JP3942674B2 - 7位水酸基が選択的に保護されたエスクレチン誘導体の製造方法 - Google Patents

7位水酸基が選択的に保護されたエスクレチン誘導体の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、7位水酸基が選択的に保護されたエスクレチン誘導体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
エスクレチンの6位水酸基に単糖類残基を導入した化合物は、例えば、軟骨保護剤として有用な化合物である(例えば、特開平7−179490号公報)。エスクレチンから前記化合物を製造する場合、7位水酸基を保護したエスクレチンが重要な中間体と考えられる。すなわち、6位と7位に水酸基を有するエスクレチンの6位水酸基に単糖類残基を導入する場合、先ず7位の水酸基をベンジル基などの保護基で保護してから残りの6位水酸基に単糖類を導入し、その後で7位の保護基を脱離して元の水酸基とする方法が用いられる。この場合、7位の水酸基を保護する方法として、従来は6位水酸基にグルコース残基を置換した形のエスクリン(すなわち、6−グルコピラノシルオキシ−7−ヒドロキシクマリン)を原料として、7位の水酸基に保護基を導入し、次いで加水分解により6位のグルコピラノシルオキシ基を水酸基に変える方法が標準的であった。ここで、原料となるエスクリンは天然物より単離されるものであり、例えば、西洋トチノキの葉及び樹皮部より単離される。この方法は保護基の導入と加水分解という2段階の工程を必要とするため、操作が煩雑であり、収率が低下するという欠点があった。
これに対して、エスクレチンの7位水酸基に1段階の反応工程で保護基を導入する試みがなされている〔P.Gorecki et al.,Herba Pol.,vol.17,no.1−2,pp.46−51(1971)参照〕。これは、エスクレチンを、無水アセトン中でエスクレチン及び等モル量の無水炭酸カリウムと触媒量のヨウ化ナトリウムの存在下に、塩化ベンジルと反応させる方法である。48.6%の収率で7−ベンジルオキシ−6−ヒドロキシクマリンを得ており、更に副生物として10%の収率で6,7−ジベンジルオキシクマリンを得ている。しかし、収率及び選択率の両者とも、満足することのできるものではなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、従来技術の欠点を解決して、6位と7位に水酸基を有するエスクレチン誘導体の7位水酸基に対して、選択的にしかも収率よく水酸基保護基を導入し、7位水酸基が選択的に保護されたエスクレチン誘導体を製造することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
前記の課題は、本発明による、一般式(II):
【化4】
Figure 0003942674
(式中、Rは−COOR、水素原子、水酸基、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、又はアラルキル基であって、Rの結合位置は3位又は4位であり、Rは水素原子、アルキル基、又はシクロアルキル基である)で表されるエスクレチン誘導体と、一般式(III):
【化5】
Br (III)
(式中、Rはフェノール性水酸基保護基である)で表される化合物とを、有機溶媒中で、エスクレチン誘導体の2〜6倍モル量の炭酸カリウムの存在下に反応させることにより、一般式(I):
【化6】
Figure 0003942674
(式中、R及びRは前記と同じ意味である)で表されるエスクレチン誘導体の製造方法によって解決することができる。
【0005】
【発明の実施の形態】
前記の式(I)及び式(II)で表されるエスクレチン誘導体などに含まれるR1 は、−COOR2 、水素原子、水酸基、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、又はアラルキル基であって、クマリン環の3位又は4位の炭素原子と結合している。以下、本明細書において3位に置換基を有するエスクレチン化合物を3−置換エスクレチン化合物と称し、クマリン環の4位に置換基を有するエスクレチン化合物を4−置換エスクレチン化合物と称することがある。
【0006】
