JP3203867B2 - リチウム二次電池 - Google Patents

リチウム二次電池

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JP3203867B2
JP3203867B2 JP07684793A JP7684793A JP3203867B2 JP 3203867 B2 JP3203867 B2 JP 3203867B2 JP 07684793 A JP07684793 A JP 07684793A JP 7684793 A JP7684793 A JP 7684793A JP 3203867 B2 JP3203867 B2 JP 3203867B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はリチウム二次電池、及び
その製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、リチウム二次電池用の正極材料と
して使用されるに好適なLiCoO22はコバルト化合物
とリチウム塩とを適当な混合比で混合し、比較的高温で
焼成され合成されていた。たとえば、文献(Mat.R
es.Bull.15(1980)783 K.Mizushim
aら)によると、CoCO3 とLi2CO3 とを900
℃、20時間、空気中で予備焼成した後、更に二回の焼
成(詳細温度条件不明)を行ない、好適なLiCoO2
を合成していた。混合されたCoCO3とLi2CO3
は、高温で熱分解し、CO2ガスを放出するとともに反応
し、LiCoO2を生成する。この反応を推測すれば、
おそらく次に示す反応式で表されると考えられる。
【0003】
【化1】
【0004】この反応式で、(1)および(3)は、余
分の酸素を必要とするのが特徴である。もし、CoCO
3のかわりにCo34を最初から出発原料として使用す
れば、(1)式の反応に対する配慮は不必要となる。従
って、CoCO3 を用いるよりは、Co34を用いた方
が、実用上好都合なところがあると考えられる。場合に
よっては、リチウムの過酸化物を用いた合成が行われる
こともある(たとえば、文献(M.G.S.R.tho
mas etal Mat.Res.Bull.,20
(1985)1137)に示される)。
【0005】このように最適合成法などをめぐって、多
くのノウハウが存在し、また特許出願されているのであ
るが、基本的にこの組成物は電気抵抗値が高く、文献
(J,Phys,Chem,Solids,48,97(1987))によれば100Ω
・cmである。電気抵抗値が本質的に高い正極材料を用
いて正極を作成した場合、電子伝導抵抗損失が大きくな
る不利を避けることができない。また、LiCoO
2は、酸素不足が存在する。酸素不足量が多くなると層
状構造の維持が困難になる。
【0006】一方リチウム二次電池において、負極材料
としては以前はリチウム金属単体が用いられていたが、
リチウム金属の樹状析出により内部短絡を引き起こす等
問題があった。よって近年では負極材料として炭素を用
い、リチウムイオンを挿入、脱離させる方法が主流にな
りつつある。この電極を用いることによってリチウム金
属を用いた場合と同程度の電圧を有し、なおかつ樹状析
出のない安全性の高い電池が可能になった。この負極の
構成は熱分解炭素,カーボンブラック,コークス,グラ
ファイト等の炭素材料を用い、成形のためバインダーを
用いて結着させている。
【0007】正極の構成材料としてはLiCoO2 のよ
うな正極活物質を主成分とし、導電性を向上させるため
黒鉛等を加えており、また負極と同様に成型性を持たせ
るために、バインダーを添加して接着させている。
【0008】これらの電極は、主に湿式成形法により膜
成形された後、単位体積当りの充放電容量を向上させる
ため、プレス圧縮することにより、活物質充填率を増加
させる方法がとられている。
【0009】従来のリチウム二次電池においては、上記
両電極の間にセパレータを介在させ、電解液として非水
系有機溶媒を用いており、電池構造はコイン型もしくは
円筒型角型等がある。一般的に電池において大電流を得
ようとする場合、電極面積を出来得る限り大きくするこ
とが試みられている。特にリチウム二次電池において
は、電解液として導電率の比較的低い有機溶媒を用いて
いるので、電極の大面積化は特に重要となる。
【0010】図38は例えば「電池便覧」(電池便覧編
集委員会編、丸善平成2年発行)の124ページに示さ
れた従来のコイン型電池である。図において、1は正極
活物質層、2は負極活物質層、3はセパレータ、10は
シール材である。このような構造の平板状電池では電極
面積を大きくするには限りがあり、事実、大電流を取る
タイプの電池として帯状の電極を巻き上げることで電極
面積を大きくした円筒型電池が作られている。平板状の
電極を用いて大面積を得るためには、いわゆる短冊状の
電極をつなぐ構造を採るのが従来の方法であった。
【0011】図39は同じく「電池便覧」(電池便覧編
集委員会編、丸善平成2年発行)の188ページに示さ
れた従来のクラッド式鉛電池の構造である。短冊状の正
極1と負極2は共に集電タブと接続棒で櫛歯のようにつ
ながれ、セパレータ3を介して配置され、ひとつの容器
に入れられる。
【0012】また大面積電極を得る方法として、特開平
4−298973号公報に記載されているような折り畳
み電池構造が提唱されている。帯状の金属箔からなる集
電基材の一方の面に正極活物質を塗布した正極板をその
活物質を相対して2つ折りとし、その2つ折りした正極
板の間にセパレータを介して負極板を挿入して帯状の極
板群を形成し、その極板群を一定の幅で交互に折り曲げ
て畳んでいくことにより角型の電極構造としたものであ
る。
【0013】リチウム二次電池の開発における重要な指
標としては放電容量及びサイクル寿命の二つが挙げられ
る。二次電池の放電容量においては、活物質重量当たり
の放電容量と単位体積当たりの放電容量の2種類の表し
方がある。この両性能とも優れた電池が望まれている。
重量当たりの放電容量は電極活物質であるカーボンや無
機酸化物が、リチウムイオンの反応においてどれだけ挿
入・離脱を許容できるかによってその大きさが変化す
る。また、それぞれの電極の組成、構造がリチウムが反
応しやすい状態になっているかによっても影響される。
一方単位体積当たりの放電容量では単位体積中に充填さ
れている電極活物質の量に依存している。つまり電極活
物質の充填率が単位体積当たりの放電容量に大きく関わ
ってくる。この充填率は活物質の粒径や電極の組成に影
響されるので、これらの検討することにより体積当りの
放電容量を上昇させることが考えられるが、従来はこの
検討はあまり行われなかった。
【0014】リチウム二次電池の特性としてもう一つは
サイクル寿命の向上が挙げられる。先に示したように、
リチウム二次電池の負極には、以前はリチウム金属を用
いていたが、カーボンを用いることによってサイクル寿
命は大幅に改善された。しかし、カーボンにおいても充
放電による容量の低下は生じるので、カーボン材の改良
が必要になる。このため従来は様々の原料や製造条件で
作成したカーボンを用いて負極を作成していた。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】以上のように従来か
ら、LiCoO2の合成時におけるLiCoO2の生成と
分解については、余り探求されてこなかった。すなわ
ち、焼成温度条件として、昇温上限は何度まで許容でき
るかといった問題に対する回答や報告は皆無であった。
また、LiCoO2 のLi/Co比あるいはそのストイ
キオメトリー(O/Co比)をどのように制御ないし調
整するかといった手法に関しても、詳細な報告は無かっ
た。すなわち、どのような特徴を持つLiCoO2 が、
リチウム二次電池用正極材料として、最も優れた組成物
であるかという点に関して、その評価手段ないし評価の
手法が充分に確立されていなかった。
【0016】従って、現状はどのような焼成条件のLi
CoO2 がどのような二次電池特性を示すかの記述に終
始している。もちろん、粉末X線回折を行ない、例えば
最も強度の大きい(003)面からのピーク(CuKα
線を用いれば、2θ=18.8度付近)と、二番目に強
度の大きいピーク(2θ=45.2度付近)の比が大き
くなるような焼成条件を探索することは行われている。
しかし、このような手法は、発明者らが明らかにするよ
うに、LiCoO2 の評価手段として必要ではあるが、
充分ではなかった。
【0017】また、LiCoO2 の合成にはかなり大き
な発熱反応(約40cal/g)が伴うことを発明者ら
は見い出したが、この発熱分が充分にうまく放散されな
いと、焼成物は不慮の昇温を引き起こしてしまう。こう
した好ましくない不慮の昇温の履歴を探知することは、
粉末X線回折法では不可能であった。
【0018】一方、高温焼成はLiCoO2 にとって、
好ましくない熱分解と隣合わせであり、また酸素不足発
生量も多いことから、低温合成の可能性についても検討
が進められている。例えば、文献(Mat.Res.B
ull.,27(1992)327 Gummow)に
よれば、CoCO3 とLi2CO3とを用いて、400℃
一週間の低温合成が試みられている。しかし、炭酸塩の
熱分解にはかなりの高温が必要とされることから、こう
した試みには無理があると言わねばならない。Li2
3に替えてLiOHを用いれば、低温合成の可能性が
あるとはいえ、LiOHは常に空気中からCO2を吸収
し、Li2CO3を生成するので、Li2CO3の混在量を
常時監視しなければならず、したがって、焼成物中のL
i/Co比を一定に保持、制御するには困難が伴った。
【0019】また、最終的に望ましい諸特徴を、焼成過
程だけで付与するには無理な場合がある。後処理で、所
望の諸特徴を与える可能性については、ほとんど検討さ
れていないが、もしそれが実現可能となれば、LiCo
2 の合成において、大きな実用上の進歩となることは
疑い得ない。
【0020】また正極材料の低い電気伝導度を高くする
ため、通常LiCoO2 に10%程度の黒鉛粉末を添加
