JP3199139B2 - 赤外吸収化合物及びそれを用いた光記録媒体 - Google Patents

赤外吸収化合物及びそれを用いた光記録媒体

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JP3199139B2
JP3199139B2 JP02496993A JP2496993A JP3199139B2 JP 3199139 B2 JP3199139 B2 JP 3199139B2 JP 02496993 A JP02496993 A JP 02496993A JP 2496993 A JP2496993 A JP 2496993A JP 3199139 B2 JP3199139 B2 JP 3199139B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は赤外吸収化合物及びそれ
を利用した光記録媒体に関し、特に光ディスクまたは光
カードにおいて、再生時の耐光性及び耐久安定性を向上
させる赤外吸収化合物及びそれを用いた光記録媒体に関
する。
【0002】
【従来の技術】一般に、光ディスクおよび光カードは、
基体の上に設けた薄い記録層に形成された光学的に検出
可能な小さな(例えば、約1μm)ピツトをらせん状又
は円形および直線状のトラック形態にして高密度情報を
記憶することができる。この様なデイスクに情報を書き
込むには、レーザ感応層の表面に集束したレーザを走査
し、このレーザ光線が照射された表面のみにピツトを形
成し、このピツトをらせん状又は円形および直線状トラ
ツクの形態で形成する。レーザ感応層は、レーザ・エネ
ルギーを吸収して光学的に検出可能なピツトを形成でき
る。例えば、ヒートモード記録方式では、レーザ感応層
は熱エネルギーを吸収し、その個所に蒸発又は融解によ
り小さな凹部(ピツト)を形成できる。また、別のヒー
トモード記録方式では、照射されたレーザ・エネルギー
の吸収により、その個所に光学的に検出可能な濃度差を
有するピツトを形成できる。
【0003】ここで、反射率の高い記録層として有機色
素薄膜を用いることにより、記録ピツトの光学的コント
ラストを高く設定することができる。例えば、有機色素
薄膜として、レーザ光に対する光吸収の大きいポリメチ
ン系色素,アズレン系色素,シアニン系色素,ピリリウ
ム系色素等を用いると、金属光沢(反射10〜50%)
を示す光吸収反射膜が得られ、レーザ記録が可能で、反
射読み出しが可能な光学記録媒体になる。
【0004】特にレーザ光源として発振波長500〜9
00nmの半導体レーザを用いると、装置の小型化、低
コスト化が可能となる利点を有している。しかしなが
ら、有機色素薄膜は、一般に熱および光に対して、物質
変化しやすい等の原因から、記録再生特性および保存安
定性が低下するという問題があった。
【0005】一方、耐光性を向上させるためには、一重
項酸素クェンチャーである金属キレート錯体(とくにN
iキレート錯体)やアミニウム塩・ジイモニウム塩化合
物を添加する方法が知られている。しかし、金属キレー
ト錯体は、プラスチック基板に塗布可能な溶剤への溶解
性が低いため、耐光性を十分に改良できるほどの量を添
加できないという問題点がある。また、金属錯体と色素
とで複塩を形成することより、より多くの量を添加する
という方法も知られているが、耐光性は向上できるが、
記録感度の低下をもたらすという問題がある。また、ア
ミニウム塩・ジイモニウム塩化合物の添加方法では、対
イオンが単なる酸アニオンであるために、耐光性の向上
のために添加量が多く必要であった。
【0006】これに対して少ない添加量で耐光性を著し
く向上させる方法として、アミニウム塩・ジイモニウム
塩カチオンと金属錯体アニオンの複塩化合物を用いた例
が、特開昭62−19389号公報に記載されている。
この方法により、耐光性および記録再生特性は従来より
も改善されてはいるが、ジアルキルアミノ基に置換され
たアミニウム塩・ジイモニウム塩カチオンを用いた場合
には、金属錯体アニオンとの複塩化合物の、プラスチッ
ク基板に塗布可能な有機溶剤への溶解性がまだ不十分で
あった。
【0007】また、溶解性の良いジ(アルコキシアルキ
ル)アミド置換などのジイモニウム塩カチオンと遷移金
属錯体アニオンの複塩化合物を用いた例が特開平3−1
64292号公報に記載されている。しかし、光記録媒
体、特に、携帯性に優れた光カードの広範囲な利用を想
定すると、いろいろな環境条件での安定性、化学的安定
性のより一層の向上が望まれていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来例
に鑑みてなされたものであり、その目的とするところ
は、赤外部に大きな吸収領域を有し、かつプラスチック
基板に塗工可能な、有機溶剤への溶解性の良い新規の赤
外吸収化合物を提供することにある。
