JP3210852U - 婦人下着 - Google Patents
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Abstract
【課題】金属製ワイヤを用いることなく着用時のバストの保形性を向上させて自然で美しい胸元の谷間を強調することができる着用感の優れた、新たな婦人下着を提供する。【解決手段】婦人下着は、カップ2と、左右のカップ2の下辺2aに縫着された伸縮テープ7と、カップ2の下辺2aからカップ2の外側端部2cにわたって縫着され、カップ2の下辺部分を外から覆う寄せ上げ布と、該伸縮テープ7の下辺7aに縫着された非伸縮性のワイヤ代用部材8、及び該ワイヤ代用部材8或いは伸縮テープ7の下辺7aに縫着された前身頃20と、前身頃20の脇側端部20aから着用者の背中を覆う背面部材21と、カップ2から背面部材21に至る肩紐10とを備える。寄せ上げ布の上辺は正面視でカップ2の最も高い頂点Pの下を通過するように設けられていれている。【選択図】図1
Description
本考案はノンワイヤであるにも拘わらず、胸元に深い谷間が形成できて美しいバストラインを現出できる新規なブラジャーやキャミソールなど、カップを備えた婦人下着に関する。
カップを備えた婦人下着の代表例であるブラジャーは、左右一対のカップと、左右一対のカップの下縁から内側縁にかけて縫着されたアンダーベルトと、各カップの脇側縁から延びるサイドパネルと、カップおよびサイドパネルに接続された肩紐とで形成されており、バストを支持するための金属製ワイヤがアンダーベルトの縫着ラインに沿わせてカップの下縁に設けられている(特許文献1参照)。
近年、ブラジャーを着用する際、カップ内に収容したバストをカップで心もち吊り上げ且つカップの胸元側に寄せて双球のバストによる谷間をカップの間に現出し、美しいバストラインを形成することが流行している。
処が、このブラジャーではカップの下縁の金属製ワイヤにてバストを支持し、カップの上端を肩紐で吊り上げるだけであるため、バストの下部はカップに収納されてカップの形に添い、きれいな丸みを呈するものの、胸元に美しいバストラインを形成したり双球のバストによる谷間をカップの間に現出させるには不十分であった。
しかも、上記のようにカップの下縁にバストを支持するための金属製ワイヤが設けられているので、サイドパネルをホックで止めて胸を締め付け、肩紐でカップのサイドを吊り上げた時、金属製ワイヤが着用者のバスト下縁(バージスライン)に食い込み、長時間の使用で疼痛感や不快感を与えるという問題があった。
なお、上記ブラジャーでは、カップの大きさが固定しているためにバストの大きさに対応して多種類のものを用意する必要もあった。
なお、上記ブラジャーでは、カップの大きさが固定しているためにバストの大きさに対応して多種類のものを用意する必要もあった。
そこで、金属製ワイヤを使用しない「ノンワイヤブラジャー」が提案された。その結果、長時間の着用での疼痛感や不快感が改善されたが、バストの「寄せ上げ機能」が不十分であるという問題点が生じた。また、バストサイズに合わせて多種類のものを用意しなければならないという問題点も解決できていなかった。
本考案の主たる目的は、金属製ワイヤを用いることなく着用時のバストの保形性を向上させて自然で美しい胸元の谷間を強調することができる着用感の優れた、新たな婦人下着を提供することにあり、従たる目的としてはバストサイズに合わせてカップの大きさが調整出来て例えば大中小というように用意する種類を少なくすることのできる婦人下着を提供することにある。
本考案の主たる目的は、金属製ワイヤを用いることなく着用時のバストの保形性を向上させて自然で美しい胸元の谷間を強調することができる着用感の優れた、新たな婦人下着を提供することにあり、従たる目的としてはバストサイズに合わせてカップの大きさが調整出来て例えば大中小というように用意する種類を少なくすることのできる婦人下着を提供することにある。