して正極を作成することが行われてきた。こうした導電
材の添加は本来の正極材料の比率を低下させるため、電
池の容量低下を引き起こすという問題もあった。
【0021】またこれまで提唱されている折り畳み構造
を有するリチウム二次電池は、例えば、前述の特開平4
−298973号公報に示されるような構造を持ち、こ
の構造を実現するためには、電極及びセパレータが極め
て小さい曲率で曲げられており、この加工性を実現する
ためには部材は極めて柔軟なものでなければならなかっ
た。セパレータは25μm程度の厚みを有するポリマー
の多孔体であり、比較的柔軟性に富み、強度も高い。し
かし、正極層、及び負極層は、粉体を小量の結合剤で結
着させたものであり、比較的柔軟性が劣り、強度も低
い。例えば、集電箔上に成形された電極板の折り畳みを
行なった場合、折り曲げ曲率がある値より小さくなると
電極活物質層にクラックが生じ、製造上問題となるばか
りでなく、電池運転時に電極能力を充分に引き出せなく
なるという問題もあった。
【0022】また現在リチウム二次電池は、大容量化が
望まれており、単電池当りの容量を向上させるため、活
物質層の厚みをより厚くしたり、活物質層をプレス等に
より圧縮して活物質充填率を上げる検討が進められてい
る。活物質層が厚くなるほど、また、活物質充填率が高
くなるほど、柔軟性に劣り、活物質層にクラックを生じ
させない折り畳み電池の組み立ては、さらに困難とな
る。
【0023】また、仮に電極活物質層にクラックなく折
り畳み電池の組立が行えたとしても、負極活物質にカー
ボン、正極活物質にコバルト酸リチウム等を使用した場
合、充電時には両者とも膨潤することになり、電極層に
密着された集電箔には引張応力が生じることになる。折
り畳み構造の場合、この応力は曲げ部分でより大きいも
のとなるため、充放電を繰り返すと集電箔等が破れ、集
電不能となる可能性があった。
【0024】加えて、セパレータを介して正極と負極が
対向して重ね合わされて、電池が形成される場合、各部
材の接触が良好でなければ、電極性能を充分に引き出す
ことはできない。電池面積が大きくなり、また折り畳み
構造等により部材積層枚数が増えると接触の問題はさら
に深刻となる。
【0025】リチウム二次電池の開発の課題の一つとし
て放電容量の増加がある。前記したように体積当りの放
電容量については活物質の充填率の向上が課題となる。
従来電極活物質としては平均粒径が単一のものを用いて
いたが、平均粒径が単一であるとその活物質の最密充填
率には限界があり(図40)、この平均粒径が小さくな
るほどその粉体の充填率は減少する(図41)。即ち図
40より粉体体積分率(PVC)が増加すると粉体充填
率φは上昇することがわかるが、ある点(CPVC)よ
り粉体の充填率は一定になることがわかる。
【0026】また、正極には活物質と共に導電剤と成形
助剤が組成として含まれており、負極には活物質と成形
助剤が含まれている。この場合、組成中の活物質の比率
によって活物質の充填率が異なってくる。しかし、現在
行われている組成比における最密充填では、体積当りの
放電容量は必ずしも満足する値ではなかった。また、成
形助剤であるバインダーは活物質等の粉体を結着するた
めに添加しているが、このバインダー量が多すぎると粉
体の表面を被覆する厚みが厚くなり、活物質の反応を阻
害していることが問題となった。
【0027】また、リチウム二次電池の開発の問題の一
つにサイクル寿命の低下がある。特に負極においては様
々な種類のカーボン材を用いて負極を作成することによ
り、サイクル寿命の長いカーボンの検討を行っている。
しかし放電容量の大きいカーボンは充放電における容量
低下率が大きいという問題が生じた。この原因として容
量の大きいカーボンでは電極の電位の低下におけるリチ
ウム金属の析出があると考えられた。このリチウムイオ
ンのメタル化により反応性が失われるため、リチウムイ
オン不足による容量低下や電池内部での短絡が生じ、サ
イクル寿命が低下していた。
【0028】本発明は、上記のようなリチウム二次電池
の問題点を解消するためになされたもので、折り畳み構
造を有するリチウム二次電池において、クラックの発生
等、製造上の問題が少なく、また電池運転時に電極能力
を十分に引き出すことが可能なリチウム二次電池を提供
することを目的とする。
【0029】
【課題を解決するための手段】本発明のリチウム二次電
池は、集電箔の片面上に電極活物質層が2層以上形成さ
れた正極及び負極を、セパレータを介して対向させ、こ
の電極対を折り畳んだのち、密着成形したものである。
【0030】また、本発明のリチウム二次電池は、電極
活物質塗布面が連続した一枚の集電箔の片面上に、断続
的に電極活物質層が形成された正極及び負極を、セパレ
ータを介して対向させ、折り畳んで構成することによ
り、上記電極活物質層が平板部分のみに設けられ、かつ
上記集電箔により、折り畳まれた隣合わせの電極活物質
層を連結させたリチウム二次電池であって、折り曲げ部
には、曲率をもつ集電箔と各電極活物質層端面との間
に、多孔体よりなるスペーサが挿入されているものであ
る。
【0031】また、本発明のリチウム二次電池は、2つ
以上の電極対を平行に重ねて折り畳みを行ったものであ
る。
【0032】また、本発明のリチウム二次電池は、2つ
以上の電極対を直角に重ねて交互に重ね合わせながら折
り畳んだものである。
【0033】
【0034】
【作用】本発明では、リチウム二次電池として、集電箔
の片面上に電極活物質層が2層以上形成された正極及び
負極を、セパレータを介して対向させ、この電極対を折
り畳んだのち、密着成形したので、電極活物質層単層が
薄くなるため、曲げに対する柔軟性が増し、また電極層
にクラックを生じることなく電池組立を行なうことが可
能となる。さらに、電極製法が湿式成形の場合、膜厚が
薄くなることから、成形枚数が増えることを加味して
も、乾燥時間は短縮され、製造エネルギーの削減につな
がる。
【0035】また、本発明では、リチウム二次電池とし
て、電極活物質塗布面が連続した一枚の集電箔の片面上
に、断続的に電極活物質層が形成された正極及び負極
を、セパレータを介して対向させ、折り畳んで構成する
ことにより、上記電極活物質層が平板部分のみに設けら
れ、かつ上記集電箔により、折り畳まれた隣合わせの電
極活物質層を連結したので、電極層は平板のみとして扱
われ、曲げる必要がないため、クラックを生じることな
く電池組立が可能である。また活物質等の材料も無駄な
く使用できるため、電極活物質の材料歩留りも向上す
る。さらに、曲率部分の電極を取り除かれた部分に、例
えばセパレータ材等の多孔体を集電箔曲率に相当する半
円柱状スペーサーとして挿入すれば、電解質リザーバー
としての機能も期待できるばかりか、電池充放電時に電
極の膨張・収縮が生じても曲げ部分のスペーサーが集電
箔にかかる応力を緩和するため、破断することなく、安
定した充放電サイクルが期待できる。
【0036】また、本発明によれば、2つ以上の電極対
を平行に重ねて折り畳みを行ったので、折り畳み外側部
分の電極の曲率は内側部分のそれより大きくなるため、
電池組立時にクラックを生じる確率は少なくなる。ま
た、内側部分の電極は小さな曲率となるものの、外側部
材にサポートされているため、強度が向上するためクラ
ックの発生が避けられる。さらに電池充放電時にも、曲
率の大きい部分では電極層の膨潤・収縮による集電箔へ
の応力が比較的小さくなるため、集電箔の破断は抑制さ
れる。
【0037】また、本発明では、2つ以上の電極対を直
角に重ねて交互に重ね合わせながら折り畳んだので、電
極層を折り畳む曲率を電極破断曲率より大きく設計でき
るため、クラックを生じることなく電極層を折り畳むこ
とが容易になり、製造歩留りが向上する。さらに電池充
放電時にも曲率が大きいため、電極層の膨潤・収縮によ
る集電箔への応力が比較的小さくなるため、集電箔の破
断は抑制される。
【0038】また、本発明によれば、比較的気孔度の高
い電極活物質層を未プレス状態で折り畳んだ後、プレス
したので、曲げ易く、しかも電池構成部材間の接触が向
上し、接触抵抗が低減され、電池特性が向上する。
【0039】
【実施例】参考例1.参考例 1について説明する。市販のCo34粉末を1k
g、アルミナるつぼに入れ、温度を925℃に設定した
電気炉中に入れ、空気中で3時間焼成した。コバルト酸
化物は常に未分解の塩基性炭酸コバルト(2CoCO3
・3Co(OH)3)を含有しているが、900〜95
0℃で、空気中で焼成することにより、分解し、組成が
Co34に統一される。図1(a)(b)は各々、コバ
ルト酸化物の熱処理(925℃1時間、空気中)前およ
び後のX線回折結果を示すもので、○印はLiCoO
2 、×印は塩基性炭酸コバルトを示す。図より、この熱
処理によって塩基性炭酸コバルトが完全に消滅し、純C
34組成となることがわかる。
【0040】この焼成粉末722.4gに、Li2CO3
を332.52gとり、乾式ボールミル中で5時間、充
分によく混合、粉砕した。次に混合粉末を直径50m
m、厚さ5mmの成形体にプレス圧500kg/cm2
でプレス成形し、厚さ1mmのアルミナスペーサの破片
をプレス成形体の適当な所に数カ所挟み込み、一分間5
度の昇温速度で740℃まで室温から昇温し、空気中、
740℃で10時間焼成した。後、そのまま引き続いて
一分間5度の昇温速度で820℃まで昇温した後、20
時間保持した。後、電気炉の電源を切り、そのまま室温
まで冷却した。取り出した焼成粉末を乾式ボールミルを
用いて2時間粉砕したのち、機械式ふるいにより、20
ミクロンm以上の大きな粒子を取り除いた。
【0041】プレス成形することにより、LiCoO2
合成反応が進みやすくなるとともに、プレス成形体を薄
く成形するとともに、成形体間に適当な隙間を設けるこ
とによりLiCoO2合成反応の発熱を放散しやすくし
た。また、二段階焼成を行うことにより、更に充分にL
iCoO2 合成時の発熱を放散させ、焼成時の温度上昇
を900℃以下に押え、不慮の温度上昇を有効に防止し
た。
【0042】すなわち、発明者らは熱分析を用いて、鋭
意探求の結果、LiCoO2 合成時の生成と分解につい
