JP3201708B2 - 高均質な光学用石英ガラス成形体の製造方法 - Google Patents

高均質な光学用石英ガラス成形体の製造方法

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JP3201708B2 JP16914795A JP16914795A JP3201708B2 JP 3201708 B2 JP3201708 B2 JP 3201708B2 JP 16914795 A JP16914795 A JP 16914795A JP 16914795 A JP16914795 A JP 16914795A JP 3201708 B2 JP3201708 B2 JP 3201708B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高均質な光学用石英ガ
ラス成形体の形成用素材としての三方向に高均質な石英
ガラス成形体の製造方法に関し、特に、高均質で脈理を
有しない光学用石英ガラス成形体製造用の素材として
の、全方向の高均質化及び脈理除去が容易な、三方向に
高均質な石英ガラス成形体の製造方法に関する。また、
本発明は、高均質で脈理を有しない光学用石英ガラス成
形体に関し、特に、光リソグラフィー、例えばエキシマ
レーザー等の紫外線を使用するディープUVリソグラフ
ィーの露光装置に使用される光学系に適した、きわめて
高均質で三方向に脈理を有さず、かつこれらの紫外線に
対して高い透過性を有すると共にその照射に対して安定
な光学部材用の石英ガラス成形体の製造方法に関する。
また、本発明は、紫外線用の光学系を構成する、例えば
レンズ、プリズム等の均質な石英ガラス光学部材用とし
て好適な、脈理を有せずに、高均質で且つ紫外線に対し
光学的に高透過性を有する石英ガラス成形体の製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体製造において、ウエハー上に集積
回路パターンを描画するリソグラフィー技術の発達がめ
ざましい。特に、LSIの高集積化に伴い、使用波長の
短波長化が進み、水銀ランプのi線から、KrF等のエ
キシマレーザー光が用いられるようになっている。この
ような使用波長の短波長化は、その光学系を構成する光
学部品も従来の多成分ガラス製ではなく、紫外線透過性
の高い石英ガラス製の光学部品となっており、それも、
化学的に精製され、より紫外線透過性の高い合成石英ガ
ラス光学部品となってきている。また、このような高精
度な光学系を構成する光学部品については、きわめて良
好な紫外線透過性、光学的な均質性及び脈理フリー特性
が厳しく求められている。
【0003】一般に、ガラスには、脈理、即ち、ガラス
における屈折率の急激な変化を伴う不均質であり、組成
の不均質又は製造時の熱的又はその他の条件の不均質に
よって生じる筋状、或いは面状の不均質構造が存在す
る。光学ガラスにおいて、このような脈理は、光の通過
を歪めるために、あってはならない欠陥の一つである。
また、光学ガラスについては、光の透過波面の精度を高
くするために、光学ガラス内の屈折率の均質性に対して
も、光学系に要求される精密さに応じて厳しい要求がな
されている。これら要求に応じるために、一般の光学ガ
ラスでは、溶融状態にあるガラス融液を強制的に撹拌し
て、きわめて正確な温度管理下で除冷することによって
脈理の除去と屈折率の均質性を達成している。
【0004】しかしながら、石英ガラスにおいては、シ
リカの性質上、ルツボ内で石英ガラスが低粘度になるま
で高温に加熱することは困難であり、しかも、石英ガラ
スは、高温においても粘度が十分に高いために、十分に
流動させることができず、撹拌等の混合操作により、石
英ガラスについて、脈理の除去及び光学的均質性を得る
ことは、実際上不可能なことであつた。一方、合成石英
ガラスの一般的な製造方法の直接法又はスート法、即ち
気相軸付け法(VAD法)においては、基本的に、揮発
性珪素化合物を火炎加水分解し、この火炎加水分解によ
り得られたシリカ微粒子を回転する基体上に層状に堆積
させている。そのために透明化により合成石英ガラスイ
ンゴットを成長させる際に、層状の不均質な構造を生じ
て、これが得られた石英ガラスインゴット中に、成長縞
又は層状の脈理となり、不均質な部分を構成している。
一般に、石英ガラスインゴットにおけるこのような成長
縞は、上記VAD法による合成石英ガラスに限らず、直
接法による合成石英ガラス又はベルヌイ法による天然石
英ガラスにおいても、成長端の形状に等しい湾曲した面
形状となつており、ガラス中に存在する脈理の形態の
中、最も除去が困難なものの一つである。
【0005】ところで、ドイツ国特許出願公開第42
04 406 A1号明細書には、石英ガラスについ
て、三方向の脈理の完全な除去を行う方法として、第一
の均質化により、棒状の石英ガラスを捻って、径方向に
は均質であるが、長手方向には均質でない棒状の石英ガ
ラスを製造し、この第一の均質化が行われた棒状の石英
ガラスについて、第一の均質化における捻りを加える回
転軸に対し直交する方向に第二の捻りを加える回転軸を
設定して第二の均質化の捻りを加えるために、第一の均
質化が行われた棒状の石英ガラスを、その両端部を上下
方向に向けて、断面逆T字形の型内に配置して、加熱下
に成形することにより、第一の均質化が行われた棒状の
石英ガラスの長手軸に対し直交する方向に軸を有する角
形棒状の合成石英ガラス成形体を形成し、この長手軸を
第二の回転軸とし、この軸に沿って第二の均質化を行う
ことにより、きわめて効率的に三方向の完全な脈理除去
を行う方法が開示されている。
【0006】ここに示される互いに直交する二つの軸に
沿って均質化を行うという、ドイツ国特許出願公開第4
2 04 406 A1号明細書に開示された方法は、
石英ガラスについての脈理除去及び高均質を、きわめて
効果的かつ効率的に行うことができるものであり、例え
ば光リソグラフィーに使用できるような、きわめて高均
質で完全脈理フリーの石英ガラス成形体を、初めて、経
済的に製造することを可能とするものである。脈理を有
する棒状の石英ガラスは、単純な溶融帯域法による一回
の均質化では、回転軸と垂直な方向、つまり径方向では
均質化が行われるものの、該回転軸と平行な方向につい
ては、殆ど均質化されない。したがって、一回の溶融帯
域法による均質化処理は、棒状の石英ガラスの径方向の
均質化を容易に達成しても、回転軸と平行な方向で脈理
を残留するから、石英ガラスの三方向の脈理除去と均質
化を達成することが、きわめて困難である。そして、こ
のような一回の均質化による方法で、三方向の脈理除去
及び均質化を達成するには、何回も同じ操作を繰り返さ
なければならず、そのようにしても、完成した光学用石
英ガラス成形体の品質に問題が残り、非能率的であり、
経済性の点でも題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記ド
イツ国特許出願公開第42 04 406 A1号明細
書に開示される均質化方法は、第二の回転軸を設定する
ために、グラファイト成形型を使用して高温加熱下に成
形するものであるから、このようにして成形された石英
ガラス成形体は、高温下の成形時に、成形型のグラファ
イトとの接触による汚染を避けることができず、十分な
光学的特性を有する石英ガラス成形体を製造することが
できず問題である。石英ガラスを、グラファイト成形型
中で高温に加熱して成形する場合、この高温加熱下の成
形時におれるグラファイトとの接触により、グラファイ
トから石英ガラスに拡散した不純物が、第二の均質化工
程における溶融帯域法により、石英ガラス成形体全体に
拡散し、均一に分布することになるからである。
【0008】このような石英ガラスにおける不純物の汚
染は、殊に、透過率の低下、特に250nm以下の波長
領域の紫外線の透過率の低下、及び紫外線の照射による
蛍光の発生という点で好ましくなく、エキシマレーザー
又はそれと波長領域を同じくする紫外線が透過する光学
ガラスとしては問題である。例えば、エキシマレーザー
の照射に対し良好な光学的安定性を得るためには、光学
用石英ガラス中に許容される金属不純物濃度は、アルカ
リ及びアルカリ土類金属の各元素濃度が50ppb以下
で且つ各遷移金属元素濃度が10ppb以下とされてい
る(例えば、特開平3−5338号公報参照)。
【0009】しかし、一般に、光学用石英ガラス成形体
を製造する場合、グラファイト成形型中で、石英ガラス
を高温加熱下で成形する方法が採用されているが、この
成形方法では、グラファイト成形型から石英ガラスへの
不純物の汚染が避けられない。このようなグラファイト
成形型を用いた成形によって生じる石英ガラスへの不純
物の拡散は成形温度が高い程著しく、また成形時間が長
い程著しくなる。高純度の光学用石英ガラス成形体を成
形により製造する場合には、通常は、グラファイト成形
型を使用して高温加熱下で石英ガラスを成形すること
は、例えば最終的な製品形状を得るための最終的な均質
化工程以降の成形工程に限られている。この場合は、汚
染された不純物は、石英ガラス成形体全体に拡散されて
いないので、必要に応じて汚染された部分を削除するこ
とにより、その影響を避けることができ、問題に至らな
い。さらに、棒状石英ガラスをその長さが縮まる方向に
成形する場合、断面積に比して長さが長すぎる場合に
は、均一な成形を行うことが困難であり、端面の精度が
悪かったり、成形速度が早すぎると、しばしば、途中で
折れ曲がったり、又は型内で倒れてしまい、均一な成形
が行えず問題とされている。本発明は、従来技術、特
に、前記ドイツ国特許出願公開第42 04 406A
