JP2000258238A - 電気的外乱ノイズを検出する電子秤 - Google Patents

電気的外乱ノイズを検出する電子秤

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JP2000258238A JP11066260A JP6626099A JP2000258238A JP 2000258238 A JP2000258238 A JP 2000258238A JP 11066260 A JP11066260 A JP 11066260A JP 6626099 A JP6626099 A JP 6626099A JP 2000258238 A JP2000258238 A JP 2000258238A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電子秤に影響する電気的外乱ノイズの有無を
温度センサ等の電子秤に既設のセンサから出力されるデ
ータの変化から検出する。 【解決手段】 荷重センサ1及びA/D部2を経て出力
された荷重データWDは温度補正部3に入力され、一方
温度センサ4、A/D部5を経て出力された温度データ
TDは温度補正部3に入力されると共に、ノイズ検出部
6に入力する。ノイズ検出部6では温度データTDの時
間当たりの変化の状態を観測し、単位時間当たりの温度
データTDの変化が、予め設定された自然の温度の変化
による値を越しているときはこの温度データTDの変化
は電気的外乱ノイズによるものとしてノイズ信号NZを
発する。これにより演算・表示処理部7はそのノイズの
程度に応じて荷重の表示値Wdの桁の変更、「電気的外
乱ノイズ有り」の表示等、適宜表示部8に表示して使用
者に、電気的外乱ノイズにより秤量装置が影響を受けて
いることを示す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電気的外乱ノイズを
検出する装置に係り、特に電子秤に既設のセンサを用い
て電気的外乱ノイズを検出することが可能に構成された
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】電子天秤と称される電磁平衡式の秤量装
置やロードセル式の秤量装置などの所謂電子秤において
は、温度等の物理量を計測し、この計測結果を用いて測
定値を補正し、より正確な測定値を得るように構成され
ている。
【0003】上記電子秤においては電気信号を処理して
計測結果を得る構成であるため、電気的な外乱ノイズが
あると、これが測定値の算出に大きく影響し、測定値の
信頼性が低下してしまう。また前記物理量を計測した結
果として出力される温度データもこの電気的外乱ノイズ
により実際の物理量とはことなる値が出力され、この結
果誤った補正値により補正が行われることになる。この
ように各種データを入出力しかつ複雑な演算回路を構成
している電子秤においては電気的外乱ノイズは装置の信
頼性を損なう重大な要因となっている。
【0004】電気的外乱ノイズ及びその発生源は千差万
別であり、かつ電子秤の置かれている環境によっても相
違するが、例えば車両のエンジンのプラグから発する電
磁波、帯電した静電気の放電ノイズ、各種電気機器の電
源ノイズ、I/O信号ノイズ、更には最近では携帯電話
使用による電磁波ノイズ等多くの電気ノイズが外乱とし
て作用する環境下で使用されていることが多い。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来からこのような電
気的外乱ノイズに対しては、下記のような対策が実施さ
れいているが何れも一長一短があり、特に装置の複雑
化、コストアップという点で問題を抱えている。 (a)機器のケースがプラスチック等で形成されている
場合、ケース内側を導電処理をする方法。この方法は装
置の製造コストが高くなる欠点がある。 (b)電気的な外乱ノイズの影響を小さくする配線パタ
ーンを設計する。この方法は配線パターンの設計に大き
な労力を必要とし、然もノイズの影響をを完全に排除す
ることはできない。 (c)電気的外乱ノイズの影響を小さくするよう各部品
の実装の設計を行う。この方法も上記(b)と同じ問題
