JP3210950B2 - 塩化ビニル系樹脂の製造方法 - Google Patents

塩化ビニル系樹脂の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は塩化ビニル系樹脂の製造
方法に関し、更に詳しくは還流凝縮器を設置した重合反
応器を用いて塩化ビニル系樹脂を乳化重合又は微細懸濁
重合(以下、乳化重合等と記述することがある)により
製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】塩化ビニル単独重合体又は塩化ビニルと
これと共重合可能な単量体との共重合体のラテックスや
ペースト加工用樹脂を製造するには一般に乳化重合又は
微細懸濁重合法が行なわれている。これらの重合法によ
れば単一粒子の粒径が0.1〜3.0μmの球形の重合
体粒子を30〜60重量%含有するラテックスを得るこ
とができる。このように乳化重合又は微細懸濁重合によ
る重合反応を、粗大な凝集粒子の発生や器壁や攪拌翼に
重合体のスケールの付着が起きないよう、また得られる
ラテックスが沈降成分となる重合体凝集粒子を含まない
ようにするためには、通常剪断力の小さいゆっくりした
攪拌条件で反応する。このため、ジャケットの伝熱係数
が小さく、懸濁重合と比べて重合缶ジャケットでの重合
反応熱の除去量が小さい。その結果、反応時間が長くな
ってしまうので、その対策として重合缶上部に還流凝縮
器を設置して重合反応熱の除去を分担させて反応時間短
縮を図る方法がしばしば行われる。
【0003】しかし、乳化重合や微細懸濁重合(以下両
者を乳化重合等と表現することがある)では一般に乳化
剤(アニオン界面活性剤)を用いるので、水系媒体の表
面張力が下がり液状の単量体が気化して還流凝縮器に向
かう際に往々にして発泡し、泡沫が還流凝縮器内に侵入
する事態になる。この泡沫の侵入は、還流凝縮器内への
単量体のガスの供給を止めるので一時的に除熱能を無く
すだけでなく、泡沫中の重合体粒子が伝熱面に付いてス
ケールとなって伝熱係数を低下させたり、更にはスケー
ルが還流凝縮器内のチューブを塞いでしまい、還流凝縮
器の機能を失わしめることにもつながっている。またス
ケールを定期的又は不定期的に除去する作業労力やその
ために重合反応を休止することにより経済的損失の問題
も発生している。このように乳化重合等では特に還流凝
縮器の活用が求められるのにも拘らず、発泡が起き易い
反応系であるため還流凝縮器を円滑に使うことができな
い状況にあった。
【0004】これらの問題に対し、凝縮器の冷却水側に
冷却水及び熱水又は水蒸気を用い、これを調節して重合
器内の発泡を抑制する方法が提案されている(特開昭5
7−212212号)。しかし、このような方法では還
流凝縮器での除熱を減少あるいは制限することになる。
また、重合反応のごく初期に消泡剤を添加する方法(特
開平2−180908号)や、予め非凝縮ガスを重合系
に入れておき、重合反応の進行につれ系外にパージする
方法(特開平2−55707号)等が提唱されている。
しかし、これらはいずれも懸濁重合法における反応の初
期の抑泡のための方法であり、乳化重合等界面活性効果
の大きい乳化剤を用いる重合法には適用できない。乳化
重合等では攪拌が緩慢なので反応の中期以降に重合系の
粘度が上がって伝熱が悪くなると重合熱が蓄積し易い。
むしろこの時期にこそ還流凝縮器での除熱を制限するこ
となく、活用度を上げたいのであって、従来の反応初期
の抑泡対策では問題は解決されていなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような事
情のもとで還流凝縮器を設置した重合反応器(以下重合
缶ということがある)を用いて乳化重合等で塩化ビニル
系樹脂を製造する方法において、反応後期の還流凝縮器
への発泡を抑制することにより還流凝縮器の円滑な使用
方法を提供することを目的としてなされたものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、前記の好ま
しい還流凝縮器の使用方法を見出すべく鋭意検討した結
果、乳化重合等の反応後半における未反応単量体の存在
の形態に着目し、新たな形態の単量体を導入することに
より発泡が抑制されることを見出した。本発明はこのよ
うな知見に基づいてなされたものである。すなわち本発
明は、還流凝縮器を付設した重合反応器を用いて、塩化
ビニル単独又は塩化ビニルとこれと共重合可能な単量体