1号明細書に開示の三方向に脈理がなく、且つ高均質な
石英ガラスを得るための方法におけるグラファイト成形
型中での石英ガラスの汚染に係る問題点を解決すること
を目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、三方向に
脈理がなく、且つ極めて高均質な石英ガラス成形体を得
るために、前記前記ドイツ国特許出願公開第42 04
406 A1号明細書に開示の方法を基本に据えて、
断面積に比して長さが長い棒状石英ガラスを成形する際
の困難性を排除して容易に均質な成形を可能にさせると
共に、グラファイト成形型との接触時間を大幅に低減
し、且つ成形時間を短くして、高純度で、高い光透過性
及び高光照射安定性を備えるエキシマレーザー用の石英
ガラス成形体を製造できる石英ガラスの成形方法を提供
することを目的とする。
【0011】即ち、本発明は、不均質なロッド状石英ガ
ラスの一部を加熱して溶融帯域を形成し、この溶融帯域
が形成されたロッド状石英ガラスの両端部を異なる態様
で回転させて回転軸方向に交差する面内を均質にし、こ
の回転軸方向に交差する面内が均質にされたロッド状石
英ガラスの一部を加熱して溶融帯域を形成し、この溶融
帯域が形成されたロッド状石英ガラスの両端部を同じ回
転方向で回転数を違えて回転させながら、該ロッド状石
英ガラスの両端部の少なくとも一方の端部に、その回転
の中心軸方向に押圧力を加えて、溶融帯域を介して、該
ロッド状石英ガラスの長さを縮め、この長さが縮められ
たロッド状石英ガラスを、その両端部を上下方向に向け
て、耐熱性の箱型の型内に配置して、加熱下に成形する
ことにより、該成形時の水平方向に透過する光に現れる
単位面積当たりの脈理の数が成形時の上下方向に透過す
る光に現れる脈理の数に比べて多い石英ガラス成形体を
形成することを特徴とする高均質な光学用石英ガラス成
形体の製造方法にある。
【0012】また、本発明は、不均質なロッド状石英ガ
ラスの一部を加熱して溶融帯域を形成し、この溶融帯域
が形成されたロッド状石英ガラスの両端部を異なる態様
で回転させて回転軸方向に交差する面内を均質にし、こ
の回転軸方向に交差する面内が均質にされたロッド状石
英ガラスの一部を加熱して溶融帯域を形成し、この溶融
帯域が形成されたロッド状石英ガラスの両端部を同じ回
転方向で回転数を違えて回転させながら、該ロッド状石
英ガラスの両端部の少なくとも一方の端部に、その回転
の中心軸方向に押圧力を加えて、溶融帯域を介して、該
ロッド状石英ガラスの長さを縮め、長さが縮められたロ
ッド状石英ガラスを、その両端部を上下方向に向けて、
耐熱性の箱型の型内に配置して、加熱下に成形すること
により、該成形時の水平方向に透過する光に現れる単位
面積当たりの脈理の数が成形時の上下方向に透過する光
に現れる脈理の数に比べて多い石英ガラスを形成し、こ
の形成された石英ガラスの一部を加熱して、該石英ガラ
スに溶融帯域を形成し、この溶融帯域が形成された石英
ガラスを前記上下方向と交差する方向に引き延ばして、
断面を縮小させ、この縮小された石英ガラスの一部を加
熱して溶融帯域を形成させ、この溶融帯域の両端部を同
じ方向で異なる回転数で回転させながら、断面が略円形
のロッド状石英ガラスを形成し、このロッド状石英ガラ
スを異なる態様で回転させて三方向に均質な石英ガラス
ロッドを形成することを特徴とする高均質な光学用石英
ガラス成形体の製造方法にある。
【0013】さらに本発明は、不均質なロッド状石英ガ
ラスの一部を加熱して溶融帯域を形成し、この溶融帯域
が形成されたロッド状石英ガラスの両端部を異なる態様
で回転させて回転軸方向に交差する面内を均質にし、こ
の回転軸方向に交差する面内が均質にされたロッド状石
英ガラスの一部を加熱して溶融帯域を形成し、この溶融
帯域が形成されたロッド状石英ガラスの両端部を同じ回
転方向で回転数を違えて回転させながら、該ロッド状石
英ガラスの両端部の少なくとも一方の端部に、その回転
の中心軸方向に押圧力を加えて、溶融帯域を介して、該
ロッド状石英ガラスの長さを縮め、この長さが縮められ
たロッド状石英ガラスを、その両端部を上下方向に向け
て、耐熱性の箱型の型内に配置して、加熱下に成形する
ことにより、該成形時の水平方向に透過する光に現れる
単位面積当たりの脈理の数が成形時の上下方向に透過す
る光に現れる脈理の数に比べて多い石英ガラスを形成
し、この形成された石英ガラスの単位面積当たりの脈理
の数が多い方向を上下方向に向けて耐熱性の成形型内に
配置して、加熱下にロッド状に成形し、この成形された
石英ガラス成形体を加熱して溶融帯域を形成し、この溶
融帯域が形成された石英ガラス成形体の両端部を引き伸
ばした後に同じ方向で異なる回転数で回転させながら断
面を略円形に形成して、ロッド状石英ガラスを形成し、
このロッド状石英ガラスの一部を加熱して溶融帯域を形
成し、この溶融帯域が形成されたロッド状石英ガラスの
両端部を異なる態様で回転させて、三方向に均質なロッ
ド状石英ガラスを形成することを特徴とする高均質な光
学用石英ガラス成形体の製造方法にある。
【0014】本発明の高均質な光学用石英ガラス成形体
の製造方法において得られる石英ガラス成形体は、三方
向に均質であり、光学的特性が、紫外線光学用の石英ガ
ラス部材製造用の石英ガラス素材として好適である。本
発明において、均質とは、広義に使用されており、素材
のロッド状合成石英ガラスに存在する不均質部分が除去
されていることを意味し、脈理の消滅の他に、光学的に
均質であることを包含する。したがって、本発明におい
て、均質には、素材の棒状の石英ガラスに存在するOH
基濃度、塩素濃度及び構造欠陥濃度等の各種微細構造上
の濃度分布の変動による不均質はもとより、脈理のよう
な目視可能な質的な不均質が消滅されていることなどが
包含される。本発明において、或る面内の均質性が高い
とは、当該面内において、単位面積当たりの、OH基濃
度、塩素濃度及び構造欠陥濃度等の濃度の変動が小さ
く、かつ単位面積当たりの脈理の数が少ないことをい
い、また、本発明において、対向する面を結ぶ方向にお
ける均質性が低いとは、例えば、歪み検査器や干渉計で
検査して、該対向する面を結ぶ方向に透過する光に現れ
る単位面積当たりの脈理の数が多いことをいう
【0015】本発明において、ロッド状石英ガラスは、
好ましくは、棒状の石英ガラス成形体であり、何れの場
合も、その断面が、方形又は長方形或いは円形又は楕円
形のロッド状石英ガラス体を意味するが、円形であると
作業が容易となるので好ましい。また、本発明におい
て、棒状石英ガラスが断面円形状であることは、その断
面が、その輪郭の細かい凹凸を無視して、楕円形乃至円
形に形成されていることを意味するが、円形であるのが
作業が行い易いので好ましい。本発明において、耐熱性
の箱型の型は、グラファイト、炭化珪素等の耐熱性に優
れた、高純度の材料により箱型に製造された型をいい、
グラファイト製とするのが経済的に好ましい。
【0016】本発明の高均質な光学用石英ガラス成形体
の製造方法において、均質化されるロッド状石英ガラス
としては、高純度のものとするために、合成石英ガラス
製のロッド状石英ガラスを使用することができる。この
ような均質化されるロッド状合成石英ガラスとしては、
四塩化珪素、メチルトリクロロシラン、メチルトリメト
キシシラン、テトラメトキシシラン等の揮発性珪素化合
物を、火炎加水分解し、得られたシリカ微粒子を回転す
る基体上に溶融しながら堆積させて得られる直接法合成
石英ガラスインゴットを使用することができ、また、前
記揮発性珪素化合物を、火炎加水分解し、得られたシリ
カ微粒子を回転する基体上に堆積させて得られる多孔質
シリカ母材を加熱溶融して透明化したスート法合成石英
インゴットを使用することができる。
【0017】本発明において、高均質な光学用石英ガラ
ス成形体は、長手方向における均質性が長手方向に交差
する方向における均質性に対して高い高純度の石英ガラ
スロッド予備成形体を経由して、製造することにより、
三方向に脈理がなく、且つ、三方向に高い均質性を有す
る光学用石英ガラス成形体を、例えば、面状の脈理や、
複雑な脈理を有するロッド状石英ガラスから容易に製造
することができる。本発明において、交差する方向と
は、棒状の石英ガラス成形体の中心を通る軸に対して十
文字に交わる方向であり、好ましくは、前記棒状の石英
ガラス成形体の軸を含む水平面内において、前記棒状の
石英ガラス成形体の軸と垂直乃至略垂直に交わる方向を
いう。本発明において、殊に、前記高純度の石英ガラス
ロッドに、例えば旋盤により非接触で予備的に成形する
ことによって、グラファイト製の型による成形時間を大
幅に短縮して、グラファイト成形型との接触工程による
汚染の少ない高均質な光学用石英ガラス成形体を容易に
製造することができる。
【0018】本発明において、ロッド状石英ガラスは、
第一の均質化工程において、ロッド状石英ガラスの両端
部を支持棒に支持させて、空中で、ロッド状石英ガラス
成形体をに溶融帯域を形成して、ロッド状石英ガラスを
捻ることにより又はロッド状石英ガラスを捻りながら溶
融帯域を伸び縮みさせることにより、ロッド状石英ガラ
スの径方向を均質にする。この第一の均質化工程におけ
る均質化は、ロッド状石英ガラスに、捻る力を加えて又
は捻る力に、押す力又は引く力を加えて、溶融帯域内
に、剪断効果又は伸縮効果を伴う応力又は運動の異なる
部分を生じさせることにより発生する境界領域を、前記
応力又は運動の異なる部分間に形成して行われる。この
境界領域は、例えば、西ドイツ国特許公開第DE 32
01777 A1号明細書に開示されているように、ロ
