JP2736563B2 - 情報記録媒体および光情報記録方法 - Google Patents
情報記録媒体および光情報記録方法Info
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Description
て情報の書き込みが可能な情報記録媒体および光情報記
録方法に関するものである。
ームを用いる情報記録媒体が開発され、実用化されてい
る。この情報記録媒体は光ディスクと称され、ビデオ・
ディスク、オーディオ・ディスク、さらには大容量静止
画像ファイルおよび大容量コンピュータ用ディスク・メ
モリなどとして使用されている。
基本構造として、ガラス、合成樹脂などからなる円盤状
の基板と、この上に設けられたBi、Sn、In、Te等の金属
または半金属;またはシニアン系、金属錯体系、キノン
系等の色素からなる記録層とを有する。なお、記録層が
設けられる側の基板表面には、基板の平面性の改善、記
録層との接着力の向上あるいは光ディスクの感度の向上
などの点から、高分子物質からなる中間層が設けられる
場合がある。光ディスクへの情報の書き込みはレーザー
ビームをこの光ディスクに照射することにより行なわ
れ、記録層の照射部分がその光を吸収して局所的に温度
上昇し、物理的あるいは化学的な変化(たとえば、ピッ
トの生成)が生じてその光学的特性を変えることにより
情報が記録される。情報の読み取りもまた、レーザービ
ームを光ディスクに照射することにより行なわれ、記録
層の光学的特性の変化に応じた反射光または透過光を検
出することにより情報が再生される。
として上記のように金属類や色素等が知られている。色
素を用いた情報記録媒体は、金属等の記録材料に比べて
高感度であるなど記録媒体自体の特性において長所を有
する他に、記録層を塗布法により簡単に形成することが
できるという製造上の大きな利点を有している。しかし
ながら、色素からなる記録層は、一般に反射率が低い、
再生信号のC/Nが低い等の特性上の問題、および色素記
録層が光の照射により経時的に劣化し易いなどの欠点を
有している。
として、特開昭64−40382号公報にベンゾインドレニン
骨格(インドレニン骨格にベンゼン環が縮合した構造)
を有するシアニン系色素からなる記録層を有する光ディ
スクが開示されている。上記公報には、ベンゾインドレ
ニン骨格を有するシアニン系色素の中でも、二つのベン
ゾインドレニン骨格を連結するメチン鎖が、無置換のメ
チン基が五個からなるジカルボシアニン系色素が開示さ
れている。しかしながら、本発明者等の検討によると、
このような色素記録層を有する情報記録媒体は、C/Nに
ついては比較的良好なものであるが、反射率、さらに耐
光性については満足できるものではない。
層を設けることが一般的に行なわれている。このような
例が、日経エレクトロニクス(107頁、1989年1月23日
発行)に記載されており、これによると上記記録媒体の
記録層に用いられている色素は不明であるが、その記録
方法が、色素記録層のレーザーの吸収により色素が融解
され、これに伴なってプラスチック基板が加熱されて該
基板が記録層側に盛り上ってピットが形成されることに
よって行なわれるとの開示がなされている。この反射層
は金の蒸着膜である。そしてEPC特許公開公報0353393号
には、この反射層付き光ディスクの色素記録層に、上記
ベンゾインドレニン骨格を有するシアニン色素を用いる
ことが開示されている。これにより、比較的C/Nも高
く、向上した反射率を有する光ディスクを得ることがで
きる。
記録では(CD−DRAW)、定線速度1.2〜1.4m/秒という遅
い速度で上記信号の記録を行なう必要があり、その際記
録した信号を市販のCDプレーヤーで再生することが要求
されている。CDプレーヤーで再生するには光ディスクの
反射率が少なくとも70%以上あることが望ましい。しか
しながら、本発明者等の検討によると、上記ベンゾイン
ドレニン骨格を有するシアニン色素の記録層と反射層を