との混合物を乳化重合又は微細懸濁重合するに際し、重
合転化率が80%を越えて95%までの時期に、初期仕
込み全単量体の0.5〜8重量%の量の単量体を、重合
缶に一括して又は分割してもしくは連続して導入するこ
とを特徴とする塩化ビニル系樹脂の製造方法を提供する
ものである。
【0007】以下本発明を詳細に説明する。本発明には
重合反応器気相部に還流冷却器を付設した重合設備が用
いられる。本発明において重合に供される単量体は塩化
ビニル単独又は塩化ビニルとこれと共重合可能な単量体
との混合物である。塩化ビニルと共重合可能な単量体と
しては、例えばアクリル酸、メタクリル酸、エタクリル
酸、マレイン酸、ケイ皮酸、無水マレイン酸、フマール
酸、イタコン酸、無水イタコン酸などの不飽和モノカル
ボン酸、不飽和ジカルボン酸及びその酸無水物;フマー
ル酸モノアルキルエステル、イタコン酸モノアルキルエ
ステルなどの不飽和ジカルボン酸モノアルキルエステ
ル;アクリル酸又はメタクリル酸のメチル、エチル、プ
ロピル、ブチル、オクチル、シクロヘキシル、ベンジル
エステルなどの不飽和モノカルボン酸エステル類;マレ
イン酸やフマール酸のジメチル、ジエチル、ジプロピ
ル、ジブチル、ジオクチル、ジシクロヘキシル、ジベン
ジルエステルなどの不飽和ジカルボン酸ジエステル類;
メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、プロピ
ルビニルエーテルなどのビニルエーテル類;エチレン、
プロピレン、ブテン−1、ペンテン−1などのオレフィ
ン類;スチレンやα−メチルスチレンなどの芳香族モノ
ビニル化合物;アクリロニトリルやメタクリロニトリル
などのシアン化ビニル化合物;酢酸ビニル、プロピオン
酸ビニル、カプロン酸ビニル、カプリル酸ビニルなどの
カルボン酸ビニルエステル;さらには塩化ビニリデンな
どが挙げられ、塩化ビニルが50重量%以上用いられる
限りにおいてこれらの種類と量の選定は必要により定め
ることができる。
【0008】本発明における重合法は、乳化重合法又は
微細懸濁重合である。いずれの重合法にても、乳化剤
(アニオン性界面活性剤)が用いられる。乳化剤の例と
しては例えばラウリル硫酸エステルナトリウム、ミリス
チル硫酸エステルナトリウムなどのアルキル硫酸エステ
ル塩類;ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデ
シルベンゼンスルホン酸カリウムなどのアルキルアリー
ルスルホン酸塩類;ジオクチルスルホコハク酸ナトリウ
ム、ジヘキシルスルホコハク酸ナトリウムなどのスルホ
コハク酸エステル塩類;ラウリン酸アンモニウム、ステ
アリン酸カリウムなどの脂肪酸塩類;ポリオキシエチレ
ンアルキル硫酸エステル塩類;ポリオキシエチレンアル
キルアリール硫酸エチレン塩類などのアニオン性界面活
性剤を必須とする。これらは1種用いてもよいし、、2
種以上を組み合わせて用いてもよい。その使用量は、通
常使用単量体100重量部当たり、0.05〜5重量
部、好ましくは0.2〜4.0重量部の範囲で適宜選択
することができる。0.05重量部未満では安定なラテ
ックスが得られないし、5重量部を越えて用いると余剰
となってラテックス移送時や排水処理時の発泡トラブル
や熱安定性等の樹脂の品質上の問題を惹起する。
【0009】その他必要に応じてソルビタンモノオレー
ト、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレートな
どのソルビタンエステル類;ポリオキシエチレンアルキ
ルエーテル類;ポリオキシエチレンアルキルフェニルエ
ーテル類;ポリオキシエチレンアルキルエステル類など
のノニオン性界面活性剤類、セチルピリジニウムクロリ
ド、セチルトリメチルアンモニウムブロミドなどのカチ
オン性界面活性剤などが挙げられ、これらは1種用いて
もよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよく、その
使用量は、通常使用単量体100重量部当たり、0.0
5〜5重量部の範囲で適宜選択することができる。
【0010】本発明製造方法に用いられる乳化重合法
は、通常アニオン性界面活性剤を乳化剤とし、水性媒体
中に分散させた乳化剤の会合体であるミセルを形成さ
せ、これに塩化ビニル単量体を可溶化して反応の場と
し、水溶性重合開始剤で重合反応を開始させる方法であ
る。典型的な乳化重合では乳化剤を一括添加して重合体
粒子を多数発生させるので粒子の粒径は0.05〜0.