ッド状石英ガラスの溶融帯域の両端に異なる方向に回転
を加える場合には、筋状に現れる。
【0019】本発明において、境界領域を溶融帯域内に
回転により形成する場合には、境界領域は、溶融帯域が
形成されたロッド状石英ガラスを両端の回転の態様を違
えて形成される。例えば、溶融帯域が形成されて回転す
るロッド状石英ガラスの一方の端部の回転に対して、他
方の端部を逆回転させるか又は停止させるか、或いは、
両端部を同じ回転方向で回転させて、該両端部の回転数
を大きく違えるかの何れかの手法により、溶融帯域内に
境界領域を形成することができる。しかし、互いの端部
を逆回転させると、筋状の境界領域が形成されて、比較
的簡単に均質化が行えるので好ましい。溶融帯域の一方
の端部を回転させた場合、該溶融帯域の他方の端部を停
止又は同方向で回転数を違えて回転させる場合には、剪
断応力の及ぶ範囲が広くなるために、逆回転のように筋
状の境界領域は発生することがなく、溶融帯域全般に亙
って境界領域が形成され、緩やかに均質化が進行する。
したがつて、一回の均質化では、径方向の均質化も十分
に行うことができないので、複数回の均質化処理が行う
ことが必要である。
【0020】第一の均質化処理においては、ロッド状石
英ガラスの長手方向と交差する面内、例えば直径方向の
面内で強制的に撹拌が行われ、該面内での石英ガラス成
分の混合が行われる。この均質化処理により、例えば、
その長手方向の回転軸に層状で湾曲面状のロッド状石英
ガラス体の脈理は、例えば、長手方向に層状ではある
が、回転軸となる長手方向に交差する方向、例えば、直
径方向に平面化され、該平面内では互いに平行な面状の
脈理となる。
【0021】しかし、第一の均質化工程において、ロッ
ド状石英ガラスの回転により形成される境界領域による
均質化は、ロッド状石英ガラスの長手方向の第一の軸に
交差する面内を均質にさせ、第一の軸に平行な面内にお
いては依然不均質である。そこで、本発明においては、
三方向に均質な石英ガラス成形体を形成するには、第一
の軸に交差する第二の軸を設定して、第二の軸に交差す
る面内において、第二の均質化を行うことが必要であ
る。
【0022】本発明において、第二の均質化処理は、ロ
ッド状石英ガラスの回転軸となる長手方向に平行な面の
均質性を、ロッド状石英ガラスの直径方向に平行な面と
同程度に均質にさせるものである。したがって、第一の
均質化処理と同一の手法を取る限り、例えば直径方向に
回転軸を設けることが必要となる。ドイツ国特許公開第
DE 42 04 406 A1号明細書に開示されて
いる方法は、箱形又は逆T字形のグラファイト成形型を
用いて、ロッド状石英ガラスの長手方向の軸に直交する
方向に長手方向を有するロッド状石英ガラスを形成する
が、本発明においては、型内で長さを縮める成形過程の
大半を、空中で、非接触に成形し、断面が拡大された石
英ガラス成形体を形成する。本発明においては、このよ
うに非接触の成形後に、箱型又は逆T字形のグラファイ
ト成形型を用いて、比較的短いロッド状石英ガラス成形
体を形成する。
【0023】本発明においては、さらに、このような型
成形が終わった石英ガラス成形体についての引き延ばし
成形過程も、空中で非接触に行うことができる。即ち、
このように形成された比較的短いロッド状石英ガラス成
形体について、加熱軟化し、この軟化した石英ガラス成
形体を、断面が円形又は略円形のロッド状石英ガラス成
形体に形成し、この形成されたロッド状石英ガラス成形
体の一部を加熱して溶融帯域を形成し、この溶融帯域の
両端を同じ方向の回転で回転数を違えて回転させなが
ら、石英ガラス成形体の断面を均質化に適する断面、即
ち円形又は略円形に、空中で形成して、ロッド状石英ガ
ラスを形成する。このように形成されたロッド状石英ガ
ラスは、一部に溶融帯域を形成して、その両端を異なる
態様で回転させて第二の均質化を行い、ロッド状石英ガ
ラスの径方向を均質にさせて、三方向に均質なロッド状
石英ガラスを形成する。
【0024】本発明においては、第一及び第二の均質化
工程において、ロッド状石英ガラスの溶融帯域に外力を
加えて応力又は運動が異なる部分を発生させて、境界領
域を形成するが、この外力は、ロッド状石英ガラスの一
部分に形成される溶融帯域において、特にロッド状石英
ガラスを積極的に混合する境界領域を形成させるもので
あるが、これは、ロッド状石英ガラスの一方の端部に対
して、他方の端部が相対的に回転するように、回転力に
よる捻りを与えることによって達成することができる。
この場合、ロッド状石英ガラスの一方の端部に対して、
他方の端部を、相対的に回転させながら、該一方の端部
に対し他方の端部を、該ロッド状石英ガラスの回転軸方
向に相対的に往復運動させることにより、より効果的で
ある。
【0025】本発明においては、第一の均質化工程及び
/又は第二の均質化工程は、長手方向両端部に支持棒が
固定されているロッド状石英ガラスについて、空中で、
支持棒を回転させながら、該ロッド状石英ガラスを加熱
して、該ロッド状石英ガラスの一部分に溶融帯域を形成
し、前記支持棒を介して、空中で該溶融帯域に外力を加
えて、前記溶融帯域内に境界領域を生じさせ、該溶融帯
域の境界領域をロッド状石英ガラスの回転軸に沿って移
動させて、前記ロッド状石英ガラスの回転軸に交差する
面、例えば、垂直乃至略垂直な面を他の面に比して均質
に形成する均質化作業を複数回繰り返すことにより、ロ
ッド状石英ガラスの回転軸に沿って、該ロッド状石英ガ
ラスの平面内の均質化をより高精度にすることができ
る。
【0026】本発明において、1回の箱形又は逆T字形
のグラファイト成形型による成形は、成形時の水平方向
に透過する光に現れる単位面積当たりの脈理の数が成形
時の重力方向に透過する光に現れる脈理の数に比べて多
い石英ガラス成形体を形成するものである。本発明にお
いて、2回の箱形のグラファイト成形型による成形は、
正方形又は略正方形の側面を結ぶ軸線に平行な方向にお
ける均質性が、第二回目の成形時のもう一方の側面を結
ぶ軸線に平行な方向における均質性よりも低く形成する
ものである。本発明において、ロッド状石英ガラス成形
体とは、石英ガラス成形体又は石英ガラスロッド成形体
を加熱軟化させて、引き延ばした後に、同じ軸方向を回
転軸として、互いに回転数を違えて、断面を円形又は略
円形に変形されたものであり、長手方向に透過する光に
現れる単位面積当たりの脈理の数が、径方向に現れる単
位面積当たりの脈理の数に比して少なく形成されてい
る。
【0027】本発明において使用される石英ガラス加工
用旋盤としては、例えば、ドイツ国特許出願公開第32
01777A1号明細書に開示されている、夫々モータ
に回動可能に連結し、互いに対向して設けられている回
転チャックを備え、該回転チャック間に移動可能に設け
られているバーナ等の加熱源を備える石英ガラス加工用
旋盤がある。本発明において、第一及び第二均質化処理
並びに断面の拡大及び縮小工程において、ロッド状石英
ガラス又は石英ガラス成形体の加熱は、バーナー、円筒
状ヒーター又は誘導炉等の加熱源を回転軸方向に移動さ
せて行われる。
【0028】本発明において、第一の均質化工程の均質
化処理では、その回転軸の第一の軸に交差する面内で均
質化が行われ、該回転軸に平行な面内の均質化は難しい
ので、三方向に均質な石英ガラス成形体とするために
は、第二の均質化工程を設けて、前記第一の軸に平行な
面内の均質化を行うことが必要である。そこで、本発明
においては、前記第一の均質化工程で得られたロッド状
石英ガラスの均質性を損なわないように、第一の軸に対
して交差する方向に、第二の軸を、箱型のグラファイト
成形型を用いて形成し、第二の均質化工程において、該
第二の軸を回転軸として、第一の軸に平行な面の均質化
を行う。したがって、本発明において、箱型のグラファ
イト成形型は、長さが短くされ、断面が拡大されたロッ
ド状石英ガラスの両端部を上下方向に向けて配置できる
大きさの幅を有する箱型にグラファイトにより製造され
ている。このような箱型の成形型は単に上方が開放され
た箱型とすることができるが、箱の中央部上方にロッド
状石英ガラスを挿入する筒部を設けて、逆T字形に形成
した型とすることもできる。
【0029】本発明において、例えば、ロッド状石英ガ
ラスは、グラファイト製の箱型の成形型に入れられ、例
えば電気炉内で、加熱下に、長さ方向に重力により収縮
し、その分、横方向に延びて、例えば偏平な形状又はロ
ッド状の高純度の石英ガラス成形体に成形される。この
際、ロッド状石英ガラスの成形においては、ロッド径に
比べて長さが長すぎると、重力による収縮の際、途中で
曲がったり倒れたりし易いが、本発明においては、例え
ば旋盤による非接触の予備成形工程によって、ロッド径
に比べて長さが相対的に短い安定した形状となってお
り、このような事故を減少させることができる。
【0030】このように箱型の成形型により成形され
た、例えば偏平な形状に成形された石英ガラス成形体
は、三方向に均質にするための均質化の作業が行い易い
ように、箱型の型内に入れられて棒状に成形される。こ
の成形工程は、偏平な形状の石英ガラス成形体の幅方向
に行われるために、ロッド状石英ガラスから石英ガラス
成形体を成形する過程に比して、遥かに短時間に行わ
れ、この間のグラファイト成形型からの汚染は殆どな
い。
【0031】本発明においては、以上のように、例え
ば、ロッド状石英ガラスをグラファイトの成形型により
成形加工したり、又は、溶融帯域を形成して、ロッド状
合成石英ガラスの断面を拡大又は縮小するように加工し
たりする成形加工が行われる。そこで、本発明におい
て、このようなロッド状石英ガラスの均質化又はロッド
状石英ガラスから石英ガラス成形体への成形加工、石英
