の関節等に与える衝撃もきついなど、生活面での快適性の欠陥が指摘されていた。
そこで、このような欠点をもつ住宅の床をリフォームして、新しい無垢材の床に張り替えるとなると大変な作業になる。既存の床材をはがしコンクリートの上に根太敷き等の木工下地工事を行い、根太の上に床材を施工しなければならない。資材の運搬についても、従来の木材(根太材等の長尺もの)や床材は負担が大きい。高度な大工技術と工期と人手と高額な費用を要するという問題があった。
このような問題に対応する商品として、軟質樹脂シートの表面に木目を印刷し、裏面に合成ゴムを貼り合わせた床敷きシートが市販されているが、天然木の無垢材を使用したものと比べると、足裏の感触や衝撃の緩衝など、快適性が十分とは言えないものであった。
また、特許文献1(登録実用新案第2590788号公報)に、合成発泡樹脂からなる略矩形の断熱材の一方面に、床板などの構造部材を構成する主木材を、全面的に露出させて接着剤で接合してなることを特徴とする断熱パネルが床パネルとして使用できることが提案されている。そこに提案された床パネルは断熱性には優れるが、緩衝性と生活快適性の面についての言及はない。
登録実用新案第2590788号公報
本考案は、上述のような問題点に鑑みてなされたもので、床の張り替えと同等の効果を得るために、高度な大工技術は必要なく、1人でも時間をそんなにかけずにでき、高額な費用も抑えられ、自然素材の感触を得られることを目的とする。
上記課題を解決するために、本考案の請求項1に記載の床敷き断熱ボードは、緩衝性を有するボード状断熱材の上に接着剤を介して天然木の無垢板を重ねて形成したことを特徴とする。
本考案の床敷き断熱ボードは、このように構成したことにより、新たに大工工事をしなくても現在ある床の上に敷くことができ、工事時間が少なく、高額な工事費用も抑えることができる。また、緩衝性のある断熱材を原材料に使用することにより、断熱効果はもちろん、身体の関節等に与える衝撃も軽減し、天然木の無垢板の表面の微細な凹凸による肌触りのよさと、肌との背触面に空気が入るため室内温度が低いときでも冷たく感じないという効果を奏する。
また、本考案の請求項2に記載の床敷き断熱ボードは、請求項1に記載の緩衝性を有する断熱材として、木質系繊維断熱材、ポリエステル樹脂系断熱材、又は発泡樹脂系断熱材のいずれかを用いたものである。
本考案の床敷き断熱ボードは、このように構成したことにより、現在の住居環境や費用面等を考慮して、緩衝性を有する断熱材として、木質系繊維断熱材、ポリエステル樹脂系断熱材、又は発泡樹脂系断熱材のいずれか最適のものを選択することができるという効果を奏する。
また、本考案の請求項3に記載の床敷き断熱ボードは、請求項2に記載の木質系繊維断熱材として、杉材と杉樹皮を粉砕し、粉砕した杉材と粉砕した杉樹皮を混合し、これに接着剤を加えて、板状に形成したものである。
本考案の床敷き断熱ボードは、このように構成したことにより、同一木材であり熱伝導率の低く断熱材として最適の杉材と杉樹皮を使うので、粉砕後の混合時に親和性が高く、断熱ボード全体として、断熱性と蓄熱性に優れるという効果を奏する。
また、本考案の請求項4に記載の床敷き断熱ボードは、請求項2又は3に記載の木質系繊維断熱材として、粉砕した杉材を1、粉砕した杉樹皮を1、接着剤としてコーンスターチを0.2の比率で混合し、板状に形成したものである。
本考案の床敷き断熱ボードは、このように構成したことにより、杉材と杉樹皮をそれぞれ粉砕した後に混合し、これに接着剤を加えて、板状に形成した断熱材の熱伝導率が0.046W/(mK)前後と断熱性に優れ、熱容量が320J/(mK)前後と蓄熱性も優れるため、断熱ボード全体として、断熱性と蓄熱性に優れるという効果を奏する。
また、本考案の請求項5に記載の床敷き断熱ボードは、請求項1〜4に記載の天然木の無垢板及び緩衝性を有する断熱材を、いずれも四角形状で、かつ、天然木の無垢板の各辺の寸法を緩衝性を有する断熱材より少し大きい形状にしたものである。