有する光ディスクにCDフォーマット信号を記録しても、
CDプレーヤーによっては再生が出来ないものがあった。
さらに、記録層の耐光性を向上させるために上記のよう
な色素にジインモニウム、アミニウム、金属錯体系の色
素を添加する場合があり、この時の記録層の反射率は一
般に低下する傾向があることから、高い反射率と優れた
耐光性の両方を得ることは難しいことが判明した。
反射率の顕著に高い(80%前後)の光ディスクの出現が
望まれる。
記録媒体であって、C/Nおよび反射率が顕著に向上した
情報記録媒体を提供することを目的とする。
情報記録媒体であって、C/Nおよび反射率が顕著に向上
し且つ耐光性に優れた情報記録媒体を提供することを目
的とする。
る情報記録媒体であって、C/N、反射率さらに感度が顕
著に向上した情報記録媒体を提供することを目的とす
る。
していてもよいアルキル基を表わし、Yはメチル基、エ
チル基またはベンジル基を表わし、Xn-は陰イオンを表
わし、nは1、2または3を表わし、そしてR2とR3は、
互いに連結して環を形成していても良い。] により表わされるベンゾインドレニン骨格を有するシア
ニン系色素を含むレーザー光により情報の記録が可能な
記録層が設けられ、そして該記録層上に金属からなる反
射層が設けられてなる情報記録媒体にある。
ながら、基板側から該記録層に、発振波長が750〜850nm
の範囲内にあるレーザー光を照射することにより情報を
記録することからなる光情報記録方法に有利に利用する
ことができる。
おりである。
い炭素原子数1〜4のアルキル基であることを特徴とす
る上記情報記録媒体。
子数1〜4の無置換のアルキル基であることを特徴とす
る上記情報記録媒体。
ホネートイオン、ClO4 -、BF4 -、SbF6 -、金属錯体イオン
またはリン酸イオンであることを特徴とする上記情報記
録媒体。
情報記録媒体。
その半値幅が0.2〜0.9μmの範囲にある上記4)の情報
記録媒体。
その半値幅が0.2〜0.9μmの範囲にある上記4)の情報
記録媒体。
する上記情報記録媒体。
ンレス鋼からなる群より選ばれる少なくとも一種である
ことを特徴とする上記情報記録媒体。
とおりである。
われることを特徴とする上記光情報記録方法。
特徴とする上記光情報記録方法。
格を有する特定のシアニン系色素からなる記録層が基板
上に設けられ、さらに該記録層上に金属からなる反射層
が積層された本発明の光ディスクは、C/N、変調度等の
記録再生特性において優れているだけでなく、反射率も
顕著に高いものである。
で、耐光性を向上させるために記録層の反射率を低下さ
せ易いクエンチャー等を添加しても高水準の反射率を維
持することができる。従って、耐光性に優れかつ高い反
射率を有する光ディスクを得ることができる。
グルーブを有する基板上に本発明の色素層およびその上
に反射層を設けた場合、反射率をほとんど低下させるこ
となく感度を向上させることができる。
で、CDフォーマットのEFM信号を記録して市販のCDプレ
ーヤーにて再生が可能であるため、CD−DRAWとして有用
である。
(I)で表わされるベンゾインドレニン骨格を有するシ
アニン系色素を含む記録層が設けられ、該記録層上に反
射層が設けられた基本構成を有する。
使用できる色素であって、得られる光ディスクが高いC/
Nなどの優れた記録再生特性および高い反射率を示すよ
うな新規な色素を求めて鋭意検討を重ねてきた。その結
果、上記一般式(I)で表わされるベンゾインドレニン
骨格を有するシアニン系色素を記録層として用いること
により、その実現が可能であることが判明した。
アニン色素は、その構造を変えることによりその吸収極
大を短波長側にも長波長側にも変化させることが可能で
あるが、上記色素の多くは、一般のレーザー光の発振波
長である780nm前後の波長帯域で、反射率が高く、そし
てC/Nおよび変調度も高いという特性を示すことが明ら
かとなった。
な方法により製造することができる。
いられている各種の材料から任意に選択することができ
