JP3209030U - 梱包材 - Google Patents

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Abstract

【課題】被梱包物を梱包した梱包体をより省スペースで収納することができる梱包材を提供する。【解決手段】梱包材1Aは、少なくとも1つの円板状の第1ベース部p1を備えた被梱包物PAを梱包する梱包材である。梱包材には、梱包材の底面12に対して第1ベース部p1が傾斜した状態で、第1ベース部の少なくとも一部を収納する収納凹部20が形成されている。収納凹部20には、傾斜した状態の第1ベース部の側面ps1を支持する第1支持面21が形成されている。また、第1ベース部よりも大きい平板状の第2ベース部p2の底面pbを支持する第2支持面22が形成されている。【選択図】図1

Description

本考案は、被梱包物を収納するための収納凹部が形成された梱包材に関する。
従来から、動力機器や精密機器等の被梱包物を梱包する際には、その形状が複雑であるため、複数の部材からなる梱包材を用いて梱包されることが一般的である。例えば、梱包材の収納凹部に被梱包物を収納する場合には、梱包材には、その被梱包物の形状に応じた収納凹部が形成されている。
たとえば、特許文献1には、円板状のベース部を有する被梱包物を梱包する際に、ベース部を上方から水平の姿勢で(すなわち、ベース部の円状の表面を水平方向に沿わせた平置きの姿勢で)ベース部を収納する収納凹部が形成された梱包材が提案されている。このような収納凹部を梱包材に設けることにより、被梱包物を収納凹部に安定して収納することができる。
特開2002−211564公報
しかしながら、特許文献1に示す梱包材は、被梱包物を水平の姿勢で梱包するため、被梱包物のベース部の最大の大きさに応じた収納凹部が必要となる。このため、たとえば被梱包物を梱包材で梱包した梱包体を収納するスペースに制約があるときは、梱包体が大きくなってしまい収納することができないことがある。また、複数の梱包体を収納する際には、収納する梱包体の個数を制限しなければならないことがある。
本考案は、このような点を鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、被梱包物を梱包した梱包体をより省スペースで収納することができる梱包材を提供することにある。
前記課題を解決すべく、本考案に係る梱包材は、少なくとも1つの平板状のベース部を備えた被梱包物を梱包する梱包材であって、前記梱包材には、前記梱包材の底面に対して前記ベース部が傾斜した状態で、前記ベース部の少なくとも一部を収納する収納凹部が形成されており、該収納凹部には、傾斜した状態の前記ベース部の側面を支持する支持面が形成されていることを特徴とする。
本考案によれば、被梱包物を梱包材で梱包する際には、ベース部が梱包材の底面に対して傾斜した状態で、その一部が収納凹部に収納されるので、ベース部を平置き状態にして被梱包物が梱包されたときに比べて、梱包材で被梱包物をコンパクトに梱包し、梱包体とすることができる。さらに、梱包状態では、収納凹部の支持面にベース部の側面が支持されるので、被梱包物を収納凹部内で安定して梱包することができる。
より好ましい態様としては、前記ベース部は、平板状の第1ベース部と、該第1ベース部よりも大きい平板状の第2ベース部とを、備え、前記第2ベース部の底面が、前記第1ベース部の周縁からはみ出すように、前記第1ベース部と前記第2ベース部とが双方の厚さ方向において連結されており、前記収納凹部は、前記梱包材の底面に対して前記第1ベース部が傾斜した状態で、前記第1ベース部の一部を収納しつつ、前記支持面を第1支持面として、前記第1ベース部の側面を前記第1支持面で支持するように、形成されており、前記収納凹部の開口部の周縁部には、前記梱包材の底面に対して傾斜するとともに、前記第1ベース部の側面を前記第1支持面で支持した状態で前記第2ベース部の底面を支持する第2支持面が形成されている。
この態様によれば、被梱包物を梱包材で梱包する際には、第1ベース部が梱包材の底面に対して傾斜した状態で、その一部が収納凹部に収納され、これに伴い第1ベース部に連結された第2ベース部も傾斜した状態となる。これにより、第2ベース部が平置き状態で、被梱包物が梱包されたときに比べて、梱包材で被梱包物をコンパクトに梱包し、梱包体とすることができる。さらに、梱包状態では、収納凹部の第1支持面に第1ベース部の側面が支持され、第2支持面に第2ベース部の底面が支持されるので、被梱包物を梱包材に安定して梱包することができる。
