JP3195833U - 段ボール製封筒 - Google Patents
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Abstract
【課題】厚みの形成が容易な段ボール製封筒を提供する。【解決手段】一枚の段ボールシートから形成される段ボール製封筒であって、対向し合う方形状かつ略同形の表面パネル部1及び裏面パネル部2と、上記表面パネル部1の下縁と上記裏面パネル部2の下縁とを接続し、帯状で幅方向中央で折り返される底マチ部3と、上記表面パネル部1の両側縁から延設され、帯状で幅方向中央で折り返される一対の側マチ部4と、上記表面パネル部1の上縁から延設され、帯状で幅方向中央で折り返される上マチ部5と、上記一対の側マチ部4の先端縁から延設され、上記裏面パネル部2に貼着される一対の側貼着部6と、上記上マチ部5の先端縁から延設され、上記裏面パネル部2に貼着される上貼着部7と、上記底マチ部3の両側縁と上記一対の側マチ部4の下側の側縁とを接続する一対の底隅封止部8と、上記一対の側マチ部の上側の側縁と上記上マチ部の両側縁とを接続する一対の上隅封止部9とを備える。【選択図】図1
Description
本考案は、段ボール製封筒に関する。
近年、ネットショッピングの普及により、宅配便を利用した商品配送が一般化している。しかしながら、核家族化及び共働き世帯の増加により、特に昼間の在宅率が低下しており、商品の配送効率低下が問題となっている。
このため、厚みが数cm以下の薄型の商品の場合には、受取人が不在の場合には荷物を郵便受けに投函することで配達を完了できるいわゆるメール便が商品配送に重宝されている。
通常、メール便で商品を発送するためには、封筒に商品を封入するが、商品を保護するためにエアクッション等を用いた緩衝材入り封筒を使用したり、商品を緩衝材でくるんでから封筒に封入しなければならない場合が多い。このような緩衝材入り封筒は比較的高価であり、緩衝材による梱包は人件費がかかるため、いずれも商品配送コストを押し上げている。
緩衝機能を有する封筒として、段ボール製封筒の利用が考えられる。通常の封筒をそのまま段ボールシートで形成すると、厚みのある品物を入れるのが困難となるおそれがある。そこで、封筒の周縁近傍に四辺に平行な折り曲げ容易線を形成することによって、周縁部分を折り曲げて厚みを形成するマチを設けることが提案されている(例えば実用新案登録第3094232号公報参照)。
段ボールシートは、厚みを有するため、シートの貼着部が重ならないようにすることが望ましく、中央に糊代が配置される中貼りは好ましくなく、横貼り又は上記公報に記載されるようなカマス貼りが採用される。しかしながら、上記公報に記載されるカマス貼りの段ボール製封筒では、厚みのある品物を入れるためにマチの部分を表裏のパネルに対して折り曲げる場合に、段ボールシートの糊代部分を折り曲げる必要がある。このため、上記公報に記載される段ボール製封筒は、マチの部分を折り曲げて封筒の厚みを形成する作業が簡単ではない。
上記不都合に鑑みて、本考案は、厚みの形成が容易な段ボール製封筒を提供することを課題とする。
上記課題を解決するためになされた考案は、一枚の段ボールシートから形成される段ボール製封筒であって、対向し合う方形状かつ略同形の表面パネル部及び裏面パネル部と、上記表面パネル部の下縁と上記裏面パネル部の下縁とを接続し、帯状で幅方向中央で折り返される底マチ部と、上記表面パネル部の両側縁から延設され、帯状で幅方向中央で折り返される一対の側マチ部と、上記表面パネル部の上縁から延設され、帯状で幅方向中央で折り返される上マチ部と、上記一対の側マチ部の先端縁から延設され、上記裏面パネル部に貼着される一対の側貼着部と、上記上マチ部の先端縁から延設され、上記裏面パネル部に貼着される上貼着部と、上記底マチ部の両側縁と上記一対の側マチ部の下側の側縁とを接続する一対の底隅封止部と、上記一対の側マチ部の上側の側縁と上記上マチ部の両側縁とを接続する一対の上隅封止部とを備えることを特徴とする。
当該段ボール製封筒は、マチ部の内側の裏面パネル部の周縁において段ボールシートを貼り合わせるので、マチ部を折り曲げて内部空間に厚みを形成することが比較的容易である。このため、当該段ボール製封筒は、厚みのある品物であっても比較的容易に挿入することができる。また、当該段ボール製封筒は、底隅封止部及び上隅封止部を備えることによって、マチ部の内側の裏面パネル部において段ボールシートを貼り合わせることにより四隅に形成される隙間を封止することができる。さらに、当該段ボール製封筒は、段ボールシートを糊で貼っただけであり、その貼着も容易であるため、比較的安価に提供することができる。このため、メール便による品物の発送等のコストを削減できる。
当該段ボール製封筒において、上記底隅封止部が、上記底マチ部の側縁及び上記側マチ部の下側の側縁を隣辺とする直角三角形状であり、上記底マチ部及び側マチ部と共に折り返されて両鋭角が直角に重ねられる底隅主封止部位と、上記底隅主封止部位の斜辺の底マチ部側部分から延設され、少なくとも上記底隅主封止部位の側マチ部側鋭角近傍部分に重なる底隅重畳部位とを有するとよい。
このように、底隅封止部が上記底隅主封止部位とこの底隅主封止部位に重なる上記底隅重畳部位とを有することより、当該段ボール製封筒の底隅に隙間ができることを防止できる。また、この構成では、当該段ボール製封筒の底隅に糊を使用しないので、表面パネル部及び裏面パネル部に対する側マチ部及び上マチ部の折り曲げによる厚みの形成を阻害しない。