を有している。 (d)電源入力部にノイズフィルタを設けたり、I/O
信号部にノイズフィルタを設ける等、電子部品を使用す
ることによりノイズを吸収又は排除する。 この方法はノイズ防止の点ではかなり効果的であるが、
コストが上昇する。以上のように何れの方法も、一長一
短があり、しかもこれらの方法を用いても電気的外乱ノ
イズを完全に除去することは事実上極めて困難である。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は上述の問題にお
いて、電気的外乱ノイズの影響を防止するためには、装
置は複雑高価なものとなり、しかもその影響を完全に防
止することは極めて困難であるとの見地から構成された
ものであり、電気的外乱ノイズの有無を検出し、かつノ
イズが検出された際の計測値を評価し、かつその評価に
応じた計測結果(計測不能状態も含めた)を表示するよ
う構成したものであって、電気的外乱ノイズの検出は、
ノイズを検出する手段を特別に設置せず、装置に既設の
センサから出力される信号を用いて電気的外乱ノイズを
検出するよう構成した装置である。
【0007】即ち、温度センサ、湿度センサ、圧力セン
サ等の物理量を検知するために秤量装置に予め設置され
ているセンサと、このセンサから出力される信号の変化
を監視する手段と、この信号の変化がセンサの計測した
物理量の変化による変化か或いは電気ノイズによる変化
であるかを判断する手段とを有することにより、既設の
センサから出力される信号の変化を判断することによっ
て電気ノイズの有無を検出するよう構成した装置である
ことを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】電子秤に対しては、温度センサ、
湿度センサ、気圧を測定する圧力センサ等秤量装置が配
置されている環境における温度、湿度、気圧等の物理量
を計測したり、装置内の特定の部品の温度変化を計測す
るセンサが設置されいてる。特に電子式秤においては計
測荷重値の温度係数が以下のとおり大きいため、温度補
正の必要上温度センサは必ず具備している。 (1)電磁平衡式秤量装置のマグネット部の磁束密度の
温度係数 −200ppm/℃〜−300ppm/℃ (2)ロードセル式秤量装置のロードセル部のスパン温
度係数 約+600ppm/℃
【0009】温度センサは例えば電子秤が配置されてい
る環境中の温度を検知し、この検知結果を電気信号(電
圧の変化として出力するものが多い)として出力し、こ
の後A/D変換されて温度データとなり、装置の中央処
理部は荷重測定値に対してこの温度データを補正値とし
て用いることにより温度補正された値を荷重測定値とし
て出力することになる。
【0010】この場合中央処理部には、温度センサから
出力された温度データの信号から電気ノイズの有無を判
別する機能を有するノイズ検出部が設けられ、温度信号
中に電気ノイズが検出された場合には電気ノイズ有りの
信号を演算部に出力する。演算部はこの信号により、例
えばノイズの程度を判別し、測定値の精度保証桁数を減
少させたり、或いはノイズ有りの表示を表示部に出力す
る等して、秤量装置が電気ノイズに影響されていること
を使用者に知らせる表示を行う。
【0011】温度センサから出力された温度データか
ら、電気ノイズの有無を検出する方法は以下のように何
種類かあり、またこれらの方法を組み合わせて使用する
方法を採用することも可能である。電気ノイズがある
と、このノイズは荷重の算出を行う演算部を始め各部に
影響を及ぼすわけであるが、本発明は、ノイズの影響の
一つとして温度センサから出力される電気信号に対して
も影響を与えることに着目し、この温度検知信号の変化
の中から電気ノイズの有無をデジタル処理して判断する
点にある。
【0012】温度センサからの信号は当然のことながら
センサで計測した環境温度の変化を出力したものである
から、この温度検知信号の変化に対応する温度の変化
が、電子秤を使用する環境下で実際に起こり得る温度変
化であるか否かを判断する。例えば温度検知信号中に短
時間(例えば15秒程度)に温度が数℃変化するような
ピーク波形が生じた場合、実際の環境温度がこの様な変
化を起こすことはあり得ないため、このピーク波形は電
