JP3199098U - 流体軸受装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】高速回転時でも振動することが抑制される流体軸受装置を提供する。【解決手段】可動面部22Aとそれを保持する軸部21との間に、可動面部22Aを対面する軸受面121aに近接する方向に付勢する付勢部3を有する。付勢部の付勢力が軸受面121a、121bと軸面22a、22bとの間の隙間を狭める方向に働き、圧力流体の付勢力が隙間を拡げる方向に働き、互いに釣り合うために、超高速回転でも安定して回転する。【選択図】図1

Description

本考案は流体軸受装置に関する。
高速で回転する軸に砥石や工具を取り付け種々の加工に使用するリューター等の工作装置や、医科用、歯科用の器具(ハンドピース)などの回転機器に使用する軸受装置が知られている。このような回転機器では、駆動にモータを用いるものや、圧縮空気によりタービンを回転させるものがある。また、軸受にはボールベアリングのようなころがり軸受や、軸またはスリーブにヘリングボーン状やV字状に配置した動圧発生溝により、軸が回転する際に流体の圧力を発生させて軸を受ける動圧軸受、外部から圧縮空気を供給して軸を受ける静圧軸受などのすべり軸受がある。
一般に、砥石や工具を高速で回転させるほど研削や切削は容易となり、加工時の負荷を小さくでき、短時間で加工を終えることができる。このため高速で回転させるための考案がなされてきた。これまでの流体軸受装置は、モータによって駆動する主軸をエアーで支持する構造のもの(例えば、特許文献1参照)や圧縮空気でタービンを回転させ軸方向半径方向を静圧軸受で受けるという構造のもの(例えば、特許文献2参照)或いは流体で回転するタービンの半径方向を静圧軸受で受け軸方向を凸球面等と平面を接触させるという構造のもの(例えば、特許文献3参照)であった。
しかしながら、上記した従来の流体軸受装置は、構造が複雑であったり、寿命がきわめて短いものであったりするという問題がある。先端に小さな刃先や砥石を取り付け、高速で回転する機器を片手で保持し、目視で対象を確認しながら細かな加工を施す用途には、簡単な構造で小型軽量であるものが求められてきた。現在でも上記のような用途、具体的にはガラス細工、金属加工後のバリ取り、加工後の面取り、趣味の工作、医科や歯科の治療用などの用途にこのような回転機器の要望が強い。
そこで最近、簡便な構造で、高速回転にも耐える回転機器用の流体軸受装置が開発された(例えば、特許文献4参照)。
特開平11−117939号公報 特開2001−20701号公報 特開平6−292690号公報 特開2011−140983号公報
上記の最近開発された流体軸受装置は、図10に示すように、軸孔を区画する内周面に軸方向に所定幅の軸受面121aを持つ軸孔部材121と、軸孔に回動自在に保持され軸受面121aに対向する軸面122aをもつ軸面部122と、軸受面121aと軸面122aの間に流体を供給する流体供給手段とを有し、軸受面121a及び軸面122aはいずれも円錐台形の側周面状であり、流体供給手段は軸受面121a及び軸面122aとの間に軸方向に流体を供給するものである。
図9に示す従来の流体軸受装置は、高速回転すると、回転軸21が軸方向に振動することがある。
本考案は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、高速回転時でも回転軸の振動が抑制され、より安定した回転が得られる流体軸受装置を提供することである。
