JP6881502B2 - 空気調和装置 - Google Patents

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Description

本開示は、空気調和装置に関するものである。
特許文献1には、輻射熱交換器を備えた空気調和装置が開示されている(第6図を参照)。この空気調和装置は、熱源ユニットである室外機に複数の輻射熱交換器が接続された冷媒回路を備える。この空気調和装置は、輻射熱交換器が蒸発器として機能する冷房運転を行う。
実開平2−114841号公報
冷房運転中に輻射熱交換器の温度が0℃よりも低くなると、輻射熱交換器の表面で空気中の水分が凝縮し、更に凍結する場合がある。この場合に、そのまま冷房運転を続けると、輻射熱交換器の表面に付着した氷が成長してゆく。そして、輻射熱交換器の表面に付着した氷の量が多くなると、輻射熱交換器の熱交換能力の低下を招くおそれがある。また、冷房運転の停止後には輻射熱交換器に付着した氷が融けるが、輻射熱交換器の表面に付着した氷の量が多い場合は、氷の一部がそのまま輻射熱交換器から脱落するおそれがある。しかし、これまでは、冷房運転中に輻射熱交換器の表面に付着した氷の成長を抑える対策は、充分に講じられていなかった。
本開示の目的は、空気調和装置の冷房運転中において、輻射熱交換器の表面における氷の成長を抑えることにある。
本開示の第1の態様は、圧縮機(21)を有する熱源ユニット(20)と、輻射熱交換器(52)を有する輻射空調ユニット(40)と、室内熱交換器(31)及び室内ファン(33)を有する室内ユニット(30)と、上記輻射空調ユニット(40)及び上記室内ユニット(30)を連絡配管(16,17)で接続することによって形成され、上記輻射空調ユニット(40)と上記室内ユニット(30)が並列に配置された冷媒回路(11)とを備え、上記輻射熱交換器(52)及び上記室内熱交換器(31)が蒸発器として機能する冷房運転を少なくとも行う空気調和装置を対象とする。そして、上記室内ユニット(30)には、上記冷房運転中に上記室内熱交換器(31)へ冷媒を導入する液管(34)と、該液管(34)の温度を計測する液側温度センサ(63)とが設けられ、上記液側温度センサ(63)の計測値が第1開始基準温度以下であるときに成立する第1開始条件が上記冷房運転中に成立すると、上記圧縮機(21)を停止状態に保つ融解動作を行うように構成された制御器(90)を備えるものである。
第1の態様の制御器(90)は、所定の第1開始条件が冷房運転中に成立すると、圧縮機(21)を停止させる融解動作を開始する。
第1の態様において、制御器(90)が融解動作を開始して圧縮機(21)を停止させると、室内熱交換器(31)及び輻射熱交換器(52)への冷媒の流入が停止し、室内熱交換器(31)及び輻射熱交換器(52)の表面温度が上昇する。そして、室内熱交換器(31)及び輻射熱交換器(52)の表面温度が0℃を上回ると、室内熱交換器(31)及び輻射熱交換器(52)の表面に付着した氷が融ける。そのため、第1開始条件が成立した場合に制御器(90)が融解動作を行うと、冷房運転中に室内熱交換器(31)及び輻射熱交換器(52)の表面に付着した氷は、成長して大きくなる前に融解する。従って、この態様によれば、冷房運転中に室内熱交換器(31)及び輻射熱交換器(52)の表面に付着した氷の成長を抑えることが可能となる。
本開示の第2の態様は、上記第1の態様において、上記第1開始条件は、上記液側温度センサ(63)の計測値が上記第1開始基準温度以下となる第1低温状態の継続時間、又は上記第1低温状態の継続時間の積算値が、第1開始基準時間以上になるという条件であるものである。
本開示の第3の態様は、上記第1または第2の態様において、上記第1開始基準温度は、0℃以下であるものである。
本開示の第4の態様は、上記第1〜第3のいずれか1つの態様において、上記制御器(90)は、上記輻射熱交換器(52)に氷が付着している可能性を示す条件の成否を、上記冷房運転中に判断し、上記輻射熱交換器(52)に氷が付着している可能性を示す条件が成立していなくても、上記第1開始条件が成立すると上記融解動作を行うように構成されるものである。
本開示の第5の態様は、上記第1〜第4のいずれか1つの態様において、上記制御器(90)は、上記冷房運転中に上記第1開始条件と所定の第2開始条件の少なくとも一つが成立したときに、上記融解動作を行うように構成され、上記第2開始条件は、上記液側温度センサ(63)の計測値が上記第1開始基準温度よりも低い第2開始基準温度以下となる第2低温状態の継続時間、又は上記第2低温状態の継続時間の積算値が、上記第1開始基準時間よりも短い第2開始基準時間以上になるという条件であるものである。
第5の態様の制御器(90)は、冷房運転中に第1開始条件が成立した場合だけでなく、冷房運転中に第2開始条件が成立した場合にも、融解動作を開始する。つまり、この態様では、第2低温状態(液側温度センサ(63)の計測値が第2開始基準温度以下となる状態)の継続時間が第2開始基準時間以上になった場合、又は第2低温状態の継続時間の積算値が第2開始基準時間以上になった場合に、制御器(90)が融解動作を開始する。第2開始基準温度は第1開始基準温度よりも低く、第2開始基準時間は第1開始基準時間よりも短い。従って、この態様によれば、室内熱交換器(31)の表面に付着した氷の成長を一層確実に抑えることが可能となる。
上記第1の態様は、上述した構成に加えて、上記制御器(90)は、上記融解動作中に所定の第1終了条件が成立すると、上記圧縮機(21)を作動させて上記冷房運転を再開させるように構成され、上記第1終了条件は、上記液側温度センサ(63)の計測値が0℃よりも高い第1終了基準温度以上となる第1昇温状態の継続時間、又は上記第1昇温状態の継続時間の積算値が、第1終了基準時間以上になるという条件であるものである。