より好ましい態様としては、前記収納凹部の開口部の周縁部には、前記収納凹部に前記第1ベース部を上方から収納した状態で、前記第2ベース部の底面を支持する第3支持面が、前記第2支持面に連続して形成されている。
この態様によれば、以下に示す梱包方法で、被梱包物を梱包材で梱包することができる。まず、第1ベース部を上方から収納凹部に収納した状態で、第2ベース部の底面を第3支持面に支持させ、被梱包物を梱包材に仮置きすることができる。この仮置き状態である、第2ベース部の底面が第3支持面に支持された状態から、第2ベース部の底面が第2支持面に支持されるように、被梱包物を傾斜させつつ、第2ベース部の底面を第2支持面にスライドさせ、第1ベース部の側面を第1支持面に支持させ、被梱包物を梱包材で梱包することができる。
このように梱包材に対して、被梱包物を一旦仮置きした状態で位置決めし、この状態から被梱包物をスライドさせて梱包材に梱包することができるので、被梱包物を簡単に傾斜させて梱包することができる。
さらに好ましい態様としては、前記第3支持面は、前記梱包材の底面に対して傾斜し、前記第2支持面は、前記第3支持面よりも前記梱包材の底面に対して大きく傾斜している。この態様によれば、このような傾斜面となる第3支持面により、第3支持面の被梱包物を持ち上げて傾斜させ、第3支持面から第2支持面に、第2ベース部の底面を容易にスライドさせることができる。さらに、梱包材を水平方向に沿って同じ向きに複数並べて複数の被梱包物を梱包する際に、平置き状態で被梱包物を梱包材に仮置きしてその後梱包する場合に比べて、隣接する被梱包物同士の作業スペースをより広く確保することができる。
好ましい態様としては、前記収納凹部には、前記第3支持面に前記第2ベース部の底面が支持されるように、前記第1ベース部を収納凹部に案内する案内面が形成されている。この態様によれば、梱包材に案内面を設けることにより、第1ベース部を案内面に沿って移動させ、これを収納凹部内の正確な位置に案内し、前記第3支持面に前記第2ベース部の底面を支持した仮置きを行うことができる。
さらに好ましい態様としては、前記収納凹部を形成する壁部には、前記収納凹部の開口部から該収納凹部の深さ方向に沿って刳り貫かれた刳り貫き部が形成されており、前記案内面は、前記刳り貫き部を挟んで形成されている。
この態様によれば、刳り貫き部を利用して、作業者が被梱包物の第1ベース部を案内面に沿って移動させながら、これを収納凹部の正確な位置に簡単に安定して案内することができる。これにより梱包時の作業性を向上させることができる。また、刳り貫き部を設けることにより、梱包材の軽量化を図ることができる。さらに、梱包材を水平方向に沿って同じ向きに複数並べて複数の被梱包物を梱包する際には、隣接する被梱包物が梱包材に接触することを回避するための逃がし部分として、刳り貫き部を機能させることもできる。
また好ましい態様としては、前記第2ベース部の上方において前記第2ベース部に取付けられた取付部品が配置されており、該取付部品は、前記第2ベース部の側面の一部を覆うように、前記第2ベース部の側面から張り出した張り出し部を有しており、前記収納凹部には、非接触の状態で前記張り出し部の一部を収納する部品収納凹部が形成されている。この態様によれば、第1支持面および第2支持面に、被梱包物が支持された状態で、張り出し部分を非接触の状態で、安定して部品収納凹部に収納することができる。
さらに好ましい態様としては、前記第1ベース部と前記第2ベース部とは、回転可能に連結されており、前記梱包材には、前記第1ベース部と前記第2ベース部との回転を制限するように、前記張り出し部に係止する係止部が形成されている。この態様によれば、係止部を設けることにより、梱包時には、第1ベース部と第2ベース部の回転を制限し、安定した梱包状態を保持することができる。
また好ましい態様としては、前記収納凹部の底面には、前記梱包材を把持する把持部が形成されており、該把持部は、前記収納凹部の底面から前記梱包材の底面まで貫通した貫通孔を設けることにより形成される。この態様によれば、貫通孔を設けることにより、作業者は貫通孔に手を通して、梱包材の把持部を把持し、梱包材を滑ることなく持ち運びすることができる。さらに、貫通孔を設けることにより、収納凹部内に、ほこりや水分などの異物が溜ることを回避することができる。
