JP3211324B2 - バンドルファイバ固定装置 - Google Patents

バンドルファイバ固定装置

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JP3211324B2 JP01614792A JP1614792A JP3211324B2 JP 3211324 B2 JP3211324 B2 JP 3211324B2 JP 01614792 A JP01614792 A JP 01614792A JP 1614792 A JP1614792 A JP 1614792A JP 3211324 B2 JP3211324 B2 JP 3211324B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、分光分析機等に使用さ
れるバンドル形光ファイバの固定装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】バンドルファイバを分光分析機に固定す
る場合の従来例を図8および図9に示す。分光分析機の
ベース11の固定部材6には、バンドルファイバ5の口
金部8の円筒部が嵌合する開孔が設けられている。バン
ドルファイバ5は分光分析機の前パネル10に設けた開
孔から図8中左方向から装置内に挿入される。挿入深さ
すなわちファイバの端面12の位置は、位置決めカラー
9を前パネルに当接させることにより決定される。前パ
ネルから挿入されたファイバは、その口金部が固定部材
6の開孔に嵌合し、固定ネジ7によって固定される。こ
の従来例の場合、バンドルファイバのファイバ部端面1
2において素線ファイバは円形に配置されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ファイバ端面が円形
で、その位置に結像する光束形状が円形である場合に
は、水平および垂直方向の位置決め(図9中矢印b,
c)さえされていれば回転方向(同矢印a)の位置決め
は特に必要ではなかったが、ファイバ端面が矩形配列と
なっており、かつこの位置に分光器出口スリットの縮小
(または拡大)像のような矩形状の像を結像させる場合
においては、ファイバ端面の矩形の軸線と結像した矩形
像の軸線とが一致するように回転方向の位置決め、およ
びバンドルファイバの脱着を繰り返した場合における位
置再現性が必要となる。
【0004】しかしながら、上述説明した従来の固定装
置にあっては、水平および垂直方向(図9中矢印b,
c)の調整は、固定部材の位置調整および結像光学系の
調整により容易に行うことができ、また、これらの方向
の脱着時の位置再現性は固定部材に形成した案内孔とバ
ンドルファイバ口金との嵌合によって比較的容易に確保
することができるが、回転方向(図9中矢印a)の調整
は行うことができず、また脱着を繰り返したときの位置
再現性もない。脱着を繰り返す場合の再現性は、測定の
再現性、精度向上のために必要なものであるが、上記従
来例では測定時に要求されるこれら諸性能を保証するす
ることができない。
【0005】そこで本発明は、水平、垂直および回転方
向に位置決めを要する端面形状のバンドルファイバを精
度よく計測機器光学系に取り付けることができるバンド
ルファイバ固定装置を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明のバンドルファイバ固定装置においては、バ
ンドルファイバ先端口金部が嵌合する円筒状案内孔、該
案内孔と同心に形成したネジ部および該ネジ部端面の周
上に取り付けた位置決めピンとからなるバンドルファイ
バ固定部材と、先端口金部に形成したフランジの周上に
前記固定部材の位置決めピンと嵌合する切り欠きを有す
るバンドルファイバと、前記固定部材のネジ部に螺合す
るネジ部を有し、かつ前記フランジ部を前記固定部材の
端面に押圧する緊締部材と、前記フランジ部と前記固定
部材または前記緊締部材との接触面に挿入する円環状の
スペーサとを備えたものである。
【0007】
【作用】バンドルファイバ先端口金部を固定部材の円筒
状案内孔に押入し、口金と案内孔の嵌め合い公差を適当
に設定することにより、水平および垂直方向の位置決め
が行われる。
【0008】案内孔に押入された口金部は、さらにフラ
ンジ部が固定部材の押圧面に接するまで押し込まれ、こ
のときフランジ面に形成された切り欠きと固定部材に圧
入された位置決めピンとを嵌合させることにより、回転
方向の位置決めを行い、ファイバ端面の軸線の傾きを防
ぐ。
【0009】最終的な固定は、摺動スペーサを介し緊締
部材を締めつけることにより行う。摺動スペーサは、締
めつけの際に緊締部材の押圧面との間で摺りを生じさせ
