JP3209195B2 - 液晶パネルや半導体の製造工程におけるスルホキシド類含有排気の処理方法及びスルホキシド類含有排気の処理装置 - Google Patents

液晶パネルや半導体の製造工程におけるスルホキシド類含有排気の処理方法及びスルホキシド類含有排気の処理装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶パネルや半導
体の製造工程においてスルホキシド類有機硫黄化合物
(R−SO−R’:R、R’は炭化水素基)を汚染物と
して含有する有機排気の処理方法及び前記スルホキシド
類有機硫黄化合物を含有する有機排気の処理装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】現在、ジメチルスルホキシド((CH
3)2SO:以下、「DMSO」と略す)は国内で年間約
3000トン生産され、主にアクリル繊維、医薬・農薬
等の合成、染料・顔料用溶剤、又は剥離・洗浄剤等に使
用されている。近年、液晶パネルや半導体の製造工程に
おいて、DMSOを含有した洗浄剤が多く用いられてお
り、DMSOが蒸発し気体又はミストとして空気中に拡
散するため、前記製造工程では、DMSOを含む有機排
気が大量に空気中に放出される。しかしながら、このよ
うなDMSOを含む有機排気をそのまま放出することは
環境保全上不適当であるため、DMSOを可能な限り分
解除去したのちに排出することが要求されている。
【0003】一般に、有機排気中から有機物を除去する
方法としては、活性炭やゼオライト等の多孔質体による
吸着や、溶媒への溶解後加熱下での触媒酸化及び燃焼処
理等が用いられている。特に、DMSOのように比較的
沸点の高い有機物を含む有機排気を処理する場合、DM
SOの水溶性の高い性質を利用して、水スクラバー式排
気処理法が用いられている。例えば、特開平7−163
841号には、水スクラバー式排気処理法を用いて有機
排気中のDMSOを除去する方法が開示されている。
【0004】特開平7−163841号に示される従来
の水スクラバー式排気処理法による有機排気の処理方法
を図5に示す。洗浄塔31内に設置される気液接触部3
2で有機排気中のDMSOを洗浄水に溶解させたのち、
酸化剤である次亜塩素酸ナトリウム(NaClO)を前
記洗浄水に添加するとともに、前記洗浄水のpHをpH
コントローラ33により測定し、必要であればpH調整
剤(NaOH)を添加することにより洗浄水のpHを強
塩基性に調整する。この場合、次亜塩素酸ナトリウムの
強い酸化力により、有機排気中のDMSOはジメチルス
ルホン(CH3)2SO2を経て、ジメチルスルホン酸
(CH3)2SO4となる。即ち、 (CH3)2SO + NaClO → (CH3)2SO2 + NaCl (CH3)2SO2 + 2NaClO → (CH3)2SO4 + 2NaCl また、ジメチルスルホン酸は、塩基性条件下でモノメチ
ル硫酸ナトリウム塩Na・CH3SO4となり、酸性条件
下では水と反応し、アルコールと硫酸になる。 (CH3)2SO4 + NaOH → Na・CH3SO4 + CH3OH (CH3)2SO4 + 2H2O → 2CH3OH + H2SO4
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図5に
示される従来の有機排気の処理方法においては次のよう
な問題点があった。一般に、液晶パネルや半導体の製造
工程において用いられているDMSOを含有する溶剤・
洗浄剤は一般に、主成分であるDMSOの他に、アミン
類有機化合物(R−NH2、R−NH−R’:R、R’
は主に炭化水素からなる基)を含有している。このアミ
ン類有機化合物はDMSOと同様、洗浄水に溶解させて
捕集することで分離除去される。前記アミン類有機化合
物は、一般に特有の臭気を有するため、DMSOと同様
に前記アミン類有機化合物も排気中から除去することが
必要である。一方、従来の有機排気の処理方法において
は、DMSOを酸化するために、DMSOに対して等量