請求項1に記載した考案は、
左右一対のカップ2と、
左右一対のカップ2に跨り、その下辺2aに縫着された伸縮テープ7と、
該伸縮テープ7の下辺7aに縫着された非伸縮性のワイヤ代用部材8と、
該ワイヤ代用部材8或いは伸縮テープ7の下辺7aに縫着された前身頃20と、
前身頃20の脇側端部20a・20bから着用者の背中を覆う背面部材21と、
カップ2から背面部材21に至る肩紐10とを備える婦人下着1である。
左右一対のカップ2と、
左右一対のカップ2に跨り、その下辺2aに縫着された伸縮テープ7と、
該伸縮テープ7の下辺7aに縫着された非伸縮性のワイヤ代用部材8と、
該ワイヤ代用部材8或いは伸縮テープ7の下辺7aに縫着された前身頃20と、
前身頃20の脇側端部20a・20bから着用者の背中を覆う背面部材21と、
カップ2から背面部材21に至る肩紐10とを備える婦人下着1である。
請求項2に記載した考案は、
左右一対のカップ2と、
左右一対のカップ2に跨り、その下辺2aに縫着された伸縮テープ7と、
左右一対のカップ2の下辺2aからカップ2の外側端部2cにわたって縫着され、カップ2の下辺部分を外から覆うように設けられた寄せ上げ布9と、
該伸縮テープ7の下辺7aに縫着された非伸縮性のワイヤ代用部材8と、
該ワイヤ代用部材8或いは伸縮テープ7の下辺7aに縫着された前身頃20と、
前身頃20の脇側端部20a・20bから着用者の背中を覆う背面部材21と、
カップ2から背面部材21に至る肩紐10とを備える婦人下着1であって、
寄せ上げ布9の上辺9aは正面視でカップ2の最も高い頂点Pの下を通過するように設けられていれていることを特徴とする。
左右一対のカップ2と、
左右一対のカップ2に跨り、その下辺2aに縫着された伸縮テープ7と、
左右一対のカップ2の下辺2aからカップ2の外側端部2cにわたって縫着され、カップ2の下辺部分を外から覆うように設けられた寄せ上げ布9と、
該伸縮テープ7の下辺7aに縫着された非伸縮性のワイヤ代用部材8と、
該ワイヤ代用部材8或いは伸縮テープ7の下辺7aに縫着された前身頃20と、
前身頃20の脇側端部20a・20bから着用者の背中を覆う背面部材21と、
カップ2から背面部材21に至る肩紐10とを備える婦人下着1であって、
寄せ上げ布9の上辺9aは正面視でカップ2の最も高い頂点Pの下を通過するように設けられていれていることを特徴とする。
請求項3は、請求項1又は2の婦人下着1において、
カップ2は、バストBの下側を覆う下側パネル部分3と、バストBの上側を覆う上側パネル部分4、上側パネル部分4及び下側パネル部分3の内の少なくとも下側パネル部分3に隣接し、バストの胸元部分を覆う胸元側パネル部分5とで構成され、
下側パネル部分3は、上側パネル部分4より厚みが大でカップ2の内側に膨出するように形成され、且つ、下側パネル部分3の内面中央に上側パネル部分4に向かう縦折り溝6が設けられ、
前記胸元側パネル部分5はカップ2の内側に膨出するように形成され、胸元側パネル部分5の、下側パネル部分3及び上側パネル部分4に対して縦方向に伸びた境界斜面11は下側パネル部分3及び上側パネル部分4の内、少なくとも下側パネル部分3に対して壁状に形成されていることを特徴とする。
カップ2は、バストBの下側を覆う下側パネル部分3と、バストBの上側を覆う上側パネル部分4、上側パネル部分4及び下側パネル部分3の内の少なくとも下側パネル部分3に隣接し、バストの胸元部分を覆う胸元側パネル部分5とで構成され、
下側パネル部分3は、上側パネル部分4より厚みが大でカップ2の内側に膨出するように形成され、且つ、下側パネル部分3の内面中央に上側パネル部分4に向かう縦折り溝6が設けられ、
前記胸元側パネル部分5はカップ2の内側に膨出するように形成され、胸元側パネル部分5の、下側パネル部分3及び上側パネル部分4に対して縦方向に伸びた境界斜面11は下側パネル部分3及び上側パネル部分4の内、少なくとも下側パネル部分3に対して壁状に形成されていることを特徴とする。
