JP3210058B2 - 熱融着性に優れた熱可塑性弾性体組成物 - Google Patents

熱融着性に優れた熱可塑性弾性体組成物

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JP3210058B2
JP3210058B2 JP06148092A JP6148092A JP3210058B2 JP 3210058 B2 JP3210058 B2 JP 3210058B2 JP 06148092 A JP06148092 A JP 06148092A JP 6148092 A JP6148092 A JP 6148092A JP 3210058 B2 JP3210058 B2 JP 3210058B2
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    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C66/00General aspects of processes or apparatus for joining preformed parts
    • B29C66/70General aspects of processes or apparatus for joining preformed parts characterised by the composition, physical properties or the structure of the material of the parts to be joined; Joining with non-plastics material
    • B29C66/71General aspects of processes or apparatus for joining preformed parts characterised by the composition, physical properties or the structure of the material of the parts to be joined; Joining with non-plastics material characterised by the composition of the plastics material of the parts to be joined

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、熱融着性に優れた熱可
塑性弾性体組成物に関する。更に詳しくは、機械的強度
に優れたエンジニアリングプラスチックなどの硬質の
成樹脂で構成される成形体部位と、弾性に富んだ熱可塑
性弾性体とで構成される成形体部位とを有する複合成形
体の製造に有用な、合成樹脂成形体に対する熱融着特性
に優れた熱可塑性弾性体組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】優れた機械的強度をもつエンジニアリン
グプラスチックは、負荷荷重のかかる機械部品、あるい
は構造部品などに用いられている。この種の熱可塑性樹
脂のエンジニアリングプラスチックとしては、ABS樹
脂,ポリアミド,ポリアセタール,ポリカーボネート,
変性ポリフェニレンオキサイド,ポリブチレンテレフタ
レート,ポリスルフォン,全芳香族ポリエステルなどが
広く知られている。
【0003】一方、熱可塑性弾性体(サーモプラスチッ
クエラストマー,熱可塑性エラストマー、TPE)の成
形体も、特に生産性のよい射出成形技術により成形さ
れ、多くの用途に使用されている。周知のように、熱可
塑性弾性体(TPE)とは、常温下で加硫ゴムの性質を
示し、高温下で可塑化されてプラスチック加工機で成形
できる材料であり、分子中にゴム弾性を有する柔軟性成
分(ソフトセグメント)と塑性変形を防止するための分
子拘束性成分(ハードセグメント)を共有するものであ
る。この種の熱可塑性弾性体(TPE)としては、スチ
レンーブタジン系,ポリオレフィン系,ポリウレタン
系,塩化ビニル系,アクリル酸エステルなどが知られ
ている。
【0004】前記した射出成形法は、複雑な形状の成形
品でも成形することができ、かつ大量生産に適するもの