て、次のような知見を得た。図2にLiCoO2 の分解
を表わすTG−DTAの測定結果を示す。実線はDT
A、点線はTGの変化である。LiCoO2 そのものは
1130℃で分解し、再びCo34を生成する(X線回
折データは省略する)。分解熱はおよそ82cal/g
である。したがってLiCoO2 の合成温度がこの温度
を超えてはならないことは自明である。その上、更に発
明者らは図3に示すように、焼成温度を変えた試料のX
線回折結果から、930〜1030℃間に、不明瞭な分
解温度域が存在することを確認した。この分解温度域
は、図4に示す赤外吸収スペクトルからも確認される。
図4(a)は熱処理試料の赤外吸収スペクトル、横軸は
波長(ミクロン)、縦軸は透過率である。数字はピーク
波数(cm-1)を示す。(b)は同上試料の吸光度比
(247cm-1の吸収帯/〜600cm-1の吸収帯)。
横軸は波数(cm-1)、縦軸は吸光度比を示す。これよ
り、LiCoO2 の合成において、この分解温度域(9
30℃〜1030℃)を超えて昇温してはならないこと
も明白である。1000℃まで昇温すると、異質なもの
に変質する事実は図4から理解できる。
【0043】しかし、LiCoO2 の合成時、試料を9
00℃以上に昇温させないためには、炉の設定温度を9
00℃に保持するだけでは充分ではない。発明者らが見
い出した次に述べる合成反応の発熱量の問題が存在す
る。
【0044】図5には熱分析(TG−DTA)の結果
を、また表1には熱量を示した。
【0045】
【表1】
【0046】試料はLi/Co比が0.6、0.8、
1.0、1.2の四種である。この実験にはCo34
Li2CO3とを用いた。Li/Co=1の組成物につい
て言えば、675℃から吸熱ピーク(吸熱量48.4c
al/g)が開始した後、735℃で終了する。その
後、直ちに発熱反応が始まり、900℃以前に終了す
る。この発熱量ΔHは38.5cal/gである。試料
の比熱は約0.2cal/g℃であることから、LiC
oO2 合成時の発熱量は断熱状態で発生すると考えれ
ば、試料を約200度昇温させるに足る大きさである。
すなわち、この発熱分を充分にうまく発散させないと、
試料温度が900℃を容易に超えることが推測できる。
事実、試料を大量に焼成した場合には、炉の温度を90
0℃に保っていても、900℃を超えて昇温することを
避けることができなかった。
【0047】発熱を充分に発散させ、900℃を超えた
不慮の温度上昇を防止するためには、二段階焼成を行っ
た。一段目の焼成温度域としては、735〜785℃が
好適である。これにより、735℃からの発熱量のかな
りの部分を低温側で発散させることができる。その後、
785℃から850℃まで昇温し、二段目の焼成を行
う。この時には、先にLiCoO2 の合成反応の発熱を
大部分放散させてあるので、不慮の温度上昇が生じにく
い。尚、炉温制御用熱電対を焼成粉末の最中心部に挿入
することにより、この目的を確実に達成することができ
る。
【0048】更にLiCoO2の合成反応を進めるた
め、粉末を100kg/cm2から1000kg/cm2
の圧力で成形する。好適な圧力範囲は用いる金型の大
きさや手持ちプレス機の性能などを勘案して決めればよ
い。この時、成形体の厚みはLiCoO2 合成反応の発
熱を充分にすばやく放散させるため、2〜10mmが好
ましい。10mm以上であれば反応熱が成形体内部にこ
もりやすく、また2mm以下では成形体を金形から取り
出すのが難しい。
【0049】また、焼成時成形体を1〜2mmの間隙を
置いて積層することにより、反応熱の発散と充填率の向
上とを図ることができる。表2には粉末試料とプレス試
料のX線回折強度を示したが、プレスすることにより、
合成反応が進みやすくなることがわかる。
【0050】焼成したLiCoO2 の評価は先に述べた
ように、大ざっぱには、粉末X線回折法で行うことがで
きる。例えば、表2に示したように、
【0051】
【表2】
【0052】強い三つの回折線(45.2,37.3,
18.8度)の絶対強度を見たり、あるいはそれらの比
18.8/45.2や18.8/37.3を見たりする
ことである。しかし、先に説明したように、X線回折の
知見は詳細な情報を与えない。
【0053】次に、赤外吸収による評価法について詳細
に述べる。図6にはベースラインを引いたCo−O伸縮
吸収帯の部分を示した。約600cm 1を中心に持つ斜
線領域はCo−O6(LiCoO2中ではCoは六ケの酸
素に取り囲まれており、Liもまた六ケの酸素に取り囲
まれている)のものであり、残りのテイル部分はCo−
6-x (酸素が一部抜けた部分)によるものと考えられ
る。前者をノーマル部分(A)、後者を非ノーマル部分
(B)と呼び、両者の面積の逆比B/A(非ノーマル部
分/ノーマル部分)を取ると、この比がLiCoO2
ストイキオメトリー(O/Co)に関連していることが
明らかになった(図7)。なお面積はプラニメータなど
により測定する。したがって、試料粉末数mgを0.3
gのよう化セシウム粉末に混合し、錠剤試料を作成し、
赤外分光器で測定することにより、容易にそのストイキ
オメトリーを評価することができる。
【0054】更に図8には、LiCoO2 中のリチウム
の同位元素であるLi7をLi6に置換した場合の赤外
吸収スペクトルを示した。Li6置換により、279c
1の吸収帯は292cm 1へ、229cm 1の吸収帯
は239cm 1へシフトすることが明らかであるので、
この二つの吸収帯はLiーO振動に基づくものであると
断定できる。シフト比の理論値(7/6の平方根)1.
08に比して、両者のシフト比はどちらも1.04とや
や小さい。なお、シフトしない二つの吸収帯247cm
1と224cm 1は、O−Co−O変角振動によるもの
であると考えられる。先に図4に、247cm 1吸収帯
と598cm 1吸収帯の吸光度比が、焼成条件を反映し
て、X線回折強度以上に大きく変化することを示した。
したがって、この吸光度比は、Co−O6 結合の完成度
とみなすことができる。なぜなら、O−Co−O変角振
動は全方位的な結晶構造の完成度を反映するからであ
る。
【0055】以上述べたことから明らかなように、10
00〜200cm 1の赤外吸収スペクトルから、LiC
oO2のストイキオメトリー(O/Co)およびCo−
6結合の完成度を評価することができた。Co−O6
合の完成度は、LiCoO2結晶の層状構造の完成度の
有力な指標であり、これが十分に高い方が正極材料とし
て優れた特性を持つことを発明者らは確認している。ス
トイキオメトリーの良好な組成物の方がリチウムの出入
り能力に関して優れた特性を持つことは自明のことであ
る。したがってこの二つのパラメータは、LiCoO2
の正極材料特性を大きく反映するので、リチウム二次電
池用正極材料として好適なLiCoO2 あるいはLiC
oO2 を主成分とする組成物の良否を判定する基準とす
ることができる。以上、赤外吸収スペクトルからLiC
oO2 の二つの重要なパラメータを評価できることが明
らかとなった。
【0056】なお、上記参考例1で作成された粉末1〜
2mgをとり、0.3gのよう化セシウム粉末とよく混
合した後、プレスで直径13mmの錠剤に成形し(成形
圧力は2トン/cm2 )、パーキンエルマー社製の赤外
分光器883により、1000cm 1から200cm 1
間の赤外吸収スペクトルを測定したところ、O/Co比
の指標として、(非ノーマル部/ノーマル部)の面積比
をもとめると、0.7、また247cm 1/600cm
1の吸光度比は1.5が得られた。
【0057】参考例2. 焼成粉末は常に所望のパラメータを持っているとは限ら
ず、適当な後処理により、X線回折強度も含めて、調整
する必要に迫られることがある。そうした場合、その試
料の二つのパラメータの値に応じて、熱処理温度を50
0〜900℃,また酸素分圧を空気から純酸素の間の適
当な値を選んで熱処理することにより、所望のパラメー
タ値へ変えることができる。これは、後処理中にLiC
oO2 粉末がその後処理条件に応じて、酸素量を調整
し、結晶構造がより完全化するためである。表3には三
試料(A,B,C)の例を示した。
【0058】
【表3】
【0059】試料Aは、O2 中焼成により、18.8度
ピークの強度を上げることができる。試料Bは空気中焼
成で、37.3度ピーク、O2 中で45.2度ピークの
強度を上げることができる。試料Cは空気中焼成でも1
8.8度ピークの強度を上げることができる。
【0060】参考例3. 市販のLiCoO2 粉末のよう化セシウム錠剤を作り、
1000cm-1〜200cm-1間の赤外吸収スペクトル
を測定した。その結果、B/A面積比が0.7であり、
Co−O6 結合の完成度が0.64であった。この粉末
を900℃、空気中で2時間焼成し、炉冷した。熱処理
後、よう化セシウム錠剤を作り、同様に赤外吸収スペク
トルを測定し、評価したところ、B/A面積比が1.1
5に増加したが、Co−O6 結合の完成度は0.69と
変わらなかった。この熱処理後の粉末を用いて、正極を
作成し、リチウム電池を製造し、充放電特性を測定した
ところ、熱処理前の粉末にくらべて、特性が大幅に改善
された。
【0061】参考例4. Co34 240.8g(1mol)に対し、Li2
3 88.67g(1.2mol)、LiHCO3
0.76g(0.6mol) を秤量し、ボールミルで
よく混合した。参考例1においては、焼成する粉末をプ
レス成型した後、二段階焼成した場合について述べた
が、粉末をプレス成型せず、粉末状態のままで、粉末の
最中心部に炉温制御用熱電対を挿入した後、900℃で
25時間空気中で焼成した。焼成粉末内部で合成反応に
よる発熱がたまるわけであるから、焼成粉末の最中心部
に炉温制御用熱電対を挿入しておけば、粉末内部の昇温
分に応じて、電気炉への入力を細かく制御できるので、
900℃を超えて温度上昇が起きる心配は無い。粉末の
最中心部が最も高温になる傾向があることから、最中心
部に熱電対を挿入することは焼成粉末の最高温度を常時
検知できることになる。赤外分光器で評価したところ、
B/A比は1.0,またCo−O6 結合の完成度は2.