請求項4に記載した考案は、請求項1又は2に記載された婦人下着1がブラジャーであって、
背面部材21は、前身頃20の一方の脇側端部20aから伸び、被係止具24が設けられた一方のサイドパネル21aと、前身頃20の他方の脇側端部20bから伸び、前記被係止具24が係脱する係止具22が設けられた他方のサイドパネル21bとで構成されていることを特徴とする。
背面部材21は、前身頃20の一方の脇側端部20aから伸び、被係止具24が設けられた一方のサイドパネル21aと、前身頃20の他方の脇側端部20bから伸び、前記被係止具24が係脱する係止具22が設けられた他方のサイドパネル21bとで構成されていることを特徴とする。
請求項5に記載した考案は、請求項1又は2に記載された婦人下着1がキャミソールであって(図4参照)、
背面部材21は、前身頃20の一方の脇側端部20aから伸び、他方の脇側端部20bに至り、着用者の背面を覆う後身頃21dであること特徴とする。
背面部材21は、前身頃20の一方の脇側端部20aから伸び、他方の脇側端部20bに至り、着用者の背面を覆う後身頃21dであること特徴とする。
請求項6に記載した考案は、請求項1〜5のいずれかに記載の婦人下着1において、
伸縮テープ7は、長手方向より短手方向の方が、単位長さあたりの伸縮率が大であることを特徴とする(図1参照)。
伸縮テープ7は、長手方向より短手方向の方が、単位長さあたりの伸縮率が大であることを特徴とする(図1参照)。
本考案では、分厚い下側パネル部分3の内面中央に縦折り溝6が設けられているので、カップ2が婦人下着1のバストBに装着されると、肩紐10で左右のカップ2の外側が吊り上げられ、縦折り溝6を中心に図3のように内側に折り曲げられる。これによってカップ2の内側に収納されているバストBは両側から挟まれて縦折り溝6を中心に内側に寄せられると同時に厚みの大なる下側パネル部分3によって上に持ち上げられる。
この時、前述の内側に寄せられたバストBの一部は胸元側に流れようとするが、カップ2の胸元側パネル部分5の壁状の境界斜面11で押し返され、この部分も上に持ち上げられる。
加えて左右一対のカップ2に跨り、その下辺2aに縫着された伸縮テープ7が収納されたバストBに合わせて上下方向に伸縮して柔らかく包み込み、且つ非伸縮性のテープ状物であるワイヤ代用部材8がバージスラインVをソフトに支え、着用者に疼痛感や不快感を与えることがない。同時に伸縮テープ7の存在がカップサイズを自動的に変えることになり、用意すべき婦人下着1のサイズを少なく出来る。
そして、寄せ上げ布9は必要に応じて設けられるが、これは伸縮テープ7の上(外側)に設けられ、寄せ上げ布9の上辺9aはカップ2の頂点Pの下を通過するように設けられているので、上記のように肩紐10でカップ2の外側端部2cが吊り上げられ時に同時に吊り上げられ、カップ2の下側パネル部分3を掬うように吊り上げ、バストBに対するカップ2の寄せ上げ効果を一層高める。その結果、より美しいデコルテラインが胸元に形成されることになる。
以下、本考案を図面に従って説明する。本考案が適用された婦人下着1は、ブラジャーやキャミソールのようなカップ2を使用するものである。図4の実線部分はブラジャー1を示し、ブラジャー1の下辺1aから体の脇から体側に沿って引いた仮想線はキャミソールの前身頃20を示す。以下、ブラジャー1を中心に説明するが、本考案はカップ2を使用する婦人下着1全般に及ぶことは言うまでもない。
ブラジャー1は左右一対のカップ2、伸縮テープ7、ワイヤ代用部材8、必要に応じて設けられる寄せ上げ布9、前身頃20、背面部材21である後身頃21d、又はサイドパネル21a・21b、及び肩紐10で大略構成されている。
