JP3206344B2 - エンジンのトルク制御装置 - Google Patents

エンジンのトルク制御装置

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JP3206344B2
JP3206344B2 JP31671894A JP31671894A JP3206344B2 JP 3206344 B2 JP3206344 B2 JP 3206344B2 JP 31671894 A JP31671894 A JP 31671894A JP 31671894 A JP31671894 A JP 31671894A JP 3206344 B2 JP3206344 B2 JP 3206344B2
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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Control Of Throttle Valves Provided In The Intake System Or In The Exhaust System (AREA)
  • Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)
  • Control Of Vehicle Engines Or Engines For Specific Uses (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は燃料の供給停止状態から
の供給再開時に発生する車両の前後振動を抑制するエン
ジンのトルク制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に車両の走行中に特定の条件、例え
ば車速あるいはエンジン回転数が所定値以上でアクセル
開度がゼロの惰性走行時など、エンジンへの燃料供給を
停止し、無駄な燃料の消費を防止し、さらにはエンジン
ブレーキの効きを高めたりしている。そして、このよう
な燃料供給停止状態から運転者がアクセルを踏み込んだ
り、エンジン回転数が所定の下限値によりも低くなった
りすると、エンジンへの燃料の供給を再開する。
【0003】ところで、アクセルが踏み込まれての燃料
供給の再開時にはエンジンの出力トルクがステップ的に
大きくなり、とくに手動変速機や惰性走行時にロックア
ップクラッチを直結する自動変速機を備えている車両で
は、このトルク変動に伴って駆動系にねじれ振動を引き
起こし、これが車両の前後方向の振動、つまりトルクシ
ョックとなって乗員に不快感をもたらす。
【0004】このような現象を防止するため、例えば特
開昭58−133436号公報によれば、燃料の供給停
止状態から供給を再開するときに、一時的に一部の気筒
への燃料供給の再開を遅らせ、エンジン出力トルクの上
昇を緩やかにし、車両駆動系のねじれ振動の低減を図っ
ている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このように
燃料供給の再開時に、一定の期間にわたり、燃焼順序に
したがって一つおきの気筒で燃料を噴射し、エンジント
ルクの立ち上がりを緩やかにする制御では、トルクショ
ックを軽減することはできても、この間はアクセル操作
に対する加速感が鈍く、運転性能の点からは問題があっ
た。しかも、燃焼を休止させる気筒順序が予め決められ
ているため、燃焼再開時に最先の燃焼気筒が、休止気筒
か供給供給かによって実際の制御が相違し、とくに振動
抑制に有効な制御期間が休止回数にして5〜6回しかな
いことから、トルクショックの抑制効果にもバラツキが
あった。
【0006】これらの問題に対し、本出願人は、燃料供
給の再開時に車両に生じる前後振動は、再開後150m
sec後に最大振幅をとることに着目し、単純に再開時
の発生トルクの立ち上がりを緩やかにするよりも、再開
直後、この最大振幅に合わせて振動を打ち消すようにエ
ンジントルクを低下させると、トルクショックのみを効
果的に吸収し、かつ良好な加速感を維持できることを発
見した。
【0007】そこで、燃料供給の再開時に、そのとき最
