JP3196014B2 - 空調装置の吸込空気温度検出値補正装置 - Google Patents

空調装置の吸込空気温度検出値補正装置

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JP3196014B2
JP3196014B2 JP01449397A JP1449397A JP3196014B2 JP 3196014 B2 JP3196014 B2 JP 3196014B2 JP 01449397 A JP01449397 A JP 01449397A JP 1449397 A JP1449397 A JP 1449397A JP 3196014 B2 JP3196014 B2 JP 3196014B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、室内機の停止後、
室内用熱交換器の残熱量による吸込空気温度検出値の異
常による不具合を防止することのできる空調装置の吸込
空気温度検出値補正装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の空調制御装置として、例えば図7
に示す空調制御装置1は、少なくともコンプレッサ8、
膨張弁7a,7b、室外用熱交換器9及び室外用送風機
11が配された室外機2と、各々の被空調空間40a,
40bに配された室内機3a,3bと、これらを制御す
る制御部(操作パネル6a,6b、コントロールユニッ
ト15等)によって構成される。また、前記室内機3
(3a,3b)は、例えば図8に示すもので、吸入口2
1と吹出口20とを連通する空気通路22上に室内用熱
交換器4(4a,4b)及び送風機5(5a,5b)が
配されるものである。
【0003】以上の構成の空調制御装置1において、暖
房運転時には四方弁18の切り換えによって、冷媒は図
7中に示される実線矢印の方向に流れる。これによっ
て、コンプレッサ8で圧縮された高温高圧の気体冷媒は
各々の室内用熱交換器3a,3bに圧送され、この室内
用熱交換器3a,3bにおいて送風機5a,5bによっ
て送られてくる空気に放熱し、凝縮して低温の液体冷媒
となる。この時の放熱によって各々の被空調空間40
a,40bの暖房するものである。そして、低温の液体
冷媒は、膨張弁7a,7bを通過して断熱膨張し、室外
用熱交換器9において、室外用送風機11によって送ら
れてくる空気の熱を吸収して蒸発し、低温低圧の気体冷
媒としてコンプレッサ8に吸引されるものである。
【0004】以上のような空調制御装置1において、例
えば一方の被空調空間40bの室温が設定温度に到達し
たために室内機3bが暖房サ−モOFFとなった場合、
従来では、膨張弁7bが全閉するとライン30b、室内
用熱交換器5b及びライン31bに冷媒が寝込むことを
防止するために、膨張弁7bを僅かに開放してわずかに
冷媒を流す制御が行なわれていた。しかしながら、この
制御を実行した場合、室内用熱交換器7bに高温の冷媒
が流れるために熱交換器温度(熱交温度)が上昇し、こ
の室内用熱交換器7b近傍に配された吸込空気検出用セ
ンサ16bによる検出温度が上昇するという、いわゆる
熱こもり現象が起こる。
【0005】特公平6−21704号公報に開示される
空調制御装置は、室内熱交換器の停止後、室外機等の再
起動可能な時期に残熱排除風を送風させると共に、その
送風温度を室内熱交換器の温度と吹出温度の双方で監視
して、空調フィ−リングを害する送風を防止するように
したものである。具体的には、熱交換器温度センサがT
1 (30℃)以上か否かを判定し、T1 以上であれば熱
こもりが発生していると判断して送風機を稼働して残熱
排除を行ない、熱交換器温度が所定温度T2 以下となっ
た場合には残熱排除が完了したとして送風機を停止させ
るようにしたものである。また、吹出温度が所定温度T
3 以上である場合には、未だ残熱排除が完了していない
として送風機の稼働を継続するものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特公平
