JP3201428B2 - 永久磁石用粉末の製造方法 - Google Patents
永久磁石用粉末の製造方法Info
- Publication number
- JP3201428B2 JP3201428B2 JP14863092A JP14863092A JP3201428B2 JP 3201428 B2 JP3201428 B2 JP 3201428B2 JP 14863092 A JP14863092 A JP 14863092A JP 14863092 A JP14863092 A JP 14863092A JP 3201428 B2 JP3201428 B2 JP 3201428B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- powder
- permanent magnet
- magnet powder
- raw material
- coating layer
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Landscapes
- Powder Metallurgy (AREA)
- Hard Magnetic Materials (AREA)
- Manufacturing Cores, Coils, And Magnets (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、永久磁石用粉末の製造
方法に関するものである。
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】永久磁石用粉末は極めて重要な工業材料
である。しかし、その粉末の化学的性質等により、得ら
れた永久磁石の磁気特性を引き出すことが困難になるこ
とが多い。
である。しかし、その粉末の化学的性質等により、得ら
れた永久磁石の磁気特性を引き出すことが困難になるこ
とが多い。
【0003】例えば、希土類−鉄−窒素3元系の永久磁
石粉末は、異方性磁場やキュリー点では希土類−鉄−ボ
ロン3元系を上回るものの、650℃以上で分解するた
め、磁石化のプロセスは非常に制限されたものとなる。
即ち、磁石粉末を焼結して磁石化する際、1000℃程
度の温度域の焼結手段はとれないので、低融点金属の粉
末、あるいは樹脂と混合して固める、いわゆるボンド化
がとられる。この際、体積比で数十%以上の非磁性体が
含まれることになり、優れた物性値を引き出すことが困
難である。
石粉末は、異方性磁場やキュリー点では希土類−鉄−ボ
ロン3元系を上回るものの、650℃以上で分解するた
め、磁石化のプロセスは非常に制限されたものとなる。
即ち、磁石粉末を焼結して磁石化する際、1000℃程
度の温度域の焼結手段はとれないので、低融点金属の粉
末、あるいは樹脂と混合して固める、いわゆるボンド化
がとられる。この際、体積比で数十%以上の非磁性体が
含まれることになり、優れた物性値を引き出すことが困
難である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記したように永久磁
石粉末をボンド化する場合、低融点金属の粉末でボンド
化する方法では、磁石粉末の粒界に低融点金属を拡散さ
せて固化するには通常の熱処理では不十分であるためホ
ットプレス等を必要とする。また、樹脂と混合してボン
ド化する方法では、保磁力を出すためミクロンオーダー
まで粉砕する必要がある。このとき、粒子表面の鋭い破
砕部分が逆磁区発生の核となることや、ミクロンオーダ
ーの粒子の耐食性に不安があることが指摘されている。
しかも、射出成形でボンド磁石をつくるため、微粒子と
なった磁石用粉末の摩擦作用により、金型の損耗が激し
くなるという問題がある。
石粉末をボンド化する場合、低融点金属の粉末でボンド
化する方法では、磁石粉末の粒界に低融点金属を拡散さ
せて固化するには通常の熱処理では不十分であるためホ
ットプレス等を必要とする。また、樹脂と混合してボン
ド化する方法では、保磁力を出すためミクロンオーダー
まで粉砕する必要がある。このとき、粒子表面の鋭い破
砕部分が逆磁区発生の核となることや、ミクロンオーダ
ーの粒子の耐食性に不安があることが指摘されている。
しかも、射出成形でボンド磁石をつくるため、微粒子と
なった磁石用粉末の摩擦作用により、金型の損耗が激し
