JP3199269B2 - アミノ酸含有製剤臭の消臭方法 - Google Patents
アミノ酸含有製剤臭の消臭方法Info
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- odor
- preparation
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Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、アミノ酸を含有する製
剤の臭気を消臭する方法に関し、さらに詳しくは、アミ
ノ酸含有製剤入りプラスチック製容器を封入した包装体
内に溜まった臭気を効果的に消臭する方法に関する。
剤の臭気を消臭する方法に関し、さらに詳しくは、アミ
ノ酸含有製剤入りプラスチック製容器を封入した包装体
内に溜まった臭気を効果的に消臭する方法に関する。
【０００２】
【従来の技術】近年、アミノ酸輸液剤等の容器として、
病院内感染防止の観点から密封系で投与できるプラスチ
ック製容器が使用されるようになった。この種のプラス
チック製容器は、安全性、耐熱性、柔軟性、さらには透
明性が要求されることから、その素材と器壁の厚さが限
定され、ガスバリヤー性が不十分なものとなっている。
したがって、アミノ酸含有輸液剤のように酸素によって
変質し易い薬剤を収容したプラスチック製容器は、通
常、脱酸素剤と共にガスバリヤー性の高い材料で包装さ
れている。その結果、プラスチック製容器壁を透過した
薬剤の臭気が包装体内に充満し、包装体を開封したとき
薬剤臭が周囲に漂う問題があった。薬剤臭の中でもアミ
ノ酸臭が混在している場合は特に不快度が高いにもかか
わらず、何ら対策が講じられていなかった。
病院内感染防止の観点から密封系で投与できるプラスチ
ック製容器が使用されるようになった。この種のプラス
チック製容器は、安全性、耐熱性、柔軟性、さらには透
明性が要求されることから、その素材と器壁の厚さが限
定され、ガスバリヤー性が不十分なものとなっている。
したがって、アミノ酸含有輸液剤のように酸素によって
変質し易い薬剤を収容したプラスチック製容器は、通
常、脱酸素剤と共にガスバリヤー性の高い材料で包装さ
れている。その結果、プラスチック製容器壁を透過した
薬剤の臭気が包装体内に充満し、包装体を開封したとき
薬剤臭が周囲に漂う問題があった。薬剤臭の中でもアミ
ノ酸臭が混在している場合は特に不快度が高いにもかか
わらず、何ら対策が講じられていなかった。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明の
課題は、アミノ酸含有製剤入りプラスチック製容器を封
入した包装体内に充満する臭気を、製剤に何ら影響を与
えることなく、効果的に消す方法を提供することにあ
る。
課題は、アミノ酸含有製剤入りプラスチック製容器を封
入した包装体内に充満する臭気を、製剤に何ら影響を与
えることなく、効果的に消す方法を提供することにあ
る。
【０００４】
【課題を解決するための手段】本発明者は、鋭意検討し
た結果、微量の消臭剤を用いることによって上記課題を
解決できることを見出し、本発明を完成することができ
た。すなわち、本発明は、アミノ酸含有製剤入りプラス
チック製容器と、この容器を収容し密封する包装体の内
壁との間に、消臭剤を封入することを特徴とするアミノ
酸含有製剤臭の消臭方法を提供するものである。
た結果、微量の消臭剤を用いることによって上記課題を
解決できることを見出し、本発明を完成することができ
た。すなわち、本発明は、アミノ酸含有製剤入りプラス
チック製容器と、この容器を収容し密封する包装体の内
壁との間に、消臭剤を封入することを特徴とするアミノ
酸含有製剤臭の消臭方法を提供するものである。
【０００５】本発明で用いる消臭剤としては、有機酸エ
ステル類、芳香族アルデヒド類、テルペンアルデヒド
類、テルペンアルコール類、精油類が好ましい。
ステル類、芳香族アルデヒド類、テルペンアルデヒド
類、テルペンアルコール類、精油類が好ましい。
【０００６】有機酸エステル類としては、メタクリル酸
エチル，マロン酸ジエチル，安息香酸プロピル，クマリ
ン等が、芳香族アルデヒド類としては、桂皮アルデヒ
ド，ベンズアルデヒド，バニリン等が、テルペンアルデ
ヒド類としては、シトラール，シトロネラール等が、テ
ルペンアルコール類としては、シトロネロール，ゲラニ
オール等が、精油類としては、各種のテルペンアルデヒ
ド類やテルペンアルコール類を多量に含むレモン油，レ