であり、前記したエンジニアリングプラスチックにも射
出成形法が適用され、各種の機械部品、構造部品が効率
よく製造されている。近年、合成樹脂(プラスチック)
製部品や部材の性能の高度化、機能の高度化に対する要
求が厳しく、その中で前記したエンジニアリングプラス
チックを含む合成樹脂材と熱可塑性弾性体との複合化を
試みる動きがある。そして、複合化に際し両者に共通し
た成形手段である射出成形技術により、両者を相互に熱
融着させて複合化することが最も効果的である。
【0005】しかしながら、一般にエンジニアリングプ
ラスチックなどの熱可塑性樹脂とゴム弾性に優れた熱可
塑性弾性体(TPE)との熱融着性が悪く、両者を強固
に接合させることができない。このため、エンジニアリ
ングプラスチックなどの熱可塑性樹脂と熱可塑性弾性体
(TPE)を複合化して付加価値の高い複合部品,複合
部材などの複合成形体を製造しようとする場合、両者の
複合部に凹凸の係止部を設けて機械的に接合する方法、
あるいは両者の接合部に接着剤を適用して接合する方法
など、極めて非生産的な接合手段を採用せざるを得ない
のが現状である。
【0006】前記したようにエンジニアリングプラスチ
ックなどの熱可塑性樹脂と熱可塑性弾性体(TPE)と
の複合化技術は非効率的であるとともに接合面の強度や
シール性など多くの問題を有するものである。即ち、凸
凹嵌合などの係止部を設けて機械的に接合する方法は、
金型の構造が複雑になったり、あるいは構造によっては
工程数が多くなるなどの問題がある。また最終の複合成
形体の形状からみて強力な結合構造とすることができな
いこともある。更に、機械的接合では防水効果が要求さ
れる複合成形体、例えばメガネ部分を硬質のエンジニア
リングプラスチックで構成し、メガネの縁部で顔面と接
触する部分を軟質の弾性に富む熱可塑性弾性体(TP
E)で構成した水中メガネなどの複合成形体の場合、前
記した機械的結合では防水効果が十分でないという制約
がある。また、接着剤を用いる接合方法は、接着剤の塗
布などの工程を要するとともに、接着剤の劣化などもあ
って接合強度が弱いという問題がある。
【0007】
【発明が解決しようとする問題点】本発明は、前記した
従来技術の問題点に鑑みなされたものである。即ち、本
発明は、エンジニアリングプラスチックなどの合成樹脂
から構成される部位とゴム弾性に優れた熱可塑性弾性体
(TPE)から構成される部位とを強力に接合した構造
の複合成形体の製造に不可欠な熱融着性に優れた熱可塑
性弾性体組成物を提供するものである。更に本発明は、
機械的強度などに優れた硬質の合成樹脂成形体と柔軟で
熱融着性に優れた熱可塑性弾性体組成物とを強力に接合
して、水中メガネなどの強度と防水性能が高度に要求さ
れる製品(部材)、プラスチック製受話器や把手(取
手)などの把持部を熱可塑性弾性体で柔軟化した製品、
プラスチック製自動車前照灯カバー体などにおいて取付
時のパッキング効果をもたせるためにカバー体の縁部に
熱可塑性弾性体を複合一体化した製品、エアーシールド
などのパッキング、バルブ部品、フレキシブル継手、歯
車などの動力伝達部品、各種制御機器などの入出力用の
操作ボタンなど新規な機能部品、高付加価値部品などを
提供するものである。
【0008】
【問題点を解決するための手段】本発明を概説すれば、
本発明は、硬質の合成樹脂成形体の部位に対して熱融着
により複合化して複合成形体とするために使用される熱
可塑性弾性体組成物において、該熱可塑性弾性体組成物
が、 (i) カルボン酸基もしくはその誘導体基を導入して変性
したものを除くポリスチレンブロックと水添または非水
添のポリイソプレンブロックとから成る付加重合系熱可
塑性ブロック弾性体……………3〜100重量部、 (ii)ポリエステル系熱可塑性エラストマー、ポリアミド
系熱可塑性エラストマー、及びポリウレタン系熱可塑性
エラストマーから選ばれた縮合重合系熱可塑性ブロック
弾性体………………………………100重量部、 からなることを特徴とする熱融着性に優れた熱可塑性弾
性体組成物に関するものである。なお、本発明において
は、前記したように(i) 成分を付加重合系熱可塑性ブロ
ック弾性体と称し、これとの対応及び区別のために(ii)
成分を縮合重合系熱可塑性ブロック弾性体と称してい