上記の課題を解決するためになされた本考案の流体軸受装置は、高圧流体が導入される導入孔と前記導入孔から高圧流体を受ける高圧室とを持つハウジング部と、前記ハウジング部に保持され前記高圧室を隔て同軸上に位置する2個一対の遠心方向に延びる軸受面と各前記軸受面と同軸の軸孔とを持つ軸受面部と、を持つ軸受部材と、一対の前記軸孔と前記高圧室とに挿通された軸部と、前記軸部に保持され各前記軸受面と対面する遠心方向に延びる軸面を持つ2個一対の軸面部と、を持ち前記軸受部材に回転自在に保持される軸部材と、を具備する流体軸受装置であって、2個の前記軸受面部と2個の前記軸面部のうちの1個(可動面部と称する)は前記可動面部を保持する前記ハウジング部又は前記軸部に対して軸方向に摺動自在に保持され、前記可動面部とそれを保持する前記ハウジング部又は前記軸部との間には、前記可動面部を前記可動面部が対面する前記軸受面又は前記軸面と近接する方向に付勢する付勢部を有することを特徴とする。
本考案の流体軸受装置は高速回転時に安定した回転が維持される。安定した回転が維持される論理は明確ではないが次のように考えられる。本考案の流体軸受装置では、その付勢部によって可動面部が対面する軸受面又は軸面に近接する方向に付勢される。すなわち付勢部は軸受面とそれに対向する軸面との間隙を狭くする方行に付勢する。一方、高圧流体はその圧力で、軸受面とそれに対向する軸面との間隙を広げる方向に作用する。付勢部の付勢力と高圧流体の圧力は、互いに逆方向に作用するため、軸受面とそれに対向する軸面との間隙は、付勢部の付勢力と高圧流体の圧力とが釣り合う間隙に自動調節される。これにより安定した回転、特に安定した高速回転が可能となる。
上記の流体軸受装置において、前記軸受面は遠心方向に延びる面上であり、前記軸面は前記軸受面と型対称の遠心方向に延びる面状である。
また、前記軸受面は同心円状でかつ前記軸受面とその軸心を通る断面とで形成される中心から遠心方向に延びる線は直線又は屈曲線とすることができる。直線の場合は、円錐台形の側周面状とすることができる。屈曲線としては、“くの字”形状、“逆くの字”形状、“コの字”形状等とすることができる。前記軸面は前記軸受面と型対称の同心円状であるとよい。軸受面と軸面の数が多くなり、大きな荷重に耐えることができる。
また、前記付勢部の付勢力を調節する付勢力調節手段を有するとよい。付勢力調節手段は、付勢部の軸方向位置を調節するものとすることができる。付勢部の軸方向位置を最適とすることで、軸受面と軸面との間の隙間が高圧・高速回転時により最適となる隙間になる。これにより、高速回転時の振動が一層抑制される。
また、前記可動面部はスリーブを備えるとよい。スリーブを備えることで、可動面部と可動面部を保持するハウジング部又は軸部との間の気密性及び摺動性が保持される。スリーブは樹脂メタル製とすることが出来る。
また、前記可動面部は、前記軸面部の1個であるとよい。軸受部材と軸部材の製作が容易になり、軸受装置の組立ても容易になる。
また、他の前記軸面部は、前記軸部と一体的に形成されているとよい。軸受装置の組立てが一層容易になる。
高圧流体は液体でもガスでもよい。ガスであると、高速回転を実現でき、特に加工物が酸化を嫌うものである場合適切なガスを選択することにより、排気による影響を避けることができる。ガスは空気であってもよい。コンプレッサーなどにより簡便に圧力流体を発生させることができる。
軸受面とこれに対向する軸面とが、軸方向の断面上において軸部材の軸方向に対してなす角度は相等しいことが望ましい。このような構造により良好な軸受を形成できる。
軸受面の最小内径は、前記軸面の最大外径より小さいことが望ましい。このような構成により軸受面、軸面の面積を大きくすることができ、単位面積当たりの荷重を小さくできるので、小型でも大きな荷重に耐えられる軸受装置とすることができる。
付勢部によって可動面部は軸方向に付勢され、軸受面とそれに対向する軸面との間隙は、付勢部の付勢力と高圧流体の圧力とが釣り合う間隙に自動調節される。これにより安定した回転、特に安定した高速回転が可能となる。その結果、超高速回転まで回転数を上げることができる。
本考案の実施形態1に係る流体軸受装置の断面図である。 図1の付勢部3の平面図である。 図1の付勢部3の断面図である。 実施形態1に係る流体軸受装置の変形態様の流体軸受装置の断面図である。 実施形態1に係る流体軸受装置にタービン翼を設けた回転駆動装置の断面図である。 図5のB−B線断面図である。 図5の回転駆動装置を備える工作機械の模式図である。 本考案の実施形態2に係る流体軸受装置の断面図である。 本考案の実施形態3に係る流体軸受装置の断面図である。 従来の流体軸受装置の断面図である。
