JP3207049B2 - セラミック成形用組成物 - Google Patents

セラミック成形用組成物

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はセラミック成形用組成物
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、電子部品は勿論、各種化学産業装
置等の構成部品をはじめ、各種エンジンやガスタービン
機関等の機構部品、更には時計やアクセサリー等の装飾
部品にも、その特性からセラミック部品が多用されるよ
うになってきた。
【0003】しかしながら、前記化学産業装置用構成部
材や各種熱機関用機構部品、更に装飾部品等は、概して
複雑な三次元構造をした形状のものが多く、セラミック
材料は金属材料に比べて耐熱性、耐食性、耐摩耗性に優
れ、高強度でかつ比重が小さく軽量小型化が実現できる
という優れた特性を有するにもかかわらず、切削や研削
等の加工性に難点があり、複雑な三次元構造をした形状
品を量産することが困難であることから、製品コストが
著しく高価なものとなり、セラミック製各種部品の実用
化を阻んでいた。
【0004】そこで、前述の様な複雑な形状品を精度良
く量産し得る方法として、従来よりセラミック原料粉末
と水溶性バインダーを添加混合して調製したセラミック
泥漿を成形型中に注入し、成形型の吸水や成形型へのセ
ラミック原料の着肉を利用してセラミック成形体を得る
泥漿鋳込み成形法や、セラミック原料粉末とワックス等
の熱可塑性物質から成るバインダーを加熱しながら混練
した可塑化物を、金型中に高圧注入してセラミック成形
体を成形する射出成形法が採用されていた。
【0005】しかしながら、前記泥漿鋳込み成形法で
は、反復使用による成形型の摩耗や吸水性及び着肉能力
の低下により、寸法精度の低下や成形体の乾燥時にクラ
ックを生じる等、量産には不適当であるという問題があ
った。
【0006】一方、前記射出成形法は、複雑な形状のセ
ラミック製各種部品を量産できるものの、得られた成形
体は多量の有機物系バインダーを含有するため、肉厚が
異なる複雑な三次元構造の形状品では脱バインダーが均
一にできず、成形体に割れを生じるという欠点の他、ウ
エルドラインが発生して成形体表面に欠陥が残ったり、
高圧で成形型中に注入するために成形体内部の残留応力
が大きく、焼成後のセラミック体の特性を劣化させる恐
れがある等、いずれも信頼性の高いセラミック成形体を
歩留まり良く量産することができないという欠点があっ
た。
【0007】そこで、前記欠点を解消するために、セラ
ミック原料粉末に混合する有機性バインダーとして熱硬
化性樹脂を使用し、得られた成形体を加熱処理して硬化
させた後、脱バインダーして焼結することが提案されて
いる(特開平5−148007号公報、特表平3−50
2670号公報参照)。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記製
造方法では、分散性や可撓性、離型性等の目的のために
熱硬化性樹脂の他に各種添加剤を加えた場合、該熱硬化
性樹脂を硬化させるために120℃以上に加熱すると沸
点の低い添加剤、とりわけ溶媒はガス化して発泡し、成
形体内部に気泡を生じたり、該内部に歪みを生じて成形
体を脱バインダーする時にクラックが発生する他、引火
する恐れがあり、その上、成形型中で加熱硬化させると
離型性が悪く、前述のような複雑な三次元構造の形状品
では離型時に肉厚が変化する部分でクラックを生じ易い
という課題があった。
【0009】
【発明の目的】本発明は前記課題を解消せんとして成さ
れたもので、その目的は、従来の鋳込み成形用や、射出
成形用、あるいは押し出し成形用のそれぞれの長所を併
せ持ち、いずれにも適用できるセラミック成形用組成物
であって、常温でも流動性が良く成形性が良好で、成形
型中に充填して反応硬化した後は、収縮によるクラック
もなく離型性も良好であり、得られた成形体の脱バイン
ダーが極めて容易で、焼成後のセラミック体に割れや変
形等が発生しない量産効果に優れたセラミック成形用組
成物を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明のセラミック成形
