JP2841099B2 - 複合型シリコーンゲル材とその製造方法 - Google Patents

複合型シリコーンゲル材とその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
《発明の目的》
【産業上の利用分野】
本発明は、緩衝材、防振材、梱包材として用いられる
ようになってきた、フィラー添加してなる複合型シリコ
ーンゲル材の諸物性をより有利に発揮できるようにした
複合型シリコーンゲル材及びその製造方法に関するもの
である。
【発明の背景】
近時、ゲル状物質の優れた緩衝、防振特性が注目さ
れ、各種回転機器やOA機器のインシュレータ、精密、光
学、測定機器等のインシュレータや特殊梱包材、各種ス
ポーツ用品の緩衝材等へ利用されるようになっている。
また、軽荷重において大きな歪を許容する性質は、各種
センサーへの応用を図る上で利点となっている。 ゲル状物質の内でも付加反応型のシリコーンゲルは、
硬化時に副生物を生じない点で好まれて使われている
が、これに更に各種フィラーを添加してなる複合型シリ
コーンゲル材では、添加したフィラーの種類により、緩
衝性が高められたり、防振性が向上されたり、導電性、
磁性、圧電性等の別途機能が付与される。 ところが、フィラーを添加すると、得られる複合型シ
リコーンゲル材は、一般にその硬度が高くなる一方、そ
の歪量は負荷荷重に大きく影響されるようにもなり、こ
のため、フィラー添加したことにより発揮された各種特
性も負荷荷重に大きく依存する傾向が強いと云う問題が
あった。 例えば、防振性を向上させるべく特定フィラーを添加
すると、確かに、防振性能は向上するが、反面、負荷荷
重により防振性能が敏感に変化するようにもなるため、
負荷荷重の変動域によっては、予定の性能を発揮されな
いこともあった。 また、他の用途でも、シリコーンゲルが低弾性率素材
であると云う特徴が失われるため、所期の目的に合致し
ない問題も生じていた。
【開発を試みた技術的事項】
したがって、本発明は、このような現状に鑑みてなさ
れたものであって、特定目的のためにフィラーを添加し
た複合型シリコーンゲル材であっても、歪量と負荷荷重
との関係を直線状に近い関係とさせ、歪量を負荷荷重に
大きく依存させないようにして、フィラーを添加したこ
とにより発揮される各種特性が負荷荷重に大きく依存す
るという従来の欠点を解消しようとするのもであり、従
来、フィラーを添加するのに市販のフィラーを無処理の
ままか、処理しても、市販一般のカップリング剤による
処理であったものを、全く逆に、シリコーンゲルとフィ
ラーとの界面に未硬化状態の薄層を形成して、複合型シ
リコーンゲル材の物性の改善を図ろうとしたものであ
る。 《発明の構成》
【目的達成の手段】
したがって、本発明複合型シリコーンゲル材は、シリ
コーンゲル原液が硬化してなるシリコーンゲルとこのシ
リコーンゲル中に散在するフィラーとを有してなる複合
型シリコーンゲル材であって、シリコーンゲルは硬化連
続相として全体を形作るとともに、フィラーの界面にお
いて、未硬化のシリコーンゲル原液の薄層を形成して、
該層を介してフィラーを担持していることを特徴とす
る。 また、本発明複合型シリコーンゲルの製造方法は、フ
ィラーの少なくとも表面に、ヒドロシリル化触媒たる白
金系触媒の失活作用を有する硫黄、燐、錫系化合物また
はアミン化合物から選ばれた物質を、予め、その物質の
気相および/または液相中にて吸着させる工程と、該物
質を吸着させたフィラーを未硬化状態のシリコーンゲル
に添加する工程と、該フィラーを添加された未硬化状態
のシリコーンゲルを、前記白金系触媒を用い付加反応せ
しめて硬化させる工程とを有することを特徴とする。
【発明の作用】
本発明における基材たるシリコーンゲルとしては、ジ
メチルシロキサン成分単位からなるジオルガノポリシロ
キサンとオルガノハイドロジェンポリシロキサンとが、
白金系触媒を使用して、ヒドロシリル化反応により架
橋、硬化する付加反応型シリコーンゲルである。ここ
で、硫黄、燐、錫系化合物やアミン等のある種化合物
は、白金系触媒の触媒作用を失活させて架橋反応を阻害
するいわゆる触媒毒として、通常の硬化工程の際には敬
遠されるものであるが、本発明ではこれら物質の触媒毒
たる作用を積極的に利用し、全体の未硬化状態のシリコ