【0009】また、本発明他の目的は、光記録媒体に使
用した場合に、少ない添加量で耐光性を著しく改善する
ことが可能となると同時に、添加量が少なくて良いため
記録感度の低下をおさえることができる新規の赤外吸収
化合物およびそれを用いた光記録媒体を提供することに
ある。さらに、耐熱性・化学的安定性の良い新規の赤外
吸収化合物および光記録媒体を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、下記一
般式[I]または[II]で表わされる赤外吸収化合物
である。
【0011】
【化4】 (式中、Aは
【0012】
【化5】 を示し、Bは
【0013】
【化6】
【0014】を示し、A,Bはアルキル基,ハロゲン
基,アルコキシ基,シアノ基で置換されていてもよい。
nは1または2を示す。X- は金属錯体アニオンを示
す。
【0015】RF は少なくとも1つ以上はフッ素を含有
する一価の有機残基であり、R1 からR7 はRF 、水素
原子または一価の有機残基であり、RF ,R1 からR7
はそれぞれ同じであっても異っていてもよい。)
【0016】また、本発明は、有機色素薄膜中に、上記
の一般式[I]または[II]で表わされる赤外吸収化
合物を含有することを特徴とする光記録媒体である。
【0017】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
赤外吸収化合物は、下記一般式[I]または[II]で
示される。
【0018】
【化7】 上記一般式[I]および[II]において、RF は少な
くとも1つ以上はフッ素を含有する一価の有機残基であ
り、例えば少なくとも1つ以上はフッ素を含有する置換
もしくは末置換のアルキル基、置換もしくは末置換のア
ルケニル基、置換もしくは末置換のアラルキル基又は置
換もしくは末置換のアリール基である。
【0019】例えば、含フッ素アルキル基としては、フ
ルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメ
チル基、1−フルオロエチル基、2−フルオロエチル
基、1,1−ジフルオロエチル基、1,2−ジフルオロ
エチル基 2,2−ジフルオロエチル基、1,1,1−
トリフルオロエチル基、1,1,2−トリフルオロエチ
ル基、1,2,2−トリフルオロエチル基、1,1,
2,2−テトラフルオロエチル基、1,1,1,2−テ
トラフルオロエチル基、ペンタフルオロエチル基、1−
フルオロプロピル基、2フルオロプロピル基、3フルオ
ロプロピル基、1,1−ジフルオロプロピル基、1,2
−ジフルオロプロピル基、1,3−ジフルオロプロピル
基、2,2−ジフルオロプロピル基、2,3−ジフルオ
ロプロピル基、3,3−ジフルオロプロピル基、1,
1,2−トリフルオロプロピル基、1,1,3−トリフ
ルオロプロピル基、1,2,2−トリフルオロプロピル
基、1,2,3−トリフルオロプロピル基、1,3,3
−トリフルオロプロピル基、2,2,3−トリフルオロ
プロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、
1,1,2,2−テトラフルオロプロピル基、1,1,
3,3−テトラフルオロプロピル基、1,1,2,3−
テトラフルオロプロピル基、1,2,2,3−テトラフ
ルオロプロピル基、1,2,3,3−テトラフルオロプ
ロピル基、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル
基、1,3,3,3−テトラフルオロプロピル基、2,
3,3,3−テトラフルオロプロピル基、1,1,2,
2,3−ペンタフルオロプロピル基、1,1,2,3,
3−ペンタフルオロプロピル基、1,1,3,3,3−
ペンタフルオロプロピル基、1,2,2,3,3−ペン
タフルオロプロピル基、1,2,3,3,3−ペンタフ
ルオロプロピル基、2,2,3,3,3−ペンタフルオ
ロプロピル基、1,1,2,2,3,3−ヘキサフルオ
ロプロピル基、1,1,2,3,3,3−ヘキサフルオ
ロプロピル基、1,2,2,3,3,3−ヘキサフルオ
ロプロピル基、ヘプタフルオロプロピル基、1,1,
1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロピル基、ヘ
プタフルオロ−2−プロピル基、2,2−ジフルオロブ
チル基、2,2,3,3−テトラフルオロブチル基、
4,4,4−トリフルオロブチル基、3,3,4,4,
4−ペンタフルオロブチル基、2,2,4,4,4−ペ
ンタフルオロブチル基、2,2,3,4,4,4−ヘキ
サフルオロブチル基、1,2,3,4−テトラフルオロ
ブチル基、ノナフルオロブチル基、2,2,3,3,
4,4,4−ヘプタフルオロブチル基、1,1,1,
3,3,4,4,4−ヘプタフルオロ−2−ブチル基、