くなるという問題がある。
【0005】一方、市販の永久磁石としては最も高いエ
ネルギー積を持つ、希土類−鉄−ボロン3元系では、原
料となる磁石粉末の錆の問題は本質的に避けられず、製
造工程においても厳重な酸素濃度の管理、また磁石製品
に対しては表面処理を必要とするという問題がある。
ネルギー積を持つ、希土類−鉄−ボロン3元系では、原
料となる磁石粉末の錆の問題は本質的に避けられず、製
造工程においても厳重な酸素濃度の管理、また磁石製品
に対しては表面処理を必要とするという問題がある。
【0006】そこで、本発明は上記事情を鑑み成された
ものであって、その目的とするところは、原料となる永
久磁石粉末をボンド化して磁石化するプロセスにおい
て、ホットプレス無しに、500℃以下の温度で焼結可
能であり、また逆磁区発生の核とならず、金型を傷める
ことのないなめらかな表面を持ち、さらに粉末状態で良
好な耐食性を有する永久磁石粉末、およびその磁石粉末
を得るための製造方法を提供することにある。
ものであって、その目的とするところは、原料となる永
久磁石粉末をボンド化して磁石化するプロセスにおい
て、ホットプレス無しに、500℃以下の温度で焼結可
能であり、また逆磁区発生の核とならず、金型を傷める
ことのないなめらかな表面を持ち、さらに粉末状態で良
好な耐食性を有する永久磁石粉末、およびその磁石粉末
を得るための製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は前記の目的を
達成するため、数々の表面処理法を用いて原料となる永
久磁石粉末を非磁性の金属層で被覆してみた。しかしな
がら、蒸着、イオンプレーティング、スパッタリング、
電解メッキ、無電解メッキ、溶射等の表面処理法では、
いずれの手段でも、粉末一つ一つに均一な厚みで被覆層
を設けることは不可能であり、また工業的に実用的な方
法ではなかった。
達成するため、数々の表面処理法を用いて原料となる永
久磁石粉末を非磁性の金属層で被覆してみた。しかしな
がら、蒸着、イオンプレーティング、スパッタリング、
電解メッキ、無電解メッキ、溶射等の表面処理法では、
いずれの手段でも、粉末一つ一つに均一な厚みで被覆層
を設けることは不可能であり、また工業的に実用的な方
法ではなかった。
【0008】そこで、本発明者は新規な表面処理法を探
索すべく、鋭意研究を重ねた結果、原料となる磁石粉末
にZn、Sn、Pb、およびBiから選ばれた少なくと
も一種の元素の酸化物と、粒状のCaとを所定の割合で
混合し、この混合物を不活性雰囲気中において300℃
から1200℃の範囲の温度で加熱し、その後、この反
応生成物を水または弱酸水溶液で処理することで、上記
目的に合致する永久磁石粉末を得ることに成功し、本発
明を成すに至った。
索すべく、鋭意研究を重ねた結果、原料となる磁石粉末
にZn、Sn、Pb、およびBiから選ばれた少なくと
も一種の元素の酸化物と、粒状のCaとを所定の割合で
混合し、この混合物を不活性雰囲気中において300℃
から1200℃の範囲の温度で加熱し、その後、この反
応生成物を水または弱酸水溶液で処理することで、上記
目的に合致する永久磁石粉末を得ることに成功し、本発
明を成すに至った。
【0009】即ち、本発明の製造方法による永久磁石粉
末は、前記方法によりその粉末粒子表面がZn、Sn、
Pb、Biの内から選ばれた少なくとも一種以上からな
る金属で被覆されている。
末は、前記方法によりその粉末粒子表面がZn、Sn、
Pb、Biの内から選ばれた少なくとも一種以上からな
る金属で被覆されている。
【0010】本発明の永久磁石粉末において、被覆層の
厚み、およびその体積分率は添加する酸化物の量で自由
に変えることができるが、被覆層の厚みはO.03〜7
μmの範囲にあって、かつ被覆層の体積分率が50%以
下であることが好ましい。被覆層の厚みが0.03μm
より少ないと十分な耐食性が得られにくくなる傾向にあ
り、また7μmより多くなると非磁性体が多くなり優れ
た永久磁石としての物性値を取り出すことが困難になる
傾向がある。さらに好ましい被覆厚は0.05〜5μm
である。また、同様に被覆層の体積分率も50%より少
ない方が、優れた物性値を引き出すことが容易である。
厚み、およびその体積分率は添加する酸化物の量で自由
