JP3194931U - 吸収性物品 - Google Patents
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Abstract
【課題】吸収性物品の位置ズレや着用者の身体からの排泄液による着衣汚れを防止し、且つ折り曲げやすく柔軟で着用感の低下を招き難いウイング部を備えた吸収性物品を提供する。【解決手段】ウイング部7の着衣装着面にウイング部7を着衣に固定するウイング部粘着部8が配されている。ウイング部7は、ウイング部粘着部8を含んでそれよりも横方向Yの外方に位置するウイング部固定部70と、ウイング部固定部70とサイドフラップ部6との間に位置するウイング部根元部71とに横方向Yに区分される。ウイング部固定部70においては表面層2(サイドシート22)と裏面層(裏面シート)とが接合され、ウイング部根元部71においては表面層2と裏面層とは接合されていない。【選択図】図1
Description
本考案は、ウイング部を備えショーツ等の着衣に固定して使用する生理用ナプキン、パンティライナー、失禁パッド等の吸収性物品に関する。
生理用ナプキン等の吸収性物品には、該吸収性物品の肌対向面を形成する表面層、該吸収性物品の非肌対向面を形成する裏面層、及びこれら両層間に介在された吸収体を具備する本体部と、該吸収体の縦方向に沿う両側縁から延出する一対のサイドフラップ部と、一対の該サイドフラップ部それぞれの縦方向の一部が周辺部よりも横方向外方に延出した部分を含んで構成される一対のウイング部とを具備するものがある。ウイング部の着衣装着面には、これをショーツ等の着衣に固定する粘着部が設けられており、吸収性物品の使用時には、一対のウイング部を裏面層側に折り曲げ、その折り曲げたウイング部を、ショーツ等の着衣のクロッチ部の非肌対向面等に該粘着部で固定して使用する。
サイドフラップ部及びウイング部を備えた吸収性物品に関し、例えば特許文献1には、ウイング部が表面層としてのサイドシード及び裏面層としての裏面シートの2枚のシートの積層体から構成されているものが記載されている。特許文献1記載の吸収性物品は、ショーツ等の着衣にウイング部の粘着部を介して固定されている吸収性物品を該着衣から取り外す際に、ウイング部が破断する等の不都合が生じないように工夫されたもので、粘着部の接着力及びウイング部を構成する2枚のシートどうしの接合強度をそれぞれ特定範囲に設定することを主たる特徴としている。特許文献1記載のウイング部においてこれを構成する2枚のシートは、粘着部に対応する部位(平面視において粘着部と重なる部位)にて接着剤で互いに接合されている。
また特許文献2には、サイドフラップ部及びウイング部を備えた吸収性物品において、そのウイング部を構成する表面シートと裏面シートとを、横方向へ延び且つ縦方向へ間欠的に配設された複数の平面視線状の接着剤塗布部にて互いに接合させることが記載されている。この接着剤塗布部(ウイング部における表面シートと裏面シートとの接合部分)は、横方向外方に最も突出しているウイング部の先端部から基端部(サイドフラップ部)まで延びている。特許文献2によれば、このような接着剤塗布部の配置によって、ウイング部の通気性が確保されると共に、縦方向へ容易に裂けることがないとされている。
また特許文献3には、サイドフラップ部及びウイング部を備えた吸収性物品において、表面層を構成するサイドシートの肌触りや柔軟性を向上させるために、サイドシートに複数個の曲線状のエンボスラインを特定のパターンで形成することが記載されている。特許文献3にはエンボスパターンとして、平面視線状のエンボス部、平面視で内側に未エンボス部を有してその周囲をエンボスしてなる中抜きエンボス部等を含むパターンが記載されている。
ウイング部は、吸収性物品着用中における吸収性物品の位置ズレや着用者の身体からの排泄液による着衣汚れを防止するのに有効な部材である。しかし、ウイング部をその根元部で折り曲げる場合に、該根元部が硬くてウイング部を折り曲げ難く、また、ウイング部を折り曲げることで生じた折り曲げ部に硬い皺が発生する場合がある。このような不都合を招くウイング部根元部の硬さは、該根元部が2枚のシート(例えば表面シート又はサイドシートと裏面シート)の積層体から構成され、剛性が比較的高いことが主たる原因と考えられる。ウイング部根元部を1枚のシートから構成すれば、2枚のシートから構成する場合よりも剛性が低下するので、折り曲げやすさや着用感は向上するが、排泄液による着衣汚れ防止等の観点からは、ウイング部根元部は2枚のシートから構成されることが好ましい。吸収性物品の位置ズレや着用者の身体からの排泄液による着衣汚れを防止し、且つ折り曲げやすく柔軟で着用感の低下を招き難いウイング部を備えた現行の吸収性物品は未だ改善の余地がある。
従って本考案は、吸収性物品の位置ズレや着用者の身体からの排泄液による着衣汚れを防止し、且つ折り曲げやすく柔軟で着用感の低下を招き難いウイング部を備えた吸収性物品に関する。
本考案は、液保持性の吸収体、該吸収体の肌対向面側に配された表面層、及び該吸収体の非肌対向面側に配された裏面層を具備し、着用者の前後方向に相当する縦方向とこれに直交する横方向とを有する本体部と、前記表面層及び前記裏面層における前記吸収体の縦方向に沿う両側縁からの延出部分を含んで構成される一対のサイドフラップ部と、一対の前記サイドフラップ部それぞれの縦方向に沿う側縁よりも横方向外方に延出した部分を含んで構成される一対のウイング部とを具備する吸収性物品であって、前記ウイング部の着衣装着面に該ウイング部を着衣に固定するウイング部粘着部が配され、該ウイング部は、該ウイング部粘着部を含んでそれよりも横方向外方に位置するウイング部固定部と、該ウイング部固定部と前記サイドフラップ部との間に位置するウイング部根元部とに横方向に区分され、前記ウイング部固定部においては前記表面層と前記裏面層とが接合され、前記ウイング部根元部においては前記表面層と前記裏面層とは接合されていない吸収性物品を提供するものである。