カップ2は、バストBを覆う椀状の部材であり、内部はソフトな発泡ウレタン樹脂を加圧・加熱環境下で金型成形した1枚もので、表裏両面に薄い布地が一体的に貼り付けられ、表側には必要に応じてレース地などが縫着されている。そして、カップ2の正面視で最も高い部分を頂点Pとする。
カップ2の外形形状は1種類ではなく、多種類あり、図1のように、カップ2の上辺2dは上方に湾曲し、カップ2の下辺2aは下方に湾曲し、カップ2の外側辺(脇側)では、上辺2dと下辺2aとが離れていてストレートな辺(この部分をこの場合、外側端部2cとする。)が形成され、カップ2の胸元側では、左右のカップ2を接続する連結部分5bが設けられている。
カップ2の外側端部2cの上部には肩紐10の前端が縫着され、後述する背面部材21(後身頃21d、サイドパネル21a・21b)に後端が縫着されている。
カップ2の外形形状は1種類ではなく、多種類あり、図1のように、カップ2の上辺2dは上方に湾曲し、カップ2の下辺2aは下方に湾曲し、カップ2の外側辺(脇側)では、上辺2dと下辺2aとが離れていてストレートな辺(この部分をこの場合、外側端部2cとする。)が形成され、カップ2の胸元側では、左右のカップ2を接続する連結部分5bが設けられている。
カップ2の外側端部2cの上部には肩紐10の前端が縫着され、後述する背面部材21(後身頃21d、サイドパネル21a・21b)に後端が縫着されている。
カップ2の内面はバストBの下側を覆う、上記頂点Pより下の部分に設けられ、厚手で内側に膨出した下側パネル部分3、頂点Pより上側で、下から押し上げられたバストBの上側を覆う薄く圧縮された上側パネル部分4、及び上側パネル部分4及び下側パネル部分3の内の少なくとも下側パネル部分3に隣接し、バストの胸元部分を覆う胸元側パネル部分5とで構成されている。
下側パネル部分3は上側パネル部分4より大幅に厚く、下側パネル部分3と上側パネル部分4の境界部分ではカップ2の横幅全長に亘って全体的にスプーンで掬ったようになだらかに窪んでおり、この部分を窪み12とする。図4他に於いて、窪み12を網掛けで示す。窪み12の中央部分が最も深く、カップ2の下辺2aの中央からこの部分に至る浅いV形の縦折り溝6が下側パネル部分3を左右に2分割するように設けられている。縦折り溝6で分割された部分を胸元側分割部3a、脇側分割部3bとする。
そして、縦折り溝6の上端の上側部分が窪み12の内で最も深く窪んでいる。この最も深く窪んでいる部分に乳頭が収納される。この部分がカップ2の表面に於いて最も高い部分(頂点P)である。そして、下側パネル部分3の左右に分割された胸元側分割部3a、及び脇側分割部3bの中央部分が最も厚く、下辺2a及び窪み12に向かって強く圧縮されてその厚みは漸減し、下辺2aは全長に亘って薄く圧縮されている。
上記のように上側パネル部分4と下側パネル部分3との境界部分は下側パネル部分3に連続した厚みで成形されているが、上辺2dに向かって強く圧縮され、上辺2dは下辺2aと同様全長に亘って薄く圧縮されている。上側パネル部分4の全体は、下側パネル部分3に比べて大きく圧縮され、全体に薄い球面凸面状である。
胸元側パネル部分5は、膨出部分5aと上記連結部分5bとを有する。膨出部分5aは略三角形状で下側パネル部分3と同様、カップ2の内側に大きく膨出するように形成されている。膨出部分5aの下側パネル部分3及び上側パネル部分4に面する縦方向に伸びた傾斜面(この部分を境界斜面11とする)は、下側パネル部分3及び上側パネル部分4の対向面に対して鈍角であるが、90°に近い鈍角の壁状に形成されている。
そして、境界斜面11に沿って下辺2aから上辺2dに至る浅い境界溝11aがカップ内面に形成されている。即ち、縦折り溝6と境界溝11aの2本の浅い溝が縦方向に形成されることになる。
そして、境界斜面11に沿って下辺2aから上辺2dに至る浅い境界溝11aがカップ内面に形成されている。即ち、縦折り溝6と境界溝11aの2本の浅い溝が縦方向に形成されることになる。
