JP3203491B2 - インシュレータ - Google Patents

インシュレータ

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JP3203491B2
JP3203491B2 JP22813391A JP22813391A JP3203491B2 JP 3203491 B2 JP3203491 B2 JP 3203491B2 JP 22813391 A JP22813391 A JP 22813391A JP 22813391 A JP22813391 A JP 22813391A JP 3203491 B2 JP3203491 B2 JP 3203491B2
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insulator
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邦彦 三好
秀夫 山崎
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株式会社ジェルテック
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の目的】
【産業上の利用分野】本発明は例えば音響機器、光学機
器、測定機器等の各種電子機器、精密機器或いは、製造
ライン等に設置される各種制御装置や自動車、鉄道車
両、航空機、ロケット、船舶等各種乗物の制御部やその
運行経路途中や離発着箇所に設置される制御ボックス等
に組み込まれ使用される部品に関するものであって、該
制御ボックス内の制御機器に悪影響を及ぼすような振動
が制御機器に伝わらないようにするためその振動を吸収
するインシュレータに係るものである。
【0002】
【発明の背景】従来から各種電子機器や測定機器等に
は、その特性に悪影響を及ぼす外部振動から保護するた
め、該振動を吸収し各種電子機器等への振動伝達を防止
するインシュレータが広く用いられている。そしてこれ
らインシュレータの多くは、各種電子機器等を収納した
ボックスの底面に設けられ、ボックスの設置部位におい
て直接振動が伝達される段階で、その振動を吸収してい
る。しかし設置環境如何によっては常時振動振幅の大き
な振動が生じていたり、或いは電子機器や測定機器の特
性上、より高次の吸振性が必要とされる場合には、更に
ボックス内においてもインシュレータを設け、複合的に
振動吸収を行なう必要がある。
【0003】そして、特にボックス内に設けられるイン
シュレータとしては、前記要求からも明らかなように、
より高ダンピングの吸振特性の優れたものが必要とな
る。しかしその一方において吸振特性を向上させようと
した場合には、振動振幅の小さな振動をも効果的に吸収
しようとするため、どうしても強度の面では弱くなり、
振動振幅の大きな振動には対処できないという問題が生
ずる。
【0004】
【開発を試みた技術的事項】本発明はこのような背景に
鑑みなされたものであって、直接吸振作用を担う吸振体
に対し、過剰振幅防止構造を適用することにより、該吸
振体の本来の吸振特性を維持しつつ、衝撃振動にも対処
し得る新規なインシュレータを提案するものである。
【0005】
【発明の構成】
【目的達成の手段】本発明のインシュレータは、支持部
材に対し取り付けられる支持内筒と被支持部材に対し取
り付けられる支持外筒とを具え、これら支持内筒と支持
外筒との間にゲル状物質から成る吸振体を固着させると
ともに、前記支持内筒を囲んだ状態で一端が支持外筒に
当接し、他端が前記支持部材に対し直接若しくは間接的
に当接するコイルスプリングを設け、前記吸振体と前記
コイルスプリングとを変形させることにより、前記支持
部材と被支持部材との間に生ずる振動を吸収する装置
あり、更に前記支持外筒に対し被支持部材を取り付ける
にあたっては、前記支持外筒の先端を被支持部材に対し
貫通させ支持外筒におけるフランジ状の縁と、支持外筒
