JP3208298U - キノコ栽培袋 - Google Patents

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Abstract

【課題】培地袋詰め工程時及び袋体の熱シール箇所において袋体にピンホールが発生し難くしたキノコ栽培袋を提供する。【解決手段】所定大きさ及び形状の表及び裏フィルム11a、11bと、表裏フィルムの側縁間を左右で繋いだ側フィルムを有し、上方頂辺部に略四角形に拡口される開口部13と、側フィルムを内側へそれぞれ所定深さ折り込んだ折り込み部12a、12aと、下方底辺部にあって開口部に対向する開口を熱溶着した熱溶着シール部16を備え、表裏フィルム11a、11bはプラスチックフィルムからなり、少なくとも一方のフィルムに通気孔が形成されて、通気孔が内部への雑菌の侵入を防ぐ一方で空気を通過させるフィルター18で塞がれたキノコ栽培袋であって、このプラスチックフィルムは、その厚が60μm以上であり、インフレーション法のブロー比が2.5〜3.45の範囲で作製されている。【選択図】図1

Description

本考案は、キノコ栽培袋に係り、さらに詳しくは、両サイドに折込み(以下、「ガゼット」ともいう。)を入れたプラスチックフィルムからなるキノコ栽培袋に関する。
ガゼット(gusset)付き袋は、別名マチ付き袋とも呼ばれており、ガゼットがない袋と比べて、大量のモノが収容できるので菌床栽培におけるキノコ栽培袋として広く使用されている。
キノコ菌床栽培、例えば、菌床シイタケ栽培にあっては、その栽培工程は、概ね、所定の培地を栽培袋へ詰める袋詰め工程、袋詰めされた培地を所定の温度で殺菌する殺菌工程、袋詰め培地を放冷した後にシイタケ菌を接種する接種工程、温度・湿度及び光を調節して所定期間培養する培養工程、さらに温度・水分を管理してキノコを発生させる発生工程、及び発生したキノコを収穫し出荷する収穫・出荷工程などとなっている。なお、最近は、培地袋詰めは自動培地詰め機で行われるようになって来ている。
これらの栽培工程にあって、栽培袋はその殆どが薄いプラスチックフィルムで製作されて、この袋には、培地の袋詰め時或いは培地を詰めた栽培袋の移動などの際に、大小様々な機械的な力が随所に加わり、また高温に晒され、水浸しになり、その期間も長くなるなどの過酷な環境で使用されるため、これらの使用環境に耐えるものでなければならない。仮に、これらの工程中に、栽培袋が破れ、小穴が開き、いわゆるピンホールが発生すると、そこから雑菌が侵入し或いは水漏れして、キノコ栽培が不調になる。そうすると、キノコ栽培者は多大な損害を被ることになる。このため、キノコ栽培袋には、一般のごみ袋などと比べて、破れやピンホールなどが起らない仕様が要求されている。
ピンホールは、主に袋体の熱シール箇所に多く発生するが、培地の袋詰め工程でも発生することがある。すなわち、培地は、その基材が概ねクヌギ、コナラ、シイなどの広葉樹をチップ状または粉状にしたものを使用するので、これらのチップ等の先端が針のように鋭く尖っていたり、或いは角部が立っていたりすると、それらの先鋭部や角部が栽培袋の薄いプラスチックフィルムを突き破りピンホールが生じる。
これまでは、このようなピンホールの発生を抑えるために、培地基材にシャワー状に散水したり、或いは、ミキサーに培地基材と水を入れて掻き混ぜて浸水させたりして、基材の針状突起や角部を柔軟にさせてピンホールの発生を抑制していた。
しかし、この浸水方法は、チップ等の基材を数日間に亘り水に浸さなければならないので、その間に培地が腐敗し、或いは浸水に時間が掛かり、キノコ栽培の障害乃至栽培効率が低下するなどの課題がある。