当該段ボール製封筒において、上記上隅封止部が、上記側マチ部の上側の側縁及び上記上マチ部の側縁を隣辺とする直角三角形状であり、上記側マチ部及び上マチ部と共に部分的に折り返されて両鋭角(内角が90°よりも小さい2つの角)が直角(内角が90°の角)に重ねられる上隅主封止部位と、上記上隅主封止部位の斜辺の側マチ部側部分から延設され、少なくとも上記上隅主封止部位の上マチ部側鋭角近傍部分に重なる上隅重畳部位とを有するとよい。
このように、上隅封止部が上記上隅主封止部位とこの上隅主封止部位に重なる上記上隅重畳部位とを有することより、上述の底隅封止部と同様に、表面パネル部及び裏面パネル部に対する底マチ部及び側マチ部の折り曲げによる当該段ボール製封筒の厚みの形成を阻害することなく、当該段ボール製封筒に隙間ができることを防止できる。
当該段ボール製封筒において、上記裏面パネル部が、上縁両端部に形成される切り欠きを有し、上記側貼着部が、上記切り欠きに対応する範囲内で上記上貼着部に重なる貼着重畳部位を有し、上記上隅封止部が、上記上隅重畳部位から上記貼着重畳部位に接続されるよう延設され、上記上マチ部に重なる上マチ重畳部位をさらに有するとよい。
このように、上隅封止部に側貼着部の上縁に接続され、上マチ部に重なる上マチ重畳部位を設けることにより、当該段ボール製封筒の上隅部に隙間が形成されることをより確実に防止できる。また、裏面パネル部に形成した切り欠きが上マチ重畳部位を接続するために必要な貼着重畳部位を受け入れることによって、重ねられる段ボールシートの枚数の増加を防止し、当該段ボール製封筒の美観の劣化及び封緘作業の作業性低下を防止することができる。
当該段ボール製封筒において、上記表面パネル部及び裏面パネル部が、下縁の両側端近傍から上縁の中央近傍にかけて斜めに延在する一対の折り曲げ容易線をそれぞれ有するとよい。
このように、表面パネル部及び裏面パネル部に斜めに延在する折り曲げ容易線を形成することにより、当該段ボール製封筒に品物を挿入する際に、その開口部をさらに大きく広げることができる。
上述のように、本考案の段ボール製封筒は、表面パネル部及び裏面パネル部に対して底マチ部、側マチ部及び上マチ部を折り曲げて容易に厚みを形成することができる。
以下、適宜図面を参照しつつ、本考案の実施の形態を詳説する。
[段ボール製封筒]
図1に、本考案の一実施形態に係る段ボール製封筒用の段ボールシート、つまり当該段ボール製封筒を展開した様子を示す。また、図2及び図3には、当該段ボール製封筒の正面(表面)及び背面(裏面)を示す。
図1に、本考案の一実施形態に係る段ボール製封筒用の段ボールシート、つまり当該段ボール製封筒を展開した様子を示す。また、図2及び図3には、当該段ボール製封筒の正面(表面)及び背面(裏面)を示す。
なお、以下の説明において、「表」及び「裏」は、原則として、当該段ボール製封筒の完成状態における表面パネル部1側を「表」とし、その反対側、つまり裏面パネル部2側を「裏」とする。ただし、当該段ボール製封筒は、封緘状態において、段ボールシートの表面が全て外側に配置されるよう形成されるので、段ボールシートの「表」及び「裏」を意図する場合にはこれを明示して記載する。また、「上」及び「下」は、当該段ボール製封筒の完成状態における開口部側、つまり上貼着部7側を「上」とし、その反対側、つまり底マチ部3側を「下」とする。
当該段ボール製封筒は、図1に示す一枚の段ボールシートから形成される。この段ボールシートは、一方向に延在する山と谷とが一定のピッチで交互に複数連続するような波型に折り曲げられた紙製の中芯と、この中芯の少なくとも一方の面に貼り合される紙製のライナーとを有するものであり、好ましくは一対のライナーで中芯を挟み込んだ両面段ボールシートとされる。
当該段ボール製封筒を形成する段ボールシートの平均厚みとの下限としては、0.9mmが好ましく、1.2mmがより好ましい。一方、当該段ボール製封筒を形成する段ボールシートの平均厚みの上限としては、5mmが好ましく、3mmがより好ましい。当該段ボール製封筒を形成する段ボールシートの平均厚みが上記下限に満たない場合、収容する品物を十分に保護できないおそれある。逆に、当該段ボール製封筒を形成する段ボールシートの平均厚みが上記上限を超える場合、包装体の厚さが不必要に大きくなり、メール便料金等の配送コストが大きくなるおそれがある。当該段ボール製封筒を形成する段ボールシートとしては、当該段ボール製封筒の大きさに応じて厚みが異なるものを使用してもよい。
当該段ボール製封筒は、対向し合う方形状かつ略同形の表面パネル部1及び裏面パネル部2と、表面パネル部1の下縁と裏面パネル部2の下縁とを接続し、帯状で幅方向中央で折り返される底マチ部3と、表面パネル部1の両側縁から延設され、帯状で幅方向中央で折り返される一対の側マチ部4と、表面パネル部1の上縁から延設され、帯状で幅方向中央で折り返される上マチ部5と、一対の側マチ部4の延設方向の先端縁からさらに延設され、裏面パネル部2に貼着される一対の側貼着部6と、上マチ部5の延設方向の先端縁からさらに延設され、裏面パネル部2に貼着される上貼着部7と、底マチ部3の両側縁と一対の側マチ部4の下側の側縁とを接続する一対の底隅封止部8と、一対の側マチ部4の上側の側縁と上マチ部5の両側縁とを接続する一対の上隅封止部9とを備える。
これらの表面パネル部1、裏面パネル部2、底マチ部3、側マチ部4、上マチ部5、側貼着部6、上貼着部7、底隅封止部8及び上隅封止部9は、段ボールシートに形成される折り曲げ容易線によって区分される。この折り曲げ容易線としては、段ボールシートの裏面に型押しして形成される罫線が一般的であるが、例えば段ボールシートの裏面側のライナーのみを切断するハーフカット、段ボールシートを断続的に切断して形成されるミシン目状の切り込み等であってもよい。
<表面パネル部>
