JP3203307B2 - 脱墨方法 - Google Patents

脱墨方法

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JP3203307B2
JP3203307B2 JP20977596A JP20977596A JP3203307B2 JP 3203307 B2 JP3203307 B2 JP 3203307B2 JP 20977596 A JP20977596 A JP 20977596A JP 20977596 A JP20977596 A JP 20977596A JP 3203307 B2 JP3203307 B2 JP 3203307B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新聞紙、チラシ、
雑誌等の古紙を脱インキして再利用するための脱墨方法
に関する。更に詳しくは、本発明は、インキや填料をよ
り効率的に除去することができる脱墨方法に関する。
【0002】
【従来の技術】古紙は、脱墨処理により古紙からインキ
を剥離し、再生パルプを得て、当該再生パルプから再生
紙を製造することにより、再生される。従来の脱墨方法
は、一般的に、古紙からインキを剥離する工程と、剥離
されたインキを排出する工程からなる。より具体的に
は、脱墨方法は、その主要な工程として、(1) 古紙のパ
ルピング(離解)工程、(2) 熟成、即ち、離解された紙
をそのまま放置する、工程、(3) フロテーション工程、
及び(4) 洗浄工程を含む。即ち、脱墨処理においては、
古紙繊維に結着したインキを物理的、化学的(或いは生
化学的)に剥離して、繊維からインキを分離する。分離
したインキはフロテーション工程において気泡に付着さ
れ、気泡と共に系外に排除される。その後脱墨パルプを
洗浄して、再生パルプが得られる。
【0003】上記のような従来の脱墨処理におけるイン
キ剥離は、インキの剥離効果を高めるために苛性ソーダ
やケイ酸ソーダ等のアルカリ物質の存在下、一般に高p
H(pH12〜9)下で行われ、引き続いて同条件でフ
ロテーション工程で剥離インキの除去が行われる。通
常、フロテーション処理における系中のpHは高pHの
まま殆ど変化せず、ほぼ一定のpHとされる。
【0004】一方、pH9以下でフロテーション工程を
行う脱墨方法は極めて少なく、わずかに特開昭54−2
3705号公報、同59−53532号公報、及び米国
特許第4,043,903号に開示があるのみである。
これらは低pH領域でフロテーション工程を行うことを
開示するが、フロテーション工程で泡が過剰に発生す
る、インキ剥離性能が悪く、それ故、白色度の高いパル
プが得られない、フロテーション時に、インキは充分に
除去され得ない、脱墨効果が不十分であるなどの問題が
あり、実用上満足のゆく性能を有していない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】近年、美しく安定な印
刷に対する需要の増大や印刷技術の進展により、原料と
して使用される古紙の性状が多様化してきている。加え
て、インキの紙への結合の程度が、緩やかなものから強
固なものまで、多岐に亘っている。このような状況にお
いて、脱墨パルプの品質(白色度、残インキ数等)及び
歩留り(即ち、生産性)の向上が要求されている。この
目的を達成するために、脱墨工程、脱墨剤及び脱墨に用
いる装置などの各方面から、種々の提案がなされてい
る。
【0006】通常行われる脱墨処理においては、例えば
新聞古紙として複数の銘柄が混在する、またこれにチラ
シや雑誌が混在する、更にこれらにその他の印刷物が混
在するなど、原料古紙に多種多様な印刷物が混在するの
が一般的である。加えて、今日では異物として粘着テー
プ、接着剤、樹脂製ひも等の混入が増加してきており、
その除去も問題となっている。従って、脱墨効果を高め
るための方策として、多様な原料古紙に対応できるだけ
の脱墨性能を具備することが必要となるだけでなく、異
物除去の観点からも性能の向上を図ることが要求され
る。つまり、脱インキ処理には、古紙の種類(例えば新
聞古紙の銘柄、チラシ種、雑誌種)、古紙の劣化度合
い、また、インキ、填料、顔料及び紙表面塗工剤等の種
類、異物の混入など、多数の因子が影響しており、効率
