JP2019040709A - 全固体リチウムイオン二次電池およびその製造方法 - Google Patents

全固体リチウムイオン二次電池およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】酸化物固体電解質と水素化物固体電解質との両方を利用してそれぞれの利点を享受しながら、一体焼成を可能にして低コスト化に寄与する全固体リチウムイオン二次電池およびその製造方法を提供する。【解決手段】本発明の全固体リチウムイオン二次電池は、正極活物質を含む正極層と、負極活物質を含む負極層と、前記正極層および前記負極層の間に設けられた酸化物固体電解質層とを有し、前記酸化物固体電解質層は、Li3BO3とLi2SO4とを含む酸化物ガラスセラミックス固体電解質を含み、前記負極層は、前記酸化物ガラスセラミックス固体電解質が前記負極活物質と直接接触しないように、該負極活物質が水素化物固体電解質で被覆されており、該水素化物固体電解質がLi2B12H12からなる、ことを特徴とする。【選択図】図2

Description

本発明は、全固体電池の技術に関し、特に、リチウムイオンをキャリアとする全固体リチウムイオン二次電池およびその製造方法に関するものである。
リチウムイオン二次電池は、その他の二次電池と比較して高いエネルギ密度を有することから、同じ電気容量の二次電池を小型化・軽量化するのに有利である(電池容積を同じにした場合、大電気容量化・高出力化できる)。そのため、リチウムイオン二次電池は、例えば、小型電子機器(携帯パソコン、携帯電話機、ウェアラブル機器など)用の電源として広く利用されている。
リチウムイオン二次電池では電解質として非水電解液が広く用いられてきたが、非水電解液は耐熱性・耐火性の観点で弱点がある。これに対し、近年、非水電解液よりも高い耐熱性・耐火性を有する固体電解質(例えば、無機固体電解質)を用いた全固体リチウムイオン二次電池が、精力的に研究・開発されている。
また、全固体リチウムイオン二次電池は薄膜型とバルク型とに大別できる。電気容量の観点からは電極活物質の絶対量を多くできるバルク型が有利である。言い換えると、バルク型の構成であれば電気容量に余裕が取れるので、電気機器の大小(消費電力量の大小)による制約が少なくなり、幅広く適用することが可能となる。
現在、無機固体電解質として酸化物固体電解質や水素化物固体電解質の研究が精力的に進められている。一般的に、酸化物固体電解質は、正極電位で電気化学的に安定であり(耐酸化性に優れており)、大気中でも化学的に安定であるという利点を有するが、負極電位環境で還元され易いという弱点を有する。一方、水素化物固体電解質は、負極電位で電気化学的に安定である(耐還元性に優れている)という利点を有する。
例えば、特許文献1(WO 2015/151144)には、正極合剤層と負極合剤層との間に固体電解質層を有するリチウムイオン二次電池において、前記正極合剤層は、正極活物質と、前記正極合剤層の間に入り込んだ正極Li伝導性結着材とを有し、前記固体電解質層は、前記正極Li伝導性結着材または固体電解質粒子の少なくともいずれかを有する第一の固体電解質層であり、前記負極合剤層は、負極活物質と負極Li伝導性結着材とを有するリチウムイオン二次電池が開示されている。また、前記第一の固体電解質層と前記負極合剤層との間に第二の固体電解質層を有し、前記第二の固体電解質層は、負極Li伝導性結着材を有する構成が開示されている。
国際公開第2015/151144号
特許文献1によると、固体電解質として高分子電解質のような耐酸化性が比較的低い材料を用いた場合であっても、該高分子電解質が正極の電位により酸化分解されることを防ぎ、かつ内部抵抗の上昇を防ぐことができるとされている。
特許文献1では、第一固体電解質層を構成する固体電解質粒子として、ペロブスカイト型酸化物、NASICON型酸化物、LISICON型酸化物、ガーネット型酸化物、β-アルミナなどが用いられ、正極Li伝導性結着材として、Li-B酸化物、Li-V酸化物などが用いられている。また、第二固体電解質層を構成する負極Li伝導性結着材として、高分子電解質(エーテル含有高分子化合物、カーボネート含有高分子化合物など)や、Li水素化物(LiBH4、LiBH4-Liハロゲン化物)や、Li含有硫化物(Li2S-P2S5など)が用いられている。
なお、全固体リチウムイオン二次電池では、リチウムイオン伝導経路としての固体電解質が非水電解液のような流動性を有しないことから、固体電解質自体が高いイオン伝導性を有する必要があると共に、各層(正極活物質層/固体電解質層/負極活物質層)の間で良好なイオン伝導パスを構築する(イオン伝導の障害を極力低減する)必要がある。これらの要求を実現するためには、基本的には積層体全体を一体として熱処理し接合することが望ましい。
特許文献1によると、第一固体電解質層の形成には、高温(例えば700℃)の熱処理を要する。一方、第二固体電解質層を構成する負極Li伝導性結着材は、該熱処理温度に耐えるほどの耐熱性を有していない。そのため、第二固体電解質層を第一固体電解質層と積層した状態で一緒に形成することができず、別々に用意した後に積層する工程を要する。言い換えると、特許文献1の全固体電池は、一体熱処理が困難なことから工程数が増加し易く、プロセスコストが増加し易い弱点を有すると考えられる。
ここで、二次電池のような電気部品/電気製品において、安全性や長期信頼性の確保は当然のことであるが、低コスト化も最重要課題のうちの一つである。
上記のような事情を鑑み、本発明の目的は、酸化物固体電解質と水素化物固体電解質との両方を利用してそれぞれの利点を享受しながら、一体焼成を可能にして低コスト化に寄与する全固体リチウムイオン二次電池およびその製造方法を提供することにある。
(I)本発明の一態様は、全固体リチウムイオン二次電池であって、
正極活物質を含む正極層と、負極活物質を含む負極層と、前記正極層および前記負極層の間に設けられた酸化物固体電解質層とを有し、
前記酸化物固体電解質層は、Li3BO3とLi2SO4とを含む酸化物ガラスセラミックス固体電解質を含み、
前記負極層は、前記酸化物ガラスセラミックス固体電解質が前記負極活物質と直接接触しないように、該負極活物質が水素化物固体電解質で被覆されており、該水素化物固体電解質がLi2B12H12からなる、
ことを特徴とする全固体リチウムイオン二次電池を提供する。
なお、本発明において、ガラスセラミックス(結晶化ガラスとも呼ばれる)は、非晶質のガラス相中に無数の微細な結晶粒子が析出した微細組織を有するものであり、焼結組織を有するセラミックスとは全く異なるものである。
(II)本発明の他の一態様は、上記の全固体リチウムイオン二次電池の製造方法であって、
前記正極活物質の粒子と酸化物ガラス固体電解質の粒子とを含む正極活物質層グリーンシートを用意する正極活物質層グリーンシート用意工程と、