本考案によれば、吸収性物品の位置ズレや着用者の身体からの排泄液による着衣汚れを防止し、且つ折り曲げやすく柔軟で着用感の低下を招き難いウイング部を備えた吸収性物品が提供される。
以下本考案を、その好ましい実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。図1及び図2には、本考案の吸収性物品の一実施形態である生理用ナプキン1が記載されている。ナプキン1は、図1及び図2に示すように、液保持性の吸収体4と、該吸収体4の肌対向面側に配された表面層2と、該吸収体4の非肌対向面側に配された裏面層としての裏面シート3とを具備し、着用者の前後方向に相当する縦方向Xとこれに直交する横方向Yとを有する本体部5と、該本体部5の横方向Yの外方に位置する一対のサイドフラップ部6,6と、一対の該サイドフラップ部6,6の横方向Yの外方に位置する一対のウイング部7,7と備えている。本体部5は、図1に示す如き平面視において一方向に長い形状を有し、その長手方向が縦方向Xに一致し、幅方向が横方向Yに一致する。
尚、本明細書において、「肌対向面」は、吸収性物品又はその構成部材(例えば吸収体4)における、吸収性物品の着用時に着用者の肌側に向けられる面(相対的に着用者の肌に近い側)であり、「非肌対向面」は、吸収性物品又はその構成部材における、吸収性物品の着用時に肌側とは反対側(相対的に着用者の肌から遠い側)に向けられる面である。但し、ウイング部のような、着用時に折り曲げられて上下方向が使用前とは反転する部材には、ここでいう「肌対向面」及び「非肌対向面」という用語は使用しない。また、本明細書において、「表面層」は、吸収性物品の着用時に肌対向面を構成する1枚又は複数枚の部材(シート材料)であり、「裏面層」は、吸収性物品の着用時に非肌対向面を構成する1枚又は複数枚の部材(シート材料)である。尚、ここでいう「着用時」は、通常の適正な着用位置(当該吸収性物品の正しい着用位置)が維持された状態を意味し、吸収性物品が該着用位置からずれた状態にある場合は含まない。
本体部5は、図1に示すように、着用時に着用者の股間部に配される股下部Mと、着用時に股下部Mよりも着用者の腹側(前側)に配される前方部Fと、着用時に股下部Mよりも着用者の背側(後側)に配される後方部Rとを縦方向Xに有している。股下部Mは、本体部5の縦方向Xにおいてウイング部7を有する領域、即ち、ウイング部7の縦方向Xの前方側の付け根7Fと後方側の付け根7Rとに挟まれた領域である。ウイング部7の各付け根7F,7Rは、図1に示すようにウイング部7を広げた状態で、円弧状又は鈍角に形成されている。股下部Mは、ナプキン1の着用時に着用者の排泄部(膣口)に対向配置される排泄部対向部を有しており、該排泄部対向部は通常、ナプキン1の縦方向Xの中央部又はその近傍に位置している。
表面層2は、液透過性の表面シート21と、表面シート21の縦方向Xに沿う両側部に配された液不透過性若しくは液難透過性又は撥水性の一対のサイドシート22とからなり、両シート21,22は接着剤、ヒートシール、超音波シール等の公知の接合手段によって互いに接合されている。図2に示すように、表面シート21は、吸収体4の肌対向面の全域を被覆し、一対のサイドシート22,22は、それぞれ、表面シート21の縦方向Xに沿う側部の肌対向面を被覆し、さらに吸収体4の縦方向Xに沿う側縁から横方向Yの外方に延出している。また図1に示すように、表面シート21及びサイドシート22並びに裏面シート3は、吸収体4の縦方向Xの前端及び後端それぞれから縦方向Xの外方に延出し、それらの延出部において、公知の接合手段によって互いに接合されてエンドシール部11を形成している。
裏面シート3は、表面シート21よりも横方向Yの長さが長く、吸収体4の非肌対向面の全域を被覆し、さらに吸収体4の縦方向Xに沿う両側縁から横方向Yの外方に延出して、一対のサイドシート22,22と共に一対のサイドフラップ部6,6を形成している。つまり、一対のサイドフラップ部6,6は、それぞれ、表面層2(サイドシート22)及び裏面層としてのサイドシート3における、吸収体4の縦方向Xに沿う両側縁からの延出部分を含んで構成されている。各サイドフラップ部6においては、図2に示すように、サイドシート22と裏面シート3とは接着剤10によって互いに接合されている。接着剤10は吸収体4と裏面シート3との間にも塗布されており、吸収体4と裏面シート3とは接着剤10によって互いに接合されている。接着剤10としては、例えばホットメルト型接着剤を用いることができる。尚、図示していないが、表面シート21と吸収体4とも接着剤によって互いに接合されている。
