JP3211041B2 - 4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンおよび2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリドンのn−メトキシ誘導体を製造するための改良された方法 - Google Patents

4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンおよび2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリドンのn−メトキシ誘導体を製造するための改良された方法

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JP3211041B2 JP12996393A JP12996393A JP3211041B2 JP 3211041 B2 JP3211041 B2 JP 3211041B2 JP 12996393 A JP12996393 A JP 12996393A JP 12996393 A JP12996393 A JP 12996393A JP 3211041 B2 JP3211041 B2 JP 3211041B2
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    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D211/00Heterocyclic compounds containing hydrogenated pyridine rings, not condensed with other rings
    • C07D211/92Heterocyclic compounds containing hydrogenated pyridine rings, not condensed with other rings with a hetero atom directly attached to the ring nitrogen atom
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は4−ヒドロキシ−2,
2,6,6−テトラメチルピペリジンおよび2,2,
6,6−テトラメチル−4−ピペリドンのN−メトキシ
誘導体を製造するための改良された方法に関するもので
あり、より詳しくは、立体障害性アミンである上記ピペ
リジンおよびピペリドンのN−メトキシ誘導体は相当す
るN−オキシルヒンダードアミンを過酸化水素および過
酸化物分解性遷移金属塩とジメチルスルホキシドの存在
下で処理することにより製造される。製造された化合物
はより複雑で商業的に有用なポリマー安定剤を合成する
ための重要な構築要素である。
【0002】
【従来の技術】2,2,6,6−テトラメチルピペリジ
ンのN−ヒドロカルビルオキシ誘導体は相当するN−H
およびN−アルキル化合物に比べ塩基性が弱く、より塩
基性の強いN−HおよびN−アルキルヒンダードアミン
の存在が望ましくない妨害を引き起こす基質中でのポリ
マー安定剤の特に有効な種類であることが最近わかって
きた。そのような施用の例は酸触媒化メラミン架橋熱硬
化性自動車用塗料、ポリ(塩化ビニル)、ポリオレフィ
ン含有難燃剤、およびハロゲン化および/または硫黄含
有化合物、例えば米国特許第5004770号、509
6950号および5112890号に教示された有害生
物防除剤に暴露されるポリオレフィンを包含する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】フェントン(Fenton)の
試薬(過酸化水素および第一鉄塩)がスルホキシドと組
み合わせて使用される場合、スルホキシドのα分解が起
こり、炭素原子中心ラジカルおよびスルフィン酸を生じ
る。H2 2 −Fe(II)とジメチルスルホキシドと
の組合せはメチルラジカルの最も有効な供給源の一つで
ある(P. Bruni等,有機フリーラジカルに関する第5回
国際シンポジウムの会報;H. Fischer, H. Heimgartner
編,スプリンガー−フェルラーク:ベルリン,198
8;73頁)。2−オキソ−1,1,3,3−テトラメ
チルイソインドリンと硫酸第一鉄、過酸化水素およびジ
メチルスルホキシドとの反応による2−メトキシ−1,
1,3,3−テトラメチルイソインドリンの生成が報告
されている(E. Rizzardo 等,Aust. J. Chem. 1982, 3
5, 2013 )。本発明はこのような状況を考慮してなされ
たもので、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメ
チルピペリジンおよび2,2,6,6−テトラメチル−
4−ピペリドンのN−メトキシ誘導体の改良された製造
方法の提供を課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】立体障害性アミンである
4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリ
ジンおよび2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリ
ドンのN−メトキシ誘導体は下の反応式に示されるよう