第1の態様の制御器(90)は、第1昇温状態(液側温度センサ(63)の計測値が第1終了基準温度以上となる状態)の継続時間が第1終了基準時間以上になった場合、又は第1昇温状態の継続時間の積算値が第1終了基準時間以上になった場合に、融解動作を終了させて冷房運転を再開させる。第1終了基準温度は、0℃よりも高い。従って、この態様によれば、適切なタイミングで融解動作を終了させて冷房運転を再開させることができ、融解動作に起因する快適性の低下を抑えることができる。
また、上記第1の態様は、上述した構成に加えて、上記制御器(90)は、上記融解動作中に上記第1終了条件と所定の第2終了条件の少なくとも一つが成立したときに、上記圧縮機(21)を作動させて上記冷房運転を再開させるように構成され、上記第2終了条件は、上記液側温度センサ(63)の計測値が上記第1終了基準温度よりも高い第2終了基準温度以上となる第2昇温状態の継続時間、又は上記第2昇温状態の継続時間の積算値が、上記第1終了基準時間よりも短い第2終了基準時間以上になるという条件であるものである。
第1の態様の制御器(90)は、融解動作中に第1終了条件が成立した場合だけでなく、融解動作中に第2終了条件が成立した場合にも、融解動作を終了させて冷房運転を再開させる。つまり、この態様では、第2昇温状態(液側温度センサ(63)の計測値が第2終了基準温度以上となる状態)の継続時間が第2終了基準時間以上になった場合、又は第2昇温状態の継続時間の積算値が第2終了基準時間以上になった場合に、制御器(90)が圧縮機(21)を作動させて冷房運転を再開させる。第2終了基準温度は第1終了基準温度よりも高く、第2終了基準時間は第1終了基準時間よりも短い。従って、この態様によれば、室内熱交換器(31)の表面に付着した氷の全てが融解しているにも拘わらず融解動作を実行し続けてしまう可能性を低減でき、融解動作に起因する快適性の低下を確実に抑えることができる。
本開示の第6の態様は、上記第1〜第5のいずれか一つの態様において、上記制御器(90)は、上記融解動作中に上記第1終了条件と上記第2終了条件と所定の第3終了条件の少なくとも一つが成立したときに、上記圧縮機(21)を作動させて上記冷房運転を再開させるように構成され、上記第3終了条件は、上記融解動作の開始から上記液側温度センサ(63)の計測値が上記第2終了基準温度に達するまでの時間が所定の判定基準時間以下であり、且つ、上記液側温度センサ(63)の計測値が上記第2終了基準温度以上となる状態の継続時間が、上記第2終了基準時間よりも短い第3終了基準時間以上になるという条件であるものである。
第6の態様の制御器(90)は、融解動作中に第1終了条件が成立した場合と、融解動作中に第2終了条件が成立した場合だけでなく、融解動作中に第3終了条件が成立した場合にも、融解動作を終了させて冷房運転を再開させる。つまり、この態様の制御器(90)は、液側温度センサ(63)の計測値が第2終了基準温度に達するまでの時間が所定の判定基準時間以下であり、且つ、液側温度センサ(65)の計測値が第2終了基準温度以上となる状態の継続時間が第3終了基準時間以上になったときに、圧縮機(21)を作動させて冷房運転を再開させる。第3終了基準時間は、第2終了基準時間よりも短い。従って、この態様によれば、室内熱交換器(31)の表面に付着した氷の全てが融解しているにも拘わらず融解動作を実行し続けてしまう可能性を低減でき、融解動作に起因する快適性の低下を確実に抑えることができる。
図1は、実施形態1の空気調和装置の概略構成を示す配管系統図である。 図2は、実施形態1の輻射パネルの概略構成を示す正面図である。 図3は、実施形態1の制御システムが行う動作を示す状態遷移図である。
実施形態の空気調和装置(10)について、図面を参照しながら説明する。
−空気調和装置の全体構成−
空気調和装置(10)は、室内の空気調和を行う。図1に示すように、空気調和装置(10)は、室外ユニット(20)と、室内ユニット(30)と、輻射パネル(40)とを備える。なお、図1に示した室外ユニット(20)、室内ユニット(30)、及び輻射パネル(40)の台数は、いずれも単なる一例である。
室外ユニット(20)は、室外に設置される。室外ユニット(20)は、熱源ユニットを構成している。室外ユニット(20)には、後述する室外回路(12)及び室外コントローラ(C3)と、室外ファン(25)とが設けられる。
室内ユニット(30)は、室内の天井付近に設けられる。室内ユニット(30)は、室内ファン(33)によって搬送される空気により、冷房又は暖房を行う対流型の室内機を構成する。室内ユニット(30)の数量は、1つ又は2つ以上である。室内ユニット(30)には、後述する室内回路(13)及び室内コントローラ(C1)と、室内ファン(33)とが設けられる。
輻射パネル(40)は、室内の床面に設置される。輻射パネル(40)は、輻射熱の移動により、冷房又は暖房を行う輻射空調ユニットを構成する。輻射パネル(40)の数量は、1つ又は2つ以上である。輻射パネル(40)には、後述する輻射回路(15)及び輻射コントローラ(C2)が設けられる。
空気調和装置(10)には、充填された冷媒が循環する冷媒回路(11)が構成される。冷媒回路(11)の詳細は後述する。
−輻射パネルの全体構成−
輻射パネル(40)の全体構成について図2を参照しながら説明する。輻射パネル(40)は、一対の支柱(41)と、パネル本体(52)(輻射熱交換器(52)ともいう)と、底板(42)とを備える。
支柱(41)は、輻射パネル(40)の左右側端に1つずつ設けられる。各支柱(41)は、床面上に立設し、上下方向に延びている。
パネル本体(52)は、一対の支柱(41)の間に設けられる。パネル本体(52)は、その前面及び後面が室内空間に露出している。
底板(42)は、一対の支柱(41)の下端に連結するように、該一対の支柱(41)の間を左右に延びている。底板(42)は、アンカーボルト等の締結部材(図示省略)を介して室内の床面に固定される。一対の支柱(41)の上端は、固定部(43)を介して天井側の吊りボルト(図示省略)と連結する。