前記酸化物ガラス固体電解質の粒子を含む固体電解質層グリーンシートを用意する固体電解質層グリーンシート用意工程と、
前記水素化物固体電解質で被覆された前記負極活物質を含む負極活物質層グリーンシートを用意する負極活物質層グリーンシート用意工程と、
前記正極活物質層グリーンシートと前記固体電解質層グリーンシートと前記負極活物質層グリーンシートとを積層し、前記酸化物ガラス固体電解質のガラス転移温度以上の温度で加熱圧着してセル構造積層体を形成するセル構造積層体加熱圧着工程と、
前記セル構造積層体を前記酸化物ガラス固体電解質の結晶化温度以上に加熱して該酸化物ガラス固体電解質を前記酸化物ガラスセラミックス固体電解質にする加熱結晶化工程とを有する、ことを特徴とする全固体リチウムイオン二次電池の製造方法を提供する。
本発明によれば、酸化物固体電解質と水素化物固体電解質との両方を利用してそれぞれの利点を享受しながら、一体焼成を可能にして低コスト化に寄与する全固体リチウムイオン二次電池およびその製造方法を提供することができる。
本発明に係る全固体リチウムイオン二次電池の一例を示す概略断面図である。 本発明に係る全固体リチウムイオン二次電池の一実施形態の単セル構造例を示す拡大断面模式図である。 本発明に係る全固体リチウムイオン二次電池の他の実施形態の単セル構造例を示す拡大断面模式図である。 本発明に係る全固体リチウムイオン二次電池の製造方法のうちのセル構造積層体を製造する工程例を示すフロー図である。 充放電曲線(電位と電気容量との関係)の結果例を示すグラフである。 Li3BO3−Li2SO4ガラス電解質およびLi3BO3−Li2SO4ガラスセラミックス電解質のX線回折チャートの例である。 Li3BO3−Li2SO4ガラス電解質粉末、およびLi3BO3−Li2SO4ガラス電解質と水素化物固体電解質との混合粉末における熱重量/示差熱分析チャートの例である。
本発明は、前述した発明に係る全固体リチウムイオン二次電池(I)において、以下のような改良や変更を加えることができる。
(i)インピーダンスアナライザを用いて前記全固体リチウムイオン二次電池の電池抵抗を測定した場合に、該電池抵抗が1×103Ω・cm2未満である。
(ii)前記酸化物ガラスセラミックス固体電解質はLi2CO3を更に含む。
(iii)前記水素化物固体電解質の被覆厚さが5 nm以上10μm以下である。
(iv)前記負極活物質が箔材または板材である。
(v)前記負極活物質が粒子材である。
また、本発明は、前述した発明に係る全固体リチウムイオン二次電池の製造方法(II)において、以下のような改良や変更を加えることができる。
(vi)前記負極活物質が箔材または板材であり、前記負極活物質層グリーンシート用意工程が、前記水素化物固体電解質の粒子を含む水素化物固体電解質グリーンシートを用意する水素化物固体電解質グリーンシート用意素工程と、前記水素化物固体電解質グリーンシートと前記負極活物質とを積層する水素化物固体電解質/負極活物質積層素工程とから構成されている。
(vii)前記負極活物質が箔材または板材であり、前記負極活物質層グリーンシート用意工程が、前記水素化物固体電解質を溶かし粘度調整した水素化物固体電解質溶液を用意する水素化物固体電解質溶液用意素工程と、前記水素化物固体電解質溶液を前記負極活物質の上に塗布・乾燥して水素化物固体電解質被膜を形成する水素化物固体電解質被膜形成素工程とから構成されている。
(viii)前記負極活物質が粒子材であり、前記負極活物質層グリーンシート用意工程が、前記水素化物固体電解質を溶かし粘度調整した水素化物固体電解質溶液を用意する水素化物固体電解質溶液用意素工程と、前記水素化物固体電解質溶液を前記負極活物質の上に塗布・乾燥して水素化物固体電解質被膜を形成する水素化物固体電解質被膜形成素工程と、前記水素化物固体電解質で被覆された前記負極活物質の粒子を用いて前記負極活物質層グリーンシートを形成する負極活物質層グリーンシート形成素工程とから構成されている。
[本発明の基本思想]
本発明者等は、バルク型の全固体リチウムイオン二次電池において、電池特性の向上を意図して酸化物固体電解質および水素化物固体電解質の両方を用いながら、低コスト化を実現する技術を研究した。特に、正極活物質層/固体電解質層/負極活物質層の積層体全体を一体として加熱接合する技術を研究した。その中で、従来から良好な電池特性が得られるとされていた酸化物固体電解質(例えば、Li3BO3、LiVO3)は、従来の水素化物固体電解質(例えば、LiBH4)と接触させた状態で加熱すると、還元分解してしまうことが分かった。
そこで、本発明者等は、電池特性を犠牲にすることなく一体焼成が可能な酸化物固体電解質および水素化物固体電解質の組み合わせを更に鋭意研究した。その結果、酸化物固体電解質としてLi3BO3とLi2SO4とを含むガラスセラミックスを用い、水素化物固体電解質としてLi2B12H12を用いた組み合わせが、解の一つとなることを見出した。本発明は、当該知見に基づいて完成されたものである。
以下、本発明に係る実施形態について、図面を参照しながらより具体的に説明する。ただし、本発明はここで取り上げた実施形態に限定されることはなく、発明の技術的思想を逸脱しない範囲で、公知技術と適宜組み合わせたり公知技術に基づいて改良したりすることが可能である。また、図面において、同義の部材・部位には同じ符号を付して重複する説明を省略する場合がある。
[全固体リチウムイオン二次電池]
図1は、本発明に係る全固体リチウムイオン二次電池の一例を示す概略断面図である。図1においては、図面の簡単化のため、単セルの構造で示している。
図1に示したように、本発明に係る全固体リチウムイオン二次電池100は、負極層10と正極層30とが酸化物固体電解質層20を介して積層され、それらが電池ケース40に収容されている。負極層10は、負極集電体11と負極活物質層12とからなり、負極50に電気的に接続されている。正極層30は、正極集電体31と正極活物質層32とからなり、正極60に電気的に接続されている。
本発明の全固体リチウムイオン二次電池100は、酸化物固体電解質層20が、所定の酸化物ガラスセラミックス固体電解質を含むこと、および負極層10(特に、負極活物質層12)において、酸化物ガラスセラミックス固体電解質が負極活物質と直接接触しないように、該負極活物質が所定の水素化物固体電解質で被覆されていることに大きな特徴がある。詳細は後述する。
なお、前述したように、図1では単セル構造の全固体リチウムイオン二次電池を示したが、電気容量の観点から、短冊状の単セルが酸化物固体電解質層20を介して積層された電極群を構成していることが好ましい。このとき、酸化物固体電解質層20は、非水電解液のような流動性がないことから、電極群において負極層10と正極層30との短絡を防ぐセパレータの役割を兼ねることができる。言い換えると、全固体リチウムイオン二次電池では、従前の非水電解液リチウム二次電池で用いられるような別体のセパレータがなくてもよい。
