JP3199129B2 - 力または荷重センサの故障自己復帰装置 - Google Patents
力または荷重センサの故障自己復帰装置Info
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Description
重を検出するセンサが故障しているか否か診断する装置
及び、センサが故障している場合に、その故障を自己復
帰させる装置に関する。
気抵抗線式歪みゲージや半導体式歪みゲージ等の歪みゲ
ージを含むブリッジ回路を、力または荷重の印加によっ
て歪みを生じる起歪部に貼着し、起歪部に生じた歪みを
歪みゲージで検出して、印加された力または荷重を検出
するもの、例えばロードセルが知られている。このよう
なセンサは、例えば計量ホッパに複数台設けられ、図7
に示すように各センサ1、2、3の出力は、指示装置4
内の1台のA/D変換器5によってディジタル化され、
演算回路6に供給される。演算回路6は例えば、これら
各ディジタル信号を加算して、計量ホッパとその内部の
物品との総重量を算出し、この総重量から計量ホッパの
重量を減算して物品の重量を算出し、表示部7に表示す
る。
ジを用いたセンサは、荷重、圧力等の工業計測分野に利
用されるだけでなく、その精度の高さ及び故障率の低さ
の故に、産業分野から民生分野まで幅広く使用されてい
る。
しては、センサに接続されている電線や歪ゲージの断
線、過負荷の印加や悪環境による性能劣化、センサの機
械的破損等がある。これら故障のうち、外見から容易に
見つけられる程の機械的破損が生じている場合には、そ
の発見は容易である。また、電線や歪ゲージの断線の場
合も、センサの出力が大きく、シフトしたり、全く出力
を生じなくなるので発見が比較的容易である。しかし、
起歪部の一部に亀裂が入った場合や、定格を超えた荷重
や力が印加されて、起歪部にわずかな変形が生じた場合
には、外見からはなかなかこのような状態にあることを
発見できないし、センサの出力は大きく変化せずに、わ
ずかにシフトするだけである。従って、相当の時間が経
過し、そのシフトが大きくならない限り、これらの事態
が発生していることが判明しない。
かずに放置していると、産業用の計測、制御分野では、
原料の配合不良や工場の設備の破損等の、単なる計測不
良を超えた事故や損害を発生する恐れがあるという問題
点がある。また、民生用の秤等の分野では長期に渡って
誤計量を続けることとなり、その秤を使用している業者
の信用を失墜させるという問題が生じる。
点を解決するためになされたもので、第1の発明による
故障自己復帰装置では、1つの力または荷重が予め定め
た負担割合で分散して、複数の力または荷重センサに印
加される。これらセンサが正常であって、異なる複数の
力または荷重がそれぞれ印加されている状態における各
センサの出力をそれぞれ複数の基準値として、記憶手段
が記憶している。さらに、センサを使用している状態で
あって、かつ上記異なる特定の力または荷重の印加状態
それぞれにおいて、各センサの出力と、これらに対応す
る記憶手段の記憶値とが、比較手段によって比較され
る。比較の結果、故障と診断されたセンサ以外のセンサ
の出力に所定の係数が乗算手段によって乗算される。所
定の係数は、故障と診断されたセンサ以外のセンサの上
記負担割合の逆数である。
の力または荷重センサを備えているが、これらセンサに
ほぼ均等に力または荷重が印加される。各センサの出力
は、互いに比較手段によって比較される。比較の結果、
全てがほぼ等しくないと判定されたとき、最も値が大き
く外れているセンサを検索手段が検索する。このように
検索されたセンサ以外のセンサの出力の和に、所定の係
数(検索されたセンサ以外のセンサの台数で全センサの
台数を除した値)を乗算手段が乗算する。
特定の印加状態になったとき、各センサの出力が、セン
サが正常であるときの特定の印加状態のときの各センサ
の出力である基準値と比較手段で比較される。もちろ
ん、この基準値は各センサごとにそれぞれ異なる値のも
のを複数設け、これらそれぞれの基準値とセンサの出力
を比較することもできる。比較の結果出力が基準値と一
致しなかったセンサは故障であると判定できる。このよ
うにして故障であると判断されたセンサ以外のセンサの
出力に演算手段によって所定の係数を乗算することによ
って各センサ全体に印加されている力または荷重を予測
できる。
力または荷重が印加されているので、各センサの出力を
互いに比較したとき、各センサが正常であれば、各出力
はほぼ値が一致するはずである。一致していないと、故