表面シート21としては、当該技術分野において従来用いられている液透過性のシート材料を用いることができ、例えば、カード法により製造された不織布、エアスルー不織布、スパンボンド不織布、メルトブローン不織布、スパンレース不織布及びニードルパンチ不織布等の種々の不織布;開口手段によって液透過可能とされたフィルム等が挙げられる。これらの不織布やフィルムには、界面活性剤等の親水化剤を用いた親水化処理が施されていても良い。また、図2に示すように、表面シート2の肌対向面は、多数の凸部及び凹部を有する凹凸形状をなしていても良い。斯かる構成により、ナプキン1の肌対向面のドライ感が向上する。表面シートの凹凸形状を構成する凹部は、熱エンボス加工、超音波エンボス加工等のエンボス加工によって形成することができ、該凹凸形状を構成する凸部は、複数の凹部間に位置する。表面シート2の凹凸形状を構成する凸部は、内部に構成繊維が充填された中実構造であっても良く、内部に空間部が形成された中空構造であっても良い。
サイドシート22としては、当該技術分野において従来用いられている液不透過性若しくは液難透過性又は撥水性のシート材料を用いることができ、例えば、液不透過性又は撥水性の樹脂フィルム、樹脂フィルムと不織布との積層体等を用いることができる。その他の材料としては、例えば、スパンボンド不織布、スパンボンド不織布(S)とメルトブロー不織布(M)とが複合化されたシート(例えばSM、SMS、SMMS等)、ヒートロール不織布、エアスルー不織布等の撥水性(疎水性)不織布が挙げられる。裏面シート3としては、サイドシート22と同じものを用いることができる。
裏面シート3としては、当該技術分野において従来用いられている透湿性のシート材料を用いることができ、例えば、透湿性フィルム単独、又は透湿性フィルムと不織布との積層体、撥水性不織布等を用いることができる。吸収性物品と身体との間にこもる湿度(いわゆる着装内湿度)を速やかに取り除く観点から、裏面シート3に透湿性を付与し、更に通気性を付与することが最も効果的である。ここで「透湿性」とは、JISZ0208やASTM E398に開示された概念の如く、気流移動を伴わず、熱力学の第二法則に従って、高湿度側から低湿度側に水蒸気拡散する性質であり、極微小の開孔を有する多孔フィルムや、水と相溶性の高い無孔フィルムで発現する性質である。一方「通気性」とは、文字通り通気する性質であり、典型的には各種布地のように気流が通る性質である。
吸収体4は、前方部Fから後方部Rに亘って延在しており、図1に示す如き平面視において、縦方向Xの両端が縦方向Xの外方に向かって凸状に湾曲した縦長の形状をなしている。吸収体4の平面視形状は特に制限されず、矩形形状あるいは角が丸みを帯びた矩形形状等でも良い。吸収体4としては、吸水性ポリマーの粒子及びパルプ繊維等の繊維材料の少なくとも1種を含む吸収性コアを用いることができ、該吸収性コアは、その表面が紙、不織布等のコアラップシートで被覆されていても良い。この吸収性コアとしては、繊維材料を積繊してなる積繊体を含むものを用いても良く、あるいは該積繊体に比して厚みが薄く低剛性の吸収性シートを用いても良い。この吸収性シートの一例として、湿潤状態の吸水性ポリマーに生じる粘着力や別に添加した接着剤や接着性繊維等のバインダーを介して、構成繊維間や構成繊維と吸水性ポリマーとの間を結合させてシート状としたものが挙げられる。
図1に示すように、一対のサイドフラップ部6,6それぞれの横方向Yの外方にウイング部7が延設されている。一対のウイング部7,7は、一対のサイドフラップ部6,6それぞれの縦方向Xに沿う側縁よりも横方向Yの外方に延出した部分を含んで構成されており、股下部Mに位置している。ウイング部7は、ショーツ等の着衣のクロッチ部の外面側に折り返されて用いられる。
一対のウイング部7,7は、それぞれ、図1に示す如き平面視において、下底(上底よりも長い辺)が本体部5側に位置する略台形形状をなしている。各ウイング部7における着衣装着面、即ち、裏面シート3の外面には、ナプキン1の着用時にウイング部7を着衣に固定する平面視矩形形状のウイング部粘着部8が1個配されている。また、本体部5の非肌対向面、即ち、裏面シート3の外面には、本体部5を着衣に固定する本体部粘着部9が形成されている。ウイング部粘着部8及び本体部粘着部9は、裏面シート3の外面の所定箇所に粘着剤を塗布して設けられており、その使用前においてはフィルム、不織布、紙等からなる剥離シート(図示せず)によって被覆されている。
図1及び図2に示すように、ウイング部7は、ウイング部粘着部8を含んでそれよりも横方向Yの外方に位置するウイング部固定部70と、該ウイング部固定部70とサイドフラップ部6との間に位置するウイング部根元部71とに横方向Yに区分される。ウイング部固定部70とウイング部根元部71との境界線7Lyは、ウイング部7において最も横方向Yの内方に位置するウイング部粘着部8の、縦方向Xに沿う内側縁(縦方向Xに沿う一対の側縁のうち相対的に吸収体4に近い方の側縁)又は縦方向Xに平行で吸収体4に最も近い接線である。本実施形態においては、ウイング部粘着部8は平面視矩形形状をなしているので、境界線7Lyはウイング部粘着部8の内側縁であるが、例えばウイング部粘着部8が平面視真円形状をなしている場合は、境界線7Lyは、その真円形状のウイング部粘着部8における接線のうちで吸収体4に最も近い接線である。
本実施形態のナプキン1の主たる特徴の1つとして、図2(a)に示すように、ウイング部固定部70においては、ウイング部7を構成するサイドシート22(表面層2)と裏面シート3(裏面層)とが接合され、ウイング部根元部71(図2(a)中、点線で囲まれた領域)においては、サイドシート22と裏面シート3とは接合されていない点が挙げられる。本実施形態においては、前述したようにサイドフラップ部6においてサイドシート22と裏面シート3とが接着剤10によって互いに接合されていると共に、ウイング部固定部70においても両シート22,3が接着剤10によって互いに接合されている。