全固体リチウムイオン二次電池100の各構成材に関して、より具体的に説明する。図2は、本発明に係る全固体リチウムイオン二次電池の一実施形態の単セル構造例を示す拡大断面模式図である。
(酸化物固体電解質層)
上述したように、酸化物固体電解質層20は、所定の酸化物ガラスセラミックス固体電解質21を含む。酸化物ガラスセラミックス固体電解質21としては、Li3BO3とLi2SO4とを少なくとも含む(Li3BO3およびLi2SO4を主要成分とする)ガラスセラミックスが好ましい。Li2CO3成分を主要成分として更に含むLi3BO3−Li2SO4−Li2CO3ガラスセラミックスも好ましく用いることができる。
また、当該酸化物ガラスセラミックス固体電解質は、ガラスセラミックスの状態を維持できる限り、主要成分よりも少ない含有率の副成分として、P2O5、B2O3、SiO2、Al2O3、Li3PO4、Li4SiO4などの酸化物成分や、LiI、LiCl、LiFなどのハロゲン化リチウム成分を含有することができる。
本発明で用いる酸化物ガラスセラミックス固体電解質21は、結晶化させる前は非晶質ガラス状態(酸化物ガラス固体電解質)であるため、ガラス転移温度Tg以上に昇温すると流動性が生じる。そのため、流動化したガラス(流動性をもたせた酸化物固体電解質層20)に圧力を加えることにより、負極層10および正極層30との良好な接合性(接触面積の増大、良好なイオン伝導パスの構築)を達成することができる。その後、結晶化温度Tc以上に昇温することにより、流動化したガラスがガラスセラミックス化して固定化されると共に、高導電率化できるという作用効果がある。
酸化物固体電解質層20は、上記の酸化物ガラスセラミックス固体電解質21に加えて、結晶性の複合酸化物電解質22の粒子を含むことが好ましい。結晶性の複合酸化物電解質22としては、NASICON型複合酸化物電解質(例えば、Li1+xTi2-xAlxP3O12、Li1+yGe2-yAlyP3O12)や、ぺロブスカイト型複合酸化物電解質(例えば、Li3xLa2/3-xTiO3)や、ガーネット型複合酸化物電解質(例えば、Li7La3Zr2O12)などを好ましく用いることができる。これらの結晶性複合酸化物電解質は、室温導電率が約1×10-3 S/cmと高いため、酸化物固体電解質層20全体としての導電率の向上に寄与する。
また、結晶性の複合酸化物電解質22の粒子は、結晶化する前の酸化物ガラス固体電解質を軟化・流動化させたときに、酸化物固体電解質層20の形状を維持する骨材としても機能する。言い換えると、結晶性の複合酸化物電解質22の粒子が酸化物固体電解質層20の形状を維持できることから、流動化したガラス(酸化物ガラス固体電解質)への加圧力を高めることができ、負極層10および正極層30との接合をより確実に行うことができる。
本発明の酸化物ガラスセラミックス固体電解質21において、結晶粒子と非晶質ガラス相との体積比率(結晶化度とも言う)に特段の限定はなく、任意の値(例えば、「結晶粒子:非晶質ガラス相」=「1:99」〜「99:1」)をとることができる。基本的には、ガラスセラミックスの電気抵抗率(導電率)を優先して結晶化度(例えば、「60:40」〜「99:1」)を設定・制御すればよい。
本発明で用いる酸化物ガラスセラミックス固体電解質21は、そのLi含有率が、後述する正極活物質中のLi含有率よりも高くなるように制御/調製されることが好ましい。そうすることにより、電池反応に起因する高電気抵抗物質の生成を抑制することができる。
また、本発明で用いる酸化物ガラスセラミックス固体電解質21は、そのガラス転移温度Tgが、後述する負極合剤層中の水素化物固体電解質の融点未満となるように制御/調製されることが好ましい。これは、正極活物質層/固体電解質層/負極活物質層の積層体を加熱加圧接合する際に、負極合剤層が崩れるのを防ぐためである。
(負極層)
前述したように、負極層10は、負極集電体11と負極活物質層12とからなり、酸化物ガラスセラミックス固体電解質21が負極活物質13と直接接触しないように、負極活物質13が所定の水素化物固体電解質14で被覆されている。酸化物ガラスセラミックス固体電解質21と負極活物質13とを直接接触させないことで、酸化物ガラスセラミックス固体電解質21の還元分解を抑制することができる。また、耐還元性に優れる水素化物固体電解質14は、負極活物質13との界面電気抵抗が低いため、二次電池の内部抵抗の低減に貢献する。
負極集電体11は、二次電池製造プロセス中の加熱や二次電池の運転温度に耐えられる耐熱性を有する低抵抗導電体であれば特段の限定はなく、従前のリチウムイオン二次電池における負極集電体と同様のものを用いることができる。例えば、金属箔(厚さ10μm以上100μm以下)、穿孔金属箔(厚さ10μm以上100μm以下、孔径0.1 mm以上10 mm以下)、エキスパンドメタル、発泡金属板、ガラス状炭素板などが挙げられる。また、金属種としては、銅、ステンレス鋼、チタン、ニッケル、貴金属(例えば、金、銀、白金)、リチウム、リチウムと合金化する金属(例えば、アルミニウム、シリコン、スズ)などを用いることができる。
負極活物質13も、二次電池製造プロセス中の加熱や二次電池の運転温度に耐えられる耐熱性を有するかぎり特段の限定はなく、従前のリチウムイオン二次電池で用いられる負極活物質を利用することができる。具体的には、炭素系材料(例えば、黒鉛、易黒鉛化炭素材料、非晶質炭素材料)、導電性高分子材料(例えば、ポリアセン、ポリパラフェニレン、ポリアニリン、ポリアセチレン)、リチウム複合酸化物(例えば、チタン酸リチウム:Li4Ti5O12)、シリコン、金属リチウム、リチウムと合金化する金属(例えば、アルミニウム、シリコン、スズ)を用いることができる。
図2においては、負極活物質13が箔材または板材からなる(すなわち、粒子材ではない)場合を示した。ここで、箔材または板材の負極活物質13が、負極集電体11として用いる材料と同等の低抵抗導電体からなる場合(例えば、リチウムや、リチウムと合金化する金属からなる場合)、該箔材または板材の負極活物質13で負極集電体11を兼ねてもよい。
水素化物固体電解質14は、組成式Li2B12H12で表される化合物が好ましい。また、該化合物のLiサイトの一部が他のアルカリ金属またはアルカリ土類金属で置換された化合物であってもよい。
本発明者等の種々の研究から、Li2B12H12は、自身の構造相転移温度Tsが酸化物ガラスセラミックス固体電解質21の結晶化温度Tcよりも十分高く、かつ酸化物ガラスセラミックス固体電解質21の結晶化温度Tcに何も影響を及ぼさない(酸化物ガラスセラミックス固体電解質21と化学反応しない)ことが判った。このことから、水素化物固体電解質14としてLi2B12H12を用いれば、水素化物固体電解質および酸化物固体電解質の両方の利点を十分に享受することができる。
