JP3208546B2 - ギヤードモータ - Google Patents

ギヤードモータ

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JP3208546B2
JP3208546B2 JP14777791A JP14777791A JP3208546B2 JP 3208546 B2 JP3208546 B2 JP 3208546B2 JP 14777791 A JP14777791 A JP 14777791A JP 14777791 A JP14777791 A JP 14777791A JP 3208546 B2 JP3208546 B2 JP 3208546B2
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進 五味
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は復帰力を有する負荷の駆
動の為に用いることのできるギヤードモータに関する。
【0002】
【従来の技術】モータと、復帰力を持った負荷を駆動す
る為の出力部材と、それらの間に介設した伝動機構とか
ら成り、上記伝動機構は、出力部材が作動位置に至った
ときにスリップが生ずる摩擦伝動機構をその中間に備
え、しかも上記摩擦伝動機構は、モータ側に連繋された
摩擦板と、出力部材側に連繋されかつ上記摩擦板が弾力
的に圧接された従動部材とから成り、更に該摩擦伝動機
構は摩擦板と従動部材との間の摩擦力を調整する為の調
整機構を備えているギヤードモータがある(例えば実開
昭62−124429号公報に示されたものと同様のも
の)。
【0003】このようなものでは、通電によりモータが
回動しそれが伝動機構に伝わると、上記摩擦伝動機構に
おいては摩擦板から従動部材に回動が伝達され、出力部
材が作動して負荷がその復帰力に抗して駆動される。負
荷が作動状態となった後は例えば従動部材に付された係
合片がストッパに当接し、上記摩擦板と従動部材との間
でスリップが生じて、それ以上に負荷を動かすことが防
止されると共に、負荷をその復帰力に抗して作動状態に
保持する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記従来のギヤードモ
ータでは上記負荷の駆動が可能でかつ上記保持中での上
記スリップに伴なうエネルギーのロスを低くする為に
は、上記摩擦板と従動部材との間の摩擦を負荷の復帰力
よりも僅かに勝るよう微妙に調整する必要があり、その
為には熟練者の手間を要する問題点があった。また上記
のように調節しても、夏冬のような温度変化によって、
上記摩擦が増大すると上記保持中の発熱が大きくなり、
逆に減少して負荷の復帰力を下回ると負荷の駆動が不能
になる等の故障を生じ易い問題点もあった。また上記駆
動不能となる故障を防ぐ為には上記摩擦力をやや高く調
整しておくことが行なわれるが、その調整の為にもやは
り熟練が必要であり、しかもそのようにすると上記保持
中の発熱が増大したりエネルギーロスが増大するという
問題点があった。また上記問題点を解決するものとし
て、リレー装置を用い、復帰力を持った負荷を作動位置
でロックするギヤードモータも知られている(例えば特
開平2−146358号公報参照)。しかしリレー等の
電磁装置はコイル、接点等が必要であって高価な為、ギ
ヤードモータのコストを高め、利用できない問題点があ
る。また作動中、うなり音を発する問題点もある。さら
に接点荒れや、断線等の故障も多発する問題点がある。
【0005】本願発明は上記従来技術の問題点(技術的
課題)を解決する為になされたもので、従来のギヤード
モータと同様に負荷の駆動用に用いることができるは勿
論のこと、前述の如き面倒な調整作業が不要で、かつ故
障少なく安定な動作を継続させることができ、その上、
発熱やエネルギーロス等も最少にできるようにしたギヤ
ードモータを提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本願発明におけるギヤー
ドモータは、モータと、復帰力を持った負荷を駆動する
為の出力部材と、それらの間に介設した伝動機構とから
成り、上記伝動機構は、出力部材が作動位置に至ったと
きにスリップが生ずる摩擦伝動機構をその中間に備えて
いるギヤードモータにおいて、上記摩擦伝動機構は、駆
動方向及びそれとは反対の復帰方向に回動自在でしかも
上記伝動機構におけるモータ側に連ねられた丸棒状の主
動部材と、上記主動部材に対し同一軸線上で相対回動自
在に配設されしかも上記伝動機構における出力部材側に