用組成物は、セラミック原料粉末と溶媒及び有機性添加
物から成るバインダーの混合物から成り、多官能ビニル
エーテルを必須成分とする組成物を、反応硬化させてセ
ラミック成形体を得るのに用いるものであって、とりわ
け前記多官能ビニルエーテルが主鎖にビニルエーテル以
外のエーテル結合を有すること、あるいは前記組成物が
不飽和重合体を含有することがより望ましく、更に、前
記多官能ビニルエーテルが主鎖にビニルエーテル以外の
エーテル結合を有し、かつ不飽和重合体を含有すること
が最も望ましいものである。
【0011】本発明のセラミック成形用組成物における
必須成分である多官能ビニルエーテルとは、1分子中に
2個以上のビニルエーテル基を有する化合物であり、例
えばエチルジビニルエーテルやプロピルジビニルエーテ
ル、ネオペンタンジビニルエーテル等のアルキルジビニ
ルエーテル、ジ(ペンタンエリスリビニルエーテル)ヘ
キサン、、トリ(メチルビニルエーテル)プロパン、ビ
スフェノールAジビニルエーテル等を挙げることができ
る。
【0012】とりわけ、主鎖にエーテル結合を有し、熱
分解性が良好なポリエチレングリコールジビニルエーテ
ルやポリイソプロピレングリコールジビニルエーテル等
を代表とするポリアルキレングリコールジビニルエーテ
ル等がより好適である。
【0013】また、前記多官能ビニルエーテルの含有量
は、セラミック粉体と溶媒及び有機性添加物の混合物の
流動性及び成形性を維持するために、粘性が高くならな
いようにすることが望ましく、セラミック原料粉体10
0重量部に対して0.5重量部以上で、かつ硬化、即ち
単量体の縮合反応による成形体の収縮という点からは、
35重量部以下がより望ましく、なかでも成形体のハン
ドリングの容易さからは、1〜20重量部が最も好適で
ある。
【0014】一方、本発明の不飽和重合体は、分子中に
不飽和二重結合を有する高分子化合物のことで、例えば
不飽和ポリエステルやポリジエン系の高分子化合物が該
当する。
【0015】前記不飽和ポリエステルは、多官能酸と多
官能アルコールとの縮合物であって、かつ分子中に不飽
和二重結合を有するものと定義され、かかる樹脂は、一
般には飽和二塩基酸、多価アルコール及び不飽和二塩基
酸から公知の製法により得られるものであるが、これら
の原料は特に制限されるものではない。
【0016】具体的には、オルソフタル酸、イソフタル
酸、無水フタル酸、こはく酸、アジピン酸、セバシン
酸、無水エンドメチレンテトラヒドロフタル酸、無水メ
チルテトラヒドロフタル酸、無水テトラヒドロフタル
酸、クロレンディック酸またはマレイン酸とピペリレン
との付加物の如き飽和二塩基酸、エチレングリコール、
ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロ
ピレングリコール、ネオペンチルグリコール、水添ビス
フェノールAまたはビスフェノールAのエチレンオキサ
イドもしくはプロピレンオキサイド付加物、1,3ーブ
タンジオール、1,4ーブタンジオール、1,6−ヘキ
サンジオールまたはグリセリンの如き多価アルコール、
及び無水マレイン酸、フマル酸またはイタコン酸の如き
不飽和二塩基酸等を、160〜240℃程度の温度で反
応せしめることにより目的とする不飽和ポリエステルが
得られる。
【0017】また、前記不飽和重合体の含有量は、硬化
時に充分な保形性を有していることが望ましいことか
ら、セラミック原料粉体100重量部に対して0.1重
量部以上で、かつ前記混合物の粘性を低くして成形性を
維持するためには35重量部以下がより望ましく、なか
でも成形体のハンドリングの容易さからは1〜20重量
部が最も好適である。
【0018】更に、本発明の溶媒は、前記多官能ビニル
エーテルや不飽和重合体を相溶するものであれば特に限
定するものではなく、例えば、トルエン、キシレン、ベ
ンゼン、フタル酸エステル等の芳香族溶剤やヘキサノー
ル、オクタノール、デカノール、オキシアルコール等の
高級アルコール類、あるいは酢酸エステル、グリセライ
ド等のエステル類を用いることができる。
【0019】とりわけ、前記フタル酸エステル、オキシ
アルコール等は好適に用いることができ、更に、溶媒を
緩やかに揮発させるために、前記溶媒を2種類以上併用