t−ノナフルオロブチル基、5,5,5−トリフルオロ
ペンチル基、4,4,5,5,5−ペンタフルオロペン
チル基、3,3,5,5,5−ペンタフルオロペンチル
基、3,3,4,4−テトラフルオロペンチル基、1,
2,3,4,5−ペンタフルオロペンチル基、2,2,
3,3,4,4,5,5−オクタフルオロ−1−ペンチ
ル基、1,1,2,2,3,3,4,4−オクタフルオ
ロペンチル基、6,6,6−トリフルオロヘキシル基、
6,6,7,7,7−ペンタフルオロペンチル基、8,
8,8−トリフルオロオクチル基、5,5,6,6,
7,7,8,8−オクタフルオロオクチル基などが挙げ
られる。
【0020】さらに、他のアルキル基、例えば置換アル
キル基としては、2−ヒドロキ−2−フルオロエチル
基、2ヒドロキシ−1,1ジフルオロエチル基、3−ヒ
ドロキシ−2,2−ジフルオロプロピル基などの含フッ
素ヒドロキシアルキル基、2−アセトキシ−2フルオロ
エチル基、2−アセトキシ−2,2−ジフルオロエチル
基、3−アセトキシ−2,2,3,3−テトラフルオロ
プロピル基などの含フッ素アセトキシアルキル基、2−
カルボキシ−1,2−ジフルオロエチル基、3−カルボ
キシ−3−フルオロプロピル基、4−カルボキシ−2,
2−ジフルオロブチル基などの含フッ素カルボキシアル
キル基、トリフルオロメトキシメチル基、トリフルオロ
メトキシエチル基、トリフルオロメトキシ−2−ジフル
オロエチル基、ジフルオロメトキシエチル基、2−トリ
フルオロエトキシ−2´−ジフルオロエチル基、トリフ
ルオロメトキシ−n−プロピル基、ペンタフルオロエト
キシ−エチル基、ペンタフルオロエトキシプロピル基、
メトキシ−3,3−ジフルオロプロピル基、トリフルオ
ロメトキシ−オクチル基などの含フッ素アルコキシアル
キル基などが挙げられる。
【0021】含フッ素アルケニル基としては、例えばト
リフルオロエチレン基、2,2−ジフルオロエチレン
基、ペンタフルオロプロペニル基、ヘプタフルオロブテ
ニル基などが挙げられる。
【0022】含フッ素アラルキル基としては、例えば、
p−フルオロベンジル基、m−フルオロベンジル基、ペ
ンタフルオロベンジル基、p−トリフルオロメチルベン
ジル基、1−(ペンタフルオロフェニル)エチル基3−
(ペンタフルオロフェニル基)プロピル基などが挙げら
れる。
【0023】含フッ素アリール基としては、例えばp−
フルオロフェニル基、p−トリフルオロメチル基−フェ
ニル基、3,5−ビス(トリフルオロメチル基)−フェ
ニル基などが挙げられる。
【0024】R1 からR7 は、RF でもよいし、水素原
子または1価の有機残基である。1価の有機残基として
は、例えばアルキル基としては、例えば、メチル基、エ
チル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブ
チル基、iso−ブチル基、t−ブチル基、n−アミル
基、t−アミル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、
t−オクチル基などを示し、さらに他のアルキル基、例
えば置換アルキル基としては、例えば2−ヒドロキシエ
チル基、3−ヒドロキシプロピル,4−ヒドロキシブチ
ル基などのヒドロキシアルキル基、2−アセトキシエチ
ル基、2−アセトキシプロル基などのアセトキシアルキ
ル基、カルボキシメチル基、2−カルボキシエチル基、
3−カルボキシプロピル基などのカルボキシアルキル
基、メトキシメチル基、メトキシエチル基、メトキシプ
ロピル基、メトキシブチル基、エトキシメチル基、エト
キシエチル基、エトキシプロピル基、エトキシブチル
基、プロポキシメチル基などのアルコキシアルキル基な
どを示し、アルケニル基としては、例えばビニル基、プ
ロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキニル基、
ヘプテニル基、オクテニル基など、アラルキル基として
は、例えばベンジル基、p−クロロベンジル基、p−メ
チルベンジル基、2−フェニルメチル基、2−フェニル
プロピル基、3−フェニルプロピル基、α−ナフチルメ
チル基、β−ナフチルエチル基など、アルキニル基とし
ては、例えば、プロパギル基、ブチニル基、ペンチニル
基、ヘキシニル基など、アリール基としては、例えばフ
ェニル基、ナフチル基、トリル基、キシリル基、メトキ
シフェニル基、ジメトキシフェニル基、トリメトキシフ
ェニル基、エトキシフェニル基などである。R1 〜R8
は各々異なっていても又は同じであってもよい。
【0025】また、RF とR1 ,R2 とR3 ,R4 とR
5 ,R6 とR7 の組み合せでNとともに置換もしくは末
置換の5員環、置換もしくは末置換の6員環、置換もし
くは末置換の7員環を形成してもよく、5員環としては
ピロリジン環、6員環としてはピペリジン環,モルホリ
ン環,テトラヒドロピリジン環,7員環としてはシクロ