0であった。
【0062】参考例5. なお、上記参考例1ではLiCoO2 を合成する際に、
Co34にLi2CO3を混合して合成を行ったが、Co
34にLi2CO3とLiHCO3 の混合リチウム塩を用
いて合成を行うとよい。すなわちLiHCO3 はLi2
CO3よりも低温で分解しやすく、またLiOHと異な
り、空気中のCO2 を吸収することもなく、Li/Co
比の管理が容易である。
【0063】参考例6. 次に参考例6について説明する。Co34,8.023
gにLi2CO3を3.283g,NaHCO3 ,2.5
11gを自動乳鉢で2時間、混合した(Na添加量10
mol%)。この混合粉末を電気炉で空気中、850℃
で20時間焼成した。電気抵抗値を測定したところ20
KΩとなった。この値はNaを添加しない時の値1MΩ
に対し、約1/50となり、導電性の高い活物質になる
ことがわかる。
【0064】Naを置換した試料についてさらに説明す
る。Naの添加量は10,20,30mol%であり、
ここで用いたのはCo34とLi2CO3,Na2CO3
あり、乳鉢で十分に粉砕した。図9には、Na添加Li
CoO2 合成時の熱挙動とNa添加量に関するTG−D
TA測定結果を示す。横軸は温度(℃)、縦軸は熱量を
示す。試料は、添加濃度が10、20、30モル%の4
種である。TG−DTA測定結果昇温速度10K/mi
n)を示した。Na添加量にかかわりなく、350℃付
近から460℃付近までで一つのブロードな吸熱ピーク
を示す。これ以外には熱変化はないのでNaはLiと十
分に置換すると推測できる。図10には、この試料のX
線回折強度の変化を示した。Naの添加量に対して、強
度の強い三つのピークはどれも直線関係を示す。図11
(a)(b)(c)は、各々、Naの添加量10,2
0,30mol%において、回折角2θ=70〜10間
でスキャンした場合のX線回折結果を示す。回折パター
ンは、基本的にLiCoO2 のそれであり、小さな回折
ピークでv印を付したものがNaCo22(ASTM2
7ー682),α−Na0.75CoO2(ASTM3
2−1068),β−Na0.6CoO2(ASTM3
0−1181)などに一致するようである。
【0065】なお、LiCoO2 へのNa添加は文献
(J.Power Sources,39(1992)
313 Bludskaら)により報告されており、こ
れによるとNa20mol%まで各炭酸塩を用いて、4
00℃30hr,650℃8hr,900℃8hr焼成
で試料を作成している。Na添加によりLiの移動度が
上がり、Na濃度5mol%が最良であると結論してい
る。我々の実験結果によるとNa添加量は5mol%を
越え30mol%以下が最適であることが得られた。即
ち、Na添加量が30mol%を越え、Liがこれ以上
減少すると電池の容量が低下する。また、5mol%以
下だとLiの移動度が減り、抵抗が低下する。
【0066】参考例7. 次に、Kを置換した試料について説明する。Kの添加量
は、10,20,30mol%であり、用いたのはCo
34,Li2CO3,K2CO3である。K添加量20mo
l%について説明すると、Co34 ,8.023gに
Li2CO3 を3.283g、KHCO3、2.002
gを自動乳鉢で2時間混合した。この粉末を電気炉で空
気中850℃で20時間焼成した。電気抵抗を測定した
ところ、43Ωであった。図12に、この試料のTG−
DTAの測定結果を示した。360〜500℃付近の吸
熱ピークはKの添加量が増加するほどちいさくなる傾向
にあるが、850℃付近の吸熱ピーク(データ未収)は
逆の傾向にある。850℃付近の小さな吸熱ピークは加
えた添加量がすばやくLiと置換しない場合にみられる
ものであり(一時的にLi/Co<1となりLi不足を
生じるためである。)、Ag2O やCu2Oを加えた場
合にもみられるものである。図13には、K濃度と三つ
の回折ピークの回折強度との関係を示した。18.8度
ピークのみ屈折するのがNa添加の場合と異なってい
る。図14には、2θ=70〜10度間の回折ピークを
示した。×をふした小さなピークは帰属不明であるが、
強いピークはLiCoO2構造のものである。
【0067】以上のように、参考例6、7においては、
リチウムの一部をナトリウムやカリウムで置換する結
果、焼成組成物として、Li1 xNaxCoO2 やLi
1-xxCoO2 、あるいはLi1 xNax1x2(x1+x2
=x)などが得られ、KイオンあるいはNaイオンがL
iCoO2 の構造内に取り込まれて、導電性の高い活物
質になる。
【0068】参考例8. 次に参考例8について説明する。ナトリウム塩あるいは
カリウム塩は、炭酸塩あるいは炭酸水素塩あるいは炭酸
塩と炭酸水素塩との混合塩あるいは共晶炭酸水素塩とし
て用いることにより、熱分解温度が低くなり低温焼成が
可能となるので、結晶構造的に乱れの少ない焼成粉末が
得られる。このような例を示す。Co34,8.023
gにLi2CO3を3.283g、NaHCO3、0.8
37g、KHCO3、0.501gを自動乳鉢で2時間
混合し(Na添加量10mol%、K添加量10mol
%)、この粉末を電気炉で空気中850℃で20時間焼
成した。焼成物の電気抵抗を測定したところ、100Ω
であった。リチウム塩にこうしたNaHCO3,Na2
3,KHCO3,K2CO3を単独または混合して添加す
ることはリチウム混合塩の大幅な熱分解温度の低下だけ
でなく、融点の低下をも引き起こすので更に低温合成の
可能性を大きくひらくものである。
【0069】参考例9. 次に参考例9について説明する。Co34,8.023
gにLi2CO3を3.694g,Ag2O,11.58
7gを自動乳鉢で2時間、混合した(Ag添加量10m
ol%)。この混合粉末を電気炉で空気中、850℃で
20時間焼成した。焼成途中で分解し、金属粉末を生成
するので、非常に微細で、金属粉末が均一に分散したL
iCoO2が得られる。Ag2Oを用いた場合には、Ag
の一部がLiと置換するので、組成物としてはLi1 x
AgxCoO2:Agy(x+y=添加量)となる。金属粉
末は電気伝導度が高いため、結果として、電気伝導度の
高い組成物が得られる。電気抵抗値を測定したところ5
2KΩとなった。
【0070】図15には、Ag2O をAgにして、1
0,20,30mol%加えた試料(Co34:Li2
CO3)のTG−DTA測定結果(空気中)を示した。
250℃付近からの吸熱ピークP1 は、Agの添加量が
増加するほど大きくなるが、これはAg2OがAgとO2
に分解する反応に基ずくものであり、重量減少がこの温
度域で認められる(データ未収)。したがって、この温
度以上の温度域では、金属Agの共存下でLiCoO2
の合成反応が進行していることが明らかである。400
℃付近からの吸熱ピークP2 は、Ag添加量によりそれ
ほど大きくは変化しないが850℃からの高温側吸熱ピ
ークは、Agの添加量が増加するほど大きくなる傾向に
ある(データ未収)。
【0071】図16には、2θ=70〜10間のX線回
折ピークを示した。基本的には、LiCoO2の回折ピ
ークと金属銀(星印で示す)の回折ピークの二つがあ
る。図17には、Ag添加量と回折強度との関係を示
す。金属銀からの回折強度は、Ag濃度と共に増加し、
LiCoO2 からの回折強度は逆に減少することがわか
る。
【0072】なお、上記参考例では酸化銀を添加した
が、焼成温度までの温度域で分解し、金属粉末を生成す
る他の金属酸化物、すなわち酸化金、酸化白金、酸化イ
リジウム、酸化オスニウム、または酸化パラジウム等で
も同様の効果がある。
【0073】参考例10. 次に参考例10について説明する。Co34,8.02
3gにLi2CO3 を3.694g,Cu2O,7.15
4gを自動乳鉢で2時間、混合した(Cu添加量10m
ol%)。この混合粉末を電気炉で空気中、850℃で
20時間焼成した。電気抵抗値を測定したところ13K
Ωとなった(添加前1MΩ)。
【0074】電気伝導度の高い酸化物半導体が生成した
LiCoO2 粉末中に均一に分散する結果、電気伝導度