輻射パネル(40)では、パネル本体(52)の下側に下部収容室(44)が形成される。下部収容室(44)には、パネル本体(52)から発生した結露水を回収するためのドレンパン(45)が設けられる。下部収容室(44)の前側及び後側の各開放面は、下部カバー(46)によってそれぞれ覆われる。各下部カバー(46)は、例えば一対の支柱(41)の下部に着脱可能に取り付けられる。
輻射パネル(40)では、パネル本体(52)の上側に上部収容室(47)が形成される。上部収容室(47)には、後述する輻射回路(15)の液管(53)及びガス管(54)が収容される。液管(53)には、輻射膨張弁(51)(図2において図示省略)が設けられる。また、図2では図示を省略するが、上部収容室(47)には、輻射コントローラ(C2)が配置される。上部収容室(47)の前側及び後側の各開放面は、上部カバー(48)によってそれぞれ覆われる。各上部カバー(48)は、例えば一対の支柱(41)の上部に着脱可能に取り付けられる。
−冷媒回路の構成−
冷媒回路(11)の構成について、図1を参照しながら詳細に説明する。冷媒回路(11)は、室外回路(12)、室内回路(13)、及び輻射回路(15)を含んでいる。
本実施形態では、室内ユニット(30)及び輻射パネル(40)が2本の連絡配管(16,17)を介して室外ユニット(20)に接続される。厳密には、室内回路(13)及び輻射回路(15)は、連絡配管としてのガス連絡配管(16)及び液連絡配管(17)を介して、室外回路(12)に接続される。
〈室外回路〉
室外回路(12)には、圧縮機(21)、室外熱交換器(22)、室外膨張弁(23)、及び四方切換弁(24)が設けられる。圧縮機(21)は、可変容量式に構成される。より詳細には、インバータ装置により、圧縮機(21)の運転周波数を制御することで、冷媒回路(11)の冷媒循環量を調節できる。室外熱交換器(22)の近傍には、室外空気を搬送する室外ファン(25)が設けられる。室外熱交換器(22)では、その内部を流れる冷媒と、室外ファン(25)が搬送する室外空気とが熱交換する。室外膨張弁(23)は、開度が可変な流量調節弁であり、例えば電子膨張弁で構成される。
四方切換弁(24)は、暖房運転と冷房運転とを切り換えるための切換機構を構成している。具体的に、四方切換弁(24)は、第1状態(図1の実線で示す状態)と第2状態(図1の破線で示す状態)とに切換可能に構成される。四方切換弁(24)は、冷房運転において第1状態に切り換わる。第1状態の四方切換弁(24)は、圧縮機(21)の吐出側と室外熱交換器(22)のガス端部とを連通させると同時に、圧縮機(21)の吸入側とガス連絡配管(16)とを連通させる。四方切換弁(24)は、暖房運転において第2状態に切り換わる。第2状態の四方切換弁(24)は、圧縮機(21)の吐出側とガス連絡配管(16)とを連通させると同時に、圧縮機(21)の吸入側と室外熱交換器(22)のガス端部とを連通させる。
室外回路(12)には、吐出圧力センサ(61)と吸入圧力センサ(62)とが設けられる。吐出圧力センサ(61)は、圧縮機(21)の吐出側に設けられる。吐出圧力センサ(61)は、圧縮機(21)の吐出冷媒の圧力(冷凍サイクルの高圧圧力)を検出する。吸入圧力センサ(62)は、圧縮機(21)の吸入冷媒の圧力(冷凍サイクルの低圧圧力)を検出する。
〈室内回路〉
室内回路(13)は、室内熱交換器(31)と、室内膨張弁(32)と、液管(34)と、ガス管(35)とを備える。室内熱交換器(31)は、その液側端に液管(34)の一端が接続され、そのガス側端にガス管(35)の一端が接続される。液管(34)の他端は、液連絡配管(17)に接続される。ガス管(35)の他端は、ガス連絡配管(16)に接続される。室内膨張弁(32)は、液管(34)の途中に配置される。
室内膨張弁(32)は、開度が可変な流量調節弁であり、例えば電子膨張弁で構成される。室内熱交換器(31)の近傍には、室内空気を搬送する室内ファン(33)が設けられる。室内熱交換器(31)では、その内部を流れる冷媒と、室内ファン(33)が搬送する室内空気とが熱交換する。
室内回路(13)には、第1液側温度センサ(63)と、第1ガス側温度センサ(64)とが設けられる。第1液側温度センサ(63)は、液管(34)のうち室内膨張弁(32)と室内熱交換器(31)を繋ぐ部分に設けられ、液管(34)の温度を検出する。第1ガス側温度センサ(64)は、ガス管(35)に設けられ、ガス管(35)の温度を検出する。
〈輻射回路〉
輻射回路(15)は、輻射熱交換器(52)と、輻射膨張弁(51)と、液管(53)と、ガス管(54)とを備える。輻射熱交換器(52)は、その液側端に液管(53)の一端が接続され、そのガス側端にガス管(54)の一端が接続される。液管(53)の他端は、液連絡配管(17)に接続される。ガス管(54)の他端は、ガス連絡配管(16)に接続される。輻射膨張弁(51)は、液管(53)の途中に配置される。
輻射膨張弁(51)は、開度が可変な流量調節弁であり、例えば電子膨張弁で構成される。輻射熱交換器(52)の近傍には、空気を搬送するファンは設けられてない。つまり、輻射熱交換器(52)は、輻射熱の移動により、冷媒と室内空気とを熱交換させる。
輻射回路(15)には、第2液側温度センサ(65)と、第2ガス側温度センサ(66)とが設けられる。第2液側温度センサ(65)は、液管(53)のうち輻射膨張弁(51)と輻射熱交換器(52)を繋ぐ部分に設けられ、液管(53)の温度を検出する。第2ガス側温度センサ(66)は、ガス管(54)に設けられ、ガス管(54)の温度を検出する。
−制御システム−
本実施形態の空気調和装置(10)では、室外ユニット(20)の室外コントローラ(C3)と、各室内ユニット(30)の室内コントローラ(C1)と、各輻射パネル(40)の輻射コントローラ(C2)とが、互いに配線によって接続されて制御システム(90)を構成する。この制御システム(90)は、空気調和装置(10)の運転を制御する制御器である。