表面パネル部1は、側貼着部6の先端縁に対応する位置に沿って、平面視において側貼着部6の先端縁と重複するよう形成される一対の折り曲げ容易線10を有する。この折り曲げ容易線10としては、表面パネル部1の外縁を画定する折り曲げ容易線と同様のものとすることができる。この折り曲げ容易線10は、当該段ボール製封筒に品物を挿入する際、図4に示すように、当該段ボール製封筒の開口を一時的に大きく広げるために使用される。
表面パネル部1は、側貼着部6の先端縁に対応する位置に沿って、平面視において側貼着部6の先端縁と重複するよう形成される一対の折り曲げ容易線10を有する。この折り曲げ容易線10としては、表面パネル部1の外縁を画定する折り曲げ容易線と同様のものとすることができる。この折り曲げ容易線10は、当該段ボール製封筒に品物を挿入する際、図4に示すように、当該段ボール製封筒の開口を一時的に大きく広げるために使用される。
さらに、表面パネル部1は、下縁の両側端近傍、上縁の中央近傍にかけて斜めに延在する一対の折り曲げ容易線11を有する。より詳しくは、折り曲げ容易線11は、表面パネル部1の下縁と上記側貼着部6の先端縁に対応する折り曲げ容易線10との交点からそれぞれ直線的に上マチ部5及び上貼着部7に延出して、上貼着部7の先端縁において互いに交差するよう形成されている。この折り曲げ容易線11も、表面パネル部1の外縁を画定する折り曲げ容易線と同様のものとすることができる。この折り曲げ容易線11は、当該段ボール製封筒に品物を挿入する際、図5に示すように、当該段ボール製封筒の開口の特に中央部を一時的に大きく広げるために使用される。
また、表面パネル部1は、下縁中央部に形成される上底が下底よりも長い台形状の破断開始部12と、この破断開始部から上縁両側端部に向かってそれぞれ延在する2本の切断容易部13とによって形成される開封容易部を有する。破断開始部12は、上底が段ボールシートの裏面に形成される罫線によって画定され、下底及び両脚が段ボールシートに形成される切断率の高い断続的な切り込みによって形成される。切断容易部13は、断続的に形成される複数の切り込みによって形成される。この切断容易部13を形成する複数の切り込みは、それぞれ破断開始部12側の端部が内側に屈曲している。
この表面パネル部1の大きさとしては、特に限定されないが、メール便に対応する大きさであって、かつ収容する品物の大きさを考慮した大きさが選択される。従って、予め表面パネル部1の大きさが異なる複数種類の当該段ボール製封筒を用意することが好ましい。表面パネル部1の大きさ例として、表面パネル部1の大きさは、A4判よりも一回り(例えば各辺1cmから5cm程度)大きいサイズ(いわゆるA4ファイルサイズ)、B5判よりも一回り大きいサイズ、A5判よりも一回り大きいサイズ、米国レターサイズよりも一回り大きいサイズ等を適宜選択することができる。
<裏面パネル部>
裏面パネル部2は、外形形状が表面パネル部1と略等しい。裏面パネル部2の上下方向の高さは、表面パネル部1と同一、又は当該段ボール製封筒に品物を入れやすくために表面パネル部1よりも数mm程度小さく形成される。また、裏面パネル部2の左右方向の幅は、表面パネル部1と同一、又は図1の段ボールシートを折り返して当該段ボール製封筒を成形する際に側マチ部4側へはみ出すことを防止するために表面パネル部1よりも数mm程度小さく形成される。
裏面パネル部2は、外形形状が表面パネル部1と略等しい。裏面パネル部2の上下方向の高さは、表面パネル部1と同一、又は当該段ボール製封筒に品物を入れやすくために表面パネル部1よりも数mm程度小さく形成される。また、裏面パネル部2の左右方向の幅は、表面パネル部1と同一、又は図1の段ボールシートを折り返して当該段ボール製封筒を成形する際に側マチ部4側へはみ出すことを防止するために表面パネル部1よりも数mm程度小さく形成される。
裏面パネル部2は、側貼着部6の先端縁に対応する位置に沿って、平面視において側貼着部6の先端縁と重複するよう形成される一対の折り曲げ容易線14を有する。この折り曲げ容易線14は、表面パネル部1の折り曲げ容易線10と同様に形成することができ、図1に示すように、底マチ部3を介して表面パネル部1の折り曲げ容易線10と一体に接続して形成してもよい。この折り曲げ容易線14も、表面パネル部1の折り曲げ容易線10と同様に、図4に示すように、当該段ボール製封筒に品物を挿入するときに、当該段ボール製封筒の開口を一時的に大きく広げるために使用される。
さらに、裏面パネル部2は、下縁の両側端近傍、上縁の中央近傍にかけて側貼着部6と重畳しないよう斜めに延在する一対の折り曲げ容易線15を有する。より詳しくは、折り曲げ容易線15は、裏面パネル部2の下縁と上記側貼着部6の先端縁に対応する折り曲げ容易線14との交点と上貼着部7の裏面パネル部2の上縁中央とを直線的に接続している。この折り曲げ容易線15も、表面パネル部1の折り曲げ容易線11と同様に、図5に示すように、当該段ボール製封筒に品物を挿入するときに、当該段ボール製封筒の開口の中央部を一時的に大きく広げるために使用される。また、この折り曲げ容易線15は、側貼着部6と重畳しないことで折り曲げが阻害されない。
また、裏面パネル部2は、上縁両端部に形成される一対の切り欠き16を有する。この切り欠き16の形状としては、方形状が好ましい。
(切り欠き)
切り欠き16の左右方向の平均幅の下限としては、5mmが好ましく、8mmがより好ましい。一方、切り欠き16の平均幅の上限としては、20mmが好ましく、15mmがより好ましい。切り欠き16の平均幅が上記下限に満たない場合、当該段ボール製封筒の上隅部の隙間を封止する効果、又は後述する側貼着部6と上貼着部7との段ボールシートの重なりを低減する効果が不十分となるおそれがある。一方、切り欠き16の平均幅が上記上限を超える場合、当該段ボール製封筒の強度が不十分となるおそれがある。