ーンゲルが付加反応して硬化しつつあっても、フィラー
表面においては、これら物質が触媒作用を失活させ、フ
ィラーの界面における未硬化状態のシリコーンゲルの架
橋、硬化を停止させ、フィラー周囲に未硬化状態の薄層
を形成する。この結果、得られた複合型シリコーンゲル
材は、上記未硬化層の存在で、添加したフィラーはシリ
コーンゲルの硬化連続相に拘束されず移動の自由を有
し、他方、シリコーンゲル自体はフィラーとは直接に連
続相を形成しない。このことにより、例えば、負荷荷重
の増加に伴い、ゲルとフィラー間の機械的結合のため
に、負荷荷重−歪量曲線が急カーブを描き、負荷荷重の
増加にともない相乗的に悪化する傾向にあった減衰特性
等、フィラー添加したことにより発揮される各種特性が
解消される。
【発明の具体的説明】
ここで、基材としての構成要素たるシリコーンゲル
は、ジメチルシロキサン成分単位からなるもので、次式
[I]で使用されるジオルガノポリシロキサン (A
成分): RR1 2SiO−(R2 2SiO)nSiR1 2R ……[I] [ただし、Rはアルケニル基であり、R1は脂肪族不飽和
結合を有しない一価の炭化水素基であり、R2は一価の脂
肪族炭化水素基(R2のうち少なくとも50モル%はメチル
基であり、アルケニル基を有する場合にはその含有率は
10モル%以下である)であり、nはこの成分の25℃にお
ける粘度が100〜100,000cStになるような数である]
と、25℃における粘度が5000cSt以下であり、1分子中
に少なくとも3個のSi原子に直接結合した水素原子を有
するオルガノハイドロジエンポリシロキサン(B成分)
とからなり、かつオルガノハイドロジェンポリシロキサ
ン(B成分)中のSi原子に直接結合している水素原子の
合計量に対するジオルガノポリシロキサン(A成分)中
に含まれるアルケニル基の合計量の比(モル比)が0.1
〜2.0になるように調整された混合物を硬化させること
により得られる付加反応型シリコーンコポリマーであ
る。 このシリコーンゲルについてさらに詳しく説明する
と、上記A成分であるジオルガノポリシロキサンは、直
鎖状の分子構造を有し、分子の両末端にあるアルケニル
基Rが、B成分中のSi原子に直接結合した水素原子と付
加して架橋構造を形成することができる化合物である。
この分子末端に存在するアルケニル基は、低級アルケニ
ル基であることが好ましく、反応性を考慮するとビニル
基が特に好ましい。 また、分子末端に存在するR1は、脂肪族不飽和結合を
有しない一価の炭化水素基であり、このような基の具体
的な例としては、メチル基、プロピル基およびヘキシル
基等のようなアルキル基、フェニル基並びにフロロアル
キル基を挙げることができる。 上記式[I]において、R2は、一価の脂肪族炭化水素
基であり、このような基の具体的な例としては、メチル
基、プロピル基およびヘキシル基のようなアルキル基並
びにビニル基のような低級アルケニル基を挙げることが
できる。ただし、R2のうちの少なくとも50モル%はメチ
ル基であり、R2がアルケニル基である場合には、アルケ
ニル基は10モル%以下の量であることが好ましい。アル
ケニル基の量が10モル%を越えると架橋密度が高くなり
過ぎて高粘度になりやすい。また、nは、このA成分の
25℃における粘度が通常は100〜100,000cSt、好ましく
は200〜20,000cStの範囲内になるように設定される。 上記のB成分であるオルガノハイドロジェンポリシロ
キサンは、A成分の架橋剤であり、Si原子に直接結合し
た水素原子がA成分中のアルケニル基と付加してA成分
を硬化させる。 B成分は、上記のような作用を有していればよく、B
成分としては、直鎖状、分岐した鎖状、環状、あるいは
網目状などの種々の分子構造のものが使用できる。ま
た、B成分中のSi原子には、水素原子の外、有機基が結
合しており、この有機基は、通常はメチル基のような低
級アルキル基である。さらに、B成分の25℃における粘
度は、通常は5000cSt以下、好ましくは、500cSt以下で
ある。 このようなB成分の例としては、分子両末端がトリオ
ルガノシロキサン基で封鎖されたオルガノハイドロジェ
ンシロキサン、ジオルガノシロキサンとオルガノハイド
ロジェンシロキサンとの共重合体、テトラオルガノテト
ラハイドロジェンシクロテトラシロキサン、HR- 2SiO1/2