る。言うまでもなく(ii)成分を、セグメント化熱可塑性
エラストマーなどと称することもできる。
【0009】以下、本発明の構成を詳しく説明する。本
発明は、予め成形されたポリカーボネートなどの硬度
(JISショアー硬度A)の高い合成樹脂成形体に、前
記合成樹脂成形体より硬度の低い柔軟な成形体を与える
ゴム弾性に優れた軟質の熱可塑性弾性体(TPE)を効
率よく複合化する方法の追求から生まれたものである。
前記したように予め成形された硬度の高い合成樹脂成形
体に、単純に弾性に富む熱可塑性弾性体を射出成形など
により熱融着接合させようとしても、その接合力は極め
て不十分なものである。本発明の最大の特徴点は、硬度
の高い合成樹脂の成形体部と弾性に富む軟質の熱可塑性
弾性体(TPE)の成形体部とを熱融着により強力に接
合させるために、該熱可塑性弾性体として、特定の付加
重合系熱可塑性ブロック弾性体と縮重合系熱可塑性ブロ
ック弾性体とから成る組成物を使用する点にある。
【0010】本発明において、前記熱可塑性弾性体組成
物を構成する一方の付加重合系熱可塑性ブロック弾性体
は、ポリスチレンブロック(以下、Sと略記する場合も
ある。)と水素添加または非水添のポリイソプレンブロ
ック(以下、Iと略記する場合もある。)とからなるブ
ロック共重合体である。本発明において、付加重合系熱
可塑性ブロック弾性体は、(S−I)で示されるジブロ
ックのもの、あるいはS−(I−)n,(但し n=
1〜5)などの一般式で示されるトリブロック及びそれ
以上のものである。この種の付加重合系熱可塑性ブロッ
ク弾性体は、それ自体公知のものであり、例えば水素添
加物として特開平1−213380号公報(ここでは、
粘着剤組成物の一成分としてトリブロックタイプのもの
が使用されている。)、特開平1−174550号公報
(ここでは、耐衝撃性を改善するために使用されてい
る。)、特開昭60−260645号公報(ここでは、
熱収縮性の小さい射出成形用ポリエチレンテレフタレー
ト組成物を得るための一成分として使用されている。)
などに開示されている。また、非水素添加物としては特
開昭63−178187号公報(ここでは、粘着剤組成
物の一成分として使用されている。)などに開示されて
いる。
【0011】本発明の付加重合系熱可塑性ブロック弾性
体としては、例えば全体の数平均分子量が5,000〜
500,000の範囲にあり、Sブロック単位の含有量
が5〜70wt%にあり、かつIブロック単位の二重結合
の70%以上が水添されたものが好適に使用される。ま
たSブロック単位の重量平均分子量としては5,000
〜125,000、Iブロック単位の重量平均分子量と
しては15,000〜250,000のものが例示され
る。なお、本発明で採用するこの種の水添ブロック弾性
体は、前記した引用公報にも開示されているがそれ自体
公知であるか又は当業者に慣用の手法により容易に製造
することができるものである。本発明において、前記し
た付加重合系熱可塑性ブロック弾性体の具体例として
は、セプトン(クラレ社製,飽和型のジブロック及びト
リブロックタイプのSEP,SEPSがあり、いずれも
使用することができる。)などがある。
【0012】次に、本発明の前記熱可塑性弾性体組成物
を構成する他方の縮合重合系熱可塑性ブロック弾性体に
ついて説明する。なお、前記したように本発明におい
て、該縮合重合系熱可塑性ブロック弾性体は、ハードセ
グメントソフトセグメントを有しているものであり、
この意味でブロック弾性体と総称されされている。この
種の縮合重合系熱可塑性ブロック弾性体は、ポリステル
系熱可塑性エラストマー,ポリアミド系熱可塑性エラス
トマー,及びポリウレタン系熱可塑性エラストマーに大
別することができる。以下それぞれについて説明する。
【0013】本発明において使用するポリエステル系熱
可塑性エラストマーは、硬質(ハード)セグメントと軟
質(ソフト)セグメントを有するものである。この種の
ポリエステル系熱可塑性エラストマーとしては、芳香族
ジカルボン酸と短鎖グリコールから調製されるポリエス
テルセグメント(ハードセグメント)と、芳香族ジカル
ボン酸とポリアルキレングリコール(長鎖グリコール)
から調製されるポリエーテルセグメント(ソフトセグメ
ント)を有するポリエーテル・エステル型のコポリマー
がよく知られている。また、ソフトセグメントをポリカ