以上の強い酸化力を有する次亜塩素酸ナトリウム等の酸
化剤を使用する必要がある。この場合、洗浄水のpHが
強塩基性でないと、次亜塩素酸ナトリウムによるDMS
Oの酸化が十分に進行しない。しかしながら、洗浄水の
pHが強塩基性になると、洗浄水に対するアミン類有機
化合物の溶解度が低くなるため、有機排気からアミン類
有機化合物を十分除去することができなかった。
【0006】また、この場合、アミン類有機化合物の一
部が洗浄水に溶解したとしても、酸化剤である次亜塩素
酸ナトリウムが、アミン類有機化合物等のDMSOを含
む溶剤又は洗浄剤以外の成分と反応し、有害な有機塩素
化合物が生成してしまうという問題が生じていた。
【0007】さらに、上記の反応式において、ジメチル
スルホン((CH3)2SO2)と次亜塩素酸ナトリウム
(NaClO)との反応は、実際には次亜塩素酸ナトリ
ウム(NaClO)の濃度が非常に高くなければ進行し
ない。しかしながら、次亜塩素酸ナトリウムの濃度を非
常に高くして処理を行うと、処理中に有害な塩素ガスが
多く発生してしまうという問題が生じていた。
【0008】本発明は、以上の従来技術における問題に
鑑みてなされたものである。本発明の目的は、上記問題
点を解決し、液晶パネルや半導体の製造工程における
機排気からスルホキシド類有機硫黄化合物とともにアミ
ン類有機化合物を除去することが可能であり、且つ有害
な化合物を生成しないスルホキシド類含有排気の処理方
法及びスルホキシド類含有排気の処理装置を提供するこ
とである。
【0009】
【課題を解決するための手段】また、本出願第の発明
のスルホキシド類含有排気の処理方法は、スルホキシド
類有機硫黄化合物及び少なくとも1種類のアミン類有機
化合物を含有する排気をpHが4以下の洗浄水に接触さ
せて前記スルホキシド類有機硫黄化合物及び前記アミン
類有機化合物を溶解させ、前記洗浄水に過酸化水素を共
存させて紫外線を照射し、スルホキシド類有機硫黄化合
物を分解することを特徴とする液晶パネルや半導体の製
造工程におけるスルホキシド類含有排気の処理方法であ
る。
【0010】上記構成を有する本出願第の発明の液晶
パネルや半導体の製造工程におけるスルホキシド類含有
排気の処理方法によると、スルホキシド類有機硫黄化合
物及び少なくとも1種類のアミン類有機化合物を含有す
る排気をpHが4以下の洗浄水に接触させて前記スルホ
キシド類有機硫黄化合物及び前記アミン類有機化合物を
溶解させ、前記洗浄水に過酸化水素を共存させて紫外線
を照射する場合の前記スルホキシド類有機硫黄化合物の
分解は、光反応によりヒドロキシラジカルが生じ、これ
を前記スルホキシド類の炭素−硫黄結合解離部分と反応
させて、悪臭を発生させないスルホン酸類が生じるもの
である。さらに、洗浄水中に共存する過酸化水素又はヒ
ドロキシラジカル(OH・)により炭素−硫黄結合部分
での紫外線吸収が起こりやすくなると考えられる。以上
により、従来のスルホキシド類含有排気の処理方法とは
異なりスルホキシド類有機硫黄化合物の分解に次亜塩素
酸ナトリウムを使用する必要がないため、有害な化合物
を生成することなくスルホキシド類含有排気を処理する
ことができる。また、この場合洗浄水は生成したスルホ
ン酸類を含むためpH酸性であるので、一般に塩基性を
有するアミン類有機化合物の洗浄水への溶解度が向上す
るため、前記排気からアミン類有機化合物を効果的に除
去することができる。さらに、また、紫外線照射部が気
液接触部内に設けられてなることにより、紫外線照射部
に設けられた紫外線ランプからの紫外線の照射をスルホ
キシド類有機硫黄化合物の分解のためだけでなく洗浄水
中の生物繁殖の抑制のために用いることができる。従っ
て、より長期間洗浄水を使用することができ洗浄水の交
換回数を減らすことができ、その結果として、スルホキ
シド類含有排気の処理の低コスト化を図ることができ
る。
【0011】水溶液中に過酸化水素を共存させる場合に
は、紫外線照射による光反応によってヒドロキシラジカ
ル(OH・)が生じ、これがスルホキシド類の炭素−硫
黄結合解離部分と反応し、その結果スルホン酸類(R−