に過酸化水素と過酸化物分解性遷移金属塩とをジメチル
スルホキシドの存在下で混ぜることにより相当するN−
オキシルヒンダードアミンから製造される: (上記式中、Tは−C(O)−または−CH(OH)−
を表し、そしてMXは過酸化物分解性遷移金属塩を表
す)。好ましくは、遷移金属塩は鉄(II)または鉄
(III)塩であるが、その他の金属例えばチタン(I
II)、銅(I)および銅(II)もまた生成物の収率
は低いが有効である。
【0005】本発明は、10−70%の水性過酸化水素
1−10モル当量(N−オキシルヒンダードアミンを基
準として)をN−オキシルヒンダードアミン、Fe(I
I)、Fe(III)、Ti(III)、Cu(I)ま
たはCu(II)塩1−10モル当量およびジメチルス
ルホキシド1−500モル当量の混合物に−20℃と8
0℃の間の温度で添加することからなる、ジメチルスル
ホキシドの存在下に過酸化水素と過酸化物分解性金属F
e(II)、Fe(III)、Ti(III)、Cu
(I)またはCu(II)塩を混ぜることにより相当す
るN−オキシルヒンダードアミンから1−メトキシ−4
−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジ
ンまたは1−メトキシ−2,2,6,6−テトラメチル
−4−ピペリドンを製造する方法に関する。
【0006】過酸化水素の濃度および添加比率は反応温
度を制御するために調整され得る。温度は好ましくは−
10℃と60℃の間、最も好ましくは10℃と40℃の
間である。スルホキシドは試薬および反応溶媒として作
用する。過酸化水素の量はN−オキシルヒンダードアミ
ンを基準として1−3モル当量が好ましく、1.2−
2.5モル当量が最も好ましい。使用されるジメチルス
ルホキシドの量はN−オキシルヒンダードアミンの10
−100モル当量が好ましく、20−60モル当量が最
も好ましい。従って、好ましい方法は、20−50%の
過酸化水素1−3モル当量(N−オキシルヒンダードア
ミンを基準として)をN−オキシルヒンダードアミン、
金属塩1−2モル当量およびジメチルスルホキシド10
−100モル当量の混合物に−10℃と60℃の間の温
度で添加することからなる。最も好ましい方法は、20
−50%の過酸化水素1.2−2.5モル当量(N−オ
キシルヒンダードアミンを基準として)をN−オキシル
ヒンダードアミン、硫酸第一鉄七水和物1−1.2モル
当量およびジメチルスルホキシド20−60モル当量の
混合物に10℃と40℃の間の温度で添加することから
なる。反応全体を妨害しない補助溶媒、例えば第三ブチ
ルアルコールまたはアセトンが使用され得る。水はこの
反応のための優れた補助溶媒である。反応混合物への強
鉱酸の添加は収率に明らかな影響を及ぼさない。反応は
不活性雰囲気を必要としない。実験操作において種々の
変法が可能である。例えば、金属塩の水溶液は過酸化水
素、ジメチルスルホキシド、およびN−オキシル置換ヒ
ンダードアミンの混合物に添加され得る。別の変法では
スルホキシドとN−オキシルアミンの混合物に金属塩お
よび過酸化物溶液が、金属塩または過酸化物のいずれか
を十分過剰に維持するように調整されている相対速度で
同時に添加される。試薬が接触された後、反応混合物は
内部温度がもはや増加しなくなるまでさらに攪拌され
る。さらなる攪拌時間は収率に明らかな影響を及ぼさな
い。MXは硫酸第二鉄、塩化チタン(III)、塩化銅
(I)、硫酸銅(II)、より好ましくはFe++の塩、
例えば塩化第一鉄、硫酸アンモニウム鉄(II)六水和
物、グルコン酸鉄(II)、シュウ酸鉄(II)二水和
物、乳酸第一鉄二水和物または最も好ましくは硫酸第一
鉄七水和物である。好ましい反応方法は、20−50%
の過酸化水素1−3モル当量(N−オキシルヒンダード
アミンを基準として)をN−オキシルヒンダードアミ
ン、金属塩1−2モル当量およびジメチルスルホキシド
10−100モル当量の混合物に−10℃と60℃の間
の温度で添加することを包含する。最も好ましい方法
は、20−50%の過酸化水素1.2−2.5モル当量
(N−オキシルヒンダードアミンを基準として)をN−
オキシルヒンダードアミン、硫酸第一鉄七水和物1−
1.2モル当量およびジメチルスルホキシド20−60
モル当量の混合物に10℃と40℃の間の温度で添加す
ることを包含する。
【0007】本発明の方法は単純で商業的に重要なヒン
ダードアミンである2,2,6,6−テトラメチル−4
−ピペリドン(トリアセトンアミン)および4−ヒドロ
キシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン(TM
HP)のN−メトキシ誘導体を製造するための優れた方
法を提供する。トリアセトンアミンおよびTMHPは
2,2,6,6−テトラメチルピペリジンに基づくより
複雑な市販ポリマー安定剤を合成するための重要な構築
要素である。トリアセトンアミンおよびTMHPのより
複雑な分子への構築は4−オキソおよび4−ヒドロキシ
基の反応を包含する。例えば、トリアセトンアミンをジ
オールと反応させてケタールを得、そして第一アミンと
還元条件下で反応させて第二アミン誘導体を得る。第二
アミン誘導体を引続きカルボニル化合物またはクロロト
リアジンと反応させてもよい。TMHPはカルボン酸の
メチルおよびエチルエステルとのエステル交換によりカ
ルボン酸エステル誘導体に変換される。2,2,6,6
−テトラメチルピペリジンヒンダードアミンのN−ヒド