(実施形態1)
図1は本考案の実施形態1に係る流体軸受装置の断面図で、高圧流体が供給されている状態を示している。本実施形態の流体軸受装置は、高圧流体が導入される導入孔11aと導入孔11aから高圧流体を受ける高圧室11bとを持つハウジング部11を備えている。ハウジング部11には高圧室11bを隔て同軸上に位置する2個一対の円錐台形の側周面状の軸受面121a、121bと各軸受面121a、121bと同軸の軸孔122a、122bとが形成されている。この軸受面121a、121bと軸孔122a、122bとが形成されたハウジング部11が軸受部材1である。
軸受部材1には、一対の軸孔122a、122bと高圧室11bとに挿通された軸部21と、軸部21に保持され軸受面121a、121bと対面する円錐台形の側周面状の軸面22a、22bを持つ2個一対の軸面部22A、22Bと、を持つ軸部材2が回転自在に保持されている。
2個の軸面部22A、22Bのうちの1個(可動面部と称し、本実施形態では軸面部22A)は、軸部21に対して軸方向に摺動自在に保持されている。軸面部22Bは軸部21に固定されているが、軸部21と一体化されていてもよい。
可動面部22Aと軸部21との間に、可動面部22Aを可動面部22Aが対面する軸受面121aと近接する方向に、軸部21に固定された軸面部22Bを軸面部22Bが対面する軸受面121bと近接する方向に、それぞれ付勢する付勢部3を備えている。
付勢部3は、図2、3に示すスプリングワッシャであり、軸部21の後端部に螺合された付勢力調節手段4と可動面部22Aとの間に挿設されている。付勢部3は、スプリングワッシャの他に例えばコイルスプリング、ゴム、或いは伸縮性部材でもよい。
付勢力調節手段4は軸部21と螺合するダブルナットである。一方のナット4aが付勢力調節ナットで、他方のナット4bがナット4aをロックするロックナットである。
ダブルナット4を軸部21の先端側に螺合締結するとスプリングワッシャ3の付勢力が増大し、軸受面121a、121bと軸面22a、22bとの間の隙間が減少する。逆に、ダブルナット4を軸部21の後端側に螺合締結するとスプリングワッシャ3の付勢力が減少し、軸受面121a、121bと軸面22a、22bとの間の隙間が増大する。したがって、ダブルナット(付勢力調節手段)4で付勢部3の付勢力を調節して、軸受面121a、121bと軸面22a、22bとの間の隙間を高圧・高速回転時に最適となる隙間に調節することができる。
スプリングワッシャ3の付勢力は、高圧流体が導入孔11aから導入されて高圧流体による軸受面121a、121bと軸面22a、22bとの間の隙間を拡げる力に拮抗することが好ましい。付勢力が強過ぎると、軸受面121a、121bと軸面22a、22bとの間の隙間が狭くなり過ぎ、軸受面121a、121bと軸面22a、22bとが接触する恐れがある。逆に、付勢力が弱過ぎると、軸受面121a、121bと軸面22a、22bとの間の隙間が広くなり過ぎ、高圧流体のロスが増大する。
次に、スプリングワッシャ3の作用について説明する。圧力流体の供給がない初期には、圧力流体の付勢力が作用しないので、スプリングワッシャ3の付勢力により軸面部(可動面部)22Aは先端側に、軸部21に固定された軸面部22Bは軸部21と一緒に後端側に、それぞれ移動し、軸受面121a、121bと軸面22a、22bとが近接する。この状態で圧力流体が導入孔11aから導入されると、圧力流体は軸受面121aと軸面22aとからなる狭小な空間ア及び軸受面121bと軸面22bとからなる狭小な空間イに達する。空間アと空間イに達した圧力流体の付勢力により、スプリングワッシャ3の付勢力に抗して軸面部22Aは後端側に、軸面部22Bは先端側に、それぞれ移動する。そして、圧力流体の付勢力とスプリングワッシャ3の付勢力とがバランスしたところで停止し、軸受面121a、121bと軸面22a、22bとの間の隙間が所定の隙間になる。次に、この状態から軸面部2を高速回転させると、振動すること無く超高速回転に至る。