気的なノイズであると判断することができる。この場合
ピーク波形が終息してピーク波形形成前の変化状態の温
度検知信号となったならば、この波形時の温度信号をキ
ャンセルして温度補正を行うことができる。
【0013】また、温度検知信号が短時間に急激に立ち
上がった場合には、その立ち上がった温度と、立ち上が
り時間から電気的なノイズの有無を判断することができ
る。例えば、環境温度の変化に対応して温度センサから
温度データとして出力される値は1秒当たり0.01℃
以上の変化は生じないことが経験的に知られている。こ
れは温度センサを電子秤内部に設置する場合、電子秤が
一定の熱容量を有していることに起因する。従って、単
位時間当たりの温度データの変化が上記変化率を越えて
いる場合には温度検知データは電気ノイズに影響されて
いるものと判断できる。
【0014】更に、温度センサの検知信号と並行して、
他のセンサ、例えば気圧センサの検知信号を判断するこ
とによっても電気的外乱ノイズの有無を判断することが
できる。因みに、電子秤においては秤量物の空気による
浮力の影響をうけるため、装置によっては気圧センサを
用い、測定した気圧を浮力の補正に用いるよう構成され
ているものがある。このような温度センサ、気圧センサ
等は異なる物理量を測定するものであるから、異なるセ
ンサの測定値の変化は基本的には関連性はない。このよ
うな状態において、異なるセンサによる測定データの変
化が同時にかつ同じ変化になった場合にはその変化は各
センサから出力される電気信号に対して電気的な外乱ノ
イズが影響したものと判断し、電気的外乱ノイズ有りと
判断する。異なる複数のセンサからの信号を比較判断す
る方法は、電気的外乱ノイズの有無の検出精度がより高
くなる。
【0015】
【実施例】以下本発明の実施例を図面を参考に具体的に
説明する。図1は本発明の基本的な構成を示す電子秤の
ブロック図である。ロードセル或いは電磁平衡部のマグ
ネット用電気出力部等の荷重センサ1から出力された荷
重信号Wは重量A/D変換部2において荷重データWD
として温度補正部3に出力される。
【0016】一方温度センサ4は電子秤の環境温度を計
測し、この温度信号tは温度A/D変換部5において温
度データTDとして、前記温度補正部3及びノイズ検出
部6に出力される。このノイズ検出部6においては、後
で詳述するような方法により前記温度データTDが電気
的なノイズにより影響されているか否かを判断し、電気
的外乱ノイズに影響されていると判断したときはノイズ
信号NZを演算・表示処理部7に出力する。演算・表示
処理部7ではこのノイズ信号NZに対応して予め定めら
れている方式に従って、荷重の計測値の桁の繰り上げ、
ノイズ有りの表示等を表示部8に表示する。この場合演
算・表示処理部7はノイズ信号に対応して電気的外乱ノ
イズの強弱を評価し、これに対応した表示を行うよう構
成することも可能である。また、ノイズ検出部6でノイ
ズが検出されない場合には温度補正部3においてこの温
度データTDにより補正データWDaを得、演算・表示
処理部7はこの補正データWDaを用いて表示値Wdを
得てこれを表示部に表示する。
【0017】図5は上述のノイズ検出部6の構成の一例
を、図2は温度データTDの変化から電気的外乱ノイズ
の有無を検出する方法の第1の例を、また図3は第2の
例を、更に図4は他のデータとの比較により電気的外乱
ノイズを検出する方法をそれぞれ示している。
【0018】先ず最初に図2乃至図4を用いてノイズ検
出方法の概略を説明する。最初に図2において、温度セ
ンサ4により検知された温度変化は温度A/D部5を介
して温度データTDとしてデジタル出力される。即ち温
度データTDは時間に対応しており、例えば時間ti1
から時間ti2の間のΔti1において、温度データT
Dが図示のようなピークとして出力されたとする。電子
秤が配置されている部屋において、極端な暖房の後冷房
に切り換える等、冷暖房機器を異常に操作する等の異常
時以外に、通常温度変化が短時間のピークをもって変化
することはあり得ない。またピークの生じた時間Δti
1が例えば15秒等の短時間であれば前記のような異常
操作を行ってもこのような温度変化は生じない。
【0019】以上の点からこの温度データTDの変化の
