JP2811442B2 - シアニン色素化合物 - Google Patents

シアニン色素化合物

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JP2811442B2
JP2811442B2 JP9344063A JP34406397A JP2811442B2 JP 2811442 B2 JP2811442 B2 JP 2811442B2 JP 9344063 A JP9344063 A JP 9344063A JP 34406397 A JP34406397 A JP 34406397A JP 2811442 B2 JP2811442 B2 JP 2811442B2
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由夫 稲垣
明弘 高沢
雅夫 矢部
利昭 久保
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規なシアニン色
素化合物に関し、特にレーザーによる情報の書き込みが
可能な記録層が設けられた情報記録媒体の記録材料とし
て有利に用いられるシアニン色素化合物に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】近年において、レーザー光等の高エネル
ギー密度のビームを用いる情報記録媒体が開発され、実
用化されている。一般の追記型(DRWA型)の情報記
録媒体は、基本構造としてプラスチック、ガラス等から
なる円盤状の透明基板と、この上に設けられたBi、S
n、In、Te等の金属または半金属からなる記録層と
を有する。記録媒体への情報の書き込みは、たとえばレ
ーザービームを記録媒体に照射することにより行なわ
れ、記録層の照射部分がその光を吸収して局所的に温度
上昇する結果、ピット形成等の物理的変化あるいは相変
化等の化学的変化を生じて、その光学的特性を変えるこ
とにより情報が記録される。光ディスクからの情報の読
み取りもまた、レーザービームを光ディスクに照射する
ことなどにより行なわれ、記録層の光学的特性の変化に
応じた反射光または透過光を検出することにより情報が
再生される。
【0003】記録層の記録材料として低融点金属や半金
属を用いた場合には、記録感度や保存性が充分でない、
あるいは製造コストが高い等の欠点があった。近年、比
較的長波長の光で物性変化し得る色素を記録層に用いる
ことが提案され、また実施されている。このような記録
層からの情報の記録再生を行なうために用いられるレー
ザー光としては、一般に半導体レーザーが利用されてい
る。半導体レーザーが放射するレーザー光の波長は、近
赤外線領域あるいはこの付近の波長領域に存在する。
【0004】このような、長波長側に吸収領域を持つ色
素の代表的なものとして、シアニン系色素が良く知られ
ている。シアニン系色素の中でも、後記の一般式(I)
で表わされる本発明の化合物と同じイミダゾ[4,5−
b]キノキサリン骨格を有するシアニン化合物は、光デ
ィスクの記録層の記録材料として使用した場合、特に反
射率が高いことで注目されている。このような化合物
は、既に米国特許第3,431,111号、及び同3,
632,808号に開示されている。さらに、上記イミ
ダゾ[4,5−b]キノキサリン環を有するシアニン化
合物を基板上に設けたことを特徴とする情報記録媒体が
特開昭60−162691号公報および特開平2−57
2号公報に開示されている。
【0005】上記のようなイミダゾ[4,5−b]キノ
キサリン環を有するシアニン化合物からなる色素記録層
が基板上に形成された情報記録媒体は、一般に良好な記
録再生特性を示し、さらに例えば会合状態を形成させる
等の製造方法を選択することにより、780mmないし
830mm付近の波長の光に対する反射率を60%以上
の著しく高い値にすることができる。そして、高反射率
にすることにより、変調度、C/N等を向上させること
ができる。しかし、このような高反射率を有する情報記
録媒体は高温下に保存するとその記録層が結晶化し易
く、長期保存した際に記録再生特性が低下するとの問題
があった。すなわち、従来知られたイミダゾ[4,5−
b]キノキサリン環を有するシアニン化合物は、高反射
率記録層を形成した場合の耐熱性が不十分であり、高反
射率記録層を形成した場合の保存安定性に優れたシアニ
ン色素化合物が求められていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、新規なイミ
ダゾ[4,5−b]キノキサリン環を有するシアニン色
素化合物を提供することを目的とする。本発明は特に、
高い反射率と優れた保存安定性を示す新規なシアニン色
素化合物を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、下記一般式
(I)で表わされるシアニン色素化合物にある。
【0008】
【化3】
【0009】[ただし、Aは、Aと結合している炭素原
子と共にベンゼン環またはナフタレン環を完成するため
の原子群を表わし、Tは炭素原子数が2〜6のアルキレ
ン基または炭素原子間に1〜3個の硫黄原子もしくは酸
素原子が介在している炭素原子数が2〜6のアルキレン
基を表わし、Rは炭素原子数1〜8のアルキル基を表わ
し、Lは1個のメチン基または3、5もしくは7個のメ
チン基が共役二重結合により連結している三価の基を表
わし、XP-は陰イオンを表わし、pは1、2または3を
表わす。]
【0010】本発明のシアニン色素化合物の好ましい態
様は下記の通りである。 1)一般式(I)において、Aは無置換のベンゼン環を
完成する原子群を表わし、Tは炭素原子数が2〜6のア
ルキレン基または炭素原子間に1または2個の硫黄原子
もしくは酸素原子を介在した炭素原子数が2〜6のアル
キレン基を表わし、Rは炭素原子数が1〜8のアルキル
カルボニルオキシ基またはハロゲン原子で置換されてい
てもよいアルキル基を表わし、そしてLはアルキル基、
アルコキシ基、フェニル基またはベンジル基で置換され
ていてもよい3、5または7個のメチン基が共役二重結
合により連結している三価の連結基であるもの。 2)一般式(I)において、Rは炭素原子数が1〜2の
無置換またはアルキルカルボニルオキシ基で置換された
アルキル基を表わし、そしてLは3、5または7個の無
置換のメチン基が共役二重結合により連結している価の
連結基であるもの。
【0011】
【発明の実施の形態】一般式(I)においてAで表わさ
れる原子群によって完成されるベンゼン環またはナフタ
レン環上の置換基として好ましいものは、水素原子、ハ
ロゲン(F、Cl、Br、I)、炭素原子数1〜8のア
ルキル基およびフェニル基である。さらに上記置換基
は、ベンゼン環の炭素原子と共にして5または6員の脂
肪族環また酸素を含む複素環を形成してもよい。(例え
ば、−O−CH2 −O−となってジオキソラン環を形成
する)。Aで表わされる原子群として好ましいものは無
置換のベンゼン環を完成する原子群である。
【0012】Tで表わされるアルキレン基または炭素原
子間に2または3個の硫黄原子もしくは酸素原子が介在
したアルキレン基としては、炭素原子数2ないし6のも
のが好ましい。
【0013】Rで表わされるアルキル基としては炭素原
子数1〜8のものが好ましく、アルキルカルボニルオキ
シ基、ハロゲン原子で置換されていてもよい。特に好ま
しくは、炭素原子数が1〜2の無置換またはアルキルカ
ルボニルオキシ基で置換されていてもよいアルキル基で
ある。
【0014】T−S−Rで表わされる基におけるTとR
の特に好ましい組み合わせは、この基の総炭素原子数3
〜7、特に4となるものである。
【0015】Lで表わされる基を構成するメチン基は、
アルキル基、アルコキシ基、フェニル基またはベンジル
基で置換されていてもよいが、好ましくは無置換のもの
である。Lとしては、3、5、または7個のメチン基が
共役二重結合により連結している三価の連結基が特に好
ましい。
【0016】XP-で表わされる陰イオンは、陽イオン部
分の陽電荷と同数の陰電荷を提供するものであり、XP-
は、A、T、RまたはL上の置換基となって分子内塩を
形成していてもよい。XP-として好ましいものは、ハラ
イドイオン、スルホン酸イオン、リン酸およびそれから
誘導される置換リン酸イオン(ホスホン酸、リン酸モノ
エステル、リン酸ジエステルなどの陰イオン、PF6
- )、BF4 -、アルキルトリフェニルボレート、テトラ
フェニルボレートなどのホウ酸誘導体イオン、過塩素酸
イオンである。Xとして特に好ましいものは、I- 、C
3 SO3 -、炭素原子数1〜8のアルカンスルホン酸イ
オン、ベンゼンスルホン酸イオン、パラトルエンスルホ
ン酸イオン、パラクロロベンゼンスルホン酸イオン、P
6 - 、BF4 -、ClO4 -であるが、合成の中間段階で
用いられた他の陰イオンが微量混入していてもよい。
【0017】次に本発明の一般式(I)で表わされるシ
アニン系色素の具体例を挙げる。
【0018】
【化4】
【0019】
【化5】
【0020】
【化6】
【0021】
【化7】
【0022】
【化8】
【0023】
【化9】
【0024】
【化10】
【0025】
【化11】
【0026】本発明の一般式(I)で表わされるシアニ
ン色素化合物は、米国特許第3,431,111号に記
載された方法を参考にして合成できる。具体的には、
2,3−ジクロロキノキサリンのアルキルチオアルキル
アミンを反応させて2,3−ビス(アルキルチオアルキ
ルアミノ)キノキサリンを合成した後、酸の存在下に無
水酢酸を作用させて1,3−ビス(アルキルチオアルキ
ル)−2−メチルイミダゾ[4,5−b]キノキサリニ
ウム塩を得、この塩を1,1,3,3−テトラメトキシ
プロパン、マロンジアルデヒドジアニル、グルタコンア
ルデヒドジアニル塩酸塩オルトギ酸エチルなどを反応さ
せて本発明のシアニン色素化合物を得ることができる。
【0027】本発明の一般式(I)のシアニン色素化合
物は、基板上にレーザーによる情報の書き込みが可能な
色素記録層が設けられた基本構造を有する情報記録媒体
において、色素記録材料として有利に用いられる。本発
明者は、塗布により形成可能な生産性に優れた色素を用
いた記録層であって、且つ高い反射率と優れた記録再生
特性を維持しながら、保存安定性が向上した色素記録層
を得るために鋭意検討を重ねてきた。反射率の高い記録
層が得られる色素として、イミダゾキノキサリン骨格を
有する色素が既に知られているが保存安定性が充分とは
いえなかった。本発明者の検討の結果、前記一般式
(I)のシアニン色素化合物を使用することにより高い
反射率と優れた記録再生特性を維持しながら、保存安定
性が顕著に向上した色素記録層を得ることができること
が明らかとなった。
【0028】情報記録媒体の基板材料の例としてはソー
ダ石灰ガラス等のガラス、ポリメチルメタクリレート等
のアクリル樹脂、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル共重合体
等の塩化ビニル系樹脂、エポキシ樹脂、およびポリカー
ボネートを挙げることができる。寸度安定性、透明性お
よび平面性等の点から、好ましいものはポリメチルメタ
クリレート、ポリカーボネート、エポキシ樹脂およびガ
ラスである。
【0029】記録層が設けられる側の基板表面には、平
面性の改善、接着力の向上および記録層の変質の防止の
目的で下塗層が設けられていてもよい。下塗層の材料と
しては、たとえば、ポリメチルメタクリレート、アクリ
ル酸・メタクリル酸共重合体、ニトロセルロース、ポリ
エチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート等の高分
子物質、シランカップリング剤等の有機物質、および無
機酸化物(SiO2 、Al23 等)、無機弗化物(M
gF2 )などの無機物質が挙げられる。
【0030】ガラス基板の場合は、基板から遊離するア
ルカリ金属イオンおよびアルカリ土類金属イオンによる
記録層への悪影響を防止するために、スチレン・無水マ
レイン酸共重合体などの親水性基および/または無水マ
レイン酸基を有するポリマーからなる下塗層が設けられ
ているのが望ましい。下塗層は、たとえば上記物質を適
当な溶剤に溶解または分散したのち、この塗布液をスピ
ンコート、ディップコート、エクストルージョンコート
などの塗布法により基板表面に塗布することにより形成
することができる。
【0031】また、基板上にはトラッキング用溝または
アドレス信号等の情報を表わす凹凸形成の目的で、プレ
グループ層が設けられてもよい。プレグループ層の材料
としては、アクリル酸のモノエステル、ジエステル、ト
リエステルおよびテトラエステルのうち少なくとも一種
のモノマー(またはオリゴマー)と光重合開始剤との混
合物を用いることができる。プレグループ層の形成は、
まず精密に作られた母型(スタンバー)上に上記のアク
リル酸エステルおよび重合開始剤からなる混合液を塗布
し、更にこの塗布液層上に基板を載せたのち、基板また
は母型を介して紫外線の照射により液層を硬化させて基
板と液層とを固着させる。次いで、基板を母型から剥離
することにより、プレグループ層の設けられた基板が得
られる。プレグループ層の層厚は、一般に0.05〜1
00μmの範囲にあり、好ましくは0.1〜50μmの
範囲にある。また、プラスチック基板の場合は基板形成
時に直接基板表面にプレグループを設けてもよい。
【0032】情報記録媒体は、基板上に(所望により下
塗層および/またはプレグループ層を介して)中間層が
設けられてもよい。基板表面への中間層の形成は、公知
の塗布方法により行なうことができる。公知の塗布方法
の例としてはスピンコート法、ディップコート法などを
挙げることができる。塗布法により形成される中間層の
例としては、接着層、断熱層、反射層、感度強化層(ガ
ス発生層)などを挙げることができる。中間層の層厚
は、一般に10〜1000オングストロームの範囲にあ
り、好ましくは100〜500オングストロームの範囲
にある。
【0033】中間層が断熱層である場合には、例えばポ
リメチルメタクリレート、アクリル酸・メタクリル酸共
重合体、スチレン・無水マレイン酸共重合体、ポリビニ
ルアルコール、N−メチロールアクリルアミド共重合
体、スチレンスルホン酸共重合体、スチレン・ビニルト
ルエン共重合体、塩素化ポリエチレン、クロルスルホン
化ポリエチレン、ニトロセルロース、ポリ塩化ビニル、
ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリイ
ミド、酢酸ビニル・塩化ビニル共重合体、エチレン・酢
酸ビニル共重合体、ポリカーボネート等の高分子物質、
あるいはシランカップリング剤を溶剤に溶解させた塗布
液を用いて形成することができる。あるいは、ポリテト
ラフロロエチレン等のフッ素樹脂をスパッタリングなど
の蒸着を行なうことにより中間層を形成してもよい。好
ましくは、塩素化ポリエチレンまたはフッ素樹脂からな
る中間層である。断熱層の設置により、レーザービーム
の照射による熱エネルギーが記録層から基板等へ熱伝導
によって損失するのを低減することができ、かつ中間層
の被照射部分からガスが発生してピットの形成が容易と
なり、従って記録感度を高めるとともに読取誤差(ビッ
トエラーレート)を低減することができる。
【0034】基板上(所望により下塗層、プレグループ
層及び/又は中間層上)に、上記本発明の前記一般式
(I)のシアニン色素化合物からなる記録層が設けられ
る。
【0035】色素記録層の形成に際しては、本発明の一
般式(I)で表わされるシアニン色素化合物を単独で用
いてもよく、二種以上併用してもよい。さらに、従来よ
り情報記録媒体の記録材料として知られている任意の色
素を併用してもよい。たとえば本発明のシアニン色素化
合物以外のシアニン系色素、フタロシアニン系色素、ピ
リリウム系・チオピリリウム系色素、アズレニウム系色
素、スクワリリウム系色素、Ni、Crなどの金属錯塩
系色素、ナフトキノン系・アントラキノン系色素、イン
ドフェノール系色素、インドアニリン系色素、トリフェ
ニルメタン系色素、トリアリルメタン系色素、アミニウ
ム系・ジインモニウム系色素およびニトロソ化合物を挙
げることができる。
【0036】また、耐光性を向上させるためにいわゆる
一重項酸素クエンチャーとして知られている種々の色
素、例えば下記の一般式(II)もしくは(III)で表わさ
れる化合物を併用してもよい。
【0037】
【化12】
【0038】
【化13】
【0039】(ただし、[Cat]+ はテトラアルキル
アンモニウムなどの非金属陽イオンを表わし、MはNi
などの遷移金属原子を表わし、AおよびA’は置換され
ていてもよいベンゼン環、2−チオクソ−1,3−ジオ
チール環などの5ないし6員の芳香族もしくはヘテロ環
を完成するための原子団を表わす、またRは、置換基を
有していてもよいアルキル基を表わし、Yは一般式
(I)のXで示したものと同じ陰イオンを表わす)
【0040】一般式(II)もしくは(III)で表わされる
クエンチャーの具体例としては、PA−1006(三井
東圧ファイン(株))、IRG−023(日本化薬
(株))などを挙げることができる。
【0041】記録層は、シアニン色素化合物、更に所望
によりクエンチャー、結合剤などを溶剤に溶解して塗布
液を調製し、次いで、この塗布液を基板表面に塗布して
塗膜を形成したのち乾燥することにより形成することが
できる。シアニン色素化合物のカチオンと、クエンチャ
ーのアニオンとの結合体を使用することもできる。
【0042】クエンチャーはシアニン色素化合物1モル
あたり、一般に0.05〜12モル好ましくは0.1〜
1.2モル使用される。クエンチャーは色素記録層に含
有させることが好ましいが、記録層とは別の層に含有さ
せてもよい。
【0043】色素記録層の形成は、上記色素(所望によ
り上記クエンチャー、結合剤を加えて)を有機溶剤に溶
解して塗布液を調製し、次いでこの塗布液を基板表面に
塗布して塗膜を形成したのち乾燥することにより行なう
ことができる。
【0044】色素塗布液調製用の溶剤としては、酢酸エ
チル、酢酸ブチル、セロソルブアセテートなどのエステ
ル、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルイ
ソブチルケトンなどのケトン、ジクロルメタン、1,2
−ジクロルエタン、クロロホルムなどのハロゲン化炭化
水素、テトラヒドロフラン、エチルエーテル、ジオキサ
ンなどのエーテル、エタノール、n−プロパノール、イ
ソプロパノール、n−ブタノールなどのアルコール、ジ
メチルホルムアミドなどのアミド、2,2,3,3−テ
トラフロロプロパノール等フッソ系溶剤などを挙げるこ
とができる。
【0045】色素記録層を設ける場合、その塗布液に添
加する有機溶剤にフッ素系溶剤を使用することが好まし
く、これにより色素モノマーの会合形成を促進し、効率
よくかつ容易に長波長(好ましくは色素のエタノール溶
液が示す吸収極大波長より70nm以上長波長)に吸収
極大を有する色素記録層を形成することができる。
【0046】上記のフッ素系溶剤(フッ素含有化合物)
の例としては、フッ素化アルコール、フッ素置換ケト
ン、フッ素置換エステル、フッ素化カルボン酸、フッ素
置換アミド、フッ素置換ベンゼン、フッ素化アルカンお
よびフッ素化エーテルを挙げることができる。上記フッ
素系溶剤(フッ素含有化合物)は特開昭63−1590
90号公報(米国特許4,832,992号)に記載さ
れている。
【0047】フッ素化アルコールとしてはたとえば、 一般式(IV): A−CH2 OH (IV) (ただし、Aは、F(Cn2n)またはH(Cn2n
であり、nは1乃至6の整数である)で表わされる化合
物を挙げることができ、Aは直鎖であっても分岐してい
てもどちらでもよい。その具体例としては下記化合物が
挙げられる。
【0048】H−CF2 −CF2 −CH2 OH H−CF2 −CF2 −CF2 −CF2 −CH2 OH CF3 −CH2 OH F−CF2 −CF2 −CH2 OH F−CF2 −CF2 −CF2 −CF2 −CH2 OH
【0049】塗布液中のシアニン色素化合物の濃度は、
塗布液の全重量に対して、0.1〜20重量%が好まし
く、特に好ましくは1〜5重量%である。
【0050】塗布液中にはさらに酸化防止剤、UV吸収
剤、可塑剤、滑剤など各種の添加剤を目的に応じて添加
してもよい。
【0051】結合剤を使用する場合に結合剤としては、
たとえばゼラチン、ニトロセルロース、酢酸セルロース
等のセルロース誘導体、デキストラン、ロジン、ゴムな
どの天然有機高分子物質、およびポリエチレン、ポリプ
ロピレン、ポリスチレン、ポリイソブチレン等の炭化水
素系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ
塩化ビニル・ポリ酢酸ビニル共重合体等のビニル系樹
脂、ポリアクリル酸メチル、ポリメタクリル酸メチル等
のアクリル樹脂、ポリビニルアルコール、塩素化ポリオ
レフィン、エポキシ樹脂、ブチラール樹脂、ゴム誘導
体、フェノール・ホルムアルデヒド樹脂等の熱硬化性樹
脂の初期縮合物などの合成有機高分子物質を挙げること
ができる。記録層の材料として結合剤を併用する場合
に、結合剤に対する色素の比率は一般に0.01〜99
%(重量比)の範囲にあり、好ましくは1.0〜95%
(重量比)の範囲にある。
【0052】塗布方法としては、スプレー法、スピンコ
ート法、ディップ法、ロールコート法、ブレードコート
法、ドクターロール法、スクリーン印刷法などを挙げる
ことができる。
【0053】色素記録層内またはこれに隣接する層内に
は、色素の劣化を防ぐため、酸化防止剤もしくは褪色防
止剤を存在させてもよい。
【0054】色素記録層は単層でも重層でもよいが、そ
の層厚は一般に0.01μm〜2μmの範囲にあり、好
ましくは0.02〜0.8μmの範囲にある。また、記
録層は基板の片面のみならず両面に設けられていてもよ
い。
【0055】色素記録層を設ける場合、上記のように有
機溶剤にフッ素系溶剤を用いて、色素の会合形成を促進
し、効率よくかつ容易に、長波長(好ましくは色素のエ
タノール溶液が示す吸収極大波長より70nm以上長波
長)に吸収極大を有する色素記録層を形成することが、
記録または再生時に使用するレーザーの発振波長の領域
で光の吸収が大きくなるので好ましい。このような吸収
極大波長を、より長波長に吸収極大を有するように色素
記録層を形成する方法としては、例えば、上記色素およ
びフッ素系溶剤を含む塗布液を調製した後、基板上に該
塗布液を塗布乾燥することによって行なわれる。すなわ
ち、フッ素系溶剤を含む(適宜、他の有機溶剤、結合剤
を含有される)色素塗布液を塗布することが、該色素モ
ノマーの会合体からなる色素記録層を形成させるために
極めて有効であることを意味している。このような色素
の会合状態は、該色素の溶解できる臨界点付近で形成さ
れ易いと推測されることから、フッ素系溶剤を含まない
塗布液であっても形成される場合もあるが、フッ素系溶
剤を使用することにより塗布液の調製が極めて容易で且
つ会合状態も形成され易いとの利点がある。
【0056】これ以外にも、基板を一定方向に延伸した
り、表面を摩擦したりした後色素を塗布する方法、色素
を塗布する前に基板上にハロゲン化銀等蒸着等により層
形成しておき、色素の配向を促進する方法、塗布液中で
色素モノマーを会合させるため塗布液の濃度を高くした
り、塗布液に塩類、樹脂を添加したりする方法、あるい
は色素層形成後、該色素層に機械的または熱的刺激を付
与して色素モノマーを会合状態に変化させる方法等を利
用することができる。
【0057】色素記録層の上に、情報の再生時における
C/Nの向上および反射率の向上の目的で、反射層を設
けてもよい。反射層の材料である光反射性物質はレーザ
ー光に対する反射率が高い物質であり、その例として
は、Mg、Se、Y、Ti、Zr、Hf、V、Nb、T
a、Cr、Mo、W、Mn、Re、Fe、Co、Ni、
Ru、Rh、Pd、Ir、Pt、Cu、Ag、Au、Z
n、Cd、Al、Ga、In、Si、Ge、Te、P
b、Po、Sn、Biなどの金属および半金属あるいは
ステンレス鋼を挙げることができる。これらのうちで好
ましいものは、Cr、Ni、Pt、Cu、Ag、Au、
Alおよびステンレス鋼である。これらの物質は単独で
用いてもよいし、あるいは二種以上の組合せでまたは合
金として用いてもよい。反射層は、例えば上記光反射性
物質を蒸着、スパッタリングまたはイオンプレーティン
グすることにより記録層の上に形成することができる。
反射層の層厚は一般には100〜3000オングストロ
ームの範囲にある。
【0058】反射層の上には、記録層を物理的および化
学的に保護する目的で保護層が設けられてもよい。この
保護層は、基板の記録層が設けられていない側にも耐傷
性、耐湿性を高める目的で設けられてもよい。保護層の
形成に用いられる材料の例としては、SiO、SiO
2 、MgF2 、SnO2 、Si34 等の無機物質、そ
して熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、UV硬化性樹脂等の
有機物質を挙げることができる。保護層は、たとえばプ
ラスチックの押出加工で得られたフィルムを接着層を介
して記録層(または銀塩層あるいは反射層)上、及び/
又は基板上にラミネートすることにより形成することが
できる。あるいは真空蒸着、スパッタリング、塗布等の
方法により設けられてもよい。また、熱可塑性樹脂、熱
硬化性樹脂の場合には、これらを適当な溶剤に溶解して
塗布液を調製した後、この塗布液を塗布し、乾燥するこ
とによっても形成することができる。UV硬化性樹脂の
場合には、そのままもしくは適当な溶剤に溶解して塗布
液を調製したのちこの塗布液を塗布し、UV光を照射し
て硬化させることによっても形成することができる。こ
れらの塗布液中には、さらに帯電防止剤、酸化防止剤、
UV吸収剤等の各種添加剤を目的に応じて添加してもよ
い。保護層の膜厚は一般には0.1〜100μmの範囲
にある。
【0059】情報記録媒体は、上記構成の単板であって
もよいが、あるいはさらに上記構成を有する二枚の基板
を記録層が内側となるように向い合わせ、接着剤等を用
いて接合することにより、貼合せタイプの記録媒体を製
造することもできる。あるいはまた、二枚の円盤状基板
のうちの少なくとも一方に上記構成を有する基板を用い
て、リング状内側スペーサとリング状外側スペーサとを
介して接合することにより、エアーサンドイッチタイプ
の記録媒体を製造することもできる。
【0060】情報記録媒体を用いて情報を記録および再
生する方法は、例えば次のように行なわれる。まず、情
報記録媒体を定線速度(CDフォーマットの場合は1.
2〜1.4m/秒)または定角速度にて回転させなが
ら、基板側から半導体レーザー光などの記録用の光を照
射する。この光の照射により、レーザーパワーが低い時
は会合状態にある色素からなる記録層のその会合状態を
変化(通常レーザー照射に会合状態がより密となり結晶
に近い状態に変化する)させることにより情報が記録さ
れる。また、レーザーパワーが大きい場合は、会合状態
にある色素からなる記録層に凹部(ピット)を形成する
ことにより情報が記録される。但し、記録層上に反射層
や保護層を形成した場合は凹部形成は難しくなる。一般
に、記録光としては750nm〜850nmの範囲の発
振波長を有する半導体レーザービームが用いられる。
【0061】情報の再生は、情報記録媒体を上記と同一
の定線速度で回転させながら半導体レーザー光を基板側
から照射して、その反射光を検出することにより行なう
ことができる。
【0062】
【実施例】
[合成例1および2:化合物3および6の合成]2,3
−ジクロロキノキサリン15gとトリエチルアミン40
mLの混合物50℃に加熱しつつ3−メチルチオプロピ
ルアミン34gを30分間にわたって滴下した。トリエ
チルアミンを留去しつつ6時間40分にわたって加熱攪
拌した。水500mLを加え、生じた結晶を濾取し2,
3−ビス(3−メチルチオプロピルアミノ)モノキサリ
ンの粗結晶26gを得た。2,3−ビス(3−メチルチ
オプロピルアミノ)キノキサリン20.1gにパラトル
エンスルホン酸−水和物11.4gと無水酢酸200m
Lとを加え、3.5時間にわたり加熱還流した。
【0063】無水酢酸を留去した後酢酸エチル200m
Lを加え固形物を濾取した。この固形物は1,3−ビス
(3−メチルチオプロピル)−2−メチルイミダゾ
[4,5−b]キノキサリニウムパラトルエンスルホネ
ート(化合物6)の粗製品である。この固形物にピリジ
ン100mLと1,1,3,3−テトラメトキシプロパ
ン45mLを加え、1時間加熱還流した。溶媒を留去し
た後、メタノール1Lを加え、不溶物を濾過して除き、
濾液にテトラブチルアンモニウム過塩素酸塩20gをメ
タノール150mLに溶かして加えた。生じた結晶を濾
取し、メタノールで洗浄し粗結晶20gを得た。この結
晶をクロロホルムとメタノールの混合物より再結晶して
6.1gの化合物3を得た。融点は216〜218℃で
あった。
【0064】[合成例3:化合物18の合成]2,3−
ジクロロキノキサリン7g、2−エチルチオエチルアミ
ン塩酸塩10gおよびトリエチルアミン30mLを混合
し、3時間にわたって加熱還流した。揮発分を留去した
後、水150mLを加えクロロホルムで抽出した。クロ
ロホルムを留去した後無水酢酸60mLとパラトルエン
スルホン酸一水和物6.7gを加え2時間にわたって加
熱還流した。無水酢酸を留去した後50mLのアセトン
と酢酸エチル250mLを加え、生じた固形物を濾取し
た。収量6.2g。この固形物5.3gにピリジン20
mLと1,1,3,3−テトラメトキシプロパン5mL
とを加え1時間加熱還流した。溶媒を留去した後酢酸エ
チル50mLを加え、生じた結晶を濾取し、酢酸エチル
で洗浄して4.4gの化合物を得た。メタノールから再
結晶した後の融点は180〜183℃であった。
【0065】[合成例4:化合物19の合成]化合物1
8の結晶1gをメタノール100mLに溶解し、過塩素
酸テトラブチルアンモニウム1gを20mLのメタノー
ルに溶かして加えた。生じた結晶を濾取し、メタノール
で洗浄して化合物18の結晶0.8gを得た。融点は1
87〜190℃であった。
【0066】[合成例5:化合物7の合成]合成例1で
得た化合物6のメタノール溶液(1g/100mL)に
ヨウ化カリウムのメタノール溶液を加え、生じた結晶を
濾取し、メタノールで洗浄した。クロロホルムとメタノ
ールの混合溶媒より再結晶して化合物7の結晶0.7g
を得た。
【0067】[合成例6:化合物22の合成]化合物6
のメタノール溶液(1g/100mL)にピリジン5m
LとHBF4の60%水溶液1mLとを加え、生じた結
晶を濾取し、メタノールクロロホルムの混合物より再結
晶して化合物22の結晶0.8gを得た。
【0068】[合成例7:化合物20の合成]化合物6
のメタノール溶液(1g/100mL)にピリジン5m
LとHPF6の60%水溶液1mLを加え、生じた結晶
を濾取し、メタノールとクロロホルムの混合物より再結
晶して0.8gの化合物20を得た。
【0069】[合成例8:化合物21の合成]化合物6
のメタノール溶液(1g/200mL)に塩化アンモニ
ウムの飽和メタノール溶液30mLを加え、生じた結晶
を濾取し、メタノールとクロロホルムの混合溶媒より再
結晶して化合物21の結晶0.6gを得た。
【0070】[情報記録媒体1]本発明のシアニン色素
化合物(前記色素3)2.3gを、2,2,3,3−テ
トラフロロ−1−プロパノール(HCF2 CF2 CH2
OH)に溶解して2.3重量%の濃度の色素塗布液を調
製した。トラッキングガイドが設けられた円盤状のポリ
カーボネート基板(外径:120mm、内径:15m
m、厚さ:1.2mm、トラックピッチ:1.6μm、
グループの深さ:800オングストローム)上に、塗布
液をスピンコート法により回転数1800rpmの速度
で塗布した後100秒間乾燥して層厚が1300オング
ストロームの記録層を形成した。このようにして、基板
および記録層からなる情報記録媒体を製造した。
【0071】[情報記録媒体2]情報記録媒体例1にお
いて、シアニン色素化合物(前記色素3)を前記色素5
に変えて色素塗布液を調製した以外は同様にして情報記
録媒体を製造した。
【0072】[情報記録媒体3]情報記録媒体1におい
て、シアニン色素化合物(前記色素3)を前記色素6に
変えて色素塗布液を調製した以外は同様にして情報記録
媒体を製造した。
【0073】[情報記録媒体4]情報記録媒体1におい
て、シアニン色素化合物(前記色素3)を前記色素7に
変えて色素塗布液を調製した以外は同様にして情報記録
媒体を製造した。
【0074】[情報記録媒体5]情報記録媒体1におい
て、シアニン色素化合物(前記色素3)を前記色素10
に変えて色素塗布液を調製した以外は同様にして情報記
録媒体を製造した。
【0075】[情報記録媒体6]情報記録媒体1におい
て、シアニン色素化合物(前記色素3)を前記色素15
に変えて色素塗布液を調製した以外は同様にして情報記
録媒体を製造した。
【0076】[情報記録媒体7(比較試料)]情報記録
媒体1において、シアニン色素化合物(前記色素3)を
下記の構造式を有する色素Aに変えて色素塗布液を調製
した以外は同様にして情報記録媒体を製造した。 (色素A)
【0077】
【化14】
【0078】[情報記録媒体8(比較試料)]情報記録
媒体1において、シアニン色素化合物(前記色素3)を
下記の構造式を有する色素Bに変えて色素塗布液を調製
した以外は同様にして情報記録媒体を製造した。 (色素B)
【0079】
【化15】
【0080】[情報記録媒体9(比較試料)]情報記録
媒体1において、シアニン色素化合物(前記色素3)を
下記の構造式を有する色素Cに変えて色素塗布液を調製
した以外は同様にして情報記録媒体を製造した。 (色素C)
【0081】
【化16】
【0082】[情報記録媒体の評価] 1)反射率:情報記録媒体について分光光度計((株)
日立製作所製)を用い、基板側より800mnの波長の
光を照射して反射率を測定した。 2)C/N:情報記録媒体を、波長780nmの半導体
レーザー光を使用し、定線速度1.3m/秒、記録パワ
ー7.0mWにて、変調周波数196kHz(デュティ
ー45%)の信号を記録した。そして記録された信号を
0.5mWの再生パワーにて再生し、再生時のC/N
を、スペクトルアナライザー(TR4135:アドバン
テスト社製)を用いて測定した。 3)高温低湿下の保存安定性:情報記録媒体を上記反射
率とC/Nの測定を行なった後、温度80℃湿度25%
RHの高温低湿下の雰囲気に一週間放置した後上記反射
率とC/Nの測定を再び行なった。 4)色素の吸収極大波長:記録層に使用した色素を、ま
ずその色素のメタノール溶液の吸収極大を測定し、次い
で記録層とした後の吸収極大を測定し、その差を求め
た。測定機器は日立分光光度計3410型を使用した。
【0083】情報記録媒体に情報の記録した後の記録層
の記録形態について、光学顕微鏡および電子顕微鏡を用
いて観察した。その結果、記録層上に凹部(ピット)の
形成は認められなかった。さらに、偏光特性について調
査したところ、情報記録媒体の記録部分のみで偏光特性
の変化が観察された。これにより、記録層のレーザーが
照射された部分の色素の会合状態が変化(より密とな
り)して情報が記録されたことが確認された。
【0084】測定結果を第1表に示す。
【0085】
【表1】 第1表 ──────────────────────────────────── 色素 反射率 C/N 吸収極大 初 後 初 後 膜溶液差 記録媒体試料 No. (%) (dB) (nm) ──────────────────────────────────── 情報記録媒体1 3 66 64 50 48 132 情報記録媒体2 5 67 65 49 45 131 情報記録媒体3 6 66 64 49 45 133 情報記録媒体4 9 67 64 50 46 132 情報記録媒体5 10 67 65 50 48 130 情報記録媒体6 15 65 63 49 47 130 ──────────────────────────────────── 情報記録媒体7 A 67 11 50 −− 133 情報記録媒体8 B 65 12 49 −− 133 情報記録媒体9 C 65 9 50 −− 130 ────────────────────────────────────
【0086】第1表より、ポリカーボネート基板上に本
発明の一般式(I)のイミダゾキノキサリン骨格を有す
るシアニン色素化合物の記録層を設けた情報記録媒体
(情報記録媒体1〜6)は、従来のイミダゾキノキサリ
ン骨格を有するシアニン系色素を記録層に用いた比較試
料(情報記録媒体7〜9)に比べて、高温低湿下の保存
後であっても所期のC/Nおよび反射率をほぼ維持でき
ていることから、保存安定性に優れた光ディスクである
ことが分かる。
【0087】比較試料(情報記録媒体7〜9)では、高
温低湿下の保存後反射率が極めて低下しており、色素が
褪色していることを示している。このような記録層に記
録することは不可能であった。
【0088】さらに、本発明のシアニン色素化合物は、
メタノール溶液のときより色素層になった時の方が吸収
極大波長が70nm以上長波長側に移動していることか
ら、情報記録媒体の全ての色素記録層が会合状態にある
ことが分かる。
【0089】
【発明の効果】本発明のシアニン色素化合物は、一般式
(I)のイミダゾキノキサリン骨格を有する色素であ
る。このシアニン色素化合物を用いることにより、高い
反射率と優れた記録再生特性を維持しながら、保存安定
性が顕著に向上した色素記録層を有する情報記録媒体を
得ることができる。これは、イミダゾール環の窒素上の
置換基を硫黄原子を含む特定のアルキル基にすることに
よって、硫黄原子の作用による色素の分子間相互作用
(非結合相互作用)が大きくなり、イミダゾキノキサリ
ン骨格を有する本発明の色素お互いに接近して会合し易
くなり、また会合した分子群は極めて安定な状態で存在
できるため、温度変化などの環境変化の影響を受けにく
くなるためであると推察される。実際、本発明のシアニ
ン色素化合物を用いた色素記録層は、従来のイミダゾキ
ノキサリン系色素より保存安定性が格段に向上してい
る。さらに、本発明のシアニン色素化合物を記録材料と
して用いた情報記録媒体は、反射率が高いので、CDフ
ォーマット信号を記録した場合、その情報を市販CDプ
レーヤーにて再生することができることからCD−DR
AWとしても有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 久保 利昭 神奈川県南足柄市中沼210番地 富士写 真フイルム株式会社内 (56)参考文献 特開 平2−572(JP,A) 特開 平3−274183(JP,A) 特開 平1−297647(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C09B 23/00 C07D 487/04 CA(STN)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の一般式(I): 【化1】 [ただし、Aは、Aと結合している炭素原子と共にベン
    ゼン環またはナフタレン環を完成するための原子群を表
    わし、Tは炭素原子数が2〜6のアルキレン基または炭
    素原子間に1〜3個の硫黄原子もしくは酸素原子が介在
    している炭素原子数が2〜6のアルキレン基を表わし、
    Rは炭素原子数1〜8のアルキル基を表わし、Lは1個
    のメチン基または3、5もしくは7個のメチン基が共役
    二重結合により連結している三価の基を表わし、XP-
    陰イオンを表わし、pは1、2または3を表わす。]で
    表わされるシアニン色素化合物。
  2. 【請求項2】 一般式(I)のAが無置換のベンゼン環
    を完成する原子群を表わし、Tは炭素原子数が2〜3の
    アルキレン基を表わし、Rは炭素数1乃至2のアルキル
    基である請求項1に記載のシアニン色素化合物。
  3. 【請求項3】 一般式(I)の陽イオン部分が下記の化
    学式のいずれかで表わされるものである請求項1に記載
    のシアニン色素化合物。 【化2】
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