JP3201513B2 - 熱間圧延鋼板の冷却方法 - Google Patents

熱間圧延鋼板の冷却方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明は熱間圧延鋼板の冷却方法及び装置
に関するもので、特に厚鋼板の効率的な冷却方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】近年、厚鋼板の製造プロセスとして、オ
ンライン制御冷却法の適用が拡大している。これは、圧
延直後の熱間鋼板をオンラインで冷却する方法で、この
方法を使用することにより、高強度、高靭性の付与とい
った効果の他、合金元素の低減、省熱処理などのコスト
削減効果も得られる。
【0003】しかしながら、一般に圧延後の熱間鋼板
は、温度分布、板形状、表面性状等が必ずしも均一でな
いため、冷却中に鋼板面内に冷却むらが発生しやすく、
冷却後の鋼板に変形、残留応力、材質不均一等が生じ、
品質不良や操業上のトラブルを招いている。
【0004】一般に、高温の鋼板を冷却すると、まず鋼
板表面と冷却水との間に蒸気膜が存在する膜沸騰状態に
なる。これは鋼板表面温度が非常に高いために、冷却水
は鋼板表面に到達する前に蒸発し、直接接触することの
ない沸騰現象で、常に鋼板と冷却水との間には蒸気膜が
存在しており、熱流束は小さく、冷却能が低い。
【0005】次に、鋼板表面温度が下がってくると膜沸
騰から遷移沸騰へと移行する。この遷移沸騰領域では鋼
板表面を覆っていた安定した蒸気膜がもはや安定に存在
できなくなり、局所的に蒸気の膜が崩壊して、冷却水と
鋼板表面が直接接触を起こし、熱流束は急激に増大す
る。この時、蒸気膜が崩壊して冷却水が鋼板と直接接触
する面が均一でないと、温度むらの発生原因となる。す
なわち、局所的に蒸気膜が破れて、冷却水が直接鋼板に
接触した部分は低温部となるのに対し、蒸気膜が存在す
る部分は相対的に高温部となるからである。
【0006】鋼板表面に一旦冷却むらが発生すると、遷
移沸騰領域の場合、温度が低い部分は熱流束が大きいた
め、冷却が促進されるのに対し、温度が高い部分は、温
度が低い部分に比べて熱流束が小さいため冷却が遅れ
る。その結果、両者の温度差は拡大することになる。冷
却中に発生する温度むらは、ほとんどこの領域で発生し
ている。
【0007】さらに温度が低下すると、今度は蒸気膜が
存在し得なくなり、鋼板のほぼ全面が冷却水と接触した
状態、すなわち核沸騰となる。この領域では、ほぼ全面
が冷却水に接触しているため、遷移沸騰領域で発生する
ような温度むらは発生しにくい。
【0008】このような鋼板の冷却むらの発生を抑える
ために、これまで数多くの均一冷却方法が提案されてい
る。中でも、板幅方向にスリット状のノズルから、冷却
水を鋼板の進行方向に流す冷却方式は、高い冷却能と共
に、幅方向に均一な冷却能分布が得られことから、ロー
ラークエンチ設備の他、オンライン冷却設備にも適用さ
れている。これは、スリット状のノズルから幅方向に均
一な冷却水流を高圧で、大流量、吐出することにより、
鋼板全面に蒸気膜を発生させず、不安定な遷移沸騰領域
を回避して、速やかに核沸騰状態に移行させることが可
能なためである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このた
めには大量の冷却水が必要で、全冷却ゾーンにこの方式
を適用すると、冷却水の供給系、排水系に多大な投資が
必要となる。一方、水量を絞ると、鋼板全面に渡って均
一に蒸気膜を破ることができなくなり、局所的に蒸気膜
が残る部分が発生し、それが鋼板の温度むらの原因とな
ってしまう。したがって、同方式の優れた特徴である、
幅方向及び長手方向に均一な冷却能力を得るためには、
高圧・大流量の冷却水が必要で、それ以外では安定し
た、むらの無い冷却はできないのが実状であった。
【0010】特開昭61−264137号公報には、ス
リットジェット冷却方式において、水量を150〜20
0m3/hm、吐出圧力を1.5〜2kg/cm2、スリットノズ