ピークは、実際の温度変化にるものではなく電気的外乱
ノイズによるものと判断し、ノイズ信号NZを発する。
なお、ノイズの有無の判断は、ピークの生じた時間Δt
i1と温度データTDの変化量ΔTDの両方から行うこ
とになる。また電気的外乱ノイズの有無を判断するため
の閾値としてのこれら時間Δti1と温度データ変化量
ΔTDの値は実際の温度の変化の実測値から設定される
ものであるが、この場合経験的に知られている単位時間
当たりの温度変化率(符号Kで示す)は実測値でK≦
0.01℃/秒であることが参考となる。
【0020】符号L1はこの温度変化率Kが最大の場
合、即ち温度データTDの変化量が図示のΔTD1であ
る場合に、実際の温度変化に必要な時間Δti2との関
係を示すものである。従って温度データ変化量ΔTD1
の変化時間Δti1と前記時間Δti2とがΔti1<
Δti2である場合には変化のピークは温度変化による
ものではなく、電気的外乱ノイズに影響されたものと判
断する。なお、このようなピークを発生するノイズは各
種電気製品のスイッチONによるノイズ、電動モータの
起動時等比較的多く生じるノイズである。
【0021】図3は温度データTDの別の変化の例から
電気的外乱ノイズの有無を判別する方法の例を示す。こ
の例では温度データTDは時間ti3において上昇し、
時間ti4においてほぼ安定するような変化を示してい
る。温度データTDのこのような変化パターンそのもの
は暖房装置の使用等により、実際の温度変化においても
多々見られるものである。従ってこのような温度データ
TDの変化から電気的外乱ノイズの有無を判断すること
は電子秤の実際の使用に当たって極めて重要である。因
みにピークを示す温度変化は、電子秤の配置環境からは
通常考えられないため、図3のようにピークが生じたな
らば、このピークは全て電気的外乱ノイズによるものと
してノイズ有無の判断を行うソフトを簡素化することも
可能であると考えられる。
【0022】図3の変化パターンの場合、ノイズの有無
を判断するに当たって特に重要となるのは、やはり温度
データTDの変化量ΔTD2と、その変化に要した時間
Δti3との関係である。前記温度変化率Kを用いて評
価すると、温度データTDの変化量ΔTD2に対する最
短時間は線L2で示す変化モデルに対応するΔti4で
あり、時間ti3からti4迄の時間Δti3が、Δt
i3<Δti4であれば、この温度データTDの変化Δ
TD2は実際の温度変化によるものではなく、電気的外
乱ノイズによるものと判断される。
【0023】以上図2及び図3に示す温度データTDの
変化は電子秤の設置されている環境の温度の計測データ
を例に説明しているが、電磁平衡式秤量装置の場合には
このような環境温度だけでなく、例えば電磁部の温度も
検知し、これを補正値とし利用している。従って電磁部
に温度センサを設置している装置の場合には環境温度を
測定する温度センサの温度データと電磁部に配置された
温度センサからの温度データを併用すれば、より高い確
率で電気的外乱ノイズの有無を判定することが可能とな
る。
【0024】図4はさらに別の手段によるノイズの判断
方法を示す。図4の上のグラフは時間tiに対する温度
データTDの変化を、また下段のグラフは時間tiに対
する圧力(気圧)データPDの変化を示している。常時
は各データはそれぞれ異なる物理量の変化を示すデータ
であるからその変化には基本的には相関関係は生じな
い。図の例では時間ti4まで温度データTD、圧力デ
ータPDはそれぞれ関連なく変化している。しかし、時
間ti4から時間ti5までの時間Δti5においては
その変化のパターンはほぼ一致しており、時間ti5以
降はまた異なる変化のパターンをとっている。
【0025】以上のように異なる物理量がそれぞれ独立
した事象である場合、それぞれの物理量が同じ時間Δt
i4において同様に変化することは事実上あり得ないの
で、この時間Δti4における各データTD、PDの変
化は検知した実際の物理量の変化によるものではなく、
両データ共に電気的外乱ノイズに影響されたものと判断
することができる。このように複数のセンサから出力さ
れる計測データを比較判断すると、電気的外乱ノイズの