ることにより、口金のフランジ部やファイバ部に過大な
回転トルクが加わり、破損するのを防ぐと同時に、位置
決めに必要な程度の適度の回転トルクを伝達するために
作用する。
【0010】
【実施例】実施例について図面を参照して説明するに、
この実施例においてはバンドルファイバを取り付ける相
手の計測機器として分光分析機器の場合を例示する。
【0011】図1はバンドルファイバの全体図、図2は
同ファイバ口金部の拡大図、図3は同ファイバ端面方向
よりみた端面および口金、フランジ部などを示す図であ
る。口金20は分析機器に接続する側であり、口金17
は測定対象側である。ファイバ部18は保護被覆された
複数の光ファイバ素線により構成されている。口金20
にはフランジ部21が一体的に形成されている。口金部
20および17はステンレス鋼などの金属材料を切削加
工して製作するのが一般的である。スペーサ22は摺動
性に優れ、かつ圧縮強度が適度に高い材料、たとえばカ
ーボンファイバ強化のフッ素系樹脂などを切削、打ち抜
きまたは射出成型して製作した薄い円環形状をしてお
り、口金20に回転可能に嵌められている。袋ナット1
9は口金20と同様にステンレス鋼などの材料を切削加
工し、内面に雌ネジ23を切ったものである。また、押
圧面25は口金20およびスペーサ22に均等な圧力が
かけられるような平面に仕上げられている。
【0012】フランジ21の周上には、切り欠き24が
切削加工によって形成されている。この切り欠きの幅w
は加工の容易さを考慮して1/10mm程度の寸法公差
となるように指定されている。
【0013】図4は上記のバンドルファイバを分析機器
側の固定部に取り付けた状態を示す断面図、図5は固定
側部材の構造を示す左側面図、図6は同右側面図であ
る。また、図7は図4の状態で固定されたバンドルファ
イバ固定部および分析機器の結像光学系などをあわせて
図示した平面図である。
【0014】分析機器のベース30に固定ネジ37によ
って取り付けられた支持部材27には、ファイバ固定部
材26が固定ネジ33により固定されている。固定部材
26にはバンドルファイバ口金20が嵌合する円筒状案
内孔31が形成されている。また、固定部材26には案
内孔31と同心に雄ネジ28が切られており、バンドル
ファイバに嵌めた袋ナット19に切られた雌ネジ23と
螺合するようになっている。
【0015】固定部材26の押圧面29には、位置決め
用ピン34が圧入固定されている。ピン34の外径はバ
ンドルファイバ口金のフランジ部に形成された切り欠き
24(図3参照)に嵌合するように決定されている。
【0016】アパーチャ板32にはファイバ端面12の
矩形形状よりも一回り小さい矩形の開孔39が穿けられ
ており、固定部材26に対して固定ネジ40で固定され
ている。アパーチャの取り付け方向は、固定部材に形成
された切り欠きおよびアパーチャ板の突起よりなる位置
決め部38によって一義的に決定されるようになってい
る。
【0017】図7において、35は分光器の出口スリッ
トを示し、図面と直角な方向を長手とする矩形状の細幅
開孔が設けられている。このスリットから発する光は、
反射鏡36a,36bによってファイバ固定部材に取り
付けられたアパーチャ板32上に結像される。結像倍率
は、各光学素子の面形状および出口スリット、光学素
子、バンドルファイバ端面の位置関係により決定され
る。また、反射鏡36a、36bの曲率、各部材の配置
などは、結像光学系のNAとバンドルファイバのNAが
マッチングするように決定して、必要最小限の素線本数
により最大の効率を得ることができるように設計されて
いる。
【0018】バンドルファイバを固定する際には、まず
口金部20を固定部材26の案内開孔31に図4左方向
より押入する。口金と開孔の嵌め合い公差を適当に設定
することにより、図9に示した水平および垂直方向の位
置決めが行われる。口金の外形、案内開孔の両者とも円
筒面の加工となるから、生産性を損なうことなく通常の
工作機械により高精度の加工をすることができる。
【0019】案内開孔31に押入された口金部は、さら
にフランジ部21が固定部材26の押圧面29に接する
まで押し込まれる。このときフランジ面に形成された切
り欠き24と固定部材に圧入された位置決めピン34と
を嵌合させることにより、図9に示した回転方向の位置
決めを行い、ファイバ端面の矩形12の軸線の傾きを防
ぐことができる。
【0020】最終的な固定は、摺動スペーサ22を介し
て袋ナット19を図4矢印d方向に締めつけることによ
り行う。
【0021】このように位置決めは、案内開孔と口金と
の嵌合およびフランジ上の切り欠きと位置決めピンとの