この課題を解決するために、きのこ類菌床の培地基材を仕込みの前工程において、木質チップ等に対し熱水(80℃以上の熱水)を注いで、木質表面を軟質化させて、培地基材内部へ適度な水分を吸収させて、培地基材の針状突起や角部を軟質化させてピンホールの発生を抑制する、きのこ類菌床培地基材の熱水処理方法が提案されている(下記特許文献1参照)。この熱水処理方法によれば、注入した熱水によって、培地基材の角部や針状突起が軟質化するため、栽培袋のピンホールの発生を抑え、雑菌の侵入等を防止することができるようになるとされている。
特開2010−158213号公報
しかし、上記特許文献1に記載のきのこ類菌床培地基材の熱水処理方法は、きのこ類菌床の培地基材を仕込みの前工程において、木質チップ等に対し熱水を注いで、木質表面を軟質化させる方法なので、キノコ栽培工程は通常工程にさらに1つ増え、しかもそのための熱水処理装置が必要となり、設備投資が必須となると共に栽培工程の管理が面倒になるなどの課題がある。
また、上記特許文献1に記載の熱水処理方法は、培地基材の熱水処理により、ピンホールの発生が抑制されるが、一方でこれまでは栽培袋自体で培地基材の針状突起や角部によるピンホールの発生を抑制することは行われていなかった。すなわち、これまでの栽培袋は、培地詰め時にピンホールが発生した場合は、仕方がない、止むを得ないものと諦めて、ロスとして廃棄されていた。しかし、そのロス袋の数が多くなると、資源の無駄及び処理が面倒なゴミを多く出すこととなるので、その対策が要求されている。また、ピンホールは培地の袋詰めでだけでなく、袋体の熱シール箇所で多く発生するので、これらを含めて、栽培袋にはピンホール発生の抑制が要請されている。
そこで、本考案は、上記従来技術が抱える課題を解決するためになされたもので、本考案の目的は、キノコ栽培工程中、特に培地の袋詰め工程において、袋体にピンホールが発生し難くしたキノコ栽培袋を提供することにある。
また、本考案の他の目的は、袋体の熱シール箇所においても、ピンホールが発生し難くしたキノコ栽培袋を提供することにある。
上記課題を解決するために、本考案の第1の態様のキノコ栽培袋は、所定大きさ及び形状の表及び裏フィルムと、前記表裏フィルムの側縁間を左右で繋いだ側フィルムを有し、上方頂辺部に略四角形に拡口される開口部と、前記側フィルムを内側へそれぞれ所定深さ折り込んだ折り込み部と、下方底辺部にあって前記開口部に対向する開口を熱溶着した熱溶着シール部を備え、前記表裏フィルムはプラスチックフィルムからなり、少なくとも一方のフィルムに通気孔が形成されて、前記通気孔が内部への雑菌の侵入を防ぐ一方で空気を通過させるフィルターで塞がれたキノコ栽培袋において、
前記プラスチックフィルムは、その厚が60μm以上であり、インフレーション法のブロー比が2.5〜3.45の範囲で作製されていることを特徴とする。
第2のキノコ栽培袋は、第1の態様のキノコ栽培袋において、前記熱溶着シール部は、一側端から内側へ所定長さ延びたサイドシール部と、前記サイドシール部に繋がって前記下方底辺部側へ傾斜した傾斜辺を有する折曲シール部とを有し、前記折曲シール部において前記折り込み部のガゼット内側端が交差し、前記交差した箇所が4層フィルムシールと2層フィルムシールとの境界となっていることを特徴とする。
第3のキノコ栽培袋は、第1または2の態様のキノコ栽培袋において、前記折り込み部のガゼット内側端は、前記折曲シール部の傾斜辺と交差し、前記交差した箇所が熱溶着されていることを特徴とする。
第4のキノコ栽培袋は、第2の態様のキノコ栽培袋において、前記傾斜辺は、前記下方底辺部に対し角度θで傾斜しており、前記角度θは20〜80°の範囲にあることを特徴とする。
第5のキノコ栽培袋は、第2〜4のいずれかの態様のキノコ栽培袋において、前記下方底辺部側に、前記熱溶着シール部と所定の間隔をあけてサブ熱溶着部が設けられていることを特徴とする。