プロラクトンを使用して調製したポリエステル・エステ
ル型のコポリマーも知られている。
【0014】前記したポリエステル系熱可塑性エラスト
マーの典型的なものは、テレフタル酸ジメチル1.4 −ブ
タンジオール、ポリ(オキシテトラメチレン)グリコー
ルを出発原料として重縮合反応およびエステル交換反応
をさせることにより調製された下記[化1]で示される
ものがある。
【0015】
【化1】
【0016】本発明において、前記した付加重合系熱可
塑性ブロック弾性体(ポリスチレンブロックと水添また
は非水添のポリイソプレンブロックから成る弾性体)と
ともに該ポリエステル系熱可塑性エラストマーを併用す
ることにより、比較的硬度の高い合成樹脂で構成される
成形体の部位と、弾性に富む軟質の熱可塑性弾性体で構
成される成形体の部位とが熱融着により強力に接合する
理由は定かではない。しかしながら、これらの異質の成
形体部位の融着部において、前記付加重合系熱可塑性ブ
ロック弾性体とポリエステル系熱可塑性エラストマーの
ハードセグメント,ソフトセグメント,OHやCOOH
などの官能基が合成樹脂成形体の表面において有効に作
用しあう結果であると考えられる。
【0017】前記ポリエステル系熱可塑性エラストマー
はハードセグメントとソフトセグメントの比率により、
あるいは各セグメントの構成成分の種類によりその性質
が変わるものであるが、一般的な特徴は、耐屈曲性,耐
油性,耐耗性,耐熱性などに優れている。ただし、硬
度が通常のエラストマーより高く柔軟性に劣るので、こ
の点は前記した付加重合系の熱可塑性ブロック弾性体と
のブレンドにより解消するようにするのが好ましい。一
般的には、後述する熱可塑性エラストマーも同様である
が、該熱可塑性エラストマーの100重量部当り、付加
重合系熱可塑性ブロック弾性体を3〜100重量配合す
ればよい。このような配合率により熱融着性に優れた熱
可塑性弾性体組成物が調製される。なお、両成分の使用
に当り、両成分が均一な海島状に分散されるまでブレン
ドされたのを使用するのが好ましいことはいうまでもな
いことである。前記ポリエステル系熱可塑性エラストマ
ーの市販品としては、ペルプレン(P4OH,P7OB,P150B,P1
50M,東洋紡績社製)、グリラックス(E-120,E-200,E-32
0,E-500,大日本インキ化学工業社製)、ハイトレル(東
レ−デュポン社製)などがある。
【0018】本発明において使用するポリアミド系熱可
塑性エラストマーは、ポリアミド(ナイロン6,66,11,12
など)をハードセグメントとし、ポリエーテルまたはポ
リエステルをソフトセグメントとするものである。例え
ば、ポリエーテルブロックアミドは下記[化2]で示さ
れるものである。
【0019】
【化2】
【0020】上記[化2]において、PA,PEは次の
ことを意味するものである。 PA:ハードセグメントであるポリアミドのブロックを
示す。 PE:ソフトセグメントであるポリエーテルのブロック
を示す。 本発明で使用される前記[化2]で示されるポリエーテ
ルブロックアミドは、米国特許第3,044,978号
明細書などに開示されているように、それ自体は公知の
物質である。このものは、例えば、(イ)ジアミンとジ
カルボン酸の塩、ラクタム類、またはアミノジカルボン
酸(PA構成成分)、(ロ)ポリオキシエチレングリコー
ル、ポリオキシプロピレングリコールなどのポリオキシ
アルキレングリコール(PE構成成分)、(ハ)ジカルボ
ン酸、を重縮合させることによって調製されるものであ
る。市販品としてはペバックス(PEBAX 6333 SA00 、東
レ社製)、ベスタミド(Vestamid, ダイセル・ヒュルス
社製)などがある。
【0021】本発明において使用するポリウレタン系熱
可塑性エラストマーは、ジイソシアネートと短鎖グリコ
ール(エチレングリコール、プロピレングリコール、1,
4 −ブタンジオール、ビスフェノールAなど)とから成
るハードセグメントと、ジイソシアネートと長鎖ポリオ
ールから成るソフトセグメントを有するものである。長
鎖ポリオールとしては、ポリアルキレングリコールのよ
うなポリエーテル系のもの、あるいはポリアルキレンア
ジペート、ポリカプロラクトン、ポリカーボネートなど
のようなポリエステル系のものが使われる。この種のポ