先に燃焼する気筒を先頭にして、車両前後振動を減衰さ
せるのに必要な気筒パターンにしたがって燃料の供給を
休止させるようにしたトルク回復制御装置を出願してい
る(特願平6−171102号参照)。
【0008】このトルク回復制御では、燃料供給の再開
後、例えば燃焼気筒順で、最初から3番目の気筒までは
続けて燃料を噴射し、4番目の気筒で燃料の噴射を休止
するというようなパターンによりエンジントルクを制御
するので、一つおきに燃焼を休止する場合に比較して、
加速感を損なわずに、トルクショックのみを効果的に防
止でき、しかも、制御が必ず最先の燃焼気筒を基準にし
たパターンで実行されるため、どのような運転条件から
も常に一定の振動低減効果を生じる。
【0009】ところが、このエンジントルクの最適な回
復制御タイミングは、アクセルの踏み込み方によって変
化し、アクセルをステップ的に急に踏み込んだときに比
較して、ゆっくりと踏み込んだときの方が、振動を減衰
するためのエンジントルクの要求低下タイミングは少し
遅れる、つまり燃焼を休止する気筒の位置順番が遅れる
ことが分かった。
【0010】また、アクセルの踏み込み量が非常に少な
いときは燃焼再開に伴うトルク変動によるトルクショッ
クもほとんど問題とならず、この場合には、アクセル踏
み込み量と加速性能との関係からはエンジントルクの回
復制御が不要となることもある。
【0011】しかし、上記トルク回復制御装置では、燃
料供給の再開時に、アクセルの踏み込み方の違いに対応
した制御は行っていないため、再開後一定の制御期間中
は、常に所定の気筒パターンで燃料供給が制御されてし
まい、アクセル踏み込み量が緩やかに変化するときなど
エンジントルクの低減タイミングがずれ、最も効果的に
振動を抑制することができなかった。また、アクセルの
踏み込み量が小さいときなど不必要なトルク回復制御に
移行し、アクセル操作に対するエンジン出力の追従性を
低下させる恐れもあった。
【0012】本発明は、燃料供給再開時のアクセルの踏
み込に方に応じて、エンジントルクの回復制御を最も効
果的なタイミングで実行することにより、加速性能を損
なうことなく、常に安定して車両前後振動を抑制するこ
とを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】そこで第1の発明は、図
1に示すように、エンジンの運転条件を検出する手段1
1と、エンジン運転条件に応じて各気筒に対する燃料の
供給量を制御する手段12と、所定のエンジン運転条件
において燃料供給を停止する手段13とを備えるエンジ
ンにおいて、アクセル踏み込み量を検出する手段14
と、前記燃料供給の停止状態から燃料供給を再開する手
段15と、燃料供給の再開後アクセル開度が設定値以上
になったときにその直後に燃焼する気筒を先頭にして
定の期間だけ所定の気筒パターンにしたがって気筒の発
生トルクを低減させるトルク回復制御手段16とを備え
る。
【0014】第2の発明は、第1の発明において、前記
トルク回復制御手段は、燃料供給の再開後、所定の期間
内にアクセル開度が設定値以上となったときにのみ所定
の気筒パターンにしたがって発生トルクを低減する。
【0015】第3の発明は、第1または第2の発明にお
いて、前記発生トルクを低減させる気筒パターンは、変
速機のギヤ位置に応じて変化し、制御開始から最初にト
ルク低減させる気筒までの間隔は変速比の大きい低速ギ
ヤ位置ほど長くなる。
【0016】第4の発明は、第1または第2の発明にお
いて、前記発生トルクを低減させる気筒パターンは、エ
ンジン回転数に応じて変化し、制御開始から最初にトル
ク低減させる気筒までの間隔はエンジン回転数が高くな
るほど長くなる。
【0017】第5の発明は、第1〜第4の発明におい
て、前記アクセル開度の比較設定値は、エンジンの回転
数に応じて変化し、回転数が高くなるほど大きくなる。
【0018】第6の発明は、第1〜第5の発明におい
て、前記トルク回復制御手段は、燃料の供給を所定の気
筒パターンにしたがって休止させる。
【0019】
【作用】第1の発明において、車両の惰性走行時など燃
費の改善やエンジンブレーキの効きを確保するため、所