梱包材に把持部を設けた別の好ましい態様としては、前記収納凹部の開口部の周縁部には、前記梱包材を把持する把持部が形成されており、該把持部には、前記開口部の周縁部から前記収納凹部の底面に向かって、前記収納凹部を形成する壁部の肉厚が厚くなるように傾斜した傾斜面が形成されている。
この態様によれば、作業者が把持部を把持して梱包材を持ち運ぶ際に、収納凹部の開口部の周縁部に形成された把持部に梱包材の自重が作用するが、把持部に傾斜面を設けることによりその肉厚が厚くなっているので、梱包材の強度を確保することができる。
また好ましい態様としては、前記梱包材の底面の対向する位置に、前記梱包材の底部側面から突出した一対の鍔部が形成されている。この態様によれば、鍔部を利用して、梱包材の位置ずれを防止することができるとともに、被梱包物を梱包した梱包材の飛び跳ねを抑えることができる。
さらに好ましくは、前記梱包材は、発泡樹脂からなる。梱包材を発泡樹脂とすることにより、梱包材の軽量化を図ることができるばかりでなく、被梱包物への衝撃吸収性(衝撃緩衝性)を高めることができる。
本考案によれば、梱包材で被梱包物を梱包した梱包体をより省スペースで収納することができる。
本考案の第1実施形態に係る梱包材と、これに梱包される被梱包物の模式的斜視図。 図1とは異なる方向から見た、梱包材と被梱包物の模式的斜視図。 図1に示す梱包材の平面図。 図3のA−A矢視断面図。 図1に示す梱包材を用いた梱包方法を説明するための図であり、(a)は、被梱包物を梱包材の第3支持面に支持したときの側面図であり、(b)は、その断面図。 図1に示す梱包材を用いた梱包方法を説明するための図であり、(a)は、被梱包物を梱包材の第1および2支持面に支持したときの側面図であり、(b)は、その断面図。 本考案の第2実施形態に係る梱包材と、これに梱包される被梱包物の模式的斜視図。 図7とは異なる方向から見た、梱包材と被梱包物の模式的斜視図。 図7に示す梱包材の平面図。 図9のB−B矢視断面図。 図7に示す梱包材を用いた梱包方法を説明するための図であり、(a)は、被梱包物を梱包材の第3支持面に支持したときの側面図であり、(b)は、その断面図。 図7に示す梱包材を用いた梱包方法を説明するための図であり、(a)は、被梱包物を梱包材の第1および2支持面に支持したときの側面図であり、(b)は、その断面図。 被梱包物を梱包材の第1および2支持面に支持したときの正面図。 第2実施形態の変形例に係る梱包材を用いた梱包方法を説明するための図であり、(a)は、被梱包物を梱包材の第3支持面に支持したときの側面図であり、(b)は、被梱包物を梱包材の第1および2支持面に支持したときの側面図。 図14(a)に示す梱包材を複数用いた場合の梱包方法を説明するための図。 図11(a)に示す梱包材を複数用いた場合の梱包方法を説明するための図であり、(a)は梱包途中の状態を示した図であり、(b)は梱包後の状態を示した図。
以下の図面に基づき、本考案に係る2つの実施形態を説明する。
〔第1実施形態〕
1−1.梱包材1Aについて
以下に図1〜図4までを参照し、第1実施形態に係る被梱包物PAとこれを梱包する梱包材1Aを説明する。図1は、本考案の第1実施形態に係る梱包材1Aと、これに梱包される被梱包物PAの模式的斜視図であり、図2は、図1とは異なる方向から見た梱包材1Aと被梱包物PAの模式的斜視図である。図3は、図1に示す梱包材1Aの平面図であり、図4は、図3のA−A矢視断面図である。
本実施形態に係る梱包材1Aは、平板状(円板状)の第1ベース部p1と、第1ベース部p1よりも大きい(大径の)平板状(円板状)の第2ベース部p2とを、備えた被梱包物PAを梱包するものである。第2ベース部p2の底面pbが、第1ベース部p1の周縁からはみ出すように、第1ベース部p1と第2ベース部p2とが双方の厚さ方向において連結されている。
梱包材1Aは、被梱包物PAに損傷なく梱包し搬送させることができるのであれば、特にその材質は限定されない。このような材質としては、梱包材1Aの軽量化を図ることができるばかりでなく、被梱包物PAへの衝撃吸収性(衝撃緩衝性)を高めることができることから、たとえば熱可塑性樹脂の発泡樹脂であることが好ましい。熱可塑性樹脂には、ポリオレフィン系樹脂(例えばポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂など)、ポリスチレン樹脂、ポリエステル系樹脂(例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリ乳酸系樹脂など)、ポリカーボネート系樹脂などが挙げられる。