切り欠き16の左右方向の平均幅の下限としては、5mmが好ましく、8mmがより好ましい。一方、切り欠き16の平均幅の上限としては、20mmが好ましく、15mmがより好ましい。切り欠き16の平均幅が上記下限に満たない場合、当該段ボール製封筒の上隅部の隙間を封止する効果、又は後述する側貼着部6と上貼着部7との段ボールシートの重なりを低減する効果が不十分となるおそれがある。一方、切り欠き16の平均幅が上記上限を超える場合、当該段ボール製封筒の強度が不十分となるおそれがある。
切り欠き16の上下方向の平均高さの下限としては、5mmが好ましく、8mmがより好ましい。一方、切り欠き16の平均高さの上限としては、20mmが好ましく、15mmがより好ましい。切り欠き16の平均高さが上記下限に満たない場合、当該段ボール製封筒の上隅部の隙間を封止する効果、又は後述する側貼着部6と上貼着部7との段ボールシートの重なりを低減する効果が不十分となるおそれがある。一方、切り欠き16の平均高さが上記上限を超える場合、当該段ボール製封筒の強度が不十分となるおそれがある。
<底マチ部>
底マチ部3は、表面パネル部1と裏面パネル部2との間を接続するよう一定の幅を有する帯状に形成されている。この底マチ部3の両端は、表面パネル部1の両側縁の延長線により画定される。つまり、底マチ部3の両端は、表面パネル部1に対して側マチ部4を折り曲げる際に段ボールシートの一体性により必然的に折り曲げられる位置である。通常、底マチ部3の両端縁には、表面パネル部1と側マチ部4との境界を画定する折り曲げ容易線が延設される。
底マチ部3は、表面パネル部1と裏面パネル部2との間を接続するよう一定の幅を有する帯状に形成されている。この底マチ部3の両端は、表面パネル部1の両側縁の延長線により画定される。つまり、底マチ部3の両端は、表面パネル部1に対して側マチ部4を折り曲げる際に段ボールシートの一体性により必然的に折り曲げられる位置である。通常、底マチ部3の両端縁には、表面パネル部1と側マチ部4との境界を画定する折り曲げ容易線が延設される。
底マチ部3は、幅方向中央に折り曲げ容易線が形成され、この折り曲げ容易線に沿って折り返されることによって、表面パネル部1と裏面パネル部2とを対向させる。
底マチ部3の幅の下限としては、5mmが好ましく、8mmがより好ましい。一方、底マチ部3の幅の上限としては、80mmが好ましく、50mmがより好ましく、30mmがさらに好ましい。底マチ部3の幅が上記下限に満たない場合、当該段ボール製封筒に形成できる厚みが不十分となるおそれがある。逆に、底マチ部3の幅が上記上限を超える場合、相対的に表面パネル部1及び裏面パネル部2が小さくなり、当該段ボール製封筒に収容できる冊子等の平板状の商品の最大寸法が相対的に小さくなるおそれがある。
<側マチ部>
側マチ部4は、表面パネル部1の両側に、一定の幅を有する帯状に形成される。側マチ部4の幅は、底マチ部3の幅と同様とされる。特に、側マチ部4の幅は、底マチ部3と等しいことが好ましい。この側マチ部4の先端縁、つまり側貼着部6との境界は、表面パネル部1の境界を画定するのと同様の折り曲げ容易線によって画定される。また、側マチ部4の両端は、表面パネル部1の上縁及び下縁の延長線により画定される。通常、側マチ部4の両端には、表面パネル部1の上縁及び下縁を画定する折り曲げ容易線が延設される。また、側マチ部4は、幅方向中央に折り曲げ容易線が形成され、この折り曲げ容易線に沿って折り返されることによって、側貼着部6を裏面パネル部2に重ね合わせる。
側マチ部4は、表面パネル部1の両側に、一定の幅を有する帯状に形成される。側マチ部4の幅は、底マチ部3の幅と同様とされる。特に、側マチ部4の幅は、底マチ部3と等しいことが好ましい。この側マチ部4の先端縁、つまり側貼着部6との境界は、表面パネル部1の境界を画定するのと同様の折り曲げ容易線によって画定される。また、側マチ部4の両端は、表面パネル部1の上縁及び下縁の延長線により画定される。通常、側マチ部4の両端には、表面パネル部1の上縁及び下縁を画定する折り曲げ容易線が延設される。また、側マチ部4は、幅方向中央に折り曲げ容易線が形成され、この折り曲げ容易線に沿って折り返されることによって、側貼着部6を裏面パネル部2に重ね合わせる。
<上マチ部>
上マチ部5は、表面パネル部1の上側に、一定の幅を有する帯状に形成される。上マチ部5の幅は、底マチ部3の幅と同様とされる。特に、上マチ部5の幅は、底マチ部3と等しいことが好ましい。この上マチ部5の先端縁、つまり上貼着部7との境界は、表面パネル部1の境界を画定するのと同様の折り曲げ容易線によって画定される。また、上マチ部5の両端は、表面パネル部1の両側縁の延長線により画定され、通常は、表面パネル部1の両側縁を画定する折り曲げ容易線が延設される。また、上マチ部5は、幅方向中央に折り曲げ容易線が形成され、ユーザがこの折り曲げ容易線に沿って折り返することによって、上貼着部7を裏面パネル部2に重ね合わせ、当該段ボール製封筒を封緘する。また、上マチ部5には、表面パネル部1の折り曲げ容易線10が延設されていることが好ましい。
上マチ部5は、表面パネル部1の上側に、一定の幅を有する帯状に形成される。上マチ部5の幅は、底マチ部3の幅と同様とされる。特に、上マチ部5の幅は、底マチ部3と等しいことが好ましい。この上マチ部5の先端縁、つまり上貼着部7との境界は、表面パネル部1の境界を画定するのと同様の折り曲げ容易線によって画定される。また、上マチ部5の両端は、表面パネル部1の両側縁の延長線により画定され、通常は、表面パネル部1の両側縁を画定する折り曲げ容易線が延設される。また、上マチ部5は、幅方向中央に折り曲げ容易線が形成され、ユーザがこの折り曲げ容易線に沿って折り返することによって、上貼着部7を裏面パネル部2に重ね合わせ、当該段ボール製封筒を封緘する。また、上マチ部5には、表面パネル部1の折り曲げ容易線10が延設されていることが好ましい。