リウレタン系熱可塑性エラストマーは下記[化3]に示
されるものである。
【0022】
【化3】
【0023】上記[化3]において、Aはジイソシアネ
ートと短鎖グリコールから成るハードセグメントを示
し、Bはジイソシアネートと長鎖ポリオールから成るソ
フトセグメントを示すものである。またYは、Aセグメ
ントとBセグメントを連結するウレタン結合のジイソシ
アネート化合物の残基を示す。なお、この種のジイソシ
アネート化合物としてはフェニレンジイソシアネート、
トリレンジイソシアネート、キシレンジイソシアネー
ト、4.4´ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキ
サメチレンジイソシアネートなど公知慣用のものが使用
される。
【0024】前記ポリウレタン系熱可塑性エラストマー
の市販品としては、ミラクトラン(日本ミラクトラン社
製)、デモスパン(住友バイエルウレタン社製)、レザ
ミン(大日精化工業社製)などがある。
【0025】本発明においては、前記した(i) 成分(付
加重合系熱可塑性ブロック弾性体)と(ii)成分(縮合重
合系熱可塑性ブロック弾性体)が基本成分であるが、他
の弾性体成分や当業界において慢用されている他の充填
剤などの配合成分が使用されてもよいことはいうまでも
ないことである。この種の任意の配合成分である他の熱
可塑性弾性体としては、複合化の対象となる後述の合成
樹脂より弾性に優れ、かつ相対的に硬度の小さい成形体
部位に構成するものであればいずれでも良い。例えばS
BSブロックポリマーあるいは水添SBSブロックポリ
マー,EPRなどのオレフィン系エラストマー,SBR
などのジエン系エラストマー,ウレタン系エラストマ
ー,あるいは可塑剤配合の弾性に富んだ可塑性ポリ塩化
ビニルなどがある。特に、付加価値の高い複合成形体を
得るためには、硬度(JISショアー硬度A)で70〜
35度の熱可塑性弾性体を用いることが好ましい。
【0026】本発明の前記した(i) 付加重合系熱可塑性
ブロック弾性体成分と(ii)縮合重合系熱可塑性ブロック
弾性体とからなる熱融着性に優れた熱可塑性弾性体組成
物は、該組成物より相対的に高い硬度をもつ合成樹脂の
成形体部位に熱融着により強固に接合されて、有用な複
合成形体が製造される。かかる複合化の対象となる合成
樹脂成形体は、ポリカーボネート,ナイロン6,ナイロ
ン11,ナイロン12,ABS樹脂,メタクリル樹脂な
どの熱可塑性エンジニアリングプラスチックあるいは熱
可塑性合成樹脂から製造されるものである。これらの合
成樹脂のうち、付加価値の高い複合成形体を得るために
は、硬度が70以上のものを用いれば良い。
【0027】本発明において、硬度の高い合成樹脂で構
成される成形体部位と熱融着性に優れた熱可塑性弾性体
組成物で構成される成形体部位とを、熱融着により強固
に接合させる方法は、予め硬度の高い合成樹脂から構成
される成形体に、ゴム弾性に優れた熱可塑性弾性体組成
物を熱融着させても良いし、あるいは逆にゴム弾性に優
れた熱可塑性弾性体組成物から予め成形体を形成し、こ
れに硬度の高い合成樹脂を熱融着させて複合化した成形
体としても良い。そして、硬度の高い合成樹脂で構成さ
れる成形体部位と熱融着性に優れた熱可塑性弾性体組成
物で構成される成形体部位とを熱融着により接合させる
技術手段は、公知慣用のいずれの方式でも採用可能であ
る。例えば、射出成形、押出成形、ブロー成形、カレン
ダ成形,圧縮成形,トランスファ成形など熱的に融着す
る条件が設定されているものであればいずれでもかまわ
ない。これらのうちで、生産性の観点から射出成形法が
望ましいことはいうまでもないことである。
【0028】
【実施例】次に、本発明を実施例に基づいて更に詳しく
説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、実施例
に限定されるものではない。
【0029】(実施例1)熱可塑性弾性体組成物を、次
のように調製した;付加重合系熱可塑性ブロック弾性体
として水添SISブロックコポリマー(商品名「セプト
ン」2005,クラレ社製)の10部(重量部、以下、同
じ。)及びポリエステル系熱可塑性エラストマー(商品
名「グリラックス」E-120 、大日本インキ化学工業社