定の運転条件において各気筒に対する燃料の供給が停止
されるが、この燃料供給の停止状態から燃料供給を再開
させるときには、アクセル踏み込み量に応じて燃料が供
給され、エンジントルクがステップ的に高まり、駆動系
に大きなねじり振動が発生しようとする。
【0020】しかし、この振動特性に対応して振動振幅
が最も大きくなる所定の期間だけ、トルク回復制御手段
が、振動を打ち消すようなエンジントルクを発生させる
所定の気筒制御パターンにしたがって気筒の発生トルク
を低下させることにより、燃料供給再開時のトルク変動
に起因してのトルクショックを吸収、緩和できる。
【0021】ただしこの場合、アクセルが急に踏み込ま
れるときと、緩やかに踏み込まれるときでは、発生する
振動特性が相違し、これに応じてエンジントルクの要求
低減タイミングも変化し、また大きなトルクショックが
発生する所定のアクセル開度を越えるまでは、トルク回
復制御に移行しない方が、むしろアクセル操作に対応し
ての加速性能などの面からも好ましい。
【0022】この発明では、このトルク回復制御への移
行を所定のアクセル開度を基準にして行い、アクセル開
度が所定値を越えたときにトルク回復制御を開始させる
ことにより、アクセル踏み込み量が緩やかに変化すると
きでも、振動の発生特性に合わせたタイミングでトルク
低減制御ができ、このようにして緩加速、急加速などあ
らゆる条件下でトルクショックを効果的に抑制できる。
【0023】また、アクセル開度が設定値を越えないと
きは通常の燃料制御を行うことにより、アクセル操作量
の少ない加速時など不必要なトルク低減制御が行われ
ず、アクセル操作に対する良好な出力応答性を確保でき
る。
【0024】第2の発明では、トルク回復制御への移行
期間を設定したので、燃料供給の再開時にアクセル踏み
込み量が緩やかに変化し、そのまま所定の期間が経過し
たときなどはトルク回復制御に移行することなく、通常
の燃料制御に入る。これにより、燃料供給の再開直後に
発生するトルクショックを吸収するのに必要のない期間
までトルク回復制御が及ぶの防ぎ、アクセル操作に対す
るエンジン出力の応答性の低下を防止する。
【0025】第3の発明では、燃料供給再開時のギヤ位
置によって制御される気筒パターンが異なり、トルクシ
ョックの影響が少ない低速ギヤ位置のときほど、制御開
始後のトルク低減気筒までの間隔が長くなり、振動特性
に対応した制御ができる。
【0026】第4の発明では、燃料供給再開時のエンジ
ン回転数によって制御される気筒パターンが異なり、ト
ルクショックの影響が少ない高回転域ほど、制御開始後
のトルク低減気筒までの間隔が長くなり、振動特性に対
応した制御ができる。
【0027】第5の発明では、トルク回復制御への移行
を判断するアクセル開度の比較設定値が、トルクショッ
クの影響の少ない高回転域ほど比較設定値が大きくな
り、このため、低回転域などはアクセル踏み込み量の小
さいうちからトルク回復制御に移行し、トルクショック
の発生を抑制し、高回転域では不必要なトルク回復制御
を避け、燃料供給再開後のアクセル操作に応じて良好な
加速性能を確保できる。
【0028】第6の発明では、各気筒に対する燃料の供
給を制御することによりトルク回復制御を行うので、簡
単な構成で応答性のよい制御が実現される。
【0029】
【実施例】図2は本発明の実施例を示すもので、車両の
運転状態を検出するための各種検出手段、具体的には、
エンジン回転数センサ1A、車速センサ1B、吸入空気
量センサ1C、アイドルスイッチ1D、スロットル開度
センサ1E等からの信号は、エンジンの燃料噴射量を制
御する燃料噴射制御装置2に入力する。
【0030】この燃料噴射制御装置2は基本的にはエン
ジン回転数、吸入空気量信号に基づいて、各気筒の吸気
ポートにそれぞれ設けた燃料噴射弁6から供給する燃料
噴射量を演算し、所定のタイミングで燃料噴射信号を出
力する燃料制御回路3を備える。燃料噴射弁6はこの噴
射信号に基づいて開閉作動し、エンジン回転に同期して
燃料を噴射供給する。
【0031】また、この燃料噴射制御装置2には、エン
ジン回転数が所定値以上でかつスロットル開度が全閉の