<側貼着部>
側貼着部6は、裏面パネル部2の側縁部の裏面に糊付けされる。当該段ボール製封筒は、この側貼着部6が貼着された状態でユーザに提供される。また、側貼着部6は、側マチ部4の先端縁上端から下側に所定の角度で延伸する上端縁からさらに上方に突出する貼着重畳部位17を有する。この貼着重畳部位17は、表面パネル部1の上縁を画定する折り曲げ容易線まで延伸し、後述する上隅封止部9に接続されている。
側貼着部6は、裏面パネル部2の側縁部の裏面に糊付けされる。当該段ボール製封筒は、この側貼着部6が貼着された状態でユーザに提供される。また、側貼着部6は、側マチ部4の先端縁上端から下側に所定の角度で延伸する上端縁からさらに上方に突出する貼着重畳部位17を有する。この貼着重畳部位17は、表面パネル部1の上縁を画定する折り曲げ容易線まで延伸し、後述する上隅封止部9に接続されている。
側貼着部6の上端縁は、後述する上貼着部7の側端縁と裏面パネル部2上でつき合わされるような角度に形成される。なお、図1の段ボール製封筒における側貼着部6の上端縁の側マチ部4の先端縁に対する傾斜角度は約45°である。この上端縁から突出する貼着重畳部位17は、上貼着部7を裏面パネル部2に貼着したときに、この上貼着部7が重なる部分である。一方、側貼着部6の下端縁は、側マチ部4の先端縁に対する角度が90°以下であればよい。
貼着重畳部位17の左右方向の幅は、裏面パネル部2の切り欠き16の幅以下とされ、切り欠き16の幅と略等しいことが好ましい。また、貼着重畳部位17の上下方向の高さは、切り欠き16の高さ以下とされ、切り欠き16の高さと略等しい。これによって、貼着重畳部位17は、切り欠き16の範囲内で上貼着部7に重なる。
側貼着部6の平均幅(上下端縁を除く部分の幅の平均、つまり基端縁と先端縁との平均距離)の下限としては、10mmが好ましく、15mmが好ましい。一方、側貼着部6の平均幅の上限としては、50mmが好ましく、30mmが好ましい。側貼着部6の平均幅が上記下限に満たない場合、側貼着部6の裏面パネル部2への貼着が容易でなくなるおそれや、図4に示すように、折り曲げ容易線10で表面パネル部1を折り曲げると共に折り曲げ容易線14で裏面パネル部2を折り曲げたときに得られる当該段ボール製封筒の開口が不十分となるおそれがある。逆に、側貼着部6の平均幅が上記上限を超える場合、折り曲げ容易線14で裏面パネル部2を折り曲げたときに開口幅が小さくなり、却って品物を挿入し難くなるおそれや、当該段ボール製封筒の紙使用量が不必要に増加してコストアップにつながるおそれがある。
<上貼着部>
上貼着部7は、当該段ボール製封筒の内部に品物を挿入した後、ユーザが上マチ部5を中央で折り返すことにより、裏面パネル部2の裏面に重ねられ、予め接着剤によって裏面パネル部2に貼着される。上貼着部7及び裏面パネル部2の貼着予定位置の少なくとも一方に、予め糊が塗布されていてもよい。上貼着部7及び裏面パネル部2の少なくとも一方に予め糊が塗布される場合、さらに離型シートで糊を覆ってもよい。
上貼着部7は、当該段ボール製封筒の内部に品物を挿入した後、ユーザが上マチ部5を中央で折り返すことにより、裏面パネル部2の裏面に重ねられ、予め接着剤によって裏面パネル部2に貼着される。上貼着部7及び裏面パネル部2の貼着予定位置の少なくとも一方に、予め糊が塗布されていてもよい。上貼着部7及び裏面パネル部2の少なくとも一方に予め糊が塗布される場合、さらに離型シートで糊を覆ってもよい。
上貼着部7には、表面パネル部1の折り曲げ容易線10が上マチ部5を超えて延設されていることが好ましい。
上貼着部7の両側縁は、上述の側貼着部6の上端縁に対応する角度で傾斜している。具体的には、上貼着部7の側縁の上マチ部5の先端縁に対する傾斜角度と、側貼着部6の上端縁の側マチ部4の先端縁に対する傾斜角度との合計が、90°となればよい。なお、側貼着部6の上端縁及び上貼着部7の側縁の裏面パネル部2に切り欠き16より内側に配置される部分については、側貼着部6と上貼着部7との間に隙間を形成しても問題ないため、上記傾斜角度の合計が90°未満であってもよい。
上貼着部7の平均幅の下限としては、10mmが好ましく、15mmが好ましい。一方、上貼着部7の平均幅の上限としては、50mmが好ましく、30mmが好ましい。上貼着部7の平均幅が上記下限に満たない場合、上貼着部7の裏面パネル部2への貼着が容易でなくなるおそれがある。逆に、上貼着部7の平均幅が上記上限を超える場合、使用前の当該段ボール製封筒の面積が大きくなり、輸送コスト及び保管コストの増加につながるおそれや、当該段ボール製封筒の紙使用量が不必要に増加してコストアップにつながるおそれがある。
<底隅封止部>
底隅封止部8は、図6に詳しく示すように、底マチ部3の側縁及び側マチ部4の下側の側縁を隣辺(等辺)とする直角二等辺三角形状であり、底マチ部3及び側マチ部4と共に部分的に折り返されて両鋭角(内角が90°よりも小さい2つの底角)が直角(内角が90°の頂角)に重ねられる底隅主封止部位18と、この底隅主封止部位18の斜辺の底マチ部3側部分から延設され、少なくとも底隅主封止部位18の側マチ部4側の鋭角近傍部分に重なる底隅重畳部位19と、この底隅重畳部位19から裏面パネル部2の側縁下端部に接続されるよう延設され、側マチ部4に重なる側マチ重畳部位20とを有する。