SO3H)が生じる。紫外線は電磁波の一種であり、比
較的短波長(100〜400nm)の領域のものであ
り、波長が短いほど高いエネルギーを有している。紫外
線を照射することにより、スルホキシド類有機硫黄化合
物の炭素−硫黄結合を解離させることができるため、ス
ルホキシド類有機硫黄化合物をスルホン酸類へと直ちに
変換することができる。
【0012】また、本出願第の発明の液晶パネルや半
導体の製造工程におけるスルホキシド類含有排気の処理
装置は、スルホキシド類有機硫黄化合物及び少なくとも
1種類のアミン類有機化合物を含有する排気をpHが4
以下の洗浄水に接触させて前記スルホキシド類有機硫黄
化合物及び前記アミン類有機化合物を溶解させる気液接
触部が設置されてなる洗浄塔と、前記洗浄水に過酸化水
素を供給する過酸化水素供給部と、過酸化水素を含有す
る前記洗浄水に紫外線を照射する紫外線ランプとを有し
てなることを特徴とする。
【0013】上記構成を有する本出願第の発明の液晶
パネルや半導体の製造工程におけるスルホキシド類含有
排気の処理装置によると、スルホキシド類有機硫黄化合
物及び少なくとも1種類のアミン類有機化合物を含有す
る排気をpHが4以下の洗浄水に接触させて前記スルホ
キシド類有機硫黄化合物及び前記アミン類有機化合物を
溶解させる気液接触部が設置されてなる洗浄塔と、過酸
化水素を含有する前記洗浄水に紫外線を照射する紫外線
ランプとを有してなることにより、前記洗浄水に過酸化
水素を共存させて紫外線を照射する場合の前記スルホキ
シド類有機硫黄化合物の分解が前記紫外線照射部で起こ
る。前記分解は、光反応によりヒドロキシラジカルが生
じ、これを前記スルホキシド類の炭素−硫黄結合解離部
分と反応させて、悪臭を発生させないスルホン酸類が生
じるものである。さらに、洗浄水中に共存する過酸化水
素又はヒドロキシラジカル(OH・)により炭素−硫黄
結合部分での紫外線吸収が起こりやすくなると考えられ
る。以上により、従来の装置とは異なりスルホキシド類
有機硫黄化合物の分解に次亜塩素酸ナトリウムを使用し
ないため、有害な化合物を生成することなくスルホキシ
ド類含有排気を処理がすることができる。さらに、この
場合洗浄水は生成したスルホン酸類を含むためpH酸性
であるので、一般に塩基性を有するアミン類有機化合物
の洗浄水への溶解度が向上するため、前記排気からアミ
ン類有機化合物を除去することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】(第1の実施形態) 以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して詳細に説
明するが、以下の実施の形態は本発明に係る一例にすぎ
ない。図1は、本実施の形態に係る液晶パネルや半導体
の製造工程におけるスルホキシド類含有排気の処理装置
の概略図である。図2は、本実施の形態に係る液晶パネ
ルや半導体の製造工程におけるスルホキシド類含有排気
の処理を工程順に示すフローチャートである。
【0015】本実施の形態に係る液晶パネルや半導体の
製造工程におけるスルホキシド類含有排気の処理方法及
び処理装置を図1及び図2を参照して説明する。本実施
の形態に係る液晶パネルや半導体の製造工程における
ルホキシド類含有排気の処理装置は図1に示すように、
スルホキシド類有機硫黄化合物を含有する有機排気を導
入する洗浄塔1、有機排気と洗浄水12を接触させスル
ホキシド類有機硫黄化合物を洗浄水12に溶解させる気
液接触部2、洗浄水12に過酸化水素を供給する過酸化
水素供給部0、過酸化水素が添加された洗浄水12に紫
外線を照射して洗浄水12中に溶解したスルホキシド類
有機硫黄化合物を分解する紫外線照射部3、及び気液接
触部2からpH調整槽4を経て紫外線照射部3との間で
洗浄水12を循環させる循環系17により構成される。
気液接触部2は洗浄塔1内に設置され、気液接触部2の
下部には洗浄水12が貯蔵されている。過酸化酸素供給
部0は、洗浄水12のpHを調整するpH調整槽4、p
H調整槽4に過酸化水素を供給する過酸化水素貯槽7、