有無の判定をより高精度に実施することが可能となる。
なお、この場合図2や図3に示す単位時間当たりのデー
タの変化率を得ることにより電気的外乱ノイズ有無の判
定をする方法をこの方法と併用することももとより可能
である。
【0026】図5は以上に示した電気的外乱ノイズ検出
方法を実施するよう構成されたノイズ検出部の構成例を
示す。なおこの図示の例は電気的外乱ノイズ検出対象の
データを温度データTDのみとした場合の構成例を示
す。因みに現在用いられている電子秤は電子秤配置環境
の物理量として温度のみを考慮したものが多用されてい
るため、温度データTDのみから電気的外乱ノイズを検
出する構成は現時点においては最も利用範囲の広い構成
であると言える。
【0027】図において、温度A/D部5から出力され
た温度データTDは温度補正部3に出力されると共にノ
イズ検出部6の温度変化チェック部9に入力される。こ
の温度変化チェック部9は単位時間(例えば1秒)毎に
前記温度データTDをチェックし、この温度データTD
の変化が前述の温度変化比率K内であるか否かをチェッ
クする。温度データTDの変化が温度変化比率Kを越え
ている時はタイマ10をONとして変化パターン記憶部
11に時刻データを出力させる。変化パターン記憶部1
1はこのタイマ10のONと共に温度データTDの変化
を記憶する。即ち、温度データTDの変化は、図示すれ
ば図2或いは図3に示されるような時刻データtiに対
する温度データTDの変化として当該変化パターン記憶
部11に記憶される。
【0028】一方温度変化極限値記憶部12には前述の
温度変化比率Kに基づく、実際の温度変化の変化量とそ
の変化量に達するための最短時間からなる温度変化極限
値(図示すれば図2の線図L1、図3の線図L2)が記
憶されている。比較部13は変化パターン記憶部から出
力された温度データTDの時刻データtiに対する温度
データTDの変化パターンと、当該温度変化極限値記憶
部10から出力される極限値データとを比較し、温度デ
ータTDの変化パターンが実際の温度変化によるものか
否を破断し、実際の温度変化によらないもの、即ち電気
的外乱ノイズによるものと判断したときは演算・表示処
理部7に対してノイズ信号NZを発する。
【0029】演算・表示処理部7はこのノイズ信号NZ
により表示値Wdとして表示する数値の桁数を繰り上げ
たり、或いは「電気的外乱ノイズ有り」として荷重測定
値を表示出来ない旨を表示部に表示したりする。温度デ
ータTDの変化量ΔTDは基本的に電気的外乱ノイズの
大きさに対応するので、ノイズ信号NZに対し温度デー
タTDの変化量ΔTDを重畳させれば、演算・表示処理
部7ではこの電気的外乱ノイズの大きさに対応して、表
示値Wdとして表示する数値の桁数の繰り上げ、或いは
「電気的外乱ノイズ有り」として荷重測定値表示不能等
の評価を、このΔTDの大小により定量的に行うことが
できる。
【0030】また、電気的外乱ノイズは検知したが、そ
の電気的外乱ノイズの発生時間が短い場合には、この電
気ノイズによる温度データTDを除去し、かつ平均化処
理部14において電気的外乱ノイズによる温度データT
Dを除去した後の温度データTDを平均化した温度デー
タTD´を出力し、この温度データTD´を補正データ
WDa算出用のデータとして用いるように構成すること
も可能である。
【0031】次に電気的外乱ノイズの検知及び、荷重デ
ータWDを用いた補正方法を特定の性能を有する電子秤
(ロードセル式秤)を例に具体的に説明する。例えば6
kgの秤量を有する電子秤でその最小目盛りが0.1gの
とき、温度補正前の荷重データWDは60,000カウ
ント(以下「cnt」と表記する)である。また温度デ
ータTDは電子秤が配置される温度環境(10℃から4
0℃とする)において、例として25℃において30
0,000cntに設定する。また温度に対する各デー
タは次の特性を有する。 荷重データWD:+600ppm/℃ 温度データTD:+4700ppm/℃
【0032】上記の条件において、環境温度が1℃変化
すると各値は次の通りに変化する。荷重データWDは、
WD=60,000cnt×(+600ppm/℃)=
+36cnt/℃変化する。温度データTDは、TD=
300,000cnt×(+4700ppm/℃)=+