水素化物固体電解質14による被覆厚さは、5 nm以上10μm以下が好ましく、10 nm以上5μm以下がより好ましい。水素化物固体電解質14の被覆厚さが5 nm未満になると、被覆不良が生じ易くなり、酸化物ガラスセラミックス固体電解質21と負極活物質13とが直接接触して酸化物ガラスセラミックス固体電解質21が還元分解を起こす要因となる。一方、水素化物固体電解質14の被覆厚さが10μm超になると、負極活物質層12の導電率を低下させる要因となる。
(正極層)
前述したように、正極層30は、正極集電体31と正極活物質層32とからなる。正極活物質層32(正極合材層とも呼ばれる)は、正極活物質33の粒子を含み、正極活物質層32の導電性向上を意図した導電材34と、それらを結着するための結着材35とを更に含むことが好ましい。加えて、正極活物質層32は、内部の間隙を充満するように酸化物ガラスセラミックス固体電解質21が含浸していることがより好ましい。
正極活物質層32(正極活物質33の粒子同士の間隙)に酸化物ガラスセラミックス固体電解質21を充填させることにより、リチウムイオンの移動・出入りが容易になり、正極活物質33の全ての粒子を二次電池の充放電に直接的に寄与させることができる。その結果、電池特性を向上させることができる。なお、本発明は、酸化物ガラスセラミックス固体電解質21以外の固体電解質(例えば、Li-P-O-NやLi-B-O-Nなどのオキシナイトライドガラス)を正極活物質層32に含有させることを否定するものではない。
酸化物ガラスセラミックス固体電解質21と正極活物質33との混合比は、質量比で「5:95」〜「50:50」が好ましく、「10:90」〜「40:60」がより好ましい。酸化物ガラスセラミックス固体電解質21の混合比が5質量%未満になると、正極活物質33の粒子同士の間隙への充填が不十分になり(イオン伝導パスの確保が不十分になり)、正極活物質層32の導電性が低下する。一方、酸化物ガラスセラミックス固体電解質21の混合比が50質量%超になると、正極活物質33の絶対量が不足して二次電池のエネルギ密度が小さくなる。
正極集電体31は、負極集電体11と同様に、二次電池製造プロセス中の加熱や二次電池の運転温度に耐えられる耐熱性を有する低抵抗導電体であれば特段の限定はなく、従前のリチウム二次電池における正極集電体と同様のものを用いることができる。例えば、金属箔(厚さ10μm以上100μm以下)、穿孔金属箔(厚さ10μm以上100μm以下、孔径0.1 mm以上10 mm以下)、エキスパンドメタル、発泡金属板、ガラス状炭素板などが挙げられる。また、金属種としては、アルミニウム、ステンレス鋼、チタン、貴金属(例えば、金、銀、白金)などを用いることができる。
正極活物質33の材料に特段の限定はなく、従前のリチウムイオン二次電池で用いられる正極活物質を利用することができる。例えば、遷移金属を含むリチウム複合酸化物が好ましく、具体例としては、LiCoO2、LiNiO2、LiMn2O4、LiMnO3、LiMn2O3、LiMnO2、Li4Mn5O12、Li2Mn3MO8(M=Fe,Co,Ni,Cu,Zn)、Li1-xMxMn2O4(M=Mg,B,Al,Fe,Co,Ni,Cr,Zn,Ca)、LiMn2-xMxO2(M=Co,Ni,Fe,Cr,Zn,Ta)、LiCo1-xMxO2(M=Ni,Fe,Mn)、LiNi1-xMxO2(M=Mn,Fe,Co,Al,Ga,Ca,Mg)、LiNi1-x-yMnxCoyO2、LiFeO2、LiFePO4、LiMnPO4などが挙げられる。
正極活物質33の粒子径は、正極活物質層32の厚さ以下になるように規定され、例えば、0.1μm以上10μm以下が好ましい。正極活物質の粉末中に、形成しようとする正極活物質層32の厚さ以上の粒径を有する粗粒がある場合、予めふるい分級、風流分級などにより粗粒を除去し、平均粒径が正極活物質層32の厚さ以下の粒子を選別する。なお、正極活物質33の粒子径は、レーザー散乱法を利用した公知の粒径分布測定装置を用いて測定することができる。
導電材34としては、導電性繊維(例えば、気相成長炭素、カーボンナノチューブ、ピッチ(石油、石炭、コールタールなどの副生成物)を原料に高温で炭化して製造した繊維、アクリル繊維から製造した炭素繊維など)が好適に用いられる。また、導電材34は、正極活物質よりも電気抵抗率の低い材料であって、正極の充放電電位(通常、2.5〜4.5 V)にて酸化溶解しない材料を使用してもよい。例えば、耐食性金属(チタンや金など)、炭化物(SiCやWCなど)、窒化物(Si3N4やBNなど)が挙げられる。高比表面積の炭素材料(例えば、カーボンブラックや活性炭など)も使用できる。
結着材35は、正極活物質層32の導電性を大きく阻害する(正極活物質層32の内部抵抗を大きく増大する)ものでなければ特段の限定はない。例えば、スチレン−ブタジエンゴム、カルボキシメチルセルロース、ポリフッ化ビニリデン、およびこれらの混合物を好適に用いることができる。
(電池ケース)
電池ケース40は、少なくとも内面が電気絶縁されており、収容した電極群が電池ケース40と電気的に接触しないようになっている。電池ケース40の形状は、通常、電極群の形状に合わせた形状(例えば、角筒状、円筒状、扁平長円筒状)が選択される。電池ケース40の材料は、機械的強度・耐食性のある材料(例えば、アルミニウム、ステンレス鋼、ニッケルメッキ鋼、アルミラミネートフィルム、エンジニアリングプラスチック)から選択される。
図3は、本発明に係る全固体リチウムイオン二次電池の他の実施形態の単セル構造例を示す拡大断面模式図である。図3に示した単セル構造を有する全固体リチウムイオン二次電池は、図2に示したものと比較して、負極層15(特に、負極活物質層16)において異なり、他を同じとするものである。そこで、負極層15についてのみ説明する。
(負極層)
図3に示したように、負極層15は、負極集電体11と負極活物質層16とからなり、負極活物質層16内の負極活物質13が粒子材からなる。そして、負極活物質13の各粒子は、水素化物固体電解質14で被覆されており、酸化物ガラスセラミックス固体電解質21と直接接触しないようになっている。
また、負極活物質層16(負極合材層とも呼ばれる)は、正極活物質層32と同様に、導電材34と結着材35とを含むことが好ましい。さらに、負極活物質層16は、内部の間隙を充満するように酸化物ガラスセラミックス固体電解質21を含むことがより好ましい。
負極活物質層16(負極活物質13の粒子同士の間隙)に酸化物ガラスセラミックス固体電解質21を充填させることにより、リチウムイオンの移動・出入りが容易になり、負極活物質13の全ての粒子を二次電池の充放電に直接的に寄与させることができる。その結果、電池特性を向上させることができる。