の先端に対し嵌め込まれる弾性部材を用いた組付けキャ
ップとで、前記被支持部材を挾持することにより行うも
のであり、前記被支持部材が前記支持部材から遠ざかる
方に所定の範囲以上移動した際には、この組付けキャッ
プがストッパに対し当接して過剰振幅が防止され、一
方、前記支持外筒が支持部材に接近して当接する個所に
は、弾性部材を用いたベースブロックを設けて、このベ
ースブロックに対して前記支持外筒が当接することによ
り過剰振幅が防止されることことを特徴として成るもの
であって、これをもって前記目的を達成しようとするも
のである。
【0006】
【発明の作用】本発明のインシュレータは、吸振体を剪
断方向に変形させることにより、相対的に吸振作用を要
求される一対の部材間に生ずる振動を吸収する。そして
該吸振体に振動振幅の大きな振動が作用した場合には、
過剰振幅防止構造の圧縮又はたわみ変形により、過剰振
幅に伴う当接時の衝撃が軽減される。
【0007】更に過剰振幅防止構造として、支持外筒に
対し組付けキャップを係合させ、この組付けキャップを
介してストッパにより支持外筒の変位動を停止させる構
造を採るため、ストッパによる過剰振幅防止作用に加え
て、支持外筒におけるフランジ状の縁と相まって吸振作
用を要求される一方の部材の挾持作用をも行う。また過
剰振幅防止構造としてベースブロックを適用するため、
支持外筒が直接ベースブロックに当接することによる過
剰振幅防止作用に加えコイルスプリングの位置決め作用
をも行わせることが可能である。
【0008】
【実施例】以下図面に基づいて本発明のインシュレータ
について説明する。尚、説明にあたっては先ず図1〜5
に基づいて本発明のインシュレータの構造について説明
し、これに続いて本発明のインシュレータの作動状態に
ついて述べ更に他の実施例について言及する。図中符号
1に示すものが本発明のインシュレータであって、この
ものは例えば音響機器、光学機器、測定機器等の各種電
子機器、精密機器或いは、製造ライン等に設置される各
種制御装置や自動車、鉄道車両、航空機、ロケット、船
舶等各種乗物の制御部やその運行経路途中や離発着箇所
に設置される制御ボックス等の内部に設けられ、具体的
には図1、2に示すように制御ボックス2の外筐部材た
る支持枠3に対し、適宜スタッドボルト状に立ち上げら
れた取付ボルト4を利用して設けられる。そして前記支
持枠3が本実施例において被支持部材Aを支持するため
の支持部材である。
【0009】取付ボルト4は、下方に円板状の取付基台
5を有して、この取付基台5から上方に向けて、後述す
る本発明のインシュレータ1を構成する諸部材の取付部
位となる取付軸部6を立ち上げ、更にこの取付軸部6よ
り幾分径寸法を小さくとった雄ネジ部7を上方に延長形
成して成り、取付基台5は一例として制御ボックス2に
おける支持枠3底部に溶接により固定されている。尚、
雄ネジ部7の側周部の一部は、横断面においてD字上に
全長に亘りカットされており、後述するストッパ28の
回転を規制している。
【0010】このような取付ボルト4に取付られる本発
明のインシュレータ1は、吸振体9を主体として成る吸
振ブロック10と、この吸振ブロック10から被支持部
材Aを挟んで上方に設けられる本発明の特徴的構成であ
る一の過剰振幅防止構造の一要素である組付けキャップ
15と、コイルスプリング21を介して下方に設けられ
る本発明の特徴的構成である他の過剰振幅防止構造をな
すベースブロック23とを具えて成る。そしてこれら諸
部材を取付ボルト4に対し上方より嵌め込み、更に上方
からワッシャー状のストッパ28を前記取付ボルト4の
雄ネジ部7に形成したカット部にストッパ28の中心に
形成されているD字穴を合わせるようにして取付け、更
に上方から取付ナット29を取付ボルト4における雄ネ
ジ部7に螺合させることにより、その固定を図るのであ
る。
【0011】吸振ブロック10は中心に前記取付ボルト
4における取付軸部6に外嵌めされる支持内筒11を有
し、この支持内筒11の中央からやや下方よりに正方形