1410cnt/℃変化する。よって温度変化に対する
荷重データWDの変化は次の式で表すことができる。
(+1410cnt/℃)÷(+36cnt/℃)=3
9cnt即ち荷重データWDは温度変化39cntに対
して1cntの補正がかかることを示している。つまり
温度変化以外の要因で温度データTDが39cnt変化
すると、重量値Wdは1cnt誤って表示されることに
なる。
【0033】ここで、温度データTDの一秒間の変化分
ΔTDについて、実際の環境温度の変化が最大10cn
t/秒とするとΔTD≧10cntであれば、この変化
分ΔTDは実際の環境温度の変化によるものではなく電
気的外乱ノイズによるものと判断できる。しかし、上記
上記電子秤においては重量値Wdの1cntに対する温
度変化は39cntであるため、温度データの変化分Δ
TDについて、10cntを基準として電気的外乱ノイ
ズの判断をすることはこの電子秤では補正上適切ではな
い。
【0034】上記の場合において、実際の電子秤の使用
状態を考慮して、荷重データWDが2cnt変化する場
合、即ち温度データの変化分ΔTDが78cnt(39
cnt×2)を基準とし、ΔTD≧A(A=78cn
t)のとき電気的外乱ノイズ有りと判断する。なお重量
値Wdが1cnt変化する場合、即ちA=39cntを
基準とし電気的外乱ノイズ有無を判断することももとよ
り可能である。
【0035】図6は上記の手順を示すフロー図である。
同図において温度A/D部5から出力された温度データ
TD(S1)はその変化量ΔTDが前記基準温度変化分
Aと比較され(S2)、変化量ΔTDが基準温度変化分
Aより大である時は、そのまま電気的外乱ノイズ有りと
するか、或いは短時間の変化であるため、ノイズ部分を
除去して温度データTDの平均化処理を行うかを判断し
(S3)、平均化処理の場合には平均化温度データTD
´を得て(S4)、補正データWDaを作成し(S
5)、重量値Wdの表示を行う(S9)。一方電気的外
乱ノイズ有りの状態で処理する場合(S6)には、電気
的外乱ノイズが混入した温度データTDにより補正デー
タWDaを作成する(S10)。その後電気的外乱ノイ
ズの量に対応して、荷重計測値Wdの表示桁数を変更
(S7a)して表示し、或いは荷重の表示が不可能の場
合には「電気的外乱ノイズあり」等の表示をする(S7
b)。
【0036】また前記S2において変化量ΔTDが基準
温度変化分Aより小である時は、電気的外乱ノイズなし
と判断し、温度データTDを取込み(S8)、この温度
データTDにより補正データWdaを作成し(S5)、
重量値Wdの表示を行う(S9)。
【0037】以上主として電気的外乱ノイズ有無の判断
を中心として説明したが、本発明に対しては次の構成を
付加することが可能である。先ず、温度センサ等のセン
サ部と、A/D変換部を含めた処理部とを接続する配線
を設計上必要とする長さよりも引き延ばし、この部分を
アンテナとして利用することにより電気的外乱ノイズの
検出感度を高めるようにする。
【0038】またセンサ部と処理部とを接続する配線を
複数とし、一方の配線は可能な限り電磁気的なシールを
施した配線とし、かつ他方は上記の方法等やセンサ出力
に対し高抵抗を設けて故意にセンサ出力インピーダンス
を高くする等の方法により電気的外乱ノイズの検出感度
が高いものとする。このように構成すれば、温度データ
TDが純粋に温度変化を反映していれば両配線を経由し
たデータは同じであり、反対にシールを施した配線を経
由したデータと電気的外乱ノイズの検出感度が高い配線
を経由したデータとの間に有為差が有れば、この差によ
り電気的外乱ノイズ有りと判断できる。この場合にはシ
ール効果の程度にもよるが、シールを施した配線を経由
したデータを補正値として取り込むことも可能である。
【0039】
【発明の効果】本発明は以上具体的に説明したように、
電子秤において既設のセンサを用いて電気的外乱ノイズ
の有無を検出することが可能となるので、従来のような
特別なセンサを設置する必要がなく、然もノイズ検出専
用のセンサに劣らない高精度の検出が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す電子秤のブロック図であ