連ねられた従動部材と、上記主動部材に対し相対回動可
能に周設されしかも一端を上記従動部材に止着し他端に
は係合部材を備えるコイルばねと、上記係合部材の回動
軌跡に配設された係合部材係止用のストッパとから成
り、上記コイルばねは、その内周を主動部材の外周にス
リップ可能に弾力的に接触させてあると共に、その巻方
向を上記一端に対し他端が上記駆動方向に回された場合
にコイルばねが減径する向きにしてあり、さらに上記伝
動機構においては、上記摩擦伝動機構よりもモータに近
い側に遠心力クラッチ機構を備えさせ、その遠心力クラ
ッチ機構は、モータに連繋されるクラッチ要素と、摩擦
伝動機構の側に連繋されるクラッチ要素とから成り、モ
ータに連繋されるクラッチ要素には、モータの回動と非
回動により上記摩擦伝動機構の側のクラッチ要素に対し
て接続状態になったり、切断状態になったりする重りを
備えさせた構成にしてあって、上記の復帰力を持った負
荷を駆動するときには、モータを回動させることによ
り、上記遠心力クラッチ機構と摩擦伝動機構とを夫々連
繋状態にして復帰力を持った負荷を駆動し、復帰力を持
った負荷を作動位置に至らしめた後も上記モータを回動
させることによって遠心力クラッチ機構を連繋状態にし
て上記摩擦伝動機構における主動部材を回動させながら
コイルばねのスリップ作用を介して従動部材に力を与え
て上記復帰力を持った負荷を作動位置に留め、復帰力を
持った負荷を復帰させるときにはモータを停止させて遠
心力クラッチ機構の上記連繋状態を開放させて上記復帰
力を持った負荷の復帰力でその復帰が行われるようにし
たものである。
【0007】
【作用】モータが回ると伝動機構を介して出力部材が作
動する。出力部材が作動位置まで至ると係合部材がスト
ッパに当接する。その当接状態では、主動部材とコイル
ばねとの間でスリップが生じ、出力部材が過度に動くこ
とが防止されると共に、スリップ状態での力の伝達によ
り、負荷の復帰力によって出力部材が戻ることが防止さ
れる。
【0008】
【実施例】以下本願の実施例を示す図面について説明す
る。図1において、Aはモータ、Bは負荷駆動用の出力
部材、CはモータAと出力部材Bとの間に介設した伝動
機構である。
【0009】上記モータAとしてはタイマモータとして
知られている小型モータが用いてある。例えばロータに
永久磁石を用いたインダクタモータが用いてある。1は
その回動軸に取付けたピニオンである。2は電源スイッ
チ、3は電源プラグを夫々示す。
【0010】次に出力部材Bとしては矢印で示す如く長
手方向への進退作動が自在のラックが用いてある。5は
その歯を示す。6は負荷との連結部材で、ここには復帰
力を持った負荷が接続される。出力部材Bとしてはラッ
クに代えて回転作動を行う歯車或いはプーリ等を用いて
も良い。
【0011】次に伝動機構Cは連繋及び減速を行う為の
多数の歯車7a・・・7e及びそれらの途中に介設したクラ
ッチD及び摩擦伝動機構Eから成る。図において歯車の
歯相互を結ぶ一点鎖線は歯相互の噛合を示す。Fは上記
クラッチDの操作機構、Gは出力部材Bの戻り速度を制
限するための制動機構である。
【0012】次にクラッチDとしては遊星歯車機構が用
いてあるが、他の構造のクラッチを用いても良い。上記
遊星歯車機構について説明する。9は太陽歯車で、歯車
7aと一体に形成してある。10は内歯歯車で、太陽歯車9
と同軸状で相対回動自在に設けられ、外周には操作機構
Fとの連繋用の歯10aが形成してある。11は遊星歯車
で、太陽歯車9と内歯歯車10との間に介設してあり、太
陽歯車9と同軸状で相対回動自在なキャリア12に対し軸
13を用いて回動自在に取付けてある。キャリア12は歯車
7bと一体に形成してある。
【0013】次に摩擦伝動機構Eについて図2をも参照
して説明する。15は回動自在の主動部材で、丸棒状に形
成され、上記伝動機構Cにおけるモータ側に連ねてあ
る。本例では硬質の合成樹脂材料例えばポリアセタール
樹脂を用いて歯車7cと一体に形成してある。別体のもの
を歯車7cに対して連動回動可能に連繋させてもよい。材
質は耐摩耗性の高い金属が良い。16は従動部材で上記主
動部材15に対し同一軸線上で相対回動自在に配設してあ
る。本例では主動部材15の外周側に遊嵌させてある。同
一軸線上に並置してもよい。該従動部材16は伝動機構C
における出力部材側に連ねてある。本例では外周に形成
した歯17を歯車7dと噛み合せてある。18は従動部材16に
備えたばね掛けを示す。19はコイルばねで、主動部材15
に対し相対回動可能に周設してある。コイルばね19の自
由状態での内径は主動部材15の外径よりも僅かに小さく