前記の−COOR2 は、カルボキシル基又はそのアルキルエステル基あるいはシクロアルキルエステル基であり、R2 のアルキル基は、好ましくは炭素数1〜4の低級アルキル基(例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基又はt−ブチル基)である。R2 のシクロアルキル基は、好ましくは炭素数3〜7のシクロアルキル基、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、又はシクロヘプチル基であり、シクロペンチル基又はシクロヘキシル基がより好ましい。
【0007】
前記のR1 のアルキル基は、好ましくは炭素数1〜4の低級アルキル基、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基又はt−ブチル基であり、メチル基又はエチル基が特に好ましく、メチル基が最も好ましい。R1 のシクロアルキル基は、好ましくは炭素数3〜7のシクロアルキル基、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、又はシクロヘプチル基であり、シクロペンチル基又はシクロヘキシル基がより好ましい。
前記のR1 のアリール基は、好ましくは炭素数6〜12のアリール基、例えば、フェニル基、ナフチル基、又はビフェニル基であり、これらのアリール基は、1個又は2個以上の置換基、例えば、炭素数1〜4の低級アルキル基、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子)及び/又は水酸基で置換されていることができる。フェニル基又は置換フェニル基が好ましい。
【0008】
更に、前記のR1 のアラルキル基は、好ましくは炭素数6〜12のアリール基で置換された炭素数1〜4の低級アルキル基であり、例えば、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基、又はフェニルブチル基である。前記アラルキル基のアリール部分も1個又は2個以上の置換基、例えば、炭素数1〜4の低級アルキル基、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子)及び/又は水酸基で置換されていてもよく、ベンジル基又は置換ベンジル基が好ましい。
【0009】
前記の式(III)で表される化合物、及び前記式(I)で表されるエスクレチン誘導体に含まれるR3 であるフェノール性水酸基保護基は、水素化分解により除去することのできる基であれば特に限定されないが、アルキル基、シクロアルキル基、又はアラルキル基であることが好ましく、アラルキル基がより好ましい。
3 のアルキル基は、好ましくは炭素数1〜4の低級アルキル基である。R3のシクロアルキル基は、好ましくは炭素数3〜7のシクロアルキル基、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、又はシクロヘプチル基であり、シクロペンチル基又はシクロヘキシル基がより好ましい。
3 のアラルキル基は、好ましくは炭素数6〜12のアリール基で置換された炭素数1〜4の低級アルキル基であり、例えば、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基、又はフェニルブチル基である。前記アラルキル基のアリール部分は1個又は2個以上の置換基、例えば、炭素数1〜4の低級アルキル基又はハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子)で置換されていてもよい。特に好ましいアラルキル基はベンジル基である。
【0010】
前記の式(III)で表される化合物に含まれるX1は、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子)であり、塩素原子又は臭素原子が好ましい。特に臭素原子が好ましい。
【0011】
金属炭酸塩は、アルカリ金属炭酸塩又はアルカリ土類金属炭酸塩が好ましく、アルカリ金属炭酸塩がより好ましい。アルカリ金属としては、リチウム、ナトリウム、又はカリウムが好ましく、カリウムがより好ましい。すなわちアルカリ金属炭酸塩としては、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、又は炭酸カリウムが好ましい。特に炭酸カリウムが好ましい。
【0012】