ガラス成形体からロッド状石英ガラスへの成形加工或い
はロッド状石英ガラスの均質化を容易に行うために、合
成石英ガラスを加熱軟化させて行われるが、この加工温
度は、合成石英ガラスの粘性(ポイズ)をηで表して、
logη≦8とされる。しかし、logηの値が5以下
であると作業がし易くなり好ましい。
【0032】本発明において、三方向が均質に形成され
ている石英ガラスロッドは、この石英ガラス成形体、石
英ガラスロッド及びロッド状石英ガラス成形体より、残
る一方向の脈理を消滅させることにより製造される。即
ち、本発明において、三方向が均質に形成されている石
英ガラスロッドは、棒状の形成された石英ガラス成形体
の一部に、加熱により溶融帯域を形成し、該石英ガラス
成形体の両端を、回転の態様が相違するように回転させ
て、溶融帯域内に混合領域又は境界領域を形成して、回
転軸に交差する方向の面内を均質にする。そして、該溶
融帯域をロッド状石英ガラス成形体の回転軸に沿って移
動させることにより、表面を無接触な状態で、極力型等
との接触による汚染を避けて、全長に亙って三方向に均
質な石英ガラスロッドに製造される。前記ロッド状石英
ガラス成形体は、既に回転軸方向は全長に亙って均質に
形成されているので、この回転軸に交差する方向、例え
ば径方向の面内をロッド状石英ガラス成形体の全長に亙
って均質にすることによって、その全長に亙って、三方
向に均質な石英ガラスロッドとすることができる。
【0033】このように、本発明は、前記支持棒を介し
て該溶融帯域に外力を加えて、前記溶融帯域内に境界領
域を生じさせ、該溶融帯域の境界領域をロッド状石英ガ
ラス成形体の回転軸に沿って移動させることにより、表
面を無接触な状態で、極力型等との接触による汚染を避
けて製造される。本発明において、高均質な光学用石英
ガラス成形体とは、三方向に均質な石英ガラスロッドを
成形して得られたものであり、光学用部品及び該部品の
製造にに好適な石英ガラス材料をいう。
【0034】本発明における均質化工程は、長手方向両
端部に支持棒が固定されているロッド状石英ガラスにつ
いて、空中で、例えば支持棒を回転させながら、該ロッ
ド状石英ガラスを加熱して、該ロッド状石英ガラスの一
部分に溶融帯域を形成し、前記支持棒を介して該溶融帯
域に外力を加えて、前記溶融帯域内に境界領域を生じさ
せ、該溶融帯域の境界領域をロッド状石英ガラスの回転
軸に沿って移動させて、空中で、前記ロッド状石英ガラ
スの回転軸に交差する、例えば垂直乃至略垂直な面を他
の面に比して均質に形成する均質化作業を複数回繰り返
すことにより、ロッド状石英ガラス体の回転軸に沿っ
て、該ロッド状石英ガラス体の回転軸に交差する平面内
の均質化をより高精度にすることができる。
【0035】本発明において、ロッド状石英ガラスから
石英ガラス成形体を、箱形又は断面逆T字管形のグラフ
ァイト成形型を使用して成形する場合に、成形により得
られる石英ガラス成形体の断面が、均質化工程で均質化
するのに大き過ぎるときは、石英ガラス成形体の一部を
加熱して、溶融帯域を形成し、石英ガラス成形体の両端
を同じ方向で回転数を違えて回転させながら、石英ガラ
ス成形体を引き延ばし、この引き延ばし作業を、溶融帯
域を石英ガラス成形体の長手方向に移動させながら行っ
て、全長に亙って断面が縮小されたロッド状石英ガラス
を形成し、この形成されたロッド状石英ガラス成形体に
ついて均質化を行う。
【0036】本発明において、第一の均質化工程の回転
軸と第二の均質化工程の回転軸の交差の程度は、僅かで
も交差すれば、第二の均質化工程における均質化は達成
できるが、第一の均質化工程の回転軸に対して45゜以
上の角度で交差するのが好ましい。しかし、第一の均質
化工程の回転軸に対して、約90゜の角度で交差させる
と、作業が比較的し易くなり、高い均質性が得られるの
でより好ましい。
【0037】
【作用】本発明は、径方向に平行な面が長手軸方向に平
行な面に比して均質に形成されているロッド状石英ガラ
スの少なくとも一部を加熱して、溶融帯域を形成し、該
ロッド状石英ガラスの両端部を同じ方向で回転数を違え
て回転させながら、長手軸方向に、該ロッド状石英ガラ
スの少なくとも一方の端部を押圧して、該ロッド状石英
ガラスの長さを縮小し、長さが縮小されたロッド状石英
ガラスを、グラファイト製の箱型の型内で加熱して、透
過する光に現れる単位面積当たりの脈理の数が径方向に
現れる単位面積当たりの脈理の数が多い石英ガラス成形
体を形成して、この石英ガラス成形体を所定断面のロッ
ド状石英ガラスに成形して製造し、またさらに、この成
形された所定断面のロッド状石英ガラスを加熱して溶融
帯域を形成し、この該溶融帯域に外力を加えて、境界領
域を生じさせ、該境界領域をロッド状石英ガラスの回転
軸に沿って移動させて、前記ロッド状合成石英ガラスの
径方向に平行な面を均質に形成して、石英ガラス成形体
の三方向を均質に形成した高均質な光学用石英ガラス成
形体を製造するので、耐熱性型、例えばグラファイト製
の成形型による成形に先立って、該成形に適した形状に
する所謂予備成形を空中で行うこととなり、耐熱性型を
使用する成形時間が短くでき、耐熱性型、例えばグラフ
ァイト製の成形型からの汚染を極力低くすることができ
る。このように、本発明によると、例えば、直接法又は
スート法によって得られた高純度の合成石英ガラスイン
ゴットから、長期に亙って光学特性の安定した高精度の
光リソグラフィーに用いられる石英ガラス光学部材に好
適な棒状の合成石英ガラス素材を容易に得ることができ
る。また、本発明においては、空中で成形して、石英ガ
ラスの長さを短くすることもできるので、グラファイト
成形型による成形の際の、ロッド状石英ガラスの折れ曲
がりや倒れが防止でき、高収率な成形を行うことができ
る。
【0038】また、本発明において得られる棒状の合成
石英ガラス成形体は、高均質で且つ三方向に脈理を有し
ておらず、また、エキシマレーザー光等の紫外線の透過
性が良好で、かつ、その照射に対して蛍光を発せず、ま
た、長期に亙って光学特性の安定した高精度の光リソグ
ラフィーに用いることができる。本発明においては、殆
どが空中で、つまり、耐熱性成形型、例えばグラファイ
ト成形型との接触を少なくして成形加工を行うので、グ
ラファイト成形型からの不純物の汚染が少なく、例え
ば、633nmの波長の光に対する屈折率の分布が、Δ
nとして、±1×10−6以下であり、紫外領域での高
透過率が、248nmの波長の光に対する内部透過率が
99.9%以上である高均質な光学用の合成石英ガラス
成形体を、製造することができる。
【0039】
【実施例】以下に、図面を参照して、本発明の実施の態
様の例を説明するが、本発明は、以下の説明及び例示に
よって、何ら限定されるものではない。図1は、本発明
の一実施例について、ロッド状石英ガラスの第一の均質
化工程における石英ガラス加工用旋盤のロッド状石英ガ
ラスの保持具及びバーナー等の概略の配置関係を示す説
明図であり、図2は、図1で得られた第一の均質化工程
で処理されたロッド状石英ガラスの長さの縮小工程につ
いての概略の説明図である。図3は図2で得られた長さ
が縮小された石英ガラスについて、グラファイト成形型
を使用して、前記長さが縮小された石英ガラスから、前
記ロッド状石英ガラスの長手軸方向に対し垂直方向に長
手軸を有するロッド状石英ガラスを成形する成形工程の
型内の模式図である。図4は、図2で得られた長さが縮
小された石英ガラスについて、グラファイト成形型を使
用して、前記長さが縮小された石英ガラスから、前記ロ
ッド状石英ガラスの長手軸方向に対し垂直方向に長手軸
を有するロッド状石英ガラスを成形する成形工程の図3
に続く型内の模式図であり、図5は図4で得られたグラ
ファイト成形型により成形されたロッド状石英ガラスの
断面を所望形状に成形する成形工程の型内の模式図であ
る。図6は、図4で得られたグラファイト成形型により
成形されたロッド状石英ガラスの断面を所望形状に成形
する成形工程の図5に続く型内の模式図である。図7
は、図6で得られたロッド状石英ガラスの均質化工程の
模式図である。
【0040】本発明の製造方法についての一実施例を図
1乃至図6に基づいて具体的に説明する。図1におい
て、脈理を有する棒状合成石英ガラス1は、四塩化珪素
等の揮発性珪素化合物を原料として製造されたものであ
り、所謂、合成石英ガラス製造過程におけるシリカの成
長面に従って、一般的には放物面状に脈理2を有してい
る。この脈理2は、図1において、棒状合成石英ガラス
1内に細線で模式的に示してある。本例において使用さ
れる石英ガラス加工用旋盤3は、夫々独立に回転可能の
移動側チャック4及び固定側のチャック5を備えると共
にガスバーナー6を移動可能に備えるものである。
【0041】図1に示すように、断面円形の石英ガラス
棒1の両端7及び8に合成石英ガラス製の支持棒9及び
10を溶接し、この支持棒9及び10を、石英ガラス加
工用旋盤のチャック4及び5に把持する。石英ガラス棒
1を、両チャック4及び5に把持させて、両チャック4
および5を同期回転させながら、バーナー6の燃焼炎1
1により、合成石英ガラス棒1を局部加熱して、石英ガ
ラス棒1に溶融帯域12を形成する。本例においては、
加熱手段として、水素、プロパン等を燃料ガスとするガ
スバーナーを使用しているが、このようなバーナーによ
る加熱に限らず、高周波加熱等の電気的な加熱とするこ
とができる。しかし、加熱雰囲気の高純度性を考慮する
と、電気加熱よりはバーナー加熱の方が望ましい。
【0042】合成石英ガラス棒1に溶融帯域12を形成
した後、石英ガラス加工用旋盤3の両チャック4及び5