することもできる。
【0020】また、前記溶媒の含有量は、成形性の点か
らは前記混合物の粘性を低くすることが望ましく、セラ
ミック原料粉体100重量部に対して0.1重量部以
上、かつ成形体の強度を高くして保形性を維持するため
には35重量部以下がより望ましく、とりわけ成形体の
ハンドリングの容易さからは、1〜20重量部であるこ
とが最も好適である。
【0021】尚、本発明のバインダーには、硬化反応促
進剤または重合開始剤等と称される硬化触媒や、分散剤
等、その他の有機性添加物を用いることができる。
【0022】前記硬化触媒としては、有機過酸化物やア
ゾ化合物を使用することができ、例えば、ケトンパーオ
キサイド類、ジアシルパーオキサイド類、パーオキシケ
タール類、パーオキシエステル類、ハイドロパーオキサ
イド類、パーオキシカーボネート類の化合物、具体的に
はt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、
ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカ
ーボネート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジク
ミルパーオキサイド等の有機過酸化物や、アゾビス、イ
ソブチロニトリル等のアゾ化合物が挙げられる。
【0023】また、前記分散剤としては、一般にセラミ
ック混練物の調合に用いられる任意の界面活性剤を用い
ることができるが、とりわけ、ポリオキシアルキルアク
リル酸アンモニウム塩、ナフタレンスルホン酸塩ホルマ
リン縮合体、ソルビタンエステル等が好ましく、その含
有量はセラミック原料粉体100重量部に対して0.0
5〜5重量部が望ましい。
【0024】尚、本発明に係るセラミック成形用組成物
では、セラミック原料粉末として、アルミナ(Al2
3 )、ジルコニア(ZrO2 )等の酸化物系セラミック
ス、及び窒化珪素(Si3 4 )、窒化アルミニウム
(AlN)、炭化珪素(SiC)等の非酸化物系セラミ
ックスのいずれにも適用でき、前記セラミック原料粉末
には各種焼結助剤を所望量添加させることもできる。
【0025】前記焼結助剤としては、アルミナ(Al2
3 )の原料粉末にはシリカ(SiO2 )、カルシア
(CaO)、イットリア(Y2 3 )及びマグネシア
(MgO)等を、ジルコニア(ZrO2 )の原料粉末に
はイットリア(Y2 3 )等の安定化剤を、また、窒化
珪素の原料粉末にはイットリア(Y2 3 )とアルミナ
(Al2 3 )等を、窒化アルミニウムには周期律表第
3a族元素酸化物(RE23 )等を、炭化珪素にはホ
ウ素(B)とカーボン(C)等を所望量添加することが
できる。
【0026】尚、これらセラミック原料の粒径は、数十
ミクロン乃至サブミクロンのものが好適に用いることが
できる。
【0027】また、分散性の向上のために、これらのセ
ラミック粉体にはシランカップリング剤、チタネートカ
ップリング剤、アルミネートカップリング剤等のカップ
リング剤を用いて表面改質をしたものを使用することも
でき、なかでもカップリング反応速度が迅速なチタネー
トカップリング剤が好適である。
【0028】
【作用】本発明のセラミック成形用組成物によれば、多
官能ビニルエーテルを用いることによって、前記組成物
の粘度を低くして成形型の細部まで容易に充填でき、射
出成形のように成形型中に高圧注入をする必要がなく、
しかもフローマーク等の欠陥のない外観の良好な成形体
を反応硬化させて得ることができる。
【0029】また、前記組成物は溶媒を含んだ状態で3
次元架橋硬化するために、脱脂時に熱分解温度の低い溶
媒が、架橋した有機物系バインダーが熱分解する前に、
先立って抜けムラを生じさせつつ揮発するため、硬化し
た有機物系バインダーが熱分解する際は、先に溶媒が抜
けることにより形成された無数の気孔を通って、気散さ
れることになり、脱脂が容易に終了することになる。
【0030】また、成形体の形状によっては脱脂工程の
前に脱溶媒の乾燥工程を設けることにより、前記同様に
容易に脱脂が終了する。
【0031】
【実施例】以下、本発明のセラミック成形用組成物を実
施例に基づき詳細に説明する。