惰性走行時など、燃料噴射弁6からの噴射を停止させる
燃料供給停止回路4と、この燃料供給停止が解除された
ときにアクセル開度が所定値を越えたことを条件に、一
定の期間だけ、所定の燃料噴射パターンにしたがって燃
料の噴射を休止するトルク回復制御回路5とを備える。
【0032】このトルク回復制御回路5は燃料供給の停
止状態からの再開時に、再開が判断された直後に最初に
燃焼する気筒を先頭として、再開に伴って発生する車両
駆動系の振動特性を打ち消すようにエンジントルクを発
生させるべく、予め設定してある燃料噴射気筒パターン
にしたがって、各気筒に対する燃料の供給を停止するこ
とにより、加速性能を損なうことなく、燃料供給再開時
のトルクショックを短時間に吸収するもので、とくに本
発明ではこのトルク回復制御への移行を、再開時のアク
セルの踏み込み量が設定値を越えたかどうかにより判定
し、越えたときに制御を開始させることで、アクセル踏
み込み量がどのように変化する場合でも、振動特性に合
わせた最適なタイミングでトルク低減制御を行い、緩加
速、急加速などあらゆる条件下でトルクショックを効果
的に抑制する。
【0033】また、アクセル踏み込み量が設定値を越え
ない、あるいは所定期間内にトルク回復制御に移行しな
いなど、もともと大きなトルクショックが発生しないと
きは、直ちに通常の全部の気筒に対する燃料の供給制御
に移行することにより、アクセル操作に対する良好な出
力応答性が確保される。
【0034】このトルク回復制御の具体的な制御内容に
ついて、図3、図4のフローチャートにしたがって説明
する。
【0035】図3は燃料の供給停止状態から供給再開時
にアクセルの踏み込み量が所定値を越えたかどうかによ
りトルク回復制御への移行を判断する制御ルーチン、ま
た図4はトルク回復制御の開始が判断されたら、そのと
きに最先に燃焼する気筒から順に予め設定されたパター
ンにしたがって燃料の供給を休止するするため制御ルー
チンを示す。
【0036】図3において、この制御ルーチンは例えば
10msec毎に実行され、まず、ステップ10では、
例えばアイドルスイッチからの信号に基づいて実行され
る燃料供給の停止状態にあるかどうかを判断し、アイド
ルイッチがON、すなわち燃料供給停止状態にあるとき
はステップ16に移る。
【0037】ここでは、燃料供給の再開時にトルク回復
制御への移行を判断するための期間を指定する判定タイ
マを初期値にセットし、さらにステップ17に進んで通
常の燃料噴射制御を禁止する。
【0038】これに対して燃料供給の停止状態でないと
判断されたときは、ステップ11において前記判定タイ
マの値を減算し、ステップ12で判定タイマのタイマ値
が0かどうか判断する。判定タイマが0でないときは、
ステップ13に進み、トルク回復制御への移行を判断す
るため、スロットル開度センサの出力からアクセル踏み
込み量TVOが、予め設定された設定値TVOPSTを
越えているかどうかを判定する。
【0039】この設定値TVOPSTは、燃料供給再開
時の運転条件によりトルクショックを生じるアクセル踏
み込み量に相当する。
【0040】もし、アクセル踏み込み量TVOが設定値
TVOPSTより大きいときはトルク回復制御への移行
開始を判断し、ステップ14で制御開始フラグを、フラ
グ=1にセットし、同時に後述するように、トルクショ
ックを吸収するのに必要な気筒別の燃料噴射パターンR
CVPTNを取り込み、かつ回復制御期間を規定する制
御期間カウンタをセットする。
【0041】なお、このアクセル踏み込み量の判定は、
判定タイマが0になるまで所定の期間、繰り返し行われ
ることになる。
【0042】上記ステップ12で判定タイマが0のとき
は、トルク回復制御への移行を中止し、ステップ15に
移って通常の燃料噴射制御に入るし、また、ステップ1
3においてアクセル踏み込み量が設定値を越えていない
ときも、そのまま通常の燃料噴射制御に移行させる。
【0043】このようにして、トルク回復制御への移行
が判断されたときは、図4の制御ルーチンにしたがっ
て、移行直後に最初に燃焼する気筒を先頭にし、所定の
燃料噴射パターンにしたがって各気筒毎に燃料噴射弁か
らの燃料の噴射、非噴射が制御される。この制御ルーチ