る。
【図2】時間tiにおける温度データTDの変化におけ
る電気的外乱ノイズの検出の方法の例を示す温度データ
TDの変化の線図である。
【図3】時間tiにおける他の温度データTDの変化パ
ターンにおける電気的外乱ノイズの検出の方法の他の例
を示す温度データTDの変化の線図である。
【図4】時間tiにおける温度データTDと圧力データ
PDの変化パターンから電気的外乱ノイズの検出する方
法示す温度データTDの変化の線図である。
【図5】ノイズ検出部の構成例を示すブロック図であ
る。
【図6】電気的外乱ノイズの検出方法の一例を示すフロ
ー図である。
【符号の説明】
1 荷重センサ 2 重量A/D部 3 温度補正部 4 温度センサ 5 温度A/D部 6 ノイズ検出部 7 演算・表示処理部 8 表示部 9 温度変化チェック部 10 タイマ 11 変化パターン記憶部 12 温度変化極限値記憶部 13 比較部 14 平均化処理部 TD 温度データ TD´ 平均化された温度データ NZ ノイズ信号 WD 荷重データ WDa 補正データ Wd 重量表示値
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 手塚 康広 埼玉県北本市朝日1丁目243番地 株式会 社エー・アンド・デイ開発・技術センター 内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 秤量物の荷重データを電気的に出力しか
    つ温度等の物理量をセンサで計測しこの計測された物理
    量データを荷重データ算出の補正値として使用する電子
    秤において、荷重データを算出表示する手段には、物理
    量データに対応する補正データを出力する手段と、この
    物理量データから電気的外乱ノイズを検出する検出手段
    と、補正データを用いて秤量物の荷重を算出する演算部
    とを有し、演算部は電気的外乱ノイズの有無に対応し
    て、算出された荷重の表示値を調整し、或いは電気的外
    乱ノイズ有りの表示を行うよう構成したことを特徴とす
    る電気的外乱ノイズを検出する電子秤。
  2. 【請求項2】 前記物理量を計測するセンサは温度セン
    サであって、電気的外乱ノイズを検出する検出手段は、
    この温度センサから出力される温度データの変化から電
    気的外乱ノイズを検出するよう構成されていることを特
    徴とする請求項1記載の電気的外乱ノイズを検出する電
    子秤。
  3. 【請求項3】 電気的外乱ノイズを検出する検出手段に
    は、単位時間における実際の温度変化の極限値を記憶し
    た手段と、比較手段とが設けられ、比較手段は温度デー
    タの変化量とこの極限値とを比較し、温度データの変化
    量が極限値を越えるときは温度データの変化は電気的外
    乱ノイズによるものとして電気的外乱ノイズ有りの判断
    をするよう構成したことを特徴とする請求項2記載の電
    気的外乱ノイズを検出する電子秤。
  4. 【請求項4】 温度、湿度、大気圧等の異なる物理量を
    計測するセンサが設けられ、電気的外乱ノイズを検出す
    る手段は、これら複数のセンサから出力される物理量デ
    ータのうち、少なくとも二種類の物理量データの変化を
    観測し、かつこれら複数の物理量データが同じ時間に同
    様の変化を示したときに電気的外乱ノイズ有りと判断す
    るよう構成したことを特徴とする請求項1記載の電気的
    外乱ノイズを検出する電子秤。
  5. 【請求項5】 物理量を検出するセンサと、荷重データ
    を表示算出する手段との間に配置された配線を、電気的
    外乱ノイズを検知するアンテナとして利用するよう構成
    したことを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の
    電気的外乱ノイズを検出する電子秤。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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