酸化物ガラスセラミックス固体電解質21と負極活物質13との混合比は、正極活物質層32と同様に、質量比で「5:95」〜「50:50」が好ましく、「10:90」〜「40:60」がより好ましい。酸化物ガラスセラミックス固体電解質21の混合比が5質量%未満になると、負極活物質13の粒子同士の間隙への充填が不十分になり(イオン伝導パスの確保が不十分になり)、負極活物質層16の導電性が低下する。一方、酸化物ガラスセラミックス固体電解質21の混合比が50質量%超になると、負極活物質13の絶対量が不足して二次電池のエネルギ密度が小さくなる。
負極活物質13の粒子径は、正極活物質33の場合と同様に、負極活物質層16の厚さ以下になるように規定され、例えば、0.1μm以上10μm以下が好ましい。負極活物質の粉末中に、形成しようとする負極活物質層16の厚さ以上の粒径を有する粗粒がある場合、予めふるい分級、風流分級などにより粗粒を除去し、平均粒径が負極活物質層16の厚さ以下の粒子を選別する。なお、負極活物質層16の粒子径は、レーザー散乱法を利用した公知の粒径分布測定装置を用いて測定することができる。
詳細な説明は省略したが、負極集電体11、負極活物質13、水素化物固体電解質14、導電材34、結着材35、および酸化物ガラスセラミックス固体電解質21の材料は、それぞれ前述と同様のものを用いることができる。また、水素化物固体電解質14の被覆厚さも、前述と同様である。
[全固体リチウムイオン二次電池の製造方法]
図4は、本発明に係る全固体リチウムイオン二次電池の製造方法のうちのセル構造積層体を製造する工程例を示すフロー図である。
図4に示したように、概略的には、正極活物質33の粒子と酸化物ガラス固体電解質の粒子(結晶化して酸化物ガラスセラミックス固体電解質21になる前の状態)とを含む正極活物質層グリーンシートを用意する正極活物質層グリーンシート用意工程(S1)と、酸化物ガラス固体電解質の粒子を含む固体電解質層グリーンシートを用意する固体電解質層グリーンシート用意工程(S2)と、水素化物固体電解質14で被覆された負極活物質13を含む負極活物質層グリーンシートを用意する負極活物質層グリーンシート用意工程(S3)と、正極活物質層グリーンシートと固体電解質層グリーンシートと負極活物質層グリーンシートとを積層し、酸化物ガラス固体電解質のガラス転移温度Tg以上の温度で加熱圧着してセル構造積層体を形成するセル構造積層体加熱圧着工程(S4)と、セル構造積層体を酸化物ガラス固体電解質の結晶化温度Tc以上に加熱して酸化物ガラス固体電解質を酸化物ガラスセラミックス固体電解質にする加熱結晶化工程(S5)とを有する。負極活物質層グリーンシート用意工程S3および加熱結晶化工程S5が本発明の特徴的な工程である。
なお、セル構造積層体加熱圧着工程S4は、必要に応じて、正極集電体31および負極集電体11を積層してバイポーラ電極体を形成する素工程を含んでもよいし、該バイポーラ電極体を積層して電極群を形成する素工程を含んでもよい。また、得られた電極群に対して外部端子(正極60、負極50)を接続して全固体電池構造体を形成する工程と、該全固体電池構造体を電池ケース40に収容する工程とを更に行うことで全固体リチウムイオン二次電池100が得られる。
本発明に係る製造方法の各工程をより具体的に説明する。
正極活物質層グリーンシート用意工程S1および固体電解質層グリーンシート用意工程S2は、従前のグリーンシート法(例えば、ドクターブレード法、スクリーン印刷法)を好適に利用することができる。
負極活物質層グリーンシート用意工程S3は、負極活物質13の形状によって異なる。例えば、負極活物質13が箔材または板材からなる場合、工程S3は、水素化物固体電解質14の粒子を含む水素化物固体電解質グリーンシートを用意する水素化物固体電解質グリーンシート用意素工程(S3a)と、水素化物固体電解質グリーンシートと負極活物質13とを積層する水素化物固体電解質/負極活物質積層素工程(S3b)とから構成されていてもよい。または、水素化物固体電解質14を溶かし粘度調整した水素化物固体電解質溶液を用意する水素化物固体電解質溶液用意素工程(S3c)と、水素化物固体電解質溶液を負極活物質13上に塗布・乾燥して水素化物固体電解質被膜を形成する水素化物固体電解質被膜形成素工程(S3d)とから構成されていてもよい。
一方、負極活物質13が粒子材からなる場合、工程S3は、水素化物固体電解質溶液用意素工程S31cと水素化物固体電解質被膜形成素工程S31dとを含み、その後、水素化物固体電解質14で被覆された負極活物質13の粒子を用いて負極活物質層グリーンシートを形成する負極活物質層グリーンシート形成素工程(S3e)となる。
セル構造積層体加熱圧着工程S4において、加熱温度は、酸化物ガラス固体電解質のガラス転移温度Tg以上で結晶化温度Tc未満が好ましい。圧着するための応力は、300 MPa以上1000 MPa以下が好ましい。また、本工程S4における雰囲気は、露点が-40℃以下の乾燥雰囲気であり、かつ不活性ガス雰囲気が好ましい。
加熱結晶化工程S5において、加熱温度は、酸化物ガラス固体電解質の結晶化温度Tc以上で水素化物固体電解質14の融点Tm未満が好ましい。また、酸化物ガラス固体電解質が第一結晶化温度および第二結晶化温度を有する場合、加熱温度は、第一結晶化温度以上で第二結晶化温度未満とする。さらに、本工程S5における雰囲気は、露点が-40℃以下の乾燥雰囲気であり、かつ不活性ガス雰囲気が好ましい。
以下、実施例および比較例により本発明をさらに具体的に説明する。なお、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[実験1]
(酸化物ガラス電解質の調製)
まず、酸化物ガラス固体電解質の原料として、無水のLi3BO3粉末、無水のLi2SO4粉末および無水のLi2CO3粉末を用意した。モル比で「Li3BO3:Li2SO4 = 90:10」、「Li3BO3:Li2SO4 = 95:5」、「Li3BO3:Li2SO4:Li2CO3 = 90:5:5」および「Li3BO3:Li2CO3 = 90:10」となるように原料粉末を秤量し乳鉢混合して混合粉末を得た。該混合粉末を乾燥雰囲気中でボールミルポットに投入・密封した。次に、該ボールミルポットを遊星型ボールミル(フリッチュ・ジャパン株式会社、型式:P-7)にセットし、各混合粉末を更にミリング混合/メカニカルアロイングして、Li3BO3−Li2SO4ガラス電解質、Li3BO3−Li2SO4−Li2CO3ガラス電解質を調製した。
得られた各酸化物ガラス電解質のガラス転移温度を測定したところ、いずれも約250℃であった。
(結晶性の酸化物固体電解質の調製)
上記と同様に、無水のLi3BO3粉末および無水のLi2SO4粉末を用意し、モル比で「Li3BO3:Li2SO4 = 90:10」となるように原料粉末を秤量し乳鉢混合して混合粉末を得た。該混合粉末を酸化物固体電解質とした。本混合粉末は、遊星型ボールミルによるミリング混合/メカニカルアロイングを行っていないことから、結晶性の酸化物固体電解質と言える。なお、本混合粉末は、ガラス化していないことからガラス転移を示さない。
