JP3199870B2 - 複合パネルの積載用ラック - Google Patents

複合パネルの積載用ラック

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、複合パネルの積載用
ラックに関するものである。
【0002】
【従来の技術】組立用ハウス等の建築現場では、工場で
壁軸組と組み合せた平板状のパネルやドア付きパネルお
よび出窓付きパネル等の複合パネルにユニット化したも
のをそれぞれ接続して壁体が構築されている。
【0003】これらの各複合パネルは、従来、それぞれ
の形状に適合した積載用ラックに積載した状態で運搬車
に積み込んで建築現場までの搬送がなされていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来の積載
用ラックは同一形状の複合パネルの多数枚を一挙に積載
するようになされたものであるから、上下各段の棚どう
しの間隔がたとえば平板状の複合パネルではその厚さに
見合うように決められているために、ドア付きパネルや
出窓付きパネル等の突起部を有する厚さの異なる複合パ
ネルを載置できないという問題があった。
【0005】この発明は、このような従来の事情から見
て、上下各段の棚構造を、各複合パネルごとの厚さや突
起部に対して適合できるようにした複合パネルの積載用
ラックを提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明の複合パネルの
積載用ラックは、ドア付きパネル、出窓付きパネルおよ
び平板パネルの内側面に壁軸組を取り付けてなる各複合
パネルを段積みして固定するための組立て・解体が自在
に行われる積載用ラックであって、一対の柱体の下端部
間にビームを架設することにより逆門形に結合された、
土台用架台とドア用架台とパネル用架台と、これら架台
間に介在させることのできる出窓用継柱と、最上位に取
り付けるフック付きビームとを積み重ねて積載用ラック
が構成され、この各架台および出窓用継柱の柱体には、
中間部に各複合パネルの壁軸組の綴り孔と適合可能な軸
組固定孔をあけた連結片が設けられて壁軸組と連結片と
が固定可能となされるとともに、各架台と出窓用継柱と
フック付きビームとの連結は段積み突片とこの突片を嵌
入する嵌入孔との凹凸嵌合でなされるものである。
【0007】
【0008】
【作用】ドア付き複合パネル、出窓付き複合パネルおよ
び平板複合パネルは、土台用架台上に連結したドア用架
台、パネル用架台および出窓用継柱の組合せを変化させ
ることによって一つの積載用ラックによる混載が可能で
あり、しかも、各複合パネル相互間に空間が確保される
から各複合パネルの損傷が防止される。
【0009】
【実施例】以下、この発明の実施例につき図面を参照し
て説明する。
【0010】図1および図2に示す積載用ラック1は、
図4に示すような平板のパネルP3の内側面に竪柱8a
と上弦部材8bおよび下弦部材8cとからなる壁軸組8
を取付けた平板複合パネルC3 や詳細図示を省略した出
窓付きパネルP2 の内側面に壁軸組8を取付けた出窓付
き複合パネルC2 およびドア付きパネルP1 の内側面に
壁軸組8を取付けたドア付き複合パネルC1 等を段積み
して固定するためのもので、土台用架台2、ドア用架台
3、パネル用架台4、出窓用継柱5、フック付きビーム
6および架台つなぎビーム7を主要部として構成されて
いる。
【0011】平板複合パネルC3 は図4に示すように、
壁軸組8の両竪柱8aに多数個の綴り孔D1 が設けら
れ、また、出窓付き複合パネルC2 およびドア付き複合
パネルC1 も同様に壁軸組8の両竪柱8aに多数個の綴
り孔D1 が設けられていて、この各複合パネルC1 ,C
2 ,C3 両端部の綴り孔D1 のいずれかを二組の土台用
架台2、ドア用架台3およびパネル用架台4の後述する
軸組固定孔D2 に適合してボルトで固定することによ
り、複数個の複合パネルC1 ,C2 ,C3 と二組の積載
用ラック1との一体結合が可能となされたものである。
【0012】土台用架台2は積載用ラック1の最下段部
に配置されるもので、図3および図4に示すように断面
矩形筒状の軽量形鋼を適用した一対の柱体21と、断面
方形筒状の軽量形鋼を適用して両柱体21の下端部間に
架設したビーム22とにより逆門形に結合されている。
【0013】各柱体21は、対向間隔Kを保って互いに
向い合った中間部に架台つなぎビーム7の綴り孔D1
適合可能な二つの軸組固定孔D2 をあけた連結片23が