ロカルビルオキシ誘導体をポリマー安定剤として用いる
利点は上に記載されている。
【0008】N−ヒドロカルビルオキシヒンダードアミ
ン誘導体の最も有効な全合成は、米国特許第49219
62号に教示されるように、該ヒンダードアミンまたは
そのN−オキシル誘導体の炭化水素溶液を第三ブチル過
酸化水素および金属酸化物触媒と加熱することを包含す
る。しかしながら、N−メトキシヒンダードアミン誘導
体を合成するためにこの方法を用いると、低沸点のメタ
ン(−161℃)により妨害される。1−メトキシ−
2,2,6,6−テトラメチルピペリジンの合成のため
の記載されている方法は一般に結果として低い収率であ
り、そしてその化学のいずれもトリアセトンアミンおよ
びTMHPにおけるC−4での官能性に匹敵するものは
ない。例えば、1−オキシル−2,2,6,6−テトラ
メチルピペリジン(TEMPO)とn−ブチルリチウム
および硫酸ジメチルまたはナトリウム金属およびヨウ化
メチルとの反応では1−メトキシ−2,2,6,6−テ
トラメチルピペリジンを30−40%の収率で生じる
(G. M. WhitesidesおよびT. L. Newirth, J. Org. Che
m. 1975, 40, 3448 )。TEMPOがヨウ化メチルマグ
ネシウムと処理される場合に1−メトキシ−2,2,
6,6−テトラメチルピペリジンの収率75%が報告さ
れていたが(V. D. Sholle等,Dokl. Akad. Nauk SSSR
1971, 200, 137)、N−オキシルトリアセトンアミンま
たはTMHPとグリニヤール試薬との反応は実行不可能
である。
【0009】N−メトキシヒンダードアミン誘導体はU
S−A−5021481、EP−A−389419およ
びEP−A−309402に教示されるように不活性溶
媒例えばクロロベンゼン中での過酸化ジ第三ブチルの1
20−150℃での熱分解により生成されるメチルラジ
カルをN−オキシルヒンダードアミンと反応させること
により製造され得る。該メチルラジカルは第三ブトキシ
ラジカルのβ開裂から形成される。この製造方法はOH
保護4−ベンゾイルオキシ−1−オキシル−2,2,
6,6−テトラメチルピペリジンから得られる収率に比
べ、N−オキシルトリアセトンアミンおよびTMHPの
両方からかなり低い収率を一般的に生じる。本発明方法
は、過酸化ジ第三ブチルの有効な分解に必要なより高い
温度およびより長い反応時間に比べ(130℃でt1/2
=6.4時間;E. S. Huyser, フリーラジカル連鎖反
応;ウイリー−インターサイエンス:ニューヨーク,1
970;287頁)、より低い温度(10℃−40℃)
およびより短い反応時間で有効に行われ得る。Rizzardo
は再結晶の前に2−オキシル−1,1,3,3−テトラ
メチルイソインドリンを過酸化水素、硫酸第一鉄および
ジメチルスルホキシドとアルゴン雰囲気中で反応させる
ことにより2−メトキシ−1,1,3,3−テトラメチ
ルイソインドリンが77%の収率で合成されることを報
告している(E. Rizzardo 等,Aust. J. Chem. 1982, 3
5, 2013 )。この特別なN−オキシル前駆体には活性化
水素原子が存在しない。本発明の方法において記載され
ているような過酸化水素、硫酸第一鉄およびジメチルス
ルホキシドを用いるN−オキシルトリアセトンアミンお
よびTMHPのそれぞれのN−メトキシ誘導体への変換
は、ケトンおよびアルコール官能基の存在により悪影響
を受けることが予期されたであろう。アコールおよびケ
トンがフリーラジカルによる分離に対して近傍の水素原
子の感受性を高めることがよく知られている。例えば、
Scott はメチルラジカルにより水素原子αのカルボニル
基への優先的な分離を論じている(G. Scott, 大気酸化
および酸化防止剤;エルゼビール・パブリッシング・カ
ンパニー:ニューヨーク,1965;78−79頁)。
メチルラジカルによるアルコールからの水素原子の分離
の研究(A. A. Herod, Chemical Communications 1968,
891)はα水素位置でのラジカル攻撃の優先性を明らか
にした。アルコールとヒドロキシルラジカルとの反応の
結果は優先的なα水素分離と一致する(K. -D. Asmus
等, J. Phys. Chem. 1973, 77, 1218; W. T. Dixonおよ
びJ. Norman, J. Chem. Soc. 1963, 3119)。引用した
文献によれば、N−オキシルトリアセトンアミンおよび
N−オキシルTMHPの過酸化水素/硫酸第一鉄/ジメ
チルスルホキシド系中に存在するヒドロキシおよびメチ
ルラジカルへの暴露によりN−メトキシ生成物が相当に
低い収率で得られると予想されるであろう。それ故に、
本発明の方法により得られるN−メトキシトリアセトン
アミンおよびN−メトキシTMHPの80%という単離
収率は全く予期し得なかったものである。本発明の方法
のRizzardo等により報告された方法に優る主な利点は、
本発明方法はRizzardoの方法が必要とする不活性雰囲気
を必要としないということである。4−ヒドロキシ−
2,2,6,6−テトラメチルピペリジンおよび2,
2,6,6−テトラメチル−4−ピペリドンのN−オキ
シル誘導体は公知化合物であり、そしてBriereの方法に
従って製造され得る(R. Briere 等, Bull. Soc. Chim.