図1〜図4に示すように、本実施形態に係る梱包材1Aには、第1ベース部p1の一部を収納する収納凹部20が形成されている。収納凹部20には、第1ベース部p1の側面(円周面)ps1を支持する一対の第1支持面(円周面)21,21が形成されている。各第1支持面21は、第1ベース部p1の側面ps1の形状に応じた凹曲面となっており、梱包材1Aの底面12に対して第1ベース部p1が傾斜した状態で、第1ベース部p1の側面ps1を支持することができる。
収納凹部20の開口部20aの周縁部20bには、一対の第2支持面22,22と第3支持面23,23とが形成されている。各第2支持面22は、梱包材1Aの底面12に対して傾斜した面であり、第1ベース部p1の側面ps1を第1支持面21で支持した状態で第2ベース部p2の底面pbを支持する面である。すなわち、第2支持面22は、被梱包物PAを梱包した状態で、第2ベース部p2の底面pbを受ける受け面である。
各第3支持面23は、被梱包物PAを梱包する前に、梱包材1Aに仮置きするための被梱包物PAの支持面であり、収納凹部20に第1ベース部p1を上方から収納した状態で、第2ベース部p2の底面pbを支持するように形成されている。第3支持面23は、第2支持面22に連続して形成されており、より具体的には、第2支持面22と第3支持面23の境界にはR形状の曲面が形成されている。
本実施形態では、第2支持面22は、第3支持面23よりも梱包材1Aの底面12に対して大きく傾斜している。第2支持面22は、梱包材1Aの底面12に対して20°〜45°の傾斜角度で傾斜していることが好ましく、第3支持面23は、上述した第2支持面22との傾斜の関係を満たしつつ、梱包材1Aの底面12に対して0°より大きく10°以下の傾斜角度で傾斜していることが好ましい。第2支持面22の傾斜角度を上述した範囲とすることにより、被梱包物PAから過剰な面圧が第1支持面21に作用することなく、安定した梱包状態を維持することができる。一方、第3支持面23の傾斜角度を上述した範囲とすることにより、後述する梱包方法で示すように、被梱包物PAの梱包作業を高めることができる。なお、本実施形態では、第2支持面22は、梱包材1Aの底面12に対して37°の傾斜角度で傾斜し、第3支持面23は、梱包材1Aの底面12に対して5°の傾斜角度で傾斜している。
さらに、本実施形態では、収納凹部20には、第3支持面23に第2ベース部p2の底面Pbが支持されるように、第1ベース部p1を収納凹部20に案内する一対の案内面24,24が形成されている。各案内面24は、収納凹部20の深さ方向において、収納凹部20の底面20c側よりも開口部20a側が広がるように、収納凹部20の底面20cに対して傾斜している。これにより、一対の案内面24,24により、収納凹部20に第1ベース部p1を案内することができる。
一対の案内面24,24は、刳り貫き部27を挟んで形成されている。刳り貫き部27は、収納凹部20を形成する壁部25を、収納凹部20の開口部20aから収納凹部20の深さ方向に沿って刳り貫くように形成された部分である。刳り貫き部27を設けることにより、梱包材1Aの軽量化を図ることができる。なお、梱包時における刳り貫き部27の効果は、後述する梱包方法において説明する。
さらに、収納凹部20の底面20cには、梱包材1Aを把持する把持部31が形成されている。把持部31は、収納凹部20の底面20cから梱包材1Aの底面12まで貫通した一対の貫通孔32,32を設けることにより形成される。図4に示すように、一対の貫通孔32,32は、梱包材1Aの底面12側に形成された底部凹部39につながっている。底部凹部39は、収納凹部20の底面20cを形成する底部壁面の一部を把持可能なように、その一部を残すように、形成されている。
このような貫通孔32を設けることにより、作業者は貫通孔32に手を通して、梱包材1Aの把持部31を把持し、梱包材1Aを滑ることなく持ち運びすることができる。さらに、貫通孔32を設けることにより、収納凹部20内に、ほこりや水分などの異物が溜ることを回避することができる。
また、梱包材1Aの底面12の対向する位置に、梱包材1Aの底部側面14から突出した一対の鍔部16,16が形成されている。鍔部16,16を利用して、梱包材1Aをたとえばコンテナなどに固定し、その位置ずれを防止することができる。さらに、梱包材1Aを固定することにより、被梱包物PAを梱包した梱包材1Aの飛び跳ねを抑えることができる。