の回転を、夫々独立に制御することによって、両チャッ
ク4及び5相互の回転方向及び回転数を相違させる。例
えばドイツ国特許出願公開第DE 3201777A1
号明細書に示されるように、石英ガラス加工用旋盤3の
チャック4及び5を、夫々の回転方向及び回転数を違え
て、回転させることによって、溶融帯域12に剪断応力
を発生させ、その境界領域13における合成石英ガラス
の混合により、合成石英ガラス棒1の脈理2の除去およ
び均質化が行われる。本例において、境界領域13は周
囲の領域に比して粘性が著しく低く形成されている。本
例においては、このように境界領域13は、周囲の隣接
する領域に比して粘性が著しく低く形成されている領域
であり、剪断応力による合成石英ガラスの混合をスムー
ズに行わせるものである。したがって、溶融帯域12
は、境界領域13を形成させるために、合成石英ガラス
1を十分に加熱軟化させて形成されていることが必要で
あり、本例においては、溶融帯域12の温度は2000
℃以上である。
【0043】また、本例における合成石英ガラス棒の均
質化は、上記ドイツ国特許出願公開第DE 42 04
406 A1号明細書に示される左右のチャック4及
び5を互いに逆回転させるような手法によっているが、
これと相違して、例えば、石英ガラス加工用旋盤の両チ
ャック4及び5の回転は、両チャック4及び5を同方向
に回転させて、回転数を違える所謂差動回転であっても
よく、また、両チャック4及び5の一方のチャックのみ
を回転し、他方のチャックを停止させる手法であっても
よい。しかし、差動回転及び片方を停止させる手法の場
合は、境界領域13は、筋状に、又は狭い範囲で形成さ
れる。したがって、その分混合作用が弱く、二回以上均
質化工程を繰り返すことが必要である。
【0044】また、何れの場合も、左右のチャック4及
び5の回転数は、同じである必要性はなく、バーナーの
移動方向14及び移動速度に合わせて各々のチャック4
及び5の回転数を調節するのが好ましい。さらに、これ
ら左右チャック4及び5を同じ回転方向で回転数を相違
させて回転させる場合には、例えば、米国特許第2,9
04,713号明細書に示されるように、両チャック4
及び5を回転軸方向に往復運動させることにより、溶融
帯域12における石英ガラスの撹拌又は混合の効果を高
めることもできる。
【0045】このような、左右チャック4及び5を回転
方向及び回転数を違えて回転させて、溶融帯域12にお
ける均質化を行いながら、バーナー6を、矢印14によ
り示されている回転軸に沿う方向に移動することによっ
て、溶融帯域12を合成石英ガラス棒1の全体に移動さ
せ、棒状合成石英ガラス1の回転軸に沿い、該合成石英
ガラス棒全長に亙って、合成石英ガラス棒1の半径方向
の均質化が行われる(第一の均質化)。
【0046】図2は、前記第一の均質化が行われた合成
石英ガラス棒1について、平面化された脈理の存在を模
式的に示すものである。第一の均質化が行われた時点
で、出発材料の合成石英ガラス棒1に含まれていた曲面
状の脈理2は、この第一の均質化処理により、合成石英
ガラス棒1の長手方向の第一の軸、即ち回転軸15に対
し垂直な平面状の脈理16に変化している。この平面状
の脈理16の平面内では脈理は均質である。平面状の脈
理16間の部分17についても、第一の軸15に垂直な
面内においては均質である。
【0047】第一の均質化が終了した合成石英ガラス棒
1には、依然として、合成石英ガラス棒1の長手方向の
第一の軸15に交差して、平面状の脈理16が複数存在
するので、不均質な性質が残留する。そこで、第一の均
質化工程における均質化が終了した合成石英ガラス棒1
を、加熱、軟化させながら、石英ガラス加工用旋盤のチ
ャック4及び5を同方向の回転で回転数を違えて回転さ
せながら徐々に、チャック4及び5の間隔を狭めて、石
英ガラス棒1を押圧することにより、模式的に図2の左
側に示されるような径が増大されて太くなり、長さが縮
小されて短くなった棒状の合成石英ガラス予備成形体1
8を形成する(予備成形工程)。この予備成形工程にお
いて、棒状の合成石英ガラス予備成形体18の溶融帯域
は、バーナーの火炎以外に接触することがないので、き
わめて高純度な雰囲気での成形が可能である。図2に
は、第一の均質化が行われた石英ガラス棒1の平面化さ
れた脈理16と棒状の合成石英ガラス予備成形体18の
平面状の脈理19が模式的に示されている。
【0048】本例においては、図3に示すように、この
棒状の合成石英ガラス予備成形体18は、支持棒9及び
10より切り離され、グラファイト成形型20に、切断
面21及び22を上下にして入れられる。このようにグ
ラファイト成形型20に入れられた棒状の合成石英ガラ
ス予備成形体18の均質な脈理平面19は略水平方向に
延びて層状に重なった状態になる。この棒状の合成石英
ガラス予備成形体18を入れたグラファイト成形型20
は電気炉(図示されていない)に入れられて加熱され
る。
【0049】図4に模式的に示されるように、グラファ
イト成形型20に入れられて電気炉により加熱された棒
状の合成石英ガラス予備成形体18は、熱と重力の作用
により長さ方向が押し潰された格好で密に脈理平面23
が形成されている偏平な板状体24に形成される。図5
及び図6に示されるように、この偏平な板状体24は、
短辺側の面25を水平方向に向けて、グラファイト成形
型26に入れて、電気炉(図示されていない)内に配置
し、電気炉により加熱された偏平な板状体24は、熱と
重力の作用により、短辺側の上下方向が押し潰された格
好で脈理面27が略垂直に立ちあげ長手方向に延びて形
成された角形棒状の石英ガラス成形体28が形成され
る。
【0050】本例においては、この角形棒状の石英ガラ
ス成形体28の両端29及び30に、合成石英ガラス製
の支持棒31及び32を溶接し、この支持棒31及び3
2を、石英ガラス加工用旋盤の移動側チャック4及び固
定側チャック5に把持して、角形棒状の石英ガラス成形
体の一部を加熱して、該石英ガラスに溶融帯域を形成
し、この溶融帯域が形成された石英ガラスを支持棒31
および32の軸方向に引き延ばして断面を縮小させ、こ
の縮小された石英ガラスの一部を加熱して溶融帯域を形
成し、この溶融帯域の両端を同じ方向で異なる回転数で
回転させながら、断面が略円形の丸形棒状の石英ガラス
成形体を形成し、この丸形棒状の石英ガラス成形体につ
いて、三方向の均質化を図る。両チャック4及び5に把
持させた丸形棒状の石英ガラス成形体28′を、両チャ
ック4および5を同期回転させながら、バーナー6の燃
焼炎11により、丸形棒状の合成石英ガラ成形体28′
を局部加熱して、丸形棒状の石英ガラス成形体28′に
溶融帯域33を形成する(図7)。本例においては、前
記第一の均質化工程と同様に、加熱手段として、水素、
プロパン等を燃料ガスとするガスバーナーを使用してい
る。
【0051】丸形棒状の合成石英ガラス成形体28′に
溶融帯域33を形成した後、石英ガラス加工用旋盤3の
両チャック4及び5の回転を、夫々独立に制御すること
によって、両チャック4及び5相互の回転方向及び回転
数を相違させる。このように、石英ガラス加工用旋盤3
のチャック4及び5を、夫々の回転方向及び回転数を違
えて、回転させることによって、溶融帯域33に剪断応
力を発生させ、その境界領域34における合成石英ガラ
スの混合により、丸形棒状の合成石英ガラス成形体2
8′の脈理27の除去および均質化が行われる。本例に
おいて、境界領域34は周囲の領域に比して粘性が著し
く低く形成されている。
【0052】このような左右チャック4及び5を回転方
向及び回転数を違えて回転させて、境界領域13を介し
て均質化を行いながら、バーナー6を、矢印14により
示されている回転軸に沿う方向に移動することによっ
て、溶融帯域33を丸形棒状の石英ガラス成形体28′
の全体に移動させ、形成される棒状の石英ガラス成形体
(図示されていない)の長手方向に沿い、該丸形棒状の
石英ガラス成形体28′の全長に亙って、三方向に均質
化が行われる。本例においては、この均質化処理によ
り、出発材料の合成石英ガラス棒1について、第一の軸
及び第二の軸方向の均質化が達成され、三方向に均質で
脈理を有さない石英ガラス体を得ることができる。本例
においては、合成石英ガラス製の石英ガラス棒について
説明したが、精製水晶粉を原料とする天然石英ガラス製
の石英ガラス棒についても同様に行うことができる。
【0053】例1 四塩化珪素を酸素水素火炎中で火炎加水分解し、生成す
るシリカ微粒子を回転する基体上に溶融推積して、直径
60mm、長さ1000mm、重量約6,2kgの棒状
合成石英ガラスインゴットを形成した。該棒状合成石英
ガラスインゴットの両端を、前記合成石英ガラス棒と同
径の合成石英ガラス製の支持棒に取り付けて、石英ガラ
ス加工用施盤のチャックに固定した。合成石英ガラス棒
を石英ガラス加工用施盤の両チャックに取り付けたとこ
ろで、両チャックを回転数が30回転/分で左右同期さ
せて回転させながら、均質化される棒状合成石英ガラス
インゴットの左端を、酸素−プロパン炎にて局部的に加
熱し、棒状合成石英ガラスインゴットに十分に溶融して
いる溶融帯域を形成した。棒状合成石英ガラスインゴッ
トに溶融帯域を形成した後、左右のチャックの回転数を
各々独立に制御して、最終的には、左右のチャックを互
いに逆回転させて、その回転数を左側チャックが50回
転/分、右側チャックが50回転/分とさせた。
【0054】その後、溶融帯域部分を、バーナーを一定
速度、本例においては、毎分20mmの速度で、回転軸
に沿ってゆっくりと移動させ、最終的には、棒状石英ガ
ラスインゴット全体を溶融帯域が通過するように動かし