本発明方法の主要な特徴は、金属炭酸塩を、式(II)で表される原料エスクレチン誘導体の1倍モル以上の量、特には1〜10倍モル量で使用することにより、7位水酸基が選択的に保護されたエスクレチン誘導体を高選択率でしかも高収率で製造する点にある。金属炭酸塩の使用量が、原料エスクレチン誘導体の1倍モル量未満の場合には、7位選択性が不十分であり、収率もよくない。10倍モル量を越えても特に不都合はないが、増量しただけの効果の上昇が見られない。選択性と収率の点で好ましい量は、2〜6倍モル量である。
【0013】
有機溶媒としては、例えば、トルエン、シクロヘキサン、キシレン、ベンゼン、又はメシチレン等の炭化水素類、アセトン、又はメチルエチルケトン等のケトン類、ジメチルホルムアミド等のアミド類を用いることができる。アミド類が好ましく、特にジメチルホルムアミドが好ましい。
【0014】
反応温度は、室温から溶媒の沸点迄の間で反応の進行に応じて適宜設定することができる。好ましい反応温度は、−78〜+100℃である。より好ましくは0〜60℃である。反応時間は、反応の進行に応じて適宜設定することができる。好ましい反応時間は1〜48時間である。
【0015】
本発明方法によって得られた、一般式(I)で表される7位水酸基が選択的に保護されたエスクレチン誘導体において、保護されていない6位水酸基に単糖類残基を導入することができる。
先ず、アシル化された単糖類の1位のアシルオキシ基をハロゲン原子で置換して得られる一般式(IV):
【化7】
5 −X2 (IV)
(式中、R5 はアシル化された単糖類残基であり、X2はハロゲン原子である)で表される化合物と前記一般式(I)で表されるエスクレチン誘導体とを反応させて、一般式(V):
【化8】
Figure 0003942674
(式中、R1、R3、及びR5は、前記と同じ意味である)
で表される化合物を得ることができる。
【0016】
前記の反応においては、例えば、苛性アルカリ水溶液−アセトン水溶液等のアルカリ水溶液を含む有機溶媒中で、0〜80℃で反応を実施することにより、6位水酸基の水素原子を、アシル化された単糖類残基R5で置換した化合物を得ることができる。あるいは、クロロホルム又はアセトニトリル等の有機溶媒に、一般式(I)で表される化合物と一般式(IV)で表される単糖類誘導体とを溶解し、この溶液に、苛性アルカリ水溶液に溶解した有機基を有するハロゲン化アンモニウム塩(相関移動触媒)又はトリエチルアミン等(塩基触媒)を、0〜50℃で滴下した後、0〜80℃で、0.5時間〜10日間反応させて一般式(V)で表される化合物を得ることができる。前記の苛性アルカリ水溶液は、例えば、水酸化ナトリウム水溶液であり、有機基を有するハロゲン化アンモニウム塩は、例えば、塩化ベンジルトリエチルアンモニウムである。なお、相関移動触媒とは、水層と有機層を自由に移動することのできる触媒のことであり、例えば、塩化ベンジルトリエチルアンモニウムを挙げることができる。
【0017】
こうして得られた一般式(V)で表される化合物において、必要に応じて、6位水酸基に導入されたアシル化された単糖類残基を脱アシルして6位に単糖類残基を有するエスクレチン誘導体とすることができる。この脱アシル化反応は、例えば、メタノール等の有機溶媒中で、不活性ガス(例えば、窒素ガス又はアルゴンガス)気流中、メタノール等のアルコールに溶解したカリウム又はナトリウム等のアルカリ金属を反応させて実施することができる。反応温度は通常、0〜70℃、反応時間は通常、0.1〜72時間である。
【0018】
次に、7位の水酸基保護基を水素化分解して脱離することができる。この脱離反応は、パラジウム系又は白金系触媒存在下に0〜80℃で、0.5〜48時間、水素ガスと反応させて行うことができる。パラジウム系触媒として、例えば、パラジウム−硫酸バリウム、又はパラジウム−炭素等を用いるのが好ましい。
前記の脱アシル化反応及び保護基脱離反応を、前記の順序とは逆にして、すなわち、7位の水酸基保護基を脱離してから、6位のアシル化された単糖類残基を脱アシルすることもできる。
【0019】
本発明の製造方法の原料として用いられるエスクレチンは、試薬として、例えば、東京化成工業株式会社から入手することができる。3−置換又は4−置換エスクレチン化合物のうち、4−メチルエスクレチンは、試薬として、例えば、東京化成工業株式会社から入手することができる。更に、4−置換エスクレチンは、一般的に、式(VI)
【化9】
Figure 0003942674