単位とSiO4/2単位とからなる共重合シロキサン、およ
び、HR1 2SiO1/2単位とR1 3SiO1/2単位とSiO4/2単位とか
らなる共重合シロキサンを挙げることができる。ただ
し、上記式においてR1は前記と同じ意味である。 そして、上記のB成分中のSiに直接結合している水素
原子の合計モル量に対するA成分中のアルケニル基の合
計モル量との比率が通常は0.1〜2.0、好ましくは0.1〜
1.0の範囲内になるようにA成分とB成分とを混合して
硬化させることにより製造される。この場合の硬化反応
は、通常は白金系触媒を用いて行われる。このような白
金系触媒の例としては、微粉砕元素状白金、塩化白金
酸、酸化白金、白金とオレフィンとの錯塩、白金アルコ
ラートおよび塩化白金酸とビニルシロキサンとの錯塩を
挙げることができる。このような触媒は、A成分とB成
分との合計重量に対して通常は0.1ppm(白金換算量、以
下同様)以上、好ましくは0.5ppm以上の量で使用され
る。このような触媒の量の上限については特に制限はな
いが、例えば触媒が液状である場合、あるいは溶液とし
て使用することができる場合には、200ppm以下の量で充
分である。 このようなA成分、B成分および触媒を混合し、硬化
させて得られるシリコーンゲルは、JIS K(K−2207
−1980 50g荷重)で測定した針入度が通常5〜250度を
有する。 このようなシリコーンゲルの硬度は、上記A成分の量
を、B成分中のSiに直接結合している水素原子と架橋構
造を形成することができる量よりも過剰に用いることに
より調整することができる。また、他の方法として、両
末端がメチル基であるシリコーンオイルを、得られるシ
リコーンゲルに対して5〜75重量%の範囲内の量で予め
添加することにより調整することもできる。なお、上記
のA成分、B成分、触媒及びフィラーの外に、顔料、硬
化遅延剤、難燃剤等を、得られるシリコーンゲルの特性
を損なわない範囲内で配合することもできる。 このようなシリコーンゲルは、上記のようにして調整
することもできるし、また市販されてるものを使用する
こともできる。本発明で使用することができる市販品の
例としては、CF5027、TOUGH−3、TOUGH−4、TOUGH−
5、TOUGH−6、TOUGH−7(トーレ・ダウコーニング・
シリコーン(株)製)やX32−902/cat1300(信越化学工
業(株)製)、F250−121(日本ユニカ(株)製)等を
挙げることができる。 続いて、本発明に使用される触媒を失活させる物質に
ついて説明する。この物質は、シリコーンゲルの反応基
よりも素早く上記白金系触媒と反応し、しかも両者で強
固な化学結合を形成するものであればよく、有機、無機
の何れをも問わないものであり、具体的には、硫黄系化
合物としては、無機化合物として、硫酸カリ、硫酸アン
モン、過硫酸アンモニウム、過硫酸ソーダ、亜硫酸ソー
ダ、ハイドロサルファイド、硫酸ヒドロキシアミンなど
の硫酸塩、硫黄、二硫化炭素、スルホキシル酸ソーダ
(ロンガリット)などが挙げられ、また、有機化合物と
しては、チオグリコール酸、チオグリコール酸ブチルな
どのチオグリコール酸とチオグリコール酸ブチルなどの
チオグリコール酸とその誘導物、β−メルカプトプロピ
オン酸などのメルカプタン化合物、チオ酢酸、チオ尿
素、スルホン酸塩、硫酸エステル塩などの界面活性剤な
どが挙げられる。また、燐系化合物としては、無機化合
物として、燐酸、燐酸アンモニウム亜燐酸、次亜燐酸、
ピロ燐酸ソーダ、酸性メタ燐酸ソーダ、トリポリ燐酸ソ
ーダなどの燐酸及びその塩が挙げられ、また、有機燐化
合物として、トリメチルフォスフェート、ジアルキルジ
チオ燐酸、亜燐酸エステルなどが挙げられる。さらにま
た、錫化合物としては、各種塩化錫・酸化錫類があり、
その他ロダン塩類や硫酸第一錫などが挙げられ、アミン
化合物としては、イミノビスプロピルアミン、トリエチ
ルアミン、3−ジエチルアミノプロピルアミン、テトラ
メチルエチレンジアミン、3−メトキシプロピルアミン
などが挙げられる。 また、前記シリコーンゲルを基材として、これに添加
されるフィラーは、有機系、無機系のバルーンや、タル
ク、マイカ、鉛粉末などの一般充填材、金属系、有機
系、無機系繊維やウイスカー、更に導電、圧電性フィラ
ー等、機能改善、機能付加のために添加されるものであ