底隅封止部8は、図6に詳しく示すように、底マチ部3の側縁及び側マチ部4の下側の側縁を隣辺(等辺)とする直角二等辺三角形状であり、底マチ部3及び側マチ部4と共に部分的に折り返されて両鋭角(内角が90°よりも小さい2つの底角)が直角(内角が90°の頂角)に重ねられる底隅主封止部位18と、この底隅主封止部位18の斜辺の底マチ部3側部分から延設され、少なくとも底隅主封止部位18の側マチ部4側の鋭角近傍部分に重なる底隅重畳部位19と、この底隅重畳部位19から裏面パネル部2の側縁下端部に接続されるよう延設され、側マチ部4に重なる側マチ重畳部位20とを有する。
なお、図6では、表面パネル部1、裏面パネル部2、底マチ部3、側マチ部4、側貼着部6及び底隅封止部8の境界を実線で示し、折り曲げ容易線を破線で示している。また、底隅主封止部位18と底隅重畳部位19との間には、折り曲げ容易線等の物理的境界は形成されないことが好ましい。このため、図6では、底隅主封止部位18と底隅重畳部位19との境界を二点鎖線で示している。
(底隅主封止部位)
底隅主封止部位18には、底マチ部3の中央の折り曲げ容易線及び側マチ部4の中央の折り曲げ容易線が延設されている。これらの折り曲げ容易線は、底隅主封止部位18の斜辺の中央で交差している。底隅主封止部位18は、この折り曲げ容易線に沿って折り返されることにより、両鋭角が直角に重ねられると共に、斜辺の底マチ部3側の半分と側マチ部4側の半分とが付き合されることにより、正方形の袋状に形成される。
底隅主封止部位18には、底マチ部3の中央の折り曲げ容易線及び側マチ部4の中央の折り曲げ容易線が延設されている。これらの折り曲げ容易線は、底隅主封止部位18の斜辺の中央で交差している。底隅主封止部位18は、この折り曲げ容易線に沿って折り返されることにより、両鋭角が直角に重ねられると共に、斜辺の底マチ部3側の半分と側マチ部4側の半分とが付き合されることにより、正方形の袋状に形成される。
また、底隅主封止部位18には、直角から斜辺の中央まで伸びるさらなる折り曲げ容易線が形成されている。これにより、底マチ部3及び側マチ部4を表面パネル部1及び裏面パネル部2に対して折り曲げて当該段ボール製封筒に厚みを形成する際、図7に図示するように、底隅封止部8がコーン状に突出して段ボールシートの歪を吸収することが容易となる。
(底隅重畳部位)
底隅重畳部位19は、底隅主封止部位18の斜辺の底マチ部3側の半分を斜辺とする直角二等辺三角形状に形成されている。従って、この底隅重畳部位19の一方の等辺は、裏面パネル部2と底マチ部3とを区分する折り曲げ容易線の延長線として画定される。
底隅重畳部位19は、底隅主封止部位18の斜辺の底マチ部3側の半分を斜辺とする直角二等辺三角形状に形成されている。従って、この底隅重畳部位19の一方の等辺は、裏面パネル部2と底マチ部3とを区分する折り曲げ容易線の延長線として画定される。
この底隅重畳部位19は、底隅主封止部位18が底マチ部3の中央の折り曲げ容易線に沿って折り返されたときに、底隅主封止部位18の上に重ねられる。さらに、底隅主封止部位18が側マチ部4の中央の折り曲げ容易線に沿って折り返されたときに、この折り返される部分と重なる。これにより、底隅封止部8が形成する正方形の袋状部分の合わせ目を段ボールシートが二重に重ねられるラップ構造とし、この袋状部分に隙間が形成されることが防止される。
(側マチ重畳部位)
側マチ重畳部位20は、裏面パネル部2と底マチ部3とを区分する折り曲げ容易線の延長線として画定される上記底隅重畳部位19の等辺から、裏面パネル部2の側縁の下端部に接続されるよう延設されている。この側マチ重畳部位20は、底隅主封止部位18が底マチ部3の中央の折り曲げ容易線に沿って折り返されたときに、側マチ部4の下端部の表面パネル部1側部分に重ねられる。さらに、側マチ部4が中央の折り曲げ容易線に沿って折り返されたときに、側マチ重畳部位20の裏面側には、側マチ部4の下端部の側貼着部6側の部分が重ねられる。これにより、底隅封止部8が形成する正方形の袋状部分の隙間の防止をより確実にする。
側マチ重畳部位20は、裏面パネル部2と底マチ部3とを区分する折り曲げ容易線の延長線として画定される上記底隅重畳部位19の等辺から、裏面パネル部2の側縁の下端部に接続されるよう延設されている。この側マチ重畳部位20は、底隅主封止部位18が底マチ部3の中央の折り曲げ容易線に沿って折り返されたときに、側マチ部4の下端部の表面パネル部1側部分に重ねられる。さらに、側マチ部4が中央の折り曲げ容易線に沿って折り返されたときに、側マチ重畳部位20の裏面側には、側マチ部4の下端部の側貼着部6側の部分が重ねられる。これにより、底隅封止部8が形成する正方形の袋状部分の隙間の防止をより確実にする。
側マチ重畳部位20の形状としては、例えば扇形状、方形状、三角形状とすることができる。また、側マチ重畳部位20の上下方向の長さとしては、例えば底マチ部3の幅の約1/2とすることができる。
<上隅封止部>
上隅封止部9は、図8に詳しく示すように、側マチ部4の上縁及び上マチ部5の側縁を隣辺(等辺)とする直角二等辺三角形状であり、側マチ部4及び上マチ部5と共に折り返されて両鋭角(内角が90°よりも小さい2つの底角)が直角(内角が90°の頂角)に重ねられる上隅主封止部位21と、この上隅主封止部位21の斜辺の側マチ部4側部分から延設され、少なくとも上隅主封止部位21の上マチ部5側の鋭角近傍部分に重なる上隅重畳部位22と、この上隅重畳部位22から側貼着部6の貼着重畳部位17の上縁に接続されるよう延設され、上マチ部5に重なる上マチ重畳部位23とを有する。