に変えることができるが、被覆層の厚みはO.03〜7
μmの範囲にあって、かつ被覆層の体積分率が50%以
下であることが好ましい。被覆層の厚みが0.03μm
より少ないと十分な耐食性が得られにくくなる傾向にあ
り、また7μmより多くなると非磁性体が多くなり優れ
た永久磁石としての物性値を取り出すことが困難になる
傾向がある。さらに好ましい被覆厚は0.05〜5μm
である。また、同様に被覆層の体積分率も50%より少
ない方が、優れた物性値を引き出すことが容易である。
【0011】
【作用】以下、本発明の製造方法を順に詳説し、その作
用を述べる。
用を述べる。
【0012】まず、原料となる永久磁石粉末にZn、S
n、Pb、およびBiから選ばれた少なくとも一種の元
素の酸化物粉末と、粒状のCaとを所定の割合で均一に
混合して、混合粉とする。前記酸化物粉末は、均一な被
覆層を得る上で、およそ5μm以下好ましくは3μm以
下の粒径であるものを使用することが好ましい。5μm
を超えると、永久磁石粉末一つ一つに均一な被覆層を形
成することが困難となるからである。また、粒状のCa
は、酸化物を還元するものであって、酸化物中の酸素原
子の当量に対し、1.5倍程度を混合することが望まし
い。
n、Pb、およびBiから選ばれた少なくとも一種の元
素の酸化物粉末と、粒状のCaとを所定の割合で均一に
混合して、混合粉とする。前記酸化物粉末は、均一な被
覆層を得る上で、およそ5μm以下好ましくは3μm以
下の粒径であるものを使用することが好ましい。5μm
を超えると、永久磁石粉末一つ一つに均一な被覆層を形
成することが困難となるからである。また、粒状のCa
は、酸化物を還元するものであって、酸化物中の酸素原
子の当量に対し、1.5倍程度を混合することが望まし
い。
【0013】次に、この混合粉を真空排気可能な加熱容
器中に配置する。加熱容器内を真空排気した後、不活性
ガスを通じながら300℃から1200℃の範囲内で数
時間加熱する。好適には、350℃〜1000℃の範囲
内で1時間程度加熱する。なお、本発明において不活性
ガスとはアルゴン、ネオン、ヘリウム等の希ガス、反応
に関与しないガスをいう。
器中に配置する。加熱容器内を真空排気した後、不活性
ガスを通じながら300℃から1200℃の範囲内で数
時間加熱する。好適には、350℃〜1000℃の範囲
内で1時間程度加熱する。なお、本発明において不活性
ガスとはアルゴン、ネオン、ヘリウム等の希ガス、反応
に関与しないガスをいう。
【0014】放冷後、得られた反応生成物をイオン交換
水に投入することにより、同時にその反応生成物は直ち
に崩壊し、合金粉末とCaを含む成分との分離が始ま
る。撹拌、静置、上澄み液の除去を数回繰り返し、最後
に酢酸、希塩酸等の弱酸で処理することにより、Caを
含む成分の分離が完了する。
水に投入することにより、同時にその反応生成物は直ち
に崩壊し、合金粉末とCaを含む成分との分離が始ま
る。撹拌、静置、上澄み液の除去を数回繰り返し、最後
に酢酸、希塩酸等の弱酸で処理することにより、Caを
含む成分の分離が完了する。
【0015】本発明の製造方法によると、得られた永久
磁石粉末の一つ一つに、均一な金属の被覆層を形成する
ことができる。従って、前述したCa成分の分離工程で
の水洗いにおいても、被覆された永久磁石粉の酸素量が
増えることはない。また、この粉末は、均一に金属の被
覆層が形成されているため、大気中においても化学的に
非常に安定である。
磁石粉末の一つ一つに、均一な金属の被覆層を形成する
ことができる。従って、前述したCa成分の分離工程で
の水洗いにおいても、被覆された永久磁石粉の酸素量が
増えることはない。また、この粉末は、均一に金属の被
覆層が形成されているため、大気中においても化学的に
非常に安定である。
【0016】こうして得られた永久磁石用粉末は、被覆
層である低融点金属の作用により、ホットプレスするこ
と無く、500℃以下の焼結が可能である。また、粉末
状態での耐食性を保ったまま、非磁性の被覆層の厚みを
1μm以下、体積比で50%以下にすることが十分可能
である。従って、永久磁石特性を大幅に損なうことはな
い。加えて粉末の形状は被覆層の作用により、まるみを
帯びた外観を呈しており、粉砕された粉末特有の鋭いエ
ッジ部は見受けられない。
層である低融点金属の作用により、ホットプレスするこ