図2(b)は、ナプキン1のウイング部7を図2(a)に示す状態から裏面シート3側に折り曲げた状態を示している。ナプキン1の使用時には通常、図2(b)に示すように、一対のウイング部7,7を裏面シート3側に折り曲げ、その折り曲げたウイング部7,7を、ショーツ等の着衣のクロッチ部の非肌対向面に粘着部8で固定して使用するところ、ウイング部根元部71は、そのウイング部7の裏面シート3側への折り曲げの際に実際に折り曲げられる部位である。そのようなウイング部7の折り曲げ部であるウイング部根元部71を構成する2枚のシート(サイドシート22及び裏面シート3)が互いに接合されていないことにより、ウイング部根元部71は、シート22,3が接着剤によって互いに固定されているサイドフラップ部6及びウイング部固定部70に比して、剛性が低く柔軟であるため折り曲げやすく、また、折り曲げた後も質感が柔らかいため、ウイング部7の折り曲げ部に起因する着用感の低下を大幅に低減できる。また、ウイング部根元部71は、このように折り曲げやすく柔軟でありながらも、2枚のシートから構成されているため、1枚のシートから構成されている場合に比して、着用者の排泄液に対する液不透過性が高く、着衣汚れの防止効果に優れる。
前述したように、サイドフラップ部6及びウイング部固定部70においてはサイドシート22(表面層2)と裏面シート3(裏面層)とが接着剤10によって接合されているところ、サイドフラップ部6における接着剤塗布部の面積率(サイドフラップ部6の面積に占める該サイドフラップ部6内の全ての接着部塗布部の総面積の割合。以下、「サイドフラップ部接着剤面積率」ともいう。)が、ウイング部固定部70における接着剤塗布部の面積率(ウイング部固定部70の面積に占める該ウイング部固定部70内の全ての接着部塗布部の総面積の割合。以下、「ウイング部固定部接着剤面積率」ともいう。)以上であることが好ましい。前述したように、サイドフラップ部6とウイング部固定部70との間に挟まれたウイング部根元部71においてこれを構成する2枚のシート22,3を互いに非接合(接着剤非使用)としたことで、ウイング部7からの液漏れが懸念されるが、このようにサイドフラップ部接着剤面積率≧ウイング部固定部接着剤面積率とすることでこの懸念が払拭される。特に、サイドフラップ部6に接着剤を相対的に高密度で塗布し且つウイング部固定部70に接着剤を相対的に低密度で塗布する、即ち、サイドフラップ部接着剤面積率>ウイング部固定部接着剤面積率とすることにより、ウイング部7の液漏れがより確実に防止されると共に、ウイング部固定部70の柔軟性が向上し、着用感の一層の向上に繋がる。
前述した作用効果をより確実に奏させるようにする観点から、前記サイドフラップ部接着剤面積率と前記ウイング部固定部接着剤面積率との比(サイドフラップ部接着剤面積率/ウイング部固定部接着剤面積率)は、好ましくは1以上、さらに好ましくは1.2以上、そして、好ましくは10以下、さらに好ましくは3.2以下、より具体的には、好ましくは1〜10、さらに好ましくは1.2〜3.2である。
また、前記サイドフラップ部接着剤面積率は、好ましくは10%以上、さらに好ましくは20%以上、そして、好ましくは70%以下、さらに好ましくは40%以下、より具体的には、好ましくは10〜70%、さらに好ましくは20〜40%である。
また、前記サイドフラップ部接着剤面積率は、好ましくは10%以上、さらに好ましくは20%以上、そして、好ましくは70%以下、さらに好ましくは40%以下、より具体的には、好ましくは10〜70%、さらに好ましくは20〜40%である。
前記接着剤面積率は以下の方法で算出する。まず、前記サイドフラップ部及び前記ウイング部固定部にコールドスプレーを吹き付けて前記表面層と前記裏面層を剥離し、露出した接着剤にトナーを塗布する。次に、トナーの塗布部分に基づいて、画像処理機により前記サイドフラップ部及び前記ウイング部固定部それぞれの接着剤塗布面積を測定する。そして、前記サイドフラップ部及び前記ウイング部固定部それぞれにおいて、その接着剤塗布面積(接着剤が塗布された部分の面積の総和)を当該部分(前記サイドフラップ部又は前記ウイング部固定部)の全面積で除することによって、目的の接着剤面積率を算出することができる。
図3(a)〜図3(d)には、サイドフラップ部6及びウイング部固定部70における接着剤10の塗布部の平面図が示されている。図3(a)〜図3(d)に示す接着剤10の塗布部は、何れも平面視において線状である。前記サイドフラップ部接着剤面積率又は前記ウイング部固定部接着剤面積率が100%である場合、即ち、サイドフラップ部6又はウイング部固定部70において2枚のシート22,3を接合する接着剤10が当該部位の全域に塗布されている場合、サイドフラップ部6又はウイング部7が硬くなり着用感の低下を招くおそれがあるが、図3(a)〜図3(d)に示すように接着剤10の塗布部が平面視線状であると、当該部位に接着剤10の塗布部と非塗布部とが形成されるため、2枚のシート22,3の接合強度をある程度維持しつつ、柔軟な質感を得ることが可能となる。