断面或いは矩形断面のリング状部材である吸振体9を外
付けし、更にこの吸振体9の外方に支持外筒12を固定
して成る。このうち支持外筒12は略円筒状の本体に対
し、下方をテーパ状に幾分縮径し、前記コイルスプリン
グ21を内側から保持する保持部12aを形成し、この
上部を庇状に外方に張り出させ図1〜3に示されるよう
なフランジ状の縁を形成し、ここをコイルスプリング2
1の上部規制縁12bとすると共に、円筒状本体最上部
を鉤状に外側に張り出させ、ここを組付けキャップ15
との係止部12cとするものである。
【0012】そして吸振体9はゲル状物質により構成さ
れ、本実施例ではゲル状物質としてシリコーンゲルを用
いた。このシリコーンゲルは、次式[1] で示されるジオ
ルガノポリシロキサン(以下A成分という): RR1 2SiO−(R2 2SiO) n SiR1 2R…[1] [ただし、Rはアルケニル基であり、R1 は脂肪族不飽
和結合を有しない一価の炭化水素基であり、R2 は一価
の脂肪族炭化水素基(R2 のうち少なくとも50モル%
はメチル基であり、アルケニル基を有する場合にはその
含有率は10モル%以下である)であり、nはこの成分
の25℃における粘度が 100〜100,000 cStになるよ
うな数である]と、25℃における粘度が5000cSt以
下であり、1分子中に少なくとも2個のSi原子に直接
結合した水素原子を有するオルガノハイドロジェンポリ
シロキサン (B成分) とからなり、且つこのB成分中の
Si原子に直接結合している水素原子の合計量に対する
A成分中に含まれるアルケニル基の合計量の比(モル
比)が0. 1〜2.0になるように調整された混合物を
硬化させることにより得られる付加反応型シリコーンコ
ポリマーである。
【0013】このシリコーンゲルについてさらに詳しく
説明すると、上記A成分は直鎖状の分子構造を有し、分
子の両末端にあるアルケニル基RがB成分中のSi原子
に直接結合した水素原子と付加して架橋構造を形成する
ことができる化合物である。この分子末端に存在するア
ルケニル基は、低級アルケニル基であることが好まし
く、反応性を考慮するとビニル基が特に好ましい。
【0014】また分子末端に存在するR1 は、脂肪族不
飽和結合を有しない一価の炭化水素基であり、このよう
な基の具体例としてはメチル基、プロピル基及びヘキシ
ル基等のようなアルキル基、フェニル基並びにフロロア
ルキル基を挙げることができる。
【0015】上記[1] 式においてR2 は一価の脂肪族炭
化水素であり、このような基の具体的な例としては、メ
チル基、プロピル基及びヘキシル基等のようなアルキル
基並びにビニル基のような低級アルケニル基を挙げるこ
とができる。ただし、R2 のうち少なくとも50モル%
はメチル基であり、R2 がアルケニル基である場合に
は、アルケニル基は10モル%以下の量であることが好
ましい。アルケニル基の量が10モル%を越えると架橋
密度が高くなり過ぎて高粘度になりやすい。またnは、
このA成分の25℃における粘度が通常は 100〜100,00
0 cSt、好ましくは 200〜20,000cStの範囲内にな
るように設定される。
【0016】上記のB成分は、A成分の架橋剤でありS
i原子に直接結合した水素原子がA成分中のアルケニル
基と付加してA成分を硬化させる。B成分は上記のよう
な作用を有していればよく、B成分としては直鎖状、分
岐した鎖状、環状、あるいは網目状などの種々の分子構
造のものが使用できる。
【0017】また、B成分中のSi原子には水素原子の
他、有機基が結合しており、この有機基は通常はメチル
基のような低級アルキル基である。さらに、B成分の2
5℃における粘度は通常は5000cSt以下、好ましくは
500cSt以下である。このようなB成分の例として
は、分子両末端がトリオルガノシロキシ基で封鎖された
オルガノハイドロジェンポリシロキサン、ジオルガノシ
ロキサンとオルガノハイドロジェンシロキサンとの共重
合体、テトラオルガノテトラハイドロジェンシクロテト