と無く、500℃以下の焼結が可能である。また、粉末
状態での耐食性を保ったまま、非磁性の被覆層の厚みを
1μm以下、体積比で50%以下にすることが十分可能
である。従って、永久磁石特性を大幅に損なうことはな
い。加えて粉末の形状は被覆層の作用により、まるみを
帯びた外観を呈しており、粉砕された粉末特有の鋭いエ
ッジ部は見受けられない。
【0017】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。
【0018】(実施例1) 原料となる永久磁石粉末を、Nd15Fe77B8なる組成
を持ち、平均粒径10μmのものとする。これに約0.
2μm厚のZnを被覆する例を示す。
を持ち、平均粒径10μmのものとする。これに約0.
2μm厚のZnを被覆する例を示す。
【0019】まず、高周波溶解等により前記の組成から
なる母合金を調整する。次に、この母合金をジョークラ
ッシャー、および振動ミルで平均粒径5μmまで粉砕
し、これを成形後Ar中で1hr焼結し、再度平均粒径
10μmまで粉砕して原料永久磁石粉末とする。この粉
末100gに対し、平均粒径0.5μmのZnO粉末1
4.8g、および粒状のCa10.9gを加えて混合粉
とする。Caの当量はZnO中の酸素原子の当量に対
し、1.5倍であり、以後の実施例においても混合する
酸化物の酸素原子の当量に対し1.5倍とする。
なる母合金を調整する。次に、この母合金をジョークラ
ッシャー、および振動ミルで平均粒径5μmまで粉砕
し、これを成形後Ar中で1hr焼結し、再度平均粒径
10μmまで粉砕して原料永久磁石粉末とする。この粉
末100gに対し、平均粒径0.5μmのZnO粉末1
4.8g、および粒状のCa10.9gを加えて混合粉
とする。Caの当量はZnO中の酸素原子の当量に対
し、1.5倍であり、以後の実施例においても混合する
酸化物の酸素原子の当量に対し1.5倍とする。
【0020】このようにして得られた混合粉を真空排気
が可能な加熱容器中に配置する。加熱容器内を真空排気
した後、アルゴンガスを通じながら(300℃から12
00℃の範囲内、望ましくは350℃から1000℃の
範囲内で数時間、好適には1時間程度加熱し、)放冷す
る。
が可能な加熱容器中に配置する。加熱容器内を真空排気
した後、アルゴンガスを通じながら(300℃から12
00℃の範囲内、望ましくは350℃から1000℃の
範囲内で数時間、好適には1時間程度加熱し、)放冷す
る。
【0021】得られた反応生成物をイオン交換水に投入
し、これにより、反応生成物が直ちに崩壊し、合金粉末
とCa成分との分離が始まる。水中での撹拌、静置、上
澄み液の除去を数回繰り返し十分洗浄する。
し、これにより、反応生成物が直ちに崩壊し、合金粉末
とCa成分との分離が始まる。水中での撹拌、静置、上
澄み液の除去を数回繰り返し十分洗浄する。
【0022】最後に酢酸で処理することにより、Ca成
分の分離が完了する。Ca分を除去した粉末をヌッチェ
にてアルコール置換しながら水と分離し、分離したケー
キを80℃で真空乾燥することにより、本発明の永久磁
石粉末を得る。
分の分離が完了する。Ca分を除去した粉末をヌッチェ
にてアルコール置換しながら水と分離し、分離したケー
キを80℃で真空乾燥することにより、本発明の永久磁
石粉末を得る。
【0023】得られた粉末は、表面が厚さ約0.2μm
のZnで均一に被覆されており、粉砕された粉末特有の
鋭いエッジはなかった。化学分析によりZnの重量%は
10.6%であり、これから体積比を求めると11.1
%であった。また、この粉末を1カ月間大気中に放置
し、酸素濃度の変化を調べたが、放置前3400ppm
に対し、放置後3500ppmとほとんど変化は認めら
れなかった。
のZnで均一に被覆されており、粉砕された粉末特有の
鋭いエッジはなかった。化学分析によりZnの重量%は
10.6%であり、これから体積比を求めると11.1
%であった。また、この粉末を1カ月間大気中に放置
し、酸素濃度の変化を調べたが、放置前3400ppm
に対し、放置後3500ppmとほとんど変化は認めら
れなかった。
【0024】次に、得られた粉末の焼結性、および焼結
体の磁気特性について調べた。該粉末を10kOeの磁
場中で成形圧2t/cm2で圧縮成形した。成形後アルゴン
雰囲気にて、500℃、2時間の条件で焼結を行った結