Fr. 1965, 3273 )。過酸化水素のクミル過酸化水素ま
たは第三ブチル過酸化水素への置き換え、または硫酸第
一鉄の硫酸鉄(III)、塩化チタン(III)、塩化
銅(I)または硫酸銅(II)への置き換えは生成物の
顕著に低下した収率を生じる。ジ−n−ブチルスルホキ
シドまたはジフェニルスルホキシドがジメチルスルホキ
シドの代わりに使用される場合、それぞれ低収率のN−
n−ブトキシおよびN−フェノキシ置換ヒンダードアミ
ン誘導体が得られる。メチルフェニルスルホキシドの使
用によりN−メトキシおよびN−フェノキシ置換ヒンダ
ードアミン誘導体の混合物が得られる。
【0010】
【実施例】以下の実施例は説明のためにだけ提示される
ものであり、本発明の範囲を何ら制限するものではな
い。 実施例1:1−メトキシ−2,2,6,6−テトラメチ
ル−4−ピペリドン 1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピ
ペリドン10.0g(58.7ミリモル)、硫酸第一鉄
七水和物17.2g(61.9ミリモル)およびジメチ
ルスルホキシド200mlの最初25℃の温度である混
合物に30%水性過酸化水素9.5g(84ミリモル)
の溶液を窒素下90分かけて滴下して添加する。添加の
間に反応温度は36℃に達する。過酸化物の全てが添加
された後、反応混合物を2時間攪拌する。この間、温度
は25℃まで低下する。反応混合物を15℃まで冷却
し、そして水(100ml)で希釈する。水85ml中
の水酸化ナトリウム8.6gの溶液を添加し、反応混合
物をアルカリ性にする。次いで混合物を塩化メチレン
(250ml,次に2×150ml)で抽出する。水
(200ml)を添加し、相分離を補助する。有機相を
一緒にし、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、そして減圧
下で濃縮すると明るい緑色の液体50gが得られる。シ
リカゲル上でのフラッシュクロマトグラフィー(50:
1ヘキサン/酢酸エチル,次に20:1ヘキサン/酢酸
エチル)による精製により表題化合物8.6g(収率7
9%)が融点35−38℃の白色固体として得られる。 元素分析結果: C1019NO2 に対する計算値:C64.8,H10.
3,N7.6 実測値 :C64.8,H10.
4,N7.5
【0011】実施例2:1−メトキシ−4−ヒドロキシ
−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン 4−ヒドロキシ−1−オキシル−2,2,6,6−テト
ラメチルピペリジン10.0g(58.1ミリモル)、
硫酸第一鉄七水和物17.8g(64.0ミリモル)お
よびジメチルスルホキシド200mlの最初25℃の温
度である混合物に30%水性過酸化水素9.2g(81
ミリモル)の溶液を窒素下75分かけて滴下して添加す
る。添加の間に反応温度は39℃に達する。過酸化物の
全てが添加された後、反応混合物を1.5時間攪拌す
る。この間、温度は26℃まで低下する。反応混合物を
15℃まで冷却し、そして水(150ml)で希釈す
る。水70ml中の水酸化ナトリウム7.5gの溶液を
添加し、反応混合物をアルカリ性にする。次いで混合物
を塩化メチレン(200ml,次に2×150ml)で
抽出する。有機相を一緒にし、無水硫酸マグネシウムで
乾燥し、そして減圧下で濃縮すると黄色液体53gが得
られる。シリカゲル上でのフラッシュクロマトグラフィ
ー(10:1ヘキサン/酢酸エチル,次に5:1ヘキサ
ン/酢酸エチル)による精製により表題化合物8.5g
(収率78%)が融点92−93℃の白色固体として得
られる。 元素分析結果: C1021NO2 に対する計算値:C64.1,H11.
3,N7.5 実測値 :C64.1,H11.
1,N7.4
【0012】実施例3は本発明の方法が不活性雰囲気中
で操作される必要がないことを示す。 実施例3:1−メトキシ−4−ヒドロキシ−2,2,
6,6−テトラメチルピペリジン 4−ヒドロキシ−1−オキシル−2,2,6,6−テト
ラメチルピペリジン10.0g(58.1ミリモル)、
硫酸第一鉄七水和物17.8g(64.0ミリモル)お
よびジメチルスルホキシド200mlの最初25℃の温
度である混合物に30%水性過酸化水素8.6g(76
ミリモル)の溶液を窒素下35分かけて滴下して添加す
る。水浴を用いて過酸化物添加の間に反応温度が33℃
を越えないようにする。次に反応混合物を25分間攪拌
し、そして塩化メチレン(200ml)と水(100m
l)とに分配する。水相を塩化メチレン(100ml)
で抽出する。有機相を一緒にし、無水硫酸マグネシウム
で乾燥し、そして減圧下で濃縮する。粗成物をシリカゲ
ル上でフラッシュクロマトグラフィー(10:1ヘプタ
ン/酢酸エチル,次に4:1ヘプタン/酢酸エチル)に
より精製すると表題化合物8.6g(収率79%)が得
られる。上記試験が空気の存在下および不活性雰囲気の
不在下で行われる場合、表題化合物の収量は8.8g
(収率81%)である。空気の存在は本発明の方法に悪
影響を及ぼさないことが明らかである。
【0013】実施例4および5は反応への温度の影響を
示す。 実施例4:1−メトキシ−4−ヒドロキシ−2,2,
6,6−テトラメチルピペリジン 4−ヒドロキシ−1−オキシル−2,2,6,6−テト
ラメチルピペリジン10.0g(58.1ミリモル)、
硫酸第一鉄七水和物17.8g(64.0ミリモル)お