1−2.被梱包物PAの梱包方法について
以下に図5および図6を参照し、第1実施形態に係る梱包材1Aを用いた被梱包物PAの梱包方法を説明する。図5は、図1に示す梱包材1Aを用いた梱包方法を説明するための図であり、(a)は、被梱包物PAを梱包材1Aの第3支持面23に支持したときの側面図であり、(b)は、その断面図である。図6は、図1に示す梱包材1Aを用いた梱包方法を説明するための図であり、(a)は、被梱包物PAを梱包材1Aの第1支持面21および第2支持面22に支持したときの側面図であり、(b)は、その断面図である。
まず、梱包材1Aの鍔部16,16を利用して、梱包材1Aをコンテナ等に固定する。次に、図5(a),(b)に示すように、被梱包物PAの第1ベース部p1を上方から収納凹部20に収納した状態で、被梱包物PAの第2ベース部p2の底面pbを第3支持面23に支持させ、被梱包物PAを梱包材1Aに仮置きする。
本実施形態では、一対の案内面24,24およびこれらの間に形成された刳り貫き部27を設けることにより、作業者は、被梱包物PAの第1ベース部p1を一対の案内面24,24に沿って移動させながら、これを収納凹部20の正確な位置に簡単に安定して案内することができる。これにより梱包時の仮置き作業性を向上させることができる。
次に、図6(a),(b)に示すように、第2ベース部p2の底面pbが第3支持面23に支持された状態から、第2ベース部p2の底面pbが第2支持面22に支持されるように、被梱包物PAの片側を持ち上げて傾斜させつつ、第2ベース部p2の底面pbを第2支持面22にスライドさせ、第1ベース部p1の側面ps1を第1支持面21に支持させ、被梱包物PAを梱包材1Aで梱包することができる。
特に、本実施形態では、梱包材1Aの底面12に対して傾斜した第3支持面23を設けることにより、第3支持面23の被梱包物PAを持ち上げて傾斜させ、第3支持面23から第2支持面22に、被梱包物PAの第2ベース部p2の底面pbを容易にスライドさせることができる。また、第2支持面22と第3支持面23の境界にはR形状の曲面が形成されているので、仮置き状態から梱包状態にスムーズに移行できる。
さらに、後述する第2実施形態で示すように、コンテナを用いて梱包材1Aを水平方向に沿って同じ向きに複数並べて複数の被梱包物PAを梱包する際に、平置き状態で被梱包物PAを梱包材1Aに仮置きしてその後梱包する場合(たとえば図15参照)に比べて、隣接する被梱包物PA,PA同士の作業スペースをより広く確保することができる(たとえば図16(a),(b)等参照)。
このように、被梱包物PAを梱包材1Aで梱包した状態では、第1ベース部p1が梱包材1Aの底面12に対して傾斜した状態で、その一部が収納凹部20に収納され、これに伴い第1ベース部p1に連結された第2ベース部p2も傾斜した状態となる。これにより、第2ベース部p2が平置き状態で、被梱包物PAが梱包されたときに比べて、梱包材1Aで被梱包物PAをコンパクトに梱包し、梱包体とすることができる。さらに、梱包状態では、収納凹部20の第1支持面21に第1ベース部p1の側面ps1が支持され、第2支持面22に第2ベース部p2の底面pbが支持されるので、被梱包物PAを梱包材1Aに安定して梱包することができる。
〔第2実施形態〕
2−1.梱包材1Bについて
以下の図7〜図10までを参照し、第2実施形態に係る被梱包物PBとこれを梱包する梱包材1Bを説明する。図7は、本考案の第2実施形態に係る梱包材1Bと、これに梱包される被梱包物PBの模式的斜視図である。図8は、図7とは異なる方向から見た、梱包材1Bと被梱包物PBの模式的斜視図である。図9は、図7に示す梱包材1Bの平面図であり、図10は、図9のB−B矢視断面図である。
第2実施形態が、第1実施形態と主に相違する点は、図1に示す被梱包物PAにさらに取付部品p3が取り付けられた点と、この取付部品p3の一部(具体的には張り出し部p4)を収納する部品収納凹部28を収納凹部20に設けた点である。したがって、第2実施形態の梱包材1Bが、第1実施形態のものと共通する点は、同じ符号を付して、その詳細な説明を省略する。
本実施形態に係る梱包材1Bは、図7および図8に示す被梱包物PBを梱包するものである。
被梱包物PBは、平板状(円板状)の第1ベース部p1と、第1ベース部p1よりも大きい(大径の)平板状(円板状)の第2ベース部p2とを、備えており、第1ベース部p1と前記第2ベース部p2とは、双方の厚さ方向において、回転可能に連結されている。