洗浄水12のpHを測定するpHコントローラ5、及び
洗浄水12のORP(oxidation−reduc
tion−potential:酸化還元電位)を測定
し二酸化炭素の添加量を調整するORPコントローラ6
からなる。気液接触部2と紫外線照射部3、気液接触部
2とpH調整槽4、pH調整槽4と過酸化水素貯槽7、
及び紫外線照射部3とpH調整槽4はそれぞれラインに
より接続されており、pHコントローラ5及びORPコ
ントローラ6はそれぞれ、循環系17の気液接触部2と
pH調整槽4とを結ぶライン上に設けられる。紫外線照
射部3は紫外線ランプ10と石英製反応槽11からな
り、石英製反応槽11に洗浄水12が導入され、紫外線
が紫外線ランプ10から照射される。
【0016】次に、本実施の形態に係る液晶パネルや半
導体の製造工程におけるスルホキシド類含有排気の処理
装置の動作について図1を参照して詳細に説明する。ス
ルホキシド類有機硫黄化合物及び少なくとも1種類以上
のアミン類有機化合物を含む有機排気を吹込口8から洗
浄塔1に導入し、気液接触部2で前記有機排気を洗浄水
12と接触させることで有機排気中の水溶性成分(スル
ホキシド類有機硫黄化合物及びアミン類有機化合物を含
む)を洗浄水12に溶解させることにより、有機排気中
から前記水溶性成分を除去し(図2のステップ1)、清
浄空気14として排気口9から放出する(図2のステッ
プ2)。一方、スルホキシド類有機硫黄化合物を溶解さ
せた洗浄水12はpH調整槽4に導入され、過酸化水素
を添加し(図2のステップ3)、必要であればpH調整
を行った後、前記洗浄水12を紫外線照射部3に導入す
る。紫外線照射部3において、洗浄水12に紫外線照射
を行い、洗浄水12中のスルホキシド類有機硫黄化合物
をスルホン酸類に分解する(図2のステップ4)。ま
た、洗浄水12はpH調整槽4に送られ、pHコントロ
ーラ5及びORPコントローラ6でpHとORPを調整
された後、循環系17で気液接触部2に循環送水され
る。以上の工程により洗浄水12中からスルホキシド類
有機硫黄化合物が除去された結果、洗浄水12中にはス
ルホン酸類及びアミン類有機化合物が残り、処理を繰り
返す毎に洗浄水12中にこれらが蓄積されてゆくため、
洗浄水12は適宜交換される。なお、本実施の形態にお
いては、スルホキシド類有機硫黄化合物及び少なくとも
1種類以上のアミン類有機化合物を含む有機排気の処理
を示したが、前記有機排気にアミン類有機化合物が含ま
れていない場合においても同様に、有機排気中からスル
ホキシド類有機硫黄化合物を除去することが可能であ
る。
【0017】
【実施例】次に、本実施の形態の実施例を、図面を参照
して詳細に説明する。図3は、実施例の液晶パネルや半
導体の製造工程におけるスルホキシド類含有排気の処理
方法及び処理装置を示す。本実施例に係る液晶パネルや
半導体の製造工程におけるスルホキシド類含有排気の処
理装置の構成は、図1に示す本実施の形態に係る液晶パ
ネルや半導体の製造工程におけるスルホキシド類含有排
気の処理装置の構成とほぼ同様であるが、洗浄水12を
排水する際に過酸化水素を処理する過酸化水素除去槽2
2が排水口18に設置されている点が異なる。これによ
り、排水から過酸化水素を除去することができる。ま
た、紫外線ランプ210、及び石英製反応槽11を用い
て洗浄水12に紫外線を照射する。本実施例において
は、有機排気に含まれるスルホキシド類有機硫黄化合物
がジメチルスルホキシド213である場合を示す。な
お、本実施例において、本実施の形態と同様の機能を有
する部分は同じ符号で示す。
【0018】次に、本発明の実施例に係る液晶パネルや
半導体の製造工程におけるスルホキシド類含有排気の処
理装置の動作及びスルホキシド類含有排気の処理工程に
ついて、図3を参照して説明する。ジメチルスルホキシ
ド及び少なくとも1種類以上のアミン類有機化合物を含
む有機排気213を洗浄塔1に導入し、気液接触部2で
ジメチルスルホキシド及びアミン類有機化合物を洗浄水
に接触させて溶解させる。ジメチルスルホキシドを溶解