そして、カップ2の胸元側には膨出部分5aに隣接して三角形の連結部分5bが延出されている。この形状は三角形に限られるものでなく、カップ2を互いに接続できる形状であればよい。後述するワイヤ代用部材8のような紐状のもので、左右のカップ2が接続できるのであれば、連結部分5bはなくてもよい。なお、カップ2は連結部分5bを含め、カップ2の外縁全体が薄く圧縮されていて外縁に沿う方向の伸びは殆どない。そして、図の第1実施例では、左右のカップ2の連結部分5bが突きあわされて一体的に縫着され、これにより左右のカップ2が対称的に配置される。
伸縮テープ7は、縦(短手)方向の糸が例えばスパンデックス糸のような伸縮性素材で形成され、横(長手)方向の糸には伸縮性の乏しい素材で形成されている。伸縮テープ7の上辺は、左右両カップ2を繋ぐようにその下辺2a全体(一方の下辺2aの外側端部から左右の連結部分5bの下辺を通り、他方の下辺2aの外側端部に至る下辺2a全体)に縫着されている。伸縮テープ7の下辺は、次に述べるワイヤ代用部材8と共に前身頃20に縫着される。
ワイヤ代用部材8は、伸縮性の乏しいが柔軟性に富む紐状の部材で、伸縮テープ7の下辺と共に前身頃20の上辺に縫着されている。(勿論、ワイヤ代用部材8を介して伸縮テープ7の下辺と前身頃20の上辺とを繋ぐようにしてもよい。)ワイヤ代用部材8は、従来の金属又は樹脂ワイヤの代わりに使用される。
寄せ上げ布9は、必要に応じて設けられ、図1は寄せ上げ布9なしの場合であり、図2は寄せ上げ布9ありの場合である。寄せ上げ布9ありの場合では、カップ2の下辺部分を外から覆うように設けられ、その一方の側辺は、一方のカップ2の外側端部2cに縫着され、他方の側辺は他方のカップ2の外側端部2cに縫着され、寄せ上げ布9の下辺は伸縮テープや、ワイヤ代用部材8と共に前身頃20の上辺に縫着されている。寄せ上げ布9は全体が1枚の布である必要はなく、図示していないが、カップ2の外側端部2cに縫着されている部分は伸縮性に乏しい生地を使用し、その間に伸縮性に富む布を縫い付けてもよい。
寄せ上げ布9の上辺9aは左右のカップ2の頂点Pの下を通過し、両カップ2の下部である下側パネル部分3を下側から包むように取り付けられ、その上辺9aは左右のカップ対してフリーとなっている。寄せ上げ布9も伸縮テープ7と同様、縦(短手)方向の糸が例えばスパンデックス糸のような伸縮性素材で形成され、横(長手)方向の糸には伸縮性の乏しい素材で形成されている。寄せ上げ布9は1枚でも良いが、本実施例では縦幅の異なる3枚の寄せ上げ布9が重ね合わされて(或いは、2枚使いで折り重ねて)用いられており、最内側の寄せ上げ布を9x、中間の寄せ上げ布を9y、及び最外側の寄せ上げ布を9zで示す。この場合、寄せ上げ布9の上辺9aとは、最内側の寄せ上げ布9xの上辺を言う。
前身頃20は、ブラジャーの場合、アンダーベルトに相当するもので、横(胴廻り)方向にはスパンデックス糸のような伸縮性素材で形成され、縦方向の糸には伸縮性の乏しい素材で形成されている。前身頃20の上辺はU形に刳られ、寄せ上げ布9の下辺や伸縮テープ7の下辺に縫着されている。そして、ワイヤ代用部材8は前身頃20の上辺にU形に縫着されている。従って、前身頃20の上辺部分はワイヤ代用部材8に拘束されて伸びにくくなっている。
そして、前身頃20は、カップ2の下辺2aを越えて着用者の脇(体側)まで伸びている。その端部を脇側端部20a・20bとし、脇側端部20a・20bで背面部材21である後身頃21dに縫着される。
そして、前身頃20は、カップ2の下辺2aを越えて着用者の脇(体側)まで伸びている。その端部を脇側端部20a・20bとし、脇側端部20a・20bで背面部材21である後身頃21dに縫着される。
後身頃21dは、縦横にスパンデックス糸のような伸縮性素材が用いられ、横(胴回り)方向、及び上下方向に大きく伸縮する(図6)。