よびジメチルスルホキシド100mlの最初23℃の温
度である混合物に30%水性過酸化水素9.1g(80
ミリモル)の溶液を窒素下30分かけて滴下して添加す
る。添加の間に反応温度は65℃に達する。過酸化物の
全てが添加された後、反応混合物を30分間攪拌する。
この間、温度は35℃まで低下する。反応混合物を塩化
メチレン(150ml)と水(100ml)とに分配す
る。有機相を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、そして減
圧下で濃縮すると、黄色液体が得られる。シリカゲル上
でフラッシュクロマトグラフィー(10:1ヘプタン/
酢酸エチル,次に4:1ヘプタン/酢酸エチル)により
精製すると表題化合物6.5g(収率60%)が得られ
る。 実施例5:1−メトキシ−4−ヒドロキシ−2,2,
6,6−テトラメチルピペリジン 初期温度が4℃であり、そして過酸化水素が90分かけ
て添加されることを除いて実施例4の操作を繰り返す。
氷−水浴が過酸化物添加の間の反応温度を5−10℃に
保つために使用される。冷却浴は添加完了5分後に取り
除かれ、そして反応混合物を1時間攪拌する。温度は徐
々に20℃まで上昇する。塩化メチレンでの抽出および
クロマトグラフィーによる精製の後、表題化合物の収量
は7.8g(収率72%)である。収率への温度の影響
を下の表1にまとめて示す。
【表1】 (脚注)* :1.3−1.4当量の30%H2 2 がN−オキシ
ルTMHP10.0g、1.1当量のFeSO4 および
100−200mlのDMSOに30−90分かけて添
加された。
【0014】実施例6は過酸化水素の量の増加による影
響を示す。 実施例6:1−メトキシ−4−ヒドロキシ−2,2,
6,6−テトラメチルピペリジン 30%過酸化水素14.5g(128ミリモル)を用い
て実施例3の操作を繰り返すと表題化合物8.8g(収
率81%)が得られる。過酸化水素の量の変化の影響を
下の表2にまとめて示す。
【表2】N−メトキシTMHPの収率と使用された過酸
化水素との関係* (脚注)* :30%H2 2 がN−オキシルTMHP10.0
g、1.1当量のFeSO4 および200mlのDMS
Oに30−60分かけて20−33℃で添加された。
【0015】実施例7および8は硫酸第一鉄の量の変化
の影響を示す。 実施例7:1−メトキシ−4−ヒドロキシ−2,2,
6,6−テトラメチルピペリジン 硫酸第一鉄七水和物8.1g(29.1ミリモル)、3
0%過酸化水素8.8g(78ミリモル)を用い、そし
て過酸化物の添加時間を15分として実施例3の操作を
繰り返すと表題化合物5.1g(収率47%)が得られ
る。全体で2.4gまたは24%の未反応4−ヒドロキ
シ−1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペ
リジン出発物質が反応混合物から回収される。 実施例8:1−メトキシ−4−ヒドロキシ−2,2,
6,6−テトラメチルピペリジン 硫酸第一鉄七水和物24.4g(87.8ミリモル)、
30%過酸化水素14.0g(124ミリモル)を用
い、そして過酸化物の添加時間を15分として実施例3
の操作を繰り返すと表題化合物8.7g(収率80%)
が得られる。硫酸第一鉄七水和物の量の変化の影響を下
の表3にまとめて示す。
【表3】N−メトキシTMHPの収率と使用された硫酸
第一鉄との関係* (脚注)* :1.3当量の30%H2 2 がN−オキシルTMH
P10.0g、FeSO4 および200mlのDMSO
に15−35分かけて20−33℃で添加された。** :2.1当量のH2 2 がこの実施例で使用された。
【0016】実施例9は反応混合物への硫酸の添加の影
響を示す。 実施例9:1−メトキシ−4−ヒドロキシ−2,2,
6,6−テトラメチルピペリジン 水35ml中の96%硫酸6.3g(62ミリモル)の
溶液が過酸化水素の添加前に反応混合物に添加されるこ
とを除いて実施例3の操作を繰り返す。固体炭酸ナトリ
ウム(7g)が塩化メチレンでの抽出前に反応混合物に
添加される。表題化合物の収量は8.0g(収率73
%)である。反応への酸の影響を下の表4にまとめて示
す。
【表4】N−メトキシTMHPの収率への酸の影響* (脚注)* :1.3当量の30%H2 2 がN−オキシルTMH
P10.0g、1.1当量のFeSO4 、濃硫酸および
200mlのDMSOに35−70分かけて25−33
℃で添加された。
【0017】実施例10および11は過酸化水素添加時
間の収率に及ぼす影響を示す。 実施例10:1−メトキシ−4−ヒドロキシ−2,2,
6,6−テトラメチルピペリジン 過酸化水素が55分間かけて添加され、そして添加完了
後2時間、反応混合物を攪拌することを除いて実施例3
の操作を繰り返す。表題化合物の収量は8.5g(収率
81%)である。 実施例11:1−メトキシ−4−ヒドロキシ−2,2,
6,6−テトラメチルピペリジン 冷却浴の使用により反応温度を20−33℃に保持しな
がら、過酸化水素を10分間かけて添加することを除い
て実施例3の操作を繰り返す。過酸化物添加完了後、混
合物を20分間攪拌する。表題化合物の収量は8.7g
(収率80%)である。収率への反応時間の影響を下の
表5にまとめて示す。
【表5】N−メトキシTMHPの収率と過酸化物添加時
間との関係* 実施例 添加時間 収率 11 10分 80% 3 35分 79% 10 55分 78% 2 75分 78% 5** 90分 72% (脚注)* :1.3−1.4当量の30%H2 2 がN−オキシ
