JP3201008B2 - セラミック多層配線基板 - Google Patents
セラミック多層配線基板Info
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Description
セラミック多層配線基板に関するものであり、特にコン
デンサの誘電体ペーストに用いる誘電体組成物を改善す
ることにより、高誘電率で誘電損失の低いコンデンサ内
蔵のセラミック多層配線基板を提供するものである。
板は、比較的占有面積の大きいコンデンサを基板上に半
田付けしたものに比べて小型高密度化が可能なため、電
子機器の小型化に貢献するものとして期待されている。
線基板においては、そのコンデンサに用いる材料とし
て、低温焼成可能な鉛ペロブスカイト系複合材料を主成
分としたものについての数々の研究が行なわれている。
その一つに、焼成後に基板の反りや膨れ等の外観不良が
生じないよう、焼成時の絶縁体層と誘電体層の収縮の整
合性を図るために、誘電体に焼結助剤として酸化鉛を添
加すると有効であることが明らかにされている。
の鉛ペロブスカイト系複合材料を用いたものにおいて
は、焼成時にアルミナ、シリカ等の絶縁体材料成分の誘
電体層中への拡散が充分に抑制されず、焼成後のコンデ
ンサが所望の誘電特性を満たさないことがあった。
の誘電体層中への拡散を抑制する焼結助剤を添加するこ
とによって、高誘電率で誘電損失の少ないコンデンサ内
蔵のセラミック多層配線基板を提供することを目的とす
る。
本発明のセラミック多層配線基板は、重量比で、鉛ペロ
ブスカイト系複合材料Pb(Mg 1/3 Nb 2/3 )O 3 を7
2.25〜76.78重量%、酸化鉛を18.75〜1
9.93重量%、チタン酸鉛を3.00〜3.19重量
%、酸化鉄を0.1〜6.0重量%含む誘電体組成物を
内蔵するものである。
カイト系複合材料Pb(Mg1/ 3Nb2/3)O3に、上記
重量比の酸化鉄を焼結助剤として添加した誘電体組成物
を用い、これにバインダーを混練して誘電体ペーストを
作成する。焼成時には絶縁体材料成分のコンデンサ層中
への拡散が抑制され、コンデンサの誘電特性を高誘電率
で誘電損失の少ないものにできる。
多層配線基板について説明する。図1は焼成後のセラミ
ック多層配線基板の断面図を示したものであり、1はガ
ラスセラミックより成る絶縁体層であり、2は導体パタ
ーンであり、3はコンデンサ用電極であり、4は電極3
に挟まれたコンデンサであり、5はビア導体である。
程を説明する。絶縁層1を構成する複数枚の各セラミッ
クグリーンシートにおいて、ビア導体5はビア孔を形成
した後に導体を充填し、導体パターン2は印刷法により
形成する。コンデンサは、セラミックグリーンシート上
に電極3を印刷した後に、その上部にコンデンサ4とな
る誘電体ペーストを印刷し、さらにその上部から電極3
を印刷して形成する。積層したときにコンデンサ4と対
向するセラミックグリーンシートの位置には、予め透孔
を形成しておくことにより、積層時にコンデンサが透孔
内に格納されるようにする。以上のようにして作成した
グリーンシートを複数枚積層して多層化し、脱バインダ
ーの後900℃の空気中で10分間焼成を行って作成す
る。
トについて説明する。誘電特性を向上させるために主成
分とする鉛ペロブスカイト系材料Pb(Mg1/3N
b2/3)に焼結助剤として添加するものとして、酸化
鉄、酸化銅、酸化タングステン、酸化ニッケル等の材料
をそれぞれ添加した磁器組成物にて誘電体ペーストを作
成した。そしてこれらの誘電体ペーストを用いて複数の
コンデンサ内蔵のセラミック多層配線基板を作成し、誘
電特性の検討を行なった。各セラミック多層配線基板の
コンデンサをX線マイクロアナライザにより分析を行っ
た結果、酸化銅、酸化タングステン、酸化ニッケル等を
添加したものは、酸化鉄を添加したコンデンサに比べS
i、Al等の絶縁体材料成分が多く拡散しており誘電率
を下げていることが分かった。そこで絶縁体層とコンデ
ンサとの接触界面において、絶縁体材料の拡散成分であ
るSi,Alのコンデンサ内部への拡散の抑制に最も優
れている酸化鉄を使用したコンデンサの誘電特性につい
てさらに詳しく調べた。
複合材料にPb(Mg1/3Nb2/3)O3を主成分とし、
酸化鉛PbO,チタン酸鉛PbTiO3,酸化鉄Fe2O
3を以下の重量比で添加したものを作成して検討を行な
ったものを示す。試料は重量比で54.90〜82.3
5重量%のPb(Mg1/3Nb2/3)O3と、14.23
〜33.29重量%の酸化鉛と、2.28〜3.42重
量%のチタン酸鉛と、0.0〜20.0重量%の酸化鉄
から成るセラミック粉に有機ビヒクルを混練したものに
てセラミック多層配線基板を複数作成し、コンデンサの
誘電特性を調べた。その結果を(表1)に示す。ここ
で、誘電率ε及び誘電損失tanδは1kHz、20℃の
測定値である。なお、誘電率εは(数1)により算出し
た。
〜11で示す酸化鉄の含有率が0.1〜6.0重量%の
ものは誘電率が100εを超えた高い値になっており、
誘電損失も0.1tanδ以下と小さいため、良好な誘
電特性が得られている。しかし酸化鉄を含まない場合に
は、絶縁体材料の拡散があるために誘電率が低い。試料
No.12,13で示すものは、誘電損失が0.1ta
nδを超えるため実用に適しない。また試料No.14
のように酸化鉄が過剰になると、焼成時の絶縁体層と誘
電体層の収縮の整合性が異なり焼成時に割れてしまうた
め誘電率が測定できなかった。
に酸化鉛が少ないときには焼成時の絶縁体層と誘電体層
の収縮が異なるため焼成時に基板の反りが発生した。試
料No.12のように酸化鉛が18.67重量%以上の
ものは焼成後も反り等がなかった(試料No.14は除
く)。またPb(Mg1/3Nb2/3)O3のキュリー点が
−10℃であるため室温付近でのコンデンサの誘電特性
を最もよくするためにはキュリー点を430℃にもつP