果、緻密な焼結体を得た。その後パルス磁場にて着磁を
行い、磁気特性を測定した。その結果を表1に示す。
体の磁気特性について調べた。該粉末を10kOeの磁
場中で成形圧2t/cm2で圧縮成形した。成形後アルゴン
雰囲気にて、500℃、2時間の条件で焼結を行った結
果、緻密な焼結体を得た。その後パルス磁場にて着磁を
行い、磁気特性を測定した。その結果を表1に示す。
【0025】(実施例2〜14) 原料となるNd15Fe77B8磁石粉末の平均粒径、これ
に被覆する金属の種類、量(体積比)を表1に示すもの
とする他は実施例1と同様にして本発明の永久磁石粉末
を得た。さらに、実施例1と同様にして測定したこの永
久磁石粉末の磁気特性を、合わせて表1に示す。
に被覆する金属の種類、量(体積比)を表1に示すもの
とする他は実施例1と同様にして本発明の永久磁石粉末
を得た。さらに、実施例1と同様にして測定したこの永
久磁石粉末の磁気特性を、合わせて表1に示す。
【0026】(実施例15) 原料となる永久磁石粉末をSm2Fe17N2.8なる組成を
持ち、平均粒径5μmのものとする。これに約0.1μ
mのZnを被覆する例を示す。
持ち、平均粒径5μmのものとする。これに約0.1μ
mのZnを被覆する例を示す。
【0027】まず高周波溶解等によりSm2Fe17なる
組成を持つ母合金を調整する。次にこの母合金をジョー
クラッシャー、および振動ミルで平均粒径5μmまで粉
砕し、この粉末を窒化処理して前記の組成を持つ原料永
久磁石粉末とする。この粉末100gに対し、平均粒径
0.5μmのZnO粉末14.4g、および粒状のCa
10.7gを加えて混合粉とする。Caの当量はZnO
中の酸素原子の当量に対し、1.5倍である。
組成を持つ母合金を調整する。次にこの母合金をジョー
クラッシャー、および振動ミルで平均粒径5μmまで粉
砕し、この粉末を窒化処理して前記の組成を持つ原料永
久磁石粉末とする。この粉末100gに対し、平均粒径
0.5μmのZnO粉末14.4g、および粒状のCa
10.7gを加えて混合粉とする。Caの当量はZnO
中の酸素原子の当量に対し、1.5倍である。
【0028】このようにして得られた混合粉を、実施例
1と同様に処理を施すことで、表面が厚さ約0.1μm
のZnで被覆された磁石粉末を得る。Znの体積比は1
1.1%であった。また実施例1と同じ焼結条件によ
り、緻密な焼結体を得た。磁気特性等は同じく表1に示
す。
1と同様に処理を施すことで、表面が厚さ約0.1μm
のZnで被覆された磁石粉末を得る。Znの体積比は1
1.1%であった。また実施例1と同じ焼結条件によ
り、緻密な焼結体を得た。磁気特性等は同じく表1に示
す。
【0029】(実施例16〜26) 原料となるSm2Fe77N2.8磁石粉末の平均粒径、これ
に被覆する金属の種類、量(体積比)を表1に示すもの
とする他は実施例15と同様にして本発明の永久磁石粉
末を得た。さらに、実施例1と同様にして測定したこの
永久磁石粉末の磁気特性を、合わせて表1に示す。
に被覆する金属の種類、量(体積比)を表1に示すもの
とする他は実施例15と同様にして本発明の永久磁石粉
末を得た。さらに、実施例1と同様にして測定したこの
永久磁石粉末の磁気特性を、合わせて表1に示す。
【0030】(比較例1) 実施例1と同じ原料磁石粉末を用い、これに体積比で1
1.1%になるようにZn粉末を混合した。この混合粉
末を実施例1と同様に成形、焼結したが、緻密な焼結体
は得られなかった。またZnを混合する前の原料粉末を
1カ月間大気中に放置し、酸素濃度の変化を調べたが、
放置前3400ppmに対し、放置後18000ppm
と大幅な増加が認められた。
1.1%になるようにZn粉末を混合した。この混合粉
末を実施例1と同様に成形、焼結したが、緻密な焼結体
は得られなかった。またZnを混合する前の原料粉末を
1カ月間大気中に放置し、酸素濃度の変化を調べたが、
放置前3400ppmに対し、放置後18000ppm
と大幅な増加が認められた。
【0031】(比較例2) 実施例15と同じ原料磁石粉末を用い、これに体積比で
11.1%になるようにZn粉末を混合した。この混合
粉末を実施例1と同様に成形、焼結したが、触れば崩れ
る程度の脆い焼結体しか得られなかった。従ってこの場
合は、Zn量を増やすか、ホットプレス等の焼結手段を