ルTMHP10.0g、1.1当量のFeSO4 および
200mlのDMSOに20−33℃で添加された。** :1.4当量の30%H2 2 がN−オキシルTMH
P10.0g、1.1当量のFeSO4 および100m
lのDMSOに4−10℃で添加された。
【0018】実施例12−15はジメチルスルホキシド
の収率への影響を示す。 実施例12:1−メトキシ−4−ヒドロキシ−2,2,
6,6−テトラメチルピペリジン ジメチルスルホキシド200mlをジメチルスルホキシ
ド4ml(59ミリモル)および水96mlの混合物に
置き換えることを除いて実施例3の操作を繰り返す。表
題化合物の収量は0.4g(収率4%)である。 実施例13:1−メトキシ−4−ヒドロキシ−2,2,
6,6−テトラメチルピペリジン ジメチルスルホキシド200mlをジメチルスルホキシ
ド21ml(0.3モル)および水79mlの混合物に
置き換えることを除いて実施例3の操作を繰り返す。表
題化合物の収量は2.2g(収率20%)である。 実施例14:1−メトキシ−4−ヒドロキシ−2,2,
6,6−テトラメチルピペリジン ジメチルスルホキシド200mlをジメチルスルホキシ
ド42ml(0.59モル)および水58mlの混合物
に置き換えることを除いて実施例3の操作を繰り返す。
表題化合物の収量は4.4g(収率40%)である。 実施例15:1−メトキシ−4−ヒドロキシ−2,2,
6,6−テトラメチルピペリジン ジメチルスルホキシドの量を400mlに増加させるこ
とを除いて実施例3の操作を繰り返す。表題化合物の収
量は7.8g(収率72%)である。ジメチルスルホキ
シドの量の収率への影響を下の表6にまとめて示す。
【表6】N−メトキシTMHPの収率と使用されたジメ
チルスルホキシドとの関係* 実施例 DMSO当量 収率 12** 1 4% 13** 5 20% 14** 10 40% 5 24 72% 3 48 79% 15 97 72% (脚注)* :1.3−1.4当量の30%H2 2 がN−オキシ
ルTMHP10.0g、1.1当量のFeSO4 および
DMSOに4−33℃で25−105分かけて添加され
た。** :水がDMSOに添加されて溶媒の全容量を100m
lとする。
【0019】実施例16はN−オキシル化合物およびジ
メチルスルホキシドの混合物への過酸化水素および硫酸
第一鉄の同時添加の影響を示す。 実施例16:1−メトキシ−4−ヒドロキシ−2,2,
6,6−テトラメチルピペリジン 水80ml中の硫酸第一鉄七水和物17.9g(64.
4ミリモル)の溶液および30%水性過酸化水素9.7
g(86ミリモル)の溶液を、4−ヒドロキシ−1−オ
キシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン1
0.0g(58.1ミリモル)およびジメチルスルホキ
シド100mlの最初23℃の温度である混合物に窒素
下90分かけて滴下して添加する。過酸化物添加の間に
反応温度は29℃に上昇する。添加完了後、反応混合物
を2時間攪拌する。反応混合物を塩化メチレン(200
ml,次に100ml)で抽出し、そして粗成物をシリ
カゲル上でのフラッシュクロマトグラフィー(10:1
ヘプタン/酢酸エチル,次に5:1ヘプタン/酢酸エチ
ル)により精製すると表題化合物6.9g(収率63
%)が得られる。
【0020】実施例17および18はN−オキシル化合
物、過酸化水素およびジメチルスルホキシドの混合物へ
の水性硫酸第一鉄の添加の影響を示す。 実施例17:1−メトキシ−4−ヒドロキシ−2,2,
6,6−テトラメチルピペリジン 4−ヒドロキシ−1−オキシル−2,2,6,6−テト
ラメチルピペリジン10.0g(58.1ミリモル)、
30%水性過酸化水素8.3g(73ミリモル)および
ジメチルスルホキシド100mlの混合物に、水80m
l中の硫酸第一鉄七水和物17.8g(64.0ミリモ
ル)の溶液を、窒素下100分かけて滴下して添加す
る。硫酸第一鉄溶液を添加するにつれ、反応温度は27
℃から43℃まで急速に上昇する。53℃に達し、次い
で分解を生じる温度を制御するために冷却浴を使用す
る。硫酸第一鉄溶液を添加した後、反応混合物を30分
間攪拌し、次に塩化メチレン(3×100ml)で抽出
する。粗成物をシリカゲル上でのフラッシュクロマトグ
ラフィー(10:1ヘプタン/酢酸エチル,次に4:1
ヘプタン/酢酸エチル)により精製すると表題化合物
2.7g(収率25%)が得られる。
【0021】実施例18:1−メトキシ−4−ヒドロキ
シ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン 4−ヒドロキシ−1−オキシル−2,2,6,6−テト
ラメチルピペリジン10.0g(58.1ミリモル)、
30%水性過酸化水素14.5g(128ミリモル)お
よびジメチルスルホキシド200mlの混合物に、水1
00ml中の硫酸第一鉄七水和物17.8g(64.0
ミリモル)の溶液を、窒素下8分かけて滴下して添加す
る。硫酸第一鉄溶液を添加するので、氷−水浴が反応温
度を20℃−40℃に維持するために使用される。添加
完了後、混合物を室温で15分間攪拌し、次に塩化メチ
レン(200ml、次に100ml)で抽出する。粗成
物をシリカゲル上でのフラッシュクロマトグラフィー
(10:1ヘプタン/酢酸エチル,次に4:1ヘプタン
/酢酸エチル)により精製すると表題化合物5.7g
(収率52%)が得られる。