の高い組成物がえられる。特にCu2O を用いた場合に
は加えたCuの一部がLiと置換するので、Li1 x
xCoO2:(Cu2O)y(x+y=添加量)のような組
成物がえられる。Cu2Oは900℃では熱分解しな
い。なお、Cu2O以外にNiO,FeO,Cr23
MoO2などは空気中で十分に焼成され、酸化が進むほ
ど電気伝導度が上昇するタイプの半導体であるので、L
iCoO2あるいはLiCoO2を主成分とする組成物の
合成反応時の酸化により、更に電気伝導度が向上するの
で好ましい。
【0075】また、NiO,FeO,Cr23は、Li
CoO2 合成反応時にLiと置換するのではなく、Co
と置換する可能性を持つ。すなわち、たとえばNiOを
加えると、LiCo1 xNix2:NiOy(x+y=添加
量)という組成物がえられる。FeO,Cr2Oの添加
についても同様である。
【0076】図18には、Cu添加試料(Cu=10,
20,30mol%)のTG−DTA測定結果(空気
中)を示した。370℃から470℃の吸熱ピークP1
は、Cu濃度により変化しないが、480℃以上の吸熱
ピークP2 および810℃からの吸熱ピークP3 (図は
拡大図)はCu濃度の増加につれて増加する傾向にあ
る。図19にはX線回折結果を示した。星印はCu2
の回折ピークを示すが、基本的にはLiCoO2 が主で
ある。Cu添加量10mol%,30mol%にはCo
34の回折ピークが見られるが、これは焼成時間が30
分の試料であるのでさらに長時間焼成した試料では観察
されなかった。
【0077】図20(a)(b)には各々Cu添加試料
とAg添加試料の三つの回折ピーク(2θ=45.2
度、37.3度,18.8度)の回折強度を示した。C
u添加試料の方が直線性の成立する濃度範囲が広いこと
から、Cuの方がAgよりもLiと置換しうる濃度範囲
が広いと推察できる。
【0078】参考例11. 次に参考例11について説明する。Co34,8.02
3gにMnO2、8.181g,Li2CO3 を3.69
4gを自動乳鉢で2時間、混合した(Mn添加量30m
ol%)。この混合粉末を電気炉で空気中、850℃で
20時間焼成した。
【0079】LiCoO2 の合成反応は、次の化学式で
示すように余分の酸素を必要とする反応である。
【0080】
【化2】
【0081】通常、高温合成したLiCoO2 は問題と
なるほどの酸素不足をかかえている。すなわち、LiC
oO2 y(0<y<0.3)でその組成があらさわれる。
LiCoO2 合成中に分解する酸化物から発生する酸素
は、上記不足酸素量を補償し、ストイキオメトリーを良
くする効果を有する。
【0082】酸素不足量を少なくするためリチウムの過
酸化酸化物を用いる合成法もある(M,G,S,R,T
homaset al.,Mat.Res.Bul
l.,20(1985)1137)。
【0083】CoにMnを置換した試料について説明す
る。Mnの添加量は10,20,30mol%であり、
用いたのはCo34,MnO2,Li2CO3である。図
21にはMnO2 添加時のTG−DTA測定結果を示し
た。Mn添加量にかかわりなく、360℃付近から48
0℃付近まで、一つの吸熱ピークを示す。これ以外に熱
変化が無いので、MnはCoと同程度にリチウム化が進
行すると考えられる。
【0084】図22には回折角2θ=70〜10間で測
定したX線回折結果を示した。Mnの添加量が増えるに
つれて、リチウムマンガン酸化物の量が増えている。図
23には、MnO2 添加の赤外吸収スペクトルを示し
た。矢印で示す波数660cm-1のピークはスピネル構
造に固有のピークである。したがって、この赤外吸収ス
ペクトルからMnを添加した試料では、LiCoO2
層状構造とリチウム化マンガン酸化物のスピネル構造と
が共存しており、結晶構造がコンポジット化していると
いえる。スピネル構造をもつリチウム化マンガン酸化物
は、高性能リチウム二次電池用正極材料としてLiCo
2 に匹敵する有力な候補材料である。スピネル構造
は、Liを収容しうる多くのトンネル構造を持っている
ので、このコンポジット化した結晶構造をもつMn添加
組成物は、優れたリチウム収容能力を持っている。即ち
容量の高い二次電池が得られる。
【0085】表4には、これまで説明してきたNa,
K,Ag,Cu2OおよびMnO2を5,10,20,3
0mol%加えた試料の電気抵抗測定結果を示した。
【0086】
【表4】
【0087】なお、焼成粉末の電気抵抗測定は次の手順
で行なった。めのうの乳鉢で細かく粉砕した焼成粉末を
1gとり、プレスで13mmの円盤に2ton/cm2
の圧力で成形した。この成型体の両側を銅板で挟み込
み、デジタルボルトメーターで電気抵抗を測定した。
【0088】表4の結果をまずLiCoO2の前述の文
献値と比較する。LiCoO2の電気抵抗値であるが、
先に上げた文献値100Ωcmをこの測定円盤サイズに
換算すれば、26.5Ωとなる。表4で我々の値は1M
Ωである。このくい違いの原因は粉体の粒径やプレス圧
力の違いなどが考えられる。尚、これらの具体的な数値
が上げられてないので、これ以上の考察は不可能であ
る。
【0089】K添加では、20mol%以上で10万分
の1に、またAg添加では30mol%以上で10万分
の1になる。Cu添加では20mol%以上で千分の1
に、Na添加では30mol%以上で千分の1になって
いる。なお、Mn添加では電気抵抗の低下は見られな
い。
【0090】このように、K,Ag,Cu,Naの添加
により、本質的に電気抵抗値の高いLiCoO2 を低抵
抗とすることができ、正極の内部抵抗を減少させること
ができる。特に、K添加物とAg添加物で顕著である。
Cu添加物やNa添加物でもかなりの効果が期待でき
る。
【0091】参考例12. 次に参考例12について説明する。まず赤外吸収スペク
トル(1000から200cm 1)からの評価について
述べる。前述したようにCo−O6 伸縮吸収帯(600
cm)をノーマル部(A)と非ノーマル部(B)に分割
し、算出した面積比(B/A)はストイキオメトリー
(O/Co)に関連するパラメータである。B/A比が
小さいほど、LiCoO2中の酸素不足が少なく、B/
A比が大きいほど、酸素不足も大きくなる。図24に示
すように、このB/Aと正極活物質内のリチウムイオン
の拡散係数との関係では、B/A値が2の付近に極大を
持つ。なお、リチウムイオンの拡散係数は、一般的な電
気化学的測定法であるサイクリックボルタンメトリー法
によって測定した。リチウムイオンの拡散係数は、電池
反応時の電流に関係し、拡散係数が大きいと反応電流も
大きい。拡散係数にして10-12以上の値が望ましく、
したがってB/Aの範囲は、0.5から3.0が望まし
い。
【0092】また、前述のように247cm-1の吸収帯
(Co−O6 結合の変角振動)と600cm-1の吸収帯
との吸光度比はCo−O6 結合の完成度を示すと考えら
れる。この値が小さいほど、完成度が低く、この値が大
きいほど完成度が高い。図25に示すように、Co−O
6 結合の完成度を示す指標と考えられる247cm-1の吸
収帯と600cm-1の吸収帯との吸光度の比が4までは、
活物質重量あたりの放電容量が増大する。実用に適する
放電容量は、70mAh/g以上と考えられるから、吸
光度の比としては、0.5〜4.0が望ましい。
【0093】以上、この二点の評価は、X線回折結果か
らは決して得ることができない非常に重要なものであ
る。表5には、添加物に関して、赤外吸収からのまとめ
を示した。
【0094】
【表5】
【0095】添加元素の中で、NaとMnだけがB/A
比を小さくする効果を持つことが明白である。すなわ
ち、NaとMnの添加は、酸素不足を生じにくくする。
それに反して、K,Ag,Cuはそうした特別の効果を
有せず、無添加の場合と全く同一のB/A比を与える。
【0096】次に、結晶構造の完成度にも係わるCo−
6 結合の完成度に与える添加元素の影響についてみる
と、NaとKはほぼ似た効果を持ち、Naの方がややす
ぐれている印象を受ける。Ag、Cu、Mnについて