【0032】本発明のセラミック成形用組成物を評価す
るために、αーアルミナ(Al2 3 )及びジルコニア
(ZrO2 )を主成分とし、前記公知の焼結助剤を添加
混合したものと、アパタイト(Ca5 (PO4
3 (F、Cl、OH))を主成分とするものを酸化物系
のセラミック原料粉末とし、窒化珪素(Si3 4 )及
び窒化アルミニウム(AlN)を主成分とし、前記公知
の焼結助剤を添加混合したものを非酸化物系のセラミッ
ク原料粉末とし、表1及び表2に示すようなバインダー
組成物を種々の割合で添加混合して評価用のセラミック
成形用組成物を調製した。尚、表1及び表2中に示す各
バインダーの種類は、表3に記載した物質名の通りであ
る。
【0033】また、熱硬化性樹脂として不飽和ポリエス
テル樹脂のみで多官能ビニルエーテルを含まないもの、
及び溶媒を含まないものを比較例とした。
【0034】
【表1】
【0035】
【表2】
【0036】
【表3】
【0037】先ず、前記評価用のセラミック成形用組成
物は、前記セラミック原料粉末に焼結助剤を加えて湿式
混合した後、該混合物を乾燥して整粒したセラミック粉
末を、表1に示すバインダーと、例えば、t−ブチルパ
ーオキシ−2−エチルヘキサノエート、ビス(4−t−
ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート等の
硬化触媒からなる溶液に添加して12時間撹拌混合して
調製する。
【0038】尚、前記所定量の溶媒と多官能ビニルエー
テルおよび硬化触媒から成る溶液を調製する際、必要に
応じて不飽和重合体や分散剤を添加することができる。
【0039】又、ここでは前記溶液にセラミック原料粉
末を添加してセラミック成形用組成物を調製したが、セ
ラミック原料粉末の添加方法は特に限定するものではな
く、最終的に前記組成物が均一になれば良い。
【0040】次に、セラミック成形体中に気泡が残留す
るのを防止するために、前記セラミック成形用組成物を
真空装置等で十分に脱泡処理するが、必要によっては、
消泡剤、破泡剤等を添加することもでき、十分に撹拌し
た後、同様の脱泡処理を施せば良い。
【0041】その後、前記セラミック成形用組成物を、
高さ50mm、直径35mmの円柱に最大厚さ5mm、
長さ30mmのストレートな羽根を4枚、互いに直交す
るように設けた簡易ロータ成形用成形型に注入し、充填
後、該成形型を100℃未満の温度に所定時間加熱保持
して反応硬化させた後、セラミック成形体を成形型から
取り出した。
【0042】前記成形型は、後述する種々の反応硬化方
法に適するものであれば、材質は特に限定されず、例え
ば、加熱硬化させる場合には、加熱に耐えられるもので
あれば何れの材質でも良く、具体的には金属型、樹脂型
等を用いることができ、更に、離型性向上のためや摩耗
防止のために、表面被覆等の表面処理を施すことも可能
である。
【0043】また、前記加熱硬化させる場合、加熱した
成形型にセラミック成形用組成物を充填することもでき
る。
【0044】尚、反応硬化の方法としては、前記加熱硬
化の他に、紫外線硬化やX線硬化方法等を用いることも
でき、加熱硬化方法は、複雑形状品に好適であり、紫外
線硬化やX線硬化方法は、肉厚が薄い形状品に好適であ
る。
【0045】かくして得られたセラミック成形体各10
個についてその外観を目視検査し、成形体表面のフロー
マーク等の欠陥の有無、及び成形型角部までの充填性を
調査して成形性の評価を行い、10個全数に欠陥も充填
不良も認められないものを●、10個中1個に欠陥また
は充填不良のいずれかが認められるものを○、10個中
1個以上に欠陥または充填不良が認められるか、いずれ
も認められるものを×とした。
【0046】また、離型時に成形体の強度不足から発生
する成形体角部の欠けや割れ等の欠陥の有無を前記同様
に目視検査し、10個中全数に欠陥がないものを●、1
個のみに欠陥が認められるものを○、2個以上に欠陥が
認められるものを×として、離型性を評価した。
【0047】次いで、前記評価用のセラミック成形体が
酸化物系セラミックスの場合には大気中で、また非酸化
物系セラミックスの場合には、窒素ガス等の非酸化性雰
囲気中で、500℃まで昇温して脱バインダーした後、
脱バインダーのし易さを評価するために燃焼法により前