第6のキノコ栽培袋は、第1〜5のいずれかの態様のキノコ栽培袋において前記プラスチックフィルムは、ポリエチレンフィルムであることを特徴とする。
本考案の第1の態様のキノコ栽培袋は、プラスチックフィルムはその厚が60μm以上であり、インフレーション法のブロー比が2.5〜3.45の範囲で作製されているので、キノコ栽培工程中、特に培地の袋詰め工程において、袋体にピンホールが発生し難くなる。また袋体に大量の培地が収容され、熱溶着シール部においてマチ内側端と交差する交差シール部が周囲から強い牽引力を受けても、ピンホールや破裂、水漏れを確実に防止できる。なお、プラスチックフィルムの厚さは、柔軟性及び経済性を考慮すると、70μm以下とすることが好ましい。
第2の態様のキノコ栽培袋は、熱溶着シール部は、一側端から内側へ所定長さ延びたサイドシール部と、このサイドシールに繋がって下方底辺部側へ傾斜した傾斜辺を有する折曲シール部とを有し、折曲シール部において折り込み部のガゼット内側端が交差し、交差した箇所が4層フィルムシールと2層フィルムシールとの境界となっているので、従来技術の課題、すなわち、袋体に大量の収容物が収容されると、熱溶着シール部においてガゼット内側端と交差する交差シール部が周囲から強い牽引力を受けて発生するピンポイントの穴開きや損壊の課題を解消し、さらに、破裂や水漏れを確実に防止して、キノコ栽培下での使用に好適なものであって、また製造工程における製品不良率を格段に低減できるガゼット付きキノコ栽培袋を提供できる。
第3の態様のキノコ栽培袋は、折曲シール部において折曲シール部の傾斜辺と折り込み部のガゼット内側端とが交差し、この交差した箇所が4層フィルムシールと2層フィルムシールとの境界となっているので、より確実に破裂や水漏れを確実に防止できる。
第4の態様のキノコ栽培袋は、傾斜辺は下方底辺部に対し角度θで傾斜しており、この角度θは20°〜80°の範囲にあるので、傾斜辺における交差シール部の引張強度を高くできる。
第5の態様のキノコ栽培袋は、下方底辺部側に、熱溶着シール部と所定の間隔をあけてサブ熱溶着部が設けられているので、下方底辺部側のシール強度が増大する。
第6の態様のキノコ栽培袋は、ポリエチレンフィルムであるので、袋を安価に作製できる。
本考案の実施形態1に係るキノコ栽培袋を示し、図1Aは正面図、図1Bは頂辺部開口の概略平面図、図1Cは底辺部の概略底面図である。 図2Aはインフレ―ションフィルム製造装置の概略図、図2Bはブロー比と引張り強さとの関係を示したグラフ、図2Cは引取速度と引張り強さとの関係を示したグラフである。 プラスチックフィルムの一部分の平面図である。 図4は本考案の実施形態2に係るキノコ栽培袋を示し、図4Aは正面図、図4Bは頂辺部開口の概略平面図、図4Cは底辺部の概略底面図である。 図4のV部分の拡大正面図である。 図6Aは図4の袋体にモノを入れた状態の正面図、図6Bは図6AのVI-VI線の断面図である。 図7は本考案の実施形態3に係るキノコ栽培袋を示し、図7Aは正面図、図7Bは変形例に係るキノコ栽培袋の正面図である。 図8は本考案の実施形態4に係るキノコ栽培袋を示し、図8Aは正面図、図8Bは頂辺部開口の概略平面図、図8Cは底辺部の概略底面図である。
以下、図面を参照して本考案の実施形態を説明する。但し、以下に示す実施形態は、本考案の技術思想を具体化するためのキノコ栽培袋を例示するものであって、本考案をこれに特定することを意図するものではなく、実用新案登録請求の範囲に含まれるその他の実施形態のものにも等しく適応し得るものである。
[実施形態1]
図1を参照して、本考案の実施形態1に係るキノコ栽培袋の概要を説明する。なお、図1は本考案の実施形態1に係るキノコ栽培袋を示し、図1Aは正面図、図1Bは頂辺部開口の概略平面図、図1Cは底辺部の概略底面図である。
