JP3199664B2 - 多層配線基板の製造方法 - Google Patents

多層配線基板の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コンデンサ素子を
内蔵した半導体素子収納用パッケージなどに適した多層
配線基板とその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来技術】従来より、多層配線基板、例えば、半導体
素子を収納するパッケージに使用される多層配線基板と
して、高密度の配線が可能なセラミック多層配線基板が
多用されている。この多層セラミック配線基板は、アル
ミナなどの絶縁基板と、その表面に形成されたWやMo
等の高融点金属からなる配線導体とから構成されるもの
で、この絶縁基板の一部に凹部が形成され、この凹部内
に半導体素子が収納され、蓋体によって凹部を気密に封
止されるものである。
【0003】ところが、このようなセラミック多層配線
基板の絶縁基板を構成するセラミックスは、硬くて脆い
性質を有することから、セラミックスの欠けや割れ等が
発生しやすく、また、高温での焼成により焼成収縮が生
じるために、得られる基板に反り等の変形や寸法のばら
つき等が発生しやすいという問題があり、回路基板の超
高密度化やフリップチップ等のような基板の平坦度の厳
しい要求に対して、十分に対応できないという問題があ
った。
【0004】これに対して、銅箔を接着した有機樹脂を
含む絶縁基板表面にエッチング法により微細な回路を形
成し、しかるのちにこの基板を積層して多層化した後、
スルーホールを形成してその内面をメッキ処理して、層
間の電気的な接続を行う多層プリント基板は、セラミッ
クスのような高温での処理が不要であり、あらゆる形状
に対応できるなどの点で有利である。
【0005】また、近年、携帯情報端末の発達や、コン
ピュータを持ち運んで操作するいわゆるモバイルコンピ
ューティングの普及によって、これらの機器の小型、薄
型化に伴い、その機器内に搭載される多層配線基板も、
高精細化、小型化などの要求が高まりつつある。
【0006】また、半導体素子を搭載するパッケージン
グ技術においては、半導体素子への信号波形の乱れを少
なくするために、絶縁基板内に誘電体層と一対の電極か
らなるコンデンサを形成する、絶縁基板表面にコンデン
サを外付けする、半導体素子や蓋体にコンデンサ素子を
形成する、などの種々の手法により、いわゆるデカップ
リングコンデンサを形成することが行われている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】一般に、有機樹脂を含
む絶縁基板からなる多層プリント基板を用いたパッケー
ジにおいて、デカップリングコンデンサを設ける場合、
図3に示すように、多層構造からなる絶縁基板20内の
1層の絶縁層20aの両側に一対の電極21,22を形
成し、その電極21、22をスルーホール導体23、2
4で表面に引出し、表面に形成されたパッド25、26
と接続し、このパッド25、26にて静電容量を取り出
す構造が知られている。しかしながら、かかる構造で
は、コンデンサの容量が、絶縁層の性質によって決定さ
れるために、必要な静電容量を取り出すためには、その
電極面積や、絶縁層の厚みを変更するなどの設計上の制
約が発生する。
【0008】また、電極間に挟まれた絶縁層の誘電特性
を他の絶縁層と変えて制御することも可能であるが、格
別な絶縁材料の設計や、他の絶縁層の積層化におけるマ
ッチング性等を検討する必要がある。
【0009】よって、現在では、ほとんどが基板表面に
コンデンサを取付ける方法が主流であるが、このような
方法は、配線基板の小型化に対して十分に対応できない
という問題があった。
【0010】従って、本発明の目的は、小型化が可能
で、配線基板の特性や構造に影響を与えることなく、コ
ンデンサ素子を内蔵した配線基板を提供するにある。ま
た、本発明の他の目的は、簡便な方法で、配線基板の特
性や構造に影響を与えることなく、コンデンサ素子を内
蔵させることのできる配線基板の製造方法を提供するに
ある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者は、コンデンサ
素子の基板内への内蔵方法について検討を重ねた結果、
フィルム上において、金属箔と誘電体層を積層して形成
したコンデンサ素子を、配線回路層が形成された未硬化