ラシロキサン、HR1 2SiO 1/2単位とSiO 4/2単位
とからなる共重合体シロキサン、及びHR1 2SiO 1/2
単位とR1 3SiO 1/2単位とSiO 4/2単位とからなる
共重合体ポリシロキサンを挙げることができる。ただし
上記式においてR1 は前記と同じ意味である。
【0018】そして上記のB成分中のSiに直接結合し
ている水素原子の合計モル量に対するA成分中のアルケ
ニル基の合計モル量との比率が通常は0.1〜2.0、
好ましくは0.1〜1.0の範囲内になるようにA成分
とB成分とを混合して硬化させることにより製造され
る。
【0019】この場合の硬化反応は、通常は触媒を用い
て行なわれる。ここで使用される触媒としては、白金系
触媒が好適であり、この例としては微粉砕元素状白金、
塩化白金酸、酸化白金、白金とオレフィンとの錯塩、白
金アルコラート及び塩化白金酸とビニルシロキ酸との錯
塩を挙げることができる。このような錯塩はA成分とB
成分との合計重量に対して通常は0.1ppm(白金換
算量、以下同様)以上、好ましくは0.5ppm以上の
量で使用される。このような触媒の量の上限については
特に制限はないが、例えば触媒が液状である場合、ある
いは溶液として使用することができる場合には200p
pm以下の量で十分である。
【0020】上記のようなA成分、B成分及び触媒を混
合し、室温に放置するか、あるいは加熱することにより
硬化して本発明で使用されるシリコーンゲルが生成す
る。このようにして得られたシリコーンゲルは、JIS K
(K-2207-1980 50グラム荷重) で測定した針入度が通常
5〜250を有する。尚このようなシリコーンゲルの硬
度は、上記A成分とB成分とにより形成された架橋構造
によって変動する。
【0021】またシリコーンゲルの硬化前の粘度及び硬
化後の針入度は両末端がメチル基であるシリコーンオイ
ルを、得られるシリコーンゲルに対して5〜75重量%
の範囲内の量であらかじめ添加することにより調整する
ことができる。このようにシリコーンゲルは上記のよう
にして調整することもできるし、また市販されているも
のを使用することもできる。
【0022】本発明で使用することができる市販品の例
としては、CF5027、TOUGH−3、TOUGH
−4、TOUGH−5、TOUGH−6、TOUGH−
7(トーレ・ダウコーニングシリコーン社製)やX32
−902/cat1300(信越化学工業株式会社
製)、F250−121(日本ユニカ株式会社製)等を
挙げることができる。
【0023】尚、上記のA成分、B成分及び触媒の他
に、チクソトロピー性付与剤、顔料、硬化遅延剤、難燃
剤、充填剤等をシリコーンゲルの特性を損なわない範囲
内で配合することもでき、また微小中空球体のフィラー
を混入してなるシリコーンゲルを用いてもよく、このよ
うな材料としては日本フィライト株式会社製造のフィラ
イト(登録商標)や同社販売のエクスパンセル(登録商
標)等が例示できる。
【0024】そしてこのようにして成る吸振ブロック1
0を製造するに当たっては、図5に示すような成形型3
1を用いる。この成形型31は一例として金属製の板材
から成る基板32に対し、その上面に実際に吸振ブロッ
ク10を構成する各部材をセットし、ゲル原液を流し込
む型本体33を設けて成る。この型本体33は、中央に
支持内筒11を受け入れる保持孔34を有し、上部と下
部で径寸法を変え、上部を幾分小径とし段差状に構成し
て成る厚肉の円板状部材である。
【0025】そしてこの段差部35の角稜及び前記保持
孔34の上部角稜部は、弧面に形成され、吸振体9の下
面に張出縁部9aが残るようにし、支持内筒11並びに
支持外筒12との接合の万全を図っている。またこの型
本体33の材料としてはゴム状部材が適用でき、本実施
例では一例としてJIS規格HS 50〜60のEPDM
ゴムを用いた。そしてこのようにして成る成形型31を
用いて吸振ブロック10を製造するにあたっては、支持