した洗浄水12にジメチルスルホキシドに対し等量以上
の過酸化水素を添加し、紫外線照射部3で紫外線を照射
し、ジメチルスルホキシドをメタンスルホン酸に分解す
る。その後、pH調整槽4において、pHコントローラ
5によりpHを4以下に調整し、ORPの変化をORP
コントローラ6で測定し、過酸化水素濃度が不足しない
よう、ジメチルスルホキシドからメタンスルホン酸への
反応で消費された過酸化水素を過酸化水素貯槽7より添
加する。また、洗浄水12は水質を調整されたのち、循
環系17により再び気液接触部2に送液する。
【0019】本実施例において、ジメチルスルホキシド
及びアミン類有機化合物が洗浄水12に溶解するととも
に、過酸化水素を共存させて紫外線を照射することによ
り、ヒドロキシラジカルを生じさせ、これがジメチルス
ルホキシドと反応することによりメタンスルホン酸に変
換される。さらにこの場合、洗浄水中に共存する過酸化
水素又はヒドロキシラジカル(OH・)により炭素−硫
黄結合部分での紫外線吸収が起こりやすくなると考えら
れる。以上により、ジメチルスルホキシド及びアミン類
有機化合物を有機排気から効果的に除去することができ
る。
【0020】(第2の実施形態) 次に、本発明の他の実施の形態について図面を参照して
説明する。図4は本発明の第2の実施の形態に係る液晶
パネルや半導体の製造工程におけるスルホキシド類含有
排気の処理装置及び処理方法を示す図である。本実施の
形態においては、本発明の第1の実施の形態に係る液晶
パネルや半導体の製造工程におけるスルホキシド類含有
排気の処理装置及び処理方法の構成とほぼ同様である
が、洗浄塔1内部の気液接触部2下部に紫外線照射部4
3が設けられている点が異なる。すなわち、図4に示す
ように、紫外線ランプ10を洗浄塔1内の気液接触部2
下部の洗浄水12内に設置することで、紫外線が洗浄水
12に常に照射されるため、前記照射により洗浄水12
中に存在するスルホキシド類有機硫黄化合物の分解を行
うことができるだけでなく、洗浄水12中の生物繁殖を
抑制することができる。
【0021】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明に係る液晶パ
ネルや半導体の製造工程におけるスルホキシド類含有排
気の処理方法によれば、スルホキシド類有機硫黄化合物
を含有する排気を洗浄水に接触させて前記スルホキシド
類有機硫黄化合物を溶解させ、前記洗浄水に過酸化水素
を共存させて紫外線を照射し、スルホキシド類有機硫黄
化合物を分解することにより、光反応によりヒドロキシ
ラジカルを生じ、これを前記スルホキシド類の炭素−硫
黄結合解離部分と反応させてスルホン酸類を生じさせ
る。さらにこの場合、洗浄水中に共存する過酸化水素又
はヒドロキシラジカル(OH・)により炭素−硫黄結合
部分での紫外線吸収が起こりやすくなると考えられる。
以上により、従来のスルホキシド類含有排気の処理方法
とは異なりスルホキシド類有機硫黄化合物の分解に次亜
塩素酸ナトリウムを使用する必要がないため、有害な化
合物を生成することなくスルホキシド類含有排気を処理
することができる。さらに、この場合洗浄水は生成した
スルホン酸類によりpH酸性であるので、有機排気中に
アミン類有機化合物が含まれている場合には、一般に塩
基性を有するアミン類有機化合物の洗浄水への溶解度が
向上するため、前記有機排気からアミン類有機化合物を
効果的に除去することができる。
【0022】また、本発明に係る液晶パネルや半導体の
製造工程におけるスルホキシド類含有排気の処理装置に
よれば、スルホキシド類有機硫黄化合物を含有する有機
排気を洗浄水に接触させて前記スルホキシド類有機硫黄
化合物を溶解させる気液接触部が設置されてなる洗浄塔
と、前記洗浄水に過酸化水素を供給する過酸化水素供給
部と、過酸化水素を含有する前記洗浄水に紫外線を照射
する紫外線ランプとを有してなることにより、前記洗浄
水に過酸化水素を共存させて紫外線を照射する場合の前
記スルホキシド類有機硫黄化合物の分解が前記紫外線照
射部で起こる。前記分解は、光反応によりヒドロキシラ