ルの角度を15〜25°とする方法が開示されている。
【0011】この方式を図6に示す。図6において、1
は鋼板、2はテーブルロール(下ロール)、3は水切り
ロール(上ロール)、4はスリットノズル、5はスリッ
トノズルのヘッダ、6はスプレーノズル、7はスプレー
ノズルのヘッダである。
【0012】図6に示すように、冷却装置は2段となっ
ており水切りロール3によって分割されている。第一次
冷却装置でスリットジェット方式(スリットノズル4に
よる冷却方式)、第二次冷却装置で他の冷却方式(スプ
レーノズル6による冷却方式)で冷却される。この際、
第一次冷却装置では、スリットノズル4より大量の冷却
水が鋼板1の進行方向に向け、鋼板1の上面に沿って噴
射される。この発明は、スリットジェット方式による冷
却法式で蒸気膜を均一に除去し、安定した冷却に移行さ
せるのに必要な水量、水圧等を限定したものである。し
かしながら、第二次冷却装置において、他の冷却方式で
冷却すると、鋼板表面温度が復熱し、再び不安定な遷移
沸騰状態になり、冷却むらの発生するといった問題があ
った。特に、板厚の厚い鋼板の場合、復熱量が多いため
この問題が顕著であった。
【0013】また、第一次冷却装置のスリットジェット
方式を、そのまま第二次冷却装置においても適用する
と、冷却むらの発生を抑えることはできるが、膨大な冷
却水量が必要となり、冷却水の供給系、排水系に多大な
設備投資をする必要が発生し、経済的な不利が免れなか
った。さらに、冷却ブロックが水切り装置で仕切られた
場合の、水量と水切り装置のピッチについての指針は何
も示されていなかった。
【0014】本発明は上記の問題点を解決するためにな
されたもので、スリット状のノズルから、冷却水を鋼板
の進行方向に沿って流す冷却方式において、同方式が有
する、鋼板の面内で均一な冷却能力を維持しつつ、冷却
水量を削減し、効率的な冷却を行うことを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】前記課題は、鋼板の通板
方向に水切りブロックで分割された複数の冷却ブロック
を配置し、各冷却ブロックにおいて、鋼板上方にスリッ
ト状ノズルを設置し、同ノズルから冷却水を鋼板の進行
方向に沿って流すことによって冷却を行う熱間圧延鋼板
の冷却方法において、前記スリット状ノズルから流出す
る冷却水の流速Vw(m/s)が、スリット状ノズルから水
切り装置までの距離をL(m)、鋼板の通板速度をVs
(m/s)、鋼板表面温度による補正項をα(m/s)とした
とき、以下の式で表される範囲であることを特徴とする
熱間圧延鋼板の冷却方法によって解決される。
【0016】10≧Vw≧kL+Vs+α ただし、 k=1.0(s-1) ここで、αは、鋼板表面温度をTs(℃)としたとき、
以下の式で表される。 α=aTs2+bTs+c ただし、a=5.0×10-6(m・s-1-2) b=−0.0013(m・s-1-1) c=0.29(m・s-1
【0017】(発明に至る経緯)本発明者らは、上記目
的に沿って検討した結果、各冷却ブロックが水切り装置
によって仕切られた上で、スリット状ノズルによって冷
却水を鋼板の進行方向に流す冷却において、蒸気膜の発
生を抑え、冷却面全面に渡って均一に核沸騰状態に移行
させるために必要な条件が、冷却水量だけではなく、実
際には冷却水の流速とノズルから水切り装置までの距
離、さらに、鋼板の表面温度にも依存することを見いだ
し、本発明を完成したものである。
【0018】図1は、水切り装置として水切りロールを
用い、スリット状のノズルから高温鋼板の進行方向に冷
却水を流し冷却する際の、冷却初期の鋼板表面の冷却水
の状況を説明する図である。
【0019】図1において、1は鋼板、2はテーブルロ
ール(下ロール)、3は水切りロール(上ロール)、4
はスリットノズル、5はスリットノズルのヘッダ、9は
核沸騰領域、10は膜沸騰領域、Xは鋼板1の搬送方
向、Yは冷却水の流れる方向を示す。又、Lは、本発明
でいう「スリット状ノズルから水切り装置までの距離L
(m)」に対応する。
【0020】スリットノズル4から吐出した冷却水が鋼