6−21704号公報に開示されるような空調制御装置
では、室温が設定温度に到達しても微風運転が行なわれ
るので、室内全体の温度が上昇してしまうという不具合
が生じる。また、微風運転の風量を下げると、十分に残
熱排除を行なうことができず、室内の天井付近(図8
中、空間40c)の室温tr2が居住者の位置する付近
(図8中、空間40d)の室温tr1よりも高くなるとい
う不具合が生じる。この不具合により、室内機は、微風
運転が開始されると、前記空間40cの空気を吸引する
ので、前記吸込温度検出センサ16によって検出される
室内温度は居住者付近の空間の温度tr1ではなく温度の
高い天井付近の温度tr2となるため、居住者の暖房要求
と合致しない不都合が生じる。又、空間40dの温度が
下がって居住者の暖房要求があって空調制御を再開した
としても、空調制御自体が高い室内温度を認識した状態
から実行されるため、通常の室内温度が検出される状態
まで異常な空調制御が継続されるという不具合が生じて
いた。
【0007】このために、この発明は、熱交換器の検知
温度を用いて、吸込温度検出センサの検出温度を補正
し、熱こもり等による吸込温度検出センサの異常検出値
による不具合を防止することのできる空調制御装置の吸
込空気温度検出値補正装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】したがって、この発明
は、図1に示すように、室内用熱交換器と送風機を有す
る室内機と、少なくとも一つの室内機と接続されて冷房
サイクルを構成する室外機を有し、被空調空間の冷房及
び暖房を行なう空調制御装置において、前記室内機の室
内用熱交換器近傍に配され、前記室内用熱交換器に吸引
される空気の温度を検出する吸込空気温度検出手段10
0と、前記室内機の一つが停止されたことを検出する稼
働停止検出手段110と、停止された室内機の室内用熱
交換器の温度を検出する熱交温度検出手段120と、前
記稼働停止検出手段110によって前記室内機の停止が
検出された場合、前記熱交温度検出手段120によって
検出された熱交温度から補正量を演算する補正量演算手
段130と、前記吸込空気温度検出手段100によって
検出された吸込空気温度を、前記補正量演算手段130
によって演算された補正量によって補正する吸込空気温
度補正手段140と具備することにある(請求項1)。
【0009】これによって、この発明によれば、稼働停
止検出手段110によって室内機のひとつが停止された
ことが検出されると、熱交換器温度検出手段120によ
って検出される停止した室内機の熱交換器の温度(熱交
温度)によって、前記仕込み空気温度検出手段100に
よって検出された吸込空気温度の補正量が補正量演算手
段130において演算され、前記吸込空気温度検出手段
100によって検出された吸込空気温度を、前記補正量
演算手段130において演算された補正量で吸込空気温
度補正手段140において補正するようにしたことによ
って、熱交換器の熱こもり現象等によって生じる吸込空
気温度の上昇を、熱交換器自体の温度上昇から演算され
る補正量で補正するために、吸込空気温度検出手段10
0による検出値から熱交温度による温度上昇分を相殺で
きるので、吸込空気温度を常に適正に保つことができ、
上記課題を達成できるものである。
【0010】さらに、前記補正量演算手段130によっ
て演算された補正量に、前記室内機の停止後の吸込空気
温度検出値の上昇割合に合致するように所定の遅延をか
ける遅延手段150を具備すること(請求項3)が望ま
しい。これによって、熱交換器の温度変化と、この温度
変化の影響下において変化する吸込空気温度の変化との
間の遅延関係に合致若しくは近似させるように、前記補
正量に遅延をかけるあめ、熱交温度の変化時から安定時
にかけて吸込空気温度の値をより正確に補正することが
できるものである。
【0011】さらにまた、前記室内機の停止直後所定時
間送風機のみを駆動すると共に、その後は所定時間を開
けて定期的に送風機を駆動させる間欠送風手段を具備し
てもよいものである(請求項4)。これによって、間欠