図示しないが、室外コントローラ(C3)、室内コントローラ(C1)、及び輻射コントローラ(C2)のそれぞれは、制御プログラムを実行するCPUと、制御プログラムやそれを実行するのに必要なデータ等を記憶するメモリとを備える。
〈室外コントローラ〉
室外コントローラ(C3)には、吐出圧力センサ(61)及び吸入圧力センサ(62)の計測値と、室外ユニット(20)に設けられたその他のセンサの計測値とが入力される。そして、室外コントローラ(C3)は、圧縮機(21)の運転容量、室外ファン(25)の回転速度、室外膨張弁(23)の開度などを調節すると共に、四方切換弁(24)を操作するように構成される。
また、室外コントローラ(C3)には、室内コントローラ(C1)及び輻射コントローラ(C2)から、後述する融解開始信号と融解終了信号とが入力される。室外コントローラ(C3)は、融解開始信号を受信すると圧縮機(21)を停止させ、融解終了信号を受信すると圧縮機(21)を作動させるように構成される。
〈室内コントローラ〉
室内コントローラ(C1)には、それと同じ室内ユニット(30)に設けられた第1液側温度センサ(63)及び第1ガス側温度センサ(64)の計測値と、その室内ユニット(30)に設けられたその他のセンサの計測値とが入力される。室内コントローラ(C1)は、それと同じ室内ユニット(30)に設けられた室内膨張弁(32)の開度と室内ファン(33)の回転速度とを、入力された計測値に基づいて調節する。
室内コントローラ(C1)は、空気調和装置(10)の冷房運転中に、第1開始条件と第2開始条件の成否を判断するように構成される。また、室内コントローラ(C1)は、第1開始条件と第2開始条件の少なくとも一方が成立すると、室外コントローラ(C3)に対して融解開始信号を出力するように構成される。これらの室内コントローラ(C1)の動作は、後述する輻射コントローラ(C2)の動作と同じである。
また、室内コントローラ(C1)は、後述する融解動作中に、第1終了条件と第2終了条件と第3終了条件の成否を判断するように構成される。また、室内コントローラ(C1)は、第1終了条件と第2終了条件と第3終了条件の少なくとも一つが成立すると、室外コントローラ(C3)に対して融解終了信号を出力するように構成される。これらの室内コントローラ(C1)の動作は、後述する輻射コントローラ(C2)の動作と同じである。
〈輻射コントローラ〉
輻射コントローラ(C2)には、それと同じ輻射パネル(40)に設けられた第2液側温度センサ(65)及び第2ガス側温度センサ(66)の計測値と、その輻射パネル(40)に設けられたその他のセンサの計測値とが入力される。輻射コントローラ(C2)は、それと同じ輻射パネル(40)に設けられた輻射膨張弁(51)の開度を、入力された計測値に基づいて調節する。
輻射コントローラ(C2)は、空気調和装置(10)の冷房運転中に、第1開始条件と第2開始条件の成否を判断するように構成される。第1開始条件および第2開始条件は、後述する融解動作を開始するための条件である。第1開始条件および第2開始条件については、後述する。輻射コントローラ(C2)は、第1開始条件と第2開始条件の少なくとも一方が成立すると、室外コントローラ(C3)に対して融解開始信号を出力するように構成される。
また、輻射コントローラ(C2)は、後述する融解動作中に、第1終了条件と第2終了条件と第3終了条件の成否を判断するように構成される。第1終了条件、第2終了条件、および第3終了条件は、後述する融解動作を終了するための条件である。第1終了条件、第2終了条件、および第3終了条件については、後述する。輻射コントローラ(C2)は、第1終了条件と第2終了条件と第3終了条件の少なくとも一つが成立すると、室外コントローラ(C3)に対して融解終了信号を出力するように構成される。
−空気調和装置の運転動作−
空気調和装置(10)の運転動作について、図1を参照しながら説明する。空気調和装置(10)は、冷房運転と暖房運転とを切り換えて行う。
〈冷房運転〉
冷房運転では、四方切換弁(24)が第1状態(図1に実線で示す状態)となり、室外膨張弁(23)が全開状態に保持され、室内膨張弁(32)及び輻射膨張弁(51)の開度が調節される。そして、冷媒回路(11)では、蒸気圧縮冷凍サイクルが行われ、室外熱交換器(22)が凝縮器として機能し、室内熱交換器(31)及び輻射熱交換器(52)が蒸発器として機能する。
具体的に、圧縮機(21)から吐出された冷媒は、四方切換弁(24)を通過後に室外熱交換器(22)へ流入して凝縮する。その後、冷媒は、室外膨張弁(23)を通過後に液連絡配管(17)へ流入し、室内回路(13)及び輻射回路(15)へ分配される。
液連絡配管(17)から室内回路(13)へ流入した冷媒は、液管(34)を流れ、室内膨張弁(32)を通過する際に膨張し、その後に室内熱交換器(31)へ流入して蒸発する。室内ユニット(30)は、冷却された空気を室内へ吹き出す。室内熱交換器(31)から流出した冷媒は、ガス管(35)を通ってガス連絡配管(16)へ流入する。
一方、液連絡配管(17)から輻射回路(15)へ流入した冷媒は、液管(53)を流れ、輻射膨張弁(51)を通過する際に膨張し、その後に輻射熱交換器(52)へ流入して蒸発する。輻射パネル(40)では、輻射熱交換器(52)の表面温度が低くなり、輻射によって輻射熱交換器(52)が在室者や家具などから吸熱する。輻射熱交換器(52)から流出した冷媒は、ガス管(54)を通ってガス連絡配管(16)へ流入する。
室内回路(13)及び輻射回路(15)からガス連絡配管(16)へ流入した冷媒は、室外回路(12)へ流入し、四方切換弁(24)を通過後に圧縮機(21)へ吸入される。圧縮機(21)は、吸入した冷媒を圧縮してから吐出する。
〈暖房運転〉
暖房運転では、四方切換弁(24)が第2状態(図1に破線で示す状態)となり、室外膨張弁(23)、室内膨張弁(32)、及び輻射膨張弁(51)の開度が調節される。そして、冷媒回路(11)では、蒸気圧縮冷凍サイクルが行われ、室内熱交換器(31)及び輻射熱交換器(52)が凝縮器として機能し、室外熱交換器(22)が蒸発器として機能する。