ンは各気筒の燃料噴射弁が開弁する毎に実行される。
【0044】まず、ステップ21で回復制御フラグ=1
でないときは、ステップ27に移り、回復制御フラグ=
0にすると共に回復制御カウンタを0にクリアする。
【0045】これに対して、ステップ21でフラグ=1
のときはトルク回復制御に移行するため、ステップ22
で回復制御カウンタの値が0かどうかを判断し、もしカ
ウンタ値=0となっていれば、トルク回復制御が終了し
たものと判断してやはりステップ27を経由して制御を
終了する。
【0046】ステップ22でカウンタ値が0でないとき
は、ステップ23に移行してまずカウンタ値を減算し、
ステップ24で前記した燃料噴射再開パターンRCVP
TNに基づいて、フラグ(C)に今回燃焼する気筒が燃
料噴射かあるいは非噴射かの情報を格納する。この場
合、今回の対象気筒が燃料噴射のときはフラグ(C)=
1、そうでないときはフラグ(C)=0をセットする。
そして、ステップ25においてフラグ(C)の内容を判
断し、フラグ(C)=1でないときは、ステップ26に
移行してその気筒の燃料噴射を禁止し、これに対してフ
ラグ(C)=1のときはステップ28に移り、その気筒
の燃料噴射を許可する。
【0047】そして、この燃料噴射パターンの制御は、
ステップ22での回復制御カウンタのカウンタ値が0に
なるまで継続され、カウンタ値が0となった時点でトル
ク回復制御を終了し、通常の制御に移行する。
【0048】図6はトルク回復制御時に燃料噴射気筒パ
ターンを選択する制御動作を示し、この例では、そのと
きの変速機の変速比に大小に応じて異なった特性に設定
したマップから噴射パターンが選択される。
【0049】図中「1」は燃料噴射(ON)、「0」は
燃料非噴射(OFF)を表し、制御開始後、燃焼気筒順
で連続して数回の燃料噴射後に1回、または2回だけ非
噴射となるようなパターンで燃料の供給気筒を制御す
る。これにより、燃料供給の再開後に発生する車両駆動
系に発生する振動特性に合わせてエンジントルクを低減
させ、トルクショックを減衰する。
【0050】この場合、ギア位置が低いほど、つまりギ
ア比の大きいほど、燃料供給再開後に最初に燃料噴射を
休止する気筒の位置が、トルク回復制御の開始から離れ
ている。これはギア比が大きいときほど、要求トルク低
下タイミングが遅れるためである。
【0051】また、図7に示すように、そのときのエン
ジン回転数に応じて噴射パターンを設定することもでき
る。この場合、エンジン回転数が高くなるほど、最初に
燃料噴射を停止させる気筒の位置が遅れる。エンジン回
転数が低いときはトルク変動の影響をより大きく受け、
要求トルク低下タイミングが早くなるためである。
【0052】図8はトルク回復制御に移行するときの、
アクセル踏み込み量の設定値(敷居値)TVOPSTの
設定例を示すもので、設定値はエンジン回転数に対応し
て変化させ、エンジン回転数が高くなるほど設定値を大
きくしている。
【0053】この設定値はアクセル踏み込み量に応じて
発生するトルクが車両駆動系に及ぼす振動の大きさから
設定され、エンジン回転数が高いほど影響は薄れるの
で、アクセル踏み込み量の設定値を大きくしてある。
【0054】次に全体的な作用について図5を参照しな
がら説明すると、惰性走行時など全ての気筒に対する燃
料の供給を停止している状態から、燃料供給の再開が判
断されると、そのときのアクセル踏み込み量が設定値T
VOPSTを越えるか否かによってトルク回復制御への
移行が判断される。
【0055】図5の(A)はアクセルの踏み込みが素早
く行われ、直ちに設定値を越えた場合を示し、同じく
(B)はアクセルが比較的緩やかに踏み込まれた場合で
あって、燃料供給の再開後に設定値を越えるまで、ある
時間がかかっている。
【0056】アクセル開度が設定値を越えた瞬間にトル
ク回復制御に移行し、そのとき最先に燃焼する気筒から
順に、所定の再開パターンにしたがって燃料噴射または
非噴射の選択が行われてトルク回復制御に入る。このト
ルク回復制御は燃料供給の再開時に発生する振動特性に
対応して、これを最も効果的に減衰するのに必要なトル
ク低減パターンにしたがって所定の期間にわたって実行