れば何れであってもよい。 そこで、何れかの目的をもって添加されるフィラーを
未硬化状態のシリコーンゲルに混合、分散させた後、前
記白金系触媒作用により付加反応せしめ、硬化させて複
合型シリコーンゲル材が得られるのであるが、本発明方
法においては、フィラーを未硬化状態のシリコーンゲル
に添加する前に、該フィラーを前記白金系触媒の触媒毒
たる物質とその気相および/または液相中で接触させ、
フィラーの少なくとも表面にこれら物質を吸着させる処
理を行う。 これには、前記硫黄、燐、錫系化合物やアミン等の有
機もしくは無機化合物を含む雰囲気下に、添加しようと
するフィラーを放置するか、あるいは、該化合物を溶解
した水溶液もしくは溶媒の溶液中に浸漬し、その後加熱
などにより水や溶媒を除去することで行われる。 そして、その後、この処理を済ませたフィラーを、前
記未硬化状態のシリコーンゲルA液またはB液の片方も
しくは両方に所定量添加して硬化工程に移す。硬化工程
では、これら未硬化状態の原料を、所定の金型やトレ
ー、あるいはフィルムが敷かれたベルト面上等の成形面
へと流し出し、その後、必要により圧力を加えたりしな
がら、所定温度、所定時間、例えば、80℃1時間加熱し
て、所望硬度に硬化した、所望形状の本発明複合型シリ
コーンゲル材か得られる。 本発明では、フィラーに吸着された白金系触媒の触媒
毒たる物質は、硬化工程中のフィラーの界面において、
シリコーンゲル原料中の白金系触媒と選択的に反応して
両者強固に結合し、白金系触媒の活性が失活され、シリ
コーンゲルの相にまだ未架橋成分が存在していても、フ
ィラーの界面における反応は停止され、もって、基材た
るシリコーンゲルが硬化してゲルの硬化連続相を形成し
ても、これに分散されて存在するフィラーのごく表面で
は、未硬化状態のシリコーンゲルは硬化されずに、フィ
ラー界面に未硬化層が形成される。この結果、得られた
複合型シリコーンゲル材は、上記未硬化相の存在で、フ
ィラーはシリコーンゲルの硬化連続相に拘束されず移動
の自由を有し、他方、シリコーンゲル自身はフィラーと
は直接に連続相を形成せず、荷重−歪量曲線が直線性を
呈し得るようになり、例えば、負荷荷重の増加にともな
い悪化する傾向にあった減衰特性も著しく改善されるこ
とが可能となる。 なお、シリコーンゲルの構成成分であるディターダー
用化合物も、これら触媒毒たる化合物と似た反応機構で
ヒドロシリル化触媒と反応するが、その目的は硬化温度
以下での架橋反応の防止のため、予め常温で選択的に触
媒と反応させておき、架橋反応時には、硬化温度以上で
解離もしくは分解させて触媒活性を再度復活させるもの
である。これに対し、本発明に使用される化合物は、同
じくゲルの反応基よりも素早く触媒と反応するが、触媒
との結合は恒久的なものであり、その使用目的、使用方
法、成分、内容で全く異なる。
【実施例】
予備乾燥したシリカアルミナの微小中空球体たる市販
のフィライト(登録商標=日本フィライト(株)製)の
グレード200/7を、直鎖状アルキルベンゼンスルホン酸
界面活性剤たる市販のソフト王洗(登録商標=日本油脂
(株)製)の100WT PPM水溶液中に投入して撹拌した
後、ヌッチェ濾過器で濾過して120℃で一昼夜乾燥し
て、フィラーに触媒毒たる物質を吸着させた。なお、処
理前後の重量を測定して、重量差より吸着量を決定した
ところ、実施例では、3.9×10-3WT%吸着したこととな
っていた。 続き、このようにして吸着処理した所定重量のフィラ
ーを二液性付加反応型シリコーンゲル原料たるCF5056
(トーレ・ダウコーニング・シリコーン(株)製)のA
液、B液のそれぞれへ添加し、撹拌して均一に分散させ
た。なお、このシリコーンゲル原料には、A液、B液の
一方に白金系触媒が既に混合されているものである。そ
の後、このA液、B液の混合比を1:1として混合し、直
径19mm深さ11.5mmの円筒穴たる金型内へ注入し、80℃1
時間の硬化の後、更に100℃3時間かけて硬化させた。
なお、フィラーは合計量として、35WT%添加した。 その後、室温放置して冷却し、金型から円筒型に成形
されたシリコーンゲルを取り出し、評価用の実施例サン
プルとした。 一方、比較例として、上記フィライトに吸着処理せ
ず、そのまま添加して、以降、実施例1と同一の方法に