る。本発明の基板材料として、例えばガラス;ポリカー
ボネート;ポリメチルメタクリレート等のアクリル樹
脂;ポリ塩化ビニル、塩化ビニル共重合体等の塩化ビニ
ル系樹脂;エポキシ樹脂;アモルファスポリオレフィン
おびポリエステルなどを挙げることができ、所望により
併用してもよい。なお、これらの材料はフィルム状とし
てまたは剛性のある基板として使うことができる。上記
材料の中で、耐湿性、寸法安定性および価格などの点か
らポリカーボネートが好ましい。
善、接着力の向上および記録層の変質の防止の目的で、
下塗層が設けられてもよい。下塗層の材料としてはたと
えば、ポリメチルメタクリレート、アクリル酸・メタク
リル酸共重合体、スチレン・無水マレイナト共重合体、
ポリビニルアルコール、N−メチロールアクリルアミ
ド、スチレン・ビニルトルエン共重合体、クロルスルホ
ン化ポリエチレン、ニトロセルロース、ポリ塩化ビニ
ル、塩素化ポリオレフィン、ポリエステル、ポリイミ
ド、酢酸ビニル・塩化ビニル共重合体、エチレン・酢酸
ビニル共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ
カーボネート等の高分子物質;およびシランカップリン
グ剤などの有機物質を挙げることができる。
は分散して塗布液を調製したのち、この塗布液をスピン
コート、ディップコート、エクストルージョンコートな
どの塗布法により基板表面に塗布することにより形成す
ることができる。下塗層の層厚は一般に0.005〜20μm
の範囲にあり、好ましくは0.01〜10μmの範囲である。
溝またはアドレス信号等の情報を表わす凹凸が形成され
ていることが好ましい。上記ポリカーボネートなどの樹
脂材料を使用する場合は、樹脂材料を射出成形あるいは
押出成形などにより直接基板上にグループが設けられる
ことが好ましい。
より行なってもよい。プレグルーブ層の材料としては、
アクリル酸のモノエステル、ジエステル、トリエステル
およびテトラエステルのうちの少なくとも一種のモノマ
ー(またはオリゴマー)と光重合開始剤との混合物を用
いることができる。
(スタンパー)上に上記のアクリル酸エステルおよび重
合開始剤からなる混合液を塗布し、さらにこの塗布液層
上に基板を載せたのち、基板または母型を介して紫外線
の照射により液層を硬化させて基板と液相とを固着させ
る。次いで、基板を母型から剥離することによりプレグ
ルーブ層の設けられた基板が得られる。
にあり、好ましくは0.1〜50μmの範囲である。
は300〜2000Åの範囲が、その半値幅は0.2〜0.9μmの
範囲が好ましい。また、プレグルーブの深さを1500〜20
00Åの範囲にすることにより反射率をほとんど低下させ
ることなく感度を向上させることができ、特に好まし
い。従って、このような光ディスク(深いプレグルーブ
の基板に一般式(I)の色素の記録層および反射層が形
成された)は、高い感度を有することから、低いレーザ
ーパワーでも記録が可能となり、これにより安価な半導
体レーザーの使用が可能となる、あるいは半導体レーザ
ーの使用寿命を延ばすことができる等の利点を有する。
ベンゾインドレニン骨格を有するシアニン色素を含むこ
とを特徴とする。
していてもよいアルキル基を表わし、Yはメチル基、エ
チル基またはベンジル基を表わし、Xn-は陰イオンを表
わし、nは1、2または3を表わし、そしてR2とR3は、
互いに連結して環を形成していても良い。] 上記一般式(I)のR1で表わされるアルキル基として
は、好ましくは、置換されていても良い炭素原子数1〜
4のアルキル基で、さらに好ましくは無置換の炭素原子
数1〜4のアルキル基、最も好ましくはメチル基であ
る。
基としては、F、Clなどのハロゲン原子;メトキシ基、
エトキシ基などのアルコキシ基;メチルチオ基、エチル
チオ基などのアルキルチオ基;アセチル基などのアシル
基;アセトキシ基などのアシルオキシ基;ヒドロキシ
基;エトキシカルボニル基などのアルコキシカルボニル