図3(a)〜図3(d)に示す接着剤10の塗布部の中でも特に、図3(a)及び図3(b)に示す形態、即ち、平面視において縦方向X及び横方向Yに交差する方向(交差方向)に延びる部分を含んで一方向に延びる連続線状の形態が好ましい。図3(a)に示す接着剤10の塗布部は、前記交差方向に延びる第1の直線と、縦方向X、横方向Y及び前記交差方向の何れに対しても交差する方向に延びる第2の直線とから構成される、平面視ジグザグ状の接着剤塗布部であり、図3(b)に示す接着剤10の塗布部は、曲線を主体とする平面視螺旋状の接着剤塗布部である。サイドフラップ部6及びウイング部固定部70には、図3(a)及び/又は図3(b)に示す接着剤10の塗布部が1本又は複数本形成されていることが好ましい。これに対し、図3(c)に示す接着剤10の塗布部は、平面視において縦方向Xに延びる直線のみから形成される接着剤塗布部、図3(d)に示す接着剤10の塗布部は、平面視において横方向Yに延びる直線のみから形成される接着剤塗布部であり、両接着剤塗布部は何れも前記交差方向に延びる部分を含んでいない。図3(a)及び図3(b)に示す接着剤10の塗布部は、何れも前記交差方向に延びる部分を含んでいるため、該部分を含まない図3(c)及び図3(d)に示す接着剤10の塗布部に比して、接着剤10の単位面積当たりの密度が低下し、そのため、接着剤10の塗布に起因するサイドフラップ部6又はウイング部固定部70の柔軟性の低下を効果的に抑制することができる。
尚、本体部5における吸収体4と裏面シート3との間の接着剤10の塗布形態は、サイドフラップ部6における接着剤10の塗布形態と同じに設定することが好ましい。即ち、本体部5における吸収体4と裏面シート3との間の接着剤10は、ウイング部固定部70よりも高密度で塗布されることが好ましい。
図4には、図1に示すウイング部7の一例の非着衣装着面(着衣装着面とは反対側の面)、即ち、表面層2(サイドシート22)の外面が示されている。図4に示すウイング部7の周縁部(ウイング部7の周縁から10mm以内の領域)には、エンボス部15が形成されている。図4に示す形態においてエンボス部15は、平面視線状の線エンボス部15Aと平面視点状(円形状)の点エンボス部15Bとを含んでいる。エンボス部15は、熱エンボス、超音波エンボス等の公知のエンボス加工により常法に従って形成することができ、エンボス部15においては、サイドシート22及び裏面シート3が熱融着等により一体化している。エンボス部15は、サイドシート22側から裏面シート3側に向かってエンボス加工が施されている。一般に、吸収性物品のウイング部の周縁部は破れや裂けが起こりやすい部位であるところ、該周縁部にエンボス部が形成されていると、強度が向上し、これらの不都合が生じ難くなる。
図4に示すように、ウイング部固定部70は、ウイング部粘着部8の横方向Yの外方に位置する粘着部横外方領域70Y(図4中斜線を付した領域)と、ウイング部粘着部8の縦方向Xの外方に位置する粘着部縦外方領域70X(図4中ドットを付した領域)とを有している。粘着部横外方領域70Yは、ウイング部固定部70において最も横方向Yの外方に位置するウイング部粘着部8の、縦方向Xに沿う外側縁(縦方向Xに沿う一対の側縁のうち相対的に吸収体4から遠い方の側縁)又は縦方向Xに平行で吸収体4から最も遠い接線を基準として、その基準線よりも横方向Yの外方に位置する領域で且つ該ウイング部粘着部8と縦方向Xにおいて同位置に存する領域である。また図示していないが、ウイング部固定部70にウイング部粘着部8が複数形成されている場合、その複数のウイング部粘着部8それぞれの縦方向Xの外方に位置する領域は、何れも粘着部縦外方領域70Xである。
図4に示すように、粘着部縦外方領域70X及び粘着部横外方領域70Yにはそれぞれエンボス部15が形成されている。粘着部横外方領域70Yには、複数の線エンボス部15Aから構成される花柄模様(5枚の花弁を含む花柄模様)のエンボスパターンが形成されている。一方、粘着部縦外方領域70Xには、波線状且つ連続線状の線エンボス部15Aと点エンボス部16Bとが形成され、点エンボス部16Bの方が相対的にウイング部7の周縁に近い。尚、前述したように、ウイング部固定部70を構成する2枚のシート22,3どうしは、例えば図3に示す如きパターンで塗布された接着剤10によって、ウイング部固定部70の全域において互いに接合されており、粘着部縦外方領域70X及び粘着部横外方領域70Yの何れにおいても、両シート22,3は、エンボス部15及び接着剤10によって互いに接合されている。
粘着部横外方領域70Yにおけるエンボス部15の面積率(粘着部横外方領域70Yの面積に占める該領域70Y内の全てのエンボス部15の総面積の割合。以下、「粘着部横外方領域エンボス部面積率」ともいう。)は、粘着部縦外方領域70Xにおけるエンボス部15の面積率(粘着部縦外方領域70Xの面積に占める該領域70X内の全てのエンボス部15の総面積の割合。以下、「粘着部縦外方領域エンボス部面積率」ともいう。)以上であることが好ましい。ウイング部7(ウイング部固定部70)の粘着部横外方領域70Yは、ウイング部7を操作する際に手指で把持する部分であるため、破れや裂けが生じやすいところ、この粘着部横外方領域70Yに粘着部縦外方領域70Xよりも高密度でエンボス部15が形成されていると、粘着部横外方領域70Yの強度が向上し破れや裂けが生じ難くなる。
前述した作用効果をより確実に奏させるようにする観点から、前記粘着部横外方領域エンボス部面積率と前記粘着部縦外方領域エンボス部面積率との比(粘着部横外方領域エンボス部面積率/粘着部縦外方領域エンボス部面積率)は、好ましくは1以上、さらに好ましくは1.6以上、そして、好ましくは7以下、さらに好ましくは4.5以下、より具体的には、好ましくは1〜7、さらに好ましくは1.6〜4.5である。