的な脱インキのためには、これらの因子の影響を考慮す
る必要があるが、単一の脱墨剤や脱墨方法で全てに対応
させることは極めて困難である。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は多様な原料古
紙を用いた脱墨方法においても良好な脱墨効果を奏する
ことのできる方法について詳細に検討した結果、古紙の
種類やその劣化度合いなどによって、また、インキ、填
料、顔料及び紙表面塗工剤等の種類によって、それぞれ
の除去に有利なpH領域及び薬品添加条件が異なること
を見出した。更にこの知見に基づき、従来ほぼ一定のひ
とつのpHで行っていたフロテーション工程を、pHを
変化させるフロテーション処理とすることにより、多様
な原料古紙を用いた場合でも効率的な脱インキが達成さ
れ、白色度、歩留りが高く、且つ粘着物、灰分の少ない
脱墨パルプが得られることを見出し、本発明を完成し
た。
【0008】即ち、本発明は、原料古紙から剥離したイ
ンキを除去するフロテーション工程を含む脱墨方法にお
いて、当該フロテーション工程の少なくとも一部で系中
のpHを2以上変化させることを特徴とする脱墨方法を
提供するものである。
【0009】通常、原料古紙からのインキの剥離は、原
料古紙を適当に裁断した後、温水やアルカリ剤等の各種
薬剤を添加して調製したパルプスラリーに脱墨剤である
界面活性剤を加えて機械的に攪拌することにより行わ
れ、次いで、剥離インキを含むパルプスラリーをフロテ
ーターに導入してフロテーション工程が行われる。本発
明においては、フロテーション工程における系中のpH
を一定ではなく変化させる点に特徴を有する。ここで、
「pHが変化する」とは、少なくとも2以上、好ましく
は3〜10、特に好ましくは3〜6pHが変化する領域
がフロテーション工程に存在することを意味し、各種薬
剤の添加や使用水の変化等に由来する系中のわずかなp
Hの変化は除く。pHの変化が2未満では十分な脱墨効
果が得られない。そして、本発明の脱墨方法では、少な
くとも1回pHの変化があればよい。また、フロテーシ
ョン工程の「系」とは、フロテーション処理を行う際の
水−パルプスラリーをいい、本発明ではその水溶液部分
のpHを「系のpH」とする。
【0010】本発明において、フロテーション工程にお
ける系中の変化後のpHがpH4〜10、好ましくはp
H5〜9の範囲にあることが望ましい。特に、pH4〜
10の範囲でpHが2以上変化する領域が存在すること
が好ましい。pHの変化の態様は、連続的でも階調的で
も或いはこれらの組み合わせでも何れでもよい。具体的
には、高pHから低pHへ漸次減少させる、低pHから
高pHへ漸次増加させる、高pHと低pHの増減を組み
合わせる等の方法が挙げられる。一般的なフロテータ
は、複数のフロテータ槽を持つか、数基のフロテータ槽
の直列方式となっているので、それぞれのフロテータ槽
を任意のpHにコントロールすることでフロテーション
工程のpHを変化させることができる。また、単一のフ
ロテータ槽を用いる場合には、徐々にpHを減少又は増
加させることができる。本発明において、フロテーショ
ン工程の系(すなわち処理水)のpHを変化させる方法
としては、塩酸、硫酸などの酸、或いは水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム等の塩基を添加する方法が挙げられ
る。
【0011】前記したように、本発明の脱墨方法は、フ
ロテーション工程の系中のpHにより、被除去物の除去
効率が異なるという知見に基づく。例えば新聞紙を原料
古紙とする脱墨において、そのフロテーション時の除去
物の灰分を分析してみると、フロテーション除去物の金
属組成やフロテーション後のパルプの白色度、残インキ
量、残粘着物量がpHによって異なる。その結果、イン
キ、填料、顔料等の異なる新聞銘柄によって最適のpH
に微妙なズレが生じることがわかった。従って、従来の
実操業における市中回収古紙では様々な古紙が混在して
いるために、一定のpHでフロテーション処理を行って
も十分なインキ及び填料等の除去ができないものと考え
られる。本発明ではフロテーション工程における系中の
pHを変化させること、好ましくはそれをpH10〜4
の範囲で行うことにより、それぞれのpHで除去されや