送風手段の稼働によって、熱交温度の上昇を抑えること
ができるため、少しの熱こもり現象の場合には、該間欠
送風手段によって、熱こもり現象を解消するようにして
も良いものである。
【0012】さらに、熱こもり現象が発生しているか否
かを判定する熱こもり判定手段を設け、熱交換器の温度
が所定温度以上である場合に熱こもりが発生していると
判定して、上記補正作業を開始するようにしても良いも
のである。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態につ
いて図面により説明する。
【0014】本発明に係る空調制御装置1は、例えば図
7に示すもので、室外機2及び室内機3(3a,3b)
及びコントロールユニット15等の制御関連機器によっ
て構成されている。
【0015】室外機2は、室外用熱交換器9、室外用送
風機11、コンプレッサ8、コンプレッサ8を駆動する
インバ−タモータ10、冷媒方向切換手段としての四方
弁18及び膨張弁7a,7bが配されている。
【0016】室内機3は、図7及び図8に示すように、
空気吸込部21から空気吹出部20にかけて連通する空
気通路22上に、室内用熱交換器4(4a,4b)及び
室内用送風機5が配されるもので、空気吸込部21と室
内用熱交換器4との間に、吸入空気温度検出手段として
の吸入空気温度検出センサ16が配されており、また室
内用熱交換器4の温度(熱交温度)を検出する熱交温度
温度センサ17が設けられている。尚23は、吸込空気
温度検出センサ16への室内用熱交換器4からの輻射熱
による影響を防止するために防御壁である。
【0017】これによって、この実施の形態において
は、一つの室外機2に対して2つの室内機3a,3bが
配されて2室40a,40bの温調を可能とする冷暖房
サイクルを構成する。
【0018】具体的には、前記冷暖房サイクルは、イン
バータモータ10によって駆動するコンプレッサ8と、
このコンプレッサ8から延出する吐出側及び吸入側の配
管35、36と接続される四方弁18と、さらに該四方
弁18から延出する配管34を介して接続される室外用
熱交換器9と、前記室外用熱交換器9と前記四方弁18
の間に配される第1の膨張弁7a及び第1の室内用熱交
換器4aと、第1の膨張弁7a及び第1の室内用熱交換
器4aに並列に接続される第2の膨張弁7b及び第2の
室内用熱交換器4bとによって構成される。この実施の
形態においては、2つの室内機3a,3bを有するもの
として記載するが、2つ以上の室内機3を接続すること
も可能である。
【0019】以上の構成の冷暖房サイクルにおいて、先
ず暖房運転の場合、四方弁18の切り換えによって冷媒
を図中に示す実線矢印の方向に流す。これによって、コ
ンプレッサ8において圧縮された高温高圧の気体冷媒
は、配管35から四方弁18を経て配管32を流れ、分
岐点を経て配管31a,31bに流れ、それぞれの室内
用熱交換器4(第1及び第2の熱交換器4a,4b)を
通過する際に、室内用送風機5(5a,5b)の稼働に
よって通過する空気に放熱して凝縮し、低温高圧の液体
冷媒となる。そして第1及び第2の膨張弁7a,7bを
通過する際に断熱膨張されて低圧低温の冷媒となり、合
流して配管33を通過して室外用熱交換器9に至るもの
である。そしてこの室外用熱交換器9で室外用送風機1
1の稼働によって通過する空気の熱を吸収して蒸発し、
低圧の気体冷媒として配管34、四方弁18及び配管3
6を介してコンプレッサ8に回帰して循環サイクル(暖
房サイクル)を構成するものである。
【0020】また、冷房運転の場合、四方弁18の切り
換えによって冷媒を図中破線矢印の方向に流す。これに
よって、コンプレッサ8において圧縮された高温高圧の
気体冷媒は、配管35から四方弁18を経て配管34を
流れ、室外用熱交換器9に至る。そして、この室外用熱
交換器9を通過するサイクルに、室外用送風機11によ
って送られてくる空気に放熱して凝縮し高圧の液体冷媒
となる。そして配管33から分岐点を介して第1及び第
2の室内機3a,3b側に流れる。ここで、第1及び第
2の膨張弁7a,7bで各々の冷媒は断熱膨張し、そし