本実施形態の流体軸受装置は、軸部21に摺動自在に保持された軸面部(可動面部)22Aと軸部21に固定されたダブルナット4との間に、可動面部22Aを可動面部22Aが対面する軸受面121aと近接する方向に付勢し、軸面部22Bを軸面部22Bが対面する軸受面121bと近接する方向に付勢するスプリングワッシャ3を備えているので、上記のように圧力流体の供給がないときは、軸受面121a、121bと軸面22a、22bとが近接する。この状態から圧力流体の付勢力で軸受面121a、121bと軸面22a、22bとの間に隙間が形成されるので、隙間が全周に亘り均等になる。したがって、回転初期でも振動したり偏心回転したりすることがない。また、スプリングワッシャ3の付勢力が軸受面121a、121bと軸面22a、22bとの間の隙間を狭める方向に働き、圧力流体の付勢力が該隙間を拡げる方向に働くために、超高速回転でも安定して回転することが実験的に確認された。
軸面部(可動面部)22Aの軸部21が挿通される軸孔に、スリーブ25が取り付けられるとよい(図4参照)。スリーブ25は、樹脂メタル製がよい。軸面部(可動面部)22Aの内周面と軸部21の外周面との間の気密性が保持され、導入される圧力流体の圧力低下が抑制される。また、樹脂メタルは防錆作用があり、軸面部22Aの内周面と軸部21の外周面への錆の発生が抑制され、可動面部22Aの可動性が保持される。
本実施形態の流体軸受装置を回転駆動装置に適用することができる。軸部21にタービン翼5を設けた様子を図5、6に示す。図6は図5のB−B線断面図である。なお、図6はわかりやすくするために図5とは比例関係を変えてある。また、導入孔11aは、その延長が軸部21の中心を通らないようずれて設けられている。タービン翼5は半径流タービン翼であり、タービン翼5と導入孔11aとの関係を図6のようにすれば、タービン翼5を回転させることができる。
最初、軸受面121a、121bと軸面22a、22bとがスプリングワッシャ3の付勢力で近接していたところに、圧力流体(圧縮空気)が導入孔11aから導入されると、圧縮空気は、先端側と後端側に分かれ、図5で軸受部材1と軸部材2が平行になって対向する高圧室11bを通り、軸受部材1の軸受面121a、121bと軸部材2の軸面22a、22bとからなる狭小な空間イ、ロに達する。圧縮空気は、この断面上互いに平行な軸受面121a、121bと軸面22a、22bを半径方向で均等に分離するよう作用し、スプリングワッシャ3の付勢力に抗して軸受面121a、121bと軸面22a、22bとの間に均等な隙間を形成して、その隙間から外部へ排出される。隙間ができて圧縮空気が排出され出すと、圧縮空気によってタービン翼5が回転し出す。
各部品を図5、6のように配置することにより、軸受面121a、121bと軸面22a、22bの間で両面を分離する流体と、タービン翼5を回転させる流体とが、共通の導入孔11aを持つ回転駆動装置が得られる。このようにすることにより、タービン翼5を回転させるための専用の導入孔や排気口の加工を省略でき、回転駆動装置全体として配管の構造を簡単にでき小型化に寄与することができる。軸部21はタービン翼5と共に回転するので、先端側に不図示のコレットチャック等を設け、工具や砥石などを取り付ければ、所定の用途を満たすことができる。
以上のように構成すれば、軸受装置を流体軸受としたため軸受部での発熱の心配がなく、さらに駆動に流体を使うため、モータを使うもののように駆動部の発熱の問題がない回転駆動装置を提供できる。
本構造は、排出された流体の経路を確保すれば、流体がオイルや水や不凍液などのような液体の場合にも適用できる。たとえば、魚用の水槽にポンプで水を循環させる場合、水槽内の経路に上記軸孔部材1を透明な樹脂で形成した本回転駆動装置を設置すれば、タービン8の回転を目視確認することにより、水の循環を確認でき、装飾にもなる。また、水力発電機への適用も可能である。