また、前記粘着部横外方領域エンボス部面積率は、好ましくは4%以上、さらに好ましくは10%以上、そして、好ましくは40%以下、さらに好ましくは30%以下、より具体的には、好ましくは4〜40%、さらに好ましくは10〜30%である。
また、前記粘着部横外方領域エンボス部面積率は、好ましくは4%以上、さらに好ましくは10%以上、そして、好ましくは40%以下、さらに好ましくは30%以下、より具体的には、好ましくは4〜40%、さらに好ましくは10〜30%である。
前記エンボス部面積率は以下の方法で算出する。まず、マイクロスコープ(株式会社キーエンス製、VHX−900)を用いて前記粘着部横外方領域と前記粘着部縦外方領域の拡大写真を得る。次に、その拡大写真にスケールを合わせ、エンボス部の寸法を測定する。そして、測定領域の全体面積Qにおける、エンボス部の面積の合計Pをそれぞれ算出する。前記エンボス部面積率は、計算式(P/Q)×100によって算出することができる。
図5には、ウイング部固定部70におけるエンボス部15の他の例が示されている。図5(a)に示す形態は、図4に示す形態において点エンボス15Bに代えて中抜きエンボス部15Cを用いた以外は、図4に示す形態と同じである。中抜きエンボス部15Cは、平面視で内側に未エンボス部を有してその周囲をエンボスしてなるエンボス部であり、平面視円形状の線エンボス部に包囲された該未エンボス部は、該線エンボス部よりも非着衣装着面側(サイドシート22側)に突出している。中抜きエンボス部15Cは、同じ輪郭を有する点エンボス部15Bに比してエンボス部が少ないため、エンボス部として中抜きエンボス部15Cを用いることで、ウイング部固定部70にエンボス部を形成することに起因する柔軟性の低下を一層抑制することができる。また、線エンボス部15Aも、中抜きエンボス部15Cと同様に、ウイング部固定部70の柔軟性の低下を招き難いエンボス部であるため、本考案で好ましく用いられる。
図5(b)に示す形態は、エンボス部15として、平面視点状の微小エンボス部15’を含み、微小エンボス部15’が多数集まって所定のエンボスパターンを形成している。微小エンボス部15’は、点エンボス部15Bよりも小さいエンボス部であり、その大きさは、好ましくは0.01mm2以上、さらに好ましくは0.3mm2以上、そして、好ましくは1.0mm2以下、さらに好ましくは0.4mm2以下、より具体的には、好ましくは0.01〜1.0mm2、さらに好ましくは0.3〜0.4mm2である。図5(b)に示す形態においては、多数の微小エンボス部15’が所定方向に間欠的に配されて、平面視において所定方向に延びる点線状の線エンボス部15A’を形成し、また、多数の微小エンボス部15’が所定部位に散点状に配されて、平面視において該所定部位全体が円形状に見える疑似点エンボス部15B’を形成している。ウイング部固定部70に形成するエンボス部として微小エンボス部15’を用いることで、ウイング部固定部70にエンボス部を形成することに起因する柔軟性の低下を一層抑制することができる。
以上、本考案をその好ましい実施形態に基づき説明したが、本考案は前記実施形態に制限されない。例えば前記実施形態において、表面層2は、液透過性の表面シート21と液不透過性若しくは液難透過性又は撥水性の一対のサイドシート22とから構成されていたが、表面シート21のみから構成されていても良く、その場合、一対のサイドフラップ部6,6及び一対のウイング部7,7は、それぞれ、表面シート21及び裏面層としてのサイドシート3を含んで構成される。また、本考案の女性用吸収性物品には、生理用ナプキンの他、パンティライナー、産褥ナプキン等が含まれる。前述した一の実施形態のみが有する部分は、すべて適宜相互に利用できる。
以下、本考案を実施例により更に具体的に説明するが、本考案は斯かる実施例に限定されるものではない。
〔実施例1〕
市販の生理用ナプキン「ロリエエフ多い日昼用ウイングつき」を用い、その市販ナプキンを部分的に改変することで、図1及び図2に示すナプキン1と同様の構成を有する生理用ナプキンを作製した。より具体的には、市販ナプキンのサイドフラップ部及びウイング部固定部それぞれの表面層と裏面層にコールドスプレーを吹き付けて両層を剥離した後、両層のうちの一方における他方との対向面にホットメルトを所定のパターンで塗布してから両層を元通りに重ね合わせることで、サイドフラップ部接着剤面積率とウイング部固定部接着剤面積率との比を変更した。サイドフラップ部接着剤面積率は25.5%、ウイング部固定部接着剤面積率は17%になるようにホットメルトを塗布し、サイドフラップ部接着剤面積率とウイング部固定部接着剤面積率との比を1.5に調整した。ホットメルトの塗布パターンとして、図3(a)に示す、平面視において縦方向X及び横方向Yに交差する方向に延びる部分を含んで一方向に延びる連続線状の形態を採用した。また、市販ナプキンのウイング部根元部の表面層と裏面層にコールドスプレーを吹き付けて両層を剥離した後、両層それぞれの他方との対向面にシリカの粉末を塗布して非接合部を形成してから両層を元通りに重ね合わせた。また、市販ナプキンのウイング部固定部の周縁部にその非着衣装着面(サイドシートの外面)側から熱エンボス加工を施して、図5(a)に示すエンボスパターン、即ち、線エンボス部15Aと中抜きエンボス部15Cとから構成されるエンボスパターンを形成することで、粘着部横外方領域エンボス部面積率と粘着部縦外方領域エンボス部面積率との比を変更した。粘着部横外方領域エンボス部面積率は15%、粘着部縦外方領域エンボス部面積率は33%になるようにエンボスパターンを形成し、粘着部横外方向領域エンボス部面積率と粘着部縦外方領域エンボス部面積率との比を2.2に調整した。