設けられるとともに、上下両端部で相対させた段積み突
片Jと段積み嵌入孔Fと(この実施例では柱体21の上
端縁から上方へ突設した板状の段積み突片Jと、たとえ
ばパネル用架台4、柱体41の下端部に開口する段積み
嵌入孔Fと)が係合可能となされている。
【0014】このように、段積み突片Jおよび段積み嵌
入孔Fが積載用ラック1のすべての土台用架台2、ドア
用架台3、パネル架台4および出窓用継柱5の各柱体2
1,31,41および51に設けられたことにより、一
つの柱体の段積み突片Jが他の一つの柱体の段積み嵌入
孔Fに凹凸嵌合による係合が可能とされ、したがって、
各架台2,3,4および出窓用継柱5の互換性が高くな
ることから速やかな段積み作業が可能とされている。
【0015】24は目板であってビーム22の両端部の
両側面と各柱体21の下端部の両側面とが溶接で一体に
結合されている。
【0016】ドア用架台3は積載用ラック1の中間段部
に配置されるもので、図5および図6に示すように前記
柱体21と同じ断面形状の軽量形鋼を適用した一対の柱
体31と、断面矩形筒状の軽量形鋼を適用して両柱体3
1の下端部間に架設したビーム32とにより逆門形に結
合され、この逆門形状の各入隅部に断面方形筒状の軽量
形鋼を適用した支持台34を配置してこれら三者31,
32,34が一体に結合されている。
【0017】各柱体31は、対向間隔Kを保って互いに
向い合った中間部(すなわち、支持台34の上部)に一
つの軸組固定孔D2 をあけた連結片33が設けられると
ともに、上下両端部に前記土台用架台2の柱体21と同
様の段積み突片Jおよび段積み嵌入孔Fが設けられてい
る。
【0018】支持台34の上面から柱体31の上端縁ま
での段積み有効高さH1 は、この支持台34に支承させ
て連結片33に固定したドア付き複合パネルC1 の載置
高さよりも大に形成されている。
【0019】パネル用架台4は積載ラック1の中間段部
に配置されるもので、図7ないし図9に示すように前記
柱体21と同じ断面形状の一対の柱体41と、断面矩形
筒状の軽量形鋼を適用したビーム42とにより逆門形に
一体係合がなされている。
【0020】各柱体41は、対向間隔Kを保って互いに
向い合った中間部(すなわちビーム42の上部)に一つ
軸組固定孔D2 をあけた連結片43が設けられるととも
に、上下両端部に段積み突片Jおよび段積み嵌入孔Fが
設けられている。
【0021】ビーム42の上面から柱体41の上端縁ま
での段積み有効高さH1 は、このビーム42に支承させ
て連結片43に固定した平板複合パネルC3 の載置高さ
よりも大に形成されている。
【0022】出窓用継柱5は前記パネル用架台4の各柱
体41に接続して出窓付き複合パネルC2 が収容できる
ようになされたもので、図10ないし図12に示すよう
に前記柱体21と同じ断面形状の一対の柱体51の上端
部に段積み突片Jがリブ52および補助突片53を備え
て設けられる一方、柱体51の下端部に段積み嵌入孔F
が設けられている。さらに、この下端部の両側にはパネ
ル用架台4の柱体41の上端部を外側から挟持する補助
突片54が設けられている。
【0023】柱体51の上積み高さH2 は、出窓付き複
合パネルC2 の各種の規格高さごとにそれぞれ適合する
ように、形成されている。
【0024】フック付きビーム6は積載用ラック1の最
上段部に配置されるもので、図13および図14に示す
ように前記柱体21と同じ断面形状の一対の冠体61
と、この各冠体61の上端部間に架設した断面矩形筒状
のビーム62とからなり、各冠体61は、下端部に前記
各柱体31,41,51の段積み突片Jが係合可能な段
積み嵌入孔Fが設けられるとともに、一側にロープ等を
掛止するためのフック63が設けられている。
【0025】架台つなぎビーム7は、一対の載置用ラッ
ク1の土台用架台2どうしを連結するために前記各複合
パネルC1 ,C2 ,C3 の壁軸組8の竪柱8aと同一構
造に形成されたもので、側面に多数個の綴り孔D1 が設
けられている。
【0026】上述の各架台3,4は壁軸組8の竪柱8a
が各架台3,4の連結片33,34に直結されるように
各柱体31,34の対向間隔Kをとったものであるが、
上弦部材8bおよび下弦部材8cの幅Wが小さい複合パ
ネルC4 をたとえばドア用架台3上に載置する場合は、
図16に示すように一対のドア用架台3の各ビーム32
上の一側に両端部を嵌着した一つの長さ方向補助ビーム
9と、他の一側の連結片33にボルト結合がなされた他