本考案の実施形態1に係るキノコ栽培袋10は、所定大きさ及び形状(矩形状)の表及び裏フィルム11a、11bと、これらの表裏フィルムの側縁間を左右で繋いだ側フィルムを有し、上方頂辺部に略四角形に拡口される開口部13と、各側フィルムを内側へそれぞれ所定深さ折り込んだ折り込み部12a、12aと、下方底辺部15側にあって開口部13に対向する開口を熱溶着した熱溶着シール部16を有する袋体10を備え、表フィルム11aには通気孔11aが形成されて、この通気孔が内部への雑菌の侵入を防ぐ一方で空気を通過させるフィルター18で塞がれた構成となっている。
表裏のフィルムは、プラスチックフィルムからなり、その厚さは従来のプラスチックフィルムの厚さ(通常50μm以下)より厚く、60μm以上、好ましくは70μm以下の範囲にあって、袋体10は、インフレーション法により、所定のブロー比で製造した筒状チューブを用いて製作されている。また、各折り込み部(以下、「ガゼット」ともいう。)12a、12aが、それぞれ所定深さ折り込まれて、折曲端となるガゼット内側端12aが空間14内へ入り込んでいる(図1B参照)。
図2を参照して、インフレーション法(inflation)によるフィルム製造装置を説明する。なお、図2Aはインフレ―ションフィルム製造装置の概略図、図2Bはブロー比と引張り強さとの関係を示したグラフ、図2Cは引取速度と引張り強さとの関係を示したグラフである。
インフレーションフィルム製造装置20は、溶融された樹脂を円形ダイ22によって円筒チューブ状にして押出す押出機21と、押出されたチューブに圧搾空気を吹き込み徐々に所定の幅に膨張させるエアリング23と、フィルムを冷却する冷却機24と、ニップルロール25に挟み込んで巻き取る巻取り機26とで構成されている。
このフィルム製造装置においては、フィルムの厚さは引取り方向のフィルムの伸びと、横方向の膨張による伸びによって決定され、また、この縦横方向の強さは、ダイのノズル径と円筒チューブの直径比(以下、ブロー比という。)によって、決定される。
そこで、本考案では、このブロー比を所定の範囲にして、プラスチックフィルム11を製造する。フィルム材は熱軟化性の中で、特に有効なポリエチレンである。
インフレ―ションフィルム製造装置20で製造したフィルムは、以下の特性を有する。すなわち、図2B、図2Cを参照して、縦方向「ア」及び横方向「イ」における引っ張り強さは、ブロー比との関係においてブロー比が小さいときには両者の差が大きく、ブロー比が大きくなるにしたがってその差が小さくなる(図2B参照)、また、引取速度との関係では速度が遅いときにはその差が小さく、速くなるにしたがって差が大きくなる(図2C参照)。
これらの特性を有するフィルムを用い、引っ張り強さを検証した。なお、図3はプラスチックフィルムの一部分の平面図である。
プラスチックフィルム11において、縦横及び斜め方向に所定の幅及び長さでフィルム片を切り抜いて、縦フィルム片11、斜めフィルム片11及び横フィルム片11をそれぞれ複数片作製した。なお、斜めフィルム片11は水平方向に対して略60°傾斜したものである。
これらのフィルム片11〜11をそれぞれ長さ方向の両端から引っ張ってみたところ、縦フィルム片11は長く伸ばしても切れ難く、横フィルム片11は長く伸びずに切れてしまった。一方、斜めフィルム片11は長く伸びる共に切れ難くかった。なお、斜めフィルム片は縦フィルム片よりも、長く伸び切れ難いものあった。その理由は、縦フィルム片は、製造工程において、引っ張り方向に分子が伸びきっていることにあると考えられる。これらの検証から、インフレーション法によって製造したフィルムは、斜め方向の引っ張り強度が高いことが分った。
インフレ―ションフィルム製造装置20におけるブロー比は、2.5〜3.45の範囲である。このブロー比は、2.5未満にすると、水漏れや破裂の発生率が高くなり、キノコ栽培用のものとして使用できない。また、3.45を超えると、同様に、水漏れや破裂の発生率が高くなる。