基;ビニル基などのアルケニル基;およびフェニル基な
どのアリール基を挙げることができる。上記置換基の好
ましいものは、F、Clなどのハロゲン原子;メトキシ
基、エトキシ基などのアルコキシ基およびメチルチオ
基、エチルチオ基などのアルキルチオ基である。
基としては、それぞれ一般に置換されていても良い炭素
原子数1〜4のアルキル基で、R2とR3は、互いに連結し
て環を形成していても良く、好ましくは無置換の炭素原
子数1〜4のアルキル基で、R2とR3は、互いに連結して
環を形成していても良く、さらに好ましくはメチル基ま
たはエチル基である。
基の置換基としては、F、Clなどのハロゲン原子;メト
キシ基、エトキシ基などのアルコキシ基;メチルチオ
基、エチルチオ基などのアルキルチオ基;アセチル基な
どのアシル基;アセトキシ基などのアシルオキシ基;ヒ
ドロキシ基;エトキシカルボニル基などのアルコキシカ
ルボニル基;ビニル基などのアルケニル基;およびフェ
ニル基などのアリール基を挙げることができる。
はメチル基およびベンジル基であり、特に好ましくはメ
チル基である。
としては、 ハライドイオン(例えば、Cl-、Br-、I-)、スルホネ
ートイオン(例えば、CH3SO3 -、CF3SO3 -、CH3OSO3 -、 ナフタレン−1、5−ジスルホネートイオン)、Cl
O4 -、BFO4 -、SbF6 -、金属錯体イオン(例えば、 およびリン酸イオン(例えば、PF6 -、 を挙げることができる。
はYの置換基として、スルフォナト基などの陰イオンの
形で存在して、分子内塩を形成していてもよい。
格を有する特定のシアニン系色素を用いて記録層を基板
上に形成し、該記録層上にさらに反射層を設けた本発明
の光ディスクは、高い反射率を示すと共に記録感度、C/
N等の記録再生特性においても優れた特性を示す。上記
ベンゾインドレニン骨格を有するシアニン系色素の記録
層は、一般に極大吸収波長を710nm付近より短波長側に
有し、記録または再生に用いられるレーザー光の発振波
長である780nm前後の波長帯域では光の吸収が比較的小
さく、該記録層上に反射層を設けた場合、得られる光デ
ィスクの反射率が顕著に向上するとの特性を持ってい
る。すなわち、780nm前後の波長帯域では光の吸収が比
較的小さく透過率が高いため、記録層を透過した光は反
射層でほとんど反射することから、光ディスクの反射率
が向上すると推定される。
以下のI−1〜I−24を挙げることができる。
ン骨格を有するシアニン系色素は、特開昭64−40382号
公報および特開昭64−40387号公報に記載された光ディ
スクの記録層に用いられる色素の一般式に含まれるもの
である。上記色素の一般的な合成方法や化学的挙動につ
いては『ヘテロ環化合物の化学』(The Chemistry of H
eterocyclic Compound)シリーズの『シアニン色素とそ
の関連化合物』(Cyanine Dyes and Related Compound,
John Wiley & Sons,New York,London;1964発行)に記
載されている。
ン系色素のうち好ましいものについては、その合成法が
示されていないので以下に例を挙げて説明する。
ウムパラトルエンスルホネート40gにピリジン150mlを加
え、加熱還流下に1,1,3,3−テトラエトキシ−2−メチ
ルプロパン37gを滴下した。その後、1時間に亙り加熱
還流した後、溶媒を減圧下に留去し、残渣にメタノール
500mlを加えた。不溶物を濾過した後、氷冷下に攪拌し
ながら60%過塩素酸水溶液20mlを加えた。生じた結晶を
濾取し、30gの色素I−1の粗結晶を得た。これをクロ
ロホルムに溶解した後、メタノールで希釈し、さらにク
ロロホロムおよびメタノールを留去して色素I−1の結
晶を得た。
メチルプロパンの代わりに1,1,3,3−テトラエトキシ−
2−ベンジルプロパンを用いる他は合成例1と同様にし
て色素I−2を得た。
[e]−3H−インドリウムパラトルエンスルホネートの