障があると判断される。そして、特に大きく値が外れて
いるものを検索手段で検索すると、その大きく外れてい
るものが故障していると、特定できる。また、各センサ
には、ほぼ均等に力または荷重が印加されているので、
故障と認定されなかった、すなわち正常なセンサの出力
に演算手段で所定の係数を乗算することによって各セン
サ全体に印加されている力または荷重を予測することが
できる。
10に使用している荷重センサ12、14、16に本発
明を実施したもので、この計量ホッパ10には、その上
方に設けた投入ホッパ18から物品、例えば粉粒体が投
入される。この投入された粉粒体の荷重は、計量ホッパ
10の外部に設けた3台の荷重センサ12、14、16
にほぼ均等に印加される。これら荷重センサ12、1
4、16は、図1に示すように起歪部に貼着された電気
抵抗線式歪みゲージを用いたブリッジ回路12a、14
a、16aを含んでいる。
は、それぞれ個別に指示装置19内に導入され、各荷重
センサ12、14、16ごとに設けられたA/D変換器
20、22、24によってディジタル信号に変換された
後、加算回路26によって加算される。この加算信号が
粉粒体及び計量ホッパの荷重を表している。この加算信
号は、演算回路28に供給され、ここで例えば風袋引き
(計量ホッパの重量の減算)等の処理がなされ、さらに
目標重量値と比較される。目標重量値に等しくなると、
演算回路28は投入ホッパ18に対して投入停止指示信
号を発生する。また、演算回路28は、その風袋引き後
の信号を表示回路30に供給し、計量ホッパ10に現在
供給されている粉粒体の荷重を表示する。
目標重量値に計量ホッパ10内の粉粒体の重量が等しく
なったときに投入の停止を指示するもの以外に、例えば
大投入、中投入、小投入のように、そのときどきの計量
ホッパ10内の粉粒体の重量に応じて、投入ホッパ18
からの投入量を制御して、より精度良く目標重量値の粉
粒体を計量ホッパ10に投入できるようにするものもあ
る。
ィジタル信号(各荷重センサ12、14、16の出力を
ディジタル化したもの)は、故障診断及び自己復帰回路
32にも供給され、ここで各荷重センサ12、14、1
6に故障が生じているか否かの診断、また故障が生じて
いる場合には、この故障を自己復帰させる処理を行う。
4を用いて、この回路における故障診断の原理を説明す
る。図3に示すS1乃至S3は、正常状態の各荷重セン
サ12、14、16の出力を示したもので、各荷重セン
サ12、14、16には、ほぼ均等に計量ホッパ10に
投入された粉粒体の荷重が印加されているので、どのよ
うな大きさの荷重が印加されている場合でも、各荷重セ
ンサ12、14、16が正常である限り、どの荷重セン
サ12、14、16の出力もほぼ等しくなる。
サ16が、上述したような一見しただけでは外部からは
発見することができず、しかも、出力S3が正常である
なら生じるであろうと予測される出力範囲よりも極端に
シフトせず、出力の値のみからは故障と判断することが
できないような故障が生じている場合を考える。一点鎖
線で示すように、この出力S3のみが、他の荷重センサ
12、14の出力S1、S2とかけ離れた値となる。従
って、各荷重センサ12、14、16の値を互いに比較
した場合に、いずれか1つの出力が他のものとかけ離れ
た値であると、その出力を生じている荷重センサに故障
があることが判明する。
じた場合であるが、2台以上の荷重センサに故障が生じ
た場合にも、同様に各荷重センサの出力を比較すること
によって、どの荷重センサに故障が生じているかは断定
できないが、故障が生じていることは診断できる。
変化する場合を考える。故障が生じるまでの経緯は、何
らかの理由により、ショック荷重が起歪部に印加され、
最初は小さな亀裂であるが、その後、繰り返し応力が印
加され、徐々に亀裂が大きくなり、感度にも影響を与え
るようになり、最終的に起歪部が破断され、計測不能と
なる。この場合、荷重センサは複数台設けられ、しかも
計量ホッパ10の異なった位置に設けられているので、
初期に印加されるショック荷重の大きさは、各荷重セン
サごとによって異なっている。従って、各荷重センサ1
2、14、16の起歪部に発生する亀裂の大きさ、亀裂
の生じる場所は、異なったものとなる。また、繰り返し
応力の値にも違いが生じる。その結果、故障が生じた荷
重センサ、例えば荷重センサ14、16の出力の値が、
図4に一点鎖線で示すようにそれぞれ異なった値とな
る。従って、正常である荷重センサ12の出力、故障で
ある荷重センサ14、16の出力は、それぞれ異なった