は、それほど異ならず、NaやKに比して、特別にすぐ
れた効果を持たないようである。
【0097】実施例. 次に本発明の実施例について説明する。本実施例では
上記のような正極材料を用いた二次電池及びその製造方
法について述べる。図26は本実施例によるリチウム二
次電池の断面構成図であり、電極層の成形法として湿式
法を用いた。正極は、溶剤としてNMP溶液33重量部
に、バインダーとしてPVdF3重量部を溶解させ、バ
インダー溶液とし、この溶液に正極活物質1としてLi
CoO2 粉末58重量部と導電剤としてグラファイト粉
末6重量部を分散させて塗工液を作成した。この塗工液
を集電体である厚さ20μmのアルミ箔4上に塗工乾燥
後、幅30cm厚さ約150μmの長尺電極シートを作
成した。さらに同様にシリコン塗布された塗工基材上に
幅30cm、厚さ約150μmとなるよう塗工乾燥後、
塗工基材から剥すことにより正極独立膜シートを作成し
た。
【0098】負極は、溶剤としてNMP溶液33重量部
に、バインダーとしてPVdF3重量部を溶解させバイ
ンダー溶液とし、この溶液に負極活物質2としてメソフ
ェーズマイクロビーズカーボン粉末62重量部と炭酸リ
チウム2重量部を分散させて塗工液を作成した。この塗
工液を集電体である厚さ20μmの銅箔5上に塗工乾燥
後、幅31cm、厚さ約150μmの電極シートを作成
した。さらに同様にシリコン塗布された塗工基材上に幅
31cm、厚さ約150μmとなるよう塗工乾燥後、塗
工基材から剥すことにより負極独立膜シートを作成し
た。
【0099】図26に示すように、セパレータ3に対し
作成した集電箔一体化電極体上に電極独立膜シートを重
ねた2層正極及び負極体を対向させ、長さ方向に30c
mごとに4回つづら折れに折り畳んだ電池要素構造を作
成した。セパレータ3は、折り始めと折り終わりのそれ
ぞれに約2cmずつを正極および負極よりはみ出すよう
にした。その後、これらの電池要素構造を一体でプレス
し、各部材の接触を向上させた。
【0100】作成した約30cm角の電池要素をポリエ
チレン製の枠にはめ、電池要素からはみ出したセパレー
タとリザーバに接続し、さらに厚さ0.1mmのステン
レス板2枚ではさみ、周囲をプレスしながら熱融着し、
4角形の平板状単電池を作成した。
【0101】電池全体を真空容器に入れ、真空(ー75
0mmHg以下)にしたのち、予め設けられている注液
口にエチレンカーボネートとジメトキシエタンの1:1
混合溶媒に過塩素酸リチウムを1mol/l溶かした電
解液を流し込んだ。注液は、乾燥炭酸ガス雰囲気のドラ
イボックス内で行い、注液完了後、注液口を溶接、封口
した。
【0102】このようにして組み立てた電池は、初回単
電池電圧4.2Vまで充電した後、電池電圧3.6V、
162Wの出力を得た。また、本実施例では、折り畳み
電池の電極活物質層を2層以上とし、これを曲げ加工に
より折り畳んだのち、密着成形したので、電極活物質層
単層が薄くなるため、曲げに対する柔軟性が増し、また
電極層にクラックを生じることなく電池組立を行なうこ
とが可能となった。さらに、電極製法が湿式成形の場
合、膜厚が薄くなることから、成形枚数が増えることを
加味しても、乾燥時間は短縮され、製造エネルギーの削
減につながった。
【0103】実施例. 次に本発明の実施例について説明する。本実施例では
実施例と同様に正極塗工液を作成した。この塗工液を
集電体である厚さ20μmのアルミ箔上に塗工し乾燥
後、幅30cm厚さ約300μmの長尺電極シートを作
成した。また、実施例と同様に負極塗工液を作成し
た。この塗工液を集電体である厚さ20μmの銅箔上に
塗工し、乾燥させることにより幅31cm厚さ約300
μmの長尺電極シートを数枚作成した。
【0104】作成した正極及び負極体の電池組立準備加
工として、図27に示すように、折り畳み電池内で曲率
0の曲げ部に相当する部分の活物質層1、2にスリット
8を入れとともに、曲率をもつ曲げ部9に相当する活物
質1、2を集電箔4、5から取り除き、電極体を作成し
た。この正極および負極を予め必要寸法に切断されたセ
パレータである多孔質ポリプロピレンフィルム(厚さ5
0μm)を挟んで活物質層が向かい合うように重ね、図
28に示すような長さ方向に30cmごとに半円柱状の
多孔体ポロプロピレン材をスペーサー6として折り返し
部に挿入しながら、4回折り畳んだ電池要素構造を作成
した。
【0105】以下の電池組立は実施例1と同様に行い、
電池試験を行った。このようにして組み立てた電池は、
初回単電池電圧4.2Vまで充電した後、電池電圧3.
5V、158Wの出力を得た。また、長期の充放電サイ
クルを行っても、特性の顕著な低下は見られなかった。
このように本実施例では、曲率部分の電極活物質層を取
り除いたので、電極層は平板のみとして扱われ、曲げる
必要がないため、クラックを生じることなく電池組立が
可能である。また活物質等の材料も無駄なく使用できる
ため、電極活物質の材料歩留りも向上する。さらに、曲
率部分の電極を取り除かれた部分は、曲率をもつ集電箔
と各電極活物質層端面との間に、多孔体よりなる半円柱
状スペーサーが挿入してあるので、電解質リザーバーと
しての機能も期待できるばかりか、電池充放電時に電極
の膨張・収縮が生じても曲げ部分のスペーサーが集電箔
にかかる応力を緩和するため、破断することなく、安定
した充放電サイクルが期待できる。
【0106】実施例. 次に本発明の実施例について説明する。本実施例では
実施例と同様に、厚み約300μmの連続活物質層の
長尺電極を数枚作成した。その後、図29に示されるよ
うに3つの電池(電極対)を平行に積み重ねて、実施例
と同様に折り畳み電池を組み上げ、電池試験を行っ
た。内部電池集電箔からリード線7を取り出し3層の電
池が並列回路となるように配線した。この後実施例
同様に組み立てられた電池は、初回単電池電圧4.2V
まで充電した後、電池電圧3.7V、500Wの出力を
得た。また、長期の充放電サイクルを行っても、特性の
顕著な低下は見られなかった。
【0107】このように本実施例では、2つ以上の電池
を平行に重ねて折り畳みを行ったので、折り畳み外側部
分の電極の曲率は内側部分のそれより大きくなるため、
電池組立時にクラックを生じる確率は少なくなる。ま
た、内側部分の電極は小さな曲率となるものの、外側部
材にサポートされているため、強度が向上するためクラ
ックの発生が避けられる。さらに電池充放電時にも、曲
率の大きい部分では電極層の膨潤・収縮による集電箔へ
の応力が比較的小さくなるため、集電箔の破断は抑制さ
れる。
【0108】実施例. 次に本発明の実施例について説明する。本実施例で
は、実施例と同様に厚み約300μmの連続活物質層
の長尺電極を数枚作成した。その後、図30(a)
(b)に示される様に直交する電池層を交互に重ね合わ
せながら、折り畳み電池要素構造を組み立てた。曲げ部
内側には半円柱状スペーサー6を挿入した。以後実施例
と同様に電池を組み上げ、電池試験を行った。このよ
うにして組み立てた電池は、初回単電池電圧4.2Vま
で充電した後、電池電圧3.7V、666Wの出力を得
た。また、長期の充放電サイクルを行っても、特性の顕
著な低下は見られなかった。このように本実施例では2
つ以上の電池を直角に重ねて交互に重ね合わせながら折
り畳んだので、電極層を折り畳む曲率を電極破断曲率よ
り大きく設計できるため、クラックを生じることなく電
極層を折り畳むことが容易になり、製造歩留りが向上す
る。さらに電池充放電時にも曲率が大きいため、電極層
の膨潤・収縮による集電箔への応力が比較的小さくなる
ため、集電箔の破断は抑制される。
【0109】実施例. 次に本発明の実施例について説明する。本実施例で
は、実施例の方法に従い、電極塗工液を作成後シリコ
ン塗布基材上に塗工し、乾燥後厚み約300μmとなる
ように正極及び負極独立膜シートを作成した。これを電
池平面面積30cm角に切断し、図28の構成となるよ
うに電池要素を構成させ、以下実施例と同様に電池要
素構造を一体でプレスし、各部材の接触を向上させた。
このようにして組み立てた電池は、初回単電池電圧4.