袋体10は、インフレーション法によって製造した筒状チューブを所定長さに切断して製作されている。
この袋体10は、図1に示したように、所定大きさ及び形状(矩形状)の表及び裏フィルム11a、11bと、これらの表裏フィルム間を繋いだ左右の側フィルムを有し、上方頂辺部に略四角形に拡口される開口部13と、この開口部からの下方両サイドを内側へそれぞれ所定深さ折り込んだ対向する一対の折り込み部(ガゼット)12a、12aと、下方底辺部側にあって開口部13に対向する開口を熱溶着した熱溶着シール部16と、内部に所定大きさの空間14を有している。表フィルム11aには、所定大きさの通気孔11aが形成されて、この通気孔が内部への雑菌の侵入を防ぐ一方で空気を通過させるフィルター18で塞がれている。なお、通気孔は、表フィルムに限定されず、裏フィルムでもよく、少なくともいずれかのフィルムに通気孔を設ければよい。これらの通気孔には、それぞれフィルターが装着される。また、その大きさ及び形状などは袋体のサイズに応じて適宜決められ、その大きさ及び形状に合ったフィルターが装着される。
熱溶着シール部16は、図1A〜図1Cに示したように、シール部内で各ガゼット内側端12aが交差し、この交差シール部は4層フィルムシールと2層フィルムシールとの境界となっている。なお、符号15は袋体の下方底辺部であって、切断辺となっている。プラスチックフィルム材は、熱軟化性のプラスチック材であって、例えばポリエチレンフィルムである。この袋体の寸法は、例えば、高さHは44cm、横幅Wは20cm、Wは6.3cm、Hは0.5cm、フィルムの厚さは60μm以上である。この熱溶着シール部は、二つの折曲シール部を形成するバーを備えた所定形状のヒートシールバーを用いた昇降式のヒートシール装置によって形成されている。
このキノコ栽培袋10によれば、袋体10は、プラスチックフィルムからなり、その厚さは従来のプラスチックフィルムの厚さ(通常50μm以下)より厚く、60μm以上であって、しかもブロー比が2.5〜3.45の範囲で作製されているので、キノコ栽培工程中、特に培地の袋詰め工程においても、袋体にピンホールの発生が難くなり、その結果、ピンホールの発生が従来の栽培袋に比べて格段に少なくなる。また、袋体に大量の培地が収容され、熱溶着シール部においてガゼット内側端と交差する交差シール部が周囲から強い牽引力を受けても、ピンポイントや破裂、水漏れを確実に防止できる。なお、プラスチックフィルムの厚さは、厚すぎても柔軟性が失われると共に不経済となるので、70μm以下とすることが好ましい。
[実施形態2]
次に図4〜図6を参照して、本考案の実施形態2に係るキノコ栽培袋を説明する。なお、図4は本考案の実施形態2に係るキノコ栽培袋を示し、図4Aは正面図、図4Bは頂辺部開口の概略平面図、図4Cは底辺部の概略底面図、図5は図4のV部分の拡大正面図、図6Aは図4の袋体にモノを入れた状態の正面図、図6Bは図6AのVI−VI線の断面図である。
実施形態2に係るキノコ栽培袋10Aは、実施形態1のキノコ栽培袋10の袋体10の溶着シール部16に折曲シール部を設けたものである。以下の説明は、実施形態1のキノコ栽培袋10と異なる構成について詳述し、共通する構成は同一の符号を付してその説明を引用し、詳細な説明を省略する。
熱溶着シール部16は、図4に示したように、一側端から内側へ所定長さ延びたサイドシール部16aと、このサイドシール部に繋がって下方底辺部側へ折曲した傾斜辺16を有る折曲シール部16bと、所定長さの中間シール部16c、折曲シール部16b、他端側のサイドシール部16aで形成されている。各折曲シール部16b、16bの傾斜辺16は、下方底辺に対して所定の角度θ(図5参照)で傾斜している。折曲シール部16bは、折り込み部12a、12aのガゼット内側端12a、12aと交差しており、これらの交差箇所が熱溶着されている。なお、この熱溶着された交差箇所を以下の説明では交差シール部と言い、この交差シール部は4層フィルムシールと2層フィルムシールとの境界となっている。また、ブロー比及び角度θの範囲は後記する。