形成され、上記周設状態においてコイルばね19の内周は
主動部材15の外周に弾力的に接触している。該コイルば
ね19としては例えば断面円形のステンレス線で作ったコ
イルばねが用いられる。主動部材15との接触面積が増大
するよう断面形状が矩形の線材を用いてもよい。材質は
ピアノ線でもよい。20はコイルばね19の一端を示し、上
記従動部材16に止着してある。例えばばね掛18に掛合さ
せてある。そこに固着してもよい。21はコイルばね19の
他端に備えさせた係合部材で、他端を延出することによ
りコイルばね19と一体に形成してある。上記のようなコ
イルばね19の巻き方向は、上記一端20に対し他端が後述
の駆動方向に回された場合にコイルばね19が減径する向
きにしてある。23は係合部材22の回動軌跡に配設したス
トッパである。このストッパ23は図3に示される如く例
えばギヤードモータのベース41の一部を切り起こすこと
によって形成される。
【0014】次にクラッチ操作機構Fについて説明す
る。該機構FはモータAの回動、非回動と連動して上記
クラッチDを夫々接続状態及び切断状態にする為のもの
であり、一例としてモータAに連繋されるクラッチ要素
27と、摩擦伝動機構Eの側に連繋されるクラッチ要素
31とから成り、モータAに連繋されるクラッチ要素2
7には、モータAの回動と非回動により上記摩擦伝動機
構Eの側のクラッチ要素に対して接続状態になったり、
切断状態になったりする重り30を備えさせた遠心力ク
ラッチ機構が用いてある。上記遠心力クラッチ機構につ
いて説明する。25は原動軸で一体形成の連繋用の歯車26
を歯車7aと噛み合わすことによりモータAと連繋させて
ある。27は一方のクラッチ要素で、原動軸25に一体回動
可能に嵌合させた回転体28と、一端を回転体28に連結
(例えば一体形成)した弾力的な復元性を有する腕29
と、腕29の他端に連結(例えば一体形成)した重り30と
から成り、重り30の外周面が他方のクラッチ要素に対す
る摺接部となっている。該クラッチ要素27は例えばゴム
材で形成される。31はもう一方のクラッチ要素である外
箱で、上記クラッチ要素27の周囲に同軸状でかつ相対回
動自在に設けてある。該外箱31の外周にはクラッチDと
の連繋用の歯32が形成され、前記内歯歯車10の外周の歯
10aと噛み合せてある。
【0015】次に制動機構Gについて説明する。この機
構は遠心力を利用した公知のものと同様のものである。
34は回転部材で前記外箱31に一体回動可能に連結してあ
る。35は回転部材34と一体形成の腕で、弾力性を有して
おり、外周端は摺擦部36となっている。37は腕35の外周
端に近い部分に付設した重りである。38は外箱で、図3
に示される如く摺擦部36の外周側に位置している。
【0016】上記の各機構及び部材は図3に示される如
く符号41〜44で示される部材から成る基枠Hに後に述べ
る動作が可能なように装着してある。尚41,42はベー
ス、43はケース、44はカバーである。45〜47は各部材の
支持用の軸である。又図3に示されているモータAの構
造において、48,49はステータで、上記ベース41はステ
ータ48を共通に利用して構成してある。50はコイルボビ
ン、51はコイル、52はローターマグネットを夫々示す。
【0017】次に上記構成のギヤードモータの動作を説
明する。図1の如き非作動の状態においては、出力部材
Bはそれに連結された負荷の復帰力によって復帰位置に
位置させられた状態にある。この状態においてスイッチ
2が投入されるとモータAのピニオン1が回り、歯車7a
が矢印方向に回る。するとクラッチDにおける太陽歯車
9が回動する。この場合遊星歯車11は負荷に連なってい
る為、太陽歯車9の回動の反力が内歯歯車10に加わる。
一方上記ピニオン1の回動により、クラッチ操作機構F
におけるクラッチ要素27が矢印方向に回動する。その回
動による遠心力により重り30は腕29の弾力性に抗して外
方向に広がって摺接部が外箱31の内周面に摺接し、外箱
31にクラッチ要素27の回動方向と同方向の回動力が加わ
る。その回動力は、上記クラッチDにおける内歯歯車10
に上記反力に応える力として加わる。その結果、上記の
ような太陽歯車9の回動により遊星歯車11を介してキャ
リア12が矢印方向に回動する。尚上記クラッチ要素27に
よる外箱31の回動力が大きい場合には、内歯歯車10は太
陽歯車9と同方向に回動する。上記キャリア12の回動に
より、歯車7b,7cを介して摩擦伝動機構Eにおける主動
部材15が図1に矢印で示される駆動方向に回動する。主
動部材15が回動を始めるとその外周面に接触しているコ
イルばね19は主動部材15と共に回動を始める。この場