または半硬化状態の絶縁シートの表面に加圧しながら転
写して、絶縁シートの表面にコンデンサ素子を埋め込
み、さらに他の絶縁シートを重ねた後、一括して硬化さ
せること、またはコンデンサ素子を配線回路層が形成さ
れた未硬化または半硬化状態の絶縁シート間に介在させ
て積層圧着して、コンデンサ素子を絶縁シート間に埋め
込んだ後、一括して硬化させることにより、基板の配線
基板の特性や構造に影響を与えることなく、コンデンサ
素子を配線基板内に内蔵できることを見いだし、本発明
に至った。
【0012】
【0013】即ち、本発明の多層配線基板の製造方法
は、フィルムの表面に、一対の電極間に誘電体層が挟持
されたコンデンサ素子を形成する工程と、熱硬化性樹脂
を含む未硬化または半硬化状態の絶縁シートの表面に配
線回路層を形成する工程と、前記フィルム表面に形成さ
れたコンデンサ素子を前記未硬化または半硬化状態の絶
縁シート表面に加圧しながら転写して、前記コンデンサ
素子を前記絶縁シート表面に埋め込む工程と、前記コン
デンサ素子が埋め込まれた前記絶縁シート表面に、熱硬
化性樹脂を含む未硬化または半硬化状態の他の絶縁シー
トを積層圧着する工程と、前記積層物を加熱処理して、
前記積層物を一括して硬化する工程と、を具備すること
を特徴とするものであり、また、前記配線回路層が、フ
ィルム表面に被着された金属箔をエッチングして配線回
路層を形成した後、該フィルムから前記絶縁シートに転
写して形成することを特徴とするものであり、さらには
前記配線回路層の前記絶縁シートへの転写と、前記コン
デンサ素子の前記絶縁シートへの転写を同時に行うこと
を特徴とするものである。
【0014】また、本発明の他の多層配線基板の製造方
法は、熱硬化性樹脂を含む未硬化または半硬化状態の第
1の絶縁シートの表面に配線回路層を形成する工程と、
熱硬化性樹脂を含む未硬化または半硬化状態の第2の絶
縁シートの表面に配線回路層を形成する工程と、配線回
路層が形成された前記第1の絶縁シートおよび前記第2
の絶縁シートを、一対の電極間に誘電体層が挟持された
コンデンサ素子を所定位置に介在させて加圧しながら積
層し、前記コンデンサ素子を前記絶縁シート間に埋め込
む工程と、前記積層物を加熱処理して、前記積層物を一
括して硬化させる工程と、を具備することを特徴とする
ものである。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の多層配線基板につ
いて、その第1の製造方法を説明するための工程図であ
る図1、および第2の製造方法を説明するための図2を
もとに説明する。本発明における第1の配線基板の製造
方法によれば、まず、図1(a)に示すように、有機樹
脂からなる軟質の絶縁シート1を準備する。また、この
絶縁シート1には、所望により厚み方向に貫通するスル
ーホールを形成し、そのスルーホール内に金属粉末を含
む導体ペーストをスクリーン印刷や吸引処理しながら充
填して、スルーホール導体2を形成する。
【0016】具体的には、まず、絶縁シートとして、前
述したような熱硬化性有機樹脂、または熱硬化性有機樹
脂とフィラーなどの組成物を混練機や3本ロールなどの
手段によって十分に混合し、これを圧延法、押し出し
法、射出法、ドクターブレード法などによってシート状
に成形する。そして、所望により熱処理して熱硬化性樹
脂を半硬化させる。半硬化には、樹脂が完全硬化するに
十分な温度よりもやや低い温度に加熱する。
【0017】そして、この状態の絶縁層に対して、スル
ーホールを形成する。このスルーホールの形成は、ドリ
ル、パンチング、サンドブラスト、あるいは炭酸ガスレ
ーザ、YAGレーザ、及びエキシマレーザ等の照射によ
る加工など公知の方法が採用される。
【0018】なお、絶縁シートを形成する有機樹脂は、
通常、熱硬化性樹脂、あるいは高融点の耐熱性熱可塑性
樹脂、又は、これらの樹脂からなる組成物等が用いられ
る。
【0019】熱硬化性樹脂としては、絶縁材料としての
電気的特性、耐熱性、および機械的強度を有する熱硬化
性樹脂であれば特に限定されるものでなく、例えば、フ
ェノール樹脂、エポキシ樹脂、イミド樹脂、フッ素樹
脂、フェニレンエーテル樹脂、ビスマイレイドトリアジ
ン樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、シリコーン樹脂、
ウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アリル樹脂等
が、単独または組み合わせて使用できる。
【0020】また、上記の絶縁シート1中には、絶縁基
板あるいは配線基板全体の強度を高めるために、有機樹
脂に対してフィラーを複合化させることもできる。有機
樹脂と複合化されるフィラーとしては、SiO2 、Al
2 3 、ZrO2 、TiO2、AlN、SiC、BaT
iO3 、SrTiO3 、ゼオライト、CaTiO3 、ほ
う酸アルミニウム等の無機質フィラーが好適に用いられ
る。また、ガラスやアラミド樹脂からなる不織布、織布
などに上記樹脂を含浸させて用いてもよい。なお、有機
樹脂とフィラーとは、体積比率で15:85〜50:5
0の比率で複合化されるのが適当である。
【0021】一方、スルーホール導体2に充填される金
属ペーストは、銅粉末、銀粉末、銀被覆銅粉末、銅銀合
金などの、平均粒径が0.5〜50μmの金属粉末を含
む。
【0022】金属粉末の平均粒径が0.5μmよりも小
さいと、金属粉末同士の接触抵抗が増加してスルーホー
ル導体の抵抗が高くなる傾向にあり、50μmを越える
とスルーホール導体の低抵抗化が難しくなる傾向にあ
る。
【0023】また、導体ペーストは、前述したような金
属粉末に対して、前述したような結合用有機樹脂や溶剤
を添加混合して調製される。ペースト中に添加される溶
剤としては、用いる結合用有機樹脂が溶解可能な溶剤で
あればよく、例えば、イソプロピルアルコール、テルピ
ネオール、2−オクタノール、ブチルカルビトールアセ
テート等が用いられる。
【0024】上記の結合用有機樹脂としては、前述した
種々の絶縁シートを構成する有機樹脂の他、セルロース
なども使用される。この有機樹脂は、前記金属粉末同士
を互いに接触させた状態で結合するとともに、金属粉末
を絶縁シートに接着させる作用をなしている。この有機
樹脂は、金属ペースト中において、0.1乃至40体積
%、特に0.3乃至30体積%の割合で含有されること
が望ましい。これは、樹脂量が0.1体積%よりも少な
いと、金属粉末同士を強固に結合することが難しく、低
抵抗金属を絶縁層に強固に接着させることが困難とな
り、逆に40体積%を越えると、金属粉末間に樹脂が介
在することになり粉末同士を十分に接触させることが難
しくなり、スルーホール導体の抵抗が大きくなるためで
ある。
【0025】次に、図1(b)に示すように、絶縁シー
ト1の表面に配線回路層3を形成する。この配線回路層
3は、絶縁シート1の表面に金属箔を貼り付けた後、エ
ッチング処理して回路パターンを形成する方法、絶縁シ
ート1表面にレジストを形成して、メッキにより形成す
る方法、樹脂フィルム表面に金属箔を貼り付け、金属箔
をエッチング処理して回路パターンを形成した後、この
金属箔からなる回路パターンを絶縁シート1表面に転写
させる方法等が挙げられる。
【0026】次に、本発明によれば、上記のスルーホー
ル導体2および配線回路層3が形成された絶縁シート1
の表面に、一対の電極4、5間に誘電体層6を配設した
コンデンサ素子を形成する。このコンデンサ素子の形成
方法としては、例えば、絶縁シートの表面に、金属箔か
らなる電極4を転写し、次いで、誘電体層6、金属箔か
らなる電極5を形成することにより形成することが可能
である。しかしながら、かかる方法は、絶縁シート1表
面に直接的にコンデンサ素子を形成するために、絶縁シ
ート1に悪影響を及ぼす場合があり、コンデンサ素子の
設計上の制約が多い。
【0027】そこで、本発明によれば、別途コンデンサ
素子を作製し、そのコンデンサ素子を絶縁シート1表面
に転写して形成することが望ましい。その具体的な方法
を図1(c1)〜(c4)に示す。この方法によれば、
例えば、樹脂フィルム7の表面に金属箔をエッチングし
て電極4を形成した後(図1(c1))、その電極4の
表面に誘電体層6を形成する(図1(c2))。また
は、金属箔からなる電極4表面に誘電体層6を形成した
ものを樹脂フィルムに貼り付ける。
【0028】誘電体層6の形成は、スパッタリング等の
物理蒸着法が低温で形成できる点で望ましい。例えば、
銅箔の誘電体層形成箇所以外をマスクして真空容器内に
設置し、蒸着源にチタン酸バリウム等公知の高誘電率材
料を設置してスパッタリングを行い、電極表面に誘電体
層を形成する。さらに高容量のコンデンサ素子を必要と
する場合には、高誘電率材料と、銅などの金属を交互に