すいインキや填料等が効率的に除去されるため、結果的
に脱墨性能が向上する。
【0012】
【発明の実施の形態】インキの剥離工程では、インキ剥
離のために、通常界面活性剤の少なくとも一種以上が用
いられる。界面活性剤としては、従来脱墨剤として公知
の界面活性剤を用いることができるが、陽イオン界面活
性剤、陰イオン界面活性剤、非イオン界面活性剤が好ま
しく、特に好ましくは非イオン界面活性剤である。そし
て、非イオン界面活性剤としては、下記の(A)〜
(D)から選ばれる1種又は2種以上が好ましい。特に
好ましくは下記の(A)、(B)及び(C)で表される
非イオン界面活性剤であり、更に好ましくは下記の
(C)で表される非イオン界面活性剤である。
【0013】<非イオン界面活性剤(A):油脂とアル
コールの混合物にアルキレンオキサイドを付加して得ら
れた反応生成物>非イオン界面活性剤(A)は、油脂
と、1価又は多価アルコールとの混合物のアルキレンオ
キサイド付加物である。アルキレンオキサイドは、上記
混合物に、当該混合物1モルあたり、平均で5〜300
モル、好ましくは20〜150モルの量で付加される。
アルキレンオキサイドの例としては、エチレンオキサイ
ド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドが挙げ
られ、それらは、単独でも、それらの二種以上の混合物
の形で用いてもよい。
【0014】アルコールに対する油脂の混合割合は、1
/0.1〜1/6が好ましく、1/0.3〜1/3が特
に好ましい。この比が上記範囲内であると、インキの剥
離が十分に行われるため、見栄えの良い再生パルプが得
られる。
【0015】非イオン界面活性剤(A)の原料としての
油脂の例としては、椰子油、パーム油、オリーブ油、大
豆油、菜種油、アマニ油等の植物油、豚脂、牛脂、骨油
等の動物油、魚油、これらの硬化油及び半硬化油、及
び、これら油脂の精製工程で得られた回収油が挙げられ
る。特に椰子油、パーム油、牛脂が好ましい。
【0016】非イオン界面活性剤(A)の原料としての
1価アルコールの例としては、炭素数8〜24のアルキ
ル又はアルケニル部分を有するもの、及び、そのアルキ
ル部分が炭素数6〜14であるアルキルフェニル部分を
有するものが挙げられる。好ましくは炭素数12〜18
のアルキル部分を有するものである。
【0017】非イオン界面活性剤(A)の原料としての
多価アルコールの例としては、エチレングリコール、プ
ロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロ
パン等が挙げられる。
【0018】<非イオン界面活性剤(B):式:RCO
O(AO)mR’で表される化合物>上記式中、Rは、炭
素数7〜23のアルキル又はアルケニル基を示し、R’
は、水素原子、炭素数1〜22のアルキル基、炭素数2
〜22のアルケニル基もしくは炭素数2〜22のアシル
基、好ましくは水素を示し、AOは、炭素数2〜4のオ
キシアルキレン基を示し、mは1以上の整数である。A
Oの平均付加モル数は、5〜300モルが好ましい。ま
た、AOとしてエチレンオキサイドとプロピレンオキサ
イドを、プロピレンオキサイドに対するエチレンオキサ
イドのモル比が1/5〜5/1で用いるのが好ましい。
非イオン界面活性剤(B)の中では、Rで示されるアル
キル又はアルケニル基の炭素数、特にアルキル基の炭素
数が11〜23のものが好ましい。
【0019】<非イオン界面活性剤(C):式:RO
(AO)nHで表される化合物>上記式中、Rは、炭素数
8〜24のアルキル又はアルケニル基を示し、AOは、
炭素数2〜4のオキシアルキレン基を示し、nは1以上
の整数である。AOの平均付加モル数は5〜300モル
が好ましく、より好ましくは7〜150モルである。ま
た、AOとしてエチレンオキサイドとプロピレンオキサ
イドを、プロピレンオキサイドに対するエチレンオキサ
イドのモル比が1/5〜5/1で用いるのが好ましい。
【0020】<非イオン界面活性剤(D):多価カルボ
ン酸もしくはその酸無水物に、アルキレンオキサイドを
付加して得られた反応生成物、又は、多価カルボン酸も
しくはその酸無水物とアルコールとの混合物に、アルキ
レンオキサイドを付加して得られた反応生成物>非イオ