製)の100部を均一にブレンドし、両成分が海島状に
分散したブレンド物を得た。前記のように調製した熱可
塑性弾性体組成物を、ポリカーボネート成形品に熱融着
させて複合成形体とする実験を行なった。即ち、水中眼
鏡の主体部を予めポリカーボネートで射出成形により成
形し、次いでこのポリカーボネートの水中眼鏡の主体部
に、前記した熱可塑性弾性体組成物を射出成形手段によ
り融熱着接合し、顔面接触部を形成した。(水中眼鏡の
全体構造は特公昭62-23577号公報に記載されたものであ
る。)なお、射出成形条件は、ノズル温度235℃,シ
リンダー温度180℃,ダイボトム温度140℃,金型
温度50℃,射出圧力400Kg/cm2 である。ポリカー
ボネートと前記熱可塑性弾性体組成物との接合面は、強
力にかつ完全に接着融合した。
【0030】前記と同様な実験下で、ポリエステル系熱
可塑性エラストマー100部に対し、水添SISブロッ
クポリマーを、30部,50部それぞれブレンドしたも
のも完全に融着した。また、実施例1において、ポリカ
ーボネートに換えてABS樹脂(アクリロトリルーブ
タジエンースチレン系樹脂)(商品名「デンカABS」
GR-1000,電気化学工業社製)、あるいはメタクリル樹脂
(商品名「アクリルペット」、三菱レイヨン社製)を使
用して融着接合させた場合、それらの接合面も十分な強
度をもって融着接合した。
【0031】(実施例2)特開昭57−144737号
公報に示されるような機械部品の成形に本発明の熱融着
性に優れた熱可塑性弾性体組成物を適用してみた。実施
例1のポリカーボネートに換えて、予め成形した11−
ナイロン製の機械部品を金型に入れる。前記実施例1と
その他の条件は同一で、同一の熱可塑性弾性体組成物を
射出成形し融着接合させたところ、接合面は完全に融着
した。また、11ナイロンに換えて12ナイロンを使っ
た場合も、その接合面は完全に融着接合した。
【0032】(実施例3)熱可塑性弾性体組成物を、次
のように調製した;付加重合系熱可塑性ブロック弾性体
として、水添SISブロックコポリマー(商品名「セプ
トン」2005,クラレ社製)の10部、及びポリエーテル
ブロックアミド(商品名「ペバックス」6333SA00, SP値
10.2〜10.8、東レ社製)の100部を均一にブレンド
し、両成分が海島状に分散したブレンド物を得た。前記
のようにして調製した熱可塑性弾性体組成物を、実施例
1と同様にしてポリカーボネート成形品(水中眼鏡)に
熱融着させて複合成形体とする実験を行なった。結果は
全く実施例1と同じであり、ポリカーボネートと前記熱
可塑性弾性体組成物との接合面は、強力に接着融合し
た。なお、本実施例の熱可塑性弾性体組成物について
も、実施例1に記載された実施例1の変形例、及び実施
例2を追試したところ、全く同様の結果を得ることがで
きた。
【0033】(実施例4)熱可塑性弾性体組成物を、次
のように調製した;付加重合系熱可塑性ブロック弾性体
として、水添SISブロックコポリマー(商品名「セプ
トン」2005,クラレ社製)の10部、及びポリウレタン
系熱可塑性エラストマー(商品名「ミラクトラン」E56
8,日本ミラクトラン社製)の100部を均一にブレン
ドし、両成分が海島状に分散したブレンド物を得た。前
記のようにして調製した熱可塑性弾性体組成物を、実施
例1と同様にしてポリカーボネート成形品(水中眼鏡)
に熱融着させて複合成形体とする実験を行なった。結果
は全く実施例1と同じであり、ポリカーボネートと前記
熱可塑性弾性体組成物との接合面は、強力に接着融合し
た。なお、本実施例の熱可塑性弾性体組成物について
も、実施例1に記載された実施例1の変形例、及び実施
例2を追試したところ、全く同様の結果を得ることがで
きた。
【0034】
【発明の効果】本発明の熱融着性に優れた熱可塑性弾性
体組成物は、熱可塑性の合成樹脂やエンジニアリングプ
ラスチック製の成形部位と熱可塑性弾性体製の成形部位
から成る複合化成形体の製造に極めて有用なものであ
る。そして、これら複合成形体は、本発明の熱可塑性弾
性体組成物と射出成形などの熱融着手段により効率的、
経済的に製造される。特に、本発明のゴム弾性に優れか
つ柔軟な熱可塑性弾性体を、ポリカーボネートなどの硬
度の高いエンジニアリングプラスチックに射出成形手段