2つの折曲シール部16b、16bは、同じ形状のものとなっている。
図5を参照して、一方の折曲シール部16bを説明する。この折曲シール部16bは、サイドシール部16aから下方底辺部側へ斜めに降下した傾斜辺16と、所定長さの底辺16と、一方の傾斜辺16と対向した他方の傾斜辺16とからなり、正面視で略擂鉢断面形状に折曲して形成されている。なお、正面視擂鉢断面形状は、擂鉢を縦方向に切断し、その切断面の形状を表している。傾斜辺16は、底辺16の延長線との間で所定の角度θで傾斜している。なお、底辺16は、下方底辺部15と略平行になっている。
この折曲シール部16b内では、各ガゼット内側端12a、12aが交差し、これらの交差シール部は4層フィルムシールと2層フィルムシールとの境界となっている。
以下、これらの交差箇所のうち、ガゼット内側端12aで交差し、この箇所を始点として4枚のフィルムが熱溶着されている例を説明する。
この交差シール部分は図4A、図5及び図6において記号Oで示した。この交差シール部Oは、折り込み部12aのガゼット内側端12aと傾斜辺16とのフィルムが重畳された熱溶着箇所となっている。すなわち、この交差シール部Oは、傾斜辺16にあって、表裏フィルム11a、11b及びガゼット内側端12aが重畳された4枚のフィルムにより4層積層で熱溶着された箇所の始点となっている。なお、図4Cの幅Wは、4枚のフィルムが積層された幅となっている。また底辺16及び他方の傾斜辺16は、表裏フィルム11a、11bの2層積層で熱溶着されている。
この熱溶着シール部は、二つの折曲シール部を形成するバーを備えた所定形状のヒートシールバーを用い、昇降式のヒートシール装置によって形成されている。なお、シール幅tは、例えば1.5〜2.5mmである。
傾斜角度θは、0°を超え90°未満の範囲内において、交差シール部形成の難易度や引張強度などを考慮して決定される。
傾斜角度θを90°にすると、傾斜辺16とガゼット内側端12a'との溶着箇所が多点乃至直線状に溶着されているようにみえるが、実際はこの溶着箇所が多点乃至直線状に溶着されずにムラの多い溶着となり、溶着不良が発生しがちで、剥がれ易いものとなる。また、傾斜角度θを0°にすると、インフレーション法で製造したフィルムは横方向の引張強度が縦方向に比べて弱くなるので、交差シール部でピンポイントの穴が開き或いは損壊する恐れがある。さらに、これらの角度0°及び90°を除き、0°を超え90°未満の範囲内にあっても、傾斜角度θを90°に近づけると、傾斜辺16は急峻となり、傾斜辺16が形成される水平方向の間隔Lが短くなり、交差シール部の形成が困難になる。さらにまた、傾斜角度θを0°に近づけるとフィルム強度が弱くなり、交差シール部分でピンポイントの穴(ピンホール)が開き或いは損壊する恐れがある。
また、この傾斜角度θは、高さHを左右する。すなわち、傾斜角度θが45°を超え90°に接近すると傾斜辺16は急峻になり、底辺16との深さが深くなり、その分高さHが大きくなり、一方、傾斜角度θが45°未満であって0°に接近すると傾斜辺16がなだらかで、底辺16との深さが浅くなり、その分高さHが小さくなる。この高さHの大小は、切断辺となる下方底辺部15の長さの長短となり、使用するフィルム材料量の大小となって、コストの高低になる。特に、後記する2本の熱溶着シール部を設ける場合にこのコストの高低は重要になる。なお、底辺16との深さaは、例えば、傾斜角度θが63°のときは11.5mm、45°のときは7.5mm、27°のときは6.5mmであり、この深さaにより高さHを決める。