内筒11及び支持外筒12を成形型31にセットし、支
持内筒11と支持外筒12との間の空隙に上方からゲル
原液を所定の高さとなるまで流し込み前記方法により硬
化を図るのである。
【0026】尚、本実施例において使用した成形型31
の型本体33の材料としてゴム状部材を用いたのは、比
較的製造が簡単で成形精度がそれほど要求されないこ
と、適度に密封性が保たれ、ゲル原液を流し込んだとき
の漏出が防止できるからである。
【0027】次に本発明の特徴的構成をなす過剰振幅防
止構造の一要素である組付けキャップ15について説明
する。組付けキャップ15は、中央に円筒部16を設
け、この円筒部16の上部を外側に庇状に張り出させ、
更にその端部を下方に屈曲させ、その内側先端部に前記
吸振ブロック10における支持外筒12の係止部12c
に係合させる係合部17を形成して成る。そしてこの係
合部17には保持リング18が設けられ、この保持リン
グ18により、その保持作用が完全に行われるように図
っているのである。また係合部17の一部には切欠き部
19が設けられていて、その着脱を容易にしている。
【0028】そしてこのような形状を有する組付けキャ
ップ15の素材としてはゴム状の材料が適用でき、一例
として本実施例ではJIS規格HS 70°(A) のNB
RゴムとPVCゴムとを混合してなる複合タイプのもの
を用いた。尚このようにして成る組付けキャップ15
は、過剰振幅を受けた吸振体9の上方への剪断変形をス
トッパ28に当接することにより許容範囲内に規制する
他、支持外筒12における上部規制縁12bとの間で被
支持部材Aを挾持することにより被支持部材Aの固定を
図る役割も担っている。
【0029】次に本発明の特徴的構成をなす他の過剰振
幅防止構造たるベースブロック23について説明する。
ベースブロック23は、厚肉の略円筒状のストッパ本体
26に対しその中心に前記取付ボルト4における取付軸
部6に嵌合する下部スリーブ24を設けて成るものであ
り、下面には取付ボルト4における取付基台5との介渉
を避ける逃げ部25を形成して成る。そしてストッパ本
体26の外径寸法は、これに嵌まり合うコイルスプリン
グ21のコイル内径とほぼ一致する寸法設定となってい
る。
【0030】尚、このような形状を有するベースブロッ
ク23のストッパ本体26の素材としてはゴム状の材料
が適用でき、一例として本実施例ではJIS規格HS
0°(A) のEPDMゴムを用いた。そしてこのように
して成るベースブロック23は過剰振幅を受けた吸振体
9の下方への剪断変形を許容範囲内に規制するコイルス
プリング21の位置決めを行う台座としての役割も担っ
ている。
【0031】そしてこのようにして成る本発明のインシ
ュレータ1の作動状態について説明すれば、支持枠3に
伝わった振動は吸振体9が上下に剪断変形することによ
り吸収され、被支持部材Aへの伝達を回避する。また振
動振幅の大きな過剰振幅が吸振体9にかかった場合には
過剰振幅防止構造が働き上方においては、支持外筒12
における係止部12cと係合する組付けキャップ15の
上面がストッパ28の下面に当接することにより、また
下方においてはコイルスプリング21の圧縮並びに支持
外筒12における保持部12aの下面がベースブロック
23に当接することにより、抑制されるのである。
【0032】次にこのようにして成る本発明のインシュ
レータ1の他の実施例について説明する。図に示す実
施例は、前記図1〜5に示す実施例におけるベースブロ
ック23の形状を異ならせたものであって、具体的には
ベースブロック23におけるストッパ本体26の上面を
支持外筒12における保持部12aのテーパ面の傾斜に
合わせ、幾分削り取り、当接凹部42を形成し、この当
接凹部42と保持部12aとの間に生ずる摩擦力を吸振
体9に生じた過剰振幅の抑制手段として利用することも
できる。
【0033】
【発明の効果】本発明のインシュレータ1は以上述べた
ような構成より成るものであって、以下述べるような効
果を発揮する。即ち本発明のインシュレータ1は、実際