具体的に、圧縮機(21)から吐出された冷媒は、四方切換弁(24)を通過後にガス連絡配管(16)へ流入し、その後に室内回路(13)及び輻射回路(15)へ分配される。
ガス連絡配管(16)から室内回路(13)へ流入した冷媒は、ガス管(35)を通って室内熱交換器(31)へ流入して凝縮する。室内ユニット(30)は、加熱された空気を室内へ吹き出す。室内熱交換器(31)から流出した冷媒は、液管(34)を流れ、室内膨張弁(32)を通過後に液連絡配管(17)へ流入する。
ガス連絡配管(16)から輻射回路(15)へ流入した冷媒は、ガス管(54)を通って輻射熱交換器(52)へ流入して凝縮する。輻射パネル(40)では、輻射熱交換器(52)の表面温度が高くなり、輻射によって輻射熱交換器(52)が在室者や家具などへ放熱する。輻射熱交換器(52)から流出した冷媒は、液管(53)を流れ、輻射膨張弁(51)を通過後に液連絡配管(17)へ流入する。
室内回路(13)及び輻射回路(15)から液連絡配管(17)へ流入した冷媒は、室外回路(12)へ流入して室外膨張弁(23)を通過し、その後に室外熱交換器(22)へ流入して蒸発する。その後、冷媒は、四方切換弁(24)を通過後に圧縮機(21)へ吸入される。圧縮機(21)は、吸入した冷媒を圧縮してから吐出する。
−制御システムの動作−
制御システム(90)は、空気調和装置(10)の運転を制御する動作を行う。この動作の一つとして、制御システム(90)は、融解動作を行う。この融解動作は、冷房運転中に室内ユニット(30)の室内熱交換器(31)、又は輻射パネル(40)の輻射熱交換器(52)に付着した氷を融かすために、圧縮機(21)を停止状態に保持する動作である。
図3に示すように、制御システム(90)は、冷房運転中に所定の条件が成立すると、冷房運転を休止して融解動作を実行し、融解動作中に所定の条件が成立すると、融解動作を終了して冷房運転を再開する。ここでは、この制御システム(90)の動作について詳しく説明する。
〈融解動作の開始〉
室内コントローラ(C1)及び輻射コントローラ(C2)は、冷房運転中に第1開始条件と第2開始条件の成否を判断する。第1開始条件および第2開始条件は、融解動作を開始するための条件である。
第1開始条件は、“液管(34,53)の温度TLが第1開始基準温度T_in1以下(TL≦T_in1)となる第1低温状態”の継続時間の積算値が、第1開始基準時間M_in1以上になるという条件である。第1開始基準温度T_in1は、0℃以下である(T_in1≦0℃)。
第2開始条件は、“液管(34,53)の温度TLが第2開始基準温度T_in2以下(TL≦T_in2)となる第2低温状態”の継続時間の積算値が、第2開始基準時間M_in2以上になるという条件である。第2開始基準温度T_in2は、第1開始基準温度T_in1よりも低い(T_in2<T_in1)。また、第2開始基準時間M_in2は、第1開始基準時間M_in1よりも短い(M_in2<M_in1)。
室内回路(13)の液管(34)の温度は、第1液側温度センサ(63)によって計測される。そこで、室内コントローラ(C1)は、第1液側温度センサ(63)の計測値を液管(34)の温度TLとして用いて、第1開始条件および第2開始条件の成否を判断する。そして、室内コントローラ(C1)は、第1開始条件と第2開始条件の少なくとも一つが成立すると、室外コントローラ(C3)に対して融解開始信号を送信する。
輻射回路(15)の液管(53)の温度は、第2液側温度センサ(65)によって計測される。そこで、輻射コントローラ(C2)は、第2液側温度センサ(65)の計測値を液管(53)の温度TLとして用いて、第1開始条件および第2開始条件の成否を判断する。そして、輻射コントローラ(C2)は、第1開始条件と第2開始条件の少なくとも一つが成立すると、室外コントローラ(C3)に対して融解開始信号を送信する。
室外コントローラ(C3)は、制御システム(90)を構成する室内コントローラ(C1)及び輻射コントローラ(C2)の少なくとも一つから融解開始信号を受信すると、融解動作を開始して圧縮機(21)を停止させる。圧縮機(21)の停止中は、冷媒回路(11)において冷媒が循環しない。つまり、圧縮機(21)の停止中は、冷媒回路(11)における冷凍サイクルが停止する。冷凍サイクルの停止中は、室内熱交換器(31)及び輻射熱交換器(52)の温度が次第に上昇してゆく。その結果、室内熱交換器(31)又は輻射熱交換器(52)に付着する氷が徐々に融けてゆく。
ここで、輻射コントローラ(C2)が第1開始条件と第2開始条件の少なくとも一つが成立すると融解開始信号を出力する理由を説明する。なお、室内コントローラ(C1)が第1開始条件と第2開始条件の少なくとも一つが成立すると融解開始信号を出力する理由も、これと同様である。
冷房運転中に輻射パネル(40)へ流入した冷媒は、液管(53)を通って輻射熱交換器(52)へ流入する。このため、冷房運転中は、液管(53)の温度が低いほど、輻射熱交換器(52)の温度も低くなる。そして、ある程度の時間に亘って輻射熱交換器(52)の表面温度が0℃以下になると、空気中の水分が氷(あるいは霜)となって輻射熱交換器(52)の表面に付着する。
一方、“第2液側温度センサ(65)の計測値が第1開始基準温度T_in1以下となる第1低温状態”の継続時間の積算値が、第1開始基準時間M_in1以上に達した場合(即ち、第1開始条件が成立した場合)は、ある程度の時間に亘って輻射熱交換器(52)の表面温度が0℃以下となっており、輻射熱交換器(52)の表面に付着した水の量がある程度以上に達している可能性が高い。そこで、輻射コントローラ(C2)は、第1開始条件が成立すると、室外コントローラ(C3)に対して融解開始信号を送信する。