本考案の床敷き断熱ボードは、このように構成したことにより、床面に複数の断熱ボードを敷き詰めたときに、各ボード板が天然木の無垢板部で隣接することになり、断熱材部分の温湿度変化による横方向への膨張収縮があっても、無垢板部への影響は少なく、床敷き断熱ボード自体の暴れやゆがみを抑えることができ、反ったり浮き上がったりすることが少ないという効果を奏する。
また、本考案の請求項6に記載の床敷き断熱ボードは、請求項1〜5に記載の床敷き断熱ボードを1辺60cm以下の正方形に形成したものである。
本考案の床敷き断熱ボードは、このように構成したことにより、取り扱いや輸送が容易となるという効果を奏する。
本考案によれば、新たに大工工事をしなくても現在ある床の上に敷くことができ、工事時間が少なく、工事費用を抑えることができる。また、緩衝性のある断熱材を原材料に使用することにより、断熱効果はもちろん、身体の関節等に与える衝撃も軽減する。また、天然木の無垢板の表面の微細な凹凸による肌触りのよさと、肌との接触面に空気が入るため室内温度が低いときでも冷たく感じない。
現在の住居環境や費用面等を考慮して、最適の断熱材を選択することができ、木質系繊維断熱材として、杉材と杉樹皮を原材料としたものは断熱性と蓄熱性に優れる。
さらに、杉材と杉樹皮と接着剤の材料比率を最適化することにより、より優れた断熱性と蓄熱性を達成することができる。
床面に複数の断熱ボードを敷き詰めたときに、各ボード板が天然木の無垢板部で隣接することになり、断熱材部分の温度変化による横方向への膨張収縮があっても、無垢板部自体は影響を受けず、床板として反ったり浮き上がったりすることが少ない
また、1辺60cm以下の正方形に形成したことにより、取り扱いや輸送が容易となる。
また、杉樹皮を断熱材の原材料として用いたことにより、抗菌効果、シックハウス症候群の抑制、消臭効果がある。
床敷き断熱ボードの斜視図(A)、側面端部拡大図(B)である。 床敷き断熱ボードの製造工程を示す説明図である。 杉樹皮ボードのシロアリ食害試験結果を示すデータ図である。 杉樹皮ボードのホルムアルデヒド吸収試験結果を示すデータ図である。 杉樹皮ボードの抗菌試験結果を示すデータ図である。
本考案の実施の形態を、図を用いて説明する。図1Aは本考案の床敷き断熱ボードの構造を示す斜視図であり、図1Bは床敷き断熱ボードの一側面の一端部の拡大図である。床敷き断熱ボード1は、天然木の無垢板10と、断熱材20と、接着剤30とから構成されている。
図2は、本考案の床敷き断熱ボードの製造工程を示す説明図である。床敷き断熱ボード1の製造方法を以下に説明する。 まず、無垢板10の製造工程として、原材料丸太(例えば杉)を所定の寸法・形状に木取りし(製材工程)、次に乾燥させる(乾燥工程)。製材品の乾燥は、天然乾燥・除湿乾燥・蒸気乾燥のいずれかの方法によるが、原材料の材質、製材方法(寸法・形状)などの条件により最適の方法を選択し、又は組み合わせる。そして、乾燥した製材品を所定の板厚(例えばT=10〜40mm)の単板にカットした上で更に必要な乾燥を行う。なお、無垢板10の寸法は、一枚で所定寸法のものができないときは、長さが同一で幅を小さくカットした無垢板11を作り、後述の重ね合わせ工程で複数枚を並べて一枚板のように使ってもよい。(図1A参照)
そして、最終乾燥したカット済単板を製品サイズにカットし、ベルトサンダなどの研削機械で表面を平滑に仕上げ(表面仕上げ)、さらに、材料側面部の直線や必要な傾斜等の面取り加工(面取り工程)をして、無垢板10に仕上げる。
ボード状の断熱材20は、木質系繊維断熱材の一例として、粉砕した杉材を1、粉砕した杉樹皮を1、これにコーンスターチ(トウモロコシのでんぷん糊)を接着剤として0.2の重量比率で加えて、混合・加圧して約20mmの板状に形成したものを用い、これを前記無垢板10の寸法に合わせて、四辺の各寸法を無垢板10より各3〜5mm程度小さくなるようにカットし、製品サイズの四角形のボード状断熱材20を仕上げる。
次に、製品サイズのボード状断熱材20の上に、前記の面取り工程を経て仕上げた無垢板10又は11を、その周縁の各辺がボード状断熱材20の周縁の各辺より数mm程度突出するように重ね合わせ(重ね合わせ工程)、その間に酢酸ビニル樹脂エマルジョン接着剤を塗布して、圧着し(圧着工程)、そのまま乾燥させる(乾燥工程)。(図1B参照)