により熱融着させるという簡便な方法により強力に融着
接合させることができるため、新しい性能、新しい機能
をもった複合成形体が効果よく提供される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI // B29K 75:00 B29K 75:00 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 53/02 B29C 65/02 C08L 67/02 C08L 75/04 C08L 77/12 B29K 75:00

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 硬質の合成樹脂成形体の部位に対して
    融着により複合化して複合成形体とするために使用され
    る熱可塑性弾性体組成物において、該熱可塑性弾性体組
    成物が、 (i) カルボン酸基もしくはその誘導体基を導入して変性
    したものを除くポリスチレンブロックと水添または非水
    添のポリイソプレンブロックとから成る付加重合系熱可
    塑性ブロック弾性体……………3〜100重量部、 (ii)ポリエステル系熱可塑性エラストマー、ポリアミド
    系熱可塑性エラストマー、及びポリウレタン系熱可塑性
    エラストマーから選ばれた縮合重合系熱可塑性ブロック
    弾性体………………………………100重量部、 からなることを特徴とする熱融着性に優れた熱可塑性弾
    性体組成物。
  2. 【請求項2】 付加重合系熱可塑性ブロック弾性体が、
    ポリスチレンブロック(S)と水添または非水添のポリ
    イソプレンブロック(I)の二ブロック(S−I)から
    成るものである請求項1に記載の熱可塑性弾性体組成
    物。
  3. 【請求項3】 付加重合系熱可塑性ブロック弾性体が、
    ポリスチレンブロック(S)と水添または非水添のポリ
    イソプレンブロック(I)の三ブロック(S−I−S)
    から成るものである請求項1に記載の熱可塑性弾性体組
    成物。
  4. 【請求項4】 ポリエステル系熱可弾性エラストマー
    が、芳香族ジカルボン酸と短鎖グリコールから調製され
    たハードセグメントと、芳香族ジカルボン酸とポリアル
    キレングリコールから調製されたソフトセグメントを有
    するものである請求項1に記載の熱可塑性弾性体組成
    物。
  5. 【請求項5】 ポリエステル系熱可塑性エラストマー
    が、芳香族ジカルボン酸と短鎖グリコールから調製され
    たハードセグメントと、ポリカプロラクトンから調製さ
    れたソフトセグメントを有するものである請求項1に記
    載の熱可塑性弾性体組成物。
  6. 【請求項6】 ポリアミド系熱可塑性エラストマーが、
    ポリアミドからなるハードセグメントと、ポリエーテル
    またはポリエテスルからなるソフトセグメントを有する
    ものである請求項1に記載の熱可塑性弾性体組成物。
  7. 【請求項7】 ポリウレタン系熱可塑性エラストマー
    が、ジイソシアネートと短鎖グリコールから調製された
    ハードセグメントと、ジイソシアネートと長鎖ポリオー
    ルから調製されたソフトセグメントを有するものである
    請求項1に記載の熱可塑性弾性体組成物。
  8. 【請求項8】 長鎖ポリオールが、ポリエーテル系また
    はポリエステル系のポリオールである請求項7に記載の
    熱可塑性弾性体組成物。
  9. 【請求項9】 硬質の合成樹脂成形体の硬度(JISシ
    ョアー硬度A)が、70以上のものである請求項1に記
    載の熱可塑性弾性体組成物。
  10. 【請求項10】 熱可塑性弾性体組成物の硬度(JIS
    ショアー硬度A)が、70以下のものである請求項1に
    記載の熱可塑性弾性体組成物。
  11. 【請求項11】 硬質の合成樹脂成形体が、ポリカーボ
    ネート樹脂、ポリアミド樹脂、ABS樹脂、ポリメタク
    リル樹脂、ポリオレフィン樹脂から選ばれる樹脂の成形
    体である請求項1に記載の熱可塑性弾性体組成物。
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