図7のように後身頃21dの代わりに雌・雄ホック22・24が設けられたサイドベルト21a・21bを用いてもよい。サイドパネル21a・21bは、長手方向に伸縮性を有する繊維素材によって形成された厚手の帯状部材であり、サイドパネル21a・21bの一端が前身頃20の脇側端部20a・20bにそれぞれ縫着されている。そして、一方のサイドパネル21aの先端部には、被係止具24が取り付けられており、他方のサイドパネル21bの先端部には、被係止具24に係止される係止具22が取り付けられている(図6参照)。
図7のように後身頃21dの代わりに雌・雄ホック22・24が設けられたサイドベルト21a・21bを用いてもよい。サイドパネル21a・21bは、長手方向に伸縮性を有する繊維素材によって形成された厚手の帯状部材であり、サイドパネル21a・21bの一端が前身頃20の脇側端部20a・20bにそれぞれ縫着されている。そして、一方のサイドパネル21aの先端部には、被係止具24が取り付けられており、他方のサイドパネル21bの先端部には、被係止具24に係止される係止具22が取り付けられている(図6参照)。
婦人下着1がキャミソールの場合は、図4に仮想線で示すように前身頃20と後身頃21dが下方に伸びた形状となっている。
肩紐10は、カップ2の位置ずれを防止するとともにカップ2に収納されたバストBを持ち上げて保持するものであり、肩紐10の前端がカップ2の外側端部2cに接続されている。外側端部2cは、着用時にカップ2の外側端部を吊り上げる働きを示す。肩紐10の後端は後身頃21d(サイドパネル21a・21b)の上辺に縫着される。
肩紐10から外側端部2cを越えて後身頃21d(サイドパネル21a・21b)に至る部分には長手方向(肩紐10とサイドパネル21a・21bに沿う方向)及び幅方向に伸縮性を有する細長い三角形状の補助脇布25が2重使いで縫着されている。
次に、婦人下着1を着用した状態を説明する。着用状態では、近傍の贅肉や皮下脂肪と共に内側へ寄せられ、バストBと共にカップ2がこれらを保形する。そして、肩紐10の吊り上げ力によって、バストBが持ち上げられ、外から内側に寄せられる。この点を詳述する。
婦人下着(ブラジャー)1を装着すると、前身頃20と、後身頃21d(サイドパネル21a・21b)の締付力によってワイヤ代用部材8がバージスラインVに当たり(或いは入り込み)、カップ2がバストBを包み込む。この時、ワイヤ代用部材8には金属或いは樹脂ワイヤは入っていないため皮膚にソフトに接触する。ワイヤ代用部材8は伸びないので、バージスラインにぴったりと沿う。
婦人下着(ブラジャー)1を装着すると、前身頃20と、後身頃21d(サイドパネル21a・21b)の締付力によってワイヤ代用部材8がバージスラインVに当たり(或いは入り込み)、カップ2がバストBを包み込む。この時、ワイヤ代用部材8には金属或いは樹脂ワイヤは入っていないため皮膚にソフトに接触する。ワイヤ代用部材8は伸びないので、バージスラインにぴったりと沿う。
そして脇や背中から寄せ集められた贅肉或いは皮下脂肪は、上記のように、バストBとしてカップ2に収納される。カップ2の下側パネル部分3が内側に膨出するように形成されているため、収納されたバストBの下部は下側パネル部分3の膨出部分5aによって上に押し上げられ、押し上げられた状態でカップ2の窪み12に乳首が入り込む。
この状態で肩紐10がカップ2の外側端部2cを上に引き上げられ、且つ後身頃21dによる引き締めとで、図3示すように、カップ2の内側半分(胸元側分割部3a)を中心に下側パネル部分3に設けられた縦折り溝6からカップ2の外側半分(脇側分割部3b)が軽く内側に縦折りされ、前述のようにカップ2内で上に押し上げられたバストBの外側半分が更に両側から押されてあたかも両側から挟まれたような状態になり、カップ2の上辺2dから上に溢れ、同時にカップ2の内側に於いてバストのB一部がカップ2の内側方向に流れる。