(正極合剤粉末の作製)
正極活物質としては、LiNbO3で被覆したLiCoO2粉末を用意した。具体的には、転動流動コーティング装置(株式会社パウレック、型式:MP-01)を用いて、LiCoO2粒子の表面上にLiNbO3被覆を施した。LiNbO3被覆層の厚さは約6 nmとした。
次に、乾燥雰囲気グローブボックス内において、LiNbO3被覆LiCoO2粉末と、「モル比= 90:10」のLi3BO3−Li2SO4ガラス電解質粉末と、アセチレンブラックとを「質量比= 70:30:4」で秤量し乳鉢混合して正極合剤粉末を作製した。
(水素化物固体電解質の用意)
水素化物固体電解質として、それぞれ市販のLi2B12H12粉末およびLiBH4粉末を用意した。また、Li4(BH4)3I粉末を次のようにして用意した。
市販のLiBH4粉末およびLiI粉末を用い、モル比で「LiBH4:LiI = 3:1」となるように秤量し乳鉢混合して混合粉末を得た。該混合粉末を乾燥雰囲気中でボールミルポットに投入・密封した。次に、該ボールミルポットを先と同じ遊星型ボールミルにセットし、混合粉末を更にミリング混合/メカニカルアロイングして固相反応を進行させて、Li4(BH4)3I粉末を調製した。
[実験2]
(実施例1の全固体リチウムイオン二次電池の作製)
電池特性評価のための簡易試料となる全固体リチウムイオン二次電池を作製した。アルゴンガス置換したグローブボックス内において、ダイス(直径10 mm)内に負極活物質(リチウム箔)、水素化物固体電解質粉末(Li2B12H12粉末)、酸化物固体電解質粉末(「モル比=90:10」のLi3BO3−Li2SO4ガラス電解質粉末)、実験1で用意した正極合剤粉末の順で投入・堆積させ、温間プレス(温度260℃、圧下応力360 MPa)を施してセル構造積層体のペレットを形成した(セル構造積層体加熱圧着工程S4)。形成したペレットの水素化物固体電解質層の厚さは、約5μmであった。
次に、形成したペレットをArアルゴンガス流通下で310℃に加熱して、Li3BO3−Li2SO4ガラス電解質をガラスセラミック化した(加熱結晶化工程S5)。次に、加熱結晶化したペレットを二極式セルケースに封入して、実施例1の全固体リチウムイオン二次電池を作製した。
(実施例2の全固体リチウムイオン二次電池の作製)
酸化物固体電解質層用の粉末を「モル比= 95:5」のLi3BO3−Li2SO4ガラス電解質粉末に変更したこと以外は実施例1と同様にして、実施例2の全固体リチウムイオン二次電池を作製した。
(実施例3の全固体リチウムイオン二次電池の作製)
酸化物固体電解質層用の粉末を「モル比= 90:5:5」のLi3BO3−Li2SO4−Li2CO3ガラス電解質粉末に変更したこと以外は実施例1と同様にして、実施例3の全固体リチウムイオン二次電池を作製した。
(実施例4の全固体リチウムイオン二次電池の作製)
負極活物質をインジウム箔に変更したこと以外は実施例1と同様にして、実施例4の全固体リチウムイオン二次電池を作製した。
(比較例1の全固体リチウムイオン二次電池の作製)
水素化物固体電解質層を形成しなかった(水素化物固体電解質粉末を投入しなかった)こと以外は実施例1と同様にして、比較例1の全固体リチウムイオン二次電池を作製した。
(比較例2の全固体リチウムイオン二次電池の作製)
水素化物固体電解質層用の粉末をLiBH4粉末に変更したこと以外は実施例1と同様にして、比較例2の全固体リチウムイオン二次電池を作製した。
(比較例3の全固体リチウムイオン二次電池の作製)
水素化物固体電解質層用の粉末をLi4(BH4)3I粉末に変更したこと以外は実施例1と同様にして、比較例3の全固体リチウムイオン二次電池を作製した。
(比較例4の全固体リチウムイオン二次電池の作製)
セル構造積層体加熱圧着工程S4におけるプレス温度を室温(約25℃)に変更したこと以外は実施例1と同様にして、比較例4の全固体リチウムイオン二次電池を作製した。
(比較例5の全固体リチウムイオン二次電池の作製)
酸化物固体電解質層用の粉末を「モル比= 90:10」のLi3BO3−Li2SO4結晶性固体電解質粉末に変更したこと以外は実施例1と同様にして、比較例5の全固体リチウムイオン二次電池を作製した。
[実験3]
(電池特性の測定・評価)
実験2で作製した各試料に対し、電池特性として電池抵抗および充放電挙動を測定・評価した。電池抵抗は、インピーダンスアナライザ(Solartron Analytical社、型式:1252A)を用いて、80℃環境下で測定した。測定された電池抵抗が「1×103Ω・cm2未満(すなわち、102Ω・cm2オーダ以下)」を合格と評価し、「1×103Ω・cm2以上」を不合格と評価した。
充放電挙動は、充放電試験器(Scribner Associates社、型式:580型高性能充放電システム)を用いて、80℃環境下および25μA/cm2電流密度の試験条件で測定した。測定の結果、3〜4.2 Vの電位範囲で正常に充放電可能であったものを合格と評価し、何かしらの異常が認められたものを不合格と評価した。
電池抵抗の測定結果を、各試料の作製条件と共に表1に示す。
Figure 2019040709
表1に示したように、本発明に係る実施例1〜4は、いずれも電池抵抗が「1×103Ω・cm2未満」であり、合格であることが確認される。この結果は、初期の酸化物固体電解質としてLi3BO3−Li2SO4ガラス電解質またはLi3BO3−Li2SO4−Li2CO3ガラス電解質を用い、セル構造積層体加熱圧着工程S4および加熱結晶化工程S5を経て、それら酸化物ガラス電解質をガラスセラミックス化すること、および酸化物固体電解質と負極活物質との間にLi2B12H12の水素化物固体電解質を介在させることの複合的な作用効果と考えられる。
これらに対し、酸化物固体電解質と負極活物質との間にLi2B12H12の水素化物固体電解質が介在しない比較例1は、電池抵抗が「5.7×103Ω・cm2」と不合格であった。これは、Li2B12H12の不在により、負極層と酸化物固体電解質層との間の界面抵抗(電池としての内部抵抗)が増大したためと考えられる。
水素化物固体電解質としてLiBH4およびLi4(BH4)3Iを用いた比較例2〜3は、電池抵抗がそれぞれ「1.1×106Ω・cm2」および「9.7×105Ω・cm2」と非常に大きく不合格であった。これらは、加熱結晶化工程S5において酸化物固体電解質と水素化物固体電解質とが化学反応して、電池としての内部抵抗が増大したためと考えられる。