【0022】実施例19は硫酸第一鉄をその他の金属塩
に置き換えた場合の影響を示す。 実施例19:1−メトキシ−4−ヒドロキシ−2,2,
6,6−テトラメチルピペリジン 4−ヒドロキシ−1−オキシル−2,2,6,6−テト
ラメチルピペリジン10.0g(58.1ミリモル)、
硫酸第二鉄五水和物31.4g(64.1ミリモル)お
よびジメチルスルホキシド200mlの混合物に、30
%水性過酸化水素9.0g(79ミリモル)の溶液を、
20℃で窒素下10分かけて滴下して添加する。過酸化
水素溶液が添加されるので、温度変化は観察されない。
添加完了後、反応混合物を10分間攪拌する。水(50
ml)を添加し、そして温度を45℃に高める。混合物
を塩化メチレン(200ml)および水(50ml)で
希釈し、そして水相を塩化メチレン(2×100ml)
で抽出する。有機相を減圧下で濃縮し、そして粗成物を
シリカゲル上でのフラッシュクロマトグラフィー(4:
1ヘプタン/酢酸エチル)により精製すると融点93−
94℃の表題化合物1.25g(収率11%)が得られ
る。硫酸第二鉄五水和物の代わりに硫酸銅(II)五水
和物15.9g(63.7ミリモル)を用いて上記操作
を繰り返す。過酸化水素を25分かけて添加し、そして
添加の間に反応温度は22℃から55℃まで上昇する。
表題化合物の収量は1.6g(収率15%)である。硫
酸銅(II)五水和物が塩化銅6.3g(63.6ミリ
モル)に置き換えられた場合、表題化合物300mgが
得られる。4−ヒドロキシ−1−オキシル−2,2,
6,6−テトラメチルピペリジン1.0g(5.8ミリ
モル)、過酸化水素1.0g(8.8ミリモル)および
ジメチルスルホキシド15mlの混合物に、塩酸中の1
2%塩化チタン(III)7.2g(5.6ミリモル)
の溶液を、20℃で窒素下15分かけて滴下して添加す
る。添加の間に反応温度は30℃に上昇する。添加完了
後、混合物を45分間攪拌し、次いで塩化メチレン(5
0ml)で希釈する。炭酸ナトリウム飽和水溶液を添加
して水相を中和し、次に塩化メチレン(50ml)で抽
出する。一緒にした有機相を減圧下で濃縮し、そして粗
成物をシリカゲル上でのフラッシュクロマトグラフィー
(4:1ヘプタン/酢酸エチル)により精製すると表題
化合物100mg(収率10%)が得られる。
【0023】実施例20および21は1−メトキシ−
2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリドンおよび
1−メトキシ−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テト
ラメチルピペリジンの合成のために過酸化ジ第三ブチル
を使用するのに比べて本発明の方法の利点を説明する。
実施例20−22は、過酸化ジ第三ブチルの熱分解から
生じるメチルラジカルをN−オキシルトリアセトンアミ
ンおよびTMHPと反応させることにより得られるN−
メトキシ生成物の収率が、より反応性の低いN−オキシ
ルTMHPの4−ベンゾイルオキシ誘導体が使用される
場合に得られる収率に比べ、極めて低いことを示す。 実施例20:1−メトキシ−2,2,6,6−テトラメ
チル−4−ピペリドン 1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピ
ペリドン10.0g(58.7ミリモル)、過酸化ジ第
三ブチル8.6g(59ミリモル)およびo−ジクロロ
ベンゼン80mlの混合物を窒素下145℃(内部温
度)で2.5時間加熱する。揮発分をディーン−スター
クトラップに集める。反応混合物を室温まで冷却し、そ
してシリカゲルのカラムに注入する。カラムを最初にヘ
プタンで溶出してo−ジクロロベンゼンを除去し、次い
で10:1ヘプタン/酢酸エチルで溶出して3成分混合
物8gを得る。混合物を真空下蒸留し、そして3つの画
分を集める。TLCは画分の全てが表題化合物および2
種の混入物を含むことを示す。3つの不純画分を一緒に
すると黄色液体4.8g(純粋であるならば収率44
%)が得られる。この結果は実施例1の方法に従って融
点35−38℃の白色固体として得られた表題化合物の
収率79%と比較される。
【0024】実施例21:1−メトキシ−4−ヒドロキ
シ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジン 4−ヒドロキシ−1−オキシル−2,2,6,6−テト
ラメチルピペリジン10.0g(58.1ミリモル)、
過酸化ジ第三ブチル8.6g(59ミリモル)およびo
−ジクロロベンゼン80mlの混合物を窒素下145−
150℃(内部温度)で3.5時間加熱する。揮発分を
ディーン−スタークトラップに集める。反応混合物を室
温まで冷却し、そしてシリカゲルのカラムに注入する。
カラムを最初にヘプタンで溶出してo−ジクロロベンゼ
ンを除去し、10:1ヘプタン/酢酸エチル、次に4:
1ヘプタン/酢酸エチルで溶出して橙色固体7.6gを
得る。粗成物をヘプタンから2回再結晶させると、不純
物が除去され、そして表題化合物3.9g(収率36
%)が得られる。この結果は実施例2の方法に従って得
られた表題化合物の収率78%と比較される。
【0025】実施例22:4−ベンゾイルオキシ−1−
メトキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン 4−ベンゾイルオキシ−1−オキシル−2,2,6,6
−テトラメチルピペリジン40.1g(145ミリモ