スパッタして薄膜多層コンデンサ素子を形成することも
できる。
【0029】また、誘電体層の形成の他の方法として
は、金属箔からなる電極の表面に、誘電体材料からなる
アルコキシド等の溶液を塗布し、熱処理して誘電体層を
形成することもできる。
【0030】そして、誘電体層6の表面に、電極5を形
成することによりコンデンサ素子Aを形成することがで
きる(図1(c3))。この電極5は、例えば、スパッ
タリング等の物理蒸着法によって銅などの金属を所定箇
所にスパッタするか、または誘電体層6の表面に金属箔
を被着させる。また、電極5は、後述するように転写す
る絶縁シート側に形成しておき、電極4と誘電体層6を
絶縁シート1に形成した電極5の表面に転写して形成す
ることも可能である。
【0031】その後、このコンデンサ素子Aが形成され
た樹脂フィルム7を絶縁シート1に積層して(図1(c
4))、圧着した後、樹脂フィルム7を剥がしてコンデ
ンサ素子Aを絶縁シート1表面に転写することによっ
て、図1(d)に示すような、スルーホール導体2と配
線回路層3とコンデンサ素子Aが形成された単層の配線
層S1を形成することができる。この時、コンデンサ素
子Aを絶縁シート1表面に圧着した場合、絶縁シート1
は、未硬化または半硬化状態であり軟質であることか
ら、コンデンサ素子Aを絶縁シート1の表面に埋め込む
ことができる。
【0032】また、配線回路層3を樹脂フィルムからの
転写法によって絶縁シート1の表面に形成する場合、そ
の樹脂フィルム表面に、配線回路層3とコンデンサ素子
Aを形成して、これらを絶縁シート1表面に同時に転写
すれば、工程の簡略化を図ることができる。
【0033】配線回路層3は、例えば、銅、銀、アルミ
ニウム、金の群から選ばれる少なくとも1種、または2
種以上の合金を主体とする低抵抗金属を含むことが望ま
しく、特に、銅または銅を含む合金が最も望ましい。ま
た、場合によっては、導体組成物として回路の抵抗調整
のためにNi−Cr合金などの高抵抗の金属を混合、ま
たは合金化してもよい。さらには、配線層の低抵抗化の
ために、前記低抵抗金属よりも低融点の金属、例えば、
半田、錫などの低融点金属を導体組成物中の金属成分中
にて2〜20重量%の割合で含んでもよい。
【0034】次に、上記図1(a)(b)と同様にして
作製された単一の配線層S2や配線層S3とを位置合わ
せして積層圧着し、配線層S1〜S3における絶縁シー
ト中の熱硬化性樹脂が硬化するに十分な温度に加熱して
一括して完全硬化させることにより、図1(e)に示す
ようなコンデンサ素子を内蔵する多層プリント配線基板
を形成することができる。
【0035】この時、図1(e)に示すように、配線層
2の表面に、表面電極8、9を形成し、さらに、表面電
極8、9とコンデンサ素子Aの電極4、5とそれぞれ電
気的に接続できる位置にスルーホール導体10、11を
形成することにより、積層圧着した後において、コンデ
ンサ素子Aからの容量をスルーホール導体10、11を
介して表面電極8,9より取り出すことができる。
【0036】次に、本発明の第2の製造方法によれば、
図2(a)に示すように、高誘電層12を銅箔などの一
対の電極13、14により挟持したフィルム状のコンデ
ンサ素子Bを形成する。
【0037】一方、前記図1(a)(b)の手法によ
り、未硬化または半硬化状態の絶縁シート15の表面に
配線回路層18,20,21やスルーホール導体16,
17,19を形成した配線層S4,S5、S6を準備
し、図2(b)に示すように、図2(a)にて準備した
コンデンサ素子Bを配線層S5、S6の間に位置合わせ
して積層する。
【0038】その後、この積層体を加圧しながら圧着す
ることにより、配線層S5,S6の軟質状態の絶縁シー
ト15間にコンデンサ素子Bが埋め込まれる。そして、
この積層体を絶縁シート15中の熱硬化性樹脂が硬化す
るに十分な温度に加熱して一括して完全硬化させること
により、図2(c)に示すように、コンデンサ素子が絶
縁層間に埋設された多層配線基板を作製することができ
る。
【0039】また、図2(c)によれば、配線層S5、
S6にコンデンサ素子Bの電極13、14と電気的に接
続するスルーホール導体16、17を形成し、スルーホ
ール導体16を配線回路層18、スルーホール導体19
を経由して、表面電極20に接続し、また、スルーホー
ル導体17を表面電極21に電気的に接続することによ