本考案の床敷き断熱ボード1の断熱材20には、適度の緩衝性を有する材質のものを使用する。その一例として木質系繊維断熱材のうち杉材と杉樹皮を用いたものについて前述したが、前述の粉砕した杉材1、粉砕した杉樹皮を1、コーンスターチ0.2の重量比率は、本願考案者の実験により最適比率を追求した結果であって、各材料は±10%程度の範囲内であれば、断熱性・蓄熱性・緩衝性に大きな差は生じない。また、天然素材であるので、製造時に入手できる材料によって、品質に多少の変動は生じることがある。
木材を断熱材として使う場合、熱伝導率が低い針葉樹が適しているが、杉材及び杉樹皮を使用した断熱ボードは断熱性に優れるほか、蓄熱性、調湿性があり部屋の調温、調湿ができ、吸音、遮音効果があり音を伝えにくいので、フローリング床の上に敷いた場合、フローリング床で問題となる生活騒音の低減にも適するものである。
本願考案者による実験によれば、直径5cmの金属盤を介して80kgfの荷重を20mm厚の、前述の粉砕した杉材1、粉砕した杉樹皮を1、コーンスターチ0.2の重量比率により形成された断熱材20に加えたところ、金属盤部分は約0.5mm凹み、荷重を除くと元の状態に戻ることが確かめられた。これは、平均体重の成人男性の片足の踵で床を踏みしめた時にかかる荷重にほぼ相当する。断熱材20の上に無垢板10が張り合わされるので、体重は直接断熱材20の一点に集中することはなく、無垢板10全体に分散されるので、1枚の床敷き断熱ボード1が全体として0.5mmも沈むことはないが、人体の足から膝などで感じる衝撃はかなり軽減され、その上を歩いた時の足裏の感触もソフトなものに感じられる。つまり、居住用に適した緩衝性が得られるということである。
断熱材20がこの程度の緩衝性(伸縮性)を有することにより、床敷き断熱ボード1の上の無垢板10に同程度の荷重が加わると適度に撓み、膝の関節等への反発が少なく、人に親しみやすい自然な歩き心地が得られる。
なお、断熱材20として、上述の木質系繊維断熱材のほか、ポリエステル樹脂系断熱材又は発泡樹脂系断熱材も使用することができるが、生活快適性の点からは天然木を原材料とする木質系繊維断熱材が最適のものである。
本考案の床敷き断熱ボード1の無垢板10には、天然木である杉、桧、ヒバ、唐松、ブナ、又は楢のいずれかを使用し、上述の製造工程を経て製造することができる。これらの天然木のうち杉などの針葉樹は、熱伝導性も低く比較的柔らかいので加工性が良い。一方、ブナ・楢などの広葉樹は、熱伝導性は少し高くなり、堅いという特性がある。また、天然木の無垢板の表面の微細な凹凸による肌触りのよさと、肌との接触面に空気が入るため室内温度が低いときでも冷たく感じない。
これらの天然木の無垢板は、いずれも熱伝導率が床材として従来用いられる他の材料であるセメント・コンクリート・レンガ・ガラス・プラスチック・ゴム・石材・石膏・タイルなどより低く、生活空間として身体に直接触れても、冷たく感じることが少なく、自然物の肌触りが近年の自然志向のライフスタイルにもマッチするものである。材質は、需要者の好みや使用する環境、入手性、保存性等により最適のものを選択する。
本考案の床敷き断熱ボード1の無垢板10を四角形状にし、床敷き断熱ボード1の平面寸法を1辺60cm以下にしたのは、これを床面に敷設するとき、連続して隙間なく敷くことができ、取り扱いや保存性、輸送性にも優れるからである。もちろん、敷設する床面の端部では、所定寸法の断熱ボードを鋸で適宜カットして、敷設する床面に合わせることができる。
本考案の床敷き断熱ボードを、実際に部屋の床に敷くときは、次のようにする。
床敷き断熱ボードの整数倍の広さの床に敷く場合は、複数枚の床敷き断熱ボードを端から順番に敷き並べるだけである。各々の床敷き断熱ボードの並べる向きは、床敷き断熱ボードが正方形の場合は、木目方向に揃えたり、市松模様になるように互い違いに並べることもできる。
任意の広さの床に敷く場合は、床敷き断熱ボードを端から順番に1列毎に敷き並べ、列の最後の1枚の床敷き断熱ボードの床からはみ出す部分を鋸又はカッターで切り落としてから敷く。それを各列毎繰り返し、最終列については、各床敷き断熱ボードの床からはみ出す部分を鋸又はカッターで切り落としてから敷く。