板に衝突する近傍では、瞬時に蒸気膜が消失し、容易に
核沸騰状態となるが、冷却水が鋼板表面に沿って流れて
行くにしたがって水温が上昇し、新たな冷却水の供給が
不十分な場合、すなわち流速が低い場合には、ノズルと
水切りロールの中間近傍で蒸気膜が発生して膜沸騰領域
10に移行する。蒸気膜の発生する領域は一定ではな
く、鋼板の表面状態や温度むらによって不安定に、局所
的に発生するため、これが冷却むらを招くことになる。
その後、冷却水は水切りロールに衝突するため、水切り
ロール近傍では、冷却水が乱流状態となり、蒸気膜の発
生が抑制され、再び核沸騰状態となる。
【0021】本発明者らが、スリット状のノズルから高
温鋼板の進行方向に冷却水を流して冷却する際に、高温
鋼板の冷却面の蒸気膜が消失するまでの時間を調べたと
ころ、冷却水の流速と水切りロールピッチによって、蒸
気膜が消失するまでの時間が変化することが分かった。
【0022】図2は、板厚30mm、板温900℃の鋼板
で、冷却水の流速と冷却面の蒸気膜が消失するまでの時
間との関係を示した図である。この図から、スリットノ
ズル4から水切りロール3までの距離が近いほど、低い
流速で蒸気膜を瞬時に消失できることが分かる。
【0023】さらに、この傾向を鋼板表面温度を変えて
調べたところ、冷却面の蒸気膜が瞬時に消失する流速
は、鋼板表面温度によっても変化することを見いだし
た。図3は、板厚30mmの鋼板を、温度を変えて冷却し
た際に、蒸気膜が瞬時に消失するのに必要な最低流速V
wm(m/s)とノズルから水切りロールまでの距離L(m)
の関係を示した図である。この図から、蒸気膜を瞬時に
消失させるのに必要な冷却水の流速は、鋼板表面温度が
変わっても、ノズルから水切りロールまでの距離とリニ
アな関係にあることが分かる。また、鋼板表面温度が低
いほど、低流速で蒸気膜を瞬時に消失できることが分か
る。
【0024】以上のことから、蒸気膜が瞬時に消失する
のに必要な最低流速をVwm(m/s)、ノズルから水切り
ロールまでの距離をL(m)、鋼板表面温度による補正
項をα(m/s)とすると、 Vwm =kL+α ただし、 k=1.0(s-1) と表すことができる。
【0025】また、図3から鋼板表面温度と蒸気膜を瞬
時に消失させるのに必要な冷却水の流速との関係を求め
ると、αは、鋼板表面温度をTs(℃)とすると以下の
ように表すことができることが分かった。
【0026】α=aTs2+bTs+c ただし、a=5.0×10-6(m・s-1-2) b=−0.0013(m・s-1-1) c=0.29(m・s-1) さらに、鋼板の進行方向に冷却水を流す場合、鋼板の通
板速度を考慮する必要があることから、蒸気膜を瞬時に
消失させ、均一な冷却を行うため必要な冷却水の流速の
範囲は、鋼板の通板速度をVs(m/s)とすると、 Vw≧kL+Vs+α と表すことができる。
【0027】ここで、冷却ゾーンに進入した鋼板の表面
温度は、図4に示すように各冷却ブロックを通過する度
に、振幅を繰り返し、低下していく。これは各冷却ブロ
ックの間にあるテーブルロールもしくは水切りロールの
部分で冷却能が変化するためである。この鋼板表面温度
プロファイルは、冷却面の冷却能を基に事前に計算し、
予測することが可能である。したがって、各冷却ブロッ
ク毎に、進入する鋼板の表面温度を事前に計算し、予測
しておけば、その表面温度で瞬時に核沸騰状態に移行さ
せるのに必要最小限な流速を設定することが可能とな
る。
【0028】また、冷却速度を制御するには、各冷却ブ
ロックの内、複数の冷却ブロックの冷却を停止し、オン
オフの間欠冷却を行うことによって、任意の冷却速度に
設定することが可能となる。このときも、事前に間欠冷
却時の各冷却ブロックでの鋼板表面温度を事前に計算し
ておくことによって、必要最小限の水量で冷却面を瞬時
に核沸騰状態に移行させ、冷却むらを抑えつつ、冷却速
度をコントロールすることが可能となる。また冷却停止
温度は、搬送速度によって制御することができる。
【0029】さらに、冷却水の流速Vwは10m/s以