より比較例サンプルを作製した。 これらのサンプルの、静荷重での歪量及び振動特性を
測定して、後者より減衰比を算出し、その測定結果を表
1及び第1図、第2図に示す。 以上の結果のとおり、本発明複合型シリコーンゲル材
によれば、荷重と歪との関係がより直線的にと大幅に改
善されたので、つまり、従来と未処理のフィラーを添加
してなる複合型シリコーンゲル材に比較して、負荷荷重
を増加させても、歪が急速に増大することなく、ヤング
率がほぼ一定に保たれるため、本発明を施用した複合型
シリコーンゲル材を、例えば防振材として、各種機器に
組み込む際にも、取り合いがきわめて容易となる。 これは、フィラーの表面に吸着させた触媒毒たる成分
がシリコーンゲルの硬化連続相中において、該フィラー
の界面に硬化連続相とは不連続の未硬化の層を形成し、
従来のゲルとフィラー間の機械的結合が切断されて両者
は自由に運動可能となったからと推察される。 また、減衰比の荷重依存性については、従来の複合型
シリコーンゲル材に比較して、高負荷荷重の領域に於て
も減衰比の低下が少なく、本来のフィラー添加の目的で
ある低共振倍率の防振材の製造、供給が可能となる。 なお、本発明は、実施例のような減衰特性の改善の
他、添加するフィラーによっては、従来のゲルとフィラ
ー間の機械的結合が切断されて両者は自由に運動可能と
なったことにより、荷重−歪量曲線が直線性を呈し、ヤ
ング率がほぼ一定に保たれることにより起因されるべき
別途の機能、例えば、緩衝性、導電性、磁性、圧電性等
についても、特性の改善が期待されるものである。
【発明の効果】
以上、本発明複合型シリコーンゲル材であれば、添加
したフィラーはゲルの硬化連続相に拘束されず移動の自
由を有し、他方、ゲルの硬化連続相自体はフィラーとは
直接に連続しなくなったので、従来荷重の増加に伴いゲ
ルとフィラー間の機械的結合のためにゲルの荷重−歪量
曲線が急速カーブを描き、ゲル硬度の急激な増加を示し
ていたが、より広い荷重範囲での直線性の維持が可能と
なり、この結果、荷重増加にともない悪化する傾向にあ
った減衰特性等も著しく改善された。勿論、添加するフ
ィラーによっては、荷重−歪量曲線が直線性を保て、ヤ
ング率がほぼ一定に保たれることにより起因されるべき
別途の機能たる緩衝性、導電性、磁性、圧電性等の特性
にも改善が期待できるものとなった。また、本発明複合
型シリコーンゲル材の製造方法によれば、そのような複
合型シリコーンゲル材を極めて容易に得ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
図は、実施例と比較例における静荷重での歪量及び振動
特性の測定結果を示したもので、第1図は負荷荷重を縦
軸に、歪量を横軸にとった、負荷荷重−歪量曲線であ
り、第2図は減衰比を縦軸に、歪量を横軸にとった、減
衰比−歪量曲線である。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08L 83/07 C08L 83/05 C08K 7/00 C08K 9/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】シリコーンゲル原液が硬化してなるシリコ
    ーンゲルとこのシリコーンゲル中に散在するフィラーと
    を有してなる複合型シリコーンゲル材であって、シリコ
    ーンゲルは硬化連続相として全体を形作るとともに、フ
    ィラーの界面において、未硬化のシリコーンゲル原液の
    薄層を形成して、該層を介してフィラーを担持している
    ことを特徴とする複合型シリコーンゲル材。
  2. 【請求項2】フィラーの少なくとも表面に、ヒドロシリ
    ル化触媒たる白金系触媒の失活作用を有する硫黄、燐、
    錫系化合物またはアミン化合物から選ばれた物質を、予
    め、その物質の気相および/または液相中にて吸着させ
    る工程と、該物質を吸着させたフィラーを未硬化状態の
    シリコーンゲルに添加する工程と、該フィラーを添加さ
    れた未硬化状態のシリコーンゲルを、前記白金系触媒を
    用い付加反応せしめて硬化させる工程とを有することを
    特徴とする複合型シリコーンゲル材の製造方法。
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