2Vまで充電した後、電池電圧3.5V、158Wの出
力を得た。また、長期の充放電サイクルを行っても、特
性の顕著な低下は見られなかった。
【0110】比較例1・・・実施例と同様に電極塗工
液を作成し、集電箔上に塗工乾燥させ、厚み300μm
の単層塗膜シートを作成し、プレスすることにより比較
的活物質充填率の高い正極及び負極の電極シートを作成
した。シートサイズは実施例と同様である。実施例
と同様に、セパレータに対し作成した集電箔一体化電極
体上に電極独立膜シートを重ねた正極及び負極体を対向
させ、図31に示すような長さ方向に30cmごとに4
回つづら折れに折り畳んだ電池要素構造を作成した。こ
の工程の際、曲げ部分で電極層にクラックが生じたり、
電極活物質層が集電箔から剥がれることがあったが、実
施例と同様に電池要素構成を作成した。この後、電池
構成要素のプレス工程を省いた以外は実施例と同様に
電池を組み立て電池試験を行った。このようにして組み
立てた電池は、初回単電池電圧4.2Vまで充電した
後、電池電圧3.3V、148Wの出力を得た。また、
長期の充放電サイクルを行った際、特性の低下率が比較
的大きかった。
【0111】比較例2・・・比較例1と同様に電極塗工
液を作成し、集電箔上に塗工乾燥させ、厚み約300μ
mの単層塗膜シートを作成した。この未プレスのシート
を用い実施例と同様に電池要素構成を作成し、電池組
立後、同様に電池試験を行った結果、電池電圧3.4
V、153Wの出力を得た。また、長期の充放電サイク
ルを行った際、特性の低下率が比較的大きかった。
【0112】以上のように、比較的気孔度の高い電極活
物質層を未プレス状態で折り畳んだ後、プレスすること
によって、電池特性が向上することが明かとなった。
【0113】参考例13. 次に参考例13について説明する。本参考例では、正極
活物質として無機酸化物を用い、負極活物質としてカー
ボンを用いるリチウム二次電池において、正極活物質で
ある無機酸化物、もしくは負極活物質であるカーボンの
平均粒径が異なる粒径の粉体を混合することにより充填
率を増加させることを目的にしている。即ち、最密構造
は立方最密構造と六方最密構造があり、単一平均粒径の
粉体においてその粒子を球形とすると、その充填率はモ
デル上は約0.76である。しかし、この粒子間の空隙
にはいるような小粒径の粒子をこの大粒径の粒子に混合
することにより、充填率を更に増加させることができ
る。
【0114】塗工溶剤としてNMP溶液33重量部に、
バインダーとしてPVdF3重量部を溶解させバインダ
ー溶液とした。この溶液に正極活物質としてコバルト酸
リチウム粉末を平均粒径10μmである大粒径粉体に粒
径比0.05である小粒径粉体を大粒径に対する小粒径
の重量比0.2となるように添加し、全体で58重量部
となるようにした。これに導電剤として黒鉛粉末6重量
部を分散させて塗工液を作成した。この塗工液を集電体
である厚さ20μmのアルミ箔上に塗工し、乾燥させる
ことにより約150μmの電極シートを作成した。この
電極の重量及び体積を測定することにより電極の充填率
を得た。この結果充填率は比較例3で示す単一平均粒径
の活物質粉体の場合に比べて、充填率が約20%増加し
た。
【0115】比較例3・・・平均粒径10μmである活
物質のみを用いた以外は参考例13と同様に電極シート
を作成し、同様の評価を行なった。充填率は、0.61
であった。
【0116】このように正極及び負極活物質において粒
径の異なる少なくとも二種類以上の粉体を混合すること
により、活物質の充填率を向上させることができる。こ
のことにより単位体積当りの放電容量を増加させること
ができ、電池性能を向上させることができる。なお、上
参考例では小粒子の粒径は大粒子の粒径を1とした
時、0.05の例を示したが、小粒子の粒径の比率は
0.3以下であれば同様の効果がある。
【0117】参考例14. 次に参考例14について説明する。本参考例では、負極
カーボンにおいて電位特性の異なる少なくとも二種類以
上のカーボンを混合することにより、負極電位を上昇さ
せ、負極におけるリチウム金属の析出を抑えることを目
的としている。カーボンは出発原料や焼成温度、焼成時
間によって粉体の特性が大きく異なることがわかってい
る。よって負極に用いるカーボンにおいてもカーボンの
種類によってその電極特性が異なり、容量、電位等違い
が大きい。よってこれら特性の異なるカーボン粉体を混
合することにより、電位特性の異なるカーボン電極を作
成することができる。
【0118】塗工溶剤としてNMP溶液45重量部に、
バインダーとしてPVdF5重量部を溶解させバインダ
ー溶液とした。この溶液に負極活物質としてカーボン粉
末の単独の電極電位が約0Vであるものと、約0.2V
であるものを重量比1対1になるように添加し、全体で
50重量部となるようにし塗工液を作成した。この塗工
液を集電体である厚さ20μmの銅箔上に塗工し、乾燥
させることにより約100μmの電極シートを作成し
た。この電極の重量及び体積を測定することにより電極
の充填率を得た。また、コイン型セルにて正極にコバル
ト酸リチウム、電解液にエチレンカーボネート/ジメト
キシエタン/過塩素酸リチウムの混合液を用いて電池試
験を行った。この結果単独の場合よりも平均電位の降下
を抑制することができ、リチウム金属の析出を抑制する
ことができた。
【0119】比較例4・・・平均電極電位が約0Vであ
るカーボンのみを用いたという以外は参考例14と同様
に電極シートを作成し、同様の評価を行なったところ、
平均電極電位が0V以下になり、電池分解後リチウム金
属の析出がみられた。
【0120】参考例15. 次に参考例15について説明する。本参考例では、正極
組成の適正化による放電容量向上に関するものである。
リチウム二次電池の両電極は粉体を用いているので、成
形を行うためにバインダーを添加する必要がある。しか
し、過剰な量は電極反応を阻害する恐れがある。前記の
ようにバインダー量が多いと活物質充填率に影響をする
こともある。このため、スラリーの成形性や電極構造の
自由度と活物質充填率及び電極反応を考慮をした適正値
を検討した結果、バインダーが、粉体である正極活物質
と導電剤の表面に被覆されている時、バインダーの平均
被覆厚みtB(nm)が、3≦tB≦16の範囲がバイン
ダーの適正値であるとした。
【0121】塗工溶剤としてNMP溶液30重量部に、
バインダーとしてPVdFを1.5から4重量部を溶解
させ濃度の異なるバインダー溶液を作成した。この溶液
に正極活物質としてコバルト酸リチウム粉末60重量部
と導電剤としてグラファイト粉末6重量部を分散させて
塗工液を作成した。この塗工液を集電体である厚さ20
μmのアルミ箔上に塗工し、乾燥させることにより約1
50μmの電極シートを作成した。これらの電極につい
て、コイン型セルにて負極にカーボン電極、電解液にエ
チレンカーボネート/ジメトキシエタン/過塩素酸リチ
ウムの混合液を用いて電池試験を行った。その結果を図
32に示す。この結果バインダーの組成が増加し、粉体
表面での被覆厚みが16(nm)を越えると放電容量が
急減することがわかった。また、強度と成形性から被覆
厚みは3(nm)以上が望ましい。
【0122】参考例16. 次に参考例16について説明する。本参考例では、正極
組成の適正化による充填率向上に関するものである。正
極活物質は無機酸化物であり電子電導性に乏しいので、
導電剤として黒鉛を投入している。電極中の黒鉛濃度が
増加すると電極の電子抵抗は減少するが、活物質の充填
率は減少することになる。このため活物質の充填率と電
極抵抗において適正値を検討し、黒鉛濃度の適正値を求
めた。この濃度範囲を図33において説明する。この図
の横軸は活物質の体積分率xA(=VA/(VA+VG)、
A は活物質体積、VG は黒鉛体積)、縦軸に活物質充
填率φAと黒鉛充填率φGを示したものである。この図よ
り活物質体積分率が上昇するほど活物質充填率は上昇す
ることがわかる。しかし、ある濃度において充填率が飽
和することがわかる。この最密充填の値をφACとし、こ
の時の活物質体積分率をxACとするとこの時の黒鉛濃度
は1−xACとなる。よってこの濃度以下であれば活物質
充填率は最密充填になる。しかし、黒鉛濃度が低くなる
と抵抗が大きくなるので濃度の下限界としては抵抗上昇
による電圧損失の量より決定した。即ち、黒鉛体積分率
G(=VG/(VA+VG))が以下の範囲が最適であ
る。 (1−xAC)/3≦xG≦1−xAC
【0123】塗工溶剤としてNMP溶液30重量部に、
バインダーとしてPVdFをバインダー被覆厚みを12
nmとなるように溶解させバインダー溶液とした。この
溶液に正極活物質としてコバルト酸リチウム粉末60重
量部と導電剤としてグラファイト粉末3から8重量部を
分散させて塗工液を作成した。この塗工液を集電体であ
る厚さ20μmのアルミ箔上に塗工し、乾燥させること
により約150μmの電極シートを作成した。この電極
の重量及び体積を測定することにより電極の充填率を得
た。この電極の電子抵抗をミリオーメータにより測定を
行った。また、コイン型セルにて負極にカーボン電極、
電解液にエチレンカーボネート/ジメトキシエタン/過
塩素酸リチウムの混合液を用いて電池試験を行った。そ
の結果を図34から図35に示す。この結果、黒鉛濃度
を下げると活物質充填率はある黒鉛濃度で飽和すること
がわかり、この濃度以下、即ちxG ≦0.13で電極を
作成すれば活物質充填率は最も高い値になることがわか
る(図34)。しかし、黒鉛は導電剤であるので組成比
が下がると電極の電子抵抗が増加することがわかる(図
35)。従って0.05≦xG とするとよい。
【0124】参考例17. 次に参考例17について説明する。本参考例では、電極
組成の適正化による放電容量の向上に関するものであ
る。電極は多孔質でありこの間に電解液が入り、活物質
と反応を行っている。よってこの電解液が入り込む空隙
が適当量存在することが必要となる。空隙率P(%)の
適正値は10≦P≦30の範囲がよい。
【0125】即ち、参考例13から参考例16で作成し
た正極の空隙率を測定し、この値と重量当りの放電容量
との関係を図36に示した。この結果空隙率が10%以
下になると放電容量が急減することがわかった。また、