ヘキシアミン環である。これらの環は、同じであっても
または異っていてもよい。
【0026】nは1または2を表わす。存在する全ての
芳香族環は、低級アルキル基、低級アルコキシ基、ハロ
ゲン基または水酸基、シアノ基などによって置換されて
もよい。
【0027】本発明の赤外吸収化合物のアミニウム塩・
ジイモニウム塩化合物カチオンは、まずそれに対応する
酸アニオンを有するアミニウム塩・ジイモニウム塩化合
物を米国特許明細書3251881号、米国特許明細書
3575851号、米国特許明細書3484467号お
よび特開昭61−69991号公報等に記載された方法
を利用して製造する。その後、後述する金属錯体アニオ
ンとの結合体を形成させる。
【0028】次に、アミニウム塩・ジイモニウム塩化合
物カチオンの具体例を挙げるが、これらに限定されるも
のではない。簡略化のために、AまたはB (RF
1 )(R23 )(R45 )(R67 )と表記す
る。例えば、アミニウム塩化合物カチオンにおいて、A
【0029】
【化8】 で、RF ,R1 からR7 が2−フルオロエチル基である
場合、
【0030】
【化9】 と表記する。
【0031】また、ジイモニウム塩化合物カチオンにお
いて、Bが
【0032】
【化10】 で、RF とR1 がトリフルオロメチル基で、R2 からR
7 がプロピル基の場合は、
【0033】
【化11】 と表記する。
【0034】
【化12】
【0035】
【化13】
【0036】
【化14】
【0037】
【化15】
【0038】
【化16】
【0039】
【化17】
【0040】
【化18】
【0041】
【化19】
【0042】
【化20】
【0043】
【化21】
【0044】
【化22】
【0045】
【化23】
【0046】上記アミニウム塩化合物カチオンの対イオ
ンとしては金属錯体アニオンであることが必要である。
このアニオン部に用いられる金属錯体としては、種々の
ものを使用するとこができる。このような錯体として
は、下記化合物を挙げることができる。中心金属として
は種々の金属を用いることができるが、特に、Ni,C
o,Cu,Pd,Ptなどの遷移金属が好ましい。
【0047】このような金属錯体アニオンとしては、下
記化合物を挙げることができるが、これらに限定される
ものではない。
【0048】
【化24】
【0049】(式中、R8 ないしR11はそれぞれ,水素
原子,置換または未置換のアルキル基またはアミノ基、
置換もしくは未置換のアリール基あるいはハロゲン基を
表わし、MはNi,Co,Mn,Cu,Pb,Ptなど
の遷移金属を表わす。)
【0050】
【化25】
【0051】(式中、R12ないしR15はそれぞれ置換ま
たは未置換のアルキル基、または置換または未置換のア
リール基、またはシアノ基を表わし、Mは一般式[II
I]に同じである。)
【0052】
【化26】
【0053】(式中、R8 ないしR11はそれぞれ,水素
原子,置換または未置換のアルキル基またはアミノ基、
置換もしくは未置換のアリール基あるいはハロゲン基を
表わす。)
【0054】
【化27】
【0055】(式中、R8 ないしR11はそれぞれ,水素
原子,置換または未置換のアルキル基またはアミノ基、
置換もしくは未置換のアリール基あるいはハロゲン基を
表わす。)
【0056】
【化28】
【0057】(式中、R8 ないしR11はそれぞれ,水素
原子,置換または未置換のアルキル基またはアミノ基、
置換もしくは未置換のアリール基あるいはハロゲン基を
表わす。)
【0058】
【化29】
【0059】(式中、上記一般式[VIII]および
[IX]において、MはNi,Co,Mn,Cu,P
b,Ptを示す。)
【0060】以下金属錯体アニオンの例を挙げるが、こ
れらに限定されるものではない。
【0061】
【化30】
【0062】
【化31】
【0063】
【化32】
【0064】前記一般式[III]〜[IX]で表され
る金属錯体化合物は、Journal of Amer
ican Chemical Society(196
5年)第87巻、P1483に記載されている、Sch
rauzerらの方法に従って、合成することができ
る。
【0065】次に、前記アミニウム塩化合物カチオンと
金属錯体アニオンより形成した結合体の具体例を挙げ
る。しかし、これらに限定されるものではない。
【0066】
【化33】
【0067】
【化34】
【0068】
【化35】
【0069】
【化36】
【0070】本発明における結合体は、例えば、以下の
ようにして合成される。まず、対イオンが酸アニオンで
あるアミニウム塩化合物またはジイモニウム塩化合物を
用意する。酸アニオンとしては、過塩素酸塩イオン,ヨ
ウ素イオン,塩素イオン,ヘキサフルオロアンチモン酸
塩イオンなどが挙げられる。
【0071】他方、対イオンがカチオンであるアニオン