下とする。これは、流速が10m/sを超えると、鋼
板に衝突した冷却水が跳ね返ってしまって冷却むらの原
因になること、冷却水量が膨大となり、経済的に不利
である、ことによるものである。
【0030】
【実施例】図5に示す装置を用いて本発明を実施した。
図5において、図1に示されるものと同じ要素には同一
の符号を付してその説明を省略する。8は流量調節弁で
ある。図5において冷却ブロックは全部で20ブロック
有り、各冷却ブロックは、隣接する冷却ブロックに冷却
水が進入しないように、水切りロール3で区切られてい
る。各冷却ブロックの鋼板の上面に、スリットノズル4
が設置され、ノズルから冷却水が鋼板の進行方向に沿っ
て吐出される。水切りロール3の径は250mm、間隔は
900mmで、スリットノズル先端から水切りロールまで
の距離は600mmである。
【0031】鋼板下面には、複数のスプレーノズル6が
配置されている。鋼板下面の冷却方式は、スプレー冷却
に限ったものではなく、スリットジェット方式、多孔ノ
ズル方式、導管付き円管噴水方式、浸漬冷却方式、ある
いは、それらの組み合わせでも良い。ただし、上面と同
じように、核沸騰状態に維持できるように、水量密度を
コントロールすることが必要である。
【0032】また、上下ノズルから吐出する冷却水の衝
突位置及び冷却面積は、鋼板の上下面で同じ位置になる
ように設定される。これは、鋼板の上下面の温度履歴を
一致させ、冷却中の鋼板の変形を抑えるためである。
【0033】スリットノズル4と鋼板1の角度は14°
とし、スリットノズル4と鋼板の距離は30mm、ノズル
のギャップは5mm、冷却水の吐出圧力は0.1〜1.0
kg/cm2とした。
【0034】圧延機で圧延された鋼板1は、テーブルロ
ール2により搬送され制御冷却装置に運ばれる。この
時、本図では図示していないが、制御冷却装置に入る前
に、ホットレベラーにより予め圧延歪を除去しても良
い。制御冷却装置に運ばれた鋼板は、冷却ゾーンを通過
しながら上下から冷却水を噴射され、所定の温度まで冷
却される。冷却速度は、冷却水を供給する冷却ブロック
と冷却水を供給しない冷却ブロックの間欠パターンを予
め計算によって求めておき、この間欠パターンにより所
望の値に制御した。冷却水量は、間欠パターンに応じ
て、予め各冷却ブロックに進入する時の鋼板表面温度を
計算し、その鋼板表面温度に応じて、瞬時に核沸騰状態
に移行させるのに必要最小限の冷却水量を、本発明の式
に基づいて設定した。
【0035】本発明例を用いて、板厚40mm、板幅30
00mm、板長20000mmの鋼板を、種々の条件で冷却
したときの、冷却後の鋼板の歪量と使用水量を表1に示
す。
【0036】
【表1】(表1)
【0037】冷却後の鋼板の歪量は、鋼板の板厚方向の
変形量の、板長に対する割合で示した。この値が低いほ
ど、歪量は小さく、平坦度が良好であることを意味す
る。また、比較例として、流速を一定として冷却したと
きの結果も示す。
【0038】表1から、本発明例においては、各冷却ブ
ロックで、瞬時に鋼板表面を核沸騰状態に移行させるの
に必要最小限の水量を設定できるため、冷却歪みが少な
く、同時に使用水量も少なくすることができる。
【0039】実施例の内、No.1は、間欠冷却によっ
て、#1、4、7、13冷却ブロックのみを使用し、計
算で予測された鋼板表面温度を基に、それぞれの流速を
6m/s、2.5m/s、2.5m/s、1.5m/s、1.5m/
sに設定したときのものである。この場合には、各冷却
ブロックで、瞬時に鋼板表面を核沸騰状態に移行させる
のに必要な最小限の水量を設定できるため、冷却歪が少
なく、同時に使用水量も少なくすることができた。
【0040】これに対し、比較例の内No.4では、同じ
冷却ブロックを使用したが、各冷却ブロックにおける流
速を一律に2m/sとしたため、全体の冷却水量はやや
少なくなったが、冷却むらが発生し、冷却歪みが大きく
なってしまった。これは、鋼板が高温状態にあるとき
に、冷却ブロック内で全面にわたって均一に核沸騰状態
にすることができなかったためである。