た。(第1の均質化) 溶融帯域の棒状合成石英ガラスインゴット全体に亙って
移動が終わった時点で、石英ガラス加工用施盤の左右の
チャックを再び同期回転に戻し、第1の均質化工程を終
了した。次に、引き続き石英ガラス加工用旋盤の左右の
チャックを同期させながら回転させ、バーナーを棒状石
英ガラスインゴットの左端に戻し、その棒状合成石英ガ
ラスインゴットの左端部分を加熱して軟化させ、次い
で、両チャックを同方向で異なる回転数で回転させた。
【0055】このチャックの回転は、本例では、左側の
チャックを30回転/分とし、右側のチャックを25回
転/分とした。石英ガラス旋盤の左方のチャックをゆっ
くり回転軸方向に押して溶融帯域に圧力を加えることに
より、該溶融帯域を加圧変形させる。この溶融帯域の加
圧変形により棒状合成石英ガラスインゴットの径を増大
させながら、左方のチャックの動きに合わせてバーナー
を左から右に移動させ、合成石英ガラス棒の外径が均一
な部分を支持棒から切り離し、外径100mm、長さ3
24mmの合成石英ガラス予備成形体を得た(旋盤によ
る予備成形工程)。この合成石英ガラス予備成形体を、
内底面が、一辺の長さが160mmの正方形で、高さ4
00mmのグラファイト製の箱型の容器内に垂直に立て
て、グラファイト容器ごと真空炉内に入れた。
【0056】炉内を真空に排気した後、窒素を充填して
毎分20℃の昇温速度で1800℃まで90分で昇温
後、通電を停止し自然冷却した。冷却後型内より縦16
0mm、横160mm、高さ99mmの板状の合成石英
ガラス成形体を得た。(第1の成形工程)次いで、該板
状の合成石英ガラス成形体を、内寸が縦100mm、横
260mm、高さ160mmの箱型のグラファイト容器
内に、該板状の合成石英ガラス成形体を横向きに配置
し、板状の合成石英ガラス成形体の高さ方向を箱型容器
の縦方向と一致させて、再度成形を行った。再成形条件
は先の成形と同様で成形時間は90分であった。このよ
うに再度成形された合成石英ガラス成形体の形状は一辺
の長さが100mmの正方形で長さが253mmの角柱
体であった。
【0057】得られた角柱体を水銀ランプの波長254
mmの紫外線で照射し蛍光の測定を行ったところ、外表
面から3mm程に渡って緑色の蛍光を観察した。また第
1、第2成型工程における加熱時間(炉の通電時間)は
合計で3時間であった。この部分を研削、削除し、さら
にエッジ部分をグラインダーで面取りを施して最終的に
一辺が94mmで長さが247mmの略角柱状の合成石
英ガラス成形体を得た。ここで得られた合成石英ガラス
成形体の重量は4.6kgであった。次いで、該略角柱
状の合成石英ガラス成形体の両端に合成石英ガラスの支
持棒を取り付け、石英ガラス加工用旋盤の左右のチャッ
クに固定した後、左右のチャックを同期させて、回転
し、合成石英ガラス成形体全体を加熱しながらゆっくり
と、両端のチャックが離れるように合成石英ガラス成形
体を延伸し断面が略正方形の合成石英ガラス棒状体を得
た。
【0058】このようにして得られた合成石英ガラス棒
状体については、先ず、前記合成石英ガラス棒状体の1
部をバーナーにより加熱軟化させて溶融体域を形成し、
この溶融体域が形成された合成石英ガラス棒状体を、左
右の端部間に回転差を生じるように、例えば左側チャッ
クを30回転/分、右側チャックを25回転/分で回転
して、バーナーをゆっくり右側に移動させると同時に両
チャック間の距離を適宜拡大又は縮小することにより、
直径が均一になるように調整して、該合成石英ガラス棒
状体を直径が約60mmの完全な円柱状にした。次い
で、再びバーナーを該円柱状の合成石英ガラスの左端に
移動させ、第1の均質化と同様の要領で均質化を行っ
た。
【0059】得られた円柱状の合成石英ガラスを冒頭の
予備成形工程と同様の操作で外径を増加させ、直径10
0mmの合成石英ガラス棒状体を得た。次いで、この予
備成形により径を増した合成石英ガラス棒状体を支持棒
から切り離して、用意したグラファイト製の型内に設置
し、第1の成形工程と同じ要領で成形を行い、光学部材
として一般的な円盤状に成形処理し、更に歪除去のため
の加熱処理及び除冷処理と施した。加熱・除冷処理は、
この円盤状合成石英ガラス成形体を電気炉内に設置し
て、大気雰囲気で1150℃に50時間加熱後、−5℃
/時間で除冷することにより行った。成形、加熱、除冷
処理されて得られた合成石英ガラス円盤は、水銀ランプ
の254nmの紫外線で照射し、緑色の蛍光部分が除去
された。この緑色の蛍光部分を除去した合成石英ガラス
円盤の大きさは、直径180mm、厚さ66mm、重さ
3.7kgであった。この合成石英ガラス円盤の収率は
59.7%であった。得られた合成石英ガラス円盤には
3方向に脈理が観察されず、屈折率の均質性は、Δnで
±1×10−6であった。
【0060】例2 四塩化珪素を酸素水素火炎中で火炎加水分解し、生成す
るシリカ微粒子を回転する基体上に溶解堆積して、直径
60mm、長さ1000mm、重量6.2kgの棒状石
英ガラスインゴットを形成した。該棒状石英ガラスイン
ゴットの両端を、該棒状合成石英ガラスインゴットと同
径の合成石英ガラス製の支持棒に取り付け、石英ガラス
加工用旋盤のチャックに固定した。
【0061】前記棒状合成石英ガラスインゴットを石英
ガラス加工用旋盤の両チャックに取り付けたところで、
両チャックを回転数が30回転/分で左右同期回転させ
ながら、均質化される棒状合成石英ガラスインゴットの
左端を、酸素−プロパン炎にて局部的に加熱し、棒状合
成石英ガラスインゴットに溶融帯域を形成した後、左右
のチャックの回転数を各々独立に制御して、最終的に
は、左右のチャックを互いに逆回転させて、その回転数
を左側のチャックが50回転/分、右側のチャックが5
0回転/分とした。
【0062】その後、前記溶融帯域部分を、バーナーを
一定速度、本例においては、毎分20mmの速度で、回
転軸に沿ってゆっくりと移動させ、最終的には、棒状合
成石英ガラスインゴットの全体を溶融帯域が通過するよ
うに動かした(第1の均質化)。溶融帯域が棒状合成石
英ガラスインゴット全体にわたり移動した時点で、石英
ガラス加工用旋盤の左右のチャックを再び同期回転に戻
し、第1の均質化工程を終了した。次に、引き続き石英
ガラス加工用旋盤の左右のチャックを同期させながら回
転させ、バーナーを棒状合成石英ガラスインゴットの左
端に戻し、その棒状合成石英ガラス体の左端部分を加熱
軟化させて、溶融帯域を形成し、次いで両チャックを同
方向で異なる回転数で回転させた。
【0063】このチャックの回転は、本例では、左側の
チャックを30回転/分とし、右側のチャックを25回
転/分とした。石英ガラス加工用旋盤の左右のチャック
をゆっくりと回転方向に押して、前記溶融帯域に圧力を
加えることにより、該溶融帯域を加圧変形させる。この
溶融帯域の加圧変形により、前記棒状合成石英ガラスイ
ンゴットの径を増大させながら、左右のチャックの動き
に合わせてバーナーを左から右に移動させ、棒状合成石
英ガラス体を形成した。この棒状合成石英ガラス体の外
径がほぼ均一な部分を支持棒から切り離し、外径100
mm、長さ324mmの合成石英ガラス予備成形体を得
た(旋盤による予備成形工程)。この合成石英ガラス予
備成形体を、内底面の幅が100mm,長さ260m
m、高さ350mmのグラファイト製の箱形容器内に垂
直に立てて、グラファイト容器ごと真空炉内に入れた。
【0064】炉内を真空に排気した後、窒素を充填して
毎分20℃の昇温速度で1800℃まで90分で昇温
後、通電を停止し自然冷却した。冷却後型内より縦10
0mm、横260mm,高さ98mmの略直方体の合成
石英ガラス成形体を得た。得られた角柱体を水銀ランプ
の波長254nmの紫外線を照射して蛍光の測定を行っ
たところ、外表面から約1mmにごく薄い緑色の蛍光を
観察した。またこの成形工程における加熱時間(炉の通
電時間)は1時間30分であった。この蛍光部分を研
削、削除し、更にエッジ部をグラインダーで面取りを施
して最終的に縦98mm、横258mm、高さ96mm
の略直方体の合成石英ガラス成形体を得た。ここで得ら
れた合成石英ガラス成形体の重量は5.1kgであっ
た。
【0065】次いで、該略直方体状の合成石英ガラス成
形体の略正方形状の対向する両面に合成石英ガラス製の
支持棒を取り付け、石英ガラス加工用旋盤の左右のチャ
ックに固定した後、左右のチャックを同期させて回転
し、合成石英ガラス成形体全体を加熱しながらゆっくり
と、両端のチャックを離れるように動かして、合成石英
ガラス成形体を延伸し、断面が略正方形の合成石英ガラ
ス棒状体を得た。次いで、該合成石英ガラス棒状体の一
部を加熱軟化させ溶融帯域を形成させ、この溶融帯域が
形成された合成石英ガラス棒状体を、左右の端部間に回
転差を生じるように、例えば左側チャックを30回転/
分、右側チャックを25回転/分で回転させながら、バ
ーナーをゆっくりと右側に移動させると同時に両チャッ
ク間の距離を適宜拡大又は縮小することにより、直径が
均一になるように調整して、該合成石英ガラス棒状体の
直径を約60mmの完全な円柱状にした。
【0066】次いで、再びバーナーを該円柱状の合成石
英ガラスの左端に移動させ、第1の均質化と同様の要領
で均質化を行った。得られた円柱状の合成石英ガラスを
冒頭の予備成形工程と同様の操作で外径を増加させ、直
径100mmの合成石英ガラス棒状体を得た。次いで、
この予備成形により径を増した合成石英ガラス棒状体を
支持棒から切り離して、用意したグラファイト製の型内
に設置し、第1の成形工程と同じ要領で成形を行い、光
学部材として一般的な円盤状に成形処理し、更に歪除去
のための加熱処理及び徐冷処理を施した。加熱、徐冷処