値となるので、これらを比較し、これらの値がほぼ等し
くなく、各荷重センサ12、14、16の出力がそれぞ
れ異なっている場合には、2台以上のセンサに故障が生
じていると診断できる。
ージを受け、起歪部の気密性が失われて、絶縁不良、ゲ
ージの腐食と進行する場合を考える。この場合、最初に
絶縁不良が生じ、出力信号が安定せず、ふらつくが、絶
縁不良を起こす箇所、絶縁不良の程度は、各荷重センサ
によって違いがある。従って、出力信号がふらつく大き
さや周期は同じにならず、各荷重センサ12、14、1
6の出力がそれぞれ違った値を示すので、各荷重センサ
12、14、16の出力を比較し、これらの値がほぼ等
しくなく、各荷重センサ12、14、16の出力がそれ
ぞれ大きく異なっている場合には、2台以上のセンサが
故障と診断できる。
加され、起歪部がわずかに変形した場合を考える。この
場合も、各荷重センサに印加される過負荷の量は微妙に
異なっており、荷重センサ12、14、16の出力信号
のシフト量にも差が生じる。従って、各荷重センサ1
2、14、16の出力信号は、それぞれ異なった値を示
すようになり、各荷重センサ12、14、16の出力を
相互に比較し、これらの値がほぼ等しくなく、各荷重セ
ンサ12、14、16の出力が大きく異なっている場合
には、2台以上のセンサに故障が生じていると診断する
ことができる。
同時に故障が生じる確率は非常に少なく、通常は1台の
みの故障が生じると考えても問題となることは殆どな
い。
は、A/D変換器20、22、24の出力、即ち各荷重
センサ12、14、16の出力を比較する。この比較で
は、たとえば、各出力の偏差を求め、これら各偏差が予
め定めた許容値(図3にS1、S2、S3で示すように
正常状態における各出力の偏差は予め測定可能であるの
で、これに基づいて許容値は決定できる。)以内にあれ
ば、各出力の値はほぼ等しいと判断する。
3に一点鎖線で示すように、荷重センサ16の出力が他
の荷重センサ12、14の出力とかけ離れている場合、
荷重センサ16の出力と荷重センサ12の出力との偏
差、及び荷重センサ16の出力と荷重センサ14の出力
との偏差が共に、許容値から外れることになるので、荷
重センサ16が故障していることが分かる。
し、図4に一点鎖線で示すように荷重センサ14、16
の出力が、荷重センサ12の出力とかけ離れて、しかも
上述したような故障の場合、荷重センサ14、16の出
力も互いにかけ離れたものとなるので、各荷重センサ1
2、14、16の出力間の3つの偏差は、いずれも許容
値から外れた値となる。従って、いずれの荷重センサが
故障であるかは、判明しないが2台以上の荷重センサに
故障が生じていることが判明する。
重センサに故障が生じた場合、残りの2台の荷重センサ
の出力によって、計量ホッパ10に印加された荷重を予
測して、自己復帰するように構成されている。即ち、計
量ホッパ10に設けられている荷重センサ12、14、
16には、ほぼ均等に荷重が印加されている。従って、
1台1台の荷重センサが故障した場合には、他の2台の
荷重センサの出力の加算値の値を1.5倍(正常なセン
サの台数で全センサの台数を除した値、または正常なセ
ンサの負担割合(1/3+1/3)の逆数)することに
よって計量ホッパ10に印加されている荷重を予測する
ことができる。
8を例えばマイクロコンピュータによって構成した場合
に、マイクロコンピュータが行う動作のうち、本発明に
関連する部分を示したものである。まず各荷重センサ1
2、14、16の出力のディジタル信号を読み込む(ス
テップS2)。そして、各ディジタル信号間の3つの偏
差を求める(ステップS4)。
であるか、即ち各出力がほぼ等しいか判断する(ステッ
プS6)。そして、この判断がイエスであると、3台の
荷重センサ12、14、16の各ディジタル出力を加算
することによって、計量ホッパ10に印加された荷重を
求め(ステップS8)、投入ホッパ18の制御等の処理
を行う。
3つの出力がほぼ等しくないと、2つの偏差が許容値か
ら外れているか、即ち1つの荷重センサの出力だけが大
きく異なっているか判断する(ステップS10)。この
判断がイエスであると、故障の生じている荷重センサを
記憶し、警報を発信する(ステップS12)。さらに、
自己復帰機能を働かせるべき指示が与えられているか判
断し(ステップS14)、この判断がイエスであると、
正常な2台のセンサの出力を加算し、これを1.5倍す
ることによって、計量ホッパ10に印加された荷重を予
測する(ステップS16)。そして、投入ホッパ18の
制御等の処理を行う。