代わりに1−エチル−2,3,3−トリメチルベンゾ[e]
−3H−インドリウムパラトルエンスルホネートを用いる
他は合成例1と同様にして色素I−7を得た。
[e]−3H−インドリウムパラトルエンスルホネートの
代わりに1−プロピル−2,3,3−トリメチルベンゾ
[e]−3H−インドリウムパラトルエンスルホネートを
用いる他は合成例1と同様にして色素I−8を得た。
[e]−3H−インドリウムパラトルエンスルホネートの
代わりに1−ブチル−2,3,3−トリメチルベンゾ[e]
−3H−インドリウムヨウ化物を用い、溶媒としてピリジ
ンの他に少量のエタノールを添加して加熱還流を行なっ
た以外は合成例1と同様にして色素I−9を得た。
向上させるためにいわゆる一重項酸素クエンチャーとし
て知られている種々の色素、例えば下記の一般式(I
I)、(III)もしくは(IV)で表わされる化合物を併用
することが好ましい。
の非金属陽イオンを表わし、MはNiなどの遷移金属原子
を表わし、ZおよびZ′は置換されていても良いベンゼ
ン環、2−チオクソ−1,3−ジチオール環などの5ない
し6員の芳香環もしくはヘテロ環を完成するための原子
団を表わす) [式中Rは、置換基を有していてもよいアルキル基を表
わし、Qは一般式(I)のXで示したものと同じ陰イオ
ンを表わす] [式中Rは一般式(III)と同義の基を表わし、Qは一
般式(II)と同義の陰イオンを表わす] 上記一般式(II)、(III)または(IV)で表わされ
るクエンチャーの具体例としては、PA−1006(三井東圧
ファイン(株))、IRG−023、IRG−022およびIRG−003
(以上日本化薬(株))などを挙げることができる。
素100重量部に対して5〜30重量部が好ましい。
エンチャー、結合剤などを溶剤に溶解して塗布液を調製
し、次いでこの塗布液を基板表面に塗布して塗膜を形成
したのち乾燥することにより行なうことができる。
チル、酢酸ブチル、セロソルブアセテートなどのエステ
ル;メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルイ
ソブチルケトンなどのケトン;ジクロルメタン、1,2−
ジクロルエタン、クロロホルムなどの塩素化炭化水素;
ジメチルホルムアミドなどのアミド;シクロヘキサンな
どの炭化水素;テトラヒドロフラン、エチルエーテル、
ジオキサンなどのエーテル;エタノール、n−プロパノ
ール、イソプロパノール、n−ブタノールジアセトンア
ルコールなどのアルコール;2,2,3,3−テトラフロロプロ
パノールなどのフッ素系溶剤;エチレングリコールモノ
メチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテ
ル、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどのグ
リコールエーテル類などを挙げることができる。上記溶
剤は使用する色素の溶解性を考慮して単独または二種以
上併用して適宜用いることができる。
潤滑剤など各種の添加剤を目的に応じて添加してもよ
い。
ラチン、セルロース誘導体、デキストラン、ロジン、ゴ
ムなどの天然有機高分子物質;およびポリエチレン、ポ
リプロピレン、ポリスチレン、ポリイソブチレン等の炭
化水素系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、
ポリ塩化ビニル・ポリ酢酸ビニル共重合体等のビニル系
樹脂、ポリアクリル酸メチル、ポリメタクリル酸メチル
等のアクリル樹脂、ポリビニルアルコール、塩素化ポリ
エチレン、エポキシ樹脂、ブチラール樹脂、ゴム誘導
体、フェノール・ホルムアルデヒド樹脂等の熱硬化性樹
脂の初期縮合物などの合成有機高分子物質を挙げること
ができる。
に対する色素の比率は一般に0.01〜99%(重量比)の範
囲にあり、好ましくは1.0〜95%(重量比)の範囲にあ
る。このようにして調製される塗布液の濃度は一般に0.