嵌合によってなされるが、この両者はいずれも加工精度
の限界による嵌め合いスキマが存在し、脱着を繰り返す
際にわずかに残るガタによる位置再現性の悪化をもたら
す。特に後者については、円筒面と直線溝との嵌合であ
り、加工上公差を小さくするのが一般に難しいが、上述
したように最終的な締結を袋ナット19の締めつけによ
って行うから、ネジを矢印d方向に回転することにより
フランジ面は押圧されうと同時に摺動スペーサ22を介
して矢印d方向への回転トルクを受け、このためフラン
ジ面に設けた切り欠きは常に同一面が位置決めピン34
の特定面に当接することにより、嵌合に多少のスキマが
あっても位置再現性よくファイバを固定することができ
る。
【0022】摺動スペーサ22は、締めつけの際に袋ナ
ット19の押圧面25との間で摺りを生じさせることに
より、口金のフランジ部やファイバ部に過大な回転トル
クが加わり、破損するのを防ぐと同時に、位置決めに必
要な程度の適度の回転トルクを伝達するためのものであ
る。
【0023】アパーチャ板32およびその中心に設けら
れた矩形アパーチャ39は、アパーチャ寸法をファイバ
端面の矩形配列12よりわずかに小さくすることにより
位置決め後もわずかに残る位置決め再現性の悪化を防ぐ
と同時に光学系調整時の目標となるものである。アパー
チャ板は位置決め部38によって固定部材に一義的に取
り付けられるため、位置決めピン34との相対関係を変
化させることはできないが、ピンまたはアパーチャ板の
いずれかを調整可能としてもよい。
【0024】光学系の調整は、反射鏡36a,36bの
位置、角度および固定部材26を支持する部材27の位
置、さらには支持部材27に対する固定部材26の取り
付け角度などを調整することにより図9に示した矢印
a,b,cの各方向、さらにファイバ端面の位置などが
最適となるように行う。
【0025】
【発明の効果】本発明は、以上説明したとおり構成され
ているので、水平、垂直および回転方向に位置決めを要
する端面形状のバンドルファイバを精度よく計測機器光
学系に取り付けることが可能となり、また脱着にともな
う位置再現性も複雑な脱着機構を要することなく確保さ
れる。
【0026】脱着は特別な工具を要することなく、袋ナ
ットを手で回すことのみにより可能であり、また計測機
器側の光学調整も上記各方向について容易に行うことが
できる。
【0027】なお、上記実施例ではバンドルファイバの
計測機器への取り付け部として説明したが、これをファ
イバの反対側、すなわち被測定物側に適用しても同様の
効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】計測用バンドルファイバの全体を示す図であ
る。
【図2】図1のファイバの口金部の拡大図である。
【図3】図2のファイバを端面方向からみた図である。
【図4】バンドルファイバを分析機器の固定部に取り付
けた状態を示す断面図である。
【図5】固定側部材の構造を示す左側面図である。
【図6】固定側部材の構造を示す右側面図である。
【図7】図4の状態で固定されたバンドルファイバ固定
部および分析機器の結像光学系などをあわせて図示した
平面図である。
【図8】従来のバンドルファイバ固定法を示す正面図で
ある。
【図9】従来のバンドルファイバ固定法を示す右側面図
である。
【符号の説明】
5 ファイバ部 6 ファイ
バ固定部材 8 ファイバ口金 10 分析機
器前パネル 11 分析機器ベース 12 ファイ
バ端面 17 測定部側口金 18 ファイ
バ部 19 袋ナット 20 分析機
器側口金 21 フランジ部 22 スペー
サ 24 切り欠き 25 押圧面 26 固定部材 27 支持部
材 29 押圧面 30 光学系
ベース 32 アパーチャ板 34 位置決
めピン

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 バンドルファイバ先端口金部が嵌合する
    円筒状案内孔、該案内孔と同心に形成したネジ部および
    該ネジ部端面の周上に取り付けた位置決めピンとからな
    るバンドルファイバ固定部材と、先端口金部に形成した
    フランジの周上に前記固定部材の位置決めピンと嵌合す
    る切り欠きを有するバンドルファイバと、前記固定部材
    のネジ部に螺合するネジ部を有し、かつ前記フランジ部
    を前記固定部材の端面に押圧する緊締部材と、前記フラ
    ンジ部と前記固定部材または前記緊締部材との接触面に
    挿入する円環状のスペーサとを備えてなるバンドルファ
    イバ固定装置。
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