これら検討結果から、本考案では、傾斜角度θの範囲は20°〜80°であり、この範囲にあって最適範囲は40°〜70°が好ましい。なお、ガゼット内側端12aは底辺16にあり、また、幅Wも4枚のフィルムが積層された幅となっており、この花WはWより若干長くなっている。さらに、図5に示した折曲シール部の寸法は、例えばシール幅tは1.5〜2.5mm、高さaは前記、幅bは15〜25mmである。
図4Aに示した、2つの折曲シール部16b、16bは、同じ形状を有しているが、
交差シール部の位置は、同図の左右で異なっている。すなわち、熱溶着箇所は同図左では傾斜辺16に、同図右では傾斜辺16になっている。
これらの袋体の荷重試験を実施した。
(c)試験方法
・被試験袋体
4種類の袋体A〜D;
袋体A:傾斜角度θは26.57°、袋体B;傾斜角度θは45°、袋体C:傾斜角度はθ63.43°、袋体D;ガゼット内側端12aは底辺16
袋体の寸法は、0.06×200/320×450mm
インフレーションフィルム製造装置のブロー比3.0
袋体A〜Dの枚数 各20枚
・袋体A〜D各20枚、それぞれに4℃の2リットルの水を入れ、上方の開口をしっかり縛って密封した。なお、水を入れた袋体の数を「個」ともいう。
・これらの袋体を秤(はかり)の上に載せてボール盤で圧縮
・圧縮して秤に掛かる荷重を測定
(d)試験結果
袋体A〜Dにおける20個平均の破損荷重は、いずれも50Kgを超えており、例えば袋体Aでは59.1Kg、袋体Bでは85.7Kg、袋体Cで113.1Kgであり、また、袋体D113.1Kgであった。なお、従来技術の袋体は、9.6Kgで水漏れした。
各袋体A〜Dと従来の袋体と対比すると、各袋体A〜Dは、いずれも従来技術の袋体と比べて破損荷重が高くなった。
その結果、各袋体A〜Dは、従来技術の袋体と比べて、破損荷重が高く、水漏れの安全度が高くなり、熱溶着シールの不良率を大幅の低減できる。すなわち、熱溶着シールは、例えばフィルム溶着温度250°±10°の範囲で実施されるが、このときの熱溶着シールは季節の寒暖などによって影響を受け、溶着不良を起すことがある。しかし、従来技術の袋体と比べて、破損荷重が高くなるので、不良率を低減できる。さらに、サブ熱溶着シール部を追加した袋体は、さらに耐圧が高くなった。以上から、袋体は、キノコ栽培袋として最適なものとなる。
[実施形態3]
図6を参照して、本考案の実施形態3に係るキノコ栽培袋を説明する。なお、図6は本考案の実施形態2に係るキノコ栽培袋を示し、図6Aは正面図、図6Bは変形例に係るガゼット付きキノコ栽培袋の正面図である。
本考案の実施形態3に係るキノコ栽培袋10Bは、実施形態2のキノコ栽培袋10Aの袋体10に設けた熱溶着シール部16に加え、さらに、サブ熱溶着シール部(以下、サブシール部ともいう。)17を追加したものである。以下、プラスチックフィルム袋10Aと共通する構成には同じ符号を付して、それらの説明を援用し省略することとし、異なる構成について説明する。
このキノコ栽培袋10Bは、熱溶着シール部16の各サイドシール部16a、16aの下方に、所定の距離離して、サブシール部17を付設したものである。サブシール部17を付設により、高さH11は、Hより若干高くなる。
各サブシール部17を各サイドシール部16aに併設することによって、下方底辺部側のシール強度が増大する。すなわち、交差シール部Oが強い牽引を受けても、この牽引力をサブシール部が分担して受けて、ピンポイントの穴が開きや、損壊を確実に防止できる。これは試験により確認されている。一方でまた、熱溶着シール部16の位置決め、熱溶着が容易になる。すなわち、ヒートシールバーで、略一本線状の熱溶着シール部16を形成するのは難しいが、サブシール部により2本線状の熱溶着となるので、位置決め及び熱溶着が容易になる。