また、ある程度の時間に亘って第2液側温度センサ(65)の計測値が第1開始基準温度T_in1よりも低い状態になると、第1低温状態(第2液側温度センサ(65)の計測値が第1開始基準温度T_in1以下となる状態)の継続時間の積算値が第1開始基準時間M_in1になる前であっても、輻射熱交換器(52)の表面に付着した水の量がある程度以上に達する場合がある。
一方、“第2液側温度センサ(65)の計測値が第2開始基準温度T_in2以下となる第2低温状態”の継続時間の積算値が、第2開始基準時間M_in2以上に達した場合(即ち、第2開始条件が成立した場合)は、ある程度の時間に亘って輻射熱交換器(52)の表面温度が第1開始基準温度T_in1よりも低くなっており、第1低温状態の継続時間の積算値が第1開始基準時間M_in1になる前であっても、輻射熱交換器(52)の表面に付着した水の量がある程度以上に達している可能性が高い。そこで、輻射コントローラ(C2)は、第1開始条件が成立していなくても、第2開始条件が成立した場合は、室外コントローラ(C3)に対して融解開始信号を送信する。
〈融解動作の終了〉
室内コントローラ(C1)及び輻射コントローラ(C2)は、融解動作の実行中に第1終了条件と第2終了条件と第3終了条件の成否を判断する。第1終了条件、第2終了条件、及び第3終了条件は、融解動作を終了するための条件である。
第1終了条件は、“液管(34,53)の温度TLが第1終了基準温度T_out1以上(TL≧T_out1)となる第1昇温状態”の継続時間(即ち、連続して第1昇温状態となる時間)が、第1終了基準時間M_out1以上になるという条件である。第1終了基準温度T_out1は、0℃よりも高い(0℃<T_out1)。
第2終了条件は、“液管(34,53)の温度TLが第2終了基準温度T_out2以上(TL≧T_out2)となる第2昇温状態”の継続時間(即ち、連続して第2昇温状態となる時間)が、第2終了基準時間M_out2以上になるという条件である。第2終了基準温度T_out2は、第1終了基準温度T_out1よりも高い(T_ out2>T_ out1)。また、第2終了基準時間M_out2は、第1終了基準時間M_out1よりも短い(M_out2<M_ out1)。
第3終了条件は、融解動作の開始から液管(34,53)の温度TLが第2終了基準温度T_out2に達するまでの時間MRが所定の判定基準時間MJ以下(MR≦MJ)であり、且つ、“液管(34,53)の温度TLが第2終了基準温度T_out2以上(TL≧T_out2)となる第2昇温状態”の継続時間が、第3終了基準時間M_out3以上になるという条件である。第3終了基準時間M_out3は、第2終了基準時間M_out2よりも短い(M_out3<M_out2)。
室内コントローラ(C1)は、第1液側温度センサ(63)の計測値を液管(34)の温度TLとして用いて、第1終了条件、第2終了条件、及び第3終了条件の成否を判断する。そして、室内コントローラ(C1)は、第1開始条件と第2開始条件と第3終了条件の少なくとも一つが成立すると、室外コントローラ(C3)に対して融解終了信号を送信する。
輻射コントローラ(C2)は、第2液側温度センサ(65)の計測値を液管(34)の温度TLとして用いて、第1終了条件、第2終了条件、及び第3終了条件の成否を判断する。そして、輻射コントローラ(C2)は、第1開始条件と第2開始条件と第3終了条件の少なくとも一つが成立すると、室外コントローラ(C3)に対して融解終了信号を送信する。
室外コントローラ(C3)は、制御システム(90)を構成する室内コントローラ(C1)及び輻射コントローラ(C2)の少なくとも一つから融解終了信号を受信すると、融解動作を終了し、圧縮機(21)を起動して冷房運転を再開させる。
ここで、輻射コントローラ(C2)が第1開始条件と第2開始条件と第3終了条件の少なくとも一つが成立すると融解終了信号を出力する理由を説明する。なお、室内コントローラ(C1)が第1開始条件と第2開始条件と第3終了条件の少なくとも一つが成立すると融解終了信号を出力する理由も、これと同様である。
ある程度の時間に亘って第2液側温度センサ(65)の計測値が0℃よりも高くなっている場合は、ある程度の時間に亘って輻射熱交換器(52)の表面温度が0℃を上回る状態となっている可能性が高い。そのため、“第2液側温度センサ(65)の計測値が第1終了基準温度T_out1以上となる第1昇温状態”の継続時間が、第1終了基準時間M_out1以上に達した場合(即ち、第1終了条件が成立した場合)は、ある程度の時間に亘って輻射熱交換器(52)の表面温度が0℃を上回っており、輻射熱交換器(52)の表面に付着した氷の全てが融解している可能性が高い。そこで、輻射コントローラ(C2)は、第1終了条件が成立すると、室外コントローラ(C3)に対して融解終了信号を送信する。
また、第2液側温度センサ(65)の計測値が第1終了基準温度T_out1よりも高い温度である場合は、第2液側温度センサ(65)の計測値が第1終了基準温度T_out1である場合に比べて、輻射熱交換器(52)の表面温度が高い可能性が高い。そのため、“第2液側温度センサ(65)の計測値が第2終了基準温度T_out2以上となる第2昇温状態”の継続時間が第2終了基準時間M_out2に達した場合(即ち、第2終了条件が成立した場合)は、第1昇温状態の継続時間が第1終了基準時間に達する前であっても、輻射熱交換器(52)の表面に付着した氷の全てが融解している可能性が高い。そこで、輻射コントローラ(C2)は、第1終了条件が成立していなくても、第2終了条件が成立した場合は、室外コントローラ(C3)に対して融解終了信号を送信する。
輻射熱交換器(52)の表面温度が0℃以下となる状態がある程度以上の時間に亘って続いても、例えば室内空気の湿度が比較的低ければ、輻射熱交換器(52)の表面に氷は付着せず、あるいは、僅かな量の氷しか付着しない場合がある。このような場合に融解動作が行われると、輻射熱交換器(52)の表面温度は、融解動作の開始から比較的短時間の間に、0℃よりも高い温度に達する。そのため、このような場合に行われた融解動作では、液側温度センサ(65)の計測値が第2終了基準温度T_out2以上となってから第2終了基準時間M_out2が経過する前であっても、輻射熱交換器(52)の表面に氷は既に存在しない可能性が高い。