胸元側パネル部分5は前述のように内側から見ると略三角形状で、カップ2の内側に膨出するように形成され、胸元側パネル部分5の下側パネル部分3及び上側パネル部分4との縦方向に伸びた境界斜面11は下側パネル部分3及び上側パネル部分4に対して壁状に形成されており、その境界に浅い線状の境界溝11aが形成され、折れやすくなっている。そのためこの部分でも軽く屈曲する。その結果、壁状の境界斜面11は下側パネル部分3及び上側パネル部分4に対して少し内側に折れた境界溝11aから急角度に立ち上がり、内側に流れた前記バストBを押し戻す。押し戻されたバストは胸元に於いてカップ2の上辺2dから上に溢れ、これによって、くっきりとした谷間を胸元に作ることが出来る。
また、カップ2に収納された贅肉や皮下脂肪を含むバストBは脇側に流れる場合もあり、その場合は補助脇布25が脇側に流れたバストBを上から押さえこんでカップ2の脇からの盛り上がりを押さえる。これによりバストB全体が美しく整えられる。本考案に於いて、縦折り溝6及び境界溝11aもカップ2の半球形状を損なうような大きく曲がるものではないため、カップ2の丸みは損なわれるようなことはない。
寄せ上げ布9が用いられた場合は、伸縮テープ7の上(外側)に設けられ、寄せ上げ布9の上辺9aはカップ2の頂点Pの下を通過するように設けられているので、肩紐10でカップ2の外側端部2cが吊り上げられ時に同時に吊り上げられ、カップ2の下側パネル部分3を掬うように吊り上げ、バストBに対するカップ2の寄せ上げ効果を一層高める。その結果、より美しいデコルテラインが胸元に形成されることになる。
なお、伸縮テープ7は前述のように縦方向の糸が例えばスパンデックス糸のような伸縮性素材で形成され、横(胴回り)方向には伸びの乏しい素材を使用しているため、バストのボリュームが豊かな場合、バストに合わせて伸縮テープ7が縦方向に伸びて余分な量を吸収する。その結果、カップサイズは大中小の3種類程度で足ることになり、製品サイズの種類を少なくできる。
婦人下着1がキャミソールの場合でも、カップ2の部分はブラジャーと同様に働く。
1…婦人下着(ブラジャー、キャミソール)、1a…下辺、2…カップ、2a…下辺、2c…外側端部、2d…上辺、3…下側パネル部分、3a…胸元側分割部、3b…脇側分割部、4…上側パネル部分、5…胸元側パネル部分、5a…膨出部分、5b…連結部分、6…縦折り溝、7…伸縮テープ、7a…伸縮テープの下辺、8…ワイヤ代用部材、9…寄せ上げ布、9a…寄せ上げ布の上辺、9x…最内側の寄せ上げ布、9y…中間の寄せ上げ布、9z…最外側の寄せ上げ布、10…肩紐、11…境界斜面、11a…境界溝、12…窪み、20…前身頃、20a・20b…脇側端部、21…背面部材(21a・21b…サイドパネル、21d…後身頃)、22…係止具(雄ホック)、24…被係止具(雌ホック)、25…補助脇布、B…バスト、P…頂点、V…バージスライン。
Claims (6)
- 左右一対のカップと、
左右一対のカップに跨り、その下辺に縫着された伸縮テープと、
該伸縮テープの下辺に縫着された非伸縮性のワイヤ代用部材と、
該ワイヤ代用部材或いは伸縮テープの下辺に縫着された前身頃と、
前身頃の脇側端部から着用者の背中を覆う背面部材と、
カップから背面部材に至る肩紐とを備えることを特徴とする婦人下着。 - 左右一対のカップと、
左右一対のカップに跨り、その下辺に縫着された伸縮テープと、
左右一対のカップの下辺からカップの外側端部にわたって縫着され、カップの下辺部分を外から覆うように設けられた寄せ上げ布と、
該伸縮テープの下辺に縫着された非伸縮性のワイヤ代用部材と、
該ワイヤ代用部材或いは伸縮テープの下辺に縫着された前身頃と、
前身頃の脇側端部から着用者の背中を覆う背面部材と、
カップから背面部材に至る肩紐とを備える婦人下着であって、