さらに、本実施形態に係る被梱包物PBでは、第2ベース部p2の上方において前記第2ベース部p2に取付けられた取付部品p3が配置されている。取付部品p3は、第2ベース部p2に非接触の状態でこの側面ps2の一部を覆うように、第2ベース部p2の側面ps2から張り出した張り出し部p4を有している。
本実施形態に係る梱包材1Bの収納凹部20には、第1支持面21に第1ベース部p1の側面ps1を支持させた状態(すなわち、被梱包物PBを梱包材1Bで梱包した状態)で、非接触の状態で張り出し部p4の一部を収納する部品収納凹部28が形成されている。
本実施形態では、第1ベース部p1と第2ベース部p2との回転を制限するように、張り出し部p4に係止する一対の係止部15,15が形成されている。ここで、後述する図13に示すように、本実施形態では一対の係止部15,15は、部品収納凹部28の周縁部から上方に突出しているが、張り出し部p4の一部に当接することで、第1ベース部p1と第2ベース部p2との回転を制限することができるのであれば、その構造は特に限定されるものではない。たとえば、張り出し部p4を上方から押さえるように、梱包材1Bに係止部を設けてもよく、張り出し部p4の形状に応じて、その一部を囲うように、梱包材1Bに係止め部を形成してもよい。
さらに、本実施形態では、収納凹部20(具体的には部品収納凹部28)の開口部20aの周縁部20bには、梱包材1Bを把持する把持部33が形成されている。把持部33には、開口部20aの周縁部20bから収納凹部20の底面に向かって、収納凹部20を形成する壁部20dの肉厚が厚くなるように傾斜した傾斜面35が形成されている。
これにより、作業者が把持部33を把持して梱包材1Bを持ち運ぶ際に、収納凹部20の開口部20aの周縁部20bに形成された把持部33に梱包材1Bの自重が作用するが、把持部33に傾斜面35を設けることによりその肉厚が厚くなっているので、梱包材1Bの強度を確保することができる。
また、本実施形態では、梱包材1Bの底面12には底部凹部37が形成されており、底部凹部37は、部品収納凹部28と繋がっている。これにより、部品収納凹部28は、下方に開口されるので、部品収納凹部28内に、ほこりや水分などの異物が溜ることを回避することができるばかりでなく、部品収納凹部28内に収容した張り出し部p4を好適に逃がすことができる。さらに、本実施形態では、底部凹部37の一部により、傾斜面35を含む部分に、把持用凹部36が形成されているので、把持用凹部36を利用して梱包材1Bを簡単に把持することができる。
2−2.単数の被梱包物PBの梱包方法について
以下に図11および図12を参照し、第2実施形態に係る梱包材1Bを用いた被梱包物PBの梱包方法を説明する。図11は、図7に示す梱包材1Bを用いた梱包方法を説明するための図であり、(a)は、被梱包物PBを梱包材1Bの第3支持面23に支持したときの側面図であり、(b)は、その断面図である。図12は、図7に示す梱包材1Bを用いた梱包方法を説明するための図であり、(a)は、被梱包物PBを梱包材1Bの第1支持面21および第2支持面22に支持したときの側面図であり、(b)は、その断面図である。図13は、被梱包物PBを梱包材1Bの第1支持面21および2支持面22に支持したときの正面図である。
まず、第1実施形態と同様に、梱包材1Bの鍔部16,16を利用して、梱包材1Bをコンテナ等に固定する。次に、図11(a),(b)に示すように、被梱包物PBの第1ベース部p1を上方から収納凹部20に収納した状態で、被梱包物PBの第2ベース部P2の底面を第3支持面23に支持させ、被梱包物PBを梱包材1Bに仮置きする。この状態では、部品収納凹部28の上方に、取付部品p3の張り出し部p4が位置することになる。
次に、図12(a),(b)に示すように、第2ベース部p2の底面pbが第3支持面23に支持された状態から、第2ベース部p2の底面pbが第2支持面22に支持されるように、被梱包物PBの片側を持ち上げて傾斜させつつ、第2ベース部p2の底面pbを第2支持面22にスライドさせ、第1ベース部p1の側面ps1を第1支持面21に支持させることができる。本実施形態では、第1支持面21および第2支持面22に、被梱包物PBが支持された状態で、張り出し部p4を非接触の状態で、安定して部品収納凹部28に収納することができる。