ン界面活性剤(D)は、多価カルボン酸又はその酸無水
物(I)とアルコール(II)を用いて製造される。その
際、化合物(I)及び(II)は、(II)に対する(I)
のモル比が1/0.02〜5、特には1/0.1〜3で
用いられるのが好ましい。
【0021】また、陰イオン界面活性剤としては、高級
脂肪酸もしくはその塩が好適に用いられる。陽イオン界
面活性剤としては、第4級アンモニウム塩を用いること
ができ、特にモノ長鎖アルキル型の第4級アンモニウム
塩が好適である。
【0022】界面活性剤は、脱墨方法のいずれの工程へ
添加してもよい。しかし、通常は、パルピング工程に添
加される。その添加量は特には限定されない。もちろん
上記非イオン界面活性剤(A)〜(D)以外の公知の脱
墨剤を、それと組合わせて用いることはできる。
【0023】また、本発明の脱墨方法においては、フロ
テーション時の系中に、カチオン性化合物、アミン、ア
ミンの酸塩又は両性化合物、好ましくはアミン、アミン
の酸塩、カチオン性化合物、特に好ましくはアミン、ア
ミンの酸塩を存在させることが好ましい。これらの化合
物を併用することにより、より被除去物の除去効率が向
上する。これらの化合物は、特にフロテーション工程の
pHが5〜9において効果が顕著である。
【0024】カチオン性化合物の例としては、モノ長鎖
アルキル型の第四級アンモニウム塩、ジ長鎖アルキル型
の第四級アンモニウム塩、窒素原子に置換基を有するピ
リジニウム塩、及びカチオンポリマーが挙げられる。カ
チオン性化合物の中では、特に下記式(a1)〜(c1
で表されるカチオン性化合物が好ましい。
【0025】
【化1】
【0026】〔式式(a1)から(c1)において、R1
及びR2 は、互いに同一又は相異なって、それぞれ、炭
素数10〜24のアルキル、アルケニル又はβ−ヒドロ
キシアルキル基であり、R3、R4及びR5 は、互いに同
一又は相異なって、それぞれ、炭素数1〜8のアルキル
もしくはヒドロキシアルキル基、ベンジル基、又は式:
−(AO)n−Z(ここで、AOは炭素数2〜4のオキシ
アルキレン基であり、Zは、水素原子又はアシル基であ
り、nは1〜50の整数である)で表される基であり、
6 は、炭素数8〜36のアルキル、アルケニル又はβ
−ヒドロキシアルキル基であり、X- は対イオンであ
り、Yは、炭素数8〜36のアルキル、アルケニル又は
β−ヒドロキシアルキル基、式:R6COOCH2−(こ
こで、R6 は前記定義の通りである)で表される基、
式:R6CONHCH2−(ここで、R6は前記定義の通
りである)で表される基又は式:R6OCH2−(ここ
で、R6 は前記定義の通りである)で表される基であ
る。〕。
【0027】アミン及びアミンの酸塩の例としては、1
級アミン、2級アミン、3級アミン、環状アミン、イミ
ダゾール及びイミダゾリン、これらのアミンの無機酸
塩、これらのアミンの有機酸塩、及びアミノ基を含むポ
リマーが挙げられる。アミン又はアミンの酸塩として
は、特に下記式(a2)〜(c2)で表されるアミン又は
アミンの酸塩が好ましい。
【0028】
【化2】
【0029】〔式(a2)〜(c2)において、R1 は、
炭素数8〜36のアルキル、アルケニル又はβ−ヒドロ
キシアルキル基であり、R2及びR3は、互いに同一又は
相異なって、それぞれ、水素原子、炭素数1〜24のア
ルキル基又は炭素数2〜24のアルケニル基であり、H
Aは、無機又は有機酸を示す。〕。
【0030】また、両性化合物の例としては、ベタイ
ン、アミンオキサイド、リン脂質、蛋白質及び両性ポリ
マーが挙げられる。両性化合物としては、特に下記式
(a3)〜(b3)で表される両性化合物が好ましい。
【0031】
【化3】
【0032】〔式(a3)〜(b3)において、R1、R2
及びR3 は、互いに同一又は相異なって、それぞれ、炭
素数1〜24のアルキル基又は炭素数2〜24のアルケ
ニル基であり、R4 は、炭素数8〜36のアルキル、ア
ルケニル又はβ−ヒドロキシアルキル基であり、Mは、
水素原子、アルカリ金属原子、1/2モルのアルカリ土
類金属原子又はアンモニウム基である。〕。
【0033】カチオン性化合物、アミン、アミンの酸塩
及び両性化合物からなる群から選ばれた少なくとも一種
は、フロテーション工程において、対パルプ当たり0.