01〜10%(重量比)の範囲にあり、好ましくは0.1〜5
%(重量比)の範囲にある。
200〜3000Åの範囲にあり、好ましくは500〜2500Åの範
囲にある。また、記録層は基板の片面のみならず両面に
設けられていてもよい。
ィップ法、ロールコート法、ブレードコート法、ドクタ
ーロール法、スクリーン印刷法などを挙げることができ
る。
に、情報の再生時における反射率の向上の目的で、反射
層が設けられる。
る反射率が高い物質であり、その例としては、Mg、Se、
Y、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Re、F
e、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、Ir、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、C
d、Al、Ga、In、Si、Ge、Te、Pb、Po、Sn、Biなどの金
属および半金属あるいはステンレス鋼を挙げることがで
きる。これらのうちで好ましいものは、Cr、Ni、Pt、C
u、Ag、Au、Alおよびステンレス鋼である。これらの物
質は単独で用いてもよいし、あるいは二種以上の組合せ
でまたは合金として用いてもよい。
タリングまたはイオンプレーティングすることにより記
録層の上に形成することができる。反射層の層厚は一般
には100〜3000Åの範囲にある。
学的に保護する目的で保護層が設けられてもよい。この
保護層は、基板の記録層が設けられていない側にも耐傷
性、耐湿性を高める目的で設けられてもよい。
gF2、SnO2、Si3N4等の無機物質;熱可塑性樹脂、熱硬化
性樹脂、UV硬化性樹脂等の有機物質を挙げることができ
る。
たフィルムを接着層を反射層上および/または基板上に
ラミネートすることにより形成することができる。ある
いは真空蒸着、スパッタリング、塗布等の方法により設
けられてもよい。また、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂の
場合には、これらを適当な溶剤に溶解して塗布液を調製
したのち、この塗布液を塗布し、乾燥することによって
も形成することができる。UV硬化性樹脂の場合には、そ
のままもしくは適当な溶剤に溶解して塗布液を調製した
のちこの塗布液を塗布し、UV光を照射して硬化させるこ
とによっても形成することができる。これらの塗布液中
には、更に帯電防止剤、酸化防止剤、UV吸収剤等の各種
添加剤を目的に応じて添加してもよい。
る単板であってもよいが、あるいは更に上記構成を有す
る二枚の基板を記録層が内側となるように向い合わせ、
接着剤等を用いて接合することにより、貼合せタイプの
記録媒体を製造することもできる。あるいはまた、二枚
の円盤状基板のうちの少なくとも一方に上記構成を有す
る基板を用いて、リング状内側スペーサとリング状外側
スペーサとを介して接合することにより、エアーサンド
イッチタイプの記録媒体を製造することもできる。
ことができる。
録再生特性にも優れた光ディスクは、耐光性を向上させ
るため一重項クエンチャーを添加しても所望の反射率を
維持することができる。すなわち、上記クエンチャーを
添加した場合には、一般に光ディスクの反射率は低下す
るが、本発明の情報記録媒体は反射率が80%前後と顕著
に高いため、クエンチャーを添加しても高反射率を維持
することができ、市販のCDプレーヤで再生することがで
きる。従って、高反射率を有し且つ耐光性に優れた光デ
ィスクも得ることができる。
用いて、例えば次のように行なわれる。
合は1.2〜1.4m/秒)または定角速度にて回転させなが
ら、基板側から半導体レーザー光などの記録用の光を照
射する。この光の照射により、記録層と反射層との界面
に空洞を形成(空洞の形成は、記録層または反射層の変
形、あるいは両層の変形を伴なって形成される)する
か、基板が肉盛り変形する、あるいは記録層に変色、会
合状態の変化等により屈折率が変化することにより情報
が記録されると考えられる。記録光としては750nm〜850
nmの範囲の発振波長を有する半導体レーザービームが用
いられる。
を上記と同一の定線速度で回転させながら半導体レーザ
ー光を基板側から照射して、その反射光を検出すること
により行なうことができる。
の各例は本発明を制限するものではない。
色素I−1)2.0gを2,2,3,3−テトラフロロプロパノー
ル(構造式:HCF2CF2CH2OH)100ccに溶解して色素層塗
布液を調製した。
ネート基板(外径:120mm、内径:15mm、厚さ:1.2mm、ト
ラックピッチ:1.6μm、グループの半値幅:0.5μm、グ
ループの深さ:900Å)上に、塗布液をスピンコート法に
より回転数1000rpmの速度で塗布した後30秒間乾燥して
層厚が2000Åの記録層を形成した。
00Åの反射層を形成し、該反射層上に、保護層としてUV
硬化性樹脂(商品名:3070、スリーボンド社製)をスピ
ンコート法により回転数1500rpmの速度で塗布した後、
高圧水銀灯にて紫外線を照射して硬化させ層厚3μmの
保護層を形成した。
からなる情報記録媒体を製造した。