30%以上になると体積当りの放電容量が低下すること
がわかった。
【0126】なお、電極構造の改良により充填率を増加
させた場合の放電容量の増加の割合を示した図を図37
に示す。この図より充填率を増加させるほど放電容量は
増加することがわかる。
【0127】なお、以上参考例13から参考例17に示
したリチウム二次電池の電極において、電極作成におけ
る塗工溶剤のバインダー1重量部に対する割合は5〜3
0重量部、好ましくは8〜20重量部であることが望ま
しい。作製方法の一例としては該バインダーを塗工溶剤
に溶解させバインダー溶液を作成し、この溶液に活物質
等を分散させたものを基体もしくは電極集電体上に成形
する方法等がある。上記バインダーとしては特に限定は
しないが、フッ素樹脂が特に好ましく、一例としてはポ
リフッ化ビニリデン(PVdF)やポリテトラフルオロ
エチレン(PTFE)等が挙げられる。上記溶剤として
は前記バインダーを溶解し得るものならば特に限定はし
ないが、一例としてはN−メチルピロリドン(NM
P),N,Nジメチルホルムアミド(DMF)等が挙げ
られる。上記負極活物質としては特に限定はしないが、
一例としてはグラファイト,グラッシーカーボン,カー
ボンブラック,コークス,熱分解炭素,炭素繊維等の炭
素材料が挙げられる。上記正極活物質としては特に限定
はしないが、一例としてはTiS2,MoS2,Mn
2,V25,V613,LiCoO2,LiNiO2,L
iMn24等の無機化合物等が列挙される。上記集電体
としては、銅,アルミニウム,ニッケル,鉄,ステンレ
ス等の箔,メッシュ,エキスパンドメタル等が挙げられ
る。該バインダーを用いて上記のように作成した電極を
非水電解液電池に用いる場合、負極もしくは正極として
も用いることができ、かかる電池の電解質もしくは電解
液についても特に限定されるものはなく、従来と同様の
ものを用いることができる。
【0128】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、リチウ
ム二次電池として、集電箔の片面上に電極活物質層が2
層以上形成された正極及び負極を、セパレータを介して
対向させ、この電極対を折り畳んだのち、密着成形した
ので、電極にクラックを生じさせることなく折り畳み電
池の容易な製造が可能となる。
【0129】また、リチウム二次電池として、電極活物
質塗布面が連続した一枚の集電箔の片面上に、断続的に
電極活物質層が形成された正極及び負極を、セパレータ
を介して対向させ、折り畳んで構成することにより、上
記電極活物質層が平板部分のみに設けられ、かつ上記集
電箔により、折り畳まれた隣合わせの電極活物質層を連
結したリチウム二次電池において、折り曲げ部には、曲
率をもつ集電箔と各電極活物質層端面との間に、多孔体
よりなるスペーサが挿入されているので、電極層は平板
のみとして扱われ、曲げる必要がないため、クラックを
生じることなく電池組立が可能である。また、折り曲げ
部には、曲率をもつ集電箔と各電極活物質層端面との間
に、多孔体よりなるスペーサーが挿入されているので、
電解質リザーバーとしての機能があると共に、電池充放
電時に電極の膨張・収縮が生じてもスペーサーが集電箔
にかかる応力を緩和するため、集電箔が破断することな
く、安定した充放電サイクルが期待でき、高い電池性能
の二次電池が得られる効果がある。
【0130】また、複数の電池層を重ねて折り畳むこと
により、大面積電極を少ない折り畳み回数で得られるた
め、結果として大容量の電池製造能力が向上する。
【0131】
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の参考例1に係わるコバルト酸化物の
熱処理前後のX線回折結果を示す説明図である。
【図2】 LiCoO2 の分解を表わすTG−DTAの
測定結果を示す説明図である。
【図3】 熱処理試料のX線回折強度を示す特性図であ
る。
【図4】 熱処理試料の赤外吸収スペクトル及び吸光度
比を示す特性図である。
【図5】 Li/Co比に関するTG−DTAの結果を
示す説明図である。
【図6】 Co−O伸縮吸収帯を示す説明図である。
【図7】 LiCoO2 のストイキオメトリーとB/A
面積比を示す説明図である。
【図8】 Li(7)CoO2およびLi(6)CoO2
の赤外吸収スペクトルを示す特性図である。
【図9】 本発明の参考例6に係わるNa添加LiCo
2 合成時の熱挙動とNa添加量に関するTG−DTA
測定結果を示す説明図である。
【図10】 本発明の参考例6に係わるX線回折強度の
変化を示す特性図である。
【図11】 本発明の参考例6に係わるX線回折強度の
変化を示す特性図である。
【図12】 本発明の参考例7に係わるK添加LiCo
2 合成時の熱挙動とK添加量に関するTG−DTA測
定結果を示す説明図である。
【図13】 本発明の参考例7に係わるX線回折強度の
変化を示す特性図である。
【図14】 本発明の参考例7に係わるX線回折強度の
変化を示す特性図である。
【図15】 本発明の参考例9に係わるAg添加LiC
oO2 合成時の熱挙動とAg添加量に関するTG−DT
A測定結果を示す説明図である。
【図16】 本発明の参考例9に係わるX線回折強度の
変化を示す特性図である。
【図17】 本発明の参考例9に係わるX線回折強度の
変化を示す特性図である。
【図18】 本発明の参考例10に係わるCu添加Li
CoO2 合成時の熱挙動とCu添加量に関するTG−D
TA測定結果を示す説明図である。
【図19】 本発明の参考例10に係わるX線回折強度
の変化を示す特性図である。
【図20】 本発明の参考例10と参考例9に係わるX
線回折強度の変化を示す特性図である。
【図21】 本発明の参考例11に係わるMn添加Li
CoO2 合成時の熱挙動とMn添加量に関するTG−D
TA測定結果を示す説明図である。
【図22】 本発明の参考例11に係わるX線回折強度
の変化を示す特性図である。
【図23】 本発明の参考例11に係わる赤外吸収スペ
クトルを示す特性図である。
【図24】 本発明の参考例12に係わるB/Aとリチ
ウムイオンの拡散係数との関係を示す説明図である。
【図25】 本発明の参考例12に係わる吸光度比と放
電容量との関係を示す説明図である。
【図26】 本発明の実施例によるリチウム二次電池
を示す断面構成図である。
【図27】 本発明の実施例によるリチウム二次電池
の製造方法を示す説明図である。
【図28】 本発明の実施例によるリチウム二次電池
を示す断面構成図である。
【図29】 本発明の実施例によるリチウム二次電池
を示す構成図である。
【図30】 本発明の実施例によるリチウム二次電池
を示す構成図である。
【図31】 従来の折り畳み型リチウム二次電池を示す
構成図である。
【図32】 本発明の参考例15に係わるバインダーの
粉体への被覆厚みと正極の重量当りの放電容量の関係を
示す特性図である。
【図33】 活物質/黒鉛の系のジオメトリーを示す説
明図である。
【図34】 本発明の参考例16に係わる黒鉛体積分率
を変化させたときの正極活物質充填率を示す特性図であ
る。
【図35】 本発明の参考例16に係わる黒鉛体積分率
を変化させたときの正極の比抵抗を示す特性図である。
【図36】 本発明の参考例17に係わる正極内の空隙
率と放電容量との関係を示す特性図である。
【図37】 活物質充填率を変化させた場合の単位体積
当りの放電容量を示す特性図である。
【図38】 従来のコイン型電池の構造を示す構成図で
ある。
【図39】 従来のクラッド式鉛電池の構造を示す構成
図である。
【図40】 粉体/バインダーのジオメトリーを示す説
明図である。
【図41】 粉体の平均粒径と充填率との関係を示す説
明図である。
【符号の説明】
1 正極活物質層 2 負極活物質層 3 セパレータ 4 正極集電箔 5 負極集電箔 6 折り畳み電池曲げ部スペーサー 7 集電用リード線 8 電極活物質層スリット位置 9 電極活物質層離型部 10 シール材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西村 隆 尼崎市塚口本町8丁目1番1号 三菱電 機株式会社 中央研究所内 (72)発明者 塩田 久 尼崎市塚口本町8丁目1番1号 三菱電 機株式会社 中央研究所内 (72)発明者 白神 昭 尼崎市塚口本町8丁目1番1号 三菱電 機株式会社 中央研究所内 (56)参考文献 実開 平4−35351(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01M 10/40 H01M 4/02 - 4/04

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 集電箔の片面上に電極活物質層が2層以
    上形成された正極及び負極を、セパレータを介して対向
    させ、この電極対を折り畳んだのち、密着成形したこと
    を特徴とするリチウム二次電池。
  2. 【請求項2】 電極活物質塗布面が連続した一枚の集電
    箔の片面上に、断続的に電極活物質層が形成された正極
    及び負極を、セパレータを介して対向させ、折り畳んで
    構成することにより、上記電極活物質層が平板部分のみ
    に設けられ、かつ上記集電箔により、折り畳まれた隣合
    わせの電極活物質層を連結させたリチウム二次電池であ
    って、折り曲げ部には、曲率をもつ集電箔と各電極活物
    質層端面との間に、多孔体よりなるスペーサが挿入され
    ていることを特徴とするリチウム二次電池。
  3. 【請求項3】 正極及び負極をセパレータを介して対向
    させ、この電極対を折り畳んで構成されるリチウム二次
    電池において、二つ以上の上記電極対を平行に重ねて折
    り畳んだことを特徴とするリチウム二次電池。
  4. 【請求項4】 正極及び負極をセパレータを介して対向
    させ、この電極対を折り畳んで構成されるリチウム二次
    電池において、2つ以上の上記電極対を直角に重ねて交
    互に重ね合わせながら折り畳んだことを特徴とするリチ
    ウム二次電池。
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