の吸振作用を担う吸振体9に対して過剰振幅防止構造を
作用させているから吸振体9に過剰振幅がかかった場合
でも、その振動を抑制でき吸振体9自身に過度の負荷が
かからない。
【0034】また過剰振幅防止構造の圧縮又はたわみ変
形により過剰振幅に伴う当接時の衝撃が軽減されるた
め、該衝撃によってもたらされる制御ボックス2内部の
諸機材の損傷、特性不良も防止できる。この他組付けキ
ャップ15はストッパ28に当接することにより吸振体
9に生じる過剰振幅を防止できる他、支持外筒12にお
けるフランジ状の縁(上部規制縁12bとの間で被支
持部材Aを挾持することで被支持部材Aを保持する役割
をも有し、またベースブロック23は支持外筒12に直
接当接し吸振体9に生ずる過剰振幅を防止できる他コイ
ルスプリング21の台座としての役割をも担わせること
ができるから部材の有効利用が図れ、部品点数の減少に
も寄与できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のインシュレータの使用状態を示す分解
斜視図である。
【図2】本発明のインシュレータを一部破断して示す分
解斜視図である。
【図3】同上半断面図である。
【図4】組付けキャップを一部破断して示す斜視図であ
る。
【図5】吸振ブロックの製造状態を示す縦断面図であ
る。
【図6】本発明のインシュレータの他の実施例を示す縦
断面図である。
【符号の説明】
1 インシュレータ 2 制御ボックス 3 支持枠 4 取付ボルト 5 取付基台 6 取付軸部 7 雄ネジ部 9 吸振体 9a 張出縁部 10 吸振ブロック 11 支持内筒 12 支持外筒 12a 保持部 12b 上部規制縁 12c 係止部 15 組付けキャップ 16 円筒部 17 係合部 18 保持リング 19 切欠き部 21 コイルスプリング 23 ベースブロック 24 下部スリーブ 25 逃げ部 26 ストッパ本体 28 ストッパ 29 取付ナット 31 成形型 32 基板 33 型本体 34 保持孔 35 段差部 42 当接凹部 A 被支持部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16F 15/02 - 15/08

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持部材に対し取り付けられる支持内筒
    被支持部材に対し取り付けられる支持外筒とを具え、
    これら支持内筒と支持外筒との間にゲル状物質から成る
    吸振体を固着させるとともに、前記支持内筒を囲んだ状
    態で一端が支持外筒に当接し、他端が前記支持部材に対
    し直接若しくは間接的に当接するコイルスプリングを設
    け、前記吸振体と前記コイルスプリングとを変形させる
    ことにより、前記支持部材と被支持部材との間に生ずる
    振動を吸収する装置であり、 更に前記支持外筒に対し被支持部材を取り付けるにあた
    っては、前記支持外筒の先端を被支持部材に対し貫通さ
    せ支持外筒におけるフランジ状の縁と、支持外筒の先端
    に対し嵌め込まれる弾性部材を用いた組付けキャップと
    で、前記被支持部材を挾持することにより行うものであ
    り、 前記被支持部材が前記支持部材から遠ざかる方に所定の
    範囲以上移動した際には、この組付けキャップがストッ
    パに対し当接して過剰振幅が防止され、 一方、前記支持外筒が支持部材に接近して当接する個所
    には、弾性部材を用いたベースブロックを設けて、この
    ベースブロックに対して前記支持外筒が当接することに
    より過剰振幅が防止される ことを特徴とするインシュレ
    ータ。
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Cited By (3)

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