寄せ上げ布の上辺は正面視でカップの最も高い頂点の下を通過するように設けられていれていることを特徴とする婦人下着。 - カップは、バストの下側を覆う下側パネル部分と、バストの上側を覆う上側パネル部分、上側パネル部分及び下側パネル部分の内の少なくとも下側パネル部分に隣接し、バストの胸元部分を覆う胸元側パネル部分とで構成され、
下側パネル部分は、上側パネル部分より厚みが大でカップの内側に膨出するように形成され、且つ、下側パネル部分の内面中央に上側パネル部分に向かう縦折り溝が設けられ、
前記胸元側パネル部分はカップの内側に膨出するように形成され、胸元側パネル部分の、下側パネル部分及び上側パネル部分に対して縦方向に伸びた境界斜面は下側パネル部分及び上側パネル部分の内、少なくとも下側パネル部分に対して壁状に形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の婦人下着。 - 背面部材は、前身頃の一方の脇側端部から伸び、被係止具が設けられた一方のサイドパネルと、前身頃の他方の脇側端部から伸び、前記被係止具が係脱する係止具が設けられた他方のサイドパネルとで構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の婦人下着。
- 背面部材は、前身頃の一方の脇側端部から伸び、他方の脇側端部に至り、着用者の背面を覆う後身頃であること特徴とする請求項1又は2に記載の婦人下着。
- 伸縮テープは、長手方向より短手方向の方が、単位長さあたりの伸縮率が大であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の婦人下着。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017001406U JP3210852U (ja) | 2017-03-30 | 2017-03-30 | 婦人下着 |
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JP3210852U true JP3210852U (ja) | 2017-06-08 |
Family
ID=59012300
Family Applications (1)
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JP2017001406U Active JP3210852U (ja) | 2017-03-30 | 2017-03-30 | 婦人下着 |
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JP (1) | JP3210852U (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2019026730A1 (ja) * | 2017-07-31 | 2019-02-07 | 旭化成株式会社 | インナー及びブラジャー |
KR20200109863A (ko) * | 2019-03-15 | 2020-09-23 | 최정희 | 브래지어 |
KR102289936B1 (ko) * | 2021-01-07 | 2021-08-12 | 곽남주 | 속옷 어셈블리 |
-
2017
- 2017-03-30 JP JP2017001406U patent/JP3210852U/ja active Active
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WO2019026730A1 (ja) * | 2017-07-31 | 2019-02-07 | 旭化成株式会社 | インナー及びブラジャー |
KR20200109863A (ko) * | 2019-03-15 | 2020-09-23 | 최정희 | 브래지어 |
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