セル構造積層体加熱圧着工程S4におけるプレス温度を変更した比較例4は、電池抵抗が「6.5×105Ω・cm2」と非常に大きく不合格であった。これは、プレス温度がガラス転移温度未満であったために酸化物ガラス電解質が軟化流動しなかったことから、たとえ加熱結晶化工程S5を行ったとしても酸化物固体電解質と他の物質との間で十分な接合性が確保できず、電池としての内部抵抗が増大したためと考えられる。
酸化物固体電解質として初めから結晶性粉末を用いた比較例5は、電池抵抗が「6.7×105Ω・cm2」と非常に大きく不合格であった。これは、結晶性粉末がガラス転移を示さず軟化流動しないことから、酸化物固体電解質と他の物質との間で十分な接合性が確保できず、電池としての内部抵抗が増大したためと考えられる。
図5は、充放電曲線(電位と電気容量との関係)の結果例を示すグラフである。図5では、実施例1および比較例1の結果を示す。図5に示したように、実施例1は、3.0〜4.2 Vの電位範囲で正常に充放電可能であり、合格と評価した。一方、比較例1では、3.3〜3.9 Vの電位範囲で電気容量が乱高下を繰り返したことから、不合格と評価した。
比較例1における不具合の要因としては、充放電に起因して負極側でウィスカー状のリチウム結晶が成長し、該リチウムウィスカーが正極側と微少短絡を発生させた可能性が考えられる。言い換えると、本発明に係る二次電池は、酸化物固体電解質と負極活物質との間にLi2B12H12からなる水素化物固体電解質を介在させることによって、負極側でのリチウムウィスカーの生成・成長を抑制する副次的な作用効果があると言える。
[実験4]
(Li3BO3−Li2SO4ガラスおよびそのガラスセラミックスの性状調査)
Li3BO3−Li2SO4ガラスおよびそのガラスセラミックスの性状調査を行った。
まず、実験1で用意した「モル比=90:10」のLi3BO3−Li2SO4ガラス電解質(以下、LBSOガラスと省略する)および該LBSOガラスに310℃の熱処理(加熱結晶化工程S5に相当)を施したLi3BO3−Li2SO4ガラスセラミックス電解質(以下、LBSOガラスセラミックスと省略する)に対して、X線回折(XRD)測定と導電率測定とを行った。結果を図6に示す。
図6は、LBSOガラスおよびLBSOガラスセラミックスのXRDチャートの例である。図6中には、別途測定した導電率結果も併せて記載した。図6に示したように、LBSOガラスは、「2θ= 20〜40°」の範囲において、ガラス相特有のハローのみが観察される。一方、LBSOガラスセラミックスにおいては、明確な回折ピークが観察され、結晶化している様子が確認される。
また、導電率に関しては、LBSOガラスの「6.5×10-7 S/cm」に対して、LBSOガラスセラミックスは「7.0×10-6 S/cm」と導電率が約1桁向上することが確認される。この結果は、実験3における実施例1と比較例4との差異をサポートするものと考えられる。
次に、LBSOガラスと各種水素化物固体電解質との化学反応性を確認するために、熱重量/示差熱分析装置(TG/DTA)を用いて、混合粉末に対して熱分析を行った。結果を図7に示す。図7は、LBSOガラス粉末、およびLBSOガラスと水素化物固体電解質との混合粉末におけるTG/DTAチャートの例である。
図7(a)は、LBSOガラス単体における結果である。図7(a)に示したように、約273℃および約379℃に発熱ピークが観察される。これらは、それぞれ第一結晶化温度および第二結晶化温度と考えられる。第一結晶化温度とは、非晶質のガラス相中に微細な結晶粒子が析出し始める温度であり、本発明におけるガラスセラミックス化の開始温度である。一方、第二結晶化温度とは、ガラス構成成分が全て結晶化し始める温度である。ガラス構成成分が全て結晶化するとリチウムイオン伝導性をほとんど示さなくなることが知られている。これらのことから、本発明の加熱結晶化工程S5における加熱温度は、第一結晶化温度以上で第二結晶化温度未満が好ましいと言える。
図7(b)は、LBSOガラスとLiBH4との混合粉末における結果である。図7(b)に示したように、約116℃に吸熱ピークが観察され、約250℃に発熱ピークが観察され、約278℃に吸熱ピークが観察される。約116℃の吸熱ピークは、LiBH4の構造相転移温度と考えられ、約250℃の発熱ピークはLBSOガラスの第一結晶化温度と考えられ、約278℃の吸熱ピークはLiBH4の融点と考えられる。LBSOガラスの第一結晶化温度が低温側にシフトしていること、およびその温度域で大きな重量減少が観察されることから、何かしらの化学反応が生じていると考えられる。この結果は、実験3における比較例2の結果をサポートするものと考えられる。
図7(c)は、LBSOガラスとLi4(BH4)3Iとの混合粉末における結果である。図7(c)に示したように、約255℃に発熱ピークが観察され、約297℃に吸熱ピークが観察される。約255℃の発熱ピークはLBSOガラスの第一結晶化温度と考えられ、約297℃の吸熱ピークはLi4(BH4)3Iの融点と考えられる。LBSOガラスの第一結晶化温度が低温側にシフトしていること、およびその温度域で大きな重量減少が観察されることから、何かしらの化学反応が生じていると考えられる。この結果は、実験3における比較例3の結果をサポートするものと考えられる。
図7(d)は、LBSOガラスとLi2B12H12との混合粉末における結果である。図7(d)に示したように、約270℃に発熱ピークが観察され、約350℃に吸熱ピークが観察され、約397℃に発熱ピークが観察される。2つの発熱ピークはそれぞれLBSOガラスの第一結晶化温度および第二結晶化温度と考えられ、約350℃の吸熱ピークはLi2B12H12の構造相転移温度と考えられる。図7(a)との比較において、LBSOガラスの結晶化温度にほとんど変化がなく、かつ重量変化にもほとんど差異がないことから、LBSOガラスとLi2B12H12との組み合わせは特段の化学反応を生じさせないと考えられる。この結果は、実験3における実施例1〜4の結果をサポートするものと考えられる。
[実験5]
(実施例5の全固体リチウムイオン二次電池の作製)
図3に示した形態を模擬した全固体リチウムイオン二次電池の簡易試料を作製した。
まず、負極活物質としてLi4Ti5O12粉末を用意し、先と同じ転動流動コーティング装置を用いて、Li4Ti5O12粒子の表面上にLi2B12H12被覆を形成した。より具体的には、転動流動コーティング装置のチャンバ内にLi4Ti5O12粉末(1 kg)を投入し、100℃の気流をチャンバ内で循環させてLi4Ti5O12粉末の各粒子を流動させた。次に、Li4Ti5O12粒子を流動させながら、Li2B12H12溶液をチャンバ内に導入してLi4Ti5O12粒子の表面上にLi2B12H12被覆(厚さ:約20 nm)を形成した。
次に、乾燥雰囲気グローブボックス内において、Li2B12H12被覆Li4Ti5O12粉末と、「モル比= 90:10」のLi3BO3−Li2SO4ガラス電解質粉末と、アセチレンブラックとを「質量比= 70:30:4」で秤量し乳鉢混合して負極合剤粉末を作製した。