市販の生理用ナプキン「ロリエエフ多い日昼用ウイングつき」を用い、その市販ナプキンを部分的に改変することで、図1及び図2に示すナプキン1と同様の構成を有する生理用ナプキンを作製した。より具体的には、市販ナプキンのサイドフラップ部及びウイング部固定部それぞれの表面層と裏面層にコールドスプレーを吹き付けて両層を剥離した後、両層のうちの一方における他方との対向面にホットメルトを所定のパターンで塗布してから両層を元通りに重ね合わせることで、サイドフラップ部接着剤面積率とウイング部固定部接着剤面積率との比を変更した。サイドフラップ部接着剤面積率は25.5%、ウイング部固定部接着剤面積率は17%になるようにホットメルトを塗布し、サイドフラップ部接着剤面積率とウイング部固定部接着剤面積率との比を1.5に調整した。ホットメルトの塗布パターンとして、図3(a)に示す、平面視において縦方向X及び横方向Yに交差する方向に延びる部分を含んで一方向に延びる連続線状の形態を採用した。また、市販ナプキンのウイング部根元部の表面層と裏面層にコールドスプレーを吹き付けて両層を剥離した後、両層それぞれの他方との対向面にシリカの粉末を塗布して非接合部を形成してから両層を元通りに重ね合わせた。また、市販ナプキンのウイング部固定部の周縁部にその非着衣装着面(サイドシートの外面)側から熱エンボス加工を施して、図5(a)に示すエンボスパターン、即ち、線エンボス部15Aと中抜きエンボス部15Cとから構成されるエンボスパターンを形成することで、粘着部横外方領域エンボス部面積率と粘着部縦外方領域エンボス部面積率との比を変更した。粘着部横外方領域エンボス部面積率は15%、粘着部縦外方領域エンボス部面積率は33%になるようにエンボスパターンを形成し、粘着部横外方向領域エンボス部面積率と粘着部縦外方領域エンボス部面積率との比を2.2に調整した。
〔実施例2〕
サイドフラップ部接着剤面積率とウイング部固定部接着剤面積率は変更せずに市販ナプキンの設定通りとし(前者と後者との比は1.0)、且つ粘着部横外方向領域エンボス部面積率と粘着部縦外方領域エンボス部面積率も変更せずに市販ナプキンの設定通りとした(前者と後者との比は1.4)。以上の点以外は実施例1と同様にして生理用ナプキンを作製した。
サイドフラップ部接着剤面積率とウイング部固定部接着剤面積率は変更せずに市販ナプキンの設定通りとし(前者と後者との比は1.0)、且つ粘着部横外方向領域エンボス部面積率と粘着部縦外方領域エンボス部面積率も変更せずに市販ナプキンの設定通りとした(前者と後者との比は1.4)。以上の点以外は実施例1と同様にして生理用ナプキンを作製した。
〔比較例1〕
市販の「ロリエエフ多い日昼用ウイングつき」を改変せずにそのまま用いた。この市販ナプキンにおいては、ウイング部根元部において表面層と裏面層とが接合されている。
市販の「ロリエエフ多い日昼用ウイングつき」を改変せずにそのまま用いた。この市販ナプキンにおいては、ウイング部根元部において表面層と裏面層とが接合されている。
実施例及び比較例の生理用ナプキンについて、ウイング部固定部及びウイング部根元部それぞれの曲げ剛性を下記方法により測定すると共に、着用感を下記方法により評価した。その結果を下記表1に示す。
<曲げ剛性の測定方法>
ウイング部固定部及びウイング部根元部それぞれの曲げ剛性は、23℃50%R.H.環境下にて、ハンドロメーター(F360A DIGITAL INDICATOR、ユニパルス社製)を用いて測定する。予め、ウイング部粘着部にシリカの粉末を塗布し、粘着性を除去しておく。尚、本体部の非肌対向面に粘着部(本体粘着部)がある場合は、該粘着部の粘着性も同様に除去する。スリット間隔を10mmに設定した試験台に、ウイング部固定部又はウイング部根元部を、その幅の中央(横方向の中央)が該スリット間隔の中央と重なるように載置し、測定を行う。測定はそれぞれ3回ずつ行い(n=3)、3点の平均値を測定値とした。曲げ剛性の測定値が小さいほど、その測定対象部位(ウイング部固定部又はウイング部根元部)の剛性が低く曲げやすいと評価できる。
ウイング部固定部及びウイング部根元部それぞれの曲げ剛性は、23℃50%R.H.環境下にて、ハンドロメーター(F360A DIGITAL INDICATOR、ユニパルス社製)を用いて測定する。予め、ウイング部粘着部にシリカの粉末を塗布し、粘着性を除去しておく。尚、本体部の非肌対向面に粘着部(本体粘着部)がある場合は、該粘着部の粘着性も同様に除去する。スリット間隔を10mmに設定した試験台に、ウイング部固定部又はウイング部根元部を、その幅の中央(横方向の中央)が該スリット間隔の中央と重なるように載置し、測定を行う。測定はそれぞれ3回ずつ行い(n=3)、3点の平均値を測定値とした。曲げ剛性の測定値が小さいほど、その測定対象部位(ウイング部固定部又はウイング部根元部)の剛性が低く曲げやすいと評価できる。
<着用感の評価方法>
評価対象の生理用ナプキンのウイング部及びサイドフラップ部について、肌触りの良さを成人男女計3人により1位から3位まで好きな順に順位づけしてもらう。1位が3点、2位が2点、3位が1点としたときの3人の平均値を小数点第一位に四捨五入して求め、当該生理用ナプキンの着用感の評価点とする。
評価対象の生理用ナプキンのウイング部及びサイドフラップ部について、肌触りの良さを成人男女計3人により1位から3位まで好きな順に順位づけしてもらう。1位が3点、2位が2点、3位が1点としたときの3人の平均値を小数点第一位に四捨五入して求め、当該生理用ナプキンの着用感の評価点とする。