り、コンデンサ素子Bの容量を表面電極20、21によ
り取り出すことができる。
【0040】なお、図1および図2において、表面電極
の形成位置は、配線基板の一方側の面、または表面と裏
面のいずれでもよく、内蔵されたコンデンサ素子A,B
の電極とスルーホール導体等を用いて電気的に接続すれ
ばよい。
【0041】このようにして、本発明によれば、複数の
絶縁層が積層されてなる絶縁基板における絶縁層間に、
一対の電極間に誘電体層が挟持されたコンデンサ素子を
形成することができる結果、絶縁基板の特性や配線基板
の構造を格別に変更することなく、簡便な方法によって
コンデンサ素子を内蔵した配線基板を作製することがで
きる。
【0042】
【実施例】
実施例1 イミド樹脂50体積%を、アラミド樹脂の不織布50体
積%の割合で含浸した半硬化状態のプリプレグに炭酸ガ
スレーザーで直径0.1mmのスルーホールを形成し、
そのホール内に銀をメッキした銅粉末を含む銅ペースト
を充填してスルーホール導体を形成した(絶縁シート
A)。
【0043】また、イミド樹脂50体積%、シリカ粉末
50体積%の割合からなるワニス状態の樹脂と粉末を混
合しドクターブレード法で絶縁シートにパンチングで直
径0.1mmのスルーホールを形成し、そのホール内に
銀をメッキした銅粉末を含む銅ペーストを充填してスル
ーホール導体を形成した(絶縁シートB)。
【0044】一方、ポリエチレンテレフタレート(PE
T)樹脂からなる樹脂フィルムの表面に接着剤を塗布し
て粘着性をもたせ、厚さ12μm、表面粗さ0.8μm
の銅箔を一面に接着した。その後、コンデンサ素子形成
箇所以外の領域をマスクして、その樹脂フィルムを真空
容器内に設置しスパッタリングにより表面に10μmの
チタン酸バリウムからなる誘電体層を形成した。さらに
その誘電体層の表面に1μmの厚みの銅からなる電極を
形成した。
【0045】その後、金属箔に対して、フォトレジスト
を塗布し露光現像を行った後、塩化第二鉄溶液中に浸漬
して非パターン部をエッチング除去して配線回路層を形
成した。なお、作製した配線回路層は、線幅が60μ
m、配線と配線との間隔が60μmの微細なパターンで
ある。
【0046】そして、スルーホール導体を形成した絶縁
シートAに、前記コンデンサ素子および配線回路層を形
成した樹脂フィルムを位置決めして50kg/cm2
圧力下で積層圧着して、樹脂フィルムのみを剥離してプ
リプレグにコンデンサ素子および配線回路層を同時に転
写して配線層A1を形成した。また、同様に絶縁シート
Aにそれぞれ配線回路層を形成し、配線層A2、A3を
作製した。
【0047】また、上記と同様にして、スルーホール導
体を形成した絶縁シートBにも、銅箔からなる配線回路
層を転写して形成して、配線層B1、B2を作製した。
【0048】そして、上記配線層A1,A2,A3の積
層体を中心に、その両側に配線層B1,B2をそれぞれ
重ねて積層し、50kg/cm2 の圧力で圧着し、20
0℃で1時間加熱してその積層物を一括して完全硬化さ
せて多層配線基板を作製した。
【0049】得られた多層配線基板に対して、断面にお
ける配線回路層やスルーホール導体の形成付近を観察し
た結果、配線回路層とスルーホール導体とは良好な接続
状態であり、各配線間の導通テストを行った結果、配線
の断線も認められなかった。
【0050】また、コンデンサ素子としての特性も良好
であった。
【0051】得られた多層配線基板を湿度85%、温度
85℃の高温多湿雰囲気に100時間放置したが、目視
で判別できる程度の変化は生じていなかった。1000
時間放置後、周辺部にわずかな層の剥離が認められた。
【0052】実施例2 ポリアミノビスマレイミド樹脂55体積%とアラミド不
織布45体積%からなるプリプレグに炭酸ガスレーザに
より直径0.1mmのスルーホールを形成しそのホール
内に粒径約5μmの銀をメッキした銅粉末からなる銅ペ
ーストを充填した(絶縁シートA)。
【0053】また、ポリアミノビスマレイミド樹脂50
体積%、シリカ粉末50体積%の割合でとなるよう、ワ
ニス状態の樹脂と粉末を混合しドクターブレード法で作
製したシート状絶縁層にパンチングで直径0.1mmの
スルーホールを形成し、そのホール内に銀をメッキした
銅粉末を含む銅ペーストを充填してスルーホール導体を
形成した(絶縁シートB)。
【0054】厚さ18μmの銅箔の表面にチタン酸バリ
ウムのアルコキシド溶液を塗布し、乾燥と塗布を繰り返