005重量%から5重量%、好ましくは0.01重量%
から1重量%の量で使用される。これらの化合物は、フ
ロテーション工程の何れの時期に添加されてもよいが、
系中のpHが5〜9の範囲にある場合に効果が顕著であ
り、系中のpHがこの範囲にあるときに添加するのが好
ましい。これらの化合物をフロテーションの際、系中、
即ちスラリー中に存在させることにより、インキ及び填
料、異物を効率良く除去することができ、白色度の向
上、歩留りの向上の両立が可能となる。これは、インキ
及び填料、異物の界面とパルプ界面の性質の違いからカ
チオン性化合物、アミン、アミンの酸塩及び両性化合物
が選択的にインキ及び填料、異物に吸着することによ
り、これらの凝集が進み、気泡により除去されやすくな
るためと考えられる。
【0034】本発明の脱墨方法は、フロテーション工程
における系中のpHを変化させることを特徴とする。そ
の他の工程は、従来の脱墨方法に準じて行なうことがで
きる。即ち、脱墨方法は、その主たる工程として、離解
(又はパルピング)工程、熟成工程、(必要に応じてニ
ーディング工程)、フロテーション工程及び洗浄工程を
含んでもよい。脱墨方法は、必要であれば、更に他の工
程を含んでいてもよい。各工程は、二回以上行われても
よい。本発明のフロテーション工程におけるpHの変化
の態様としては、例えば、pH12〜4の範囲で漸次p
Hを減少させる、或いはpH4〜12の範囲で漸次pH
が増加させる例が挙げられる。特に、インキ剥離工程が
通常アルカリ領域で行われることを考慮すると、フロテ
ーション工程を該pHより漸次減少させながら、好まし
くは開始時のpHをpH10〜9とし、漸次pHを減少
させてフロテーション工程の終了時のpHをpH4〜6
とする方法が効率的である。また、フロテーション工程
をアルカリ領域で開始し、漸次pHを減少させて一旦酸
性とし、再度pHを上昇させてフロテーション工程の終
了時のpHをアルカリ領域とすることもできる。これら
以外の方法でも、フロテーション工程の少なくとも一部
で系中のpHが2以上変化するものであればよい。
【0035】また、本発明の脱墨方法において、フロテ
ーション工程の系中のpHを変化させる場合、それぞれ
のpHにおけるフロテーション処理の時間は任意であ
り、フロテーション工程のスケールや、pHの変化が連
続的か階調的かなどによって異なり、適宜処理時間を選
べばよい。また、フロテーション温度も限定されず、室
温〜90℃の範囲で適宜選ぶことができる。
【0036】
【実施例】以下実施例により本発明をより詳細に説明す
るが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。
【0037】参考例 市中回収された古紙(新聞紙/チラシ=70/30)を
5×4cmに細断後、その一定量を卓上離解機に入れ、
その中に温水及び水酸化ナトリウム1重量%(対原
料)、珪酸ソーダ3重量%(対原料)、30重量%過酸
化水素水1重量%(対原料)及び脱墨剤としてステアリ
ルアルコールのEO15モル(平均付加モル数)/PO
15モル(平均付加モル数)ブロック付加物(EO:エ
チレンオキサイド、PO:プロピレンオキサイド)0.