とらねば、焼結は不可能である。
11.1%になるようにZn粉末を混合した。この混合
粉末を実施例1と同様に成形、焼結したが、触れば崩れ
る程度の脆い焼結体しか得られなかった。従ってこの場
合は、Zn量を増やすか、ホットプレス等の焼結手段を
とらねば、焼結は不可能である。
【0032】
【表1】
【0033】
【発明の効果】以上、述べたように本発明によれば、永
久磁石粉末粒子それぞれに金属を被覆することができる
ため、なめらかな表面を持ち、耐食性を大巾に改善する
ことができる。その上、混合する酸化物の量を変えるこ
とによって被覆する非磁性体である金属の体積分率、お
よび被覆厚を自由に変えることができるため、ホットプ
レス無しに焼結温度を500℃以下まで低下させること
ができる。さらに大量生産可能であり、他の表面処理方
法に比べて非常に工業的にも有用であって、産業上の利
用価値は非常に大きい。
久磁石粉末粒子それぞれに金属を被覆することができる
ため、なめらかな表面を持ち、耐食性を大巾に改善する
ことができる。その上、混合する酸化物の量を変えるこ
とによって被覆する非磁性体である金属の体積分率、お
よび被覆厚を自由に変えることができるため、ホットプ
レス無しに焼結温度を500℃以下まで低下させること
ができる。さらに大量生産可能であり、他の表面処理方
法に比べて非常に工業的にも有用であって、産業上の利
用価値は非常に大きい。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI H01F 1/06 N 1/04 H (56)参考文献 特開 昭64−48404(JP,A) 特開 昭64−55806(JP,A) 特開 平1−239901(JP,A) 特開 昭62−262407(JP,A)
Claims (1)
- 【請求項1】 原料となる希土類−鉄−ボロン、若しく
は希土類−鉄−窒素の3元系の永久磁石粉末に、Zn、
Sn、Pb、及びBiから選ばれた少なくとも一種の元
素の酸化物粉末と、粒状のCaとを所定の割合で混合す
る工程と、この混合物を不活性ガス雰囲気中において3
00℃から1200℃の範囲の温度で加熱する工程と、
加熱して得た反応生成物を水または弱酸水溶液で処理す
る工程よりなることを特徴とする永久磁石用粉末の製造
方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14863092A JP3201428B2 (ja) | 1992-05-15 | 1992-05-15 | 永久磁石用粉末の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14863092A JP3201428B2 (ja) | 1992-05-15 | 1992-05-15 | 永久磁石用粉末の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05326229A JPH05326229A (ja) | 1993-12-10 |
JP3201428B2 true JP3201428B2 (ja) | 2001-08-20 |
Family
ID=15457089
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP14863092A Expired - Fee Related JP3201428B2 (ja) | 1992-05-15 | 1992-05-15 | 永久磁石用粉末の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3201428B2 (ja) |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3695964B2 (ja) * | 1998-11-05 | 2005-09-14 | 株式会社Neomax | ボンド磁石用希土類磁性粉末及びその製造方法 |
US6511552B1 (en) | 1998-03-23 | 2003-01-28 | Sumitomo Special Metals Co., Ltd. | Permanent magnets and R-TM-B based permanent magnets |