ル)、過酸化ジ第三ブチル21.8g(149ミリモ
ル)およびo−ジクロロベンゼン200mlの混合物を
窒素下145℃(内部温度)で1.75時間加熱する。
揮発分をディーン−スタークトラップに集める。反応混
合物を室温まで冷却し、そしてシリカゲルのカラムに注
入する。カラムを最初にヘプタンで溶出してo−ジクロ
ロベンゼンを除去し、次いで25:1ヘプタン/酢酸エ
チルで溶出して黄色固体43gを得る。HPLC(ウォ
ーターズ・プレップ500A,50:1ヘキサン/酢酸
エチル)による最終精製により表題化合物33.9g
(収率80%)が得られる。
【0026】実施例1、2および23は、従来技術であ
る過酸化ジ第三ブチルを用いる方法と異なり、本発明の
方法による収率がトリアセトンアミンおよびTMHPに
存在する反応性4−オキソおよび4−ヒドロキシ基によ
り悪影響を受けないことを示す。 実施例23:4−ベンゾイルオキシ−1−メトキシ−
2,2,6,6−テトラメチルピペリジン 4−ベンゾイルオキシ−1−オキシル−2,2,6,6
−テトラメチルピペリジン10.0g(36.2ミリモ
ル)、硫酸第一鉄七水和物11.2g(40.3ミリモ
ル)およびジメチルスルホキシド135mlの最初24
℃である混合物に30%水性過酸化物5.9g(52ミ
リモル)の溶液を窒素下90分かけて滴下して添加す
る。過酸化物が添加されるにつれ、反応温度は37℃に
上昇する。添加完了後、反応混合物を室温で1.75時
間攪拌する。反応混合物を氷−水浴中で冷却し、そして
水(80ml)で希釈する。水45ml中の水酸化ナト
リウム5gの溶液を添加し、反応混合物を塩基性にす
る。混合物を塩化メチレン(250ml,次に2×15
0ml)で抽出し、一緒にした有機相を減圧下で濃縮す
ると明るい橙色の液体が得られる。粗成物をシリカゲル
上でフラッシュクロマトグラフィー(20:1ヘプタン
/酢酸エチル)により精製すると表題化合物8.5g
(収率81%)が融点67−69℃の白色固体として得
られる。 元素分析結果: C1725NO3 に対する計算値:C70.1,H8.
6,N4.8 実測値 :C70.2,H8.
9,N4.7
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−113368(JP,A) Aust.J.Chem.,Vol. 35,No.10(1982)p.2013−2024 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07D 211/94 B01J 27/122,27/128,27/135 CA(STN)

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 10−70%の水性過酸化水素1−10
    モル当量(N−オキシルヒンダードアミンを基準とし
    て)をN−オキシルヒンダードアミン、Fe(II)、
    Fe(III)、Ti(III)、Cu(I)またはC
    u(II)塩1−10モル当量およびジメチルスルホキ
    シド1−500モル当量の混合物に−20℃と80℃の
    間の温度で添加することからなる、ジメチルスルホキシ
    ドの存在下に過酸化水素と過酸化物分解性金属Fe(I
    I)、Fe(III)、Ti(III)、Cu(I)ま
    たはCu(II)塩を混ぜることにより相当するN−オ
    キシルヒンダードアミンから1−メトキシ−4−ヒドロ
    キシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンまたは
    1−メトキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピ
    ペリドンを製造する方法。
  2. 【請求項2】 第三ブチルアルコール、アセトンおよび
    水からなる群から選択される補助溶媒もまた存在する請
    求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 水が補助溶媒として存在する請求項2記
    載の方法。
  4. 【請求項4】 塩が硫酸第二鉄、塩化チタン(II
    I)、塩化銅(I)、硫酸銅(II)、塩化第一鉄、硫
    酸アンモニウム鉄(II)六水和物、グルコン酸鉄(I
    I)、シュウ酸鉄(II)二水和物、乳酸第一鉄二水和
    物または硫酸第一鉄七水和物である請求項1記載の方
    法。
  5. 【請求項5】 塩が硫酸第一鉄七水和物である請求項4
    記載の方法。
  6. 【請求項6】 20−50%の過酸化水素1−3モル当
    量(N−オキシルヒンダードアミンを基準として)をN
    −オキシルヒンダードアミン、金属塩1−2モル当量お
    よびジメチルスルホキシド10−100モル当量の混合
    物に−10℃と60℃の間の温度で添加することからな
    る請求項1記載の方法。
  7. 【請求項7】 20−50%の過酸化水素1.2−2.
    5モル当量(N−オキシルヒンダードアミンを基準とし
    て)をN−オキシルヒンダードアミン、硫酸第一鉄七水
    和物1−1.2モル当量およびジメチルスルホキシド2
    0−60モル当量の混合物に10℃と40℃の間の温度
    で添加することからなる請求項1記載の方法。
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