さらに、図13に示すように、被梱包物PBを梱包材1Bに梱包した状態で、一対の係止部15,15により、張り出し部p4が係止される。これにより、第1ベース部p1と第2ベース部p2との回転を制限し、被梱包物PBを安定した状態で梱包することができる。
ここで、本実施形態では、第1実施形態の梱包材による梱包方法と同じように、梱包材1Bの底面12に対して傾斜した第3支持面23を設けることにより、第3支持面23から第2支持面22に、被梱包物PBの第2ベース部p2の底面pbを容易にスライドさせることができる。ただし、被梱包物PBの第2ベース部p2の底面pbを容易にスライドさせることができるのであれば、図14(a)、(b)に示すように、第2実施形態の変形例に係る梱包材1Cのごとく、第3支持面23Aを、梱包材1Cの底面12に対して傾斜させなくてもよい(梱包材1Cの底面12に対して傾斜角度0°)。この場合であっても、図14(a)に示すように、第3支持面23に第2ベース部p2の底面pbを支持した際に、被梱包物PBは平置き状態となるが、被梱包物PBを持ち上げて、第2ベース部p2の底面pbを第2支持面22にスライドさせれば、図14(b)に示すように被梱包物PBを梱包材1Bに梱包することができる。
2−3.複数の被梱包物PB,PB,…の梱包方法について
以下に、コンテナ70内に、梱包材1B、1Cを水平方向に沿って同じ向きに複数並べて複数の被梱包物PB,PB,…を梱包する梱包方法を説明する。
図15は、図14(a)に示す梱包材1Cを複数用いた場合の梱包方法を説明するための図である。図16は、図11に示す梱包材1Bを複数用いた場合の梱包方法を説明するための図であり、(a)は梱包途中の状態を示した図であり、(b)は梱包後の状態を示した図である。
図15に示すように、複数の被梱包物PB,PB,…を梱包する際に、コンテナ70を用いる。コンテナ70は、複数の梱包材1C,1C,…を載置する底板部73を備えており、底板部73は、4つの支柱72,72,…によって支持されている。各梱包材1Cは、固定部材74により、梱包材1Cの一対の鍔部16,16を上方から押さえることにより、コンテナ70に固定されている。
ここで、図15に示すように、第2実施形態の変形例に係る梱包材1C(図14(a)参照)を用いて、図の左側から順に、被梱包物PBを梱包する。この際、被梱包物PBは、傾斜した状態で梱包されるので、平置きした状態で梱包した場合に比べて、被梱包物PBをよりコンパクトに梱包することができる。
ただし、図15に示すように、中央の梱包材1Cに被梱包物PBを平置き(仮置き)した際に、左側の被梱包物PBとの隙間S1(具体的には左側の被梱包物PBの取付部品p3と中央の被梱包物PBの第2ベース部p2との隙間)が狭いため、梱包し難いことがある。
そこで、図16(a)に示すように、第2実施形態に係る梱包材1B(図11(a)参照)を用いて、図の左側から順に、被梱包物PBを梱包すれば、中央の梱包材1Bに被梱包物PBを仮置きした際に、被梱包物PB(具体的には第2ベース部p2)は、水平方向に対して(梱包材1Bの底部に対して)傾斜して配置される。これにより、左側の被梱包物PBとの隙間S2は、図15に示す隙間S1よりも広くなり、隣接する被梱包物PB,PB同士の作業スペースをより広く確保することができる。
また、梱包材1B、1Cのいずれの場合であっても、梱包材1B,1Cに刳り貫き部27を設けたので、被梱包物PBを梱包する際には、隣接する被梱包物PB,PBが梱包材1B,1Cに接触することを回避するための逃がし部分として機能する。
以上、本考案の2つの実施形態について詳述したが、本考案は、前記の実施形態に限定されるものではなく、実用新案登録請求の範囲に記載された本考案の精神を逸脱しない範囲で、種々の設計変更を行うことができるものである。
たとえば、第1実施形態に係る梱包材の第3支持面は、梱包材の底面に対して傾斜していたが、水平方向に沿って同じ向きに複数並べて梱包した際に、作業スペースが十分確保できるのであれば、図12に示す第2実施形態の変形例に係る梱包材のごとく、第3支持面を梱包材の底面に対して傾斜させなくてもよい。
1A、1B、1C:梱包材,12:梱包材の底面,15:係止部,16:鍔部,20:収納凹部,20a:収納凹部の開口部,20b:収納凹部の周縁部,20c:収納凹部の底面,21:第1支持面,22:第2支持面,23:第3支持面,24:案内面,25:壁部,27:刳り貫き部,28:部品収納凹部,31:把持部,32:貫通孔,33:把持部,p1:第1ベース部,p2:第2ベース部,p3:取付部品,p4:張り出し部,pb:第2ベース部の底面,ps1:第1ベース部の側面,ps2:第2ベース部の側面