上隅封止部9は、図8に詳しく示すように、側マチ部4の上縁及び上マチ部5の側縁を隣辺(等辺)とする直角二等辺三角形状であり、側マチ部4及び上マチ部5と共に折り返されて両鋭角(内角が90°よりも小さい2つの底角)が直角(内角が90°の頂角)に重ねられる上隅主封止部位21と、この上隅主封止部位21の斜辺の側マチ部4側部分から延設され、少なくとも上隅主封止部位21の上マチ部5側の鋭角近傍部分に重なる上隅重畳部位22と、この上隅重畳部位22から側貼着部6の貼着重畳部位17の上縁に接続されるよう延設され、上マチ部5に重なる上マチ重畳部位23とを有する。
なお、図8では、図6と同様に、表面パネル部1、側マチ部4、上マチ部5、側貼着部6、上貼着部7及び上隅封止部9の境界を実線で示し、折り曲げ容易線を破線で示し、物理的境界が形成されない上隅主封止部位21と上隅重畳部位22との境界を二点鎖線で示している。
この上隅封止部9の上隅主封止部位21、上隅重畳部位22及び上マチ重畳部位23は、位置及び向きが異なるだけで、図6の底隅主封止部位18、底隅重畳部位19及び側マチ重畳部位20と略同一の形状及び機能を有する。このため、詳細な説明は省略するが、上隅封止部9は、底隅封止部8と同様に、当該段ボール製封筒の上側の隅を隙間なく封止することができる。
<利点>
当該段ボール製封筒は、側マチ部4及び上マチ部5よりも内側に配置される裏面パネル部2に側貼着部6及び上貼着部7を貼り合わせることによって袋状に形成されるので、当該段ボール製封筒の内部に厚みを形成する底マチ部3、側マチ部4及び上マチ部5において、表裏のいずれでも複数の段ボールシートが重ねられない。このため、当該段ボール製封筒は、底マチ部3、側マチ部4及び上マチ部5を表面パネル部1及び裏面パネル部2に対して折り曲げて厚みを形成することが比較的容易である。当該段ボール製封筒は、厚みのある品物であっても比較的容易に挿入することができる。
また、当該段ボール製封筒は、段ボールシートを折り曲げて裏面パネル部2の裏面に一対の側貼着部6を貼着するだけであり、構造が比較的簡単であるため、比較的安価に提供することができる。このため、ユーザは、メール便による品物の発送等のコストを削減できる。
また、当該段ボール製封筒において、底隅封止部8及び上隅封止部9は、糊を使用せずに当該段ボール製封筒の隅を隙間ができないように封止できるので、底マチ部3、側マチ部4及び上マチ部5を表面パネル部1及び裏面パネル部2に対して折り曲げて厚みを形成することを阻害しない。
また、当該段ボール製封筒は、裏面パネル部2に形成した切り欠き16が上マチ重畳部位23を接続するために必要な貼着重畳部位17を受け入れることによって、上貼着部7に重ねられる段ボールシートの枚数の増加を防止し、当該段ボール製封筒の美観の劣化及び封緘作業の作業性低下を防止することができる。
また、当該段ボール製封筒では、表面パネル部1及び裏面パネル部2が、その下縁の両側端近傍から上縁の中央近傍にかけて斜めに延在する一対の折り曲げ容易線11,15を有するため、当該段ボール製封筒に品物を挿入する際に、その開口部をより大きく広げることができる。
また、当該段ボール製封筒は、表面パネル部1に折り曲げ容易線10が形成され、裏面パネル部2に折り曲げ容易線14が形成されることにより、当該段ボール製封筒に品物を挿入する際に、表面パネル部1及び裏面パネル部2を折り曲げることによって、当該段ボール製封筒の開口部をさらに大きく広げることができる。
特に、当該段ボール製封筒では、この折り曲げ容易線10,14が側貼着部6の先端縁に沿って形成されているため、側貼着部6が表面パネル部1及び裏面パネル部2を折り曲げるときにガイドとして機能し、さらに容易に当該段ボール製封筒の開口部を拡げることができる。
[その他の実施形態]
上記実施形態は、本考案の構成を限定するものではない。従って、上記実施形態は、本明細書の記載及び技術常識に基づいて上記実施形態各部の構成要素の省略、置換又は追加が可能であり、それらは全て本考案の範囲に属するものと解釈されるべきである。
上記実施形態は、本考案の構成を限定するものではない。従って、上記実施形態は、本明細書の記載及び技術常識に基づいて上記実施形態各部の構成要素の省略、置換又は追加が可能であり、それらは全て本考案の範囲に属するものと解釈されるべきである。
当該段ボール製封筒において、底隅封止部は、直角三角形状の底隅主封止部位を有していればよく、底隅重畳部位及び側マチ重畳部位を省略してもよく、側マチ重畳部位のみを省略してもよい。また、特に、側マチ重畳部位を省略する場合、底隅重畳部位の形状は任意に変更できる。
同様に、当該段ボール製封筒において、上隅封止部から、上隅重畳部位及び上マチ重畳部位を省略してもよく、上マチ重畳部位のみを省略してもよい。上隅重畳部位の形状も任意に変更できる。
当該段ボール製封筒は、表面パネル部及び裏面パネル部に開口を拡げるための折り曲げ容易線が形成されていなくてもよい。また、開口を拡げるための折り曲げ容易線の形成位置は、側貼着部の先端縁と異なる位置であってもよい。また、傾斜して延在する開口を拡げるための折り曲げ容易線の始端位置は、表面パネル部及び裏面パネル部の下縁の両端近傍であればよく、側貼着部の先端縁に対応する位置でなくてもよい。さらに、傾斜して延在する開口を拡げるための折り曲げ容易線の終端位置についても、表面パネル部及び裏面パネル部の上縁の中央近傍であればよく、左右の折り曲げ容易線の終端位置が同じでなく、互いに交差せず離間して形成されてもよい。
当該段ボール製封筒において、破断開始部及び切断容易部は任意の構成であり、省略してもよく、上述の実施形態とは異なる開封のための構成を設けてもよい。
本考案の段ボール製封筒は、緩衝機能を有する封筒として広く使用できるが、特にメール便用の封筒として好適に利用できる。
1 表面パネル部