1μmと非常に小さい。また初期乳化剤を少量にして粒
子発生数を抑え、重合の進行に伴って粒子が肥大するの
に合わせて安定化に必要かつ最小限の乳化剤を追加供給
する方法もある。こうすることにより微細粒子の発生を
制限して、初期に発生した重合体粒子の個数を維持しつ
つ重合反応を進行させるので、粒子径は0.2〜0.6
μmと大きくなる。
【0011】上記乳化重合の特殊な方法である播種乳化
重合法は、予め上記の乳化重合や微細懸濁重合により調
製された塩化ビニル樹脂粒子を核として、アニオン性界
面活性剤および水溶性重合開始剤を用いて、水性媒体中
で粒子の肥大化重合反応を行わせる重合方法である。こ
の方法によれば、平均粒子径が1〜2μmで、これに
0.2μm前後の副生小粒子が加わったシャープな粒径
分布を有する粒子が得られる。乳化重合法で得られるペ
ースト加工用塩化ビニル樹脂の場合はこの方法によるも
のが多い。水溶性重合開始剤としては過硫酸アンモニウ
ム、過硫酸カリウム等の過硫酸塩;クメンハイドロパー
オキサイト、ブチルハイドロパーオキサイド等のハイド
ロパーオキサイドと還元剤の組合せ等が挙げられる。そ
の使用量は、通常単量体100重量部当り0.005〜
1重量部の範囲である。
【0012】本発明製造方法に用いられる微細懸濁重合
法では、触媒として油溶性のラジカル開始剤が用いら
れ、重合開始前に水性媒体中に単量体、ラジカル開始
剤、界面活性剤および所望に応じて高級脂肪酸などの重
合助剤、その他の添加剤を加えてプレミックスし、ホモ
ジナイザにより均質化処理して油滴の粒径調整を行う。
ホモジナイザとしては、例えばコロイドミル、振動攪拌
機などが用いられる。均質化処理された液は重合装置に
送られ、通常30〜80℃の範囲の温度において重合反
応が行われる。
【0013】上記油溶性のラジカル開始剤としては、例
えばジベンゾイルペルオキシドなどのジアシルペルオキ
シド類、ペルオキシジカーボネート類、ペルオキシエス
テル類、あるいは有機過酸化物、さらにアゾ化合物など
が通常、単量体100重量部当り0.001〜5.0重
量部使用される。上記微細懸濁重合法では乳化液滴の安
定性向上の目的でラウリルアルコール、ステアリン酸等
の極性物質を単量体100重量部当り0.5〜3.0重
量部用いることもある。上記微細懸濁重合法では、以上
のような成分を含む液を均質化処理した後、これを重合
反応器に送り重合反応を行わせる。
【0014】本発明において、塩化ビニル又は塩化ビニ
ルを主とする混合単量体を還流凝縮器を気相部に付設し
た重合反応器にて重合反応をするに際し、重合反応の発
熱の除熱は、重合反応器のジャケットにおける冷却水へ
の伝熱と、重合反応が行われている液相にある未反応液
状単量体が気化して還流凝縮器に向かう際に液面から奪
う蒸発潜熱とで行われる。気化した単量体は還流凝縮器
において凝縮する際に凝縮熱を発生するが、それは還流
凝縮器の冷却水に伝熱して反応系外にとり出される。
【0015】液状単量体の反応の場における存在形態
は、乳化重合では(1)ミセルに可溶化しているか又は
乳化剤によってミクロン単位に乳化された液滴、(2)
重合体粒子に吸着又は浸透している単量体、(3)緩い
攪拌下で水系媒体の上部に相分離している集塊の3種類
がある。(3)の集塊の大きさは1mm〜数mと巾があ
るが、層分離しているので数cm以上の大きな集塊は当
然偏平である。還流凝縮器において気体の単量体が凝縮
されると相平衡のため液状単量体の気化が起こるが、そ
の際上記(3)の単量体から気化が起きれば発泡が生じ
ない。ところが重合反応が進展するに伴い、先ず(1)
から(2)への拡散により先ず(1)が消失し、転化率