床敷き断熱ボードのサイズも一般の建材で多い3×6尺(通称「サブロク」)サイズでなく、1辺60cm以下なのは、もちろん扱いやすさや運搬の問題だけではなく、敷く場所の面積により近く合わせやすくしたものである。
床敷き断熱ボードのサイズを1辺60cm以下の正方形としたのは、持ち運びしやすく、板材も一番調達しやすい寸法だからである。
本願出願人は、床敷き断熱ボードのサイズを、定尺として1辺が60cm、45cm、30cmの製造を検討しているが、これは上述の理由のほか、敷き並べると坪、畳単位に合うからである。もちろん、床の平面形状や寸法に合わせて、床敷き断熱ボードの製作時に、そのサイズを予め調整することも可能である。
床敷き断熱ボードがある程度の力がかかってもずれないようにするには、床敷き断熱ボードと床の接触面を両面テープで留めることもよい。
また、断熱材20の四辺の各寸法を無垢板10より各3〜5mm程度小さくなるようにカットしたことにより、床敷き断熱ボード同士が無垢板10の側面だけで接触し、接触面がきれいに揃うとともに、床敷き断熱ボードが湿度で膨張した場合、無垢板10より断熱材20の膨張率の方が大きく、敷設した床板断熱ボード1が隣り合う無垢板10の側面で互いに接しているので、各床板断熱ボード1の断熱材20が多少膨張しても、床敷き断熱ボード1自体の暴れやゆがみを抑えることができる。
本願出願人は、本考案の床敷き断熱ボードについて種々実験を重ねた結果、四季により変化し、梅雨から夏にかけて高温多湿となり、冬季は室内が冷えて寒くなるという住環境・生活環境を有する我が国において、断熱性・緩衝性を主とする品質と、原材料の入手性、製造加工の容易性、製品の保管及び輸送性、価格、敷設工事の容易性、人件費等を総合的に考慮すると、床敷き断熱ボード1として、無垢板10には天然木である杉を選択し、断熱材20には粉砕した杉材を1、粉砕した杉樹皮を1、これにコーンスターチを接着剤として0.2の重量比率で加えて、混合・加圧して約20mmの板状に形成したものを選択し、その無垢板10と断熱材20の貼り合せ用の接着剤として酢酸ビニル樹脂エマルジョン接着剤を選択し、定尺寸法として1辺が60cm、45cm、30cmの正方形とした組合せが最も適していると考え、製造販売を検討している。もちろんこれ以外の組合せでも、需要者の要求により、種々の組合せによる製造が可能であることはいうまでもない。
本願考案者(出願人)は、請求項3及び4に記載した床敷き断熱ボード1の断熱材20の原材料として杉樹皮を用いたのは、その開発・試作に当たって種々実験した結果、杉樹皮の持つ数々の特質を発見し確認したからである。以下、杉樹皮を原材料とした杉樹脂ボード(断熱材20)の主な特長を挙げる。
(1)シロアリの食害が少ない。
杉樹皮ボードと杉辺材(Control)とのイエシロアリの食害の試験の結果、杉樹皮ボードの食害量は杉辺材の食害量の3分の一以下であった。(図3参照)
(2)消臭作用がある。
杉の樹皮に含まれるポリフェノールにはアンモニアなどの消臭作用があり、約0.5%のアンモニア水10mlを入れたビーカーをデシケーターA内に置き、そのデシケーターAとゴム管で連結したデシケーターBに杉樹皮ボードの試料を所定時間置いて、デシケーターA内のアンモニアガス(NH)をデシケーターBに移し、連結用のゴム管を外してデシケータB内のアンモニアガスの初期濃度と、試料にアンモニアガスが吸収された一定時間後の濃度を測定(測定器:新コスモス電気(株)X7−303ガス検知器)した結果、アンモニアガスの吸着率は平均96%と非常に良好な消臭効果を示した。
(3)ホルムアルデヒドの吸収作用がある。
杉樹皮ボードには、シックハウス症候群の原因物質の一つとして知られているホルムアルデヒドを吸収し固定する作用があり、デシケーター内部に約12mg/Lに希釈したホルマリンを入れ、そこに杉樹皮ボードの試料を置き、20℃の温度にして48時間経過後にデシケーター内の残留ホルムアルデヒド濃度を測定した結果、約0.2mg/Lと非常に良好な吸収効果を示した(図4参照)。なお、図4中Controlの数値は、試料を何も入れない場合の残留アルデヒド濃度である。
(4)抗菌作用がある。