2 裏面パネル部
3 底マチ部
4 側マチ部
5 上マチ部
6 側貼着部
7 上貼着部
8 底隅封止部
9 上隅封止部
10,11,14,15 折り曲げ容易線
12 破断開始部
13 切断容易部
16 切り欠き
17 貼着重畳部位
18 底隅主封止部位
19 底隅重畳部位
20 側マチ重畳部位
21 上隅主封止部位
22 上隅重畳部位
23 上マチ重畳部位
2 裏面パネル部
3 底マチ部
4 側マチ部
5 上マチ部
6 側貼着部
7 上貼着部
8 底隅封止部
9 上隅封止部
10,11,14,15 折り曲げ容易線
12 破断開始部
13 切断容易部
16 切り欠き
17 貼着重畳部位
18 底隅主封止部位
19 底隅重畳部位
20 側マチ重畳部位
21 上隅主封止部位
22 上隅重畳部位
23 上マチ重畳部位
Claims (5)
- 一枚の段ボールシートから形成される段ボール製封筒であって、
対向し合う方形状かつ略同形の表面パネル部及び裏面パネル部と、
上記表面パネル部の下縁と上記裏面パネル部の下縁とを接続し、帯状で幅方向中央で折り返される底マチ部と、
上記表面パネル部の両側縁から延設され、帯状で幅方向中央で折り返される一対の側マチ部と、
上記表面パネル部の上縁から延設され、帯状で幅方向中央で折り返される上マチ部と、
上記一対の側マチ部の先端縁から延設され、上記裏面パネル部に貼着される一対の側貼着部と、
上記上マチ部の先端縁から延設され、上記裏面パネル部に貼着される上貼着部と、
上記底マチ部の両側縁と上記一対の側マチ部の下側の側縁とを接続する一対の底隅封止部と、
上記一対の側マチ部の上側の側縁と上記上マチ部の両側縁とを接続する一対の上隅封止部とを備えることを特徴とする段ボール製封筒。 - 上記底隅封止部が、上記底マチ部の側縁及び上記側マチ部の下側の側縁を隣辺とする直角三角形状であり、上記底マチ部及び側マチ部と共に折り返されて両鋭角が直角に重ねられる底隅主封止部位と、上記底隅主封止部位の斜辺の底マチ部側部分から延設され、少なくとも上記底隅主封止部位の側マチ部側鋭角近傍部分に重なる底隅重畳部位とを有する請求項1に記載の段ボール製封筒。
- 上記上隅封止部が、上記側マチ部の上側の側縁及び上記上マチ部の側縁を隣辺とする直角三角形状であり、上記側マチ部及び上マチ部と共に折り返されて両鋭角が直角に重ねられる上隅主封止部位と、上記上隅主封止部位の斜辺の側マチ部側部分から延設され、少なくとも上記上隅主封止部位の上マチ部側鋭角近傍部分に重なる上隅重畳部位とを有する請求項1又は請求項2に記載の段ボール製封筒。
- 上記裏面パネル部が、上縁両端部に形成される切り欠きを有し、
上記側貼着部が、上記切り欠きに対応する範囲内で上記上貼着部に重なる貼着重畳部位を有し、
上記上隅封止部が、上記上隅重畳部位から上記貼着重畳部位に接続されるよう延設され、上記上マチ部に重なる上マチ重畳部位をさらに有する請求項3に記載の段ボール製封筒。 - 上記表面パネル部及び裏面パネル部が、下縁の両側端近傍から上縁の中央近傍にかけて斜めに延在する一対の折り曲げ容易線をそれぞれ有する請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の段ボール製封筒。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014006243U JP3195833U (ja) | 2014-11-25 | 2014-11-25 | 段ボール製封筒 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2014006243U JP3195833U (ja) | 2014-11-25 | 2014-11-25 | 段ボール製封筒 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP3195833U true JP3195833U (ja) | 2015-02-05 |
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ID=52685496
Family Applications (1)
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JP2014006243U Active JP3195833U (ja) | 2014-11-25 | 2014-11-25 | 段ボール製封筒 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3195833U (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2021102460A (ja) * | 2019-12-25 | 2021-07-15 | 王子ホールディングス株式会社 | 包装袋および包装袋用シート |
-
2014
- 2014-11-25 JP JP2014006243U patent/JP3195833U/ja active Active
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2021102460A (ja) * | 2019-12-25 | 2021-07-15 | 王子ホールディングス株式会社 | 包装袋および包装袋用シート |
JP7380192B2 (ja) | 2019-12-25 | 2023-11-15 | 王子ホールディングス株式会社 | 包装袋および包装袋用シート |
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