モングラス油，バルマローズ油，バラ油，ゼラニュウム
油，シトロネラ油，ロエ油，ラベンダー油，ネリ油等
が、より好ましい。
エチル，マロン酸ジエチル，安息香酸プロピル，クマリ
ン等が、芳香族アルデヒド類としては、桂皮アルデヒ
ド，ベンズアルデヒド，バニリン等が、テルペンアルデ
ヒド類としては、シトラール，シトロネラール等が、テ
ルペンアルコール類としては、シトロネロール，ゲラニ
オール等が、精油類としては、各種のテルペンアルデヒ
ド類やテルペンアルコール類を多量に含むレモン油，レ
モングラス油，バルマローズ油，バラ油，ゼラニュウム
油，シトロネラ油，ロエ油，ラベンダー油，ネリ油等
が、より好ましい。
【０００７】上記例示の中でも、特に、安息香酸プロピ
ル、シトラール及びシトロネロールが効果的である。
ル、シトラール及びシトロネロールが効果的である。
【０００８】消臭剤は、アミノ酸含有製剤入りプラスチ
ック製容器と包装体内壁との間に微量存在させればよ
く、特別の封入方法を必要としない。例えば、消臭剤を
塗布したラベルをアミノ酸含有製剤入りプラスチック製
容器に貼る方法、消臭剤を塗布した紙切れを封入する方
法あるいは脱酸素剤収容袋に消臭剤を塗布して封入する
方法など種々の方法を採用することができる。
ック製容器と包装体内壁との間に微量存在させればよ
く、特別の封入方法を必要としない。例えば、消臭剤を
塗布したラベルをアミノ酸含有製剤入りプラスチック製
容器に貼る方法、消臭剤を塗布した紙切れを封入する方
法あるいは脱酸素剤収容袋に消臭剤を塗布して封入する
方法など種々の方法を採用することができる。
【０００９】消臭剤の使用量は、消臭剤の種類、製剤に
含まれるアミノ酸の種類と量、さらには容器のガスバリ
ヤー性等により異なるが、通常、１容器１包装体につき
0.1mg以上、好ましくは 0.5mg以上、さらに好ましくは
１mg以上である。消臭剤の性質上、使用量の上限に特に
制限は無いが、２mg以下で十分効果を奏する。例えば、
アミノ酸含有製剤臭の消臭に特に有効な安息香酸プロピ
ル、シトラール及びシトロネロールの場合は、0.5 mg程
度でよい。
含まれるアミノ酸の種類と量、さらには容器のガスバリ
ヤー性等により異なるが、通常、１容器１包装体につき
0.1mg以上、好ましくは 0.5mg以上、さらに好ましくは
１mg以上である。消臭剤の性質上、使用量の上限に特に
制限は無いが、２mg以下で十分効果を奏する。例えば、
アミノ酸含有製剤臭の消臭に特に有効な安息香酸プロピ
ル、シトラール及びシトロネロールの場合は、0.5 mg程
度でよい。
【００１０】
実施例１〜２８ アミノ酸含有製剤入りプラスチック製容器を高圧蒸気滅
菌器に入れ、１１５℃で３０分間滅菌し、冷却後、消臭
剤を塗布したラベルを貼った。この容器と脱酸素剤（販
売名：エージレス、三菱瓦斯化学株式会社製）とを、プ
ラスチックラミネートフィルム製の偏平な容器（包装
体）に収容し、開放部を熱溶着して表１及び表２に記載
の製品を得た。なお、アミノ酸含有製剤は、表３に記載
のアミユー（販売名、森下製薬株式会社製) 及び表４に
記載のモリプロンＦ（販売名、森下製薬株式会社製）を
使用し、容器はポリエチレン製のブロー成形バッグ（２
００ml用) を用い、包装体はナイロン層，エチレンとビ
ニルアルコールの共重合体層及びポリエチレン層からな
るラミネートフィルム製のものを用いた。また、消臭剤
は、予備実験でアミノ酸含有製剤臭に対してより有効と
判定したものの中からマロン酸ジエチル、メタクリル酸
エチル、安息香酸プロピル、クマリン、バニリン、シト
ラール及びシトロネロール（以上７種のいずれも関東化
学株式会社製）を選んで用いた。
菌器に入れ、１１５℃で３０分間滅菌し、冷却後、消臭
剤を塗布したラベルを貼った。この容器と脱酸素剤（販
売名：エージレス、三菱瓦斯化学株式会社製）とを、プ
ラスチックラミネートフィルム製の偏平な容器（包装
体）に収容し、開放部を熱溶着して表１及び表２に記載
の製品を得た。なお、アミノ酸含有製剤は、表３に記載
のアミユー（販売名、森下製薬株式会社製) 及び表４に
記載のモリプロンＦ（販売名、森下製薬株式会社製）を
使用し、容器はポリエチレン製のブロー成形バッグ（２
００ml用) を用い、包装体はナイロン層，エチレンとビ
ニルアルコールの共重合体層及びポリエチレン層からな
るラミネートフィルム製のものを用いた。また、消臭剤
は、予備実験でアミノ酸含有製剤臭に対してより有効と
判定したものの中からマロン酸ジエチル、メタクリル酸
