JP3201960B2 - 床化粧材の敷設構造 - Google Patents

床化粧材の敷設構造

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ベランダや屋上等
の下地上に矩形状の床化粧材を敷きつめて床を構成する
際の敷設構造に関する。
【0002】
【従来の技術】ベランダや屋上等においては、従来、美
観などの向上を目的として床面に人工芝を敷設してい
る。
【0003】また、最近では、足もとが心地よくて高級
感のある床を構築することを目的として、ベランダや屋
上等の下地上に、複数枚の床化粧材を敷きつめるという
工法も採られるようになってきている。その床化粧材と
しては、硬質合成樹脂を矩形状に成形した床材本体(マ
ット)の上面に、合成樹脂、ラバー、木質またはタイル
等の化粧面材を一体的に形成したものが使用されている
(例えば実開平5−85929号公報)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記した床
化粧材のうち、実開平5−85929号公報のように、
化粧面材がタイル等の比較的重たい材質である場合はそ
れほどではないが、化粧面材が合成樹脂等で床化粧材全
体が軽量である場合には屋外の風の影響が問題となる。
【0005】例えば図6に示すように、手すり付きのベ
ランダVに軽量の床化粧材1を敷きつめた場合、ベラン
ダ端部の手すりPを通り抜けた風が、床化粧材1の下面
側に入り込んで床化粧材の全体が捲れあがり吹き飛んで
しまう虞れがある。また、このような問題は、低いパラ
ペットのついた屋上あるいは屋上等の広い面積の下地上
に床化粧材を部分的に敷設する場合にも起こる。
【0006】本発明は、そのような実情に鑑みてなされ
たもので、ベランダや屋上等の床を床化粧材で構成する
にあたり、その床化粧材が受ける風の影響(床化粧材の
捲れあがり)を防ぐことができ、しかも床化粧材が有す
る排水機能を損なうことのない敷設構造を提供すること
を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明の床化粧材の敷設構造は、図1及び図2に例
示するように、矩形状の床化粧材1・・1を敷きつめて床
を構成する際に、その床の端の部分に配置する床化粧材
1・・1の端部に、風が床化粧材の下面側に入り込むこと
を防止する縦断面形が略コ字形の横長の部材で下部に排
水孔11a・・11aを設けた床部材11が挟み込まれて
いることによって特徴づけられる。
【0008】このように、風が床化粧材の下面側に入り
込むことを防止する断面略コ字形の床部材11を嵌め込
んでおくことで、その床部材11の垂直部(コの字の縦
辺)によって床化粧材1の端部が塞がれるので、床化粧
材1の下面に風が吹きこむことがなくなり、床化粧材1
の捲れあがりを防止できる。しかも床部材11の下部に
設けた排水孔11a・・11aを通じて雨水等が外部に流
れ出るので、十分な排水性を確保できる。
【0009】ここで、床部材11に設ける排水孔11a
の高さ寸法H(図4参照)は、良好な排水性を確保する
点のみを考えると大きいほど良いが、床化粧材1の下面
側への風の吹き込みを阻止するといった目的を考え合わ
せると、4mm前後が適当である。またその床部材に設
ける排水孔としては、図4に示したような半円形の孔の
ほか、図5に例示するように、スリット状の排水孔21
aであってもよく、この場合も排水孔21aの高さ寸法
は4mm前後とする。
【0010】なお、本発明で用いる床部材の材質は、特
に限定されないが、敷設時の作業性や床化粧材との調和
などを考慮すると、床化粧材と同じ程度の強度をもつ硬
質合成樹脂が好ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】まず、この実施の形態で用いる床
化粧材1は、図3(A),(B) に示すように、硬質合成樹脂
を正方形(30cm角)に成形した成形品で上面に化粧面
材2が一体成形されており、裏面には、四辺に沿って一
定ピッチで並ぶ複数本の垂直脚1a・・1aと、その内方
の位置に所定の間隔で並ぶ複数本の補助脚1b・・1bが
一体成形されている。さらに床化粧材1には、図3(B)
の裏面図に示すように、互いに隣合う二辺の縁部に、そ
れぞれ連結孔3を有する複数個の連結片4が一定のピッ
チで設けられており、その各対辺側には連結脚5・・5が
それぞれ連結孔3に対応する位置関係で設けられてい