型の金属錯体を用意する。この場合のカチオンとして
は、特にN+ (CH34 ,N+ (C49 )等のテト
ラアルキルアンモニウムが好ましい。
【0072】次いで、アミニウム塩化合物・ジイモニウ
ム塩化合物と金属錯体の等モルを極性溶媒に溶解する。
用いる極性溶媒とは、N,N−ジメチルホルムアミド等
が好適である。また、その濃度は0.01mol/l 程
度とすればよい。この後、これに水系溶媒、特に水を加
え複分解を生起させ沈澱をうる。加える水の量は10倍
以上の大過剰とすればよい。なお、反応温度は、室温〜
90℃程度がよい。
【0073】次いで、両液相を分離し、濾過乾燥を行
い、必要に応じてこれを2〜3回繰り返したのち、DM
F−エタノール等で再結晶を行えば、本発明の結合体が
えられる。なお、以上の方法の他、金属錯体アニオンの
中間体である中性のものを、塩化メチレン等に溶解し、
これに色素を等モル添加し濃縮し、再結晶を行ってもよ
い。または、特願昭57−166832号に従って、空
気を吹き込みながら、ニッケル等の金属を酸化しアニオ
ン型として塩を形成してもよい。
【0074】上記に例示したアミニウム塩化合物カチオ
ンまたはジイモニウム塩化合物カチオンと金属錯体アニ
オンとの結合体は、極大吸収波長が900nm以上にあ
り、吸光係数も数万から十数万と大きい吸収ピークを持
つ。このような赤外吸収化合物は光記録媒体の材料とし
ての用途以外に断熱フイルム,サングラスなどに使われ
る。
【0075】また、本発明の赤外吸収化合物は、光記録
媒体の有機色素薄膜に含有して使用することができる。
光記録媒体として、これらの赤外吸収化合物と併用され
る、有機色素薄膜を形成する近赤外吸収色素としては、
一般的に知られている色素が用いられ、例えばシアニン
系色素,メロシアニン系色素,クロコニウム系色素,ス
クアリウム系色素,アズレニウム系色素,ポリメチン系
色素,ナフトキノ系色素,ピリリウム系色素,フタロシ
アニン系色素、ナフタロシアニン系色素、ナフトラクタ
ム系色素などがある。
【0076】これらの色素に対して前記一般式[I]の
アミニウム塩化合物カチオンと金属錯体アニオンとの結
合体または一般式[II]のジイモニウム塩化合物カチ
オンと金属錯体アニオンとの結合体からなる赤外吸収化
合物の添加量は、全固形分を基準として記録層に対して
1〜60重量%、好ましくは1〜40重量%、より好ま
しくは5〜25重量%が適当である。
【0077】これらの化合物以外に、有機色素薄膜から
なる記録層中にバインダーを含有させても良い。バイン
ダーとしては例えば、ニトロセルロース,リン酸セルロ
ース,硫酸セルロース,酢酸セルロース,プロピオン酸
セルロース,酪酸セルロース,ミリスチン酸セルロー
ス,パリミチン酸セルロース,酢酸・プロピオン酸セル
ロース、酢酸・酪酸セルロースなどのセルロースエステ
ル類、メチルセルロース,エチルセルロース,プロピル
セルロース,ブチルセルロースなどのセルロースエーテ
ル類、ポリスチレン,ポリ塩化ビニル,ポリ酢酸ビニ
ル,ポリビニルブチラール,ポリビニルアセタール,ポ
リビニルアルコール,ポリビニルピロリドンなどのビニ
ル樹脂類、スチレン−ブタジエンコポリマー,スチレン
−アクリロニトリルコポリマー,スチレン−ブタジエン
−アクリロニトリルコポリマー,塩化ビニル−酢酸ビニ
ルコポリマーなどの共重合樹脂類、ポリメチルメタクリ
レート,ポリメチルアクリレート,ポリブチルアクリレ
ート,ポリアクリル酸,ポリメタクリル酸,ポリアクリ
ルアミド,ポリアクリロニトリルなどのアクリル樹脂
類、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル
類、ポリ(4,4′−イソプロピリデンジフェニレン−
コ−1,4−シクロヘキシレンジメチレンカーボネー
ト),ポリ(エチレンジオキシ−3,3′フエニレンチ
オカーボネート),ポリ(4,4′−イソプロピリデン
ジフェニレンカーボネート),ポリ(4,4′−イソプ
ロピリデンジフェニレンカーボネート),ポリ(4,
4′−sec−ブチリデンジフェニレンカーボネー
ト),ポリ(4,4′−イソプロピリデンジフェニレン
カーボネート−ブロック−オキシエチレン)などのポリ
アリレート樹脂類、あるいはポリアミド類、ポリイミド
類、エポキシ樹脂類、フェノール樹脂類、ポリエチレ
ン,ポリプロピレン,塩素化ポリエチレンなどのポリオ
レフイン類などを用いることができる。
【0078】また、記録層中に界面活性剤、帯電防止
剤、安定剤、分散性難燃剤、滑剤、可塑剤などが含有さ
れていてもよい。
【0079】また、記録層と基板の間に下引き層、記録
層の上に保護層を設けても良い。下引き層としては、耐
溶剤性付与、反射率の向上、あるいはくり返し再生の向
上などのために、保護層はキズ、ホコリ、汚れなどから
の保護および記録層の環境安定性などのために用いられ
る。これらに使用される材料は無機化合物、金属あるい
は有機高分子化合物が主に用いられる。無機化合物とし
ては、例えばSiO2 ,MgF2 ,SiO,TiO2
ZnO,TiN,SiNなど、金属としては例えばZ
n,Cu,Ni,Al,Cr,Ge,Se,Cdなど
を、有機高分子化合物としてはアイオノマー樹脂,ポリ
アミド系樹脂,ビニル系樹脂,天然高分子,エポキシ樹
脂,シランカツプリング剤、シリコーン樹脂、液状ゴム
などを用いることが出来る。
【0080】基板としては、ポリエステル,ポリカーボ
ネート,アクリル樹脂,ポリオレフイン樹脂,フエノー
ル樹脂,エポキシ樹脂,ポリアミド,ポリイミドなどの
プラスチック,ガラスあるいは金属類などを用いること
ができる。
【0081】塗工の際に使用できる有機溶剤は、分散状
態とするか、あるいは溶解状態にするかによって異なる
が、一般にメタノール,エタノール,イソプロパノール
などのアルコール類、アセトン,メチルエチルケトン,
シクロヘキサノン,エチルセロソルブ,メチルセロソル
ブ,ジアセトンアルコールなどのケトン類、N,N−ジ
メチルホルムアミド,N,N−ジメチルアセトアミドな
どのアミド類、ジメチルスルホキシドなどのスルホキシ
ド類、テトラヒドロフラン,ジオキサン,エチレングリ
コールモノメチルエーテルなどのエーテル類、酢酸メチ
ル,酢酸エチル,酢酸ブチルなどのエステル類、クロロ
ホルム,塩化メチレン,ジクロルエチレン,四塩化炭
素,トリクロルエチレンなどの脂肪族ハロゲン化炭化水
素類,ベンゼン,トルエン,キシレン,モノクロルベン
ゼン,ジクロルベンゼンなどの芳香族類あるいはn−ヘ
キサン,シクロヘキサノリグロインなどの脂肪族炭化水
素類あるいはテトラフルオロプロパノールやペンタフル
オロプロパノールなどのフッ素系溶剤などを用いること
ができる。
【0082】塗工は、浸漬コーテイング法,スプレーコ
ーテイング法,スピンナーコーテイング法,ビードコー
テイング法,ワイヤーバーコーテイング法,ブレードコ
ーテイング法,ローラーコーテイング法,カーテンコー
テイング法などのコーテイング法を用いて行うことがで
きる。
【0083】このような溶剤を用いて形成される記録層
の膜厚は50Å〜100μm、好ましくは200Å〜1
μmが適当である。
【0084】
【実施例】次に本発明における実施例を挙げて説明する
が、これらに限定されるものではない。
【0085】合成例1 化合物[I]−(21)の合成 MIR−101(みどり化学社製)2.1gと、p−フ
ェニレンジアミン2.7gをジメチルスルホキシド15
ml に溶解した。これにテトラブチルアンモニウムブロ
マイド4.8gのエタノール90ml 溶液を適下した。
さらに攪拌すると赤色針状結晶が折出し、これを濾取し
た。
【0086】水洗、再結晶により精製し、ビス(ジチオ
フェニル)ニッケルテトラブチルアンモニウム1.7g
を得た。吸収スペクトルを測定すると、930nmから
950nmに長波長シフトしていることにより、アニオ
ン体となったことを確認した。
【0087】N,N,N′,N′−テトラキス−(p−
ジ(2−トリフルオロ)エチルアミノフェニル)−p−
ベンゾキノン−アミニウムパークロレート0.4gをD
MF40ml に溶かした液に、上記ビス(ジチオフェニ
ル)ニッケルテトラブチルアンモニウム0.4gを加
え、50℃で3時間加熱攪拌した。この反応液を水中に
注ぎ、得られた沈澱物を水洗、乾燥した後、再結晶を行
い、結合体0.6gを得た。
【0088】DSC測定をし、270℃の過塩素酸塩の
ピークの消失と元素分析により、目的の結合体が得られ
た事を確認した。
【0089】 元素分析値:C74566244Niとして 計算値 C:53.16%, H:3.38%,
N:5.03% 実測値 C:53.01%, H:3.46%,
N:4.97%
【0090】次に、一般式[I]および[II]で表さ
れる赤外吸収化合物を光記録材料として利用した実施例
について述べる。
【0091】実施例1 ウォーレットサイズの厚さ0.4mmのポリカーボネー
ト(以下「PC」と略記する)基板上に熱プレス法によ
りプレグループを設け、その上にポリメチン系色素とし
てIR−820(日本化薬製)と前記赤外吸収化合物
[I]−(21)の混合物(重量比80:20)3重量
部を、ジアセントアルコール97重量部に溶解させた液
をバーコート法により塗布した後、乾燥して1000Å
の記録層を得た。
【0092】さらにその上に、アクリル酸エステル−エ
チレン共重合体ドライフィルムを介して、ウォーレット
サイズの厚さ0.3mmのPC基板と熱ロール法により
密着構造の光記録媒体を作製した。
【0093】こうして作製した本実施例の光記録媒体を
X−Y方向に駆動するステージ上に取り付け、発振波長
830nmの半導体レーザを用いて厚さ0.4mmのP
C基板側より有機薄膜記録層に、記録パワー3.5mW