JP3701117B2 (ja) * | 1998-03-23 | 2005-09-28 | 株式会社Neomax | 永久磁石及びその製造方法 |
JP2002289443A (ja) * | 2001-03-23 | 2002-10-04 | Nec Tokin Corp | インダクタ部品 |
JP7318885B2 (ja) * | 2018-09-28 | 2023-08-01 | Tdk株式会社 | サマリウム-鉄-ビスマス-窒素系磁石粉末及びサマリウム-鉄-ビスマス-窒素系焼結磁石 |
-
1992
- 1992-05-15 JP JP14863092A patent/JP3201428B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH05326229A (ja) | 1993-12-10 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2693601B2 (ja) | 永久磁石および永久磁石原料 | |
JPH0366105A (ja) | 希土類系異方性粉末および希土類系異方性磁石 | |
KR100374706B1 (ko) | 네오디뮴-철-붕소계 초미립 합금분말 제조방법 | |
JP3201428B2 (ja) | 永久磁石用粉末の製造方法 | |
JPS6338216A (ja) | 耐蝕性の希土類磁性粉の製造方法及びそれから作られる磁性体 | |
JPH03129702A (ja) | 磁気的異方性および耐食性に優れた希土類―Fe―B系永久磁石粉末およびボンド磁石 | |
JP3146493B2 (ja) | アルニコ系永久磁石の製造方法 | |
US5865873A (en) | Method of preparing raw material powder for permanent magnets superior in moldability | |
JPS61179803A (ja) | 強磁性樹脂組成物の製造方法 | |
JPH0354161B2 (ja) | ||
JPH0146574B2 (ja) | ||
JPH07122414A (ja) | 希土類永久磁石及びその製造方法 | |
JPS6329908A (ja) | R−Fe−B系希土類磁石の製造方法 | |
JP3108945B2 (ja) | 形状異方性合金粉末の製造方法 | |
JPS63211705A (ja) | 異方性永久磁石及びその製造方法 | |
JPH03295202A (ja) | 温間加工磁石及びその製造方法 | |
CN115985612A (zh) | 一种耐水蚀强力磁铁的配方及制作方法 | |
JPH02285605A (ja) | 永久磁石の製造方法 | |
JPH01297805A (ja) | 磁気的異方性粉末および異方性プラスチック磁石 | |
JPH05152119A (ja) | 熱間加工した希土類元素−鉄−炭素磁石 | |
JPH02220412A (ja) | ボンド磁石用希土類合金粉末及びボンド磁石 | |
JPH04134806A (ja) | 永久磁石の製造方法 | |
JPS61270316A (ja) | 樹脂結合永久磁石用原料粉体の製造方法 | |
JPH01179305A (ja) | 異方性永久磁石の製造方法 | |
JPS6341004A (ja) | 異方性ボンド磁石 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080622 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080622 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090622 Year of fee payment: 8 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090622 Year of fee payment: 8 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090622 Year of fee payment: 8 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |