JP2759541B2 - 情報記録媒体 - Google Patents

情報記録媒体

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JP2759541B2
JP2759541B2 JP2077362A JP7736290A JP2759541B2 JP 2759541 B2 JP2759541 B2 JP 2759541B2 JP 2077362 A JP2077362 A JP 2077362A JP 7736290 A JP7736290 A JP 7736290A JP 2759541 B2 JP2759541 B2 JP 2759541B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [発明の分野] 本発明は、レーザーによる情報の書き込みが可能な色
素からなる記録層が設けられた情報記録媒体に関するも
のである。
[発明の技術的背景] 近年において、レーザー光等の高エネルギー密度のビ
ームを用いる情報記録媒体が開発され、実用化されてい
る。
一般の追記型(DRAW型)の情報記録媒体は、基本構造
としてプラスチック、ガラス等からなる円盤状の透明基
板と、この上に設けられたBi、Sn、In、Te等の金属また
は半金属からなる記録層とを有する。記録媒体への情報
の書き込みは、たとえばレーザービームを記録媒体に照
射することにより行なわれ、記録層の照射部分がその光
を吸収して局所的に温度上昇する結果、ピット形成等の
物理的変化あるいは相変化等の化学的変化を生じてその
光学的特性を変えることにより情報が記録される。光デ
ィスクからの情報の読み取りもまた、レーザービームを
光ディスクに照射することなどにより行なわれ、記録層
の光学的特性の変化に応じた反射光または透過光を検出
することにより情報が再生される。
記録層としては、上記低融点金属や半金属を用いた場
合、記録感度や保存性が充分でない、あるいは製造コス
トが高い等の欠点があった。近年、比較的長波長の光で
物性変化し得る色素層を記録層に用いることが提案さ
れ、また実施されている。このような記録層から情報の
記録再生を行なうために用いられるレーザー光として
は、一般に半導体レーザーが利用されている。半導体レ
ーザーが放射するレーザー光の波長は、近赤外領域ある
いはこの付近の波長領域に存在する。
このような、長波長側に吸収領域を持つ色素の代表的
なものとして、シアニン系色素が良く知られている。
シアニン色素の中で、一般式(I)で表される本発明
の化合物と同じイミダゾ[4,5-b]キノキサリン骨格を
有するシアニン化合物は、光ディスクの記録層に使用し
た場合、特に反射率が高いことで注目されている。この
ような化合物は、すでに米国特許第3,431,111号、同3,6
32,808号に開示されている。さらに、上記イミダゾ[4,
5-b]キノキサリン環を有するシアニン化合物を基板上
に設けたことを特徴とする情報記録媒体がすでに特開昭
60-162691号公報および特開平2-572号公報に開示されて
いる。
このようなイミダゾ[4,5-b]キノキサリン環を有す
るシアニン化合物を基板上に形成された情報記録媒体
は、一般に良好な記録再生特性を示し、さらに例えば会
合状態を形成させる等の製造方法を選択することによ
り、前記したように780mmないし830mm付近の波長の光に
対する反射率を60%以上の著しく高い値にすることがで
きる。高反射率にすることにより、変調度、C/N等を向
上させることができる。しかし、このような高反射率を
有する情報記録媒体は高温下に保存するとその記録層が
結晶化し易く、長期保存した際に記録再生特性が低下す
るとの問題があった。すなわち、従来知られたイミダゾ
[4,5-b]キノキサリン環を有するシアニン化合物は、
高反射率記録層を形成した場合の耐熱性が不十分であ
り、高反射率記録層を形成した場合の保存安定性に優れ
たシアニン化合物が求められていた。
[発明の目的] 本発明は、高い反射率を有し且つ保存安定性が向上し
た色素記録層を有する情報記録媒体を提供することを目
的とする。
また本発明は、記録再生特性が優れ且つ保存安定性が
向上した色素記録層を有する情報記録媒体を提供するこ
とを目的とする。
また本発明は、耐熱性が向上した色素記録層を有する
情報記録媒体を提供することを目的とする。
さらに本発明は、記録された情報が市販CDプレーヤー
にて再生することができる色素記録層を有する情報記録
媒体を提供することを目的とする。
[発明の要旨] 本発明は、基板上にレーザー光による情報の書き込み
が可能な色素からなる記録層が設けられた情報記録媒体
において、 該記録層が、下記の一般式(I): [ただし、AはAと結合している炭素原子と共にベン
ゼン環またはナフタレン環を完成するための原子群を表
わし、Tはアルキレン基または炭素原子間に1〜3個の
硫黄原子もしくは酸素原子が介在したアルキレン基を表
わし、Rはアルキル基を表わし、Lは1個のメチン基ま
たは3、5もしくは7個のメチン基が共役二重結合によ
り連結している三価の基を表わし、Xp-は陰イオンを表
わし、pは1、2または3を表わし、そして上記A、
T、RおよびLはさらに置換基を有していても良い。] で表わされるシアニン系色素からなることを特徴とす
る情報記録媒体にある。
上記本発明の情報記録媒体の好ましい態様は下記の通
りである。
1)該記録層が、記録層に用いられた該シアニン系色素
のメタノール溶液が示す吸収極大波長より70nm以上長波
長側に吸収極大を有することを特徴とする上記情報記録
媒体。
2)上記一般式(I)において、Aは無置換のベンゼン
環を完成する原子群を表わし、Tは炭素原子数が2〜6
のアルキレン基または炭素原子間に1または2個の硫黄
原子もしくは酸素原子を介在した炭素原子数が2〜6の
アルキレン基を表わし、Rは炭素原子数が1〜8のアル
キルカルボニルオキシ基またはハロゲン原子で置換され
ていてもよいアルキル基を表わし、そしてLはアルキル
基、アルコキシ基、フェニル基またはベンジル基で置換
されていても良い3、5または7個のメチン基が共役二
重結合により連結している三価の連結基であることを特
徴とする上記情報記録媒体。
3)上記一般式(I)において、Rは炭素原子数が1〜
2の無置換またはアルキルカルボニルオキシ基で置換さ
れていてもよいアルキル基を表わし、そしてLは3、5
または7個の無置換のメチン基が共役二重結合により連
結している三価の連結基であることを特徴とする上記情
報記録媒体。
[発明の効果] 本発明の情報記録媒体は、イミダゾキノキサリン骨格
を有する色素であって、イミダゾール環の窒素上の置換
基が硫黄原子を含むアルキル基であるシアニン系色素か
らなる記録層を有している。これにより、高い反射率と
優れた記録再生特性を維持しながら、保存安定性が顕著
に向上した色素記録層を有する情報記録媒体を得ること
ができる。
すなわち、イミダゾール環の窒素上の置換基を硫黄原
子を含むアルキル基にすることによって、硫黄原子の作
用による色素の分子間相互作用(非結合相互作用)が大
きくなると考えられる。これにより、イミダゾキノキサ
リン骨格を有する本発明の色素はお互いに接近して会合
し易くなり、また会合した分子群は極めて安定な状態で
存在できるため、温度変化などの環境変化の影響を受け
にくくなると推察される。実際、上記本発明のイミダゾ
キノキサリン骨格を有するシアニン系色素の記録層は、
従来のイミダゾキノキサリン系色素より保存安定性が格
段に向上している。
さらに本発明の情報記録媒体は、反射率が高いのでCD
フォーマット信号を記録した場合、その情報を市販CDプ
レーヤーにて再生することができることからCD-DRAWと
しても有用である。
[発明の詳細な記述] 本発明の情報記録媒体は、基板上にレーザーによる情
報の書き込みが可能な色素記録層が設けらた基本構造を
有する。
本発明者らは、塗布により形成可能な生産性に優れた
色素を用いた記録層であって、且つ高い反射率と優れた
記録再生特性を維持しながら、保存安定性が向上した色
素記録層を得るために鋭意検討を重ねてきた。反射率の
高い記録層が得られる色素として、イミダゾキノキサリ
ン骨格を有する色素が既に知られているが保存安定性が
充分とはいえなかった。本発明者等の検討の結果、イミ
ダゾール環の窒素上の置換基が硫黄原子を含むアルキル
基であるシアニン系色素を使用することにより高い反射
率と優れた記録再生特性を維持しながら、保存安定性が
顕著に向上した色素記録層を得ることができることが明
らかとなった。
上記本発明の情報記録媒体は、たとえば以下のような
方法により製造することができる。
本発明において使用する基板は、従来の情報記録媒体
の基板として用いられている各種の材料から任意に選択
することができる。基板材料の例としてはソーダ石灰ガ
ラス等のガラス;ポリメチルメタクリレート等のアクリ
ル樹脂;ポリ塩化ビニル、塩化ビニル共重合体等の塩化
ビニル系樹脂;エポキシ樹脂;およびポリカーボネート
を挙げることができる。これらのうちで寸度安定性、透
明性および平面性などの点から、好ましいものはポリメ
チルメタクリレート、ポリカーボネート、エポキシ樹脂
およびガラスである。
記録層が設けられる側の基板表面には、平面性の改
善、接着力の向上および記録層の変質の防止の目的で、
下塗層が設けられていてもよい。下塗層の材料として
は、たとえば、ポリメチルメタクリレート、アクリル酸
・メタクリル酸共重合体、ニトロセルロース、ポリエチ
レン、ポリプロピレン、ポリカーボネート等の高分子物
質;シランカップリング剤などの有機物質;および無機
酸化物(SiO2、Al2O3等)、無機弗化物(MgF2)などの
無機物質を挙げることができる。
ガラス基板の場合は、基板から遊離するアルカリ金属
イオンおよびアルカリ土類金属イオンによる記録層への
悪影響を防止するために、スチレン・無水マレイン酸共
重合体などの親水性基および/または無水マレイン酸基
を有するポリマーからなる下塗層が設けられているのが
望ましい。
下塗層は、たとえば上記物質を適当な溶剤に溶解また
は分散したのち、この塗布液をスピンコート、ディップ
コート、エクストルージョンコートなどの塗布法により
基板表面に塗布することにより形成することができる。
また、基板上にはトラッキング用溝またはアドレス信
号等の情報を表わす凹凸の形成の目的で、プレグルーブ
層が設けられてもよい。プレグルーブ層の材料として
は、アクリル酸のモノエステル、ジエステル、トリエス
テルおよびテトラエステルのうちの少なくとも一種のモ
ノマー(またはオリゴマー)と光重合開始剤との混合物
を用いることができる。
プレグルーブ層の形成は、まず精密に作られた母型
(スタンパー)上に上記のアクリル酸エステルおよび重
合開始剤からなる混合液を塗布し、さらにこの塗布液層
上に基板を載せたのち、基板または母型を介して紫外線
の照射により液層を硬化させて基板と液相とを固着させ
る。次いで、基板を母型から剥離することにより、プレ
グルーブ層の設けられた基板が得られる。プレグルーブ
層の層厚は、一般に0.05〜100μmの範囲にあり、好ま
しくは0.1〜50μmの範囲にある。また、プラスチック
基板の場合は基板成形時に直接基板表面にプレグルーブ
を設けてもよい。
本発明の情報記録媒体は、基板上に(所望により下塗
層および/またはプレグルーブ層を介して)中間層が設
けられても良い。
基板表面への中間層の形成は、公知の塗布方法により
行なうことができる。公知の塗布方法の例としてはスピ
ンコート法、ディップコート法などを挙げることができ
る。
なお、塗布法により形成される中間層の例としては、
接着層、断熱層、反射層、感度強化層(ガス発生層)な
どを挙げることができる。
中間層が断熱層である場合には、例えばポリメチルメ
タクリレート、アクリル酸・メタクリル酸共重合体、ス
チレン・無水マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコー
ル、N−メチロールアクリルアミド共重合体、スチレン
スルホン酸共重合体、スチレン・ビニルトルエン共重合
体、塩素化ポリエチレン、クロルスルホン化ポリエチレ
ン、ニトロセルロース、ポリ塩化ビニル、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリイミド、酢酸
ビニル・塩化ビニル共重合体、エチレン・酢酸ビニル共
重合体、ポリカーボネート等の高分子物質;シランカッ
プリング剤などの高分子物質を溶剤に溶解させた塗布液
を用いて形成することができる。
あるいは、ポリテトラフロロエチレン等のフッ素樹脂
をスッパタリングなどの蒸着を行なうことにより中間層
を形成してもよい。
好ましくは、塩素化ポリエチレンまたはフッ素樹脂か
らなる中間層である。
これにより、レーザービームの照射による熱エネルギ
ーが記録層から基板等へ熱伝導によって損失するのを低
減することができ、かつ中間層の被照射部分からガスが
発生してピットの形成が容易となり、従って記録感度を
高めるとともに読取誤差(ビットエラーレート)を低減
することができる。
上記中間層の層厚は、一般に10〜1000Åの範囲にあ
り、好ましくは100〜500Åの範囲にある。
上記基板上(所望により下塗層、プレグルーブ層およ
び/または中間層上)に、上記本発明の下記の一般式
(I)の色素からなる記録層が設けられる。
一般式(I): [ただし、AはAと結合している炭素原子と共にベン
ゼン環またはナフタレン環を完成するための原子群を表
わし、Tはアルキレン基または炭素原子間に1〜3個の
硫黄原子もしくは酸素原子が介在したアルキレン基を表
わし、Rはアルキル基を表わし、Lは1個のメチン基ま
たは3、5もしくは7個のメチン基が共役二重結合によ
り連結している三価の基を表わし、Xp-は陰イオンを表
わし、pは1、2または3を表わし、そして上記A、
T、RおよびLはさらに置換基を有していても良い。] 上記一般式(I)において、Aで表される原子群によ
って完成されるベンゼン環またはナフタレン環上の置換
基として好ましいものは、水素原子、ハロゲン(F、C
l、Br、I)、炭素原子数1〜8のアルキル基およびフ
ェニル基である。さらに上記置換基は、ベンゼン環の炭
素原子と共にして5または6員の脂肪族環または酸素を
含む複素環を形成してもよい(例えば−O−CH2−O−
となってジオキソラン環を形成する)。Aで表される原
子群として好ましいものは無置換のベンゼン環を完成す
る原子群である。
Tで表されるアルキレン基または炭素原子間に2また
は3個の硫黄原子もしくは酸素原子が介在したアルキレ
ン基としては、炭素原子数2ないし6のものが好まし
い。
Rで表されるアルキル基としては炭素原子数1〜8の
ものが好ましく、アルキルカルボニルオキシ基、ハロゲ
ン原子で置換されていてもよい。特に好ましくは、炭素
原子数が1〜2の無置換またはアルキルカルボニルオキ
シ基で置換されていてもよいアルキル基である。
T-S-Rで表される基におけるTとRの特に好ましい組
み合わせは、この基の総炭素原子数が3〜7となるもの
である。
Lで表される基を構成するメチン基は、アルキル基、
アルコキシ基、フェニル基またはベンジル基で置換され
ていても良いが、好ましくは無置換のものである。Lと
しては、3、5または7個のメチン基が共役二重結合に
より連結している三価の連結基が特に好ましい。
Xp-で表わされる陰イオンは、陽電荷と同数の陰電荷
を提供するものであり、Xp-は、A、T、RまたはL上
の置換基となって分子内塩を形成していてもよい。
Xp-として好ましいものは、ハライドイオン、スルホ
ン酸イオン、リン酸およびそれから誘導される置換リン
酸イオン(ホスホン酸、リン酸モノエステル、リン酸ジ
エステルなどの陰イオン、PF6 -)、BF4 -、アルキルトリ
フェニルボレート、テトラフェニルボレートなどのホウ
酸誘導体イオン、過塩素酸イオンである。Xとして特に
好ましいものは、I-、CF3SO3 -、炭素原子数1〜8のア
ルカンスルホン酸イオン、ベンゼンスルホン酸イオン、
パラトルエンスルホン酸イオン、パラクロロベンゼンス
ルホン酸イオン、PF6 -、BF4 -、ClO4 -であるが合成の中
間段階で用いられた他の陰イオンが微量混入していても
よい。
次に、本発明の一般式(I)で表わされるシアニン系
色素の具体例を挙げる。本発明の範囲はこれらのみに限
定されるものでは勿論ない。
本発明の一般式(I)で表される化合物は米国特許第
3,431,111号に記載された方法を参考にして合成できる
が具体的には、2,3−ジクロロキノキサリンのアルキル
チオアルキルアミンを反応せて2,3−ビス(アルキルチ
オアリキルアミノ)キノキサリンを合成した後、酸の存
在下に無水酢酸を作用させて1,3−ビス(アルキルチオ
アルキル)−2−メチルイミダゾ[4,5-b]キノキサリ
ニウム塩を得、この塩を1,1,3,3−テトラメトキシプロ
パン、マロンジアルデヒドジアニル、グルタコンアルデ
ヒドジアニル塩酸塩オルトギ酸エチルなどを反応させて
シアニン化合物を得ることができる。
次に本発明の一般式(I)で表される化合物の合成例
を挙げて合成法を詳細に説明する。
合成例1および2(化合物3および6の合成) 2,3−ジクロロキノキサリン15gとトリエチルアミン40
mlの混合物50℃に加熱しつつ3−メチルチオプロピルア
ミン34gを30分間にわたって滴下した。トリエチルアミ
ンを留去しつつ6時間40分にわたって加熱撹拌した。水
500mlを加え生じた結晶を濾取し2,3−ビス(3−メチル
チオプロピルアミノ)モノキサリンの粗結晶26gを得
た。
2,3−ビス(3−メチルチオプロピルアミノ)キノキ
サリン20.1gにパラトルエンスルホン酸−水和物11.4gと
無水酢酸200mlとを加え、3.5時間にわたり加熱還流し
た。
無水酢酸を留去した後酢酸エチル200mlを加え固形物
を濾取した。この固形物は1,3−ビス(3−メチルチオ
プロピル)−2−メチルイミダゾ[4,5-b]キノキサリ
ニウムパラトルエンスルホネート(化合物6)の粗製品
である。この固形物にピリジン100mlと1,1,3,3−テトラ
メトキシプロパン45mlを加え、1時間加熱還流した。溶
媒を留去した後、メタノール1を加え、不溶物を濾過
して除き、濾液にテトラブチルアンモニウム過塩素酸塩
20gをメタノール150mlに溶かして加えた。生じた結晶を
濾取し、メタノールで洗浄し粗結晶20gを得た。この結
晶をクロロホルムとメタノールの混合物より再結晶して
6.1gの化合物3を得た。融点216〜218℃ 合成例3(化合物18の合成) 2,3−ジクロロキノキサリン7g、2−エチルチオエチ
ルアミン塩酸塩10gおよびトリエチルアミン30mlを混合
し、3時間にわたって加熱還流した。揮発分を留去した
後、水150mlを加えクロロホルムで抽出した。クロロホ
ルムを留去した後無水酢酸60mlとパラトルエンスルホン
酸1水和物6.7gを加え2時間にわたって加熱還流した。
無水酢酸を留去した後50mlのアセトンと酢酸エチル250m
lを加え生じた固形物を濾取した。収量6.2g。この固形
物5.3gにピリジン20mlと1,1,3,3−テトラメトキシプロ
パン5mlとを加え1時間加熱還流した。
溶媒を留去した後、酢酸エチル50mlを加え、生じた結
晶を濾取し、酢酸エチル、で洗浄して4.4gの化合物18を
得た。
メタノールから再結晶した後の融点は180〜183℃であ
った。
合成例4(化合物19の合成) 化合物18の結晶1gをメタノール100mlに溶解し、過塩
素酸テトラブチルアンモニウム1gを20mlのメタノールに
溶かして加えた。生じた結晶を濾取し、メタノールで洗
浄して化合物18の結晶0.8gを得た。融点187〜190℃ 合成例5(化合物7の合成) 合成例1で得た化合物6のメタノール溶液(1g/100m
l)にヨウ化カリウムのメタノール溶液を加え、生じた
結晶を濾取しメタノールで洗浄した。クロロホルムとメ
タノールの混合溶媒より再結晶して化合物7の結晶0.7g
を得た。
合成例6(化合物22の合成) 化合物6のメタノール溶液(1g/100ml)にピリジン5m
lとHBF4の60%水溶液1mlとを加え、生じた結晶を濾取
し、メタノールクロロホルムの混合物より再結晶して化
合物22の結晶0.8gを得た。
合成例7(化合物20の合成) 化合物6のメタノール溶液(1g/100ml)にピリジン5m
lとHPF6の60%水溶液1mlを加え、生じた結晶を濾取し、
メタノールとクロロホルムの混合物より再結晶して0.8g
の化合物20を得た。
合成例8(化合物21の合成) 化合物6のメタノール溶液(1g/200ml)に塩化アンモ
ニウムの飽和メタノール溶液30mlを加え、生じた結晶を
濾取し、メタノールとクロロホルムの混合溶媒より再結
晶して化合物21の結晶0.6gを得た。
上記一般式(I)で表わされる色素について、特開平
2-572号公報には、イミダゾ[4,5-b]キノキサリン環の
窒素原子上にアルキルチオアルキル基があってもよいと
の記載はあるが、アルキルチオアルキル基を有するシア
ニン色素の具体例は示されていない。
本発明において上記本発明の一般式(I)で表わされ
るシアニン系色素を単独で用いてもよく、二種以上併用
してもよい。さらに、従来より情報記録媒体の記録材料
として知られている任意の色素を併用してもよい。たと
えば、本発明に使用される色素以外のシアニン系色素、
フタロシアニン系色素、ピリリウム系・チオピリリウム
系色素、アズレニウム系色素、スクワリリウム系色素、
Ni、Crなどの金属錯塩系色素、ナフトキノン系・アント
ラキノン系色素、インドフェノール系色素、インドアニ
リン系色素、トリフェニルメタン系色素、トリアリルメ
タン系色素、アミニウム系・ジインモニウム系色素およ
びニトロソ化合物を挙げることができる。
また、耐光性を向上させるためにいわゆる一重項酸素
クエンチャーとして知られている種々の色素、例えば下
記の一般式(II)もしくは(III)で表わされる化合物
を併用してもよい。
(ただし、[Cat]+はテトラアルキルアンモニウムなど
の非金属陽イオンを表わし、MはNiなどの遷移金属原子
を表わし、AおよびA′は置換されていても良いベンゼ
ン環、2−チオクソ−1,3−ジチオール環などの5ない
し6員の芳香環もしくはヘテロ環を完成するための原子
団を表わす) [式中Rは、置換基を有していてもよいアルキル基を
表わし、Yは一般式(I)のXで示したものと同じ陰イ
オンを表わす] 上記一般式(II)もしくは(III)で表わされるクエ
ンチャーの具体例としては、PA-1006(三井東圧ファイ
ン(株))、IRG-023(日本化薬(株))などを挙げる
ことができる。
記録層の形成は、上記色素、さらに所望により上記ク
エンチャー、結合剤などを溶剤に溶解して塗布液を調製
し、次いでこの塗布液を基板表面に塗布して塗膜を形成
したのち乾燥することにより行なうことができる。
本発明において、前記色素のカチオンと、クエンチャ
ーのアニオンとの結合体を使用することもできる。
クエンチャーは前記色素1モルあたり、一般に0.05〜
12モル、好ましくは0.1〜1.2モル使用される。
クエンチャーは色素薄膜記録層に含有させることが好
ましいが、記録層とは別の層に含有させてもよい。
上記記録層の形成は、上記色素(所望により上記クエ
ンチャー、結合剤を加えて)を有機溶剤に溶解して塗布
液を調製し、次いでこの塗布液を基板表面に塗布して塗
膜を形成したのち乾燥することにより行なうことができ
る。
上記色素塗布液調製用の溶剤としては、酢酸エチル、
酢酸ブチル、セロソルブアセテートなどのエステル、メ
チルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルイソブチ
ルケトンなどのケトン、ジクロルメタン、1,2−ジクロ
ルエタン、クロロホルムなどのハロゲン化炭化水素、テ
トラヒドロフラン、エチルエーテル、ジオキサンなどの
エーテル、エタノール、n−プロパノール、イソプロパ
ノール、n−ブタノールなどのアルコール、ジメチルホ
ルムアミドなどのアミド、2,2,3,3−テトラフロロプロ
パノール等フッソ系溶剤などを挙げることができる。
本発明の色素記録層を設ける場合、その塗布液に添加
する有機溶剤にフッ素系溶剤を使用することが好まし
く、これにより色素モノマーの会合形成を促進し、効率
良くかつ容易に、長波長(好ましくは色素のエタノール
溶液が示す吸収極大波長より70nm以上長波長)に吸収極
大を有する色素記録層を形成することができる。
本発明に用いられるフッ素系溶剤(フッ素含有化合
物)の例としては、フッ素化アルコール、フッ素置換ケ
トン、フッ素置換エステル、フッ素化カルボン酸、フッ
素置換アミド、フッ素置換ベンゼン、フッ素化アルカン
およびフッ素化エーテルを挙げることができる。上記フ
ッ素系溶剤(フッ素含有化合物)は特開昭63-159090号
公報(米国特許4,832,992号)に記載されている。
フッ素化アルコールとしてはたとえば、 一般式(IV): A−CH2OH (IV) (ただし、AはF(CnF2n)またはH(CnF2n)であ
り、nは1乃至6の整数である) で表わされる化合物を挙げることができ、Aは直鎖で
あっても分岐していてもどちらでもよい。その具体例と
しては下記化合物が挙げられる。
H−CF2−CF2−CH2OH、H−CF2−CF2−CF2−CF2−CH2
OH、CF3−CH2OH、F−CF2−CF2−CH2OH、 F−CF2−CF2−CF2−CF2−CH2OH、 塗布液中の該色素の濃度は、塗布液の全重量に対し
て、0.1〜20重量%が好ましく、特に好ましくは1〜5
重量%である。
塗布液中にはさらに酸化防止剤、UV吸収剤、可塑剤、
滑剤など各種の添加剤を目的に応じて添加してもよい。
結合剤を使用する場合に結合剤としては、例えばゼラ
チン、ニトロセルロース、酢酸セルロース等のセルロー
ス誘導体、デキストラン、ロジン、ゴムなどの天然有機
高分子物質;およびポリエチレン、ポリプロピレン、ポ
リスチレン、ポリイソブチレン等の炭化水素系樹脂、ポ
リ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニル・
ポリ酢酸ビニル共重合体等のビニル系樹脂、ポリアクリ
ル酸メチル、ポリメタクリル酸メチル等のアクリル樹
脂、ポリビニルアルコール、塩素化ポリオレフィン、エ
ポキシ樹脂、ブチラール樹脂、ゴム誘導体、フェノール
・ホルムアルデヒド樹脂等の熱硬化性樹脂の初期縮合物
などの合成有機高分子物質を挙げることができる。
塗布方法としては、スプレー法、スピンコート法、デ
ィップ法、ロールコート法、ブレードコート法、ドクタ
ーロール法、スクリーン印刷法などを挙げることができ
る。
記録層の材料として結合剤を併用する場合に、結合剤
に対する色素の比率は一般に0.01〜99%(重量比)の範
囲にあり、好ましくは1.0〜95%(重量比)の範囲にあ
る。
記録層内またはこれに隣接する層内には、色素の劣化
を防ぐため、酸化防止剤もしくは褪色防止剤を存在させ
てもよい。
記録層は単層でも重層でもよいが、その層厚は一般に
0.01μm〜2μmの範囲にあり、好ましくは0.02〜0.8
μmの範囲にある。また、記録層は基板の片面のみなら
ず両面に設けられていてもよい。
本発明の色素記録層を設ける場合、上記のように有機
溶剤にフッ素系溶剤を用いて、色素の会合形成を促進
し、効率良くかつ容易に、長波長(好ましくは色素のエ
タノール溶液が示す吸収極大波長より70nm以上長波長)
に吸収極大を有する色素記録層を形成することが、記録
または再生時に使用するレーザーの発振波長の領域で光
の吸収が大きくなるので好ましい。
このような吸収極大波長をより長波長に吸収極大を有
するように色素記録層を形成する方法としては、例えば
上記色素およびフッ素系溶剤を含む塗布液を調製した
後、基板上に該塗布液を塗布乾燥することによって行な
われる。すなわち、フッ素系溶剤を含む(適宜、他の有
機溶剤、結合剤を含有される)色素塗布液を塗布するこ
とが、該色素モノマーの会合体からなる色素記録層を形
成させるために極めて有効であることを意味している。
このような色素の会合状態は、該色素の溶解できる臨界
点付近で形成され易と推察されることから、フッ素系溶
剤を含まない塗布液であっても形成される場合もある
が、フッ素系溶剤を使用することにより塗布液の調製が
極めて容易で且つ会合状態も形成され易いとの利点があ
る。
これ以外にも、基板を一定方向に延伸したり、表面を
摩擦したりした後色素を塗布する方法、色素を塗布する
前に基板上にハロゲン化銀等蒸着等により層形成してお
き、色素の配向を促進する方法、塗布液中で色素モノマ
ーを会合させるため塗布液の濃度を高くしたり、塗布液
に塩類、樹脂を添加したりする方法、あるいは色素層形
成後、該色素層に機械的または熱的刺激を付与して色素
モノマーを会合状態に変化させる方法等を利用すること
ができる。
さらに、本発明の情報記録媒体は、上記記録層の上
に、情報の再生時におけるC/Nの向上および反射率の向
上の目的で、反射層を設けてもよい。
反射層の材料である光反射性物質はレーザー光に対す
る反射率が高い物質であり、その例としては、Mg、Se、
Y、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Re、F
e、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、Ir、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、C
d、Al、Ga、In、Si、Ge、Te、Pb、Po、Sn、Biなどの金
属および半金属あるいはステンレス鋼を挙げることがで
きる。これらのうちで好ましいものは、Cr、Ni、Pt、C
u、Ag、Au、Alおよびステンレス鋼である。これらの物
質は単独で用いてもよいし、あるいは二種以上の組合せ
でまたは合金として用いてもよい。
反射層は、たとえば上記光反射性物質を蒸着、スパッ
タリングまたはイオンプレーティングすることにより記
録層の上に形成することができる。反射層の層厚は一般
には100〜3000Åの範囲にある。
また、反射層の上には、記録層などを物理的および化
学的に保護する目的で保護層が設けられてもよい。この
保護層は、基板の記録層が設けられていない側にも耐傷
性、耐湿性を高める目的で設けられてもよい。
保護層に用いられる材料の例としては、SiO、SiO2、M
gF2、SnO2、Si3N4等の無機物質;熱可塑性樹脂、熱硬化
性樹脂、UV硬化性樹脂等の有機物質を挙げることができ
る。
保護層は、たとえばプラスチックの押出加工で得られ
たフィルムを接着層を介して記録層(または銀塩層ある
いは反射層)上および/または基板上にラミネートする
ことにより形成することができる。あるいは真空蒸着、
スパッタリング、塗布等の方法により設けられてもよ
い。また、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂の場合には、こ
れらを適当な溶剤に溶解して塗布液を調製したのち、こ
の塗布液を塗布し、乾燥することによっても形成するこ
とができる。UV硬化性樹脂の場合には、そのままもしく
は適当な溶剤に溶解して塗布液を調製したのちこの塗布
液を塗布し、UV光を照射して硬化させることによっても
形成することができる。これらの塗布液中には、更に帯
電防止剤、酸化防止剤、UV吸収剤等の各種添加剤を目的
に応じて添加してもよい。
保護層の層厚は一般には0.1〜100μmの範囲にある。
本発明において、情報記録媒体は上述した構成からな
る単板であってもよいが、あるいは更に上記構成を有す
る二枚の基板を記録層が内側となるように向い合わせ、
接着剤等を用いて接合することにより、貼合せタイプの
記録媒体を製造することもできる。あるいはまた、二枚
の円盤状基板のうちの少なくとも一方に上記構成を有す
る基板を用いて、リング状内側スペーサとリング状外側
スペーサとを介して接合することにより、エアーサンド
イッチタイプの記録媒体を製造することもできる。
上記情報記録媒体を用いて情報を記録および再生する
方法は、例えば次のように行なわれる。
まず、情報記録媒体を定線速度(CDフォーマットの場
合は1.2〜1.4m/秒)または定角速度にて回転させなが
ら、基板側から半導体レーザー光などの記録用の光を照
射する。この光の照射により、レーザーパワーが低い時
は会合状態にある色素からなる記録層のその会合状態を
変化(通常レーザー照射に会合状態がより密となり結晶
に近い状態に変化する)させることにより情報が記録さ
れる。また、レーザーパワーが大きい場合は、会合状態
にある色素からなる記録層に凹部(ピット)を形成する
ことにより情報が記録される。但し、記録層上に反射層
や保護層を形成した場合は凹部を形成は難しくなる。一
般に、記録光としては750nm〜850nmの範囲の発振波長を
有する半導体レーザービームが用いられる。
情報の再生は、情報記録媒体を上記と同一の定線速度
で回転させながら半導体レーザー光を基板側から照射し
て、その反射光を検出することにより行なうことができ
る。
以下に、本発明の実施例を記載する。ただし、これら
の各例は本発明を制限するものではない。
[実施例1] イミダゾキノキサリン骨格を有するシアニン系色素
(前記色素3)2.3gを、2,2,3,3−テトラフロロ−1−
プロパノール(構造式:HCF2CF2CH2OH)に溶解して2.3
重量%の濃度の色素塗布液を調製した。
トラッキングガイドが設けられた円盤状のポリカーボ
ネート基板(外径:120mm、内径:15mm、厚さ:1.2mm、ト
ラックピッチ:1.6μm、グルーブの深さ:800Å)上に、
塗布液をスピンコート法により回転数1800rpmの速度で
塗布した後100秒間乾燥して層厚が1300Åの記録層を形
成した。
このようにして、基板および記録層からなる情報記録
媒体を製造した。
[実施例2] 実施例1において、イミダゾキノキサリン骨格を有す
るシアニン系色素(前記色素3)を前記色素5に変えて
色素塗布液を調製した以外は実施例1と同様にして情報
記録媒体を製造した。
[実施例3] 実施例1において、イミダゾキノキサリン骨格を有す
るシアニン系色素(前記色素3)を前記色素6に変えて
色素塗布液を調製した以外は実施例1と同様にして情報
記録媒体を製造した。
[実施例4] 実施例1において、イミダゾキノキサリン骨格を有す
るシアニン系色素(前記色素3)を前記色素7に変えて
色素塗布液を調製した以外は実施例1と同様にして情報
記録媒体を製造した。
[実施例5] 実施例1において、イミダゾキノキサリン骨格を有す
るシアニン系色素(前記色素3)を前記色素10に変えて
色素塗布液を調製した以外は実施例1と同様にして情報
記録媒体を製造した。
[実施例6] 実施例1において、イミダゾキノキサリン骨格を有す
るシアニン系色素(前記色素3)を前記色素15に変えて
色素塗布液を調製した以外は実施例1と同様にして情報
記録媒体を製造した。
[比較例1] 実施例1において、イミダゾキノキサリン骨格を有す
るシアニン系色素(前記色素3)を下記の構造式を有す
る色素Aに変えて色素塗布液を調製した以外は実施例1
と同様にして情報記録媒体を製造した。
色素A: [比較例2] 実施例1において、イミダゾキノキサリン骨格を有す
る系シアニン系色素(前記色素3)を下記の構造式を有
する色素Bに変えて色素塗布液を調製した以外は実施例
1と同様にして情報記録媒体を製造した。
色素B: [比較例3] 実施例1において、イミダゾキノキサリン骨格を有す
る系シアニン系色素(前記色素3)を下記の構造式を有
する色素Cに変えて色素塗布液を調製した以外は実施例
1と同様にして情報記録媒体を製造した。
色素C: [情報記録媒体の評価] 1)反射率 得られた情報記録媒体について分光光度計((株)日
立製作所製)を用いて、基板側より800nmの波長の光を
照射して反射率を測定した。
2)C/N 上記で得られた情報記録媒体を、波長780nmの半導体
レーザー光を使用して、定線速度1.3m/秒、記録パワー
7.0mWにて、変調周波数196kHz(デューティー45%)の
信号を記録した。そして記録された信号を0.5mWの再生
パワーにて再生し、再生時のC/Nを、スペクトルアナラ
イザー(TR4135:アドバンテスト社製)を用いて測定し
た。
3)高温低湿下の保存安定性 上記で得られた情報記録媒体を上記反射率とC/Nの測
定を行なった後、温度80℃、湿度25%RHの高温低湿下の
雰囲気に一週間放置した後上記反射率とC/Nの測定を再
び行なった。
4)色素の吸収極大波長 記録層に使用した上記色素を、まずその色素のメタノ
ール溶液の吸収極大を測定し、記録層とした後の吸収極
大を測定し、その差を求めた。測定機器は日立分光光度
計3410型を使用した。
上記情報記録媒体に情報の記録した後の記録層の記録
形態について、光学顕微鏡および電子顕微鏡を用いて観
察した。その結果、記録層上に凹部(ピット)の形成は
認められなかった。さらに、偏光特性について調査した
ところ、情報記録媒体の記録部分のみで偏光特性の変化
が観察された。これにより、記録層のレーザーが照射さ
れた部分の色素の会合状態が変化(より密となり)して
情報が記録されたとことが確認された。
上記測定結果を第1表に示す。
第1表より、ポリカーボネート基板上に本発明の特定
のイミダゾキノキサリン骨格を有するシアニン系色素の
記録層を設けた本発明の情報記録媒体(実施例1〜6)
は、従来のイミダゾキノキサリン骨格を有するシアニン
系色素を記録層に用いた比較例1〜3に比べて、高温低
湿下の保存後であっても初期のC/Nおよび反射率をほぼ
維持できていることから、保存安定性に優れた光ディス
クであることがが分かる。
比較例1〜3では、高温低湿下の保存後反射率が極め
て低下しており、色素が褪色していることを示してい
る。このような記録層に記録することは不可能であっ
た。
さらに、本発明の色素は、メタノール溶液のときより
色素層になった時の方が吸収極大波長が70nm以上長波長
側に移動していることから、実施例の全ての色素記録層
が会合状態にあることが分かる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 久保 利昭 神奈川県南足柄市中沼210番地 富士写 真フイルム株式会社内 (56)参考文献 特開 昭60−162691(JP,A) 特開 平2−572(JP,A) 米国特許3632808(US,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B41M 5/26 G11B 7/24 516 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板上にレーザー光による情報の書き込み
    が可能な色素からなる記録層が設けられた情報記録媒体
    において、 該記録層が、下記の一般式(I): [ただし、AはAと結合している炭素原子と共にベンゼ
    ン環またはナフタレン環を完成するための原子群を表わ
    し、Tはアルキレン基または炭素原子間に1〜3個の硫
    黄原子もしくは酸素原子が介在したアルキレン基を表わ
    し、、Rはアルキル基を表わし、Lは1個のメチン基ま
    たは3、5もしくは7個のメチン基が共役二重結合によ
    り連結している三価の基を表わし、Xp-は陰イオンを表
    わし、pは1、2または3を表わし、そして上記A、
    T、RおよびLはさらに置換基を有していても良い。] で表わされるシアニン系色素からなることを特徴とする
    情報記録媒体。
  2. 【請求項2】該記録層が、該シアニン系色素のメタノー
    ル溶液が示す吸収極大波長より70nm以上長波長側に吸収
    極大を有することを特徴とする特許請求の範囲第1項記
    載の情報記録媒体。
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