が80%を越え、終盤に入ると反応の場における単量体
の存在の形態は(2)だけになる。
【0016】一方微細懸濁重合では上記の(1)と
(2)が当初から一つになった反応形式であり、この他
に(3)が存在して反応が進むが、やはり転化率80%
を越えると(3)が消失する。このような時期に還流凝
縮器で除熱を行うと(2)の単量体が気化する際に激し
く発泡し、泡沫を同拌しながら還流凝縮器に侵入する事
態が惹起する。本発明の方法においては、反応後期に発
生する発泡により還流凝縮器が除熱不能状態となる前の
特定の時期に、単量体を重合缶内に導入する。塩化ビニ
ル系単量体の乳化重合等においては前記のように緩慢な
攪拌条件を採るので、導入された単量体は(3)の形態
をとるので、以後還流冷却器に向かう単量体はここから
気化することができるので発泡を起こさないで済む。導
入する単量体は塩化ビニルが好適に用いられるが、共重
合の場合は共単量体を使用してもよい。その場合の共単
量体は、重合缶の自然圧力の共単量体の分圧における沸
点が反応温度以下であるものを選択しなければならな
い。
【0017】該単量体の導入は初期に仕込んだ単量体の
重合転化率が80%を越えて95%までの時期に特定少
量の単量体を一括して、好ましくは重合転化率の進行に
つれて分割して、又は連続して重合缶に導入する。好ま
しくは重合缶上部から導入する。導入する時期が初期に
仕込んだ単量体の重合転化率で80%以下ではまだ単量
体の集塊が存在しているので無駄な操作を行うことにな
る。また95%を越えた時期に単量体を導入しても重合
反応速度が小さい時期なので徒に反応を長引かせること
になる。好ましい時期は重合転化率82〜90%の期間
である。
【0018】上記導入する単量体の量は、初期仕込み全
単量体の0.5〜8重量%、好ましくは1〜5重量%で
ある。0.5重量%より少ないと単量体が重合体粒子に
吸着されて層分離した集塊が形成されないことがあり、
8重量%より多いと未反応単量体の回収工程の負荷を増
大させることになる。また、単量体の導入は、散液ノズ
ル等を用いて消泡作用をも効かせてもよい。
【0019】本発明において重合反応の後期に単量体を
導入する重合転化率と量の決定の基準である初期仕込み
単量体とは、該導入操作をする以前に重合体化する目的
で仕込まれた全単量体のことである。反応の初期に一括
して仕込まれることが多いが、数回に分割して、又は連
続して仕込まれることもある。
【0020】本発明の態様を以下に記す。 (1)還流凝縮器を付設した重合反応器を用いて塩化ビ
ニル単独又は塩化ビニルとこれと共重合可能な単量体と
の混合物を乳化重合又は微細懸濁重合するに際し、重合
転化率80%を越えて95%までの時期に初期仕込み全
単量体の0.5〜8重量%の量の単量体を、重合缶に一
括して又は分割してもしくは連続して導入することを特
徴とする塩化ビニル系樹脂の製造方法。 (2)単量体の導入時期が重合転化率82〜90%であ
る上記(1)記載の塩化ビニル系樹脂の製造方法。 (3)単量体の導入量が初期仕込み全単量体の1〜5重
量%の量である上記(1)記載の塩化ビニル系樹脂の製
造方法。
【0021】
【発明の効果】本発明により塩化ビニル系単量体の乳化
重合又は微細懸濁重合において、還流凝縮器への発泡進
入を防止でき、反応後期での還流凝縮器の除熱量を低下
させることなく運転可能になるので、重合生産性が向上
する。また、還流凝縮器のクリーニングの削減及びクリ
ーニング費用の削減が図られる。
【0022】
【実施例】以下に実施例および比較例を示し、具体的に
本発明を説明する。実施例1 イオン交換水8300kg、塩化ビニル単量体9700