理は、この円盤状合成石英ガラス成形体を電気炉内に設
置して、大気雰囲気で1150℃に50時間加熱後、−
5℃/時間で徐冷することにより行った。このように成
形、加熱、徐冷処理された合成石英ガラス円盤は、水銀
ランプの254nmの紫外線で照射し、緑色の蛍光部分
を除去された。この緑色の蛍光部分を除去した合成石英
ガラスの円盤の大きさは、直径180mm、厚さ70m
mであり、重さは3.9Kgであった。この合成石英ガ
ラス円盤の収率は62.9%であった。得られた合成石
英ガラス円盤には3方向に脈理が観察されず、屈折率の
均質性はΔnで±1×10−6であった。
【0067】比較例1 例1と同じ合成石英ガラスインゴットを実施例1と同様
の操作により、第1の均質化を行い、直径60mm、長
さ900mmの均質化された棒状合成石英ガラスインゴ
ットを得た。この棒状合成石英ガラスインゴットを、内
底面が、一辺の長さが206mmの正方形で、高さ40
0mmのグラファイトの箱型の容器内に垂直に立てて、
グラファイト容器ごと真空炉内に入れた。ここで、グラ
ファイト容器内の棒状合成石英ガラスインゴットについ
ては、該棒状の合成石英ガラスが途中で折れ曲がって成
形されたり、傾いて成形されないように注意して、垂直
に立てかけた。炉内を真空に排気した後、窒素を充填し
て1800℃まで毎分10℃の加熱速度で昇温し、最高
温度に3時間保持後通電を停止し、自然冷却した。冷却
後型内より縦206mm、横206mm、高さ60mm
の板状の合成石英ガラス成形体を得た。成型における加
熱時間は6時間であった。(第1の成形工程)
【0068】次いで、該板状の合成石英ガラス成形体
を、内寸が縦60mm、横706mm、高さ210mm
の箱型のグラファイト容器内に、該板状の合成石英ガラ
ス成形体を横向きに配置し、板状の合成石英ガラス成形
体の高さ方向を箱型容器の縦方向と一致させて、再度成
形を行った。再成形条件は実施例1における再成形条件
と同様で成形時間は90分であった。このように再度成
形された合成石英ガラス成形体の形状は一辺の長さが6
0mmの正方形で長さが706mmの角柱体であった。
ここで第1の成型工程、第2の成型工程における加熱時
間は合計で7時間30分であった。得られた角柱体を水
銀ランプの波長254nmの紫外線で照射し蛍光の測定
を行ったところ、外表面から10mm程に亙って強い緑
色の蛍光が観察された。
【0069】そこで外表面から3mmにあたる部分を研
削して、削除し、さらにエッジ部分をグラインダーで面
取りを施して最終的に一辺が54mmで、長さが700
mmの略角柱状の合成石英ガラス棒状体を得た。ここで
得られた合成石英ガラス棒状体の重量は約4.5kgで
あった。次いで、得られた合成石英ガラス棒状体につい
ては、先ず、前記合成石英ガラス棒状体の1部をバーナ
ーにより加熱軟化させて溶融体域を形成し、この溶融体
域が形成された合成石英ガラス棒状成形体を、左右の端
部間に回転差を生じるように、例えば左側チャックを3
0回転/分、右側チャックを25回転/分で回転して、
バーナーをゆっくり右側に移動させると同時に両チャッ
ク間の距離を適宜拡大又は縮小することにより、直径が
均一になるように調整して、該合成石英ガラス棒状成形
体を直径が約60mmの完全な円柱状にした。
【0070】次いで、再びバーナーを該円柱状の合成石
英ガラス成形体の左端に移動させ、第1の均質化と同様
の要領で均質化を行った。得られた円柱状の合成石英ガ
ラスを冒頭の予備成形工程と同様の操作で外径を増加さ
せ、直径100mmの円柱状の合成石英ガラス成形体を
得た。次いで、この予備成形により径を増した円柱状の
合成石英ガラスを成形体を実施例1と同じ要領で成形、
加熱、除例処理を施し、外径180mm、高さ61mm
の円盤状合成石英ガラス成形体を得た。得られた合成石
英ガラス円盤は、水銀ランプの254nmの紫外線で照
射したが、円盤の全体に渡って緑色の蛍光が認められ、
エキシマレーザー等の紫外線レーザー用光学素材用途に
は不適当であることが判った。
【0071】比較例2 実施例1と同じ棒状合成石英ガラスインゴットを例1と
同様の操作により、第1の均質化を行い、直径60m
m、長さ900mmの均質化された棒状合成石英ガラス
インゴットを得た。この合成石英ガラスインゴットを、
内底面が、一辺の長さが206mmの正方形を構成す
る、高さ400mmのグラファイトの箱型の容器内に垂
直に立てて、グラファイト容器ごと真空炉内に入れた。
ここで、グラファイト容器内の棒状の合成石英ガラスイ
ンゴットについては、該棒状の合成石英ガラスが途中で
折れ曲がって成形されたり、傾いて成形されないように
注意して、垂直に立てかけた。炉内を真空に排気した
後、窒素を充填して1800℃まで毎分10℃の加熱速
度で昇温し、最高温度に3時間保持後通電を停止し、自
然冷却した。冷却後型内より縦205mm、横205m
m、高さ60mmの板状の合成石英ガラス成形体を得た
(第1の成形工程)。
【0072】次いで、該板状の合成石英ガラス成形体
を、内寸が縦60mm、横700mm、高さ210mm
の箱型のグラファイト容器内に、該板状の合成石英ガラ
ス成形体を横向きに配置し、板状の合成石英ガラス成形
体の高さ方向を箱型容器の縦方向と一致させて、再度成
形と行った。再成形条件は実施例1における再成形条件
と同様で成形時間は90分であった。このように再度成
形された合成石英ガラス成形体の形状は一辺の長さが6
0mmの正方形で長さが706mmの角柱体であった。
得られた角柱体を水銀ランプの波長254nmの紫外線
で照射し蛍光の測定を行ったところ、外表面から10m
m程に渡って強い緑色の蛍光を観察した。この部分を研
削、削除し、さらにエッジ部分をグラインダーで面取り
を施して最終的に一辺が40mmで長さが686mmの
略角柱状の合成石英ガラス成形体を得た。この時の重量
は約2.3kgであった。次いで、得られた合成石英ガ
ラス棒状体については、先ず、前記合成石英ガラス棒状
体の1部をバーナーにより加熱軟化させて溶融体域を形
成し、この溶融体域が形成された合成石英ガラス棒状体
を、左右の端部間に回転差を生じるように、例えば左側
チャックを30回転/分、右側チャックを25回転/分
で回転して、バーナーをゆっくり右側に移動させると同
時に両チャック間の距離を適宜拡大又は縮小することに
より、直径が均一になるように調整して、該合成石英ガ
ラス棒状体を直径が約40mmの完全な円柱状にした。
【0073】次いで、再びバーナーを該円柱状の合成石
英ガラス成形体の左端に移動させ、第1の均質化と同様
の要領で均質化を行った。得られた円柱状の合成石英ガ
ラス成形体を冒頭の予備成形工程と同様の操作で外径を
増加させ、直径80mmの合成石英ガラス棒状体を得
た。次いで、この予備成形により径を増した合成石英ガ
ラス棒状体を支持棒から切り離して、用意したグラファ
イト製の型内に設置し、第1の成形工程と同じ要領で成
形を行い、光学部材として一般的な円盤状に成形処理
し、更に歪除去のための加熱処理及び除冷処理と施し
た。加熱・除冷処理は、この円盤状合成石英ガラス成形
体を電気炉内に設置して、大気雰囲気で1150℃に5
0時間加熱後、−5℃/時間で除冷することにより行っ
た。成形、加熱、除冷処理されて得られた合成石英ガラ
ス円盤は、水銀ランプの254nmの紫外線で照射し、
緑色の蛍光部分が除去された。緑色の蛍光部分を除去さ
れた合成石英ガラス円盤の大きさは、直径150mm及
び厚さ46mmであり、重さは1.8kgであった。比
較例2における収率は29%であった。得られた合成石
英ガラス円盤には3方向に脈理が観察されず、屈折率の
均質性は、Δnで±1×10−6であった。
【0074】
【発明の効果】本発明は、径方向に平行な面が長手軸方
向に平行な面に比して均質に形成されているロッド状石
英ガラスの少なくとも一部を加熱して、溶融帯域を形成
し、該ロッド状石英ガラスの両端部を同じ方向で回転数
を違えて回転させながら、長手軸方向に、該ロッド状石
英ガラスの少なくとも一方の端部を押圧して、該ロッド
状石英ガラスの長さを縮小し、長さが縮小されたロッド
状石英ガラスを、グラファイト製の箱型の型内で加熱し
て、長手軸方向が厚さ方向に比して均質である石英ガラ
ス成形体を形成して、この石英ガラス成形体を所定断面
のロッド状石英ガラスに成形して、この成形された所定
断面のロッド状石英ガラスを加熱して溶融帯域を形成
し、この該溶融帯域に外力を加えて、境界領域を生じさ
せ、該境界領域をロッド状石英ガラスの回転軸に沿って
移動させて、前記ロッド状合成石英ガラスの径方向に平
行な面を均質に形成して、石英ガラス成形体の三方向を
均質に形成した高均質な光学用石英ガラス成形体を製造
するので、従来法に比して、グラファイト成形型からの
汚染を避けて、不均質な高純度のロッド状石英ガラスか
ら、三方向に脈理が現れない、即ち三方向に均質な高均
質な光学用石英ガラス棒状成形体を成形することが容易
になった。
【0075】また、本発明において得られる棒状の合成
石英ガラス成形体は、高均質で且つ三方向に脈理を有し
ておらず、また、エキシマレーザー光等の紫外線の透過
性が良好で、かつ、その照射に対して蛍光を発せず、ま
た、長期に亙って光学特性の安定した高精度の光リソグ
ラフィーに用いることができる。本発明においては、殆
どが空中で、つまり、グラファイト成形型と接触しない
状態で成型加工を行うので、グラファイト成形型からの
不純物の汚染が少なく、例えば633nmの波長の光に
対する屈折率の分布が、Δnとして±1×10−6以下
であり、紫外領域での高透過率が、248nmの波長の
光に対する内部透過率が99.9%以上である高均質な