次に、実施例1の試料作製における負極活物質(リチウム箔)および水素化物固体電解質粉末(Li2B12H12粉末)を上記で作製した負極合剤粉末に変更したこと以外は実施例1と同様にして、実施例5の全固体リチウムイオン二次電池を作製した。
その後、実験3と同様にして、電池抵抗を測定・評価した。その結果、実施例1と同等の電池特性が得られることが確認された。
上述した実施形態や実験例は、本発明の理解を助けるために説明したものであり、本発明は、記載した具体的な構成のみに限定されるものではない。例えば、実施形態の構成の一部を当業者の技術常識の構成に置き換えることが可能であり、また、実施形態の構成に当業者の技術常識の構成を加えることも可能である。すなわち、本発明は、本明細書の実施形態や実験例の構成の一部について、発明の技術的思想を逸脱しない範囲で、削除・他の構成に置換・他の構成の追加をすることが可能である。
100…全固体リチウムイオン二次電池、
10…負極層、11…負極集電体、12…負極活物質層、13…負極活物質、
14…水素化物固体電解質、15…負極層、16…負極活物質層、
20…酸化物固体電解質層、21…酸化物ガラスセラミックス固体電解質、
22…複合酸化物電解質、
30…正極層、31…正極集電体、32…正極活物質層、33…正極活物質、
34…導電材、35…結着材、
40…電池ケース、50…負極、60…正極。

Claims (10)

  1. 全固体リチウムイオン二次電池であって、
    正極活物質を含む正極層と、負極活物質を含む負極層と、前記正極層および前記負極層の間に設けられた酸化物固体電解質層とを有し、
    前記酸化物固体電解質層は、Li3BO3とLi2SO4とを含む酸化物ガラスセラミックス固体電解質を含み、
    前記負極層は、前記酸化物ガラスセラミックス固体電解質が前記負極活物質と直接接触しないように、該負極活物質が水素化物固体電解質で被覆されており、該水素化物固体電解質がLi2B12H12からなる、ことを特徴とする全固体リチウムイオン二次電池。
  2. 請求項1に記載の全固体リチウムイオン二次電池において、
    インピーダンスアナライザを用いて前記全固体リチウムイオン二次電池の電池抵抗を測定した場合に、該電池抵抗が1×103Ω・cm2未満である、ことを特徴とする全固体リチウムイオン二次電池。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の全固体リチウムイオン二次電池において、
    前記酸化物ガラスセラミックス固体電解質はLi2CO3を更に含む、ことを特徴とする全固体リチウムイオン二次電池。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の全固体リチウムイオン二次電池において、
    前記水素化物固体電解質の被覆厚さが5 nm以上10μm以下である、ことを特徴とする全固体リチウムイオン二次電池。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の全固体リチウムイオン二次電池において、
    前記負極活物質が箔材または板材である、ことを特徴とする全固体リチウムイオン二次電池。
  6. 請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の全固体リチウムイオン二次電池において、
    前記負極活物質が粒子材である、ことを特徴とする全固体リチウムイオン二次電池。
  7. 請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の全固体リチウムイオン二次電池の製造方法であって、
    前記正極活物質の粒子と酸化物ガラス固体電解質の粒子とを含む正極活物質層グリーンシートを用意する正極活物質層グリーンシート用意工程と、
    前記酸化物ガラス固体電解質の粒子を含む固体電解質層グリーンシートを用意する固体電解質層グリーンシート用意工程と、
    前記水素化物固体電解質で被覆された前記負極活物質を含む負極活物質層グリーンシートを用意する負極活物質層グリーンシート用意工程と、
    前記正極活物質層グリーンシートと前記固体電解質層グリーンシートと前記負極活物質層グリーンシートとを積層し、前記酸化物ガラス固体電解質のガラス転移温度以上の温度で加熱圧着してセル構造積層体を形成するセル構造積層体加熱圧着工程と、
    前記セル構造積層体を前記酸化物ガラス固体電解質の結晶化温度以上に加熱して該酸化物ガラス固体電解質を前記酸化物ガラスセラミックス固体電解質にする加熱結晶化工程とを有する、ことを特徴とする全固体リチウムイオン二次電池の製造方法。
  8. 請求項7に記載の全固体リチウムイオン二次電池の製造方法において、
    前記負極活物質が箔材または板材であり、
    前記負極活物質層グリーンシート用意工程が、
    前記水素化物固体電解質の粒子を含む水素化物固体電解質グリーンシートを用意する水素化物固体電解質グリーンシート用意素工程と、
    前記水素化物固体電解質グリーンシートと前記負極活物質とを積層する水素化物固体電解質/負極活物質積層素工程とから構成されている、
    ことを特徴とする全固体リチウムイオン二次電池の製造方法。
  9. 請求項7に記載の全固体リチウムイオン二次電池の製造方法において、
    前記負極活物質が箔材または板材であり、
    前記負極活物質層グリーンシート用意工程が、
    前記水素化物固体電解質を溶かし粘度調整した水素化物固体電解質溶液を用意する水素化物固体電解質溶液用意素工程と、
    前記水素化物固体電解質溶液を前記負極活物質の上に塗布・乾燥して水素化物固体電解質被膜を形成する水素化物固体電解質被膜形成素工程とから構成されている、
    ことを特徴とする全固体リチウムイオン二次電池の製造方法。
  10. 請求項7に記載の全固体リチウムイオン二次電池の製造方法において、
    前記負極活物質が粒子材であり、
    前記負極活物質層グリーンシート用意工程が、
    前記水素化物固体電解質を溶かし粘度調整した水素化物固体電解質溶液を用意する水素化物固体電解質溶液用意素工程と、
    前記水素化物固体電解質溶液を前記負極活物質の上に塗布・乾燥して水素化物固体電解質被膜を形成する水素化物固体電解質被膜形成素工程と、
    前記水素化物固体電解質で被覆された前記負極活物質の粒子を用いて前記負極活物質層グリーンシートを形成する負極活物質層グリーンシート形成素工程とから構成されている、
    ことを特徴とする全固体リチウムイオン二次電池の製造方法。
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