される。
【0057】この実施例ではトルク回復制御に移行して
から、第4番目に燃焼する気筒の燃料供給を休止させる
ようにパターンが選択される。
【0058】ところで、この振動低減のためにトルク低
下をさせる要求タイミングはアクセルの踏み込み状態に
より相違し、緩やかにアクセルを踏み込んだときの要求
トルク低下タイミングは相対的に遅れる。
【0059】この発明では、燃料供給の再開時に、アク
セル踏み込み量が設定値を越えてからトルク回復制御に
移行させるので、図5(A)のように素早くアクセルが
踏まれたときは、直ちにトルク回復制御に移行するが、
そうでないときは、図5(B)のように、燃料供給の再
開が判定された時点でいったん通常の全気筒に対する燃
料噴射制御に入り、その後にアクセル開度が設定値を越
えた時点からトルク回復制御に移行する。
【0060】このため、緩やかに加速された場合、ある
いは急激に加速された場合などいずれについても、アク
セル操作に応じての加速性能を損なうことなく、最も効
果的に車両駆動系のねじれ振動に起因してのトルクショ
ックの発生を防止できるのである。
【0061】なお、従来の制御では燃料供給の再開直後
から、燃料噴射、非噴射をひとつおきの気筒で繰り返す
ので、効果的なタイミングでエンジントルクを低下させ
られず、本発明に比較するとトルクの立ち上がりが緩や
かで加速応答性に著しく劣るばかりか、かえって振動が
悪化することもある。
【0062】ところで、燃料供給の再開時にこのトルク
回復制御に移行するかどうかの判断は、判定タイマにセ
ットされた所定の期間だけ行われ、この期間を経過する
と、その後にアクセル開度が設定値を越えても、トルク
回復制御に入ることなく、そのまま通常の燃料噴射制御
が行われる。アクセル踏み込みが極めて緩やか、または
踏み込み量が小さいときは、燃料供給再開時のトルクシ
ョックが非常に小さく、むしろ不必要なトルク回復制御
による加速性能に及ぼすマイナス面の影響を避けるた
め、燃料供給再開後所定の期間内にアクセル踏み込み量
が設定値を越えたときだけ、トルクショックを抑制する
トルク回復制御に移行するのである。
【0063】このようにして、燃料供給再開時のトルク
ショックを最小限に抑制しつつ、アクセル操作に対応し
ての良好なエンジン出力性能を確保することができる。
【0064】上記実施例においては、トルク回復制御
を、各気筒に対する燃料の噴射パターンを制御すること
により行っているが、この代わりに、燃料の供給は通常
どうり再開し、点火時期を気筒の選択パターンにしたが
って遅角制御することにより、その気筒の発生トルクを
減少させてもよい。要するに再開時の振動特性に対応し
てこれを打ち消すように気筒の発生トルクを低減制御す
るならば、トルクの低減手段については、その他の公知
の手法も採用できる。
【0065】
【発明の効果】第1の発明によれば、燃料供給の再開時
に発生する車両駆動系の振動をトルク回復制御により抑
制するにあたり、アクセル開度が所定値を越えたときに
制御を開始するようにしたため、アクセル踏み込み量が
緩やかあるいは急激に変化するときなどでも、振動発生
タイミングに合わせたトルク低減制御ができ、あらゆる
条件下で燃料供給再開時のトルクショックを効果的に抑
制でき、またアクセル踏み込み量が設定値を越えずトル
クショックもほとんど発生しないときは、トルク回復制
御に移行することなく、燃料の供給を再開させるので、
アクセル操作に対し良好なエンジン出力応答性を確保で
きる。
【0066】第2の発明によれば、燃料供給の再開時に
アクセル踏み込み量が緩やかに変化し、そのまま所定の
期間が経過したときなどはトルク回復制御に移行するこ
となく通常の燃料制御に入ることにより、燃料供給の再
開直後に発生するトルクショックを吸収するのに必要の
ない期間までトルク回復制御が及ぶの防ぎ、その間のア
クセル操作に対するエンジン出力応答性の低下を防止で
きる。
【0067】第3の発明によれば、変速機ギア位置が、
低速ギア位置のときほど、制御開始後のトルク低減気筒
までの間隔が長くなり、振動特性に適確に対応した制御
ができる。
【0068】第4の発明によれば、トルクショックの影