以上のような回転駆動装置を適用した工作装置の一例を図7に示した。コレットチャック24に軸付きの砥石25が装着され、内部に導入孔11aへの配管(不図示)を施し後端側に導入孔用配管26が接続されている。
(実施形態2)
図8は本考案の実施形態2に係る流体軸受装置の断面図で、高圧流体が供給されている状態を示している。本実施形態の流体軸受装置は、高圧流体が導入される導入孔11aと導入孔11aから高圧流体を受ける高圧室11bとを持つハウジング部11と、ハウジング部11に保持され高圧室11bを隔て同軸上に位置する2個一対の円錐台形の側周面状の軸受面121a、121bと各軸受面121a、121bと同軸の軸孔122a、122bとを持つ軸受面部12A、12Bと、を持つ軸受部材1を備えている。また、一対の軸孔122a、122bと高圧室11bとに挿通された軸部21と、軸部21に保持され軸受面121a、121bと対面する円錐台形の側周面状の軸面22a、22bを持つ2個一対の軸面部22A、22Bとを持ち、軸受部材1に回転自在に保持された軸部材2を備えている。2個の軸受面部12A、12Bのうちの1個(可動面部と称し、本実施形態では軸受面部12B)は、可動面部12Bを保持するハウジング部11に対して軸方向に摺動自在に保持されている。可動面部12Bとそれを保持するハウジング部11との間には、可動面部12Bを可動面部12Bが対面する軸面22bと近接する方向に付勢する付勢部3が挿設されている。軸受部材1は保持台(不図示)に軸方向に移動自在に保持されている。
本実施形態の流体軸受装置では、軸受面部12Aはハウジング11と一体化されている。また、軸面部22Bは軸21と一体化されており、組立性が良い。軸面部22Aは軸21と別体で、組立の最後に軸21に取り付けられ、固定ナット23で固定される。
軸受面121a、121bと軸面22a、22bの傾斜角度は同一であり、本実施形態ではその角度は30度である。小さな角度では軸方向の荷重を支える効果が薄れ、大きな角度では半径方向の荷重を支える効果が薄れるという関係がある。用途に応じて10度から80度の範囲で選択するのが好ましい。
導入孔11aから導入された高圧流体は高圧室11bで先端側と後端側に分かれ、図8でハウジング11と軸21が平行になって対向する空間を通り、軸受面121aと軸面22aとからなる狭小な空間ア及び軸受面121bと軸面22bとからなる狭小な空間イに達する。このとき軸受面121aと軸面22a及び軸受面121bと軸面22bの互いの中心がずれて一部が近接すれば、軸受面121aと軸面22a及び軸受面121bと軸面22bとは、断面において曲率が異なるので、近接部分近傍の空間は楔状となり、圧力流体が導かれ、軸受面121aと軸面22a及び軸受面121bと軸面22bを分離するよう作用する。結果として軸面部2の中心は軸受部材1の中心とほぼ一致する位置に付勢され、高圧流体の圧力は周方向に渡ってほぼ等しくなり、軸面部2が安定して保持される。したがって、軸面部2が回動していなくとも軸面部2は軸受部材1と非接触となるため手で軸面部2を回動させると、軸面部2は相当長く回転を続ける。
付勢部3は、板バネである。板バネの他に例えばコイルスプリングでもよい。付勢部3の付勢力は、高圧流体が導入孔11aから導入されて高圧流体による軸受面121a、121bと軸面22a、22bとの間の隙間を拡げる力に拮抗することが好ましい。付勢力が強過ぎると、軸受面121a、121bと軸面22a、22bとの間の隙間が狭くなり過ぎ、軸受面121a、121bと軸面22a、22bとが接触する恐れがある。逆に、付勢力が弱過ぎると、軸受面121a、121bと軸面22a、22bとの間の隙間が広くなり過ぎ、高圧流体のロスが増大する。