る。
【0012】また、この実施の形態で用いる風が床化粧
材の下面側に入り込むことを防止する断面略コ字形の床
部材11は、図4に示すように、硬質合成樹脂を横長状
に成形した部材で、そのコの字の上辺と下辺との間の距
離(内寸)が、床化粧材1の高さと略等しい寸法に加工
されている。さらに床部材11の角部(敷設時に下側と
なる角部)には、半円形の排水孔11a・・11aが所定
のピッチで加工されている。
【0013】次に、以上の部材を用いて床を構成する際
の例を、以下、図面に基づいて説明する。図1は本発明
の実施の形態を示す図で、(A) は床の側面図、(B) は床
全体を上方から見た図である。また図2はその実施の形
態の要部斜視図である。
【0014】この図1及び図2に示す例においては、床
化粧材1と、断面略コ字形の床部材11をそれぞれ所要
数づつ用意しておき、その床化粧材1・・1をベランダ等
の下地床面F上に配列して、互いに隣合う床化粧材同士
を相互に連結し、次いで床の端となる部分に並ぶ床化粧
材1・・1の端部に床部材11を、その排水孔11aが下
側になるように挟み込むという施工法を採ることで、風
が床化粧材1の下面側に入り込むことを防止した床化粧
材の敷設構造で、排水機能をもつ床を構築している。
【0015】なお、以上の施工を行う床部材11・・11
のうち、一端が床のコーナ部に位置する床部材11につ
いては、その端部に45°カットの加工を行っておく。
ここで、以上の実施の形態で使用する断面略コ字形の床
部材11の下面は、ベランダ等の下地床面に密着するよ
うな平面であることが好ましい。また、断面略コ字形の
床部材11は下地床面に固定しておくことが好ましく、
その固着手段としてはビスまたは釘などが挙げられる
が、下地防水面保護つまり防水面からの階下への漏水防
止を考慮すると、防水面に傷がつかないような方法、例
えば接着剤または両面テープ等を用いた固着法を採る方
がよい。
【0016】また、以上の実施の形態では、床部材に設
ける排水孔を半円形状の孔としているが、このほか、図
5に例示するように、床部材21の角部を切欠いたスリ
ット状の排水孔21aであってもよく、この場合も排水
孔21aの高さ寸法は4mm前後とする。また排水孔2
1aの幅寸法は、床化粧材1の下側への風の吹き込み防
止を考慮すると5mm〜50mm程度が適当である。
【0017】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
ベランダ等に床化粧材を敷きつめて床を構成するにあた
り、その床の端となる部分に配置する床化粧材に、風が
床化粧材の下面側に入り込むことを防止する縦断面形が
略コ字形の床部材が挟み込まれ ているので、その床部材
の風防効果により、床化粧材の下面側への風の吹きこみ
を阻止できる。これにより、強風が吹いても床化粧材が
吹き飛ぶといった虞れがなく安全な敷設状態を実現でき
る。しかも床部材に排水孔を設けているので、床化粧材
が有する排水機能を損なうこともない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の説明図
【図2】同じく実施の形態の説明図
【図3】本発明の実施の形態に用いる床化粧材の要部構
造図で(A) は側面図、(B) は裏面図
【図4】本発明の実施の形態に用いる床化材の構造例を
示す図で(A) は斜視図、(B) は縦断面図
【図5】本発明の実施の形態に用いる床化材の他の構造
例を示す斜視図
【図6】床化粧材をベランダに敷設した際の問題点を説
明する図
【符号の説明】
1 床化粧材 11,21 床部材 11a,21a 排水孔

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ベランダや屋上等の下地上に矩形状の床
    化粧材が敷きつめられて床が構成される構造であって
    その床の端の部分に配置する床化粧材の端部に、風が床
    化粧材の下面側に入り込むことを防止する縦断面形が略
    コ字形の横長の部材で下部に排水孔を設けた床部材が挟
    み込まれていることを特徴とする床化粧材の敷設構造
JP26982996A 1996-10-11 1996-10-11 床化粧材の敷設構造 Expired - Fee Related JP3201960B2 (ja)

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