【0041】実施例の内、No.2、No.3は、全冷却ブロ
ックを使用し、搬送速度を変化させることによって冷却
停止温度を制御したものである。このとき、No.1の場
合と同様に、計算で予測された鋼板表面温度を基に、各
冷却ブロックの流速を設定した。具体的には、#1冷却
ブロックでは、1.6m/s、#2冷却ブロックでは、3.8
m/s、#3〜#8冷却ブロックでは、2.5m/s、#
9〜#13冷却ブロックでは、1.0m/s、#14〜#
20冷却ブロックでは、0.5m/sとした。
【0042】この場合にも、各冷却ブロックで、瞬時に
鋼板表面を核沸騰状態に移行させるのに必要最小限の水
量を設定できるため、冷却歪が少なく、同時に使用水量
も少なくすることができた。
【0043】
【0044】比較例の内No.4は、全冷却ブロックでの
流速を4m/sとしたものである。この場合には、鋼板
を高温時に冷却ブロック内で全面にわたって均一に核沸
騰状態にすることができないため、冷却歪みが発生し、
冷却歪みが大きくなってしまう上、使用水量が多くなっ
てしまい、経済的に不利である。
【0045】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
スリット状のノズルにより、冷却水を鋼板の進行方向に
流す冷却方法及び装置において、必要冷却水の最低量を
求め、それに近い冷却水量で鋼板の冷却を行っているの
で、鋼板の幅方向、長手方向に均一な冷却能力を維持し
つつ、使用冷却水量を大幅に節約することが可能とな
る。よって、冷却水の供給系、排水系に多大な設備投資
をする必要が無くなり、経済的に大きな効果がある。こ
れにより、制御冷却後の鋼板の歪低減に極めて有効で、
かつ経済的な冷却方法及び装置を提供することが可能と
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】鋼板表面の冷却水の状況を説明する図である。
【図2】示した図である。
【図3】ロールまでの距離の関係を示した図である。
【図4】
【図5】
【図6】
【符号の説明】
1 鋼板 2 テーブルロール 3 水切りロール 4 スリットノズル 5 スリットノズルのヘッダ 6 スプレーノズル 7 スプレーノズルのヘッダ 8 流量調節弁 9 核沸騰領域 10 膜沸騰領域、
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 富田 省吾 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日本鋼管株式会社内 (56)参考文献 特開 昭63−168215(JP,A) 特開 平9−19711(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B21B 45/02 320 C21D 9/52 102

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋼板の通板方向に水切りブロックで分割
    された複数の冷却ブロックを配置し、各冷却ブロックに
    おいて、鋼板上方にスリット状ノズルを設置し、同ノズ
    ルから冷却水を鋼板の進行方向に沿って流すことによっ
    て冷却を行う熱間圧延鋼板の冷却方法において、前記ス
    リット状ノズルから流出する冷却水の流速Vw(m/s)
    が、スリット状ノズルから水切り装置までの距離をL
    (m)、鋼板の通板速度をVs(m/s)、鋼板表面温度に
    よる補正項をα(m/s)としたとき、以下の式で表され
    る範囲であることを特徴とする熱間圧延鋼板の冷却方
    法。 10≧Vw≧kL+Vs+α ただし、 k=1.0(s-1) ここで、αは、鋼板表面温度をTs(℃)としたとき、
    以下の式で表される。 α=aTs2+bTs+c ただし、a=5.0×10-6(m・s-1-2) b=−0.0013(m・s-1-1) c=0.29(m・s-1
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