て第1及び第2の室内用熱交換器4a,4bにおいて室
内用送風機5a,5bによって送られてくる空気の熱を
吸収して蒸発し、低圧の規定冷媒としてそれぞれの配管
31a,31bを介して合流し、配管32、四方弁18
及び配管36を介してコンプレッサ8に回帰して循環サ
イクル(冷房サイクル)を構成するものである。
【0021】以上の空調制御装置1を制御するための制
御部は、少なくとも中央演算処理装置(CPU)、読出
専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RA
M)、入出力ポート(I/O)等からなり、さらに出力
回路を有するコントロールユニット15と、各センサか
らの信号、例えば、吸込空気温度検出センサ16a,1
6b、熱交換器温度検出センサ17a,17b等からの
信号を順次整理するマルチプレクサ(MPX)13、及
びマルチプクサ13からの信号をデジタル信号に変換す
るA/D変換器14、及び室内用操作パネル6a,6b
からのオンオフ信号、設定信号を集約する集約ボックス
12とからなるもので、前記コントロールユニット15
では、前記信号を所定のプログラムで変換した後、制御
信号として各制御機器に出力するものである。これら制
御機器としては、コンプレッサ8を稼働するインバータ
モータ10、四方弁18、室外用送風機11、第1の電
磁弁7a、第2の電磁弁7b、及び室内用送風機5a,
5bがある。
【0022】通常、上記制御部においては、吸込空気温
度検出センサ16によって検出される吸込温度を室温と
し、この室温と操作パネル6a,6bによって設定され
た各被空調空間(室)40a,40bの設定温度とを比
較し、その差がなくなるように、コンプレッサ8の回転
数、各々の室内機3a,3bに対応する膨張弁7a,7
bの開度及び室内用送風機5a,5bの送風量を調整し
て、冷房能力若しくは暖房能力を可変して空調制御を実
行するようにしたものである。
【0023】以上の構成の空調制御装置1において、例
えば、一方の室40bの室温が目標設定温度の到達し、
第2の室内機3bの稼働がオフとなった場合(サーモオ
フ)について、以下に説明する。第2の室内機3bに停
止の指令がでると、第2の室内用送風機5bが停止し、
第2の膨張弁7bの開度が絞られる。この時、第2の膨
張弁7bを完全に遮断しないのは、第2の室内用熱交換
器4b内に滞留する冷媒が放熱して液化し、第2の室内
用熱交換器4b内、さらには第2の膨張弁7bから第2
の室内用熱交換器4bまでの間の配管30aや配管31
bに至る間に寝込み、第1の室内機3a側に流れる冷媒
が不足する恐れがあるからである。
【0024】しかしながら、第2の膨張弁7bの開度を
絞るとはいえ、高温高圧の冷媒ガスが通過することか
ら、第2の室内用熱交換器4bの温度は第1の室内用熱
交換器4aの温度(40℃〜55℃)と等しい温度を維
持することとなる。また、第2の膨張弁7bが絞られて
も、コンプレッサ8の回転数は急激には下げられないこ
と、第2の室内用送風機5bの駆動が停止していること
が考えられるため、第2の室内用熱交換器4bの温度
(熱交温度)Tは図5(b)で示すように、第2の室内
機3bの停止時P0 直後から急激に上昇して最高温度T
m まで上昇するが、コンプレッサ8の回転数が一室の制
御に対応する程度まで下がるので安定温度TS で落ちつ
く。しかしながら、第2の室内用送風機5bの停止に伴
って、第2の室内用熱交換器4bは徐々に雰囲気温度を
上昇させていくため、第2の室内機3bに配された第2
の吸込空気温度検出センサ16bの検出値t1 は図5
(a)で示すように徐々に上昇していき実際の室内温度
r との間の大きな差が生じることとなる。
【0025】このために、本発明においては、図2のフ
ローチャートで示すように、前記吸込空気温度検出セン
サ16bによる検出値t1 に対する補正量t2 を演算す
る。
【0026】この補正量演算制御は、ステップ200か
ら空調制御のメインルーチンからジャンプ命令若しくは
タイマの割り込み等によって定期的に実行されるもの