合、コイルばね19の一端20は従動部材16に止着され、し
かもその従動部材16は負荷が接続されている出力部材B
に連なって回動に対する抵抗力が及んでいる為、コイル
ばね19はその一端20に対し他端が駆動方向に回されるこ
ととなり、減径により主動部材15の外周面に強く巻き締
められる。その結果、コイルばね19と主動部材15との間
の摩擦力は非常に大きくなり、両者は一体状となって図
4の(A)、(B)の如く駆動方向Xに回動する。そし
てコイルばね19の回動により従動部材16も一体に回動す
る。従動部材16の回動は歯車7d及びそれと一体化されて
いる歯車7eを介して出力部材Bに伝えられ、出力部材B
が図1の矢印方向に作動位置に向けて移動する。その結
果、それに連結された負荷が同方向に向けその復帰力に
抗して作動される。
【0018】出力部材Bが上記のような作動によって作
動位置まで至ると、コイルばね19は図4の(C)に示さ
れる如く係合部材21がストッパ23に当接する状態まで回
動する。このような状態となると、主動部材15とコイル
ばね19との間でスリップが生じ、出力部材Bが過度に動
くことが防止されると共に、スリップ状態での力の伝達
により、負荷の復帰力によって出力部材Bが戻ることが
阻止される。その場合、主動部材15とコイルばね19との
間の摩擦力は、その摩擦力によってコイルばね19が駆動
方向Xに回される力と、上記負荷の復帰力によって上記
コイルばね19が駆動方向Xとは反対の復帰方向Yに回さ
れる力とが実質的に等しくなる状態に自己調整される。
即ち、摩擦力が大きくて、コイルばね19が主動部材15に
より駆動方向Xに回される力が、コイルばね19が従動部
材16により復帰方向Yに回される力よりも大きいと、コ
イルばね19は主動部材15と共に駆動方向Xに回ろうとす
る。しかしコイルばね19がその方向に回りかけると、係
合部材21はストッパ23に当接している為、コイルばね19
は一端20に対し他端が駆動方向Xとは反対方向に回され
ることになり、主動部材15に対するコイルばね19の巻き
締めが緩む。すると上記摩擦力が減少する。一方上記摩
擦力が小さくて、コイルばね19が主動部材15により駆動
方向Xに回される力よりも、コイルばね19が従動部材16
によって復帰方向Yに回される力が大きいと、コイルば
ね19は従動部材16と共に復帰方向に回ろうとする。しか
しコイルばね19がその方向に回りかけると、係合部材21
はストッパ23から離れる為、コイルばね19は一端20に対
し他端が駆動方向Xに回されることになり、主動部材15
に対するコイルばね19の巻き締めが強くなる。すると上
記摩擦力が増大する。このような動作により、上記摩擦
力は、その摩擦力によってコイルばね19が駆動方向Xに
回される力と、コイルばね19が負荷の復帰力によって復
帰方向Yに回される力とが実質的に等しくなる状態に自
己調整される。その結果、出力部材Bは作動位置を越え
て駆動されることも、又負荷の復帰力によって戻される
ことも無く、作動位置に保持される。従って負荷は作動
状態に保持される。
【0019】次に負荷を元の状態に復帰させたい場合に
はスイッチ2を開く。するとモータAのピニオン1は回
動を停止する。その結果、主動部材15は駆動方向への回
動力を失う。又クラッチ操作機構Fのクラッチ要素27が
回動を停止して外箱31から離反し、クラッチDにおける
内歯歯車10は外箱31と共に自由回動自在の状態となる。
即ちクラッチDは切れた状態となる。このような状態と
なると、負荷はそれ自信の復帰力によって元の状態に復
帰する。この場合、負荷の復帰に伴って従動部材16は図
4の(D)の如く復帰方向Yに回動し、コイルばね19及
び主動部材15も同方向に一体に回動する。主動部材15の
復帰方向への回動により、歯車7c,7b、クラッチDにお
けるキャリア12,遊星歯車11及びクラッチ操作機構Fの
外箱31を介して制動機構Gの回転部材34が回動し、その
回動による遠心力で腕35が広がって摺擦部36が外箱38の
内周面に摺擦し、制動が加えられる。従って、上記負荷
の復帰はゆっくりとした速度でなされる。
【0020】
【発明の効果】以上のように本願発明にあっては、上記
の復帰力を持った負荷を駆動するときには、モータを回
動させることにより、上記遠心力クラッチ機構と摩擦伝
動機構とを夫々連繋状態にして復帰力を持った負荷を駆
動し、復帰力を持った負荷を作動位置に至らしめt後も
上記モータを回動させることによって遠心力クラッチ機
構を連繋状態にして上記摩擦伝動機構における主動部材
を回動させながらコイルばねのスリップ作用を介して従