エチル、安息香酸プロピル、クマリン、バニリン、シト
ラール及びシトロネロール（以上７種のいずれも関東化
学株式会社製）を選んで用いた。
【００１１】
【表１】
【００１２】
【表２】
【００１３】
【表３】
【００１４】
【表４】
【００１５】
試験例１ 実施例１〜１４の製品及び消臭剤を使わないで実施例１
と同様にして製造した製品（対照）を、恒温（40℃），
恒湿度（75％）で３０日間保存後、放冷し官能試験に供
した。試験は６段階臭気強度表示法（船山富晴編、最新
の消臭剤と消臭技術、初版、工業技術会株式会社、東
京、1989、38−39頁）を採用し、各製品について包装体
開封直後の開封部における臭いの強さを調べた。その結
果、いずれの消臭剤も 0.5〜1.0 mgで優れた消臭効果を
奏していることが判った（表５）。
と同様にして製造した製品（対照）を、恒温（40℃），
恒湿度（75％）で３０日間保存後、放冷し官能試験に供
した。試験は６段階臭気強度表示法（船山富晴編、最新
の消臭剤と消臭技術、初版、工業技術会株式会社、東
京、1989、38−39頁）を採用し、各製品について包装体
開封直後の開封部における臭いの強さを調べた。その結
果、いずれの消臭剤も 0.5〜1.0 mgで優れた消臭効果を
奏していることが判った（表５）。
【００１６】
【表５】
【００１７】試験例２ 実施例１５〜２８の製品についても前記と同様にして試
験し、ほぼ同様な結果を得た。
験し、ほぼ同様な結果を得た。
【００１８】
【発明の効果】本発明によれば、包装体内に封入された
アミノ酸含有製剤入りプラスチック製容器であって、包
装体の開封時にアミノ酸含有製剤特有の不快臭を伴わな
い容器を提供することができる。
アミノ酸含有製剤入りプラスチック製容器であって、包
装体の開封時にアミノ酸含有製剤特有の不快臭を伴わな
い容器を提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名) A61L 9/01 A61L 9/12 A61J 1/00 - 1/22 B65D 81/00 - 81/38 A61K 31/195
Claims (1)
- 【請求項１】 アミノ酸含有製剤入りプラスチック製容
器と、この容器を収容し密封する包装体の内壁との間
に、安息香酸プロピル、シトラールおよびシトロネロー
ルからなる群から選ばれた少なくとも１種の消臭剤を封
入することを特徴とするアミノ酸含有製剤臭の消臭方
法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP23696291A JP3199269B2 (ja) | 1991-08-22 | 1991-08-22 | アミノ酸含有製剤臭の消臭方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP23696291A JP3199269B2 (ja) | 1991-08-22 | 1991-08-22 | アミノ酸含有製剤臭の消臭方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH05261144A JPH05261144A (ja) | 1993-10-12 |
| JP3199269B2 true JP3199269B2 (ja) | 2001-08-13 |
Family
ID=17008347
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP23696291A Expired - Lifetime JP3199269B2 (ja) | 1991-08-22 | 1991-08-22 | アミノ酸含有製剤臭の消臭方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3199269B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN111526892B (zh) * | 2017-12-28 | 2024-03-22 | 狮王株式会社 | 眼科用产品和掩蔽方法 |
-
1991
- 1991-08-22 JP JP23696291A patent/JP3199269B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH05261144A (ja) | 1993-10-12 |
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