の一つの長さ方向補助ビーム9と、この各長さ方向補助
ビーム9に両端部を嵌着した幅方向補助ビーム10と、
この幅方向補助ビーム10に嵌着した固定用金具11
と、一方のドア用架台3のビーム32上に嵌着したドア
用金具12とを適用して、連結片33、幅方向補助ビー
ム10、固定用金具11およびドア用金具12の軸組固
定孔D2 を複合パネルC4 の壁軸組8の綴り孔D1 (図
示省略)に適合させてボルトで結合することにより、こ
の複合パネルC4 がその勾配に適合した傾斜角度で固定
可能となされている。
【0027】長さ方向補助ビーム9は図17に示すよう
に、断面矩形筒状の軽量形鋼を適用して前記架台つなぎ
ビーム7の長さに匹敵させた本体9aと、この本体9a
の両端部下面に設けられ、各架台3,4のビーム32,
42に嵌着可能となされた一対ずつの挟持爪9bとから
なっている。
【0028】幅方向補助ビーム10は図18に示すよう
に、断面矩形筒状の軽量形鋼を適用して各架台3,4の
ビーム32,42の長さに匹敵させた本体10aと、こ
の本体10aの両端縁に固定して軸組固定孔D2 が設け
られた連結片10bと、本体10aの両端部下面に設け
られ、長さ方向補助ビーム9の本体9aに嵌着可能とな
された一対ずつの挟持爪10cとからなっている。
【0029】固定用金具11は図19に示すように、幅
方向補助ビーム10に嵌着可能となされた逆コ字形の本
体11aと、この本体11aの両側から上方に突設して
それぞれに軸組固定孔D2 が設けられた一対の連結片1
1bとからなっている。
【0030】ドア用金具12は図20に示すように、各
架台3,4のビーム32,42に嵌着可能となされた門
形の本体12aと、この本体12aを各ビーム32,4
2上の上積み高さH3 に位置させるための中間部材12
bと、本体12aの一側から上方に突設して軸組固定孔
2 が設けられた連結片12cとからなっている。
【0031】次に、上記実施例の積載用ラック1を用い
た各複合パネルC1 ,C2 ,C3 の組み付け方法とその
作用について説明する。
【0032】まず、図1において各複合パネルC1 ,C
2 ,C3 の長さ方向の両端部が載置できるように、一対
の土台用架台2を工場内の空地等に仮置きしてこの各土
台用架台2の軸組固定孔D2 にそれぞれ架台つなぎビー
ム7の綴り孔D1 を適合させ、それぞれの綴り孔D1
よび軸組固定孔D2 にボルトを挿通して締め付けること
により載置用ラック1の最下段部の組付け形状が固定さ
れる。
【0033】次に、一対のパネル用架台4の各段積み嵌
入孔Fを土台用架台2の段積み突片Jに係合させたの
ち、パネル用架台4のビーム42上に平板複合パネルC
3 を載置してその壁軸組8の綴り孔D1 を各連結片43
の軸組固定孔D2 に適合させ、ボルトで締め付けること
により載置用ラック1の第二段部の組付け形状が固定さ
れる。
【0034】続いて、一対のドア用架台3の各段積み嵌
入孔Fをパネル用架台4の段積み突片Jに係合させて、
ドア用架台3の支持台34に載置したドア付き複合パネ
ルC 1 の壁軸組8を前記パネル用架台4の場合と同様に
連結片33にボルト結合をなすことにより、中間段部の
組付け形状が固定される。
【0035】また、パネル用架台4の各柱体41の段積
み突片Jにそれぞれ出窓用継柱5の段積み嵌入孔Fを係
合したのち、パネル用架台4のビーム42上に載置した
出窓付き複合パネルC2 の壁軸組8をパネル用架台4の
連結片43にボルト結合をなすことにより、中間段部の
組付け形状が固定される。
【0036】このようにして、各複合パネルC1
2 ,C3 が各架台3,4と出窓用継柱5の組合せによ
って各段ごとの混載が可能となり、その最上段部の段積
み突片Jにフック付きビーム6の段積み嵌入孔Fを係合
させたのち、最上段部に位置する複合パネルの壁軸組8
の綴り孔D1 と最下段部に位置する架台つなぎビーム7
の綴り孔D1 とを筋違状に配置したターンバックル等の
両端部を介してボルトで結合することにより、各複合パ
ネルC1 ,C2 ,C3 の積載荷姿が完成する。
【0037】したがって、各複合パネルC1 ,C2 ,C
3 は積載用ラック1に組付けられた荷姿で自動車上に積
み込まれ、フック付きビーム6のフック63に掛けたロ
ープで自動車に固定して搬送することにより、建築現場
での工程に速やかに対応させることができ、また、建築
現場で解体された積載用ラック1は、回収システムによ
って反復利用が可能となる。
【0038】
【発明の効果】この発明の複合パネルの積載ラックは、
