JP3198250B2 - 含クロム溶鋼の真空精錬方法 - Google Patents

含クロム溶鋼の真空精錬方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、脱酸剤としてSi源
を用い、スラグ−メタル反応を利用することにより効率
的な脱酸と脱硫を行う含クロム溶鋼の真空精錬方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】ステンレス鋼酔う含クロム溶鋼の低酸素
化,低硫化を目的とした精錬方法としては、 特開平4−221011号公報に開示されているよ
うな、溶鋼中にCaO −SiO2系フラックスやCaO −CaF2
フラックスなどを吹き込む方法、 特開平4−88112号公報,特公昭62−348
01号公報などに開示されているような、スラグ成分や
スラグ塩基度を調整してスラグ−メタル反応を促進させ
る方法、 特開平4−318118号公報に開示されているよ
うな、プラズマによってスラグを加熱して滓化させ、溶
鋼の低酸素化,低硫化を実現する方法、 などの提案がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上述した各従来技術
は、次のような問題点があった。 CaO −SiO2,CaO −CaF2系のフラツクスを吹き込む
上記従来方法では、これらのフラツクスを吹き込むため
の装置や混合装置が必要となる上、CaF2を用いるために
精錬鍋の耐火物寿命が著しく低下し、特に真空脱酸精錬
の場合にこの傾向が顕著である。 スラグ成分やスラグ塩基度を調整する上記従来方
法、例えば、特開平4−88112号公報に開示の方法
の場合、CaO /SiO2を 1.6〜5.0 とし、CaF2を20〜40%
添加する方法を提案するものであるが、CaO /SiO2を2.
6 以上にすると、スラグ中SiO2の活量が著しく低下し、
そのために脱酸剤として添加したフェロシリコンから生
成したAl2O3 が還元されてAlとなり、これが鋳造時にノ
ズル耐火物中のと反応して再びAl2O3 を生成し、介在
物として残留するという問題点があった。しかも、塩基
度:2.6 以上では、スラグの高融点化を招いてスラグ−
メタル反応を阻害し、脱率、脱率の低下を招くとい
う問題もあった。この対策として、CaF2を20〜40%添加
することとしているが、CaF2の添加は鍋の耐火物寿命を
著しく低下させてしまう。また、特公昭62−3480
1号公報に開示の方法では、スラグの塩基度CaO/SiO2
を1.5 以下にする方法を提案しているが、この方法では
スラグのS分配比が小さくなつてしまい、脱硫反応がほ
とんど起こらないという課題が残った。 スラグ加熱装置を用いる上記従来方法においては、
スラグを局部的に加熱するためには設備の改造が必要な
上に、多額の設備費が必要となる。
【0004】本発明は、従来技術が抱えている上述した
問題点を解決できる、Si源を脱酸剤として用いる含クロ
ム溶鋼についての脱酸,脱硫の精錬技術を提供すること
を目的とする。特に本発明は、上記の脱酸,脱硫を、ス
ラグ−メタル反応を促して効率よく行うための方法を提
供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題解決のために本
発明は、含クロム溶鋼を、Si源を脱酸剤として用いて真
空中で脱酸精錬する際に、生成スラグの塩基度 (CaO /
SiO2) を 1.5〜2.5 に調整するとともに、Al2O3 の添加
によってスラグ中Al2O3 濃度を8〜12wt%に調整し、か
つこのスラグの (CaO /Al2O3 ) を4.0 〜8.0 に調整す
ることを特徴とする含クロム溶鋼の真空精錬方法を提案
する。なお、生成スラグ中には、さらに10wt%以下の範
囲でMgOを添加してもよい。
【0006】
【発明の実施の形態】さて、本発明の特徴は、真空中で
の脱酸処理時におけるスラグ成分につき、スラグ塩基
度を 1.5〜2.5 に調整する、スラグ中のAl2O3 濃度を
調整する、スラグのCaO /Al2O3 比を調整する、よう
にした点の構成にある。このような調整を行うと、スラ
グ−メタル反応を促して溶鋼の脱酸ならびに脱硫が効率
よく進行するのである。そこで、本発明方法におけるこ
れらの特徴要件〜について、以下に詳しく説明す
る。
【0007】まず、スラグの塩基度 (CaO /SiO2) につ
いては、発明者らが知見した図1に示す結果に基づいて
決定した。即ち、この図は、スラグ塩基度と脱酸処理後
の鋼中[O2]濃度の関係を示すものであるが、スラグ塩
基度は (CaO /SiO2) =1.5以上にすることが必要であ
ることがわかる。また、脱硫反応についても図2に示す
ように、塩基度 1.5以上が必要なことがわかった。この
ことから、本発明においてスラグ塩基度の下限は1.5 と
する。
【0008】一方、このスラグ塩基度の上限は、SiO2
活量を考慮して決定する。即ち、SiO2の活量ASiO2を抑
える塩基度にすることが必要である。というのは、一般
に、脱酸剤として添加したFe−Si (フェロシリコン) 等
の合金鉄からはAl2O3 が生成するが、このAl2O3 はまた
鋼中のSiにより、下記(1) 式のような反応によってAlを
生じる。 Al2O3 + 3/2Si = 3/2 SiO2+2Al …(1) このときに発生したAlは、連鋳工程において、ノズル耐
火物等によって供給される酸素源により再びAl2O3 とな
り、ノズル詰まり等の原因となると同時に、鋳片中に混
入して介在物となり、製品欠陥となる。
【0009】そこで、発明者らは、(1) 式の反応を抑制
できる塩基度について検討した。その結果、図3に示す
ように、鋼中のsol.Alは、塩基度2.5 を越えると急激に
増加することがわかった。このことから、本発明におい
てスラグ塩基度の上限については、2.5 以下にしなけれ
ばならない。
【0010】次に、本発明においては、スラグ中にAl2O