した後、500℃で熱処理して誘電体層を形成し、さら
にその上に銅箔の電極を貼り付けた全体厚み100μm
のフィルムコンデンサ素子を作製し、これを所定の容量
となるようにカットした。
【0055】そして、前記絶縁シートAと、前記絶縁シ
ートBとの間に、上記のフィルムコンデンサ素子を配設
して、上下から挟み込んで50kg/cm2 の圧力で積
層圧着して、200℃で1時間加熱してその積層物を一
括して完全硬化させて多層配線基板を作製した。
【0056】得られた多層配線基板に対して、断面にお
ける配線回路層やスルーホール導体の形成付近を観察し
た結果、配線回路層とスルーホール導体とは良好な接続
状態であり、各配線間の導通テストを行った結果、配線
の断線も認められなかった。
【0057】またコンデンサ素子も良好な特性を有し、
所定の容量が得られた。得られた多層配線基板を湿度8
5%、温度85℃の高温多湿雰囲気に100時間放置し
たが、目視で判別できる程度の変化は生じていなかっ
た。
【0058】
【発明の効果】以上詳述したとおり、本発明によれば、
複数の絶縁層が積層されてなる絶縁基板における絶縁層
間に、一対の電極間に誘電体層が挟持されたコンデンサ
素子を形成することができる結果、絶縁基板の特性や配
線基板の構造を格別に変更することなく、簡便な方法に
よってコンデンサ素子を内蔵した配線基板を作製するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の多層配線基板の製造方法を説明するた
めの工程図である。
【図2】本発明の多層配線基板の製造方法において、コ
ンデンサ素子を形成するための工程図である。
【図3】従来のコンデンサ素子を内蔵した多層配線基板
の構造を説明するための概略断面図である。
【符号の説明】
1 絶縁シート 2 スルーホール導体 3 配線回路層 4,5 電極 6 誘電体層 7 樹脂フィルム 8,9 表面電極 10、11 スルーホール導体
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H05K 3/46

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】フィルムの表面に、一対の電極間に誘電体
    層が挟持されたコンデンサ素子を形成する工程と、熱硬
    化性樹脂を含む未硬化または半硬化状態の絶縁シートの
    表面に配線回路層を形成する工程と、前記フィルム表面
    に形成されたコンデンサ素子を前記未硬化または半硬化
    状態の絶縁シート表面に加圧しながら転写して、前記コ
    ンデンサ素子を前記絶縁シート表面に埋め込む工程と、
    前記コンデンサ素子が埋め込まれた前記絶縁シート表面
    に、熱硬化性樹脂を含む未硬化または半硬化状態の他の
    絶縁シートを積層圧着する工程と、前記積層物を加熱処
    理して、前記積層物を一括して硬化する工程と、を具備
    することを特徴とする多層配線基板の製造方法。
  2. 【請求項2】前記配線回路層が、フィルム表面に被着さ
    れた金属箔をエッチングして配線回路層を形成した後、
    該フィルムから前記絶縁シートに転写して形成すること
    を特徴とする請求項1記載の多層配線基板の製造方法。
  3. 【請求項3】前記配線回路層の前記絶縁シートへの転写
    と、前記コンデンサ素子の前記絶縁シートへの転写を同
    時に行うことを特徴とする請求項2記載の多層配線基板
    の製造方法。
  4. 【請求項4】熱硬化性樹脂を含む未硬化または半硬化状
    態の第1の絶縁シートの表面に配線回路層を形成する工
    程と、熱硬化性樹脂を含む未硬化または半硬化状態の第
    2の絶縁シートの表面に配線回路層を形成する工程と、
    配線回路層が形成された前記第1の絶縁シートおよび前
    記第2の絶縁シートを、一対の電極間に誘電体層が挟持
    されたコンデンサ素子を所定位置に介在させて加圧しな
    がら積層し、前記コンデンサ素子を前記絶縁シート間に
    埋め込む工程と、前記積層物を加熱処理して、前記積層
    物を一括して硬化させる工程と、を具備することを特徴
    とする多層配線基板の製造方法。
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