表わされるシアニン系色素(前記色素I−1)2.0gの代
わりに(前記色素I−2)2.0gを用いた以外は実施例1
と同様にして情報記録媒体を製造した。
表わされるシアニン系色素(前記色素I−1)2.0gの代
わりに(前記色素I−7)2.0gを用いた以外は実施例1
と同様にして情報記録媒体を製造した。
表わされるシアニン系色素(前記色素I−1)2.0gの代
わりに(前記色素I−8)2.0gを用いた以外は実施例1
と同様にして情報記録媒体を製造した。
表わされるシアニン系色素(前記色素I−1)2.0gの代
わりに(前記色素I−9)2.0gを用いた以外は実施例1
と同様にして情報記録媒体を製造した。
ーとしてジインモニウム色素(IRG−023、日本化薬
(株)製)0.2gを加えて色素塗布液を調製した以外は実
施例1と同様にして情報記録媒体を製造した。
表わされるシアニン系色素(前記色素I−1)2.0gの代
わりに(前記色素I−2)2.0gを用いた以外は実施例6
と同様にして情報記録媒体を製造した。
表わされるシアニン系色素(前記色素I−1)2.0gの代
わりに(前記色素I−7)2.0gを用いた以外は実施例6
と同様にして情報記録媒体を製造した。
表わされるシアニン系色素(前記色素I−1)2.0gの代
わりに(前記色素I−8)2.0gを用いた以外は実施例6
と同様にして情報記録媒体を製造した。
表わされるシアニン系色素(前記色素I−1)2.0gの代
わりに(前記色素I−9)2.0gを用いた以外は実施例6
と同様にして情報記録媒体を製造した。
代えて1600Åの深さの基板を用いた以外実施例6と同様
にして情報記録媒体を製造した。
表わされるシアニン系色素(前記色素I−1)2.0gの代
わりに(前記色素I−2)2.0gを用いた以外は実施例11
と同様にして情報記録媒体を製造した。
表わされるシアニン系色素(前記色素I−1)2.0gの代
わりに(前記色素I−7)2.0gを用いた以外は実施例11
と同様にして情報記録媒体を製造した。
表わされるシアニン系色素(前記色素I−1)2.0gの代
わりに(前記色素I−8)2.0gを用いた以外は実施例11
と同様にして情報記録媒体を製造した。
表わされるシアニン系色素(前記色素I−1)2.0gの代
わりに(前記色素I−9)2.0gを用いた以外は実施例11
と同様にして情報記録媒体を製造した。
代えて400Åの深さの基板を用い、色素層塗布液の溶剤
として2,2,3,3−テトラフロロプロパノール100ccを2,2,
3,3−テトラフロロプロパノール90ccおよびプロピレン
グリコールモノメチルエーテル10ccに変えた以外は実施
例1と同様にして情報記録媒体を製造した。
アニン色素(前記色素I−1)2.0gの代わりに下記の色
素A2.0gを用いて色素塗布液を調製し、そして記録層の
層厚2000Åを1300Åに変えた以外は実施例1と同様にし
て記録媒体を製造した。
として上記ジインモニウム色素(IRG−023、日本化薬
(株)製)0.2gを加えて色素層塗布液を調製した以外は
比較例1と同様にして情報記録媒体を製造した。
色素B2.0gを用いて色素塗布液を調製した以外は比較例
1と同様にして情報記録媒体を製造した。
に変えた以外は比較例1と同様にして情報記録媒体を製
造した。
に変えた以外は比較例2と同様にして情報記録媒体を製
造した。
に変えた以外は比較例3と同様にして情報記録媒体を製
造した。
ら1600Åに変えた以外は比較例4と同様にして情報記録
媒体を製造した。
ら1600Åに変えた以外は比較例5と同様にして情報記録
媒体を製造した。
ら1600Åに変えた以外は比較例6と同様にして情報記録
媒体を製造した。
アニン系色素(前記色素I−1)2.0gの代わりに上記の
色素A2.0gを用いて色素塗布液を調製した以外は実施例1
6と同様にして情報記録媒体を製造した。
いて、下記のようにして特性の評価を行なった。
レーザー光をNAが0.5の対物レンズを通して照射して媒
体の記録層に焦点を結び、溝内にトラッキングしなが
ら、定線速度1.3m/秒、記録パワー7.0mWにて、変調周波
数720kHz(デューティー33%)の信号を記録した。そし
て記録された信号を0.5mWの再生パワーにて再生し、再
生時のC/Nを、スペクトルアナライザー(TR4135:アドバ
ンテスト社製)を用いて測定した。
ーで未記録の溝内にトラッキングしたときに、媒体から
戻ってくる反射光量(X)をフォトディテクターで測定
した。次に媒体を取り除いて媒体にあった位置に同じフ
ォトディテクターを置いて入射光量(Y)を測定した。
で0.5mWづつ記録パワーを変えながら定線速度1.3m/秒に
てCDフォーマットEFM信号を記録した。記録された信号
を0.5mWの再生パワーにて再生し1秒間に発生するC1エ
ラーフレーム数を測定した。C1エラーフレーム数が30未
満になる最も小さい記録パワーを感度とした。
成および上記測定結果を第1表に示す。
系色素の記録層を有する情報記録媒体(実施例1〜16)
は、反射率が顕著に高くかつC/Nについても高い水準を
示している。従って、耐光性を向上させるためにクエン
チャーを添加した場合も、実施例6〜15が示すように高
い反射率を維持することができる。また、グルーブの深