3 を添加してAl2O3 の濃度を制御することが必要であ
る。以下にその理由を述べる。一般に、スラグ−メタル
反応を利用して脱酸,脱硫を促進するためには、スラグ
は1550〜1650℃の温度で滓化していることが必要であ
る。しかし、スラグ塩基度が1.8 を超えると、上記温度
域ではCaF2を添加しないと滓化したスラグを得ることは
難しい。しかし一方で、このCaF2の添加は、鍋の耐火物
を著しく溶損させるため、好ましい方法ではない。
【0011】そこで、発明者らは、そのCaF2に代わって
Al2O3 を添加することにした。というのは、このAl2O3
の添加はスラグを低融点化させるのに有効だからであ
る。図4は、添加Al2O3 量とスラグ液相率の関係を示す
ものである。この図に示すとおり、スラグの高い滓化の
ためには、Al2O3 を8wt%以上にすることが必要なこと
がわかった。ただし、このAl2O3 の添加量をあまり増や
すと、スラグ脱硫能の低下を招くため (図5参照) 、脱
Sの観点からAl2O3 添加量の上限は12wt%とした。
【0012】また、本発明においては、脱硫能の面から
CaO /Al2O3 を4.0 以上,好ましくは4.0 〜8.0 、より
好ましくは 4.0〜6.0 の範囲に制御する。その理由は、
図6に示すように、脱硫能 (S)/[S]=1.0 以上を
維持するには、CaO /Al2O3比が 4.0未満ではこの脱硫
率を維持するのは困難だからであり、所期した脱S反応
を期待することができない。一方、8.0 を越えると(1)
式の反応が右に進みやすくなり、結果的にAl2O3 の析出
を促進するからである。なお、このCaO /Al2O3 の調整
は、塩基度既知の転炉スラグの重量を測定することによ
って求め、かつ脱硫処理中Siロスをテータベースから推
定することによって行う。
【0013】なお、本発明において、スラグ中にはMgO
を添加してもよい。ただし、このMgO は、耐火物の溶損
を抑制すること、およびスラグの低融点化を目的として
10wt%以下の範囲内で添加する。それは、MgO が10%を
超えた場合には、逆にスラグの液相率が低下するため、
脱酸率,脱硫率の低下を招くためである。
【0014】
【実施例】この実施例は、表1に示す成分組成のステン
レス鋼160tを、VOD法によって精錬を行ったときの結
果を報告するものである。表1に示す成分組成の溶鋼に
ついて、比較例では、Al2O3 を添加せずに焼石灰のみで
生成SiO2に対してのスラグコントロールを行った。これ
に対し本発明例では、スラグの低融点化を目的としてス
ラグ中Al2O3 濃度が8〜12wt%となるようにAl2O3 を添
加し、 CaO/Al2O3 ≧4のコントロールのためにのみ焼
石灰を投入した。 (焼石灰,Al2O3 はキルド処理前まで
に投入完了させた。) このようなスラグコントロール以外の処理については、
比較例,本発明例とも同じ処理、即ち、真空送酸脱炭→
真空リムド処理→Fe,Si添加→真空チルド処理→大気処
理を行った。その結果を表2に示す。
【0015】表2に示すとおり、発明例では[O2 ]≦
0.004 wt%を示したのに対し、比較例では[O2 ]≧0.
005 wt%を示した。また、[S]も、本発明例では0.00
3 wt%以下であるが、比較例では0.010 wt%を越えてお
り、発明例の方が脱酸,脱硫に効果的であることがわか
った。
【0016】また、鋳造欠陥となるAl2O3 介在物発生の
源となる、鋼中のsol.Al濃度についても、本発明ではス
ラグの低融点化を目的としてAl2O3 を添加しているにも
かかわらず15ppm 以下であるが、比較例では30ppm を越
えていることがわかる。
【0017】
【表1】
【0018】
【表2】
【0019】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、脱酸
剤としてSi源を用いる含クロム溶鋼の真空中脱酸精錬工
程において、溶鋼の脱酸ならびに脱硫をスラグ−メタル
反応により効率よく行うことができるようになった。ま
た、本発明によれば、従来問題となっていたAl2O3 介在
物による製品欠陥あるいは連鋳工程でのノズル詰まり等
のトラブルも低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】スラグ塩基度と処理後鋼中[O]の関係を示す
グラフ。
【図2】スラグ塩基度と処理後鋼中[S]の関係を示す
グラフ。
【図3】スラグ塩基度と処理後鋼中sol.Alの関係を示す
グラフ。
【図4】Al2O3 添加量とスラグ液相率の関係を示すグラ
フ。
【図5】スラグ中Al2O3 濃度と (S) /[S]との関係
を示すグラフ。
【図6】CaO /Al2O3 と (S) /[S]との関係を示す
グラフ。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−173515(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C21C 7/10 C21C 7/04 C21C 7/06

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 含クロム溶鋼を、Si源を脱酸剤として用
    いて真空中で脱酸精錬する際に、生成スラグの塩基度
    (CaO /SiO2) を 1.5〜2.5 に調整するとともに、Al2O
    3 の添加によってスラグ中Al2O3 濃度を8〜12wt%に調
    整し、かつこのスラグの (CaO /Al2O3 ) を4.0 〜8.0
    に調整することを特徴とする含クロム溶鋼の真空精錬方
    法。
  2. 【請求項2】 スラグ中にさらに10wt%以下のMgOを添
    加することを特徴とする請求項1に記載の方法。
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