で、先ずステップ210において一つの室内機3(上記
場合は第2の室内機3b)が暖房サーモオフによって停
止したものか否かの判定を行なう。この判定において、
暖房時にサーモオフによって停止したものでない場合に
は、ステップ230に進んで推定室温t3 には、吸込空
気温度検出センサ16によって検出された吸込空気温度
1 をそのまま使用する。
【0027】また前記ステップ210の判定において、
暖房サ−モオフが検出された場合(図4中、P0 で示す
時間)、ステップ220に進んで、例えば停止した側の
室内機3b側の室内用熱交換器4bの温度(熱交温度)
Tが所定温度(この実施の形態においては25℃)以上
か否かの判定を行なう。この判定において前記熱交温度
Tが所定値以上である場合には、該室内用熱交換器3b
による熱こもり現象が発生するか、若しくは発生する状
態にあると判定できるために、ステップ240に進んで
補正量t2 を演算する。また、前記熱交温度Tが所定値
以上でない場合には、熱こもり現象が発生しないと判断
してステップ230に進んで、吸込温度検出センサ16
によって検出された吸込空気温度t1 を推定室温t3
して使用するものである。
【0028】前記熱こもり現象が発生する場合、停止側
の室内機3bの室内用送風機5bが停止すると共に、コ
ンプレッサ8の回転数が即座に低下しないことから、停
止側の室内用熱交換器4bの熱交温度T(熱交温度検出
センサ17bによる検出結果)は図5(b)で示すよう
に変化する。尚、この温度変化において、Tm はコンプ
レッサ8の回転数の対応遅れ等の初期時の特別要因が付
加された結果到達する最高温度であり、TS はコンプレ
ッサ8の回転数等の初期時の温度を上昇させる特別要因
が消滅した後の加熱冷媒の通過による安定期(図5中、
PS以降)の熱交温度である。
【0029】ステップ240による補正量t2 の演算
は、下記する数式1によって演算されるものである。
【0030】
【数1】ΔT=K1・T+K2
【0031】尚、ΔTは補正量演算値であり、K1は実
験によって求められた所定の変換定数(演算定数)であ
り、Tは検出された熱交温度であり、K2は実験によっ
て求められた補正項である。
【0032】この演算によって求められた補正量演算値
ΔTは、熱交温度Tによる吸込空気温度t1 の影響分と
しての補正量として求められるもので、図5(c)のt
c で示すものである。尚、この実施の形態において、前
記補正量tc と前記補正量演算値ΔTとの関係は、tc
=−ΔTである。
【0033】これによって、ステップ240において演
算された補正量tc と前記吸込空気温度検出値t1 とを
ステップ250において重ね合わせ、現実の室温を推定
するものである。例えば、現実の室温が変化していない
場合、上記図5(c)で示す補正量tc 吸込空気温度検
出センサ16(16b)によって検出された値t1 とを
ステップ250において加算すると、図5(d)のtc3
で示すように推定室温は変化する。具体的には、推定室
温は、安定期に至るまで(P0 〜PS)は、補正値tc
よって実際の室温よりも低い値として推移するが、安定
期以降は熱こもり現象による温度上昇分が相殺され、実
際の室温と同様に推移することなる。
【0034】さらに、安定期に至るまでの間も、熱こも
り現象による温度上昇分を補正することを目的として、
ステップ240の補正量t2 の演算において、補正量t
c に所定の遅延をかける制御を追加しても良いものであ
る。
【0035】この遅延処理は、前記熱交温度の上昇に伴
う吸込空気温度検出センサの温度上昇パターンを解析
し、その温度上昇パターンに近似させるように、前記熱
交温度から演算された補正量に遅延をかけるようにした
ものである。具体的には、前記熱こもり現象による温度
変化の特性(熱こもり特性:図5(a))は、図4
(a)で示すように、室温(tr )、熱交温度〔熱交換
器からの熱量(潜熱、ケン熱)〕、センサ位置、空気の
熱伝達特性等を要因とする高次の非線形伝達関数で表す
ことができることから、室温、熱交温度温度及び補正量
を2次の伝達関数(遅延フィルタ)により変換して、前