一方、第3終了条件が成立する場合は、融解動作の開始から比較的短時間の間に、第2液側温度センサ(65)の計測値が第2終了基準温度T_out2に達しており、且つ、第3昇温状態の継続時間が第3終了基準時間M_out3以上となっているため、第2昇温状態の継続時間が第2終了基準時間M_out2に達する前であっても、輻射熱交換器(52)の表面に氷は既に存在しない可能性が高い。そこで、輻射コントローラ(C2)は、第1終了条件及び第2終了条件が成立していなくても、第3終了条件が成立した場合は、室外コントローラ(C3)に対して融解終了信号を送信する。
−実施形態の効果−
本実施形態の制御システム(90)は、第1低温状態(第2液側温度センサ(65)の計測値が第1開始基準温度以下となる状態)の継続時間の積算値が第1開始基準時間以上になった場合(即ち、第1開始条件が成立した場合)に、圧縮機(21)を停止させる融解動作を開始する。なお、第1開始基準温度は、0℃以下である。
本実施形態において、制御システム(90)が圧縮機(21)を停止させて融解動作を開始すると、輻射熱交換器(52)への冷媒の流入が停止し、輻射熱交換器(52)の表面温度が上昇する。そして、輻射熱交換器(52)の表面温度が0℃を上回ると、輻射熱交換器(52)の表面に付着した氷が融ける。そのため、第1開始条件が成立した場合に制御システム(90)が融解動作を行うと、冷房運転中に輻射熱交換器(52)の表面に付着した氷は、成長して大きくなる前に融解する。従って、本実施形態によれば、冷房運転中に輻射熱交換器(52)の表面に付着した氷の成長を抑えることが可能となる。
また、本実施形態の制御システム(90)は、冷房運転中に第1開始条件が成立した場合だけでなく、冷房運転中に第2開始条件が成立した場合にも、融解動作を開始する。つまり、本実施形態では、第2低温状態(液側温度センサ(65)の計測値が第2開始基準温度以下となる状態)の継続時間の積算値が第2開始基準時間以上になった場合に、制御システム(90)が融解動作を開始する。第2開始基準温度は第1開始基準温度よりも低く、第2開始基準時間は第1開始基準時間よりも短い。従って、本実施形態によれば、輻射熱交換器(52)の表面に付着した氷の成長を一層確実に抑えることが可能となる。
また、本実施形態の制御システム(90)は、第1昇温状態(液側温度センサ(65)の計測値が第1終了基準温度以上となる状態)の継続時間が第1終了基準時間以上になった場合に、融解動作を終了させて冷房運転を再開させる。第1終了基準温度は、0℃よりも高い。従って、本実施形態によれば、適切なタイミングで融解動作を終了させて冷房運転を再開させることができ、融解動作に起因する快適性の低下を抑えることができる。
また、本実施形態の制御システム(90)は、融解動作中に第1終了条件が成立した場合だけでなく、融解動作中に第2終了条件が成立した場合にも、融解動作を終了させて冷房運転を再開させる。つまり、本実施形態では、第2昇温状態(液側温度センサ(65)の計測値が第2終了基準温度以上となる状態)の継続時間が第2終了基準時間以上になった場合に、制御システム(90)が圧縮機(21)を作動させて冷房運転を再開させる。第2終了基準温度は第1終了基準温度よりも高く、第2終了基準時間は第1終了基準時間よりも短い。従って、本実施形態によれば、輻射熱交換器(52)の表面に付着した氷の全てが融解しているにも拘わらず融解動作を実行し続けてしまう可能性を低減でき、融解動作に起因する快適性の低下を確実に抑えることができる。
また、本実施形態の制御システム(90)は、融解動作中に第1終了条件が成立した場合と、融解動作中に第2終了条件が成立した場合だけでなく、融解動作中に第3終了条件が成立した場合にも、融解動作を終了させて冷房運転を再開させる。つまり、本実施形態の制御システム(90)は、液側温度センサ(65)の計測値が第2終了基準温度に達するまでの時間が所定の判定基準時間以下であり、且つ、液側温度センサ(65)の計測値が第2終了基準温度以上となる状態の継続時間が第3終了基準時間以上になったときに、圧縮機(21)を作動させて冷房運転を再開させる。第3終了基準時間は、第2終了基準時間よりも短い。従って、本実施形態によれば、輻射熱交換器(52)の表面に付着した氷の全てが融解しているにも拘わらず融解動作を実行し続けてしまう可能性を低減でき、融解動作に起因する快適性の低下を確実に抑えることができる。
−実施形態の変形例1−
本実施形態において室内コントローラ(C1)及び輻射コントローラ(C2)が成否を判断する第1開始条件および第2開始条件は、下記のような条件であってもよい。
第1開始条件は、“液管(34,53)の温度TLが第1開始基準温度T_in1以下(TL≦T_in1)となる第1低温状態”の継続時間(即ち、連続して第1低温状態となる時間)が、第1開始基準時間M_in1以上になるという条件であってもよい。
第2開始条件は、“液管(34,53)の温度TLが第2開始基準温度T_in2以下(TL≦T_in2)となる第2低温状態”の継続時間(即ち、連続して第2低温状態となる時間)が、第2開始基準時間M_in2以上になるという条件であってもよい。
なお、本変形例においても、室内コントローラ(C1)は、第1液側温度センサ(63)の計測値を液管(34)の温度TLとして用いて、第1開始条件および第2開始条件の成否を判断する。また、輻射コントローラ(C2)は、第2液側温度センサ(65)の計測値を液管(53)の温度TLとして用いて、第1開始条件および第2開始条件の成否を判断する。
−実施形態の変形例2−
本実施形態において室内コントローラ(C1)及び輻射コントローラ(C2)が成否を判断する第1終了条件および第2終了条件は、下記のような条件であってもよい。