記脱バインダー体中に残留する炭素をCO2 として赤外
線吸収法にて定量し、炭素残留率を算出した。
【0048】以上の結果に基づき、最も望ましいバイン
ダー組成を●、望ましいバインダー組成を○、望ましく
ないバインダー組成を×として総合評価した。以上の結
果を表4及び表5に示す。
【0049】
【表4】
【0050】
【表5】
【0051】以上の結果から明らかなように、比較例で
ある試料番号1、13、32、42、52及び55は、
フローマークや充填不良等の成形性不良を生じたり、離
型性不良を生じて成形体が割れる場合もあり、脱バイン
ダー後の炭素残留率も高いものもあり安定せず、総合的
に望ましくないのに対して、本発明のセラミック成形用
組成物を用いた成形体は、成形不良、離型不良がなく、
しかも炭素残留率が小さく極めて脱バインダー性が優れ
ていることがわかる。
【0052】以上の結果より、酸化物系セラミックスの
場合には、多官能ビニルエーテルとしてポリエチレング
リコールジビニルエーテル、不飽和重合体として不飽和
ポリエステル、溶媒として2−(2−エトキシエトキ
シ)エタノールを組み合わせたバインダー組成が、ま
た、非酸化物系セラミックスの場合には、多官能ビニル
エーテルとしてポリエチレングリコールジビニルエーテ
ル、不飽和重合体として不飽和ポリエステル、溶媒とし
てはフタル酸ジエチルから成るバインダー組成が好適で
あることが分かる。
【0053】また、本発明のセラミック成形用組成物と
して、窒化珪素をセラミック原料粉末の主成分とし、複
雑な三次元構造を有する最大直径約50mm、羽根の最
小肉厚約1mmのラジアル型ターボロータを成形したと
ころ、肉厚の薄い羽根の先端まで充分に充填され、成形
体表面にも欠陥はなく、また、成形体に欠けや割れを生
じることなく複雑な成形型から極めて容易に離型できる
ことも確認できた。
【0054】更に、前記ラジアル型ターボロータの成形
体を、窒素ガス雰囲気中で焼成したところ、得られた焼
結体には割れや変形等は全く認められなかった。
【0055】尚、本発明は前記詳述した実施例に何等限
定されるものではない。
【0056】
【発明の効果】叙上の如く、本発明のセラミック成形用
組成物は、反応硬化させてセラミック成形体を得るのに
用いるセラミック原料粉末と溶媒及び有機性添加物から
成るバインダーの混合物が、多官能ビニルエーテルを必
須成分とすることから、常温でも流動性が極めて良好で
成形性が良く、充填不良が解消され、成形型中に充填し
て反応硬化した後は、収縮によるクラックもなく、離型
時に欠けや割れを発生せず、脱バインダーが極めて容易
なセラミック成形体を得ることができる。
【0057】しかも、本発明のセラミック成形用組成物
は、従来の鋳込み成形法や、射出成形法、あるいは押し
出し成形法等のいずれにも適用できることから、セラミ
ック部品全般の成形に使用することができ、例えば、電
子部品は勿論、複雑な三次元構造を有するガスタービン
やターボロータ、人工関節等、あるいは大型の半導体製
造装置用部品やその他各種構成部品、または単純形状の
薄物品および時計、アクセサリー等の装飾用部品等にも
好適であり、成形後のセラミック体に割れや変形等が発
生せず、更に焼結体にも割れや変形等を生じない量産効
果に優れたセラミック成形用組成物を提供することがで
きる。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】セラミック粉体と溶媒及び有機性添加物か
    ら成るバインダーの混合物を成形型中に充填した後、反
    応硬化させて成形体を得るのに用いる組成物であって、
    該組成物が多官能ビニルエーテルを必須成分とすること
    を特徴とするセラミック成形用組成物。
  2. 【請求項2】前記多官能ビニルエーテルが主鎖にビニル
    エーテル以外のエーテル結合を有することを特徴とする
    請求項1記載のセラミック成形用組成物。
  3. 【請求項3】前記組成物が不飽和重合体を含有すること
    を特徴とする請求項1又は請求項2記載のセラミック成
    形用組成物。
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