ジカルを生じ、これを前記スルホキシド類の炭素−硫黄
結合解離部分と反応させてスルホン酸類を生じさせるも
のである。さらに、洗浄水中に共存する過酸化水素又は
ヒドロキシラジカル(OH・)により炭素−硫黄結合部
分での紫外線吸収が起こりやすくなると考えられる。以
上により、従来の装置とは異なりスルホキシド類有機硫
黄化合物の分解に次亜塩素酸ナトリウムを使用しないた
め、有害な化合物を生成することなくスルホキシド類含
有排気を処理がすることができる。さらに、この場合洗
浄水は生成したスルホン酸類によりpH酸性であるの
で、一般に塩基性を有するアミン類有機化合物の洗浄水
への溶解度が向上するため、前記有機排気からアミン類
有機化合物を除去することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態に係るスルホキシ
ド類含有排気の処理装置の概略図である。
【図2】 本発明の一実施の形態に係るスルホキシド類
含有排気の処理を工程順に示すフローチャートである。
【図3】 本発明の実施例1に係るスルホキシド類含有
排気の処理装置の概略図である。
【図4】 本発明の第2の実施の形態に係るスルホキシ
ド類含有排気の処理装置の概略図である。
【図5】 従来のスルホキシド類含有排気の処理装置の
概略図である。
【符号の説明】
0 過酸化水素供給部 1・31 洗浄塔 2・32 気液接触部 3・43 紫外線照射部 4 pH調整槽 5・35 pHコントローラ 6 ORPコントローラ 7 過酸化水素貯槽 8・38 吹込口 9・39 排気口 10 紫外線ランプ 11 石英製反応槽 12・312 洗浄水 13・313 スルホキシド類及びアミン類含有有機排
気 14・314 清浄空気 15 スルホン酸類有機硫黄化合物 16・316 アミン類有機化合物 17 循環系 18 排水口 21 過酸化水素分解槽 213・313 ジメチルスルホキシド及びアミン類含
有有機排気 215 メタンスルホン酸 317 NaClO水溶液槽 318 NaOH水溶液槽 319 ジメチルスルホン酸
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C02F 1/70 - 1/78 B01D 53/34 - 53/136

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】スルホキシド類有機硫黄化合物及び少なく
    とも1種類のアミン類有機化合物を含有する排気をpH
    が4以下の洗浄水に接触させて前記スルホキシド類有機
    硫黄化合物及び前記アミン類有機化合物を溶解させ、 前記洗浄水に過酸化水素を共存させて紫外線を照射し、
    スルホキシド類有機硫黄化合物を分解することを特徴と
    する液晶パネルや半導体の製造工程におけるスルホキシ
    ド類含有排気の処理方法。
  2. 【請求項2】スルホキシド類有機硫黄化合物及び少なく
    とも1種類のアミン類有機化合物を含有する排気をpH
    が4以下の洗浄水に接触させて前記スルホキシド類有機
    硫黄化合物及び前記アミン類有機化合物を溶解させる気
    液接触部が設置されてなる洗浄塔と、 前記洗浄水に過酸化水素を供給する過酸化水素供給部
    と、 過酸化水素を含有する前記洗浄水に紫外線を照射する紫
    外線ランプが設置されてなる紫外線照射部と、前記洗浄
    水のpHを測定するpHコントローラと、前記洗浄水の
    pHを調整するpH調整槽とを有してなることを特徴と
    する液晶パネルや半導体の製造工程におけるスルホキシ
    ド類含有排気の処理装置。
JP31930798A 1998-11-10 1998-11-10 液晶パネルや半導体の製造工程におけるスルホキシド類含有排気の処理方法及びスルホキシド類含有排気の処理装置 Expired - Fee Related JP3209195B2 (ja)

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