杉樹皮ボードには抗菌作用があり、一般社団法人抗菌製品技術協議会のフィルム密着法により、杉樹皮ボードの供試片の表面に培地濃度1/500NBの試験菌(MRSA及び毛瘡白癬菌Tr.mentagrophytes)液を滴下し、フィルムで密着させて35℃で保存し、24時間後の供試片上の菌液の生菌数を測定した結果、初期菌数MRSA1.8×10、毛瘡白癬菌1.7×10がいずれも検出値以下に減少し、非常に良好な抗菌効果を示した(図5参照)。なお、図5中Controlの数値は、試料を何も入れない場合の菌数の経時変化である。
上記は、いずれも杉樹皮を原材料とした断熱材20の特性であるが、その断熱材20を杉の無垢板10と組み合わせた床敷き断熱ボード1は、以下の作用効果を奏する。
(1)足は雑菌が発生しやすく、足が接する床は、ほこりやカビ・ダニ等のハウスダストが溜まりやすく細菌が繁殖しやすい。そこで、床敷き断熱ボードを床に敷くと、抗菌作用の大きい杉樹皮が原材料の約半分を占める断熱ボード(断熱材20)が床面に接して抗菌作用がはたらき、床敷き断熱ボードの上部にある天然木の無垢板が足に対する木の感触の良さを保ちなから、床を衛生的に保つ。
(2)シックハウス症候群は、住宅建材として化学物質を含むプリント合板等の新建材による室内の空気汚染が原因とされる。中でも床材による影響が大きい。そこで、そこで、床敷き断熱ボードを床に敷くと、杉樹皮を原材料とする断熱ボード(断熱材20)が床面に接して、床面から発生するホルムアルデヒドを吸収し、シックハウス症候群の防止に貢献する。
(3)足は臭いが発生しやすい。足が接する床面や床敷き断熱ボードの上面の無垢板周辺に移った悪臭を、抑えることができる。
日本の戸建て住宅は85%以上が木造住宅であるが、人口密集地やビジネスタウンではマンションやテナントビルなど鉄筋コンクリート建てが増え、床面を含め室内に自然素材を使うことが少ない。そのような居室であっても、本考案の床敷き断熱ボードを使うことにより、誰でも低負担で自然素材の良さを享受できる。木材が持つ調湿性や断熱性は、日本の高温多湿の気候に適しており、自然素材は人の心に安らぎを与えてくれる。
さらには、天然木を材料に使用することにより、木材需要の増加につながり、森林が手入れされ、山の災害を防止し、二酸化炭素の森林吸収率も上がり、地球温暖化防止にも貢献できるという効果が得られる。
1 床敷き断熱ボード
10 無垢板
11 幅の小さい無垢板
20 断熱材
30 接着剤

Claims (6)

  1. 緩衝性を有するボード状断熱材の上に接着剤を介して天然木の無垢板を重ねて形成したことを特徴とする床敷き断熱ボード。
  2. 前記緩衝性を有する断熱材は、木質系繊維断熱材、ポリエステル樹脂系断熱材、又は発泡樹脂系断熱材のいずれかである、請求項1に記載の床敷き断熱ボード。
  3. 前記木質系繊維断熱材は、杉材と杉樹皮を粉砕し、粉砕した杉材と粉砕した杉樹皮を混合し、これに接着剤を加えて、板状に形成したものである、請求項2に記載の床敷き断熱ボード。
  4. 前記木質系繊維断熱材は、粉砕した杉材を1、粉砕した杉樹皮を1、接着剤としてコーンスターチを0.2の重量比率で混合し、板状に形成したものである、請求項2又は3に記載の床敷き断熱ボード。
  5. 前記天然木の無垢板及び前記緩衝性を有する断熱材はいずれも四角形状であり、かつ、天然木の無垢板の各辺の寸法を緩衝性を有する断熱材より少し大きい形状にしたことを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の床敷き断熱ボード。
  6. 1辺60cm以下の正方形に形成したことを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の床敷き断熱ボード。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110939248A (zh) * 2019-12-20 2020-03-31 浙江红日家具装饰有限公司 一种铝木覆合地暖地板及铺设方法

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