変形例に係るガゼット付きキノコ栽培袋10B'は、図6Bに示したように、下方底辺部の全幅に亘ってサブシール部17'を設けたものである。これにより、サブシール部17'は、各サイドシール部、折曲シール部及び中間シール部との併設となるので、下方底辺部側のシール強度がさらに増大する。
[実施形態4]
図7を参照して、本考案の実施形態4に係るキノコ栽培袋を説明する。なお、図7は本考案の実施形態3に係るキノコ栽培袋を示し、図7Aは正面図、図7Bは頂辺部開口の概略平面図、図7Cは底辺部の概略底面図である。
本考案の実施形態4に係るキノコ栽培袋10Cは、実施形態2のキノコ栽培袋10Aの袋体10に設けた二つの折曲シール部を1個にして小型化したものである。この小型化により、実施形態1の袋体10と高さH及び幅W、Wが低く短くなる。また、この袋10Bは、袋10A、10A'に付設したサブ熱溶着シール部17、17'を設けてもよい。
10、10A、10B、10B'、10C キノコ栽培袋
10 袋体
11 インフレーションフィルム
11〜11 フィルム片
11a 表フィルム
11a 通気孔
11b 裏フィルム
12a 折り込み部(ガゼット)
12a、12a ガゼット内側端
13 開口部
15 下方底辺部
16 熱溶着シール部
16a サイドシール部
16b 折曲シール部
16c 中間シール部
16 傾斜辺
16 底辺
16 傾斜辺
17、17' サブ熱溶着シール部
18 フィルター
20 インフレーションフィルム製造装置
O 交差シール部
θ 傾斜角度
第3のキノコ栽培袋は、第2の態様のキノコ栽培袋において、前記折り込み部のガゼット内側端は、前記折曲シール部の傾斜辺と交差し、前記交差した箇所が熱溶着されていることを特徴とする。

Claims (6)

  1. 所定大きさ及び形状の表及び裏フィルムと、前記表裏フィルムの側縁間を左右で繋いだ側フィルムを有し、上方頂辺部に略四角形に拡口される開口部と、前記側フィルムを内側へそれぞれ所定深さ折り込んだ折り込み部と、下方底辺部にあって前記開口部に対向する開口を熱溶着した熱溶着シール部を備え、前記表裏フィルムはプラスチックフィルムからなり、少なくとも一方のフィルムに通気孔が形成されて、前記通気孔が内部への雑菌の侵入を防ぐ一方で空気を通過させるフィルターで塞がれたキノコ栽培袋において、
    前記プラスチックフィルムは、その厚が60μm以上であり、インフレーション法のブロー比が2.5〜3.45の範囲で作製されていることを特徴とするキノコ栽培袋。
  2. 前記熱溶着シール部は、一側端から内側へ所定長さ延びたサイドシール部と、前記サイドシール部に繋がって前記下方底辺部側へ傾斜した傾斜辺を有する折曲シール部とを有し、前記折曲シール部において前記折り込み部のガゼット内側端が交差し、前記交差した箇所が4層フィルムシールと2層フィルムシールとの境界となっていることを特徴とする請求項1に記載のキノコ栽培袋。
  3. 前記折り込み部のガゼット内側端は、前記折曲シール部の傾斜辺と交差し、前記交差した箇所が熱溶着されていることを特徴とする請求項1または2に記載のキノコ栽培袋。
  4. 前記傾斜辺は、前記下方底辺部に対し角度θで傾斜しており、前記角度θは20〜80°の範囲にあることを特徴とする請求項2に記載のキノコ栽培袋。
  5. 前記下方底辺部側に、前記熱溶着シール部と所定の間隔をあけてサブ熱溶着部が設けられていることを特徴とする請求項2〜4の何れかに記載のキノコ栽培袋。
  6. 前記プラスチックフィルムは、ポリエチレンフィルムであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のキノコ栽培袋。
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