bTiO3を2〜3重量%前後添加するのが望ましい。
誘電体ペーストを使用し、上記の方法により作成したセ
ラミック多層配線基板に内蔵されたコンデンサの静電容
(Cap)及び誘電損失(tanδ)の温度特性を図2
に示す。図はコンデンサの静電容量の変化率(△C/
C)を−25℃〜+85℃の範囲において20℃を基準
として示しており、静電容量の変化率は±20%を満足
し、tanδの値も3%以下である。
ラミック配線基板に内蔵したコンデンサと、市販されて
いるF特性セラミックチップコンデンサの信頼性試験を
行った結果を示すものであり、(表2)にはその試験項
目と試験条件を示してある。
5℃、85%RH、100V印加、1000hr耐湿負
荷試験の結果(A)と、市販のセラミックチップコンデ
ンサの40℃、90〜95%RH、16V印加、100
0hr耐湿負荷試験の結果(B)とを示す図であり、内
蔵コンデンサの静電容量の変化率が2%以下で非常に優
れているのに対し、セラミックチップコンデンサは50
0時間までは変化率が−3〜−4%だが、500時間を
越えたあたりから急激に変化し1000時間後には−1
8%に達している。
50℃、100V印加、1000hr高温負荷試験の結
果(A)と、セラミックチップコンデンサの85℃、3
2V印加、1000hr高湿負荷試験の結果(B)とを
示す図であり、内蔵コンデンサの静電容量の変化率(△
C/C)が1%以下であるのに対し、セラミックチップ
コンデンサは変化率が−15%である。
〜125℃/50分の温度サイクル200サイクル後の
試験結果(A)と、セラミックチップコンデンサの−2
5℃/30分〜85℃/30分の温度サイクル100サ
イクル後の試験結果(B)とを示す図であり、内蔵コン
デンサの静電容量の変化率(△C/C)が200サイク
ル後で3%以下であるのに対し、セラミックチップコン
デンサは変化率が100サイクル後で3%である。
H、1000hr耐湿試験の結果(A)と、セラミック
チップコンデンサの40℃、90〜95%RH、100
0hr耐湿試験の結果(B)とを示す図であり、内蔵コ
ンデンサの静電容量の変化率(△C/C)が1%以下で
あるのに対し、セラミックチップコンデンサは変化率が
−10%である。
m、200hrプレッシャークッカー試験(PCT)の
結果(A)を示す図であり、静電容量の変化率(△C/
C)は1%以下である。
におけるセラミック多層配線基板に内蔵されたコンデン
サは非常に信頼性が高いものである。
鉛ペロブスカイト複合材料Pb(Mg 1/3Nb2/3)O3
を主成分とし、酸化鉄を焼結助剤として含む誘電体組成
物にて作成した誘電体ペーストにより、基板内に内蔵す
るコンデンサを形成するようにしたものであり、焼結時
に絶縁体材料成分の誘電体層中への拡散を抑制すること
ができ、誘電率が高くかつ誘電損失の少ないコンデンサ
にすることができる。また、酸化鉛やチタン酸鉛等の添
加剤によって、収縮率の制御を行い焼成時の絶縁体層と
誘電体層の収縮過程を近似させたり、室温付近でのコン
デンサの誘電特性を高めたりすることにより、誘電特性
のよい高品質のセラミック多層配線基板を提供すること
ができる。
示す断面図
ンサの温度特性を示す説明図
ンサと、市販のセラミックチップコンデンサの耐湿負荷
試験の結果を示す説明図
ンサと、市販のセラミックチップコンデンサの高温負荷
試験の結果を示す説明図
ンサと市販のセラミックチップコンデンサの温度サイク
ル試験の結果を示す説明図
ンサと、市販のセラミックチップコンデンサの耐湿試験
の結果を示す説明図
ンサのプレッシャークッカー試験の結果を示す説明図
Claims (1)
- 【請求項1】 重量比で、鉛ペロブスカイト系複合材料
Pb(Mg 1/3 Nb 2/3 )O 3 を72.25〜76.78
重量%、酸化鉛を18.75〜19.93重量%、チタ
ン酸鉛を3.00〜3.19重量%、酸化鉄を0.1〜
6.0重量%含む誘電体組成物を内蔵するセラミック多
層配線基板。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27405192A JP3201008B2 (ja) | 1992-10-13 | 1992-10-13 | セラミック多層配線基板 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27405192A JP3201008B2 (ja) | 1992-10-13 | 1992-10-13 | セラミック多層配線基板 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06125177A JPH06125177A (ja) | 1994-05-06 |
JP3201008B2 true JP3201008B2 (ja) | 2001-08-20 |
Family
ID=17536288
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP27405192A Expired - Fee Related JP3201008B2 (ja) | 1992-10-13 | 1992-10-13 | セラミック多層配線基板 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3201008B2 (ja) |
-
1992
- 1992-10-13 JP JP27405192A patent/JP3201008B2/ja not_active Expired - Fee Related
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---|---|
JPH06125177A (ja) | 1994-05-06 |
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