2重量%(対原料)を加え、パルプ濃度5重量%とし、
40℃で10分間離解した。得られたパルプスラリー
を、40℃にて60分間熟成を行った後、温水を加えて
パルプ濃度を1重量%に希釈し、硫酸を用いて当該パル
プスラリーのpHを表1に示す値に調整した後、下記式
で表されるアミン化合物(I−a−1)0.05重量%
(対原料)を添加し、40℃にて10分間フロテーショ
ン処理を行った。フロテーション処理後、排出物量と排
出物の灰分の金属組成を測定した。ここで、灰分は直径
16cmの円形パルプシートの絶乾量を精秤し、ルツボ
にて600℃で焼却した後、残留灰分として得た。ま
た、金属組成はこの灰分を原子吸光分析によって求め
た。灰分の金属組成から、填料の組成を推定することが
できる。その結果を表1に示す。
【0038】
【化4】
【0039】
【表1】
【0040】この結果より、フロテーションを行うpH
によって除去される填料成分及び量が異なり、最適なp
Hがあることがわかる。すなわち、炭酸カルシウムやタ
ルクはpH7程度で除去されやすいのに対し、その他の
成分の中にはアルカリ側で除去されやすいもの、酸性側
で除去されやすいものがあるのがわかる。
【0041】実施例1〜13及び比較例1〜3 市中回収された古紙(新聞紙/チラシ/タックラベル=
70/29.9/0.1)を5×4cmに細断後、その
一定量を卓上離解機に入れ、その中に温水及び水酸化ナ
トリウム1重量%(対原料)、珪酸ソーダ3重量%(対
原料)、30重量%過酸化水素水1重量%(対原料)及
び脱墨剤としてステアリルアルコールのEO15モル
(平均付加モル数)PO15モル(平均付加モル数)ブ
ロック付加物(EO:エチレンオキサイド、PO:プロ
ピレンオキサイド)0.2重量%(対原料)を加え、パ
ルプ濃度5重量%とし、40℃で10分間離解した。得
られたパルプスラリーを、40℃にて60分間熟成を行
った後、温水を加えてパルプ濃度を1重量%に希釈し、
硫酸及び水酸化ナトリウムを用いて当該パルプスラリー
のpHを表2〜4に示す値に調整し、更に表5〜11に
記載の添加物を添加する場合は、ここで0.2重量%
(対原料)を添加し、40℃にて10分間フロテーショ
ン処理を行った。フロテーション処理後、タッピシート
マシンにてパルプシート(直径16cmの円形シート)
を作製し、5kgf/cm2 加圧した後、通風乾燥し、
歩留り、白色度、粘着物の個数及びフロテーション後の
パルプの灰分量を下記の方法で測定した。その結果を表
2〜4に示す。
【0042】白色度は、予めサンプリングしておいたフ
ロテーション前及びフロテーション後のパルプスラリー
へ硫酸バンド(硫酸アルミニウム)を添加してpHを
5.5に調整した後、抄紙してパルプシートを得た。得
られたパルプシートの白色度を、測色色差計にて測定し
た。尚、抄紙したパルプシートの白色度における1%の
向上は目視において充分な効果として認識できる。
【0043】また、フロテーション時のパルプ歩留り
は、フロテーション前のパルプスラリー中の絶乾パルプ
重量とフロテーションリジェクト中の絶乾パルプ重量の
割合から求めた。歩留りの1%の上昇は、充分有意差と
して認知できる。
【0044】また、粘着物の個数は一平方メートル当た
り100gで抄紙を行い、25cm×25cmのパルプ
シート中の粘着物の数を目視によって数えた。粘着物は
2個以下であれば実機の場合、フロテーション後のスク
リーニング等において除去でき、充分に実用に耐える
が、3個以上であると設備的な対応が必要になると考え
られる。
【0045】パルプの灰分量は、残留填料の指標となる
が、直径16cmの円形パルプシートの絶乾量を精秤
し、るつぼにて600℃で燃やした後、残留灰分を測定
し、割合として求めた。残留填料は、一般に少ない方が
後の工程の調整が容易であり、灰分量の0.5%の減少
は有意差として充分認知できる。
【0046】
【表2】
【0047】
【表3】
【0048】
【表4】
【0049】(注)表中「F/T」はフロテーションの
略である。また、実施例1〜13では、フロテーション
時のpHを表中の上段の数値から下段の数値へと変化さ
せた。なお、添加物を添加した例は、最初に添加した添