(式中、R1 は前記と同じ意味である)で表される化合物と無水酢酸と酢酸ナトリウムとを反応させるKostanecki−Robinson反応(T.C.Chadha,H.S.Mahal,J.Chem.Soc.,1933,p.1495参照)により合成することができる。前記式(VI)中でR1 が水素原子である化合物を用いると、同様の反応によりエスクレチンを合成することができる。更に、前記式(II)中でR1 が水酸基である4−置換エスクレチン化合物を得るには、前記式(VI)中でR1 が保護基Bを有する水酸基−OB、例えばベンジルオキシ基等の化合物を用いて同様の反応により得たエスクレチン誘導体を水素化分解して保護基を脱離することにより合成することができる。この場合、前記の水素化分解を実施せずに保護基をもつエスクレチン誘導体を用いて、本発明の製造方法の反応を行い、後で保護基を脱離する方法が好ましい。
【0020】
3−置換又は4−置換エスクレチン化合物のうち、3−置換エスクレチン化合物は、一般にサリチルアルデヒドにKnovenagel反応を行うと収率よく合成することができる。例えば、E.C.Horning,J.Amer.Chem.Soc.,69,968(1947)に記載の
【化10】
Figure 0003942674
で表される反応、又はD.G.Crosby,J.Org.Chem.,27,3083(1962)に記載の
【化11】
Figure 0003942674
(式中、R1は前記と同じ意味であり、Acはアセチル基であり、Etはエチル基である)で表される反応により、3−置換エスクレチン化合物を得ることができる。
【0021】
反応生成物の精製法としては、抽出、クロマトグラフィー、結晶化、及び/又は再沈澱等を利用することができる。異性体を分離する必要がある場合は、液体クロマトグラフィー等により分離することができる。生成物の構造は、赤外線吸収スペクトル、紫外線吸収スペクトル、核磁気共鳴吸収スペクトル、元素分析、及び/又は質量スペクトル等により確認することができる。
【0022】
【実施例】
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、これらは本発明の範囲を限定するものではない。
実施例1:7−ベンジルオキシ−6−ヒドロキシクマリンの合成
エスクレチン(1.0g、5.6mmol)をジメチルホルムアミド(10ml)に溶解した。この溶液に炭酸カリウム(1.56g、11.2mmol、原料の2倍モル量)を加え、臭化ベンジル(1.44g、8.4mmol、原料の1.5倍モル量)を0℃で加えた後、室温で一晩撹拌した。薄層クロマトグラフィー(TLC)で生成物を確認し、反応液を氷水(10ml)に注いだ後、クロロホルム(50mlx1,25mlx2)で抽出した。有機層を飽和食塩水(20ml)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧濃縮した。残渣(1.83g)にボラックス(Na2 4 7 ・10H2 O、2.05g、5.38mmol)と水(7ml)の混合物を加え、加熱溶解した。沈殿物を濾別し精製し、6,7−ジベンジルオキシクマリン(551mg、収率27.5%)を無色結晶として得た。濾液を硫酸に加え、冷却後に粗結晶(1.26g)を集めた。この粗結晶をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、n−ヘキサン/酢酸エチル=4/1)で分離精製することにより標記の化合物(1021mg、収率68.0%)を淡黄色結晶として得た。TLCで確認したところ未反応の原料エスクレチンは存在しなかった。
【0023】
(1)7−ベンジルオキシ−6−ヒドロキシクマリンの理化学的物性
融点:175−178℃
Rf:0.48(クロロホルム/酢酸エチル=6/1)
1H−NMR(500MHz,DMSO−d6 ,δ ppm):5.23(s,2H,CH2 ),6.24(d,1H,J=9.5Hz,C3−H),7.05(s,1H,C8−H),7.10(s,1H,C5−H),7.90(d,1H,J=9.5Hz,C4−H),9.43(s,1H,C−OH)
(2)6,7−ジベンジルオキシクマリンの理化学的物性
融点:163.0−163.5℃
Rf:0.62(クロロホルム/酢酸エチル=6/1)