記熱こもり特性に合致若しくは近似させ、前記吸込空気
温度センサによる検出値の熱こもり特性の推測値を得る
ようにしたものである。尚、該遅延フィルタの定数は、
実験により決定されるものである。
【0036】以上のことから、この実施の形態において
は、前記補正量tc を前記遅延フィルタによって遅延さ
せることで、図5(c)のt2 で示す特性を得ることが
できるものである。この特性は室温の変化ない状態の吸
込空気温度センサの熱こもり現象時の温度上昇パターン
の対象形をなすもので、室内温度が変化しない場合の吸
込空気温度t1 とステップ250において重ね合わされ
た場合には、図5(d)で示すように実線で示される推
定室温t3 を得ることができるものである。
【0037】この結果、吸込空気温度検出センサによっ
て検出された検出値t1 を、熱こもり現象等による熱交
温度の上昇に伴う影響分の補正量t2 によって補正する
ことにより、実際の室温と略等しい推定室温t3 を得る
ことができるものである。図5に示す特性線図において
は、室温の変化ないものとして説明したが、室温が変化
した場合には、吸込空気温度検出センサの検出値t1
それに伴って上昇するため、熱交温度の上昇による影響
分を補正によって相殺することにより、実際の室温と略
等しい推定室温を得ることができるものである。
【0038】尚、この実施の形態においては、演算した
補正量に遅延をかけるようにしたが、補正量を演算する
前の段階、つまり熱交温度Tに遅延をかけた後に補正量
を演算するようにしても良いものである。
【0039】また、室内機3の一つがサーモオフにより
停止した場合に、その停止した室内機3の送風機5を所
定時間継続して運転すると共に、その後は間欠的に運転
して熱こもり現象を解消しようとする残熱排除制御を具
備した空調制御装置においても、ステップ220の判定
によって熱交温度Tが所定温度以上である場合には上述
した実施の形態と同様に、補正量を演算して吸込空気温
度検出センサ16の検出値を補正するようにしても良い
ものである。
【0040】この場合、図6に示すように、熱交温度
T’は、室内機3の停止(P1 )後から所定時間(P2
まで)室内用送風機5が稼働して停止直後の室内用熱交
換器4の温度上昇を抑えるようにし、さらに間欠的に送
風機5を駆動させて熱こもり現象を排除するようにして
いる。この実施の形態において、送風機5が稼働する期
間P1 〜P2 、P3 〜P4 、P5 〜P6 及びP7 〜P8
は30秒であり、停止期間P2 〜P3 、P4 〜P5 及び
6 〜P7 は3分30秒である。
【0041】しかしながら、上述したような微風による
残熱排除制御は、少しの熱こもり現象の場合は排除する
ことができるが、送風機の稼働を室内温度を上昇させな
い程度とすることが望ましいために、大きな熱こもり現
象場合には、熱こもり現象を完全に排除することができ
ない場合がある。この場合、例えば図6(b)で示すよ
うに、室内用送風機5の停止により室内用熱交換器4の
温度が急上昇し、これに伴って図6(a)で示すように
吸込空気温度検出センサ16による検出値t1も上昇す
る。このため、熱交温度Tから前述したように補正量t
c ’が演算され、さらにこの補正量tc ’に所定の遅延
をかけて補正量t2 ’が演算されるものである。この補
正量は、図6(c)に示される。これによって、図6
(d)で示すように、吸込空気温度検出センサ16によ
る検出値t1 ’と、補正量t2 ’とから推定室温t3
が求めることができるものである。このように、残熱排
除制御を有する空調制御装置においても、前述した実施
の形態の同様の効果を得ることができるものである。
【0042】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、残熱排除の微風運転を、間欠若しくは行なう必要が
ないことから、室温に与える影響を少なくすることがで
きる。また、吸込空気温度検出センサによる検出値を、
熱交温度による補正値で補正するために、前記検出値か
ら熱こもり現象等による温度上昇分が相殺され、実際の