で記録パルス80μsecでY軸方向に情報を書き込
み、読み出しパワー0.4mWで再生し、そのコントラ
スト比
【0094】
【数1】 を測定した。
【0095】さらに、前記条件で作製した同一記録媒体
を85℃ドライ(dry)の条件下に1000時間放置
して環境保存安定性試験を行った後の反射率(830n
m測定)およびコントラスト比を測定した(キャノン社
製評価機)。また、同一の記録媒体に1KW/m2 のキ
セノンランプ光を200時間照射し耐光安定性試験を行
い、反射率およびコンラスト比を測定した。その結果を
表−1に示す。
【0096】
【表1】
【0097】実施例2〜7 実施例1で用いたポリメチン系色素と赤外吸収化合物を
下記表−2,表−3に示したポリメチン色素または他の
色素と赤外吸収化合物との組合せにかえて実施例1と同
様の方法で記録媒体を作製し、それぞれ実施例2〜7の
光記録媒体とした。上記実施例2〜7の光記録媒体を実
施例1と同様の方法で測定し、その結果を表−4に示
す。
【0098】比較例1,2 実施例3および6で用いた赤外吸収化合物それぞれN
o.[I]−(3)および[I]−(26)を除いた以
外は、実施例1と同様の方法で光記録媒体を作製し、評
価した。その結果を表−4に示す
【0099】比較例3,4 実施例2で用いた赤外吸収化合物No.[I]−(7)
を下記化合物に変えた以外は、実施例1と同様の方法で
光記録媒体を作製し、評価した。その結果を表−4に示
す。
【0100】
【化37】
【0101】
【化38】
【0102】
【表2】
【0103】
【表3】
【0104】
【表4】
【0105】実施例8〜12 直径130mmφ、厚さ1.2mmのインジェクション
成形によりプレグルーブを設けたPC基板上に、下記表
−5に示す有機色素と前記赤外吸収化合物の混合物5重
量部をジアセトンアルコール95重量部に溶解させた液
をスピン塗布により900Åの記録層を設けた。このよ
うにして得た媒体の内周側と外周側に0.3mmのスペ
ーサーをはさみ、紫外線硬化型接着剤で他のPC基板と
貼合せエアーサンドイッチ構造の光記録媒体を得た。
【0106】こうして作成した光学的記録媒体をターン
テーブル上に取り付け、ターンテーブルをモータで18
00rpmに回転させて、発振波長830nmの半導体
レーザを用いて、基板側より有機薄膜記録層に、記録パ
ワー8mWで記録周波数3MHzで情報を書込み、読み
出しパワー0.8mWで再生し、その再生波形をスペク
トル解析(スキヤニングフイルター、バンド幅30KH
z)してC/N比(キヤリヤ/ノイズ比)を測定した。
【0107】次に、同じ記録媒体を前記測定条件で記録
した部分を繰り返し105 回読み出し後のC/N比を測
定した。こうして作成した光記録媒体を実施例1と同様
の条件の環境保存安定性試験および耐光安定性試験を行
い、その後の反射率およびC/N比を測定した。その結
果を表−6に示す。
【0108】比較例5、6 実施例8および11で用いた赤外吸収化合物No.[I
I]−(5)および[I]−(18)を除いた以外は、
実施例8および11と同様の方法で光記録媒体を作製
し、評価した。その結果を表−6に示す。
【0109】比較例7 実施例9で用いた赤外吸収化合物No.[I]−(1
1)を下記の金属錯体化合物に変えた以外は、実施例9
と同様の方法で光記録媒体を作製しようとしたが、下記
金属錯体の溶解性が悪いため、塗布後、結晶が析出して
しまった。C/Nも非常にノイズレベルの幅が広くなっ
てしまった。
【0110】
【化39】
【0111】
【表5】
【0112】
【表6】
【0113】実施例13、14 直径130mmφ、厚さ1.2mmのポリメチルメタク
リレート(以下「PMMA」と略記する)基板上に、エ
ポキシ−アクリレート系紫外線硬化樹脂を用いて2P法
(フォト・ポリマー法)で厚さ30μのプレグルーブを
設けた。その基板上に、下記表−7に示す有機色素と赤
外吸収化合物の組み合せの混合物2重量部を1,2−ジ
クロルエタンに溶解させた液をスピナー塗布法により塗
布し、乾燥膜厚900Åの有機薄膜記録層を得た。こう
して作成した光記録媒体を実施例8〜12と同様の方法
で測定し、評価した。その結果を表−8に示す。
【0114】実施例15、16 下記表−7に示す有機色素と赤外吸収化合物の組み合せ
の混合物4重量部とニトロセルロース樹脂(オーハレス
ラツカー,ダイセル化学(株)製)1重量部をジアセト
ンアルコール95重量部に混合させた液をスピナー塗布
法により、プレグルーブを設けた直径130mmφ、厚
さ1.2mmのポリカーボネート基板上に塗布し、乾燥
膜厚950Åの有機薄膜記録層を得た。こうして作成し
た光学記録媒体を実施例8〜12と同様の方法で測定
し、その結果を表−8に示す。
【0115】
【表7】
【0116】
【表8】
【0117】実施例17 前記実施例1の有機色素と前記赤外吸収化合物No.