響が少ないエンジン高回転域ほど、制御開始後のトルク
低減気筒までの間隔が長くなり、振動特性に適確に対応
した制御が行える。
【0069】第5の発明によれば、トルクショックの影
響を受けやすいエンジン低回転域などではアクセル踏み
込み量の小さいうちからトルク回復制御に移行し、トル
クショックの発生を抑制し、トルクショックの影響の少
ない高回転域では不必要なトルク回復制御を避け、燃料
供給再開後のアクセル操作に応じて良好な加速性能を確
保できる。
【0070】第6の発明では、各気筒に対する燃料の供
給を制御することによりトルク回復制御を行うので、応
答性のよい制御が実現される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の構成図である。
【図2】本発明の実施例を示すブロック図である。
【図3】トルク回復制御への移行を判断するための制御
動作を示すフローチャートである。
【図4】トルク回復制御時の燃料噴射制御動作を示すフ
ローチャートである。
【図5】トルク回復制御の作動状態を説明するための説
明図で、(A)はアクセルを素早く踏んだとき、(B)
はゆっくりと踏んだときの状態を示す。
【図6】燃料噴射パターンを選択する制御動作のフロー
チャートである。
【図7】同じく燃料噴射パターンを選択する制御動作の
他の例を示すフローチャートである。
【図8】アクセル踏み込み量の設定値を選択する制御動
作のフローチャートである。
【符号の説明】
11 運転条件検出手段 12 燃料供給制御手段 13 燃料供給停止手段 14 アクセル踏み込み量検出手段 15 燃料供給再開判定手段 16 トルク回復制御手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F02D 41/10 - 41/12 F02D 41/36 F02D 29/00 F02D 45/00

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エンジンの運転条件を検出する手段と、 エンジン運転条件に応じて各気筒に対する燃料の供給量
    を制御する手段と、 所定のエンジン運転条件において燃料供給を停止する手
    段とを備えるエンジンにおいて、 アクセル踏み込み量を検出する手段と、 前記燃料供給の停止状態から燃料供給を再開する手段
    と、 燃料供給の再開後アクセル開度が設定値以上になったと
    きにその直後に燃焼する気筒を先頭にして所定の期間だ
    け所定の気筒パターンにしたがって気筒の発生トルクを
    低減させるトルク回復制御手段とを備えることを特徴と
    するエンジンのトルク制御装置。
  2. 【請求項2】前記トルク回復制御手段は、燃料供給の再
    開後、所定の期間内にアクセル開度が設定値以上となっ
    たときにのみ所定の気筒パターンにしたがって発生トル
    クを低減する請求項1に記載のエンジンのトルク制御装
    置。
  3. 【請求項3】前記発生トルクを低減させる気筒パターン
    は、変速機のギヤ位置に応じて変化し、制御開始から最
    初にトルク低減させる気筒までの間隔は変速比の大きい
    低速ギヤ位置ほど長くなる請求項1または2に記載のエ
    ンジンのトルク制御装置。
  4. 【請求項4】前記発生トルクを低減させる気筒パターン
    は、エンジン回転数に応じて変化し、制御開始から最初
    にトルク低減させる気筒までの間隔はエンジン回転数が
    高くなるほど長くなる請求項1または2に記載のエンジ
    ンのトルク制御装置。
  5. 【請求項5】前記アクセル開度の比較設定値は、エンジ
    ンの回転数に応じて変化し、回転数が高くなるほど大き
    くなる請求項1〜4のいずれか一つに記載のエンジンの
    トルク制御装置。
  6. 【請求項6】前記トルク回復制御手段は、燃料の供給を
    所定の気筒パターンにしたがって休止させる請求項1〜
    5のいずれか一つに記載のエンジンのトルク制御装置。
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