即ち3つの偏差が全て許容値から外れている場合、計量
ホッパ10への投入ホッパ18からの粉粒体の投入を停
止させる。なお、ステップS14の判断がノーの場合、
即ち、自己復帰機能を働かさせる指示が与えられていな
い場合も、投入ホッパ18からの粉粒体の投入を停止さ
せる。
測定ごとに各荷重センサ12、14、16が故障である
か否かを診断したが、例えば零点調整時にのみ故障であ
るか否かを判断するようにもできる。また、上記の実施
例では、図1に示すように各荷重センサ12、14、1
6ごとにA/D変換器20、22、24を設けたが、図
6に示すように1台のA/D変換器32のみを設け、切
り替え回路34によって開閉制御されるスイッチ36乃
至41によって各荷重センサ12、14、16のブリッ
ジ回路12a、14a、16aの出力をA/D変換器3
2に供給するように構成してA/D変換器の台数を減少
させてもよい。
2、14、16の出力を比較したが、各出力をそれぞれ
基準値と比較してもよい。即ち、図3にS1a、S2
a、S3aで示すように、計量ホッパ10に粉粒体が投
入されていない状態において、各荷重センサ12、1
4、16が正常な場合にとる出力の値は予め判明してい
る。同様に、任意の量の粉粒体が投入された場合、例え
ば重量Bの粉粒体が投入されている場合の各荷重センサ
12、14、16の出力もS1b、S2b、S3bと判
明している。従って、これらの値に粉粒体の付着等によ
る誤差を勘案してそれぞれ各荷重状態における基準値を
定めておき、これらを適当な記憶手段に記憶させ、その
ときの荷重に応じた各荷重センサ12、14、16に対
する各基準値を記憶手段から読みだし、各荷重センサ1
2、14、16の出力と、これらに対応する基準値とを
比較することによっていずれの荷重センサに故障が生じ
ているか診断することもできる。この場合には、2台以
上の荷重センサに故障が生じていても、どの荷重センサ
が故障しているか診断することもできる。
でも、特定の荷重センサの故障であると診断できると、
残りの荷重センサの出力の加算値を基に実際の印加荷重
を予測して、自己復帰させることができる。また、上記
の実施例では、荷重センサを用いたが、荷重以外にも力
センサ等を使用することもできる。
は、故障と診断されたセンサ以外のセンサの出力に、所
定の係数(正常なセンサの負担割合の逆数または正常な
センサの台数で全センサの数を除した値)を乗算するこ
とによって、本来印加されている荷重または力を予測す
ることができるので、たとえ一部のセンサに故障が生じ
たとしても、このセンサを使用している機器の運転を中
止する必要がない。
の1実施例のブロック図である。
る1台の荷重センサが故障した場合の各荷重センサの出
力と荷重との関係を示す図である。
る2台の荷重センサが故障した場合の各荷重センサの出
力と荷重との関係を示す図である。
ク図である。
Claims (2)
- 【請求項1】 1つの力または荷重が予め定めた負担割
合で分散して印加される複数の力または荷重センサと、 それぞれ異なる複数の特定の力または荷重印加状におけ
る上記各センサの出力をそれぞれ基準値として記憶して
いる記憶手段と、 上記各センサを使用している状態であって、かつ上記複
数の力または荷重のうち1つの印加状態における上記各
センサの出力と、これらのそれぞれ対応する上記記憶手
段の記憶値とを比較する比較手段と、 上記比較手段の比較の結果、上記各センサのうち故障と
診断されたセンサ以外のセンサの出力に、これらセンサ
の上記負担割合の逆数を乗算する乗算手段とを、 備えた力または荷重センサの故障自己復帰装置。 - 【請求項2】 ほぼ均等に力または荷重が印加される複
数の力または荷重センサと、 これら各センサの出力が互いにほぼ等しいか比較する比
較手段と、 この比較手段が上記各センサの出力が互いにほぼ等しく
ないと判断したとき、大きく値が異なっている上記セン
サを検索する手段と、 この検索手段が検索した上記センサ以外のセンサの出力
の和に、前記検索手段が検索したセンサ以外のセンサの
台数で全センサの数を除した値を乗算する乗算手段と
を、 具備する力または荷重センサの故障自己復帰装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP09702792A JP3199129B2 (ja) | 1992-03-23 | 1992-03-23 | 力または荷重センサの故障自己復帰装置 |
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