光学用の合成石英ガラス成形体を、製造することができ
る。
【0076】本発明は、従来の石英ガラス成形体の製造
方法では達成することができなかったような、高均質で
且つ三方向に脈理を有さず、エキシマレーザー光等の紫
外線の透過性が良好で、かつ、その照射に対して蛍光を
発せず、また、長期に亙って光学特性の安定した高精度
の光リソグラフィーに用いられる石英ガラス光学部材に
好適な合成石英ガラス素材を容易に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例について、ロッド状石英ガラ
スの第一の均質化工程における石英ガラス加工用旋盤の
ロッド状石英ガラスの保持具及びバーナー等の概略の配
置関係を示す説明図である。
【図2】図1で得られた第一の均質化工程で処理された
ロッド状石英ガラスの長さの縮小工程についての概略の
説明図である。
【図3】図2で得られた長さが縮小された石英ガラスに
ついて、グラファイト成形型を使用してロッド状石英ガ
ラスから、その長手軸方向に対し垂直方向に長手軸を有
するロッド状石英ガラスを成形する成形工程の型内の模
式図である。
【図4】図2で得られた長さが縮小された石英ガラスに
ついて、グラファイト成形型を使用してロッド状石英ガ
ラスの長手軸方向に対し垂直方向に長手軸を有するロッ
ド状石英ガラスを成形する成形工程の図3に続く型内の
模式図である。
【図5】図4で得られたグラファイト成形型により成形
されたロッド状石英ガラスを、別のグラファイト成形型
を使用して、前記ロッド状石英ガラスの短辺側の長さを
縮める成形工程の型内の模式図である。
【図6】図4で得られたグラファイト成形型により成形
されたロッド状石英ガラスを、別のグラファイト成形型
を使用して、前記ロッド状石英ガラスの短辺側の長さを
縮める成形工程の図5に続く型内の模式図である。
【図7】図6で得られたロッド状石英ガラスの均質化工
程の模式図である。
【符号の説明】
1 棒状合成石英ガラス 2、16、19 脈理 3 石英ガラス加工用旋盤 4 移動側チャック 5 固定側チャック 6 ガスバーナ 7、8 石英ガラスの端部 9、10、31、32 支持棒 11 燃焼炎 12、33 溶融帯域 13、34 境界領域 14 バーナの移動方向を示す矢印 15 回転軸 17 脈理16の間の部分 18 合成石英予備成形体 20、26 グラファイト成形型 21、22 予備成形体18の切断面 23 脈理平面 24 偏平な板状体 25 短辺側の面 27 脈理面 28 角形棒状の石英ガラス成形体 28′丸形棒状の石英ガラス成形体 29、30 角形棒状の石英ガラス成形体の両端 35 均質化された石英ガラス成形体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤ノ木 朗 福島県郡山市田村町金屋字川久保88 信 越石英株式会社石英技術研究所内 (72)発明者 片岡 正篤 福井県武生市北府2丁目13番60号 信越 石英株式会社武生工場内 (56)参考文献 特開 平7−267666(JP,A) 特開 平7−267662(JP,A) 米国特許5443607(US,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C03B 20/00

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 不均質なロッド状石英ガラスの一部を加
    熱して溶融帯域を形成し、この溶融帯域が形成されたロ
    ッド状石英ガラスの両端部を異なる態様で回転させて回
    転軸方向に交差する面内を均質にし、この回転軸方向に
    交差する面内が均質にされたロッド状石英ガラスの一部
    を加熱して溶融帯域を形成し、この溶融帯域が形成され
    たロッド状石英ガラスの両端部を同じ回転方向で回転数
    を違えて回転させながら、該ロッド状石英ガラスの両端
    部の少なくとも一方の端部に、その回転の中心軸方向に
    押圧力を加えて、溶融帯域を介して、該ロッド状石英ガ
    ラスの長さを縮め、この長さが縮められたロッド状石英
    ガラスを、その両端部を上下方向に向けて、耐熱性の箱
    型の型内に配置して、加熱下に成形することにより、該
    成形時の水平方向に透過する光に現れる単位面積当たり
    の脈理の数が成形時の上下方向に透過する光に現れる脈
    理の数に比べて多い石英ガラス成形体を形成することを
    特徴とする高均質な光学用石英ガラス成形体の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 不均質なロッド状石英ガラスの一部を加
    熱して溶融帯域を形成し、この溶融帯域が形成されたロ
    ッド状石英ガラスの両端部を異なる態様で回転させて回
    転軸方向に交差する面内を均質にし、この回転軸方向に
    交差する面内が均質にされたロッド状石英ガラスの一部
    を加熱して溶融帯域を形成し、この溶融帯域が形成され
    たロッド状石英ガラスの両端部を同じ回転方向で回転数
    を違えて回転させながら、該ロッド状石英ガラスの両端
    部の少なくとも一方の端部に、その回転の中心軸方向に
    押圧力を加えて、溶融帯域を介して、該ロッド状石英ガ
    ラスの長さを縮め、長さが縮められたロッド状石英ガラ
    スを、その両端部を上下方向に向けて、耐熱性の箱型の
    型内に配置して、加熱下に成形することにより、該成形
    時の水平方向に透過する光に現れる単位面積当たりの脈
    理の数が成形時の上下方向に透過する光に現れる脈理の
    数に比べて多い石英ガラスを形成し、この形成された石
    英ガラスの一部を加熱して、該石英ガラスに溶融帯域を
    形成し、この溶融帯域が形成された石英ガラスを前記上
    下方向と交差する方向に引き延ばして、断面を縮小さ
    せ、この縮小された石英ガラスの一部を加熱して溶融帯
    域を形成させ、この溶融帯域の両端部を同じ方向で異な
    る回転数で回転させながら、断面が略円形のロッド状石
    英ガラスを形成し、このロッド状石英ガラスを異なる態
    様で回転させて三方向に均質な石英ガラスロッドを形成
    することを特徴とする高均質な光学用石英ガラス成形体
    の製造方法。
  3. 【請求項3】 不均質なロッド状石英ガラスの一部を加
    熱して溶融帯域を形成し、この溶融帯域が形成されたロ
    ッド状石英ガラスの両端部を異なる態様で回転させて回
    転軸方向に交差する面内を均質にし、この回転軸方向に
    交差する面内が均質にされたロッド状石英ガラスの一部
    を加熱して溶融帯域を形成し、この溶融帯域が形成され
    たロッド状石英ガラスの両端部を同じ回転方向で回転数
    を違えて回転させながら、該ロッド状石英ガラスの両端
    部の少なくとも一方の端部に、その回転の中心軸方向に
    押圧力を加えて、溶融帯域を介して、該ロッド状石英ガ
    ラスの長さを縮め、この長さが縮められたロッド状石英
    ガラスを、その両端部を上下方向に向けて、耐熱性の箱
    型の型内に配置して、加熱下に成形することにより、該
    成形時の水平方向に透過する光に現れる単位面積当たり
    の脈理の数が成形時の上下方向に透過する光に現れる脈
    理の数に比べて多い石英ガラスを形成し、この形成され
    た石英ガラスの単位面積当たりの脈理の数が多い方向を
    上下方向に向けて耐熱性の成形型内に配置して、加熱下
    にロッド状に成形し、この成形された石英ガラス成形体
    を加熱して溶融帯域を形成し、この溶融帯域が形成され
    た石英ガラス成形体の両端部を引き伸ばした後に同じ方
    向で異なる回転数で回転させながら断面を略円形に形成
    して、ロッド状石英ガラスを形成し、このロッド状石英
    ガラスの一部を加熱して溶融帯域を形成し、この溶融帯
    域が形成されたロッド状石英ガラスの両端部を異なる態
    様で回転させて、三方向に均質なロッド状石英ガラスを
    形成することを特徴とする高均質な光学用石英ガラス成
    形体の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記三方向に均質なロッド状石英ガラス
    を型内で加熱成形し、次いでこの成形物を加熱及び徐冷
    して、三方向に均質で歪みの無い光学用石英ガラス成形
    体を製造する最終成形工程を備えることを特徴とする
    求項2又は3に記載の均質な光学用石英ガラス成形体の
    製造方法。
  5. 【請求項5】 長さが縮められたロッド状石英ガラス
    が、回転軸方向に交差する面内が均質にされたロッド状
    石英ガラスの一部を加熱して溶融帯域を形成させ、この
    溶融帯域が形成されたロッド状石英ガラスの両端部を同
    じ回転方向で回転数を違えて回転させながら、該ロッド
    状石英ガラスの両端部の少なくとも一方の端部に、その
    回転の中心軸方向に押圧力を加えながら、ロッド状石英
    ガラスに形成されている溶融帯域を、ロッド状石英ガラ
    スの長さが縮む方向に移動させて、ロッド状石英ガラス
    の断面を拡大することにより、該ロッド状石英ガラスの
    長さを縮めて成形されることを特徴とする請求項1乃至
    3の何れか一項に記載の高均質な光学用石英ガラス成形
    体の製造方法。
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