[I]−(30)の混合物(重量比80:20)3重量
部をジアセトンアルコール97重量部を溶解させた液
を、実施例1で用いたウォーレットサイズのプレグルー
ブ付きの0.4mm厚PC基板に、ロールコート法によ
り、乾燥膜厚1000Åの記録層を作成した。この様に
して、200枚のPC基板に連続的に記録層を作製し
た。
【0118】その後、記録層上に実施例1と同様の方法
で、密着構造の光記録媒体を作製した。1枚目、10枚
目、50枚目、100枚目、200枚目に作製した光記
録媒体について、X−Y方向に駆動するステージ上に取
り付け、発振波長830nmの半導体レーザを用いて、
厚さ0.4mmのPC基板側より、スポットサイズ3μ
mφ、記録パワー10mW、記録周波数150KHzで
Y軸方向に情報を記録し、読み出しパワー0.5mWで
再生し、その再生波形をスペクトル解析(スキャンニン
グフィルター、バンド幅1KHz)してC/N比を測定
した。その結果を表−9に示す。
【0119】比較例8 実施例17で用いた赤外吸収化合物No.[I]−(3
0)を比較例3で用いた赤外吸収化合物に、変えた以外
は実施例17と同様の方法で光記録媒体を作製し、実施
例17と同様の方法で、C/N比を測定した。結果を表
−9に示す。
【0120】
【表9】
【0121】比較例8においては、枚数が増えるにつれ
て、ノイズレベルが上がり、C/N比が低下した。これ
は、比較例8で用いた赤外吸収化合物の溶剤溶解性が十
分でなく、複数枚の基板に塗布した時におこる塗布溶液
のわずかな濃度変化によっても容易に固形物、例えば微
結晶の析出が生じ、これがノイズの原因になったと考え
られる。
【0122】これに対し、本発明のフッ素を含有する一
価の有機残基を有するアミニウム塩・ジイモニウム塩化
合物と金属錯体化合物の結合体は、プラスチックをおか
さないで、溶剤溶解性が高く、塗布工程における多少の
濃度変化によっても結晶が生じにくいため、記録層中に
結晶が混入することがなくノイズレベルの低い光記録媒
体を得ることができると考えられる。
【0123】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の一般式
[I]または[II]で示されるアミニウム塩・ジイモ
ニウム塩化合物と金属錯体化合物の結合体およびそれを
用いた光記録媒体とすることにより、 耐光性を著しく向上させ、色素に対して少ない添加量
でも優れた光劣化抑制効果のある光記録媒体を得ること
ができる。 フッ素を含有する一価の有機残基を導入したアミニウ
ム塩・ジイモニウム塩化合物と金属錯体化合物の結合体
はプラスチックをおかさない汎用有機溶剤に対する溶解
性が著しくよいため、光記録媒体の生産性が大幅に向上
する。 高温、高湿度環境条件下において光記録媒体が得られ
る。 有機色素の高反射率・高感度などの優れた特性を低下
させることなく、レーザーパワーに対して明確なしきい
値を有する光記録媒体が得られる。 等の効果が得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−24146(JP,A) 特開 平1−113482(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09K 3/00 105 G11B 7/24 516 B41M 5/26 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式[I]または[II]で表わ
    される赤外吸収化合物。 【化1】 (式中、Aは 【化2】 を示し、Bは 【化3】 を示し、A,Bはアルキル基,ハロゲン基,アルコキシ
    基,シアノ基で置換されていてもよい。nは1または2
    を示す。X- は金属錯体アニオンを示す。RF は少なく
    とも1つ以上はフッ素を含有する一価の有機残基であ
    り、R1 からR7 はRF 、水素原子または一価の有機残
    基であり、RF ,R1 からR7 はそれぞれ同じであって
    も異っていてもよい。)
  2. 【請求項2】 RF は少なくとも1つ以上はフッ素を含
    有する置換もしくは末置換のアルキル基、置換もしくは
    末置換のアルケニル基、置換もしくは末置換のアラルキ
    ル基又は置換もしくは末置換のアリール基である。R1
    からR7 は水素原子、RF または置換もしくは末置換の
    アルキル基、置換もしくは末置換のアルケニル基、置換
    もしくは末置換のアラルキル基又は置換もしくは末置換
    のアリール基である。また、RF とR1 ,R2 とR3
    4 とR5 ,R6 とR7 の組み合せでNとともに置換も
    しくは末置換の5員環、置換もしくは末置換の6員環、
    置換もしくは末置換の7員環を形成してもよい請求項1
    記載の赤外吸収化合物。
  3. 【請求項3】 有機色素薄膜中に、請求項1記載の一般
    式[I]または[II]で表わされる赤外吸収化合物を
    含有することを特徴とする光記録媒体。
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