次に、付勢部3の作用について説明する。圧力流体の供給がない初期には、圧力流体の付勢力が作用しないので、付勢部3の付勢力により軸受面部12Aは後端側に、軸受面部12Bは先端側に、それぞれ移動し、軸受面121a、121bと軸面22a、22bとが近接する。この状態から圧力流体を導入孔11aから導入すると、圧力流体は軸受面121aと軸面22aとからなる狭小な空間ア及び軸受面121bと軸面22bとからなる狭小な空間イに達する。空間アと空間イに達した圧力流体の付勢力により、付勢部3の付勢力に抗して軸受面部12Aは先端側に、軸受面部12Bは後端側に、それぞれ移動する。そして、圧力流体の付勢力と付勢部3の付勢力とがバランスしたところで停止し、軸受面121a、121bと軸面22a、22bとの間の隙間が所定の隙間になる。次に、この状態から軸面部2を高速回転させると、振動すること無く超高速回転に至る。
本実施形態の流体軸受装置は、軸受面部(可動面部)12Bとそれを保持するハウジング部11との間には、可動面部12Bを可動面部12Bが対面する軸面22bと近接する方向に付勢する付勢部3を有しているので、上記のように圧力流体の供給がないときは、軸受面121a、121bと軸面22a、22bとが近接する。この状態から圧力流体の付勢力で軸受面121a、121bと軸面22a、22bとの間の隙間が形成されるので、隙間が全周に亘り均等になる。したがって、回転初期でも振動したり偏心回転したりすることがない。また、付勢部3の付勢力が軸受面121a、121bと軸面22a、22bとの間の隙間を狭める方向に働き、圧力流体の付勢力が該隙間を拡げる方向に働くために、超高速回転でも安定して回転することが実験的に確認された。
なお、軸受面部12Bのハウジング部11と摺接する外周面に樹脂メタル製のスリーブを取り付けるとよい。軸受面部(可動面部)12Bの外周面とハウジング部11の内周面との間の気密性が保持され、導入される圧力流体の圧力低下が抑制される。また、樹脂メタルは防錆作用があり、軸受面部12Bの外周面とハウジング部11の内周面への錆の発生が抑制され、可動面部12Bの可動性が保持される。
(実施形態3)
図9は本考案の実施形態3に係る流体軸受装置の断面図で、高圧流体が供給されている状態を示している。図9に示す本実施形態の流体軸受装置は、軸受面と軸面の数を増やして、大きな荷重に耐えられるようにしたものである。
本実施形態の流体軸受装置は、高圧流体が導入される導入孔11Aaと導入孔11Aaから高圧流体を受ける高圧室11Abとを持つハウジング部11Aを備えている。ハウジング部11Aには高圧室11Abを隔てて同軸上に位置する2個一対の遠心方向に延びる軸受面121Aa、121Abと、各軸受面121Aa、121Abと同軸の軸孔122Aa、122Abと、が形成されている。この軸受面121Aa、121Abと軸孔122Aa、122Abとが形成されたハウジング部11Aが軸受部材1Aである。
本実施形態では、軸受面121Aa、121Abと軸孔122Aa、122Abとがハウジング部11Aに形成され、軸受面121Aa、121Abと軸孔122Aa、122Abとをもつ軸受面部12AA、12ABとが点線部でハウジング部11Aに一体化された構成をしている。
軸受面121Aa、121Abは同心円状で且つ軸受面121Aa、121Abとその軸心を通る断面とで形成される線は屈曲線である。したがって、軸受面121Aa、121Abは円錐凸面となる。
軸受部材1Aには、一対の軸孔122Aa、122Abと高圧室11Abとに挿通された軸部21と、軸部21に保持され軸受面121Aa、121Abと対面する軸面22Aa、22Abをもつ2個一対の軸面部22AA、22ABと、もつ軸部材2Aが回転自在に保持されている。
軸面121Aa、121Abは、軸受面121Aa、121Abと型対称の同心円状をしている。したがって、軸受面121Aa、121Abは円錐凹面となる。
2個の軸面部22AA、22ABのうちの1個(可動部と称し、本実施形態では軸面部22AA)は軸部21に対して軸方向に摺動自在に保持されている。軸面部22ABは、軸部21と一体化されているが、別体でもよい。軸面部(可動面部)22AAの軸部21が挿通される軸孔にはスリーブ25が取り付けられている。