表1に示す通り、実施例1及び2の生理用ナプキンは、比較例1の生理用ナプキンに比してウイング部根元部の曲げ剛性が低く、着用感に優れる結果となった。このことから、折り曲げやすく柔軟で着用感の低下を招き難いウイング部を得るためには、実施例1及び2のように、ウイング部根元部においては表面層と裏面層とを接合しないことが重要であることがわかる。
また、実施例1と実施例2とを対比すると、実施例1の方がウイング部根元部の曲げ剛性が低く、着用感に優れる結果となった。このことから、折り曲げやすく柔軟で着用感の低下を招き難いウイング部を得るためには、前記サイドフラップ部接着剤面積率/前記ウイング部固定部接着剤面積率は1以上とし、前記粘着部横外方領域エンボス部面積率/前記粘着部縦外方領域エンボス部面積率を1以上とすることが有効であることがわかる。
また、実施例1と実施例2とを対比すると、実施例1の方がウイング部根元部の曲げ剛性が低く、着用感に優れる結果となった。このことから、折り曲げやすく柔軟で着用感の低下を招き難いウイング部を得るためには、前記サイドフラップ部接着剤面積率/前記ウイング部固定部接着剤面積率は1以上とし、前記粘着部横外方領域エンボス部面積率/前記粘着部縦外方領域エンボス部面積率を1以上とすることが有効であることがわかる。
1 生理用ナプキン(吸収性物品)
2 表面層
21 表面シート
22 サイドシート
3 裏面シート(裏面層)
4 吸収体
5 本体部
6 サイドフラップ部
7 ウイング部
70 ウイング部固定部
71 ウイング部根元部
8 ウイング部粘着部
9 本体部粘着部
10 接着剤(接着剤塗布部)
15 エンボス部
15A 線エンボス部
15B 点エンボス部
15C 中抜きエンボス部
15’ 微小エンボス部
F 前方部
M 股下部
R 後方部
X 縦方向
Y 横方向
2 表面層
21 表面シート
22 サイドシート
3 裏面シート(裏面層)
4 吸収体
5 本体部
6 サイドフラップ部
7 ウイング部
70 ウイング部固定部
71 ウイング部根元部
8 ウイング部粘着部
9 本体部粘着部
10 接着剤(接着剤塗布部)
15 エンボス部
15A 線エンボス部
15B 点エンボス部
15C 中抜きエンボス部
15’ 微小エンボス部
F 前方部
M 股下部
R 後方部
X 縦方向
Y 横方向
Claims (7)
- 液保持性の吸収体、該吸収体の肌対向面側に配された表面層、及び該吸収体の非肌対向面側に配された裏面層を具備し、着用者の前後方向に相当する縦方向とこれに直交する横方向とを有する本体部と、
前記表面層及び前記裏面層における前記吸収体の縦方向に沿う両側縁からの延出部分を含んで構成される一対のサイドフラップ部と、
一対の前記サイドフラップ部それぞれの縦方向に沿う側縁よりも横方向外方に延出した部分を含んで構成される一対のウイング部とを具備する吸収性物品であって、
前記ウイング部の着衣装着面に該ウイング部を着衣に固定するウイング部粘着部が配され、該ウイング部は、該ウイング部粘着部を含んでそれよりも横方向外方に位置するウイング部固定部と、該ウイング部固定部と前記サイドフラップ部との間に位置するウイング部根元部とに横方向に区分され、
前記ウイング部固定部においては前記表面層と前記裏面層とが接合され、前記ウイング部根元部においては前記表面層と前記裏面層とは接合されていない吸収性物品。 - 前記サイドフラップ部及び前記ウイング部固定部においては前記表面層と前記裏面層とが接着剤によって接合されており、
前記サイドフラップ部における接着剤塗布部の面積率が、前記ウイング部固定部における接着剤塗布部の面積率以上である請求項1に記載の吸収性物品。 - 前記サイドフラップ部及び前記ウイング部固定部における前記接着剤塗布部は、平面視において、縦方向及び横方向に交差する方向に延びる部分を含んで一方向に延びる連続線状である請求項2に記載の吸収性物品。
- 前記ウイング部固定部の周縁部にエンボス部が形成されている請求項1〜3の何れか一項に記載の吸収性物品。
- 前記ウイング部固定部は、前記ウイング部粘着部の横方向外方に位置する粘着部横外方領域と、該ウイング部粘着部の縦方向外方に位置する粘着部縦外方領域とを有し、両領域にエンボス部が形成されており、
前記粘着部横外方領域における前記エンボス部の面積率が、前記粘着部縦外方領域における前記エンボス部の面積率以上である請求項1〜4の何れか一項に記載の吸収性物品。 - 前記エンボス部として、平面視線状の線エンボス部、及び平面視で内側に未エンボス部を有してその周囲をエンボスしてなる中抜きエンボス部の少なくとも一方を含む請求項4又は5に記載の吸収性物品。
- 前記エンボス部として、平面視点状の微小エンボス部を含み、該微小エンボス部が多数集まって所定のエンボスパターンを形成している請求項4〜6の何れか一項に記載の吸収性物品。
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JP2020069029A (ja) * | 2018-10-30 | 2020-05-07 | 花王株式会社 | 吸収性物品 |
-
2014
- 2014-10-06 JP JP2014005316U patent/JP3194931U/ja not_active Expired - Fee Related
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