第1終了条件は、“液管(34,53)の温度TLが第1終了基準温度T_out1以上(TL≧T_out1)となる第1昇温状態”の継続時間の積算値が、第1終了基準時間M_out1以上になるという条件であってもよい。
第2終了条件は、“液管(34,53)の温度TLが第2終了基準温度T_out2以上(TL≧T_out2)となる第2昇温状態”の継続時間の積算値が、第2終了基準時間M_out2以上になるという条件であってもよい。
なお、本変形例においても、室内コントローラ(C1)は、第1液側温度センサ(63)の計測値を液管(34)の温度TLとして用いて、第1終了条件、第2終了条件、及び第3終了条件の成否を判断する。また、輻射コントローラ(C2)は、第2液側温度センサ(65)の計測値を液管(53)の温度TLとして用いて、第1終了条件、第2終了条件、及び第3終了条件の成否を判断する。
以上、実施形態および変形例を説明したが、特許請求の範囲の趣旨および範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。また、以上の実施形態および変形例は、本開示の対象の機能を損なわない限り、適宜組み合わせたり、置換したりしてもよい。
以上説明したように、本開示は、空気調和装置について有用である。
10 空気調和装置
11 冷媒回路
16 ガス連絡配管(連絡配管)
17 液連絡配管(連絡配管)
20 室外ユニット(熱源ユニット)
21 圧縮機
40 輻射パネル(輻射空調ユニット)
52 輻射熱交換器
53 (輻射パネルの)液管
65 第2液側温度センサ(液側温度センサ)
90 制御システム(制御器)

Claims (6)

  1. 圧縮機(21)を有する熱源ユニット(20)と、
    輻射熱交換器(52)を有する輻射空調ユニット(40)と、
    室内熱交換器(31)及び室内ファン(33)を有する室内ユニット(30)と、
    上記輻射空調ユニット(40)及び上記室内ユニット(30)を連絡配管(16,17)で接続することによって形成され、上記輻射空調ユニット(40)と上記室内ユニット(30)が並列に配置された冷媒回路(11)とを備え、
    上記輻射熱交換器(52)及び上記室内熱交換器(31)が蒸発器として機能する冷房運転を少なくとも行う空気調和装置であって、
    上記室内ユニット(30)には、上記冷房運転中に上記室内熱交換器(31)へ冷媒を導入する液管(34)と、該液管(34)の温度を計測する液側温度センサ(63)とが設けられ、
    上記液側温度センサ(63)の計測値が第1開始基準温度以下であるときに成立する第1開始条件が上記冷房運転中に成立すると、上記圧縮機(21)を停止状態に保つ融解動作を行うように構成された制御器(90)を備え
    上記制御器(90)は、上記融解動作中に上記第1終了条件と所定の第2終了条件の少なくとも一つが成立したときに、上記圧縮機(21)を作動させて上記冷房運転を再開させるように構成され、
    上記第1終了条件は、上記液側温度センサ(63)の計測値が0℃よりも高い第1終了基準温度以上となる第1昇温状態の継続時間、又は上記第1昇温状態の継続時間の積算値が、第1終了基準時間以上になるという条件であり、
    上記第2終了条件は、上記液側温度センサ(63)の計測値が上記第1終了基準温度よりも高い第2終了基準温度以上となる第2昇温状態の継続時間、又は上記第2昇温状態の継続時間の積算値が、上記第1終了基準時間よりも短い第2終了基準時間以上になるという条件である
    ことを特徴とする空気調和装置。
  2. 請求項1において、
    上記第1開始条件は、上記液側温度センサ(63)の計測値が上記第1開始基準温度以下となる第1低温状態の継続時間、又は上記第1低温状態の継続時間の積算値が、第1開始基準時間以上になるという条件である
    ことを特徴とする空気調和装置。
  3. 請求項1又は2において、
    上記第1開始基準温度は、0℃以下である
    ことを特徴とする空気調和装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれか一つにおいて、
    上記制御器(90)は、
    上記輻射熱交換器(52)に氷が付着している可能性を示す条件の成否を、上記冷房運転中に判断し、
    上記輻射熱交換器(52)に氷が付着している可能性を示す条件が成立していなくても、上記第1開始条件が成立すると上記融解動作を行うように構成される
    ことを特徴とする空気調和装置。
  5. 請求項1乃至4のいずれか一つにおいて、
    上記制御器(90)は、上記冷房運転中に上記第1開始条件と所定の第2開始条件の少なくとも一つが成立したときに、上記融解動作を行うように構成され、
    上記第2開始条件は、上記液側温度センサ(63)の計測値が上記第1開始基準温度よりも低い第2開始基準温度以下となる第2低温状態の継続時間、又は上記第2低温状態の継続時間の積算値が、上記第1開始基準時間よりも短い第2開始基準時間以上になるという条件である
    ことを特徴とする空気調和装置。
  6. 請求項1乃至5のいずれか一つにおいて、
    上記制御器(90)は、上記融解動作中に上記第1終了条件と上記第2終了条件と所定の第3終了条件の少なくとも一つが成立したときに、上記圧縮機(21)を作動させて上記冷房運転を再開させるように構成され、
    上記第3終了条件は、上記融解動作の開始から上記液側温度センサ(63)の計測値が上記第2終了基準温度に達するまでの時間が所定の判定基準時間以下であり、且つ、上記液側温度センサ(63)の計測値が上記第2終了基準温度以上となる状態の継続時間が、上記第2終了基準時間よりも短い第3終了基準時間以上になるという条件である
    ことを特徴とする空気調和装置。
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