室温と略等しい推定室温を得ることができるものであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の構成を示した機能ブロック図である。
【図2】本発明を示したフローチャート図である。
【図3】熱交温度Tと補正量演算値ΔTの関係を示した
特性線図である。
【図4】(a)及び(b)は、熱こもり特性の推測値を
求めるための遅延処理を示した説明図である。
【図5】第1の実施の形態において、(a)は吸込空気
温度検出値t1 の変化を示したグラフであり、(b)は
熱交温度Tの変化を示したグラフであり、(c)は補正
量tc 及びt2 の変化を示したグラフであり、(d)は
吸込空気温度検出値t1と補正量tc 及びt2 から推定
室温t3 を求めたグラフである。
【図6】間欠送風手段を具備した第2の実施の形態の空
調制御装置において、(a)は吸込空気温度検出値t1
の変化を示したグラフであり、(b)は熱交温度Tの変
化を示したグラフであり、(c)は補正量tc 及びt2
の変化を示したグラフであり、(d)は吸込空気温度検
出値t1 と補正量tc 及びt2 から推定室温t3を求め
たグラフである。
【図7】本発明の実施に係る空調制御装置の構成を示し
た概略構成図である。
【図8】室内機及びその近傍を示した説明図である。
【符号の説明】
1 空調制御装置 2 室外機 3(3a,3b) 室内機 4(4a,4b) 室内用熱交換器 5(5a,5b) 室内用送風機 7(7a,7b) 膨張弁 8 コンプレッサ 9 室外用熱交換器 16(16a,16b) 吸込空気温度検出センサ 17(17a,17b) 熱交換器温度検出センサ 18 四方弁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−293557(JP,A) 特開 平8−94158(JP,A) 特開 平1−174843(JP,A) 特開 平4−131654(JP,A) 特開 平9−264597(JP,A) 実開 平3−124142(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F24F 11/02 103 F24F 11/04

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 室内用熱交換器と送風機を有する室内機
    と、少なくとも一つの室内機と接続されて冷房サイクル
    を構成する室外機を有し、被空調空間の冷房及び暖房を
    行なう空調制御装置において、 前記室内機の室内用熱交換器近傍に配され、前記室内用
    熱交換器に吸引される空気の温度を検出する吸込空気温
    度検出手段と、 前記室内機の一つが停止されたことを検出する稼働停止
    検出手段と、 停止された室内機の室内用熱交換器の温度を検出する熱
    交温度検出手段と、 前記稼働停止検出手段によって前記室内機の停止が検出
    された場合、前記熱交温度検出手段によって検出された
    熱交温度から補正量を演算する補正量演算手段と、 前記吸込空気温度検出手段によって検出された吸込空気
    温度を、前記補正量演算手段によって演算された補正量
    によって補正する吸込空気温度補正手段と具備すること
    を特徴とする空調装置の吸込空気温度検出値補正装置。
  2. 【請求項2】 前記補正量演算手段によって演算された
    補正量に、前記室内機の停止後の吸込空気温度検出値の
    上昇割合に合致するように所定の遅延をかける遅延手段
    を具備することを特徴とする請求項1記載の空調装置の
    吸込空気温度検出値補正装置。
  3. 【請求項3】 前記室内機の停止直後所定時間送風機の
    みを駆動すると共に、その後は所定時間を開けて定期的
    に送風機を駆動させる間欠送風手段を具備することを特
    徴とする請求項1又は2記載の空調装置の吸込空気温度
    検出値補正装置。
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