可動面部22AAと軸部21との間には、可動面部22AAを軸面22Aaが対面する軸受面121Aaに近接する方向に、軸部21に一体化された軸面部22Bを軸面22Abが対面する軸受面121Abと近接する方向に、それぞれ付勢する付勢部3を備えている。4は、実施形態1と同じ付勢力調整手段である。
実施形態1の流体軸受装置を用いた図5に示す回転駆動装置では、タービン翼5がハウジング11の中にあり、軸受面121a、121bと軸面22a、22bの間で両面を分離する流体と、タービン翼5を回転させる流体とが、共通であった。そのため、圧力流体を供給しないと軸部材2を回転させることができず、軸部材2の芯振れ測定や位置合わせが難しかった。また、タービン翼5を回転させる圧力流体の排気抵抗が大きくなり、高速回転させることが容易でなかった。
本実施形態の流体軸受装置では、軸部材2Aにタービン翼を取り付ける取り付け孔5が形成されているので、取り付け孔5にタービン翼の軸を取り付けることができる。この場合、タービン翼はハウジング11Aの外にあり、導入孔11Aaから導入される圧力流体と別の圧力流体でタービン翼が回転駆動される。したがって、圧力流体を導入孔11Aaから、導入してタービン翼を回転させない状態で軸部材2Aの芯振れ測定等を行うことができる。また、タービン翼を回転駆動する圧力流体の排気抵抗が大きくならないので高速回転させることができる。
1、1A・・・・・・・・・・・軸受部材
11、11Aa・・・・・・・ハウジング部
11a、11Aa・・・・導入孔
11b、11Ab・・・・高圧室
12A、12AA・・・・・・軸受面部
121a、121Aa・・軸受面
122a、121Aa・・軸孔
12B、12AB・・・・・・軸受面部
121b、121Ab・・軸受面
122b、122Ab・・軸孔
2、2A・・・・・・・・・軸部材
21・・・・・・ ・軸部
22A、22AA・・・・軸面部
22a、22Aa・・軸面
22B、22AB・・・・軸面部
22b、22Ab・・軸面
25・・・・・・・・・・スリーブ
3・・・・・・・・・・・・付勢部
4・・・・・・・・・・・・付勢力調節手段

Claims (7)

  1. 高圧流体が導入される導入孔と前記導入孔から高圧流体を受ける高圧室とを持つハウジング部と、前記ハウジング部に保持され前記高圧室を隔て同軸上に位置する2個一対の遠心方向に延びる軸受面と各前記軸受面と同軸の軸孔とを持つ軸受面部と、を持つ軸受部材と、
    一対の前記軸孔と前記高圧室とに挿通された軸部と、前記軸部に保持され各前記軸受面と対面する遠心方向に延びる軸面を持つ2個一対の軸面部と、を持ち前記軸受部材に回転自在に保持される軸部材と、を具備する流体軸受装置であって、
    2個の前記軸受面部と2個の前記軸面部のうちの1個(可動面部と称する)は前記可動面部を保持する前記ハウジング部又は前記軸部に対して軸方向に摺動自在に保持され、
    前記可動面部とそれを保持する前記ハウジング部又は前記軸部との間には、前記可動面部を前記可動面部が対面する前記軸受面又は前記軸面と近接する方向に付勢する付勢部を有することを特徴とする流体軸受装置。
  2. 前記軸受面は円錐台形の側周面状であり、前記軸面は前記軸受面と型対称の円錐台形の側周面状である請求項1記載の流体軸受装置。
  3. 前記軸受面は同心円状でかつ前記軸受面とその軸心を通る断面とで形成される線は屈曲線であり、前記軸面は前記軸受面と型対称の同心円状である請求項1記載の流体軸受装置。
  4. 前記付勢部の付勢力を調節する付勢力調節手段を有する請求項1〜3のいずれか1項に記載の流体軸受装置。
  5. 前記可動面部はスリーブを備える請求項1〜4のいずれか1項に記載の流体軸受装置。
  6. 前記可動面部は、前記軸面部の1個である請求項1〜5のいずれか1項に記載の流体軸受装置。
  7. 他の前記軸面部は、前記軸部と一体的に形成されている請求項6に記載の流体軸受装置。
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