kg、油溶性重合開始剤ジ−2−エチルヘキシルパーオ
キシジカーボネート4.55kg、ラウリル硫酸エステ
ルナトリウム塩30%溶液160kg、ラウリルアルコ
ール140kgを混合し、ホモジナイザにより均質化処
理した乳化液を、気相部に伝熱面積40m2 の還流凝縮
器を設置した内容積20m3 の重合缶に仕込み、17r
pmで攪拌しながら内温46.5℃まで重合缶ジャケッ
トにより昇温して、重合反応を開始させた。発熱同時に
重合缶ジャケットに冷却水を通して重合熱を除去しつつ
反応温度を制御した。反応開始直後は発熱量が少ないた
め還流凝縮器での除熱は行わず、反応開始1時間目から
還流凝縮器での除熱を併用した。重合転化率が82%の
時点で塩化ビニル単量体初期仕込み量の5%の塩化ビニ
ル単量体を重合缶上部に導入し、反応終了まで発泡の観
察を行った。その結果、発泡はなく、従って還流凝縮器
の除熱量を低下させる操作をすることなく反応を行うこ
とができ、反応全般を通じて反応温度のコントロールは
良好であった。初期仕込みの塩化ビニル単量体の重合転
化率90%の時点で冷却して重合反応を終了し、続いて
未反応塩化ビニル単量体を回収した。重合反応時間は1
0時間であった。
【0023】実施例2 実施例1と同様に重合反応を開始させ、同時に重合缶ジ
ャケット冷却にて反応温度を制御し、反応開始1時間目
から還流凝縮器での除熱を併用した。重合転化率が82
%の時点以後塩化ビニル単量体初期仕込み量の0.5%
の塩化ビニル単量体を15分毎に計4回、重合缶上部に
導入し、反応終了まで発泡の観察を行った。その結果、
発泡はなく、従って還流凝縮器での除熱量を低下させる
操作をすることなく反応を行うことができ、反応全般を
通じて反応温度のコントロールは良好であった。補給塩
化ビニル単量体導入開始から1時間後に初期仕込み塩化
ビニル単量体の重合転化率が90%に達した時点で重合
反応を終了した。重合反応時間は10時間であった。
【0024】比較例1 実施例1と同様に重合反応を開始させ、同時に重合缶ジ
ャケット冷却にて反応温度を制御し、反応開始1時間目
から還流凝縮器での除熱を併用した。還流凝縮器での除
熱量を実施例1、実施例2と同一として反応を行ったと
ころ、反応後期に発泡して泡沫が還流凝縮器に進入して
除熱量が激減した。この結果、反応温度が上昇し、これ
以降、反応温度がハンチングした。
【0025】比較例2 実施例1と同様に重合反応を開始させ、同時に重合缶ジ
ャケット冷却にて反応温度を制御し、反応開始1時間目
から還流凝縮器での除熱を併用した。還流凝縮器での除
熱量を実施例1、実施例2と同一として反応を行い、重
合転化率84%の時点で発泡したので還流凝縮器の冷却
水流量を低下させて泡沫の還流冷却器への進入を防止し
た。還流凝縮器での除熱量を制限した結果、全体の除熱
量不足のため反応温度が上昇一歩手前となり危険であっ
た。安全上実施例1及び実施例2と同じ反応時間で重合
することは無理であった。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 還流凝縮器を付設した重合反応器を用い
    て塩化ビニル単独又は塩化ビニルとこれと共重合可能な
    単量体との混合物を乳化重合又は微細懸濁重合するに際
    し、重合転化率が80%を越えて95%までの時期に、
    初期仕込み全単量体の0.5〜8重量%の量の単量体
    を、重合缶に一括して又は分割してもしくは連続して導
    入することを特徴とする塩化ビニル系樹脂の製造方法。
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