加物が引き続き系中に存在していたことを示す(即ちp
Hの変化に伴って添加したものではない)。また、添加
物は下記の表5〜11に示す化合物である。
【0050】
【表5】
【0051】
【表6】
【0052】
【表7】
【0053】
【表8】
【0054】
【表9】
【0055】
【表10】
【0056】
【表11】
【0057】実施例14〜21及び比較例4〜6 実施例1において、表12〜13記載の脱墨剤及び添加
物を用いる以外は同様にしてパルプシートを作製し、同
様の評価を行った。その結果を表12〜13に示す。
【0058】
【表12】
【0059】
【表13】
【0060】(注)表中、脱墨剤の記号は意味である。 脱墨剤A:ステアリン酸EO15モル(平均付加モル
数)PO10モル(平均付加モル数)ランダム付加物 脱墨剤B:牛脂/グリセリン(1:1)混合物のEO7
0モル(平均付加モル数)PO10モル(平均付加モル
数)ブロック付加物 脱墨剤C:ダイマー酸EO30モル(平均付加モル数)
PO30モル(平均付加モル数)ブロック付加物 また、添加物は下記の表14〜16に示す化合物であ
る。
【0061】
【表14】
【0062】
【表15】
【0063】
【表16】
【0064】以上実施例に示したように、本発明の方法
によって、フロテーション後の白色度が高いことはもち
ろん、異物由来と考えられる粘着物量、残留填料として
のパルプ中の灰分量が少ない高品質なパルプが得られ
た。更に、フロテーション前後での白色度の差が大き
く、歩留りも高いことから、脱墨効率も高いことが分か
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ▲高▼橋 広通 和歌山県和歌山市湊1334 花王株式会社 研究所内 (56)参考文献 特開 昭59−53532(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D21C 5/02

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原料古紙から剥離したインキを除去する
    フロテーション工程を含む脱墨方法において、当該フロ
    テーション工程の少なくとも一部において系中のpHを
    2以上変化させることを特徴とする脱墨方法。
  2. 【請求項2】 フロテーション工程における系中の変化
    後のpHがpH4〜10の範囲にある請求項1記載の脱
    墨方法。
  3. 【請求項3】 フロテーション工程における系中のpH
    の変化が、高pHから低pHへの減少である請求項1又
    は2記載の脱墨方法。
  4. 【請求項4】 フロテーション工程における系中のpH
    の変化が、低pHから高pHへの増加である請求項1又
    は2記載の脱墨方法。
  5. 【請求項5】 フロテーション工程開始時の系中のpH
    がpH12〜9の範囲にあり、フロテーション工程終了
    時の系中のpHがpH6〜4の範囲にある請求項1〜3
    の何れか1項記載の脱墨方法。
  6. 【請求項6】 フロテーション工程の少なくとも一部
    を、アミン化合物、アミンの酸塩、カチオン性化合物及
    び両性化合物からなる群から選ばれた少なくとも一種の
    存在下に行う請求項1〜5の何れか1項記載の脱墨方
    法。
  7. 【請求項7】 前記アミン化合物、アミンの酸塩、カチ
    オン性化合物及び両性化合物からなる群から選ばれた少
    なくとも一種の化合物を、対パルプ当たり0.005重
    量%から5重量%添加する請求項6記載の脱墨方法。
  8. 【請求項8】 フロテーション工程の少なくとも一部に
    おいて系中のpHをpH5〜9の範囲とし、且つ当該p
    H範囲の系中に、前記アミン化合物、アミンの酸塩、カ
    チオン性化合物及び両性化合物からなる群から選ばれた
    少なくとも一種の化合物を添加する請求項6又は7記載
    の脱墨方法。
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