動部材に力を与えて上記復帰力を持った負荷を作動位置
に留め、復帰力を持った負荷を復帰させるときにはモー
タを停止させて遠心力クラッチ機構の上記連繋状態を開
放させて上記復帰力を持った負荷の復帰力でその復帰が
行われるようにしたものであるから、作動中、負荷を過
度に動かしてしまってそれを破損させてしまうことを防
止できると共に、スリップ状態での力の伝達により負荷
をその復帰力に抗して作動状態に保持できて、従来のギ
ヤードモータと同様に利用できるは勿論のこと、
【0021】上記負荷をその復帰力に抗して作動状態に
保持している場合においては、単にモータAを回し続け
るだけで、余分なリレー等の電磁装置を制御しなくて
も、上記主動部材15とコイルばね19との間の摩擦力は、
その摩擦力によってコイルばね19が駆動方向に回される
力と上記負荷の復帰力によって上記コイルばね19が復帰
方向に回される力とが実質的に等しくなる状態に前述の
如く自己調整され復帰力を持った負荷の動作状態を維持
する特長がある。このことは、第1に、前記従来技術の
如き組立後の人手による摩擦力の調整を不要化できた
り、リレー等の高価で、かつ電磁的うなり音を発する電
磁装置の付加を防止できる利点があり、第2に、夏冬の
ような温度変化に対しても故障なく常に安定な動作を継
続させられる利点があり、第3に、保持中における発
熱、エネルギーロスも最少にできる有用性がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】ギヤードモータの分解斜視図。
【図2】摩擦伝動機構の一部破断斜視図。
【図3】基枠に対する各部材の装着状態を示す縦断面
図。
【図4】(A)〜(D)は摩擦伝動機構の動作説明図。
【符号の説明】
A モータ B 出力部材 C 伝動機構 E 摩擦伝動機構 15 主動部材 16 従動部材 19 コイルばね 21 係合部材 23 ストッパ

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 モータと、復帰力を持った負荷を駆動す
    る為の出力部材と、それらの間に介設した伝動機構とか
    ら成り、上記伝動機構は、出力部材が作動位置に至った
    ときにスリップが生ずる摩擦伝動機構をその中間に備え
    ているギヤードモータにおいて、上記摩擦伝動機構は、
    駆動方向及びそれとは反対の復帰方向に回動自在でしか
    も上記伝動機構におけるモータ側に連ねられた丸棒状の
    主動部材と、上記主動部材に対し同一軸線上で相対回動
    自在に配設されしかも上記伝動機構における出力部材側
    に連ねられた従動部材と、上記主動部材に対し相対回動
    可能に周設されしかも一端を上記従動部材に止着し他端
    には係合部材を備えるコイルばねと、上記係合部材の回
    動軌跡に配設された係合部材係止用のストッパとから成
    り、上記コイルばねは、その内周を主動部材の外周にス
    リップ可能に弾力的に接触させてあると共に、その巻方
    向を上記一端に対し他端が上記駆動方向に回された場合
    にコイルばねが減径する向きにしてあり、さらに上記伝
    動機構においては、上記摩擦伝動機構よりもモータに近
    い側に遠心力クラッチ機構を備えさせ、その遠心力クラ
    ッチ機構は、モータに連繋されるクラッチ要素と、摩擦
    伝動機構の側に連繋されるクラッチ要素とから成り、モ
    ータに連繋されるクラッチ要素には、モータの回動と非
    回動により上記摩擦伝動機構の側のクラッチ要素に対し
    て接続状態になったり、切断状態になったりする重りを
    備えさせた構成にしてあって、上記の復帰力を持った負
    荷を駆動するときには、モータを回動させることによ
    り、上記遠心力クラッチ機構と摩擦伝動機構とを夫々連
    繋状態にして復帰力を持った負荷を駆動し、復帰力を持
    った負荷を作動位置に至らしめた後も上記モータを回動
    させることによって遠心力クラッチ機構を連繋状態にし
    て上記摩擦伝動機構における主動部材を回動させながら
    コイルばねのスリップ作用を介して従動部材に力を与え
    て上記復帰力を持った負荷を作動位置に留め、復帰力を
    持った負荷を復帰させるときにはモータを停止させて遠
    心力クラッチ機構の上記連繋状態を開放させて上記復帰
    力を持った負荷の復帰力でその復帰が行われるようにし
    たことを特徴とするギヤードモータ
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