1H−NMR(500MHz,CDCl3 ,δ ppm):5.17(s,2H,C6−CH2 ),5.23(s,2H,C7−CH2 ),6.23(d,1H,J=9.6Hz,C3−H),6.88(s,1H,C8−H),6.92(s,1H,C5−H),7.31−7.46(m,10H,Bn),7.59(d,1H,J=9.6Hz,C4−H)
【0024】
実施例2〜7:7−ベンジルオキシ−6−ヒドロキシクマリンの合成
実施例1と同様にして、それぞれ表1に示すような反応条件を用いて、それぞれ表2に示すような結果を得た。
【0025】
参考例1:7−ベンジルオキシ−6−ヒドロキシクマリンの合成
エスクレチン(1.0g、5.6mmol)をジメチルホルムアミド(10ml)に溶解した。この溶液に炭酸カリウム(0.39g、2.8mmol、原料の0.5倍モル量)を加えた後、塩化ベンジル(0.7g、5.6mmol、原料の1.0倍モル量)を0℃で加え、その後室温で一晩撹拌した。TLCで生成物を確認し、反応液を氷水(10ml)に注いだ後、クロロホルム(50mlx1,25mlx2)で抽出した。有機層を飽和食塩水(20ml)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、減圧濃縮した。残渣(0.96g)にボラックス(Na2 4 7 ・10H2 O、4.11g、10.77mmol)と水(7ml)の混合物を加え、加熱溶解した。沈殿物(310mg)を濾別し精製し、6,7−ジベンジルオキシクマリン(226mg、収率16.6%)を無色結晶として得た。濾液を硫酸に加え、冷却後に粗結晶を集めた。この粗結晶をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、n−ヘキサン/酢酸エチル=4/1)で分離精製することにより標記の化合物(249mg、収率16.6%)と原料エスクレチン(304mg、30.5%)をそれぞれ淡黄色結晶として得た。
【0026】
参考例2:7−ベンジルオキシ−6−ヒドロキシクマリンの合成
塩化ベンジルの代わりに臭化ベンジルを用いること以外は、参考例1に記載の操作を繰り返し、表2に示す結果を得た。
【0027】
【表1】
Figure 0003942674
【0028】
【表2】
Figure 0003942674
【0029】
【発明の効果】
本発明の製造方法により、6位と7位に水酸基を有するエスクレチン誘導体を原料として、7位水酸基が選択的に保護されたエスクレチン誘導体を高収率で製造することができる。7位水酸基を保護したエスクレチン誘導体は、軟骨保護剤として有用なエスクレチン誘導体の6位水酸基に単糖類残基を導入した化合物の中間体として重要な化合物である。

Claims (4)

  1. 一般式(II):
    Figure 0003942674
    (式中、Rは−COOR、水素原子、水酸基、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、又はアラルキル基であって、Rの結合位置は3位又は4位であり、Rは水素原子、アルキル基、又はシクロアルキル基である)で表されるエスクレチン誘導体と、一般式(III):
    【化2】
    Br (III)
    (式中、Rはフェノール性水酸基保護基である)で表される化合物とを、有機溶媒中で、前記エスクレチン誘導体の2〜6倍モル量の炭酸カリウムの存在下に反応させることを特徴とする、一般式(I):
    Figure 0003942674
    (式中、R及びRは前記と同じ意味である)で表されるエスクレチン誘導体の製造方法。
  2. 前記フェノール性水酸基保護基が、アルキル基、シクロアルキル基、又はアラルキル基であるか、あるいはハロゲン原子及び/又はアルキル基で置換されているアラルキル基である請求項1に記載の方法。
  3. 前記フェノール性水酸基保護基が、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基、又はフェニルブチル基であるか、あるいはハロゲン原子及び/又はアルキル基で置換されているベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基、又はフェニルブチル基である請求項に記載の方法。
  4. 有機溶媒がジメチルホルムアミドである請求項1〜のいずれか一項に記載の方法。
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