Claims (12)

  1. 少なくとも1つの平板状のベース部を備えた被梱包物を梱包する梱包材であって、
    前記梱包材には、前記梱包材の底面に対して前記ベース部が傾斜した状態で、前記ベース部の少なくとも一部を収納する収納凹部が形成されており、
    該収納凹部には、傾斜した状態の前記ベース部の側面を支持する支持面が形成されていることを特徴とする梱包材。
  2. 前記ベース部は、平板状の第1ベース部と、該第1ベース部よりも大きい平板状の第2ベース部とを、備え、前記第2ベース部の底面が、前記第1ベース部の周縁からはみ出すように前記第1ベース部と前記第2ベース部とが双方の厚さ方向において連結されており、
    前記収納凹部は、前記梱包材の底面に対して前記第1ベース部が傾斜した状態で、前記第1ベース部の一部を収納しつつ、前記支持面を第1支持面として、前記第1ベース部の側面を前記第1支持面で支持するように、形成されており、
    前記収納凹部の開口部の周縁部には、前記梱包材の底面に対して傾斜するとともに、前記第1ベース部の側面を前記第1支持面で支持した状態で前記第2ベース部の底面を支持する第2支持面が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の梱包材。
  3. 前記収納凹部の開口部の周縁部には、前記収納凹部に前記第1ベース部を上方から収納した状態で、前記第2ベース部の底面を支持する第3支持面が、前記第2支持面に連続して形成されていることを特徴とする請求項2に記載の梱包材。
  4. 前記第3支持面は、前記梱包材の底面に対して傾斜し、前記第2支持面は、前記第3支持面よりも前記梱包材の底面に対して大きく傾斜していることを特徴とする請求項3に記載の梱包材。
  5. 前記収納凹部には、前記第3支持面に前記第2ベース部の底面が支持されるように、前記第1ベース部を収納凹部に案内する案内面が形成されていることを特徴とする請求項3または4に記載の梱包材。
  6. 前記収納凹部を形成する壁部には、前記収納凹部の開口部から該収納凹部の深さ方向に沿って刳り貫かれた刳り貫き部が形成されており、
    前記案内面は、前記刳り貫き部を挟んで形成されていることを特徴とする請求項5に記載の梱包材。
  7. 前記第2ベース部の上方において前記第2ベース部に取付けられた取付部品が配置されており、該取付部品は、前記第2ベース部の側面の一部を覆うように、前記第2ベース部の側面から張り出した張り出し部を有しており、
    前記収納凹部には、非接触の状態で前記張り出し部の一部を収納する部品収納凹部が形成されていることを特徴とする請求項2〜6のいずれか一項に記載の梱包材。
  8. 前記第1ベース部と前記第2ベース部とは、回転可能に連結されており、
    前記梱包材には、前記第1ベース部と前記第2ベース部との回転を制限するように、前記張り出し部に係止する係止部が形成されていることを特徴とする請求項7に記載の梱包材。
  9. 前記収納凹部の底面には、前記梱包材を把持する把持部が形成されており、
    該把持部は、前記収納凹部の底面から前記梱包材の底面まで貫通した貫通孔を設けることにより形成されることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の梱包材。
  10. 前記収納凹部の開口部の周縁部には、前記梱包材を把持する把持部が形成されており、 該把持部には、前記開口部の周縁部から前記収納凹部の底面に向かって、前記収納凹部を形成する壁部の肉厚が厚くなるように傾斜した傾斜面が形成されていることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の梱包材。
  11. 前記梱包材の底面の対向する位置に、前記梱包材の底部側面から突出した一対の鍔部が形成されていることを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載の梱包材。
  12. 前記梱包材は、発泡樹脂からなることを特徴とする請求項1〜11のいずれか一項に記載の梱包材。
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