一対の柱体の下端部間にビームを架設することにより逆
門形に結合された、土台用架台とドア用架台とパネル用
架台と、これら架台間に介在させることのできる出窓用
継柱と、最上位に取り付けるフック付きビームとを積み
重ねて構成され、この各架台および出窓用継柱の柱体に
は、中間部に設けた連結片の軸組固定孔を各複合パネル
の壁軸組の綴り孔と適合可能とするとともに、各架台と
出窓用継柱とフック付きビームとの連結は段積み突片と
この突片を嵌入する嵌入孔との凹凸嵌合でなされるもの
であるから、積載ラックの組立て・解体が自在に行われ
るとともに、それぞれ高さの異なる各複合パネルの混載
が可能となる。
【0039】したがって、複数種の複合パネルを速やか
に出荷できるので建築現場への供給能力が向上する。
【0040】また、複合パネルは段積みしても互いに接
触したり、衝突したりするおそれがないから、損傷によ
る不良品発生率が大幅に改善される。
【0041】しかも、積載用ラックは回収して反復使用
をなすことにより、梱包廃材の発生が抑制されるので、
梱包費を大きく節減できるなど数多くの利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】複合パネルの積載用ラックの正面図である。
【図2】複合パネルの積載用ラックの下弦側の側面図で
ある。
【図3】土台用架台の斜視図である。
【図4】土台用架台の正面図である。
【図5】ドア用架台の斜視図である。
【図6】ドア用架台の内側から見た左側面図である。
【図7】パネル用架台の斜視図である。
【図8】パネル用架台の内側から見た左側面図である。
【図9】パネル用架台の左端部の平面図である。
【図10】出窓用継柱の正面図である。
【図11】出窓用継柱のA−A線で見た断面図である。
【図12】出窓用継柱のB−B線で見た断面図である。
【図13】フック付きビームの斜視図である。
【図14】フック付きビームの左側面図である。
【図15】架台つなぎビームの斜視図である。
【図16】葺き下ろし複合パネルの積載構造を示す斜視
図である。
【図17】長き方向補助ビームの斜視図である。
【図18】幅方向補助ビームの斜視図である。
【図19】葺き下ろし用金具の斜視図である。
【図20】ドア用金具の斜視図である。
【符号の説明】
1 積載用ラック 2 土台用架台 3 ドア用架台 4 パネル用架台 5 出窓用継柱 6 フック付きビーム 8 壁軸組 21,31,41 柱体 22,32,42 ビーム P1 ドア付きパネル P2 出窓付きパネル P3 平板パネル C1 ドア付き複合パネル C2 出窓付き複合パネル C3 平板複合パネル D1 綴り孔 D2 軸組固定孔 J 段積み突片 F 段積み壁面 H1 段積み有効高さ H2 ,H3 上積み高さ K 対向間隔 W 幅
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中谷 英次 大阪府大阪市北区中之島6丁目2−27 積水ハウス株式会社内 (56)参考文献 実開 平3−85306(JP,U) 実公 昭47−24287(JP,Y1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B65D 19/00 - 19/44 B65D 85/00 E04G 21/16

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ドア付きパネル、出窓付きパネルおよび
    平板パネルの内側面に壁軸組を取り付けてなる各複合パ
    ネルを段積みして固定するための組立て・解体が自在に
    行われる積載用ラックであって、 一対の柱体の下端部間にビームを架設することにより逆
    門形に結合された、土台用架台とドア用架台とパネル用
    架台と、これら架台間に介在させることのできる出窓用
    継柱と、最上位に取り付けるフック付きビームとを積み
    重ねて積載用ラックが構成され、この各架台および出窓
    用継柱の柱体には、中間部に各複合パネルの壁軸組の綴
    り孔と適合可能な軸組固定孔をあけた連結片が設けられ
    て壁軸組と連結片とが固定可能となされるとともに、各
    架台と出窓用継柱とフック付きビームとの連結は段積み
    突片とこの突片を嵌入する嵌入孔との凹凸嵌合でなされ
    ることを特徴とする複合パネルの積載用ラック。
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