さの深い基板を用いた実施例11〜15の光ディスクは、さ
らに記録感度も優れていることが分かる。
で一般的に知られているベンゾインドレニン骨格を有す
る色素AおよびBを用いた光ディスク(比較例1および
3)は、実施例に比較すると低い反射率となっており、
CDプレーヤーで情報を再生するには充分満足できる反射
率とは言えない。さらに、耐光性を向上させる為にクエ
ンチャーの添加(比較例2)した場合は、反射率が70%
を下回る結果となっている。また、グルーブの深さの深
い基板を用いた比較例7〜9の光ディスクは感度は少し
上昇するものの、前記実施例11〜15のものに比べると感
度及び反射率の両方で劣っている。
Claims (3)
- 【請求項1】基板上に、下記の一般式(I); [式中、R1、R2およびR3は、それぞれ独立に置換基を有
していてもよいアルキル基を表わし、Yはメチル基、エ
チル基またはベンジル基を表わし、Xn-は陰イオンを表
わし、nは1、2または3を表わし、そしてR2とR3は、
互いに連結して環を形成していても良い。] により表わされるベンゾインドレニン骨格を有するシア
ニン系色素を含むレーザー光により情報の記録が可能な
記録層が設けられ、そして該記録層上に金属からなる反
射層が設けられてなる情報記録媒体。 - 【請求項2】上記基板上に、プレグループが形成され、
且つ該プレグループの深さが1500〜2000Åの範囲にあ
り、その半値幅が0.2〜0.9μmの範囲にある請求項1に
記載の情報記録媒体。 - 【請求項3】基板上に、下記の一般式(I); [式中、R1、R2およびR3は、それぞれ独立に置換基を有
していてもよいアルキル基を表わし、Yはメチル基、エ
チル基またはベンジル基を表わし、Xn-は陰イオンを表
わし、nは1、2または3を表わし、そしてR2とR3は、
互いに連結して環を形成していても良い。] により表わされるベンゾインドレニン骨格を有するシア
ニン系色素を含むレーザー光により情報の記録が可能な
記録層が設けられ、そして該記録層上に反射層が設けら
れてなる情報記録媒体を回転させながら、基板側から該
記録層に、発振波長が750〜850nmの範囲内にあるレーザ
ー光を照射することにより情報を記録することからなる
光情報記録方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2231933A JP2736563B2 (ja) | 1990-07-24 | 1990-08-31 | 情報記録媒体および光情報記録方法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19709090 | 1990-07-24 | ||
JP2-197090 | 1990-07-24 | ||
JP2231933A JP2736563B2 (ja) | 1990-07-24 | 1990-08-31 | 情報記録媒体および光情報記録方法 |
Related Child Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9182962A Division JP2827005B2 (ja) | 1997-06-23 | 1997-06-23 | シアニン系色素 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04175188A JPH04175188A (ja) | 1992-06-23 |
JP2736563B2 true JP2736563B2 (ja) | 1998-04-02 |
Family
ID=26510161
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2231933A Expired - Lifetime JP2736563B2 (ja) | 1990-07-24 | 1990-08-31 | 情報記録媒体および光情報記録方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2736563B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH05345479A (ja) * | 1991-07-25 | 1993-12-27 | Nippon Columbia Co Ltd | 光情報記録用感光色素および光情報記録媒体 |
JP3705520B2 (ja) * | 1997-07-31 | 2005-10-12 | 富士写真フイルム株式会社 | 光情報記録媒体 |
-
1990
- 1990-08-31 JP JP2231933A patent/JP2736563B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
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JPH04175188A (ja) | 1992-